JP2009156836A - 比較電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造であって小型化が容易な比較電極を提供する。
【解決手段】銀を備えた筒状体2、前記筒状体の内面に形成されているハロゲン化銀からなる層3、前記筒状体の外面に形成されている絶縁層4、及び、前記筒状体の内部空間に充填された疎水性イオン液体5、を備えるようにした。前記疎水性イオン液体が試料溶液と接するので、高濃度KCl溶液等の内部液による試料溶液の汚染や内部液と試料溶液との液間電位差という従来の比較電極1が抱える問題点をほぼ完全に除去することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、簡易な構造であって小型化が容易な比較電極に関するものである。
従来広く用いられている比較電極は、液絡部、内部液、ガラス製支持管、内部電極等からなるものであり、なかでも、Ag/AgCl又はHg/HgCl等からなる内部電極を、高濃度(3.3mol/L〜飽和)のKCl溶液からなる内部液に浸漬し、この内部液がセラミックスやガラス等の多孔質部材からなる液絡部を介して試料溶液に接触するように構成してあるものが一般的に使用されている(特許文献1)。
このような比較電極は、ガラス電極等のpH電極と共に用いてpHを測定する際に基準電極を提示するものであるが、近時、生体試料等から採取した数十μLオーダーの微量サンプルのpHを測定することも要求されている。
特開平11−258197号公報
しかしながら、ガラス製支持管が用いられた比較電極ではその構造から小型化は困難であり、ピンホール方式を採用した比較電極でも数十μLオーダーの測定は不可能である。
そこで本発明は、簡易な構造であって小型化が容易な比較電極を提供すべく図ったものである。
すなわち本発明に係る比較電極は、銀を備えた筒状体、前記筒状体の内面に形成されているハロゲン化銀からなる層、前記筒状体の外面に形成されている絶縁層、及び、前記筒状体の内部空間に充填された疎水性イオン液体、を備えていることを特徴とする。なお、本発明において「疎水性イオン液体」とは、詳細は後述するが、有機又は無機陽イオンと有機又は無機陰イオンとの組み合わせからなり、融点が100℃以下で、水への溶解度が数mM(mmol/dm)程度以下の疎水性の塩を主として意味し、常温溶解塩等とも呼ばれる。また、本発明における「筒状体」は、両端が開口した長尺中空体であればその断面形状は特に限定されず、円形でなくともよく、いずれの形状であってもよい。
このような本発明に係る比較電極であれば、銀を備えた筒状体の内面にハロゲン化銀層が形成されているので、前記筒状体とハロゲン化銀層とが内部電極として機能する。このため、ガラス製支持管が用いられた従来の比較電極とは異なり、別途内部電極を前記筒状体の内部空間に挿入することが不要である。従って、本発明に係る比較電極は小型化が容易であり、微量サンプルの測定にも好適に用いられる。
また、本発明に係る比較電極では前記筒状体の内部空間に疎水性イオン液体が充填されているが、疎水性イオン液体を構成する陽イオンと陰イオンはともに充分に疎水性であるので、水と混じりあわず、水相と分離したイオン液体相を形成する。このため、水溶液と疎水性イオン液体とを接触させると、水溶液に含まれる親水性イオンは疎水性イオン液体中に移動できず、一方、疎水性イオン液体を構成するイオンは水に分配されるものの、分配係数が小さく、分配されるイオン量は僅かであり、直ちに界面近傍で分配平衡状態が成立する。
従って、本発明に係る比較電極によれば、疎水性イオン液体が試料溶液と接するので、高濃度KCl溶液等の内部液による試料溶液の汚染や内部液と試料溶液との液間電位差という従来の比較電極が抱える問題点をほぼ完全に除去することができる。また、内部液の定期的な補充や交換等のメンテナンス作業を省くことができる。更に、従来の比較電極に設けられていた多孔質からなる液絡部が不要となるので、前記ハロゲン化銀層からハロゲン化銀が溶出しても従来の比較電極のように液絡部が目詰まりするという問題が生じない。また、ハロゲン化銀が疎水性イオン液体中に溶出する速度は極めて遅いので、ハロゲン化銀による試料溶液の汚染を抑えることができる。
また、イオン液体は耐熱性に優れるので、本発明に係る比較電極は従来の比較電極と比較して耐熱性が著しく向上する。このため、例えば、本発明に係る比較電極をオートクレーブで滅菌することも可能である。
また、イオン液体は蒸気圧がないので、本発明に係る比較電極は内部液の蒸散を考慮せずに設計することができ、その点からも小型化が可能となる。
更に、本発明に係る比較電極は、前記筒状体の外面が絶縁層でコートされているので、耐薬品性にも優れるものである。
前記疎水性イオン液体としては、イオン液体−水間移行標準ギブズエネルギーがほぼ同程度の大きさの陽イオンと陰イオンとから形成されているものが好適に用いられる。イオン液体−水間移行標準ギブズエネルギーとは、イオン液体を構成する陽イオン又は陰イオンが、標準状態においてイオン液体と水との間で移行するのに必要なギブズ(自由)エネルギーを意味する。また、そのエネルギーがほぼ同程度の大きさとは、オーダーとしてほぼ同程度であればよい。疎水性イオン液体とは、それを構成する陽イオンと陰イオンとのイオン液体−水間移行標準ギブスエネルギーの和が、標準状態(0.1MPa、25℃)において30kJ/mol程度以下のものを意味する。この条件を満たすイオン液体は、水に難溶性を示す難溶性塩の一種である。イオン液体−水間移行標準ギブズエネルギーがほぼ同程度の大きさの陽イオン及び陰イオンの具体例としては、以下に例示するものが挙げられる。
前記陽イオンとしては、例えば、4級アンモニウムカチオン、4級フォスフォニウムカチオン又は4級アルゾニウムカチオン等が挙げられ、好ましくは、(C、Cmim、Cmim、CmimやC10mim等のCimin(1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムイオン(iはアルキル基の炭素数を表す。))、(n−C、(n−C、PhAs等が挙げられる。
前記陽イオンとして、より好ましくは、以下に示すような各種陽イオン等が挙げられる。
(化学式(1)において、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。但し、アルキル基はヘテロ原子を含んでも良い。)、
(化学式(2)において、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。)、
(化学式(3)において、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。また、R、Rはそれぞれ水素又はメチル基を表す。)、
(化学式(4)において、R10、R11はそれぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。)、
(化学式(5)において、R12、R13、R14、R15はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。但し、アルキル基はヘテロ原子を含んでも良い。また、Xは窒素、リン又はヒ素を表す。)、及び、
(化学式(6)において、R16、R17はそれぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、R18、R19はそれぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。また、ZはNR2021、OR22又はSR23を表す。ここでR20、R21、R22、R23はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
一方、陰イオンとしては、例えば、[RSONSO(R、Rはそれぞれ炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基)、CBF 、CBF やCBF 等のフッ素を含むボレートイオン、B(CN) (テトラシアノボレート)、BEHSS(ビス(2−エチルヘキシル)スルフォサクシネイト)、C(ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドイオン)、P(C2n+1 (ここで、nは1〜6である。以下同じ。)、(CFSO、AsF 、SbF 、(C2n+1)SO 、(C2n+1)COO等が挙げられる。
このような陽イオン及び陰イオンからなる疎水性イオン液体は用途に合わせて適宜選択して用いることができる。
本発明においては、前記疎水性イオン液体が前記筒状体から流出することを防ぎ取り扱い性を向上させるために、前記疎水性イオン液体はゲル化していることが好ましい。前記疎水性イオン液体をゲル化する方法としては特に限定されないが、高分子化合物を用いてゲル化することができる。このような高分子化合物としては、疎水性イオン液体との相溶性が高い疎水性高分子化合物が好ましく、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリブチルアクリレート、ポリテトラフルオロエチレンの誘導体等が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレンの誘導体としては、例えばサイトップ(登録商標)等の非晶質フッ素樹脂が挙げられる。
具体的なゲル化手法としては、例えば、疎水性イオン液体をアセトンに溶解し、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体と混合し、所定時間放置した後アセトンを蒸発させて、ゲル化した疎水性イオン液体を得る方法が挙げられる。
前記疎水性イオン液体中には、ハロゲン化銀が飽和状態又は飽和に近い状態で添加してあることが好ましい。このようなものであれば、電極系を構成する各相(銀、ハロゲン化銀、疎水性イオン液体)間の平衡条件が確保されるので、電位の安定性を確保することができる。
前記絶縁層としては、例えば、ポリフッ化ビニル(poly(vinyl fluoride),PVF)、ポリフッ化ビニリデン(poly(vinylidene fluoride),PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(poly(tetrafluoroethylene),PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(tetrafluoroethylene/hexafluoropropylene copolymer,FEP)等のフッ素樹脂からなるものが挙げられる。このようなフッ素樹脂からなる絶縁層は、吸水性がなく、耐久性に優れる。
前記ハロゲン化銀としては特に限定されず、例えば、塩化銀等が挙げられる。
前記筒状体の内部空間には、前記疎水性イオン液体に加えて更にKCl溶液が充填してあってもよい。前記KCl溶液の濃度は10−4M〜飽和であることが好ましい。前記疎水性イオン液体に加えて更にKCl溶液が充填してあると、疎水性イオン液体の方がKCl溶液より比重が大きいので、上にKCl溶液層ができ、下に疎水性イオン液体層ができて、疎水性イオン液体層がKCl溶液と試料液体との塩橋として機能する。
前記KCl溶液はゲル化していてもよい。前記KCl溶液がゲル化していると前記筒状体内においてKCl溶液が変形しにくくなり本発明に係る比較電極の耐圧性を向上することができる。なお、前記KCl溶液をゲル化する方法としては、前記疎水性イオン液体をゲル化する方法と同様のものを用いることができる。
このような本発明に係る比較電極は微量サンプルの分析に適しており、例えば、酵素活性によって発生した微量サンプル中のプロトンを検出するため等に使用することができる。
本発明に係る比較電極と任意のイオン選択性電極とを備えてなる電気化学的測定装置もまた、本発明の1つである。
このように本発明によれば、別途内部電極を前記筒状体の内部空間に挿入することが不要であるので、小型化が容易である。また、疎水性イオン液体が試料溶液と接するので、高濃度KCl溶液等の内部液による試料溶液の汚染や内部液と試料溶液との液間電位差という従来の比較電極が抱える問題点をほぼ完全に除去することができる。更に、耐熱性及び耐薬品性も向上する。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
本実施形態に係る比較電極1は、図1に示すように、銀製の円筒状体2と、円筒状体2の内面に形成された塩化銀層3と、円筒状体2の外面に形成された絶縁層4と、円筒状体2の内部空間に充填された疎水性イオン液体5と、を備えている。円筒状体2にはリード線6が電気的に接続してあり、リード線6は比較電極1の基端部から外部に延出し図示しないpH計本体に接続するように構成してある。
以下に各部を説明する。円筒状体2は、銀製であり、メムス技術を用いて加工することにより、内径φ0.2mm程度まで小型化することができる。円筒状体2の上端の開口部にはエポキシ樹脂からなる絶縁性のシールパッキン22が嵌め込んである。
塩化銀層3は、円筒状体2の内面に形成されている。円筒状体2の内面に塩化銀層3を形成する方法としては、電解酸化法が挙げられ、例えば、銀製の円筒状体2を1M HCl溶液に浸漬し、電解酸化を行うことにより、円筒状体2の内面に塩化銀層3を形成することができる。
絶縁層4は、円筒状体2の外面に形成されており、ポリフッ化ビニル(poly(vinyl fluoride),PVF)、ポリフッ化ビニリデン(poly(vinylidene fluoride),PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(poly(tetrafluoroethylene),PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(tetrafluoroethylene/hexafluoropropylene copolymer,FEP)等のフッ素樹脂からなる。このようなフッ素樹脂からなる絶縁層4は、円筒状体2外面に対して、樹脂溶液をスプレー塗装してから焼き付けるか、又は、樹脂粉体を静電粉体塗装して焼き付けることにより、形成される。
疎水性イオン液体5は、円筒状体2の内部空間にゲル化した状態で充填されており、疎水性がほぼ同一の陽イオンと陰イオンとから形成されているものである。また、電極系を構成する各相間の平衡条件を確保する観点から、疎水性イオン液体5中には、AgClが飽和状態で含まれている。
疎水性イオン液体5としては、例えば下記の表1に示すものが挙げられる。これらは、疎水性イオン液体と水との間の移行標準ギブズエネルギーがほぼ同程度の大きさとなる陽イオン及び陰イオンの組み合わせの一例である。
表1中の記載はそれぞれ以下のとおりである。
[Cmim]:1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムイオン(iはアルキル基の炭素数を表す。)
[CN]:ビス(ペルフルオロアルキルスルフォニル)イミドイオン(iはペルフルオロアルキル基の炭素数を表す。)
[TPA]:テトラペンチルアンモニウムイオン
[THA]:テトラヘキシルアンモニウムイオン
[TOA]:テトラオクチルアンモニウムイオン
[TBA]:テトラブチルアンモニウムイオン
[BEHSS]:ビス(2−エチルヘキシル)スルフォサクシネイトイオン
[TFPB]:テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートイオン
[C18Iq]:18−アルキルイソキノリウムイオン
[TOMA]:トリオクチルメチルアンモニウムイオン
[CBF:パーフルオロプロピルトリフルオロボレートイオン
これらの疎水性イオン液体をゲル化する方法としては特に限定されないが、高分子化合物を用いてゲル化することができる。このような高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリブチルアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の誘導体等の化合物が挙げられる。
前記フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体としては、例えばAldrich社製のものを用いることができる。フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を用いて疎水性イオン液体をゲル化する方法としては特に限定されないが、例えば、疎水性イオン液体をアセトンに溶解し、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(例えばMw=400000のもの)と混合し、一晩放置した後アセトンを蒸発させて、ゲル化した疎水性イオン液体を得る。なお、疎水性イオン液体とフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とアセトンとの比率や共重合体の分子量を適宜選択することによってゲル化した疎水性イオン液体の硬さを変更することができる。例えば、体積比として疎水性イオン液体が1に対して、共重合体とアセトンとの合計を10とすることで好適な硬さのゲル化疎水性イオン液体を得ることが可能である。
このように生成したゲル化した疎水性イオン液体は水と混じり合わないので、試料溶液の溶媒(水)とそれが含有する親水性イオンとは、ゲル化した疎水性イオン液体内に、ごく僅かしか移動することができない。一方、疎水性イオン液体を構成するイオンは、試料溶液側に移動することが可能なものの、ごく僅かな量である。
リード線6はソケット23を介して円筒状体2に電気的に接続してあり、比較電極1の基端部から外部に延出し図示しないpH計本体に電気的に接続される。
したがって、このように構成した本実施形態に係る比較電極1によれば、銀からなる円筒状体2の内面に塩化銀層3が形成されているので、円筒状体2と塩化銀層3とが内部電極として機能する。このため、ガラス製支持管が用いられた従来の比較電極とは異なり、別途内部電極を円筒状体2の内部空間に挿入することが不要である。従って、比較電極1は小型化が容易であり、微量サンプルの測定にも好適に用いられる。
更に、円筒状体2の外面が、フッ素樹脂からなる絶縁層4でコートされているので、比較電極1は耐薬品性及び耐久性に優れる。
また、比較電極1では、疎水性イオン液体5が試料溶液と直接接するので、試料溶液の汚染が最小限に止まり、かつ、内部液と試料溶液との液間電位差という従来の比較電極が抱える問題点をほぼ完全に除去することができる。また、内部液の定期的な補充や交換等のメンテナンス作業を省くことができる。更に、従来の比較電極に設けられていた多孔質からなる液絡部が不要となるので、前記塩化銀層から塩化銀が溶出しても従来の比較電極のように液絡部が目詰まりするという問題が生じない。また、塩化銀が疎水性イオン液体中に溶出する速度は極めて遅いので、塩化銀による試料溶液の汚染を抑えることができる。
また、疎水性イオン液体5は耐熱性に優れるので、比較電極1は従来の比較電極と比較して耐熱性が著しく向上する。このため、例えば、比較電極1をオートクレーブで滅菌することも可能である。
また、疎水性イオン液体5は蒸気圧がないので、比較電極1は内部液の蒸散を考慮せずに設計することができ、その点からも小型化が可能となる。
また、疎水性イオン液体5はゲル化しており円筒状体2から流出しにくいので、比較電極1は取り扱い性にも優れる。
更に、疎水性イオン液体5中には、塩化銀が飽和状態で添加してあることより、比較電極1を構成する各相(銀製の円筒状体2、塩化銀層3、疎水性イオン液体5)間の平衡条件が確保されているので、電位の安定性に優れている。
本実施形態に係る比較電極1を用いて微量サンプルのpHを測定するには、例えば、図2に示すように、マイクロプレート7のウェル71中の微量サンプルに、図示しないpH計本体に接続された比較電極1と作用電極であるISFET電極8とを挿入して、pH測定を行なう。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
筒状体2の内部空間には、疎水性イオン液体5に加えて更にKCl溶液が充填してあってもよい。疎水性イオン液体2に加えて更にKCl溶液が充填してあると、疎水性イオン液体5の方がKCl溶液より比重が大きいので、上にKCl溶液層ができ、下に疎水性イオン液体5層ができ、疎水性イオン液体5層がKCl溶液と試料液体との塩橋として機能する。
このようなKCl溶液はゲル化していてもよく、これにより円筒状体2内においてKCl溶液が変形しにくくなり、比較電極1の耐圧性を向上することができる。なお、前記KCl液をゲル化する方法としては、前記疎水性イオン液体をゲル化する方法と同様のものを用いることができる。
疎水性イオン液体5はゲル化していなくともよく、その場合は、取り扱い性の観点から、円筒状体2の下端の開口部が、セルロース透析膜、ミリポアフィルター、イオン交換膜等によって封止され、疎水性イオン液体5と試料溶液との界面に上記の多孔質からなる各種隔膜が介在していてもよい。
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
本発明によれば、小型で、耐熱性及び耐薬品性に優れた比較電極を提供することができる。本発明に係る比較電極は、例えば、酵素活性によって発生した微量サンプル中のプロトンを検出するために使用することができる。
本発明の一実施形態に係る比較電極の内部構造を示す断面図。 同実施形態に係る比較電極を用いて微量サンプルのpHを測定する方法を示す概略図。
符号の説明
1・・・比較電極
2・・・銀製の円筒状体
3・・・塩化銀層
4・・・絶縁層
5・・・疎水性イオン液体

Claims (7)

  1. 銀を備えた筒状体、
    前記筒状体の内面に形成されているハロゲン化銀からなる層、
    前記筒状体の外面に形成されている絶縁層、及び、
    前記筒状体の内部空間に充填された疎水性イオン液体、を備えている比較電極。
  2. 前記疎水性イオン液体は、ゲル化している請求項1又は2記載の比較電極。
  3. 前記疎水性イオン液体は、
    陽イオンが、4級アンモニウムカチオン、4級フォスフォニウムカチオン、及び、4級アルゾニウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、
    陰イオンが、[RSONSO(R、Rはそれぞれ炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基)、フッ素を含むボレートイオン、B(CN) (テトラシアノボレート)、ビス(2−エチルヘキシル)スルフォサクシネイト、P(C2n+1 、(CFSO、AsF 、SbF 、(C2n+1)SO 、及び、(C2n+1)COOからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2記載の比較電極。
  4. 前記陽イオンは、
    (化学式(1)において、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。但し、アルキル基はヘテロ原子を含んでも良い。)、
    (化学式(2)において、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。)、
    (化学式(3)において、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。また、R、Rはそれぞれ水素又はメチル基を表す。)、
    (化学式(4)において、R10、R11はそれぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、ヘテロ原子を含んでも良い。)、
    (化学式(5)において、R12、R13、R14、R15はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。但し、アルキル基はヘテロ原子を含んでも良い。また、Xは窒素、リン又はヒ素を表す。)、及び、
    (化学式(6)において、R16、R17はそれぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、R18、R19はそれぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。また、ZはNR2021、OR22又はSR23を表す。ここでR20、R21、R22、R23はそれぞれ炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項3記載の比較電極。
  5. 前記絶縁層は、フッ素樹脂からなる請求項1、2、3又は4記載の比較電極。
  6. 前記筒状体の内面に形成されている層が塩化銀からなるものであって、前記筒状体の内部にKCl溶液が充填してある請求項1、2、3、4又は5記載の比較電極。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の比較電極とイオン選択性電極とを備えている電気化学的測定装置。
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