JP2009156448A - 自動二輪車の自動変速機制御装置 - Google Patents

自動二輪車の自動変速機制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動変速のメリットを損なうことなく、又、ライダーの操作を要することなく自動変速状態から違和感のないエンジンブレーキを即座に効かせることができる自動二輪車の自動変速機制御装置を提供すること。
【課題手段】エンジン9のクランク軸15の回転を変速して車軸に伝達するCVT装置(Vベルト式自動変速機)10を制御する装置であって、少なくともエンジン回転数と車速とに基づいて前記CVT装置10の変速比を自動制御する自動変速モードを備えた自動二輪車の自動変速機制御装置において、操作手段によってライダーからシフトダウン意思が入力されると、少なくとも2段以上のシフトダウンを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動二輪車に搭載された自動変速機を電子制御するための自動変速機制御装置に関するものである。
例えば、スクータ型自動二輪車に変速装置としてVベルト式自動変速機を搭載することが行われているが、従来のウェイトローラ式の自動変速機を搭載したスクータ型自動二輪車では、減速時にトルクカムが駆動プーリの可動シーブを広げる方向に作用するために変速比が小さくなり、その結果、減速時にエンジンブレーキが殆ど効かない。
これに対して電子制御式のVベルト式自動変速機を搭載したスクータ型自動二輪車では、走行中の変速比を任意に変更することができるため、自動変速時の変速パターンをスロットルを閉じた状態でも或る程度変速比が大きい状態にしたり、予め設定した段数の変速比をライダーがスイッチ等で任意に選択することによって手動変速を行えるようにし、或る程度のエンジンブレーキを使った走行が可能となっている。
ところで、例えば特許文献1には、タイマを設けてシフトダウンを所定期間制限することによって、急減速時の連続的なシフトダウンを禁止し、過大なシフトショックの発生を防ぐようにした自動変速機が提案されている。
又、特許文献2には、減速時に所定の変速パターンモードを他の変速パターンモードに切り替えるようにした無段変速機の制御装置が提案されている。
特開2007−085491号公報 特許第2542860号公報
しかしながら、自動変速機を搭載したスクータ型自動二輪車において自動変速状態で車速に応じて変速比を変えながら積極的にエンジンブレーキを効かせる場合、実際のエンジンブレーキの効き方がライダーが車両の挙動から想定するエンジンブレーキの効き方とは異なる部分が生じるため、或る程度の違和感が残ってしまうという問題があった。
違和感のないエンジンブレーキを使用するには、エンジンブレーキ状態では変速比を固定することが有効であり、変速比を固定するために現在の制御では、エンジンブレーキが必要なときに変速モードを切り替えるスイッチを操作し、自動変速モードから手動変速モードへと切り替えるようにしている。このような制御での変速比の動きとしては、変速モードを切り替えると、自動変速状態(自動変速モードから手動変速モードへの変更前)の変速比に対して、直近のシフトダウン側の変速比へ変速した後に変速比が固定される。
上記の場合、変速比が1段分だけ変化してシフトダウンが終わるために効果的なエンジンブレーキを得るには至らず、改めて手動変速でのシフトダウンを行う必要があるために操作が煩雑になる。
他方、特許文献1において提案された技術は、一度のシフトダウンで複数段の変速を行うものではなく、タイマによって設定された所定期間が経過した後は更なるシフトダウンが可能となるため、コーナリング初期における車両倒し込み時にシフトショックが発生し、車両の走行安定性が損なわれる可能性がある。
又、特許文献2において提案された技術は、変速パターンモードを切り換えるだけであり、これには一度に複数段のシフトダウンを可能とする思想はなく、別の変速パターンモードに切り替えた後で複数回に亘ってシフトダウンされる可能性があるため、特許文献1に記載された技術と同様にコーナリング初期における車両倒し込み時にシフトショックが発生し、車両の走行安定性が損なわれる可能性がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、自動変速のメリットを損なうことなく、又、ライダーの操作を要することなく自動変速状態から違和感のないエンジンブレーキを即座に効かせることができる自動二輪車の自動変速機制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、エンジンのクランク軸の回転を変速して車軸に伝達する自動変速機を制御する装置であって、少なくともエンジン回転数と車速とに基づいて前記自動変速機の変速比を自動制御する自動変速モードを備えた自動二輪車の自動変速機制御装置において、操作手段によってライダーからシフトダウン意思が入力されると、少なくとも2段以上のシフトダウンを行うことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シフトダウンに際してシフトダウン後の目標エンジン回転数を算出し、該目標エンジン回転数と現在の車速を用いて目標変速比を算出し、該目標変速比に近接する変速比を有する変速段をシフトダウン後の変速段とすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記目標エンジン回転数は、現在のエンジン回転数に、現在の車速に基づいて予め設定されたシフトダウンに伴うエンジン回転数の上昇分を加算して算出されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記シフトダウン後の変速段は、目標変速比に直近の変速比を有する変速段であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記シフトダウン後の変速段は、目標変速比に直近の変速比を有する隣接する2段のうちの高速側の変速段であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記操作手段は、ブレーキレバーとスロットルグリップであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記ブレーキレバーを操作しながら、所定の期間内にスロットルグリップが所定量以上開操作されたのに引き続いて所定の閾値以下の開度となるようスロットルグリップが閉操作されると、ライダーのシフトダウン意思ありと判断することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記ブレーキレバー及びスロットルグリップの操作入力により、前記自動変速モードから疑似的な手動変速モードに移行する一方、疑似的な手動変速モードにあるときに所定のスロットルグリップ操作入力をすることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記疑似的な手動変速モードにおいて、前記ブレーキレバー及びスロットルグリップの操作入力をすることによって、順次1段ずつ低速側の変速段に手動変速することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、自動二輪車の運転状態に応じて2段以上のシフトダウンを行うようにしたため、小刻みなシフトダウンに伴う変速ショックの発生を防ぐことができる。又、最初の変速時に必要段数のシフトダウンを一度に行うため、変速終了までに要する時間が大幅に短縮され、コーナリング初期における車両倒し込み時の変速ショックの後輪への伝達が防がれ、コーナリング時の車両の走行安定性が高められる。
請求項2記載の発明によれば、単純に1段ずつシフトダウンするのではなく、シフトダウン後の目標エンジン回転数を設定し、現在の車速において目標エンジン回転数を実現し得る変速比を算出するようにしたため、所望の変速段へ即座に変速することができる。
請求項3記載の発明によれば、或る車速からシフトダウンするに際して、効果的なエンジンブレーキを得るために要求されるエンジン回転数上昇幅を予め設定しておくようにしたため、シフトダウン後の車両の挙動変化が過大とならない変速段数分だけシフトダウンさせることができ、車両の走行安定性が高められる。
請求項4記載の発明によれば、算出された目標変速比に最も近い変速比を有する変速段がシフトダウン後の変速段として決定されるため、理想的なエンジンブレーキが得られるシフトダウンを実現することができる。
請求項5記載の発明によれば、例えば、目標変速比が2速段と3速段の間であった場合、仮に目標変速比が2速段の変速比に近接しているときであっても、3速段をシフトダウン後の変速段に決定することによって、シフトダウン後の車両挙動制御の自由度を高めることができる。つまり、敢えて高速側の変速段を採用することによってシフトダウン後の車速は理想的な車速よりも若干高くなるが、シフトダウン時にはブレーキ操作を並行して行うのが通例であるため、ブレーキ操作によって適宜ライダーが望む車速に調整することができ、車両挙動制御の幅を広げることができる。
請求項6記載の発明によれば、操作手段として既設のブレーキレバーとスロットルグリップを採用したため、ライダーの操作性が格段に向上して車両の走行安定性が高められる。特に、ライダーは親指をハンドルから離して別に設けられたスイッチ類を操作する必要がなく、制動時にライダーに過大な慣性力が作用しても両手で確実に体重を支えることができるため、乗車姿勢が崩れることがない。
請求項7記載の発明によれば、ライダーのシフトダウン意思を示す所定の操作として通常のマニュアルトランスミッション車におけるシフトダウン時のブリッピング動作に類似の操作を採用したため、操作を違和感なく行うことができる。又、ライダーの操作性が格段に向上して車両の走行安定性が高められる。又、この操作は意図的なシフトダウン以外に行われる可能性が極めて低い操作であるため、誤操作が確実に防がれる。
請求項8記載の発明によれば、ブレーキレバーとスロットルグリップを操作することによって疑似的な手動変速モードに移行するため、特別なスイッチ操作が不要となる。又、ブレーキ操作なしでスロットルグリップを操作するだけで自動変速モードに復帰することができるため、スイッチ操作が不要となる。
請求項9記載の発明によれば、疑似的な手動変速モードにおいて、更に手動でシフトダウンすることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
先ず、本発明に係る自動変速機制御装置を搭載して成る自動二輪車の一例としてスクータ型自動二輪車の概略構成を図1に基づいて説明する。
図1はスクータ型自動二輪車の側面図であり、図示のスクータ型自動二輪車1は、車体全体がフレームカバー2によって覆われており、車体は前輪3と後輪4によって走行可能に支持されている。ここで、前輪3は、車体の前方上部に配されたハンドル5によって操舵されるフロントフォーク6の下端に回転可能に支持されており、後輪4は、車体の前後方向中間部に前端が上下揺動可能に支持されたユニットスイング式エンジン7の後端部に回転可能に支持されるとともに、不図示のリヤクッションによって車体に懸架されている。
上記ユニットスイング式エンジン7は、後述のエンジン9(図2参照)と電子制御式のVベルト式自動変速機(以下、「CVT装置」と称する)10(図2参照)、伝動機構等を一体化してユニットとして構成されるものであって、このユニットスイング式エンジン7の上方にはシート8が配置されている。
次に、ユニットスイング式エンジン7の内部構造の詳細を図2及び図3に基づいて説明する。尚、図2はユニットスイングエンジン要部の横断面図、図3はCVT装置の駆動プーリ部分の拡大断面図である。
ユニットスイング式エンジン7は、単気筒のエンジン9を備え、図2に示すように、該エンジン9のクランクケース11の左端部にはベルトケース12が形成されており、このベルトケース12の左端面にはケースカバー13が被着されている。そして、ベルトケース12とケースカバー13によって形成される空間内にCVT装置10が収容されている。尚、ケースカバー13の外側は樹脂製の保護カバー14によって覆われている。
上記CVT装置10は、エンジン9のクランク軸15の一端に設けられた駆動プーリ16と従動軸17に設けられた従動プーリ18との間に無端状のVベルト19を巻装して構成され、クランク軸15の回転は、当該CVT装置10によって変速されて従動軸17に伝達される。
上記クランク軸15は、車幅方向に延び、左右一対のベアリング20によって回転可能に支持され、その左端部はベルトケース12内の前部に突入しており、その自由端に前記駆動プーリ16が取り付けられている。ここで、駆動プーリ16は、車幅方向外側に位置してクランク軸15に結着された固定シーブ16Aと、該固定シーブ16Aの内側に対向して配された可動シーブ16Bとで構成されており、可動シーブ16Bは、クランク軸15と一体に回転可能且つクランク軸15に沿って摺動可能に設けられている。尚、固定シーブ16Aの外端面には冷却ファン21が一体に形成されている。
又、クランク軸15の可動シーブ16Bの車幅方向内側にはスライダギヤ22が配されており、このスライダギヤ22は、ベアリング23によってクランク軸15に回転可能に支持されるとともに、クランク軸15に沿って可動シーブ16Bと一体的に軸方向に摺動可能に支持されている。そして、図3に詳細に示すように、スライダギヤ22には車幅方向内側に向かって延びるスラストスリーブ24が一体に形成されており、その内周には斜歯状のスラストインナギヤ25が形成されている。
更に、図3に詳細に示すように、クランク軸15にはベアリング26を介してスラストリング27が配されており、このスラストリング27は、固定ブラケット28によってベルトケース12に固定されている。そして、スラストリング27の外周にはスラストアウタギヤ29が形成されており、このスラストアウタギヤ29は、前記スラストスリーブ24の内周に形成された前記スラストインナギヤ25に噛合しており、これによってスライダギヤ22の軸方向移動機構が構成されている。
而して、CVT装置10には、後述のように駆動側プーリ位置センサ30と従動側プーリ回転速度センサ31(図4参照)が設けられている。駆動側プーリ位置センサ30は、前記軸方向移動機構によるスライダギヤ22の軸方向位置を検出するものであって、図3に詳細に示すように、接触子32と扇形のセクタギヤ33及びポテンショメータ等の不図示の回転センサによって構成されている。ここで、接触子32は、有底筒状に成形され、その内部に縮装されたスプリング34によって外側方に付勢され、その先端が樹脂キャップ35を介してスライダギヤ22に当接している。従って、接触子32は、スライダギヤ22の軸方向移動に追従して軸方向に摺動する。
又、接触子32の外周にはラック36が刻設されており、このラック36は、前記セクタギヤ33に噛合している。従って、前述のように接触子32がスライダギヤ22の軸方向移動に追従して軸方向に摺動すると、該摺動子32に形成されたラック36に噛合するセクタギヤ33が回転し、その回転量が前記回転センサによって検出されることによってスライダギヤ22の軸方向位置が検出され、検出されたスライダギヤ22の軸方向位置は後述のコントロールユニット37(図4参照)に入力される。
ところで、図2において、38は前記スライダギヤ33を回転駆動するアクチュエータとしてのCVTモータであり、該CVTモータ38の出力軸端にはピニオンギヤ39が刻設され、このピニオンギヤ39は、2つの減速ギヤ40,41を介して前記スライダギヤ22に噛合している。
他方、前記従動軸17は、クランク軸15の後方に平行に配されており、3つのベアリング42,43,44によって回転可能に支持され、この従動軸17のベアリング42,43の間には遠心クラッチ45と従動プーリ18が設けられている。ここで、従動プーリ18は、遠心クラッチ45のスリーブ状のクラッチインナ45A上に固定された固定シーブ18Aと、該固定シーブ18Aの車幅方向外側に配された可動シーブ18Bとで構成されており、可動シーブ18Bは、クラッチインナ45Aと一体に回転可能且つクラッチインナ45Aに沿って軸方向に摺動可能に支持され、スプリング46によって固定シーブ18A側に常時付勢されている。又、遠心クラッチ45のドラム状のクラッチアウタ45Bは、従動軸17の端部に結着されて従動軸17と共に一体に回転する。
ところで、従動軸17の後方(図2の下方)には中間軸47と車軸48が平行且つ回転可能に配されており、中間軸47は、その軸方向両端が一対のベアリング49を介してベルトケース12に回転可能に支持され、これには大小異径のギヤ50,51が設けられている。そして、大径側のギヤ50は、従動軸17の軸方向内端部に形成されたギヤ52に噛合している。
又、前記車軸48は、2つのベアリング53,54によってベルトケース12に回転可能に支持されており、これに結着された大径のギヤ55は、中間軸47に形成された小径の前記ギヤ51に噛合している。そして、車軸48のベルトケース12から内方へと突出するオーバーハング部分には前記後輪4が取り付けられている。
次に、以上のように構成されたCVT装置10の変速動作について説明する。
CVTモータ38が駆動されると、その回転はピニオンギヤ39から2つの減速ギヤ40,41を経て3段減速されてスライダギヤ22に伝達され、該スライダギヤ22が所定の角度だけ回動する。すると、該スライダギヤ22と共にスラストスリーブ24も回動するため、スラストリング27の外周に形成されたスラストアウタギヤ29に噛合するスラストインナギヤ25が内周に形成されたスラストスリーブ24がスライダギヤ22と共にクランク軸15上を軸方向に移動する。
而して、上述のようにスライダギヤ22がクランク軸15上を軸方向に移動すると、駆動プーリ16の可動シーブ16Bがスライダギヤ22と共にクランク軸15上でロー位置(L)とハイ位置(H)の間を移動し、可動シーブ16Bが図3に示すロー位置(L)にあるときには駆動プーリ16でのVベルト19の巻掛径D1が最小となる反面、従動プーリ18でのVベルト19の巻掛径d1が最大となるため、従動プーリ18の回転速度は最小となる。これに対して、駆動プーリ16の可動シーブ16Bが図3に示すハイ位置(H)にあるときには駆動プーリ16でのVベルト19の巻掛径D2が最大となる反面、従動プーリ18でのVベルト19の巻掛径d2が最小となるため、従動プーリ18の回転速度は最小となる。
従って、スライダギヤ22の軸方向移動によって駆動プーリ16の可動シーブ16Bがロー位置(L)とハイ位置(H)の間を移動することによって従動プーリ18の回転が連続的に変速される。ここで、従動プーリ18の回転速度が所定値を超えると、遠心クラッチ45がONして従動プーリ46の回転が遠心クラッチ45を介して従動軸17に伝達され、該従動軸17の回転は、ギヤ52,50を経て減速されて中間軸47に伝達され、この中間軸47の回転はギヤ51,55を経て減速されて車軸48に伝達され、該車軸48とこれに取り付けられた後輪4が回転駆動されるため、図1に示すスクータ型自動二輪車1が所定の速度で走行せしめられる。このとき、車軸48と後輪4の回転はCVT装置10によって連続的に自動変速されるため、スクータ型自動二輪車1の走行速度(車速)も連続的に自動変速される。
又、CVT装置10の変速動作によってスライダギヤ22がクランク軸15上を軸方向に移動すると、前述のように駆動側プーリ位置センサ30を構成する接触子32がスライダギヤ22に追従して軸方向に移動し、その軸方向移動はセクタギヤ33の回転に変換され、該セクタギヤ33の回転量が回転センサによって検出される。これによってスライダギヤ22の軸方向位置が検出され、検出されたスライダギヤ22の軸方向位置は後述のコントロールユニット37(図4参照)に入力される。すると、コントロールユニット37は、入力されたてスライダギヤ22の軸方向位置によって変速比を求める。
次に、以上のCVT装置10を電子制御するための本発明に係る自動変速機制御装置「以下、「CVT制御装置」と称する」の基本構成を図4に基づいて説明する。
図4は本発明に係るCVT制御装置の基本構成を示すブロック図であり、該CVT制御装置は、制御手段としてのコントロールユニット37を備えており、このコントロールユニット37には、クランク角度センサ56によって検出されるクランク角、スロットル開度センサ57によって検出されるスロットル開度(エンジン負荷)、車速センサ58によって検出される車速、ブレーキランプスイッチ59によって検出されるブレーキ入力の有無、駆動側プーリ位置センサ30によって検出される駆動プーリ16の可動シーブ16B(スライダギヤ22)の位置及び従動側プーリ回転速度センサ31によって検出される従動プーリ18の固定シーブ18Aの回転速度が入力される。又、コントロールユニット37には、図1に示すスクータ型自動二輪車1のハンドルグリップ周りに配置されたモード切替スイッチ60、パワーモードスイッチ61、シフトアップスイッチ62、シフトダウンスイッチ63及びMTアシストスイッチ64からの信号が入力される。
そして、コントロールユニット37は、図1に示すスクータ型自動二輪車1のハンドル5の周辺に設けられたスピードメータ65に車速を表示するとともに、車速とエンジン回転数及びスロットル開度に応じた最適な変速比を決定し、変速比が所定の値になるようCVT装置10の前記CVTモータ38(図2参照)を駆動制御する。
本実施の形態に係るCVT制御装置は、制御モードとして自動変速モードとマニュアル変速モード及びMTアシストモードを備えており、自動変速モードにおいては更に燃費重視の変速特性を持つドライブモードと加速重視の変速特性を持つパワーモードを選択することができ、各モードの切り替えはモード切替スイッチによってなされる。又、マニュアル変速モードでは、変速比を7速まで切り替えることができ、シフトアップ及びシフトダウンはシフトアップスイッチ62とシフトダウンスイッチ63によってそれぞれなされる。
而して、本発明に係る制御装置は、自動変速状態からエンジンブレーキが必要になったときには、ブレーキレバーとスロットルグリップ(操作手段)を操作することによって疑似的な手動変速モードへ移行すると同時に、効果的なエンジンブレーキが得られるギヤ段数まで即座にシフトダウンを行うことを特徴とする。これによれば、自動変速状態で変速比が小さい状態(高速側の変速段)からでも直近のギヤ段ではなく2段以上の複数段を一度に低速側へ変速することができ、より効果的なエンジンブレーキを即座に得ることができる。又、その後は上記とは別の操作入力がなされるまでの間、継続して疑似的な手動変速モードが保持されるため、ライダーの意図しない変速が自動的に行われることがない。
そして、変速後は疑似的手動変速モードであるために更なるシフトダウンが可能となり、更にエンジンブレーキが必要なときにはシフトダウンスイッチ63の操作、或いはブレーキレバーとスロットルグリップ(操作手段)の再度の操作によってシフトダウンを行うことができる。又、エンジンブレーキが不要になった等の理由により自動変速モードに戻したいときには、スロットルグリップのみを操作すること(別の操作入力)によって疑似的手動変速モードから自動変速モードに簡単に戻すことができる。
更に、本実施の形態に係るCVT制御装置は、前記操作入力として、予め定めた所定のスロットル操作パターンの入力とブレーキ入力の有無を組み合わせてライダーの変速意思を区別して判断し、ライダーによる各種スイッチ操作を要することなく自動変速モードと疑似的手動変速モードの切り替えを行うことができるようにしている。
以下、本発明に係るCVT制御装置による具体的な制御方法を図5〜図8に基づいて説明する。尚、図5は本発明に係るCVT制御装置による制御手順を示すフローチャート、図6は現在のエンジン回転数(NE_A)と車速及びスロットル開度との関係を示すマップ、図7は車速に対するエンジン回転数上昇幅(NE_B)の関係を示す図、図8は目標変速比(RATIO_A)から所定のギヤ段(変速比RATIO_B)を求める方法を説明する図である。
自動二輪車が自動変速モードで走行しているときには、図6に示すマップに従って車速とスロットル開度から所定のエンジン回転数(NE_A)が設定され、そのエンジン回転数(NE_A)になるようにCVT装置10が制御される。
而して、自動二輪車が自動変速モードで走行して状態でライダーからの操作入力があると(図5のステップS1)、現在のエンジン回転数(NE_A)を保存し(ステップS2)、図7に示すように車速毎に設定されたエンジン回転数上昇幅(NE_B)を現在の車速から演算する(ステップS3)。
上述のようにエンジン回転数上昇幅(NE_B)が求められると、次式によって目標エンジン回転数(NE_C)を演算する(ステップS4)。
NE_C=NE_A+NE_B
次に、目標エンジン回転数(NE_C)と車速から効果的なエンジンブレーキが得られる目標変速比(RATIO_A)を演算する(ステップS5)。そして、マニュアル変速モードのギヤ段(GEAR)を1速段(1st)に設定し(ステップS6)、そのギヤ段(最初は1速段の変速比)を(RATIO_B)とする(ステップS7)。そして、その(RATIO_B)と目標変速比(RATIO_A)の大きさを比較し(ステップS8)、目標変速比(RATIO_A)が(RATIO_B)よりも大きくなるまでギヤ段(GEAR)を1段ずつ上げる(ステップS9)。ギヤ段(GEAR)を1段ずつ上げていくと各ギヤ段の変速比(RATIO B)は減少し、そのうちに目標変速比(RATIO_A)が各ギヤ段の変速比(RATIO_B)を超えると(ステップS8での判断結果がYesの場合)、変速モードを自動変速モードから疑似的手動変速モードに切り替え、変速比を切り替えた後の値(RATIO_B)に設定する(ステップS10)。
ここで、目標変速比(RATIO_A)が算出された後に(RATIO_B)を求める方法の具体例を図8に基づいて説明する。
図8には各ギヤ段(GEAR):1st〜7thに対する変速比(RATIO_B)が表にされており、例えば目標変速比(RATIO_A)=1.000が算出された場合、図5のステップS8の判断(RATIO_A>RATIO_B?)がなされる。本例ではギヤ段(GEAR)が1段(1st)〜5段(5th)までは判断結果がNOであり、6段(6th)において変速比(RATIO_B)=0.93となるために判断結果はYESとなり、シフトダウン後の変速段は6段(6th)に設定され、変速比(RATIO_B)は0.93に設定される。尚、目標変速比(RATIO_A)に直近の変速比を有する変速段へのシフトダウンとする場合には、目標変速比(RATIO_A)に隣接する両変速段のうち、変速比差の小さい方の変速段の変速比を(RATIO_B)として設定するようにしても良い。例えば、本例のように目標変速比(RATIO_A)=1.000の場合には、シフトダウン後の変速段は5段(5th)に設定され、変速比(RATIO_B)は1.05に設定される(図8参照)。
<第1の具体例>
次に、図5のフローチャートにおけるライダーからの操作入力(ステップS11)の具体例を図9〜図10に基づいて説明する。尚、図9は制御手順を示すフローチャート、図10はスロットル開度の経時変化を示す図であり、本具体例におけるスロットル開度の経時変化は第1のスロットル操作パターンに相当する。
本具体例では、図10に示すように、スロットル開度がα1(3%)以上になると時間のカウントを開始し、カウント開始からt(0.5秒)以内にスロットル開度がα2(20%)以上になった後にα3(15%)以下に下がると判定条件が成立したとしてシフトアップ又はシフトダウンを行うようにしている。以下、この方法を図9に示すフローチャートに従って具体的に説明する。
先ず、制御動作が開始されると(図9のステップS11)、ブレーキランプスイッチ(ブレーキSW)がONされたか否か(つまり、ブレーキ入力の有無)が判断される(ステップS12)。ブレーキ入力があった場合(ステップS12での判断結果がYesの場合)には車速が15km/h以上であるか否かが判断され(ステップ13)、車速が15km/h以上である場合には(ステップS13での判断結果がYesの場合)、スロットル開度が図10に示すα1(本具体例では、3%(表1参照))未満であるか否かが判断される(ステップS14)。スロットル開度がα1(3%)未満である場合(ステップS14での判断結果がYesの場合)にはカウンタがリセットされる(ステップS15)。
Figure 2009156448
次いで、図10に示すような所定のブリッピング操作(この場合、第1のスロットル操作パターンに相当)の有無の判定に移る。スロットル開度がα1(3%)を超えた場合(ステップS14での判定結果がNoの場合)にはカウント時間がt(0.5秒)以下であるか否かが判断され(ステップS16)、カウント時間がt以下である場合(ステップS16での判断結果がYesの場合)にはカウンタが積算される(ステップS17)。
カウント時間がt以下である場合、スロットル開度が図10に示すα2(本具体例では、20%(表1参照))以上であるか否かが判断され(ステップS18)、図10に示すように所定時間t(0.5秒)以内にスロットル開度がα2(20%)を超えた場合(ステップS18での判断結果がYesの場合)にはフラグとしての条件1が成立したものとされる(ステップS19)。
上述のように条件1が成立すると、カウント時間t(0.5秒)内にスロットル開度がα2(20%)以上か否かが再び判断され(ステップS16〜S18)、図10に示すように所定時間t(0.5秒)以内にスロットル開度がピークを経てα2(20%)を下回った場合(ステップS18での判断結果がNoの場合)には、条件1が成立しているか否かが判断される(ステップS20)。
条件1が成立している場合(ステップS20での判断結果がYesの場合)にはスロットル開度が図10に示すα3(本具体例では15%(表1参照))以下であるか否か(つまり、スロットルが急閉されたか否か)が判断され(ステップS21)、スロットル開度がα3(15%)を下回ると(ステップS21での判断結果がYesの場合)、第1のスロットル操作パターンが成立したとして擬似的手動変速モードへの切り替えがなされる(ステップS22)。
以上のように、自動二輪車が15km/h以上の車速で走行しているときにブレーキが掛けられて予め定められた第1のスロットル操作パターンが入力された場合には、ライダーが何らスイッチ操作を行わなくても、CVT制御装置がライダーの意思を判断して自動変速モードから擬似的手動変速モードへ移行する。
他方、ブレーキランプスイッチ(ブレーキSW)がOFFされたままで、ブレーキ入力がない場合(ステップS12での判断結果がNoの場合)には車速20km/h以上であるか否かが判断され(ステップS23)、車速20km/h以上である場合には(ステップS23での判断結果がYesの場合)、スロットル開度が図10に示すα1(本具体例では、5%(表1参照))未満であるか否かが判断される(ステップS24)。スロットル開度がα1(5%)未満である場合(ステップS24での判断結果がYesの場合)にはカウンタがリセットされる(ステップS25)。
次に、図10に示すような所定のブリッピング操作(第1のスロットル操作パターンに相当)の有無の判定に移る。スロットル開度がα1(5%)を超えた場合(ステップS24での判定結果がNoの場合)にはカウント時間がt(0.3秒)以下であるか否かが判断され(ステップS26)、カウント時間がt以下である場合(ステップS26での判断結果がYesの場合)にはカウンタが積算される(ステップS27)。
カウント時間がt以下である場合、スロットル開度が図10に示すα2(本具体例では、30%(表1参照))以上であるか否かが判断され(ステップS28)、図10に示すように所定時間t(0.3秒)以内にスロットル開度がα2(30%)を超えた場合(ステップS28での判断結果がYesの場合)にはフラグとしての条件2が成立したものとされる(ステップS29)。
上述のように条件2が成立すると、カウント時間t(0.3秒)内にスロットル開度がα2(30%)以上か否かが再び判断され(ステップS26〜S28)、図10に示すように所定時間t(0.3秒)以内にスロットル開度がピークを経てα2(30%)を下回った場合(ステップS28での判断結果がNoの場合)には、条件2が成立しているか否かが判断される(ステップS30)。
条件2が成立している場合(ステップS30での判断結果がYesの場合)にはスロットル開度が図10に示すα3(本具体例では20%(表1参照))以下であるか否か(つまり、スロットルが急閉されたか否か)が判断され(ステップS31)、スロットル開度がα3(20%)を下回ると(ステップS31での判断結果がYesの場合)、第1のスロットル操作パターンが成立したとして、擬似的手動変速モードから自動変速モードへ復帰する(ステップS32)。
以上のように、自動二輪車が20km/h以上の車速で走行しているときにブレーキが掛けられないまま予め定められた第1のスロットル操作パターンが入力された場合には、ライダーが何らスイッチ操作を行わなくても、CVT制御装置がライダーの意思を判断して擬似的手動変速モードから自動変速モードへ復帰する。
従って、本具体例によれば、ライダーは運転中に指(特に親指)を離すことなく変速モードを切り替えでき、切り替え操作による運転姿勢の変化を回避できるため運に転に支障を来たすことがなく、スイッチの数を消滅してスイッチ操作を簡略化することができる。しかも、変速モードの切り替え操作として、全く異なるパターンのスロットル操作を要しないため、同様のスロットル操作(第1のスロットル操作パターン)にも拘らず異なる機能を持たせることができる。又、ブレーキ操作の有無により、変速モードの切り替え操作を明確に区別することができるために誤操作の虞もない。
尚、本具体例では、通常の操作系統に含まれるブレーキ操作をスロットル操作と組み合わせてライダーの意思を判断するようにしたが、ブレーキ入力の有無という条件以外にも、操作し易い大きなスイッチの操作とスロットル操作とを組み合わせることによっても同様の効果が得られる。
<第2の具体例>
次に、図5のフローチャートにおけるライダーからの操作入力(ステップS1)の別の具体例を図11〜図12に基づいて説明する。尚、図11は制御手順を示すフローチャート、図12はスロットル開度の経時変化を示す図であり、本具体例におけるスロットル開度の経時変化は第2のスロットル操作パターンに相当する。
前記第1の具体例では、ブレーキ入力の有無の判断(ステップS12)以降の判定値が異なるのみで、スロットルの動作が閉→開→閉と同じであったが、自動変速モードへの復帰切り替えの制御手順を図11に示すように変更している(第2のスロットル操作パターンに相当)。尚、本具体例でも、擬似的手動変速モードへの以降の切り替えの制御手段は第1の具体例と同じであるため、これについての再度の説明は省略する。
本具体例では、図12に示すように、スロットル開度15%以上が1秒以上続いた後でスロットル開度が15%を下回ると時間のカウントを開始し、カウント開始から0.5秒以内にスロットル開度が3%以下になったのに引き続いて20%以上になる判定条件(第2のスロットル操作パターン)が成立したとして自動変速モードへの復帰を行うようにしている。以下、この方法を図11に示すフローチャートに従って具体的に説明する。
ブレーキランプスイッチ(ブレーキSW)がOFFされたままで、ブレーキ入力がない場合(ステップS12での判断結果がNoの場合)には車速20km/h以上であるか否かが判断され(ステップS33)、車速20km/h以上である場合には(ステップS33での判断結果がYesの場合)、スロットル開度が図12に示す15%以上であるか否かが判断される(ステップS34)。スロットル開度が15%以上である場合(ステップS34での判断結果がYesの場合)にはカウンタ1が積算される(ステップS35)。
その後、スロットル開度が15%以上である間はカウンタ1の積算が継続され、スロットル開度が15%を下回った場合(ステップS34での判断結果がNoの場合)にはカウンタ1によってカウントされた時間が1秒以上であるか否かが判断される(ステップS36)。図12に示すようにスロットル開度が15%以上である時間が1秒以上継続した場合(ステップS36での判断結果がYesの場合)には、カウンタ2によってカウントされた時間が0.5秒以下であるか否かが判断され(ステップS37)、カウンタ2のカウント時間が0.5秒以下である場合(ステップS37での判断結果がYesの場合)にはカウンタ2が積算される(ステップS38)。
尚、カウンタ1によってカウントされた時間が1秒未満である場合、或いはカウンタ1によるカウント時間が1秒以上であってもカウンタ2によってカウントされた時間が0.5秒を超える場合にはカウンタ1,2は共にリセットされる(ステップS44)。従って、ステップS36の判断の直後にステップS37に移行した際にはカウンタ2のカウント時間はゼロであり、スロットル開度15%以上が1秒以上継続した場合に限り、スロットル開度15%を下回ったとき(ステップS34での判断結果がNoの場合)を起点にカウンタ2の積算が開始される。
次に、スロットル開度が図12に示す3%以下に低下したか否かが判断されるが(ステップS39)、スロットル開度が3%以下に下がると(ステップS39の判断結果がYesの場合)フラグとしての条件2が成立したものとされる(ステップS40)。
上述のように条件2が成立すると、カウンタ2によってカウントされた時間が0.5秒以内にスロットル開度が3%以下であるか否かが再び判断され(ステップS37〜S39)、スロットル開度が3%を超えた場合(ステップS39での判断結果がNoの場合)には、条件2が成立しているか否かが判断される(ステップS41)。
条件2が成立している場合(ステップS41での判断結果がYesの場合)にはスロットル開度が図12に示す20%以上であるか否か(つまり、スロットルが急閉されたか否か)が判断され(ステップS42)、スロットル開度が20%以上となると(ステップS42での判断結果がYesの場合)、第2のスロットル操作パターンが成立したとして、擬似的手動変速モードから自動変速モードへの切り替えがなされる(ステップS43)。
以上のように、図1に示すスクータ型自動二輪車が20km/h以上の車速で走行しているときにブレーキが掛けられないままスロットルが開いている状態から急閉された場合には、ライダーが何らスイッチ操作を行わなくても、CVT制御装置がライダーの意思を判断して擬似的手動変速モードから自動変速モードへの復帰を行う。
従って、本具体例においても、ライダーは運転中に指(特に親指)を離すことなく変速を自動的に行うことができ、運転に支障を来すことがなく、スイッチの数を消滅してスイッチ操作を簡略化することができる。
尚、本具体例においては、前記第1の具体例とは異なり、それぞれの操作入力が全く異なるため、ブレーキ入力の有無に関する判断(図9のステップS12)をフローチャートから省力しても良い。この場合、第1のスロットル操作パターンの入力有無を擬似的手動変速モード移行用フローチャート(ステップS14〜S22)で判断し、第2のスロットル操作パターンの入力有無を自動変速モード復帰用フローチャート(ステップS34〜S43)で判断することとなる。
スクータ型自動二輪車の側面図である。 ユニットスイングエンジン要部の横断面図である。 Vベルト式自動変速機(CVT装置)の駆動プーリ部分の拡大断面図である。 本発明に係る自動変速機制御装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明に係る自動変速機制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 現在のエンジン回転数(NE_A)と車速及びスロットル開度との関係を示すマップである。 車速に対するエンジン回転数上昇幅(NE_B)の関係を示す図である。 目標変速比(RATIO_A)から所定のギヤ段(変速比RATIO_B)を求める方法を説明する図である。 本発明に係る自動変速機制御装置の制御手順の具体例を示すフローチャートである。 本発明の制御手順の具体例におけるスロットル開度の経時変化を示す図である。 本発明に係る自動変速機制御装置の制御手順の別の具体例を示すフローチャートである。 本発明の制御手順の別の具体例におけるスロットル開度の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 スクータ型自動二輪車
2 フレームカバー
3 前輪
4 後輪
5 ハンドル
6 フロントフォーク
7 ユニットスイング式エンジン
8 タンデムシート
9 エンジン
10 Vベルト式自動変速機(CVT装置)
11 クランクケース
12 ベルトケース
13 ケースカバー
14 保護カバー
15 クランク軸
16 駆動プーリ
16A 駆動プーリの固定シーブ
16B 駆動プーリの可動シーブ
17 従動軸
18 従動プーリ
18A 従動プーリの固定シーブ
18B 従動プーリの可動シーブ
19 Vベルト
20 ベアリング
21 冷却ファン
22 スライダギヤ
23 ベアリング
24 スラストスリーブ
25 スラストインナギヤ
26 ベアリング
27 スラストリング
28 固定ブラケット
29 スラストアウタギヤ
30 駆動側プーリ位置センサ
31 従動側プーリ回転速度センサ
32 接触子
33 セクタギヤ
34 スプリング
35 樹脂キャップ
36 ラック
37 コントロールユニット
38 CVTモータ
39 ピニオンギヤ
40,41 減速ギヤ
42〜44 ベアリング
45 遠心クラッチ
45A クラッチインナ
45B クラッチアウタ
46 スプリング
47 中間軸
48 車軸
49 ベアリング
50〜52 ギヤ
53,54 ベアリング
55 ギヤ
56 クランク角度センサ
57 スロットル開度センサ
58 車速センサ
59 ブレーキランプスイッチ
60 モード切替スイッチ
61 パワーモードスイッチ
62 シフトアップスイッチ
63 シフトダウンスイッチ
64 MTアシストスイッチ
65 スピードメータ

Claims (9)

  1. エンジンのクランク軸の回転を変速して車軸に伝達する自動変速機を制御する装置であって、少なくともエンジン回転数と車速とに基づいて前記自動変速機の変速比を自動制御する自動変速モードを備えた自動二輪車の自動変速機制御装置において、
    操作手段によってライダーからシフトダウン意思が入力されると、少なくとも2段以上のシフトダウンを行うことを特徴とする自動二輪車の自動変速機制御装置。
  2. 前記シフトダウンに際してシフトダウン後の目標エンジン回転数を算出し、該目標エンジン回転数と現在の車速を用いて目標変速比を算出し、該目標変速比に近接する変速比を有する変速段をシフトダウン後の変速段とすることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  3. 前記目標エンジン回転数は、現在のエンジン回転数に、現在の車速に基づいて予め設定されたシフトダウンに伴うエンジン回転数の上昇分を加算して算出されることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  4. 前記シフトダウン後の変速段は、目標変速比に直近の変速比を有する変速段であることを特徴とする請求項2又は3記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  5. 前記シフトダウン後の変速段は、目標変速比に直近の変速比を有する隣接する2段のうちの高速側の変速段であることを特徴とする請求項2又は3記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  6. 前記操作手段は、ブレーキレバーとスロットルグリップであることを特徴とする請求項請求項1〜5の何れかに記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  7. 前記ブレーキレバーを操作しながら、所定の期間内にスロットルグリップが所定量以上開操作されたのに引き続いて所定の閾値以下の開度となるようスロットルグリップが閉操作されると、ライダーのシフトダウン意思ありと判断することを特徴とする請求項6記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  8. 前記ブレーキレバー及びスロットルグリップの操作入力により、前記自動変速モードから疑似的な手動変速モードに移行する一方、疑似的な手動変速モードにあるときに所定のスロットルグリップ操作入力をすることを特徴とする請求項7記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
  9. 前記疑似的な手動変速モードにおいて、前記ブレーキレバー及びスロットルグリップの操作入力をすることによって、順次1段ずつ低速側の変速段に手動変速することを特徴とする請求項8記載の自動二輪車の自動変速機制御装置。
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