JP2009160155A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性および耐摩耗性に優れ、且つ、打球感に優れたゴルフボールを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフボールは、コアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーが、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)とを含有するカバー用組成物により形成されており、前記コアの表面硬度が、JIS−C硬度で85以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタンカバーを有するゴルフボールに関するものであり、より詳細には、耐久性および耐摩耗性に優れ、且つ打球感に優れたゴルフボールに関するものである。
近年、カバーを構成する樹脂成分にポリウレタンを用いたゴルフボールが開発されている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、ポリウレタンをカバーに使用した場合、耐久性が十分でなかったため、ポリウレタンを使用したカバーの改良技術が種々検討されている。例えば、特許文献3には、カバーを形成する樹脂成分が、熱可塑性ポリウレタンエラストマーとブロックドイソシアネートとの反応生成物を主成分としてなるゴルフボールが開示されている。特許文献4〜6には、ポリウレタン材料と、イソシアネート混合物とを含有する組成物により形成されたカバーを有するゴルフボールが開示されている。特許文献7には、カバーが少なくとも1つのエポキシ基を有する有機硬化剤を含むポリウレタン組成物から製造されたゴルフボールが開示されている。
一方、ゴルフボールには、主に練習場での使用を目的としたレンジボールも存在しており、このようなレンジボールでは、ラウンド用ゴルフボールよりも優れた耐久性が要求されることが知られている(例えば、特許文献8)。
特開昭51−74726号公報 特許第2662909号公報 特開平11−178949号公報 特開2002−336378号公報 特開2002−336386号公報 特開2005−253962号公報 特表2000−513596号公報 特開平9−94311号公報
しかしながら、特許文献1〜7に開示されているゴルフボールでは、レンジボールに要求される耐久性および耐摩耗性を満たしておらず、また、打球感が不十分であった。特許文献8に開示されているゴルフボールでは、耐久性に優れているが、なお改良の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐久性および耐摩耗性に優れ、且つ、打球感に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフボールは、コアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーが、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)とを含有するカバー用組成物により形成されており、前記コアの表面硬度が、JIS−C硬度で85以下であることを特徴としている。
すなわち、カバーを、熱可塑性ポリウレタン(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリヒドロキシエーテル(C)を樹脂成分として含有するカバー用組成物により形成し、コアの表面硬度をJIS−C硬度で85以下とすることにより、レンジボールに要求されるカバーの耐摩耗性および耐久性を満足させ、且つ、打球感に優れたゴルフボールが得られる。
一般に、カバー材料の樹脂成分として熱可塑性ポリウレタンのような軟質材料を採用すると、耐久性は向上するが耐摩耗性が低下する傾向がある。しかしながら、本発明のゴルフボールでは、カバー用組成物に、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)、ポリイソシアネート(B)およびポリヒドロキシエーテル(C)を含有させることにより、軟質材料である熱可塑性ポリウレタン(A)と硬質材料であるポリヒドロキシエーテル(C)とが、ポリイソシアネート(B)によって架橋されることにより、カバーの耐摩耗性が向上すると考えられる。
さらに、前記ポリイソシアネート(B)を、イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b)中に分散させてポリイソシアネート混合物(B+b)として使用した場合には、カバー成形時には架橋反応を抑制しつつ、カバー成形後に架橋反応を進めることができ、ゴルフボールの生産性を低下させることなく、カバーの耐擦過傷性を向上させることができる。
前記ポリヒドロキシエーテル(C)は、下記式(1)で表される繰返し構造単位を有することが好ましい。
Figure 2009160155
[式中、R1、R2は同一または異なって、水素またはメチル基である。]
また、前記ポリヒドロキシエーテル(C)は、下記式(2)で表されるものがより好適である。下記式(2)で表されるポリヒドロキシエーテルを用いることにより、カバーの耐摩耗性をさらに向上させることができる。
Figure 2009160155
[式中、R3、R4、R5、R6は同一または異なって、水素またはメチル基であり、X、Yは同一または異なって、エポキシ基またはヒドロキシエチル基であり、nは正の整数である。]
前記ポリヒドロキシエーテル(C)の数平均分子量は、100〜100,000であることが好ましい。また、前記ポリヒドロキシエーテル(C)の含有量は、熱可塑性ポリウレタン(A)100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましい。
前記コアの圧縮変形量D1と、ゴルフボール本体の圧縮変形量D2との差(D1−D2)は、0mm〜0.4mmであることが好ましい。圧縮変形量の差(D1−D2)を、上記範囲とすることにより、ゴルフボールの打球感をさらに向上させることができる。
本発明によれば、耐摩耗性および耐久性に優れ、且つ打球感に優れたゴルフボールを提供することができる。
本発明のゴルフボールは、コアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーが、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)とを含有するカバー用組成物により形成されており、前記コアの表面硬度が、JIS−C硬度で85以下であることを特徴としている。
まず、熱可塑性ポリウレタン(A)について説明する。本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン(A)は、分子内にウレタン結合を複数有し熱可塑性を示すものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネートと高分子量ポリオールとを反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成された生成物であり、必要に応じて、さらに低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンなどの鎖長延長剤により鎖長延長反応させることにより得られるものである。
前記熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートなどのうちの1種または2種以上の混合物などである。
耐擦過傷性を向上するという観点からは、熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリイソシアネート成分として、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。芳香族ポリイソシアネートを使用することにより、得られるポリウレタンの機械的特性が向上し、耐擦過傷性に優れるカバーが得られる。また、耐候性を向上するという観点からは、熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリイソシアネート成分として、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、H6XDI、IPDI、H12MDI、NBDIなど)を使用することが好ましく、さらに好ましくは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)を使用する。4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)は剛直な構造を有しており、得られるポリウレタンの機械的特性が向上し、耐擦過傷性に優れるカバーが得られるからである。
前記熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリオール成分としては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール(例:1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなど)、ジプロピレングリコール、ブタンジオール(例:1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールなど)、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、1,6−シクロへキサンジメチロール、アニリン系ジオール、ビスフェノールA系ジオールなどのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオール;ペンタエリスリトール、ソルビトールなどのテトラオールまたはヘキサオールなどが挙げられる。
高分子量のポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などのポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;およびアクリルポリオールなどが挙げられ、上述したポリオールの少なくとも2種以上の混合物であってもよい。
高分子量のポリオールの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、400以上であることが好ましく、より好ましくは1,000以上である。高分子量ポリオールの数平均分子量を400以上とすることにより、得られるポリウレタンが硬くなりすぎず、ゴルフボールの打球感が向上するからである。また、高分子量ポリオールの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、10,000以下であることが好ましく、より好ましくは8,000以下である。なお、ポリオール成分の数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとしてTSK−GEL SUPERH2500(東ソー株式会社製)2本を用いて測定すればよい。
また、ポリオール成分として用いられる高分子量ポリオールの水酸基価は、150mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは120mgKOH/g以下、さらに好ましくは60mgKOH/g以下である。なお、高分子量ポリオールの水酸基価は、JIS K 1557−1に準じて、例えば、アセチル化法によって測定することができる。
また、必要に応じて前記熱可塑性ポリウレタンを構成するポリアミンは、少なくとも2以上のアミノ基を有するものであれば特に限定されない。前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族系ポリアミン;イソホロンジアミン、ピペラジンなどの脂環式系ポリアミン;および、芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
前記芳香族ポリアミンは、少なくとも2以上のアミノ基が芳香環に直接または間接的に結合しているものであれば、特に限定されない。ここで、間接的に結合しているとは、アミノ基が、例えば低級アルキレン基を介して芳香環に結合していることをいう。前記芳香族ポリアミンとしては、例えば、1つの芳香環に2以上のアミノ基が結合している単環式芳香族ポリアミンでもよいし、少なくとも1つのアミノ基が1つの芳香環に結合しているアミノフェニル基を2個以上含む多環式芳香族ポリアミンでもよい。
前記単環式芳香族ポリアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンなどのアミノ基が芳香環に直接結合しているタイプ;キシリレンジアミンのようなアミノ基が低級アルキレン基を介して芳香環に結合しているタイプなどが挙げられる。また、前記多環式芳香族ポリアミンとしては、少なくとも2つのアミノフェニル基が直接結合しているポリ(アミノベンゼン)でもよいし、少なくとも2つのアミノフェニル基が低級アルキレン基やアルキレンオキシド基を介して結合していてもよい。これらのうち、低級アルキレン基を介して2つのアミノフェニル基が結合しているジアミノジフェニルアルカンが好ましく、4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びその誘導体が特に好ましい。
前記熱可塑性ポリウレタン(A)の構成態様としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分によって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分によって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分とポリアミン成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とポリアミン成分とによって構成されている態様などを挙げることができる。
前記熱可塑性ポリウレタン(A)のスラブ硬度は、ショアD硬度で、38以上が好ましく、40以上が更に好ましく、55以下が好ましく、52以下がより好ましく、50以下が更に好ましい。熱可塑性ポリウレタン(A)の硬度を、ショアD硬度で38以上とすることにより、カバー用組成物が柔らかくなりすぎず、良好な反発性能が得られる。また、熱可塑性ポリウレタン(A)の硬度を、ショアD硬度で55以下とすることにより、カバー用組成物が硬くなりすぎず、十分な耐久性が得られる。前記熱可塑性ポリウレタン(A)の具体例としては、BASFジャパン株式会社製の「エラストラン(登録商標)1195ATR、エラストラン1198ATR、エラストラン1154D」などを挙げることができる。
次に、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)について説明する。
前記ポリイソシアネート(B)は、イソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されず、例えば、ジイソシアネート、トリイソシアネート、イソシアネート含有ウレタンプレポリマーなどを挙げることができる。また、本発明に使用されるポリイソシアネート(B)は、イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b)に分散し、ポリイソシアネート混合物(B+b)として使用することが好ましい態様である。
前記ジイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などを挙げることができる。
前記トリイソシアネートとしては、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどの3官能イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)などのジイソシアネートのイソシアヌレート体;ジイソシアネートとトリメチロールプロパンあるいはグリセリンなどの低分子量トリオールとを反応させて得られるアダクト体(好ましくは、遊離ジイソシアネートが除去されている);アロハネート変性体;ビュレット変性体などを挙げることができる。前記アロハネート変性体とは、例えば、ジイソシアネートと低分子量ジオールとを反応させて形成されるウレタン結合にさらにジイソシアネートが反応して得られる3官能ポリイソシアネートであり、前記ビュレット変性体とは、例えば、ジイソシアネートと低分子量ジアミンとを反応させて形成されるウレア結合にさらにジイソシアネートが反応して得られる3官能ポリイソシアネートである。
前記トリイソシアネートの分子量としては、例えば、200以上が好ましく、350以上がより好ましく、500以上がさらに好ましく、2,500以下が好ましく、2,000未満がより好ましく、1,500未満がさらに好ましく、1,000未満がさらに望ましい。前記トリイソシアネートの分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより求めることができる。
前記イソシアネート含有ウレタンプレポリマーとしては、分子内にウレタン結合を複数有するとともに、イソシアネート基を2つ以上有する化合物であって、前記熱可塑性ポリウレタン(A)に比べて分子量が低いものであれば特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、ポリイソシアネート成分が過剰な条件で反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成されたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを挙げることができる。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の配合比は、ポリオール成分の水酸基(OH)に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基(NCO)のモル比率(NCO/OH)を、1.1以上とすることが好ましく、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上であり、3.0以下とすることが好ましく、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下である。
前記イソシアネート含有ウレタンプレポリマーの原料として用いられるポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、前記熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリイソシアネート成分として例示したものを挙げることができる。前記イソシアネート含有ウレタンプレポリマーの原料として用いられるポリオール成分としては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、前記熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリオール成分として例示した低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。
前記イソシアネート含有ウレタンプレポリマーとして用いられるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとしては、TDI系ウレタンプレポリマー;MDI系ウレタンプレポリマー;H12MDI系ウレタンプレポリマーなどを挙げることができ、MDI系ウレタンプレポリマー;H12MDI系ウレタンプレポリマーが好ましく用いられる。ここで、前記TDI系ウレタンプレポリマーとは、TDIまたはこれを主成分とするポリイソシアネートとポリオール(好ましくはPTMG)とを反応することにより得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのことをいい、前記MDI系ウレタンプレポリマーとは、MDIまたはこれを主成分とするポリイソシアネート化合物とポリオール(好ましくはPTMG)とを反応することにより得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのことをいい、H12MDI系ウレタンプレポリマーとは、H12MDIまたはこれを主成分とするポリイソシアネート化合物とポリオール(好ましくはPTMG)とを反応することにより得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのことをいう。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させる際には、ウレタン反応で使用される従来公知の触媒を用いることができる。前記触媒としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロへキシルアミンなどのモノアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミンなどのポリアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、トリエチレンジアミンなどの環状ジアミン類;ジブチルチンジラウリレート、ジブチルチンジアセテートなどの錫系触媒;アゼライン酸、オレイン酸、アジピン酸などの有機カルボン酸類などが挙げられる。
前記ウレタンプレポリマーの数平均分子量としては、例えば、1,000以上が好ましく、1,500以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましく、30,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましく、10,000以下がさらに好ましい。数平均分子量を1,000以上とすることによって、架橋反応時の架橋点間距離が長くなって、得られるポリウレタンカバーが、硬くなり過ぎず耐久性が向上する。一方、数平均分子量を30,000以下とすることにより、架橋点密度が低くなりすぎず、得られるカバーの耐擦過傷性が向上する。
前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基量(NCO%)は、0.5質量%以上が好ましく、45質量%以下が好ましい。ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基量を、0.5質量%以上とすることにより、十分な架橋効果が得られ、耐擦過傷性が向上する。また、高すぎるとカバー用組成物の粘度が過剰に上昇し成形性が悪くなるおそれがある。なお、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基量(NCO%)は、100×(ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基のモル数×42(NCOの分子量))/(ポリイソシアネート(B)の総質量)で表わすことができる。
特に、ポリイソシアネート(B)として、ジイソシアネートを用いる場合には、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基量(NCO%)は、15質量%以上が好ましく、17.5質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、45質量%以下が好ましく、42.5質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
また、ポリイソシアネート(B)として、トリイソシアネートを用いる場合には、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基量(NCO%)は、10.0質量%以上が好ましく、12.5質量%以上がより好ましく、15.0質量%以上が更に好ましく、30.0質量%以下が好ましく、27.0質量%以下がより好ましく、25.0質量%以下が更に好ましい。
また、ポリイソシアネート(B)として、ウレタンプレポリマーを用いる場合には、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基量(NCO%)は、0.5質量%以上が好ましく、0.75質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、10.0質量%未満が好ましく、9.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下が更に好ましく、3.0質量%以下が特に好ましい。
前記イソシアネート基と実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b)としては、イソシアネート基に対して、実質的に不活性なもの(イソシアネート基に対する活性水素を実質的に有していないもの)であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、エステルゴム、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂(好ましくはポリエチレンテレフタレート)、ポリオレフィン、ポリアセタール、二フッ化樹脂、四フッ化樹脂、アイオノマー樹脂などが挙げられる。これらの中でも、前記熱可塑性樹脂(b)として、ゴム弾性を有する熱可塑性エラストマーが好ましく、例えば、ポリエステルエラストマー、アクリルエラストマー、スチレンエラストマー、オレフィンエラストマーおよび塩化ビニルエラストマーよりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。前記ポリエステルエラストマーとしては、例えば、東レ・デュポン(株)の「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3046」、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」など)」または三菱化学(株)の「プリマロイ(登録商標)(例えば、「プリマロイA1500」)」を挙げることができ、前記スチレン系エラストマーとしては、三菱化学(株)の「ラバロン(登録商標)」を挙げることができる。
前記ポリイソシアネート混合物(B+b)中のポリイソシアネート(B)と、熱可塑性樹脂(b)との配合比率(合計100質量%)は、ポリイソシアネート(B)/熱可塑性樹脂(b)=5質量%〜50質量%/50質量%〜95質量%が好ましく、より好ましくは10質量%〜50質量%/50質量%〜90質量%であり、さらに好ましくは20質量%〜45質量%/55質量%〜80質量%である。配合比率が上記範囲外の場合には、所望の架橋構造が得られなかったり、架橋密度が高くなりすぎたりして、耐久性が損なわれる場合がある。
前記ポリイソシアネート混合物(B+b)のイソシアネート基量(NCO%)は、100×(ポリイソシアネート混合物(B+b)中のイソシアネート基のモル数×42(NCOの分子量))/ポリイソシアネート混合物(B+b)の総質量(g)で表わすことができる。前記ポリイソシアネート混合物(B+b)のイソシアネート基量(NCO%)は、0.025質量%以上、22.5質量%以下であることが好ましい。前記ポリイソシアネート混合物(B)のイソシアネート基量(NCO%)が、上記範囲未満であると架橋効果がなく耐擦過傷性が悪くなるおそれがあり、上記範囲を超えるとカバー用組成物の粘度が過剰に上昇し成形性が悪くなるおそれがある。
特に、ポリイソシアネート(B)としてジイソシアネートを用いる場合には、ポリイソシアネート混合物(B+b)のイソシアネート基量(NCO%)は0.075質量%以上が好ましく、0.90質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、21質量%以下であることが好ましく、19質量%以下がより好ましく、17質量%以下が更に好ましい。
また、ポリイソシアネート(B)としてトリイソシアネートを用いる場合には、ポリイソシアネート混合物(B+b)のイソシアネート基量(NCO%)は5.0質量%以上が好ましく、7.0質量%以上がより好ましく、8.5質量%以上が更に好ましく、30.0質量%以下であることが好ましく、20.0質量%以下がより好ましく、12.0質量%以下が更に好ましい。
また、ポリイソシアネート(B)としてウレタンプレポリマーを用いる場合には、ポリイソシアネート混合物(B+b)のイソシアネート基量(NCO%)は0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましく、10.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。
前記ポリイソシアネート混合物(B+b)としては、例えば、大日精化株式会社製の「クロスネートEM−30」などを挙げることができる。
本発明で使用するカバー用組成物中のポリイソシアネート混合物(B+b)含有量は、熱可塑性ポリウレタン(A)100質量部に対して、1質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、20質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは18質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。前記ポリイソシアネート混合物(B+b)含有量が、上記範囲内とすることにより、架橋密度が高くなりすぎることなく、十分な架橋構造が得られ、耐久性が向上する。
次に、ポリヒドロキシエーテル(C)について説明する。本発明で使用するポリヒドロキシエーテル(C)は、分子内にエーテル結合を複数有し、少なくとも水酸基を2個以上有するものであれば、特に限定されない。
前記ポリヒドロキシエーテル(C)としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などのポリエーテルグリコール;分子中に2個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂などを挙げることができる。なお、ポリヒドロキシエーテル(C)は、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリヒドロキシエーテル(C)は、下記式(1)で表される繰返し構造単位を有することが好ましい。
Figure 2009160155
[式中、R1、R2は同一または異なって、水素またはメチル基である。]
上記式(1)で表される繰返し構造単位を有するポリヒドロキシエーテル(C)を用いることにより、得られるカバー用組成物の機械的特性が向上し、より耐擦過傷性および耐久性に優れるカバーが得られる。
また、前記ポリヒドロキシエーテル(C)は、下記式(2)で表されるものがより好適である。
Figure 2009160155
[式中、R3、R4、R5、R6は同一または異なって、水素またはメチル基であり、X、Yは同一または異なって、エポキシ基またはヒドロキシエチル基であり、nは正の整数である。]
上記式(2)で表されるポリヒドロキシエーテル(C)としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られるビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応により得られるビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールADとエピクロルヒドリンとの反応により得られるビスフェノールAD型樹脂などのエポキシ樹脂を挙げることができる。
前記ポリヒドロキシエーテル(C)の数平均分子量は、100以上が好ましく、より好ましくは300以上であり、100,000以下が好ましく、より好ましくは80,000以下である。ポリヒドロキシエーテル(C)の数平均分子量が100以上であると、ポリヒドロキシエーテル(C)が水酸基量を十分に有することとなり、十分な架橋効果が得られ、耐摩耗性が向上する。一方、ポリヒドロキシエーテル(C)の数平均分子量が100,000以下であれば、ポリヒドロキシエーテル(C)の水酸基量が過剰にならず、架橋密度が高くなりすぎないため、カバーが硬く脆くなることがなく、耐久性が向上する。
前記ポリヒドロキシエーテル(C)としてエポキシ樹脂を用いる場合、ポリヒドロキシエーテル(C)のエポキシ当量は1,000g/eq以上であることが好ましく、より好ましくは1,500g/eq、さらに好ましくは2,000g/eqであり、20,000g/eq以下が好ましく、より好ましくは15,000g/eq以下、さらに好ましくは10,000g/eq以下である。ここで、エポキシ当量とは、1g当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数であって、JIS K7236に準じて測定した値をいう。
また、ポリヒドロキシエーテル(C)に用いるエポキシ樹脂としては、低分子量のエポキシ樹脂や、フェノキシ樹脂のいずれも使用することができる。ここで、フェノキシ樹脂とは、エポキシ樹脂の中でも、エピクロルヒドリンとビスフェノールから作られる典型的なエポキシ樹脂であって、比較的高分子量のものをいう。前記低分子量のエポキシ樹脂の数平均分子量は1,000以上、好ましくは1,500以上であり、8,000以下、好ましくは5,000以下である。前記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000以上、好ましくは20,000以上であり、100,000以下、好ましくは80,000以下である。
前記ポリヒドロキシエーテル(C)の具体例としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社から市販されている「エピコート(登録商標)1007、1009」などのエポキシ当量が1,750g/eq〜3,300g/eqの固形タイプのエポキシ樹脂、「エピコート1256」などのエポキシ当量が7,000g/eq〜8,500g/eqのフェノキシタイプのエポキシ樹脂が挙げられる。
カバー用組成物中の前記ポリヒドロキシエーテル(C)の含有量は、熱可塑性ポリウレタン(A)100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。ポリヒドロキシエーテル(C)の含有量を1質量部以上とすることにより、十分な架橋効果が得られ、耐摩耗性が向上する。一方、ポリヒドロキシエーテル(C)の含有量を20質量部以下とすることにより、相対的に熱可塑性ポリウレタン(A)の含有量が減少することがないため、十分な反発性能が得られる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂成分として、前記熱可塑性ポリウレタン(A)、前記ポリイソシアネート(B)、前記ポリヒドロキシエーテル(C)に加えて、他の樹脂成分を含有することができる。なお、本発明においては、カバー用組成物が、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)のみを含有する態様が好ましい。
前記他の樹脂成分としては、例えば、アイオノマー樹脂や熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。前記アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、または、これらの混合物を挙げることができる。前記アイオノマー樹脂の具体例としては、例えば、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている「ハイミラン(登録商標)」、さらにデュポン社から市販されている「サーリン(登録商標)」、エクソンモービル化学(株)から市販されている「アイオテック(登録商標)」などを挙げることができる。前記熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えばアルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」または三菱化学(株)から商品名「プリマロイ(登録商標)(例えば、「プリマロイA1500」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーなどが挙げられる。
本発明で使用するカバー用組成物は、上述した樹脂成分などの他、酸化チタンや青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料、蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
前記白色顔料(酸化チタン)の含有量は、カバーを構成する熱可塑性ポリウレタン(A)100質量部に対して、0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であって、10質量部以下、より好ましくは8質量部以下であることが望ましい。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、カバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部超になると、得られるカバーの耐久性が低下する場合があるからである。
本発明のカバー用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、40以上が好ましく、より好ましくは42以上であり、55以下が好ましく、より好ましくは52以下、さらに好ましくは50以下である。前記カバー用組成物のスラブ硬度を、ショアD硬度で40以上とすることにより、カバーが柔らかくなりすぎず、十分な反発性能が得られ、一方、55以下とすることにより、カバーが硬くなりすぎず、十分な耐久性が得られる。ここで、カバー用組成物のスラブ硬度とは、カバー用組成物をシート状に成形して測定した硬度であり、後述する測定方法により測定する。
本発明のゴルフボールの製造方法では、熱可塑性ポリウレタン(A)、ポリイソシアネート(B)およびポリヒドロキシエーテル(C)を配合してカバー用組成物を得る。カバー用組成物の配合は、例えば、ペレット状の原料を配合できる混合機を用いるのが好ましく、より好ましくはタンブラー型混合機を用いる。カバー用組成物を配合する態様としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン(A)に、酸化チタンなどのカバー用添加剤を混合し押出して、予め白ペレットを調製し、前記白ペレットとポリイソシアネート(B)およびポリヒドロキシエーテル(C)とをドライブレンドする態様;ポリイソシアネート(B)と、酸化チタンなどのカバー用添加剤とを混合し押出して、予め白ペレットを調製し、前記白ペレットと、熱可塑性ポリウレタン(A)およびポリヒドロキシエーテル(C)とをドライブレンドする態様;熱可塑性ポリウレタン(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリヒドロキシエーテル(C)、酸化チタンなどのカバー用添加剤を混合し、押出して、予め白ペレットを調製する態様;などを挙げることができる。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。カバー用組成物をコア上に射出成形してカバーを成形する場合、カバー成形用上下金型としては、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねているものを使用することが好ましい。射出成形によるカバーの成形は、上記ホールドピンを突き出し、コアを投入してホールドさせた後、加熱溶融されたカバー用組成物を注入して、冷却することによりカバーを成形することができ、例えば、980KPa〜1,500KPaの圧力で型締めした金型内に、150℃〜230℃に加熱溶融したカバー用組成物を0.1秒〜1秒で注入し、15秒〜60秒間冷却して型開きすることにより行う。
圧縮成形法によりカバーを成形する場合、ハーフシェルの成形は、圧縮成形法または射出成形法のいずれの方法によっても行うことができるが、圧縮成形法が好適である。カバー用組成物を圧縮成形してハーフシェルに成形する条件としては、例えば、1MPa以上、20MPa以下の圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、70℃以下の成形温度を挙げることができる。前記成形条件とすることによって、均一な厚みをもつハーフシェルを成形できる。ハーフシェルを用いてカバーを成形する方法としては、例えば、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法を挙げることができる。ハーフシェルを圧縮成形してカバーに成形する条件としては、例えば、0.5MPa以上、25MPa以下の成形圧力で、カバー用組成物の流動開始温度に対して、−20℃以上、70℃以下の成形温度を挙げることができる。上記成形条件とすることによって、均一なカバー厚みを有するゴルフボールカバーを成形できる。また、カバーが成形されたゴルフボールを、40℃以上で4時間〜96時間ポストキュアすることにより、さらに架橋促進させることもできる。
ここで、本発明のゴルフボールは、前記熱可塑性ポリウレタン(A)、ポリイソシアネート(B)、ポリヒドロキシエーテル(C)を用いることによって、カバー成形時には架橋反応を抑制しつつ、カバー成形後に架橋反応を進めることによって、ゴルフボールの生産性を低下させることなく、カバーの耐摩耗性および耐久性を向上させるものであるが、カバー成形後に架橋されているかどうかは、例えば、以下のようにして確認することができる。
ポリイソシアネート(B)およびポリヒドロキシエーテル(C)によって架橋された熱可塑性ポリウレタン(A)は、直鎖状の熱可塑性ポリウレタン(A)を溶解する溶媒に不溶性を示す。直鎖状の熱可塑性ポリウレタン(A)を溶解する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)などを挙げることができる。すなわち、架橋されていない熱可塑性ポリウレタン(A)は前記溶媒に溶解するが、ポリイソシアネート(B)およびポリヒドロキシエーテル(C)によって架橋されると前記溶媒に対して不溶となるため、これにより架橋の有無を確認することができる。
また、カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが5μm以上、より好ましくは7μm以上、25μm以下、より好ましくは18μm以下であることが望ましい。膜厚が5μm未満になると継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなり、膜厚が25μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するからである。
本発明において、ゴルフボールのカバーの厚みは、1.0mm以上が好ましく、より好ましくは1.3mm以上であり、2.5mm以下が好ましく、より好ましくは2.2mm以下、さらに好ましくは1.8mm以下である。カバーの厚みを1.0mm以上とすることにより、本発明の効果が得られ耐久性が向上し、一方、2.5mm以下とすることにより、十分な反発性が得られる。
また、カバーを成形する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。図1はゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。この図には、ディンプル10の最深箇所Deおよびゴルフボール2の中心を通過する断面が示されている。図1における上下方向は、ディンプル10の深さ方向である。深さ方向は、ディンプル10の面積重心からゴルフボール2の中心へ向かう方向である。図1において二点鎖線14は、仮想球を示している。仮想球14の表面は、ディンプル10が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ディンプル10は、仮想球14から凹陥している。ランド12は、仮想球14と一致している。
図1において両矢印Diは、ディンプル10の直径を示している。この直径Diは、ディンプル10の両側に共通の接線Tが画かれたときの、一方の接点Edと他方の接点Edとの距離である。接点Edは、ディンプル10のエッジでもある。エッジEdは、ディンプル10の輪郭を画定する。直径Diは、2.0mm以上6.0mm以下が好ましい。直径Diが上記範囲未満であると、ディンプル効果が得られにくく、また、直径Diが6.0mmを超えると、実質的に球であるというゴルフボール2の本来的特徴が損なわれる。
ディンプル10の面積sは、無限遠からゴルフボール2の中心を見た場合の、エッジラインに囲まれた領域の面積(すなわち平面形状の面積)である。面積sは、s=(Di/2)2×πによって算出される。全てのディンプル10の面積sの合計が仮想球14の表面積に占める比率は、占有率と称される。十分なディンプル効果が得られるとの観点から、占有率は75%以上が好ましい。
ディンプルの容積は、ディンプル10の輪郭を含む曲面と仮想球14とに囲まれた部分の容積を意味する。ディンプル10の総容積は、250mm3以上400mm3以下が好ましい。総容積が250mm3未満であると、ホップする弾道となることがある。また、総容積が400mm3を超えると、ドロップする弾道となるおそれがある。
また、図1において、接線Tと最深箇所Deとの距離は、ディンプル10の深さである。深さは、0.05mm以上0.60mm以下が好ましい。深さが0.05mm未満であると、ホップする弾道となることがある。また、深さが0.60mmを超えると、ドロップする弾道となることがある。そして、ディンプル10の総数は、200個以上500個以下が好ましい。総数が200個未満であると、ディンプル効果が得られにくい。また、総数が500個を超えると、個々のディンプル10のサイズが小さいことに起因してディンプル効果が得られにくい。
本発明のゴルフボールの構造は、コアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであれば、特に限定されないが、好ましい態様としては、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するツーピースゴルフボール;糸巻きコアと前記糸巻きコアを被覆するカバーとを有する糸巻きゴルフボールが挙げられる。この中でも、本発明の好ましい態様は、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するツーピースゴルフボールである。
次に、本発明のゴルフボールのコアについて説明する。
本発明のゴルフボールに用いられるコアは、その表面硬度が、JIS−C硬度で85以下であることを特徴とする。コアの表面硬度をJIS−C硬度で85以下とすることにより、コアが硬くなりすぎず、打球感および耐久性を向上させることができる。
前記コアの表面硬度は、JIS−C硬度で70以上であることが好ましく、より好ましくは75以上であり、さらに好ましくは77以上である。前記表面硬度がJIS−C硬度で70以上であれば、十分な反発性が得られる。また、コアの表面硬度は、JIS−C硬度で85以下であり、好ましくは83以下であり、より好ましくは80以下である。前記表面硬度がJIS−C硬度で85超であると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下し、また、耐久性が低下する。
本発明のゴルフボールのコアには、従来より公知のゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」という場合がある)を採用することができ、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。コアの形状としては、球状であることが好ましい。コアの形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する箇所が生じるからである。
前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、3質量部以下が好ましく、より好ましくは2.8質量部以下、さらに好ましくは2.5質量部以下である。0.1質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、3質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
前記共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムなどを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。
前記共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは15質量部以上であって、50質量部以下が好ましく、より好ましくは45質量部以下である。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために架橋開始剤の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が50質量部を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下するおそれがある。
コア用ゴム組成物に含有される充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、より好ましくは3質量部以上であって、50質量部以下が好ましく、より好ましくは35質量部以下である。充填剤の配合量が2質量部未満では、重量調整が難しくなり、50質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤および充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、しゃく解剤などを適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドなどのモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドなどのトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドなどのテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドなどのペンタ置換体などが挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。前記有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成形条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、140〜180℃で10〜60分間加熱するか、あるいは130〜150℃で20〜40分間加熱した後、160〜180℃で5〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。なお、コアの表面硬度と中心硬度とに硬度差を持たせる場合には、130〜200℃で10〜60分間加熱することが好ましい。
本発明のゴルフボールのコアの直径は、36mm以上であることが好ましく、より好ましくは38mm以上、さらに好ましくは38.6mm以上である。コアの直径が36mm未満では、カバーが厚くなり過ぎて反発性が低下するからである。また、コアの直径は、40.8mmであることが好ましく、より好ましくは40.6mmである。コアの直径が40.6mmを超えると相対的にカバーが薄くなり過ぎて、カバーによる保護効果が十分に得られないからである。
前記コアは、直径36mm〜40.8mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量D1(圧縮方向にコアが縮む量)が、2.8mm以上であることが好ましく、より好ましくは3.0mm以上であり、4.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは3.8mm以下、さらに好ましくは3.5mm以下である。前記圧縮変形量D1が、2.8mm未満では打球感が硬くて悪くなり、4.0mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボールが、糸巻きゴルフボールの場合、コアとして糸巻きコアを用いれば良い。斯かる場合、糸巻きコアとしては、例えば、上述したコア用ゴム組成物を硬化させてなるセンターとそのセンターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成した糸ゴム層とから成るものを使用すればよい。また、前記センター上に巻き付ける糸ゴムは、糸巻きゴルフボールの糸巻き層に従来から使用されているものと同様のものを使用することができ、例えば、天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンに硫黄、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤などを配合したゴム組成物を加硫することによって得られたものを用いてもよい。糸ゴムはセンター上に約10倍に引き伸ばして巻きつけて糸巻きコアを作製する。
本発明のゴルフボールは、直径42.5mm〜43.0mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量D2(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.4mm以上が好ましく、より好ましくは2.6mm以上、さらに好ましくは2.8mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.5mm以下、さらに好ましくは3.4mm以下である。前記圧縮変形量D2が、2.4mm未満では打球感が硬くて悪くなり、4.0mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
また、前記コアの圧縮変形量D1と前記ゴルフボールの圧縮変形量D2の差(D1−D2)が、0mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1mm以上であり、0.4mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3mm以下である。圧縮変形量の差(D1−D2)が0mm未満、すなわち、コアの圧縮変形量D1よりもゴルフボールの圧縮変形量D2の方が大きいと、反発性が低下する傾向がある。一方、圧縮変形量の差(D1−D2)が、0.4mmを超える場合は、カバーが硬く耐久性が低下するおそれがある。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)スラブ硬度(ショアD硬度)
カバー用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板等の影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D 2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(2)コア硬度(JIS−C硬度)
JIS−K 6301に規定するスプリング式硬度計C型を用いて、球状コアの表面部において測定したJIS−C硬度をコアの表面硬度とした。
(3)圧縮変形量(mm)
ゴルフボールまたはコアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にゴルフボールまたはコアが縮む量)を測定した。
(4)ゴルフボール反発係数
各ゴルフボールに200gのアルミニウム製円筒物を40m/秒の速度で衝突させ、衝突前後の前記円筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および質量から各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定は各ゴルフボールについて12個ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの反発係数とした。各ゴルフボールの反発係数は、ゴルフボールNo.8の反発係数を1.00として、各ゴルフボールについての打撃回数を指数化した値で示した。
(5)耐久性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットM/Cにメタルヘッド製#W1ドライバー(SRIスポーツ社製、XXIO)を取り付け、各ゴルフボールをヘッドスピード45m/秒で打撃して衝突板に衝突させた。これを繰り返して、ゴルフボールが壊れるまでの打撃回数を測定した。各ゴルフボールの耐久性は、ゴルフボールNo.8の打撃回数を100として、各ゴルフボールについての打撃回数を指数化した値で示した。指数化された値が大きいほど、ゴルフボールが耐久性に優れていることを示す。
(6)磨耗性
容積7Lのボールミルに、研磨石(チップトン社製、品名「AT」、型番3)2500gと、水2500mlを入れ、その中にゴルフボールを40〜50個を入れ、このボールミルを50rpmで8時間回転させ磨耗試験を行った。
磨耗試験後のゴルフボールのディンプル容積を測定し、下記式を用いてディンプル容積減少率を求めた。
Figure 2009160155
(7)打球感
ゴルファー10人による、ウッド1番クラブ(#W1ドライバー)を用いて実打テストを行い、「打撃時の衝撃が小さく、且つ反発性もあり、打球感が良好である」と答えたゴルファーの人数によって、下記基準に基づいて評価した。
◎:10名中8名以上が、打球感が良好であると回答した。
○:10名中6,7名が、打球感が良好であると回答した。
△:10名中4,5名が、打球感が良好であると回答した。
×:10名中3名以下が、打球感が良好であると回答した。
[ゴルフボールの作製]
(1)コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で、170℃で30分間加熱プレスすることにより、直径37.2mm〜40.4mmの球状のセンターを得た。なお、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が45.4gとなるように添加量を調整した。
Figure 2009160155
BR730:JSR社製、「ハイシスポリブタジエン(シス含有率96%以上)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸留社製、「ZNDA−90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学製、「硫酸バリウムBD」
ジフェニルジスルフィド:住友精化製
ジクミルパーオキサイド:日本油脂製、「パークミル(登録商標)D」
(2)カバー用組成物の調製
表2に示す配合となるように、(A)熱可塑性ポリウレタン、(B)ポリイソシアネート、(C)ポリヒドロキシエーテル、および、カバー用充填剤(二酸化チタン)を、タンブラー型混合機を用いてドライブレンドしてカバー用組成物を調製した。
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得たカバー用組成物を、前述のようにして得たコア上に直接射出成形することによりカバー層を形成し、ツーピースゴルフボール本体を作製した。カバー成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。
得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで4時間加熱して塗料を乾燥させ、直径42.8mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。
なお、ゴルフボールの表面には、表2および図2、図3に示したディンプルパターンを形成した。このゴルフボールの北半球Nおよび南半球Sは、120°回転対称のユニットUを備えている。北半球Nおよび南半球Sのそれぞれにおいて、ユニットUの数は3である。このゴルフボールの表面に形成されたディンプル総数は330個、ディンプルの総容積は311mm3であり、占有率は81.2%であった。図3においては、1つのユニットについてのみ、符号A〜Hによってディンプルの種類を示した。
Figure 2009160155
得られたゴルフボールの構成、並びに、耐久性、耐摩耗性、打球感などについて評価した結果を表3に示した。
Figure 2009160155
エラストラン1195ATR:BASFジャパン社製、MDI系熱可塑性ポリウレタン
ハイミラン1555:三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1557:三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
エピコート1256:ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ樹脂(フェノキシタイプ、重量平均分子量約50000、エポキシ当量7000〜8000g/eq)
エピコート1007:ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ樹脂(基本固形タイプ、数平均分子量約2900、エポキシ当量1750〜2200g/eq)
エピコート1009:ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ樹脂(基本固形タイプ、数平均分子量約3800、エポキシ当量2400〜3300g/eq)
DER−331:ダウケミカル社製、エポキシ樹脂(数平均分子量約340、エポキシ当量180〜190g/eq)
クロスネートEM−30:大日精化株式会社製、熱可塑性ポリエステル樹脂にMDIを分散させたもの(MDI含有量30質量%)
ゴルフボールNo.1〜7は、カバーが、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)とを含有するカバー用組成物により形成され、コアの表面硬度が、JIS−C硬度で85以下である場合である。これらのゴルフボールNo.1〜7は、樹脂成分として熱可塑性ポリウレタン(A)のみを含有するゴルフボールNo.8に比べて、耐久性、耐摩耗性および打球感に優れることがわかる。なお、ゴルフボールNo.7は、ポリヒドロキシエーテル(C)が低分子量であるため、若干耐摩耗性が低下する傾向があった。
ゴルフボールNo.9は、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)を含有する場合であるが、ゴルフボールNo.8に比べて耐久性および耐摩耗性は向上しているものの、打球感に劣る。ゴルフボールNo.10は、カバー組成物が、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)とを含有するが、コアの表面硬度が、JIS−C硬度で85を超える場合であり、ゴルフボールNo.8に比べて耐摩耗性には優れるものの、耐久性および打球感が劣る。ゴルフボールNo.11は、樹脂成分としてアイオノマー樹脂を用いた場合であるが、耐久性、耐摩耗性および打球感のいずれも、ゴルフボールNo.8に劣る。
本発明は、ウレタンカバーを有するゴルフボールに適用することができ、特に練習用ゴルフボールの耐久性および耐摩耗性の向上、並びに、打球感の向上に好適である。
ゴルフボール表面に形成したディンプルの拡大断面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの正面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの平面図である。
符号の説明
2:ゴルフボール、10:ディンプル、12:ランド、14:仮想球、A,B,C,D,E,F,G,H:ディンプル、De:ディンプルの最深箇所、Di:ディンプルの直径、Ed:エッジ、N:北半球、P:極点、S:南半球、T:接線、U:ユニット

Claims (6)

  1. コアと、前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、
    前記カバーが、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタン(A)と、少なくともイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(B)と、ポリヒドロキシエーテル(C)とを含有するカバー用組成物により形成されており、
    前記コアの表面硬度が、JIS−C硬度で85以下であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記ポリヒドロキシエーテル(C)が、下記式(1)で表される繰返し構造単位を有するものである請求項1に記載のゴルフボール。
    Figure 2009160155
    [式中、R1、R2は同一または異なって、水素またはメチル基である。]
  3. 前記ポリヒドロキシエーテル(C)が、下記式(2)で表されるものである請求項1または2に記載のゴルフボール。
    Figure 2009160155
    [式中、R3、R4、R5、R6は同一または異なって、水素またはメチル基であり、X、Yは同一または異なって、エポキシ基またはヒドロキシエチル基であり、nは正の整数である。]
  4. 前記ポリヒドロキシエーテル(C)の数平均分子量が、100〜100,000である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記ポリヒドロキシエーテル(C)の含有量が、熱可塑性ポリウレタン(A)100質量部に対して、1質量部〜20質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  6. 前記コアの圧縮変形量D1と、ゴルフボール本体の圧縮変形量D2との差(D1−D2)が、0mm〜0.4mmである請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
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