JP2023171127A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】人力駆動車の快適な走行に貢献できる制御装置を提供する。【解決手段】人力駆動車の制御装置は、人力駆動車の状態に応じた変速条件、および、操作装置からの入力に応じて人力駆動車の変速装置の変速比を制御する制御部を備える。制御部は、操作装置からの入力に応じて、変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように変速装置が制御された後に、変速比が一方となるように変速装置が制御される変速条件が成立していても、変速装置の変速比の変更が第1変速抑制条件にて抑制されるように変速装置を制御する。制御部は、操作装置からの入力に応じて、変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように変速装置が制御された後に、変速比が他方となるように変速装置が制御される変速条件が成立していても、変速装置の変速比の変更が第1変速抑制条件とは異なる第2変速抑制条件にて抑制されるように変速装置を制御する。【選択図】図6
Description
本開示は、人力駆動車の制御装置に関する。
特許文献1には、人力駆動車のケイデンスに応じて人力駆動車の変速装置の変速比を自動的に変更する自動変速制御中に、操作装置からの入力に応じて変速装置の変速比を変更した場合、自動変速制御による変速比の変更を抑制する制御装置が開示されている。
本開示の目的の1つは、人力駆動車の状態と、人力駆動車の変速装置の変速比を変更する操作装置からの入力と、に応じて変速抑制条件を好適に変更することによって、人力駆動車の快適な走行に貢献できる制御装置を提供することである。
本開示の第1側面の制御装置は、人力駆動車の制御装置である。制御装置は、前記人力駆動車の状態に応じた変速条件、および、操作装置からの入力に応じて前記人力駆動車の変速装置の変速比を制御する制御部を備える。前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように前記変速装置が制御された後に、前記変速比が前記一方となるように前記変速装置が制御される前記変速条件が成立していても、前記変速装置の変速比の変更が第1変速抑制条件にて抑制されるように前記変速装置を制御する。前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように前記変速装置が制御された後に、前記変速比が他方となるように前記変速装置が制御される前記変速条件が成立していても、前記変速装置の変速比の変更が前記第1変速抑制条件とは異なる第2変速抑制条件にて抑制されるように前記変速装置を制御する。
第1側面の制御装置によれば、人力駆動車の状態と、操作装置からの入力と、に応じて変速抑制条件を好適に変更することによって、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記第1変速抑制条件は、前記操作装置からの入力に応じて前記変速比が変更されてから経過した期間が第1所定期間以内である。前記第2変速抑制条件は、前記操作装置からの入力に応じて前記変速比が変更されてから経過した期間が第2所定期間以内である。前記第2所定期間は、前記第1所定期間とは異なる。
第2側面の制御装置によれば、変速比の変更が抑制されるように変速装置を制御する期間を、手動による変速の変速方向と、その後の変速条件の成立による変速の変速方向との組合せに応じて異なるように設定できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記第2所定期間は、前記第1所定期間よりも長い。
第3側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた前回の変速比の変速方向と、変速条件の成立による今回の変速比の変速方向とが異なる場合の変速抑制期間を、変速方向が同一の場合の変速抑制期間よりも長くできる。したがって、制御装置は、ライダの意志で手動により変速比が変更された後に、変速条件の成立によって変速比が変更前の変速比に戻されることを抑制できるので、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2側面または第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1所定期間が経過するまで、前記変速条件に基づいて前記変速比が前記一方へ変更されることが禁止されるように前記変速装置を制御する。
第4側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じて変速比が変更されるように制御装置が制御された後に、変速条件が成立していても、前回の変速比の変更から第1所定期間が経過するまでは、変速比の変更を禁止できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2から第4側面の少なくともいずれか一つに従う第5側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2所定期間が経過するまで、前記変速条件に基づいて前記変速比が前記他方へ変更されることが禁止されるように前記変速装置を制御する。
第5側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じて変速比が変更されるように制御装置が制御された後に、変速条件が成立していても、前回の変速比の変更から第2所定期間が経過するまでは、変速比の変更を禁止できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2から第5側面の少なくともいずれか一つに従う第6側面の制御装置において、前記第1所定期間および前記第2所定期間は、時間である。
第6側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた変速比の変更後に、変速条件が成立していても変速比の変更が抑制されるように変速装置を制御する時間を、連続する2回の変速比の変更における各変速方向の組合せに応じて異なるように設定できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2から第6側面の少なくともいずれか一つに従う第7側面の制御装置において、前記第2所定期間は、前記第1所定期間の3倍よりも長い。
第17側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた前回の変速比の変速方向と、変速条件の成立による今回の変速比の変速方向とが異なる場合には、変速方向が同一の場合に比べて、明らかに長い期間、変速比の変更を抑制できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2から第7側面の少なくともいずれか一つに従う第8側面の制御装置において、前記第2所定期間は、前記第1所定期間の5倍である。
第8側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた前回の変速比の変速方向と、変速条件の成立による今回の変速比の変速方向とが異なる場合には、変速方向が同一の場合に比べて、さらに長い期間、変速比の変更を抑制できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第2から第8側面の少なくともいずれか一つに従う第9側面の制御装置において、前記第1所定期間は、0秒よりも大きく3秒よりも小さい時間である。
第9側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた前回の変速比の変速方向と、変速条件の成立による今回の変速比の変速方向と同一の場合には、3秒以内にライダの意図に従い、操作装置からの入力に応じて変速比を変更できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第1から第9側面の少なくともいずれか一つに従う第10側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように前記変速装置が制御された場合に、前記第1変速抑制条件と前記第2変速抑制条件とを設定する。
第10側面の制御装置によれば、手動による変速比の変更がなければ、第1変速抑制条件および第2変速抑制条件が設定されない。このため、第10側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた変速比の変更ではなく、変速条件の成立によって変速比が変更された後には、第1変速抑制条件および第2変速抑制条件によらず、変速条件が成立した場合に、変速比を変更できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第1から第10側面の少なくともいずれか一つに従う第11側面の制御装置において、前記変速条件は、所定のケイデンス範囲を有する。前記制御部は、ケイデンスが前記ケイデンス範囲内に収まる前記変速比になるように前記変速装置を制御する。
第11側面の制御装置によれば、ケイデンスを所定のケイデンス範囲内に収めることによって、ライダに掛かる負荷を一定範囲内に維持できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記ケイデンス範囲は、下限閾値を有する。前記制御部は、ケイデンスが前記下限閾値よりも小さい場合に、前記変速条件が成立していると判断し、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
第12側面の制御装置によれば、例えば、ライダに掛かる負荷が増大し、ケイデンスが下限閾値よりも小さくなる場合に、変速比が小さくなるように変速比を変更することによって、ライダの疲労を軽減できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第11または第12側面に従う第13側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が小さくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における下限閾値よりも小さく、かつ、前記第1変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
第13側面の制御装置によれば、例えば、手動によるシフトダウン後、ライダに掛かる負荷が増大し、ケイデンスが下限閾値よりも小さくなった場合、第1変速抑制条件が成立していなければ、変速比が小さくなるように変更されるので、ライダの疲労を軽減できる。
第11からは第13側面の少なくともいずれか一つに従う第14側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における下限閾値よりも小さく、かつ、前記第2変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する。
第14側面の制御装置によれば、例えば、手動によるシフトアップ後、ライダに掛かる負荷が増大し、ケイデンスが下限閾値よりも小さくなった場合、第2変速抑制条件が成立していなければ、変速比が小さくなるように変更されるので、ライダの疲労を軽減できる。
第11からは第14側面の少なくともいずれか一つに従う第15側面の制御装置において、前記ケイデンス範囲は上限閾値を有する。前記制御部は、ケイデンスが前記上限閾値よりも大きい場合に、前記変速条件が成立していると判断し、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する。
第15側面の制御装置によれば、例えば、ライダに掛かる負荷が減少し、ケイデンスが上限閾値よりも大きくなる場合に、変速比が大きくなるように変速比を変更することによって、ケイデンスを小さくしつつ走行速度を増大できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
第11からは第15側面の少なくともいずれか一つに従う第16側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における上限閾値よりも大きく、かつ、前記第1変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する。
第16側面の制御装置によれば、例えば、手動によるシフトアップ後、ライダに掛かる負荷が減少し、ケイデンスが上限閾値よりも大きくなった場合、第1変速抑制条件が成立していなければ、変速比が大きくなるように変更されるので、走行速度を増大できる。
第11からは第16側面の少なくともいずれか一つに従う第17側面の制御装置において、前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が小さくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における上限閾値よりも大きく、かつ、前記第2変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する。
第17側面の制御装置によれば、例えば、手動によるシフトダウン後、ライダに掛かる負荷が減少し、ケイデンスが上限閾値よりも大きくなった場合、第2変速抑制条件が成立していなければ、変速比が大きくなるように変更されるので、走行速度を増大できる。
本開示の制御装置によれば、人力駆動車の状態と、人力駆動車の変速装置の変速比を変更する操作装置からの入力と、に応じて変速抑制条件を好適に変更することによって、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
図1から図7を参照して、人力駆動車用の制御装置30が説明される。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。図1に示すように、人力駆動車10は、たとえば、マウンテンバイクである。人力駆動車10は、マウンテンバイクに限定されるものではなく、少なくとも人力によって駆動することができれば、ロードバイク、クロスバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドサイクル、および、リカンベントなどの他の自転車であってもよい。人力駆動車10は、1輪車および3輪以上の車輪を有する車両であってよい。人力駆動車10は、電動ドライブユニットを備えてもよい。電動ドライブユニットは、人力駆動車10の推進をアシストするように構成される。
以下では、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標系が用いられて、人力駆動車10は説明されることがある。X軸は、人力駆動車10の前後方向に一致する。Y軸は、人力駆動車10の左右方向に一致する。Z軸は、人力駆動車10の上下方向に一致する。本明細書において、以下の方向を示す用語は、人力駆動車10の基準位置(たとえば、サドル48A、または、シート上)においてハンドルバー12Hを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。方向を示す用語は、「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語を含む。
人力駆動車10は、フレーム12を含む。フレーム12は、たとえば、ヘッドチューブ12A、トップチューブ12B、ダウンチューブ12C、シートステー12D、および、チェーンステー12Eを含む。人力駆動車10は、フロントフォーク12F、ステム12G、および、ハンドルバー12Hを含む。フロントフォーク12F、および、ステム12Gは、ヘッドチューブ12Aに連結される。ハンドルバー12Hは、ステム12Gに連結される。人力駆動車10は、車輪14と、ドライブトレイン16と、変速システム18とを備える。車輪14は、前輪14A、および、後輪14Bを含む。前輪14Aは、フロントフォーク12Fに連結される。後輪14Bは、シートステー12D、および、チェーンステー12Eの接続部に連結される。
ドライブトレイン16は、人力駆動力を後輪14Bに伝達するように構成される。ドライブトレイン16は、一対のペダル20と、クランク22と、フロントチェーンホイール24と、チェーン26と、リアスプロケット28とを含む。一対のペダル20に付加される人力駆動力によってクランク22が回転すると、フロントチェーンホイール24が回転する。フロントチェーンホイール24の回転力は、チェーン26を介してリアスプロケット28に伝達される。リアスプロケット28が回転することによって車輪14が回転する。リアスプロケット28は、複数のスプロケットを含む。リアスプロケット28は、歯数が異なる複数のスプロケットを含む。
ドライブトレイン16は、フロントチェーンホイール24、リアスプロケット28、およびチェーン26に代えて、プーリ、および、ベルトを含んでいてもよい。ドライブトレイン16は、ベベルギア、および、シャフトを含んでいてもよい。クランク22は、クランク軸の軸方向の第1端部に連結される第1クランクアームと、クランク軸の軸方向の第2端部に連結される第2クランクアームと、を含む。ドライブトレイン16は、ワンウェイクラッチ、他のスプロケット、または、他のチェーンなどの他の部品を含んでいてもよい。フロントチェーンホイール24は、複数のチェーンホイールを含んでいてもよい。好ましくは、フロントチェーンホイール24の回転軸は、クランク22の回転軸と同軸に配置される。リアスプロケット28の回転軸は、後輪14Bの回転軸と同軸に配置される。
変速システム18は、制御装置30と、変速装置32とを含む。制御装置30は、たとえば、フレーム12に設けられる。制御装置30は、ダウンチューブ12Cに収容されてもよい。制御装置30は、変速装置32に設けられてもよい。制御装置30は、バッテリ34から供給される電力によって動作する。
変速装置32は、人力駆動力の伝達経路に設けられる。人力駆動力の伝達経路は、ペダル20に付加された人力駆動力が車輪14に伝達されるまでの経路である。変速装置32は、外装変速機を含む。変速装置32は、たとえば、リアディレーラ36を含む。変速装置32は、フロントディレーラを含んでもよい。本実施形態の変速装置32は、リアディレーラ36、チェーン26、および、リアスプロケット28を含む。リアディレーラ36によってチェーン26と噛み合うリアスプロケット28が切り替えられることによって、変速装置32の変速比が変更される。
変速比は、フロントチェーンホイール24の歯数と、リアスプロケット28の歯数との関係に基づいて規定される。一例では、変速比は、リアスプロケット28の歯数に対するフロントチェーンホイール24の歯数の割合で定義される。変速比をRとし、リアスプロケット28の歯数をTRとし、フロントチェーンホイール24の歯数TFとすると、変速比Rは、R=TF/TRによって表される。リアスプロケット28の歯数は、車輪14の回転速度に置き換えられ、フロントチェーンホイール24の歯数TFは、クランク22の回転速度に置き換えられてもよい。この場合、変速比Rは、クランク22の回転速度に対する車輪14の回転速度によって表される。変速装置32は、外装変速機に代えて内装変速機を含んでもよい。内装変速機は、たとえば、後輪14Bのハブに設けられる。変速装置32は、外装変速機に代えて無段変速機を含んでもよい。無段変速機は、たとえば、後輪14Bのハブに設けられる。
変速システム18は、手動変速モード、および、自動変速モードによって、変速装置32の変速比を変更できるように構成される。制御装置30は、変速モードとして手動変速モード、および、自動変速モードを有する。変速モードは、ライダによって切り替えられる。
変速モードが手動変速モードに設定される場合、変速システム18は、たとえば、操作装置38の操作に応じて、変速装置32が駆動されるように構成される。変速装置32は、電動アクチュエータ40を含む。変速装置32は、バッテリ34から供給される電力によって動作する。変速装置32は、変速装置32の専用バッテリから電力が供給されてもよい。本実施形態では、電動アクチュエータ40によって、リアディレーラ36が駆動される。電動アクチュエータ40は、たとえば、リアディレーラ36に設けられる。電動アクチュエータ40は、ボーデンケーブルを介してリアディレーラ36に接続されてもよい。電動アクチュエータ40は、たとえば、電動モータ、および、電動モータに接続される減速機を含む。変速モードが自動変速モードである場合、変速システム18は、人力駆動車10の入力情報と変速条件とに応じて、変速装置32が駆動されるように構成される。
制御装置30は、図2に示すように、記憶部50と、制御部52とを備える。記憶部50は、たとえば、不揮発性メモリ、および、揮発性メモリなどの記憶装置を含む。不揮発性メモリは、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、たとえば、RAM(Random Access Memory)を含む。記憶部50は、制御部52が制御に用いるプログラムを記憶する。記憶部50は、たとえば、変速条件、第1変速抑制条件、および、第2変速抑制条件に関する情報を記憶する。
制御部52は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)などの演算装置を含む。制御部52は、複数の演算装置を含んでいてもよい。複数の演算装置は、相互に離れた位置に設けられてもよい。制御部52は、たとえば、演算装置がROMに記憶されるプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することによって、変速システム18全体の動作を統括的に制御するように構成される。制御部52は、人力駆動車10の変速装置32以外に、人力駆動車10に搭載される各種のコンポーネントをさらに制御してもよい。制御部52は、たとえば、電動ドライブユニットを制御してもよい。
制御部52は、車速センサ60と、クランク回転センサ62と、傾斜センサ64と、入力装置66と、操作装置38と、電動アクチュエータ40とに、電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。制御部52は、外部装置68と電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。制御部52は、電気ケーブルを介してバッテリ34と接続される。
好ましくは、制御部52は、第1インタフェース52Aを含む。第1インタフェース52Aは、車速センサ60によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第2インタフェース52Bを含む。第2インタフェース52Bは、クランク回転センサ62によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第3インタフェース52Cを含む。第3インタフェース52Cは、傾斜センサ64によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第4インタフェース52Dを含む。第4インタフェース52Dは、入力装置66によって受け付けられた情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第5インタフェース52Eを含む。第5インタフェース52Eは、外部装置68から送信される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第6インタフェース52Fを含む。第6インタフェース52Fは、操作装置38から送信される情報を入力するように構成される。
第1インタフェース52Aから第6インタフェース52Fは、たとえば、ケーブル接続ポート、および、無線通信装置の少なくとも1つを含む。無線通信装置は、たとえば、近距離無線通信ユニットを含む。近距離無線通信ユニットは、たとえば、Bluetooth(登録商標)、および、ANT+などの無線通信規格に基づいて無線通信するように構成される。
第1インタフェース52Aには、車速センサ60に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第2インタフェース52Bには、クランク回転センサ62に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第3インタフェース52Cには、傾斜センサ64に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第4インタフェース52Dには、入力装置66に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第5インタフェース52Eは、たとえば、無線通信装置を含む。第6インタフェース52Fは、操作装置38に接続される電気ケーブルが接続されてもよい。
車速センサ60は、人力駆動車10の速度に関する情報を制御部52へ出力するように構成される。車速センサ60は、車輪14の回転速度に応じた信号を出力するように構成される。車速センサ60は、たとえば、人力駆動車10のチェーンステー12Eに設けられる。車速センサ60は、磁気センサを含む。車速センサ60は、車輪14のスポーク、ディスクブレーキロータ、または、ハブに取り付けられる磁石の磁界を検出するように構成される。磁石は、1つ、または、複数設けられる。
車速センサ60は、磁界を検出すると信号を出力するように構成される。制御部52は、たとえば、車輪14の回転に伴って車速センサ60から出力される信号の時間間隔、または、信号の幅と、車輪14の周長に関する情報とに基づいて、人力駆動車10の走行速度を演算するように構成される。車速センサ60は、人力駆動車10の速度に関する情報を出力するように構成されれば、どのような構成であってもよく、磁気センサに限らず、光学センサ、加速度センサ、または、GPS受信機などの他のセンサを含んでいてもよい。
クランク回転センサ62は、クランク22の回転状態に応じた情報を制御部52へ出力するように構成される。クランク回転センサ62は、たとえば、クランク22の回転速度に応じた情報を検出するように構成される。クランク回転センサ62は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク22の回転軸に連動して回転する部材、または、クランク22の回転軸からフロントチェーンホイール24までの間の動力伝達経路に設けられる。
たとえば、クランク22の回転軸とフロントチェーンホイール24との間にワンウェイクラッチが設けられない場合、フロントチェーンホイール24に環状の磁石が設けられてもよい。クランク回転センサ62は、クランク22の回転状態に応じた情報を出力するように構成されれば、どのような構成であってもよく、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、トルクセンサなどを含んでいてもよい。
傾斜センサ64は、斜度に関する情報を制御部52へ出力するように構成される。傾斜センサ64は、たとえば、加速度センサを含む。傾斜センサ64は、角速度センサを含んでもよい。斜度は、人力駆動車10が走行する路面の斜度である。すなわち、斜度は、人力駆動車10の姿勢角である。人力駆動車10が上り坂を走行する場合、斜度は正の値となる。人力駆動車10が下り坂を走行する場合、斜度は負の値となる。
傾斜センサ64は、X軸、Y軸、および、Z軸の軸方向における加速度に応じた情報を出力するように構成される。傾斜センサ64は、水平面に前輪14A、および、後輪14Bを接地させて直立させた基準状態において、Z軸が重力方向に沿うように人力駆動車10に設けられる。具体的には、傾斜センサ64は、水平面に前輪14A、および、後輪14Bを接地させて直立させた状態において、Z軸正方向が鉛直方向に一致するように人力駆動車10に設けられる。傾斜センサ64は、水平面に前輪14A、および、後輪14Bを接地させて直立させた状態において、X軸が人力駆動車10の前後方向に沿うように人力駆動車10に設けられる。具体的には、傾斜センサ64は、水平面に前輪14A、および、後輪14Bを接地させて直立させた状態において、X軸正方向が人力駆動車10の前進方向に一致するように設けられる。
斜度は、X軸、Y軸およびZ軸における加速度から、Z軸正方向と重力方向との角度が検出されることによって、算出される。Z軸正方向と重力方向との角度は、Y軸回りのピッチ角である。斜度は、Y軸回りのピッチ角として検出される。
人力駆動車10が走行する場合、傾斜センサ64によって検出されるX軸方向の加速度には、人力駆動車10の走行における加速度が含まれる。傾斜センサ64によって検出されるX軸方向の加速度を、車速センサ60によって検出される車速から算出されるX軸方向の加速度によって補正することによって、X軸方向の加速度が算出される。斜度は、補正されたX軸方向の加速度を用いて算出される。
入力装置66は、入力された情報を制御部52へ出力するように構成される。入力装置66は、たとえば、サイクルコンピュータを含む。入力装置66は、人力駆動車10に着脱可能に設けられてもよい。入力装置66は、スマートフォンを含んでいてもよい。
外部装置68は、たとえば、人力駆動車10の設定を外部から変更可能な装置である。外部装置68は、スマートデバイス、および、パーソナルコンピュータの少なくとも1つを含む。スマートデバイスは、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、スマートフォン、および、タブレットコンピュータの少なくとも1つを含む。
操作装置38は、ユーザの手指などによって操作される操作スイッチを含む。好ましくは、操作装置38は、シフトアップ用の操作スイッチと、シフトダウン用の操作スイッチとを含む。シフトアップは、変速装置32の変速比が大きくなるように変更される変速装置32の動作である。シフトダウンは、変速装置32の変速比が小さくなるように変更される変速装置32の動作である。操作装置38は、好ましくは、ハンドルバー12Hに設けられる。
制御部52は、傾斜センサ64によって検出される斜度に基づいて斜度領域を図3に示すように変更する。斜度領域は、「FLAT」、「UP1」、「UP2」、「UP3」、「DW1」、「DW2」、および、「DW3」の7つの領域を含む。「FLAT」は、水平路面を含む。「UP1」、「UP2」、および、「UP3」は、人力駆動車10の進行方向に対して上り傾斜の路面を含む。「UP2」は、「UP1」よりも上り傾斜が大きい領域である。「UP3」は、「UP2」よりも上り傾斜が大きい領域である。「DW1」、「DW2」、および、「DW3」は、人力駆動車10の進行方向に対して下り傾斜の路面を含む。「DW2」は、「DW1」よりも下り傾斜が大きい領域である。「DW3」は、「DW2」よりも下り傾斜が大きい領域である。
たとえば、斜度領域が「FLAT」であり、かつ、斜度が第1閾値以上である場合、斜度領域は、「FLAT」から「UP1」に変更される。第1閾値は、予め設定される値である。第1閾値は、上り傾斜を示す値である。斜度領域が「UP1」であり、かつ、斜度が第2閾値以上である状態が第1時間以上継続する場合、斜度領域は、「UP1」から「UP2」に変更される。第2閾値は、予め設定される値である。第2閾値は、第1閾値よりも大きい。第1時間は、予め設定される時間である。斜度領域が「UP2」であり、かつ、斜度が第3閾値以上である状態が第2時間以上継続する場合、斜度領域は、「UP2」から「UP3」に変更される。第3閾値は、予め設定される値である。第3閾値は、第2閾値よりも大きい。第2時間は、予め設定される時間である。第2時間は、第1時間と同じ時間であってもよい。
斜度領域が「UP3」であり、かつ、斜度が第4閾値以下である場合、斜度領域は、「UP3」から「UP2」に変更される。第4閾値は、予め設定される値である。第4閾値は、第3閾値よりも小さい。斜度領域が「UP2」であり、かつ、斜度が第5閾値以下である場合、斜度領域は、「UP2」から「UP1」に変更される。第5閾値は、予め設定される値である。第5閾値は、第2閾値よりも小さい。斜度領域が「UP1」であり、かつ、斜度が第6閾値以下である場合、斜度領域は、「UP1」から「FLAT」に変更される。第6閾値は、予め設定される値である。第6閾値は、第1閾値よりも小さい。
斜度領域が「FLAT」であり、かつ、斜度が第7閾値以下である場合、斜度領域は、「FLAT」から「DW1」に変更される。第7閾値は、予め設定される値である。第7閾値は、下り傾斜を示す値である。斜度領域が「DW1」であり、かつ、斜度が第8閾値以下である状態が第3時間以上継続する場合、斜度領域は、「DW1」から「DW2」に変更される。第8閾値は、予め設定される値である。第3時間は、予め設定される時間である。第8閾値は、第7閾値よりも小さい。斜度領域が「DW2」であり、かつ、斜度が第9閾値以下である状態が第4時間以上継続する場合、斜度領域は、「DW2」から「DW3」に変更される。第9閾値は、予め設定される値である。第9閾値は、第8閾値よりも小さい。第4時間は、予め設定される時間である。第4時間は、第3時間と同じ時間であってもよい。
斜度領域が「DW3」であり、かつ、斜度が第10閾値以上である場合、斜度領域は、「DW3」から「DW2」に変更される。第10閾値は、予め設定される値である。第10閾値は、第9閾値よりも大きい。斜度領域が「DW2」であり、かつ、斜度が第11閾値以上である場合、斜度領域は、「DW2」から「DW1」に変更される。第11閾値は、予め設定される値である。第11閾値は、第8閾値よりも大きい。斜度領域が「DW1」であり、かつ、斜度が第12閾値以上である場合、斜度領域は、「DW1」から「FLAT」に変更される。第12閾値は、予め設定される値である。第12閾値は、第7閾値よりも大きい。
制御部52は、人力駆動車10の状態に応じた変速条件、および、操作装置38からの入力に応じて人力駆動車10の変速装置32の変速比を制御する。制御部52は、斜度領域に応じて変速条件を変更する。変速条件は、所定のケイデンス範囲を有する。制御部52は、ケイデンスがケイデンス範囲内に収まる変速比になるように変速装置32を制御する。
ケイデンス範囲は、下限閾値を有する。制御部52は、ケイデンスが下限閾値よりも小さい場合に、変速条件が成立していると判断し、変速比が小さくなるように変速装置32を制御する。ケイデンス範囲は、上限閾値を有する。制御部52は、ケイデンスが上限閾値よりも大きい場合に、変速条件が成立したと判断し、変速比が大きくなるように変速装置32を制御する。
ケイデンス範囲は、斜度領域に基づいて設定される。ケイデンス範囲は、ユーザによって設定されてもよい。ケイデンス範囲の下限閾値、および、上限閾値の少なくとも1つは、ユーザによって設定されてもよい。ユーザは、ライダを含む。たとえば、ケイデンス範囲は、入力装置66、および、外部装置68の少なくとも1つを介して設定されてもよい。ケイデンスは、人力駆動車10のクランク軸の回転速度を含む。ケイデンスは、人力駆動車10の後輪14Bの回転速度を変速装置32の変速比によって除算することによって算出されてもよい。
制御部52は、斜度領域に基づいてケイデンス範囲を設定する。ケイデンス範囲は、図4、および、図5に示すように、各斜度領域に対してそれぞれ設定される。複数の斜度領域に対して同じケイデンス範囲が設定されてもよい。
斜度領域が「FLAT」である場合、ケイデンス範囲は、第1ケイデンス範囲に設定される。第1ケイデンス範囲は、第1下限閾値以上、かつ、第1上限閾値以下の範囲である。第1下限閾値は、基準ケイデンスから第1所定値が減算されて設定される。第1所定値は、予め設定される値である。第1上限閾値は、基準ケイデンスに第1所定値が加算されて設定される。
斜度領域が「UP1」である場合、ケイデンス範囲は、第2ケイデンス範囲に設定される。第2ケイデンス範囲は、第2下限閾値以上、かつ、第2上限閾値以下の範囲である。第2下限閾値は、第1下限閾値と同じである。第2下限閾値は、第1下限閾値とは異なる値であってもよい。第2上限閾値は、基準ケイデンスに第2所定値が加算されて設定される。第2所定値は、予め設定される値である。第2所定値は、第1所定値よりも大きい。第2上限閾値は、第1上限閾値よりも大きい。
斜度領域が「UP2」、または、「UP3」である場合、ケイデンス範囲は、第3ケイデンス範囲に設定される。第3ケイデンス範囲は、第3下限閾値以上、かつ、第3上限閾値以下の範囲である。第3下限閾値は、第2下限閾値よりも大きい。第3下限閾値は、基準ケイデンスから、第3所定値が減算されて設定される。第3所定値は、予め設定される値である。第3上限閾値は、第2上限閾値よりも大きい。たとえば、第3上限閾値は、第3下限閾値に第4所定値が加算される値である。第4所定値は、第2所定値よりも大きい。「UP2」、および、「UP3」におけるケイデンス範囲は、異なる範囲であってもよい。
斜度領域が「DW1」である場合、ケイデンス範囲は、第1ケイデンス範囲に設定される。「FLAT」、および、「DW1」におけるケイデンス範囲は、異なる範囲であってもよい。
斜度領域が「DW2」である場合、ケイデンス範囲は、第4ケイデンス範囲に設定される。第4ケイデンス範囲は、第4下限閾値以上、かつ、第4上限閾値以下の範囲である。第4下限閾値は、第1下限閾値よりも小さい。第4下限閾値は、基準ケイデンスから、第5所定値が減算されて設定される。第5所定値は、予め設定される値である。第5所定値は、第1所定値よりも大きい。第4上限閾値は、第1上限閾値よりも小さい。第4上限閾値は、基準ケイデンスに第6所定値が加算されて設定される。第6所定値は、予め設定される値である。第6所定値は、第1所定値よりも小さい。
斜度領域が「DW3」である場合、ケイデンス範囲は、第5ケイデンス範囲に設定される。第5ケイデンス範囲は、第5下限閾値以上、かつ、第5上限閾値以下の範囲である。第5下限閾値は、第4下限ケイデンスよりも小さい。第5下限閾値は、基準ケイデンスから、第7所定値が減算されて設定される。第7所定値は、予め設定される値である。第7所定値は、第5所定値よりも大きい。第5上限閾値は、第4上限閾値と同じである。第5上限閾値は、第4上限とは異なる値であってもよい。
制御部52は、変速モードが自動変速モードである場合に、操作装置38からの入力を受け付けると、操作装置38からの入力に応じて変速比が変更されるように変速装置32を制御する。たとえば、操作装置38からの入力に応じた変速の直後に、自動変速モードの変速条件が成立して自動的に変速比が変更されると、ライダが不快になるおそれがある。
たとえば、変速装置32は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きくなるように制御された後、即座に変速条件が成立して、変速比が大きくなるように制御されると、多段変速のようなライダが意図しない挙動をするおそれがある。たとえば、変速装置32は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きくなるように制御された後、即座に変速条件が成立して、変速比が小さくなるように制御されると、操作装置38からの入力がキャンセルされてライダの意志が否定されたような挙動をするおそれがある。
このため、制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が変更されるように変速装置32が制御された後、変速条件が成立していても、変速比の変更が変速抑制条件によって抑制されるように変速装置32を制御する。
ただし、操作装置38からの入力に応じて変速比が変更されるように変速装置32が制御された後、変速比が大きくなる変速条件か変速比が小さくなる変速条件かを問わず一律の変速抑制条件にて変速装置32が制御されると快適性が改善されないおそれがある。
そこで、制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように変速装置32が制御された後に、変速比が一方となるように変速装置32が制御される変速条件が成立していても、変速装置32の変速比の変更が第1変速抑制条件にて抑制されるように変速装置32を制御する。
制御装置52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように変速装置32が制御された後に、変速比が他方となるように変速装置32が制御される変速条件が成立していても、変速装置32の変速比の変更が第1変速抑制条件とは異なる第2変速抑制条件にて抑制されるように変速装置32を制御する。
第1変速抑制条件は、操作装置38からの入力に応じて変速比が変更されてから経過した期間が第1所定期間以内である。第2変速抑制条件は、操作装置38からの入力に応じて変速比が変更されてから経過した期間が第2所定期間以内である。第1所定期間および第2所定期間は、時間である。第1所定期間の時間は、第2所定期間の時間とは異なる。第2所定期間は、第1所定期間よりも長い。
第2所定期間は、第1所定期間の3倍よりも長い。第2所定期間は、第1所定期間の5倍である。第1所定期間は、0秒よりも大きく3秒よりも小さい時間である。たとえば、第1所定期間は、1秒である。たとえば、第2所定期間は、5秒である。
第1所定期間および第2所定期間は、人力駆動車10の走行距離およびクランク22の回転数の概念を含む。第1所定期間は、人力駆動車10が第1所定距離を走行する期間であってもよい。第2所定期間は、人力駆動車10が第1所定距離とは異なる第2所定距離を走行する期間であってもよい。第1所定期間は、クランク22が第1所定回転数連続して回転する期間であってもよい。第2所定期間は、クランク22が第1所定回転数とは異なる第2所定回転数連続して回転する期間であってもよい。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように変速装置32が制御された場合に、第1変速抑制条件と第2変速抑制条件とを設定する。
制御部52は、操作装置32からの入力に応じて変速比が変更されてから経過した期間が第1所定期間以内である場合に、第1変速抑制条件が成立するとして、変速比の変更が抑制されるように変速装置32を制御する。制御部52は、操作装置32からの入力に応じて変速比が変更されてから経過した期間が第2所定期間以内である場合に、第2変速抑制条件が成立するとして、変速比の変更が抑制されるように変速装置32を制御する。
制御部52は、第1所定期間が経過するまで、変速条件に基づいて変速比が一方へ変更されることが禁止されるように変速装置32を制御する。たとえば、制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きくなるように変速装置32が制御された後に、変速比が大きくなるように変速装置32が制御される変速条件が成立していても、第1所定期間が経過するまで、変速条件に基づいて変速比が変更されることが禁止されるように変速装置32を制御する。
たとえば、制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が小さくなるように変速装置32が制御された後に、変速比が小さくなるように変速装置32が制御される変速条件が成立していても、第1所定期間が経過するまで、変速条件に基づいて変速比が変更されることが禁止されるように変速装置32を制御する。
制御部52は、第2所定期間が経過するまで、変速条件に基づいて変速比が他方へ変更されることが禁止されるように変速装置32を制御する。たとえば、制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きくなるように変速装置32が制御された後に、変速比が小さくなるように変速装置32が制御される変速条件が成立していても、第2所定期間が経過するまで、変速条件に基づいて変速比が変更されることが禁止されるように変速装置32を制御する。
たとえば、制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が小さくなるように変速装置32が制御された後に、変速比が大きくなるように変速装置32が制御される変速条件が成立していても、第2所定期間が経過するまで、変速条件に基づいて変速比が変更されることが禁止されるように変速装置32を制御する。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように変速装置32が制御された場合に、第1変速抑制条件と第2変速抑制条件とを設定する。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が小さくなるように変速装置32が制御された後に、ケイデンスがケイデンス範囲における下限閾値よりも小さく、かつ、第1変速抑制条件が成立していない場合に、変速比が小さくなるように変速装置32を制御する。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きくなるように変速装置32が制御された後に、ケイデンスがケイデンス範囲における下限閾値よりも小さく、かつ、第2変速抑制条件が成立していない場合に、変速比が小さくなるように変速装置32を制御する。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が大きくなるように変速装置32が制御された後に、ケイデンスがケイデンス範囲における上限閾値よりも大きく、かつ、第1変速抑制条件が成立していない場合に、変速比が大きくなるように変速装置32を制御する。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて、変速比が小さくなるように変速装置32が制御された後に、ケイデンスがケイデンス範囲における上限閾値よりも大きく、かつ、第2変速抑制条件が成立していない場合に、変速比が大きくなるように変速装置32を制御する。
制御部52は、変速モードが自動変速モードである期間に、電力の供給が停止されるまで、図6に示すマニュアル変速受付処理を繰り返し実行する。制御部52は、ステップS10において、操作装置38から入力があるか判定する。制御部52は、ステップS10において、操作装置38から入力がないと判定した場合、今回の処理を終了する。
制御部52は、ステップS10において、操作装置38から入力があると判定した場合、ステップS11に移行する。制御部52は、ステップS11において、シフトアップ用スイッチからの入力か判定する。
制御部52は、ステップS11において、シフトアップ用スイッチからの入力と判定した場合、ステップS12に移行する。制御部52は、ステップS12において、自動シフトアップを1秒禁止し、自動シフトダウンを5秒禁止して、今回の処理を終了する。自動シフトアップは、変速比が大きくなる変速条件が成立した場合に、変速比が大きくなるように変速装置32が制御される変速装置32の動作である。自動シフトダウンは、変速比が小さくなる変速条件が成立した場合に、変速比が小さくなるように変速装置32が制御される変速装置32の動作である。ステップS12において自動シフトアップが禁止される時間は、ステップS11において自動シフトダウンが禁止される時間よりも短い時間であれば、1秒に限定されない。ステップS12において自動シフトダウンが禁止される時間は、ステップS12において自動シフトアップが禁止される時間よりも長い時間であれば、5秒に限定されない。
制御部52は、ステップS11において、シフトアップ用スイッチからの入力でないと判定した場合、シフトダウン用スイッチからの入力と判定し、ステップS13に移行する。制御部52は、ステップS13において、自動シフトアップを5秒禁止し、自動シフトダウンを1秒禁止して、今回の処理を終了する。ステップS13において自動シフトアップが禁止される時間は、ステップS13において自動シフトダウンが禁止される時間よりも長い時間であれば、5秒に限定されない。ステップS13において自動シフトダウンが禁止される時間は、ステップS13において自動シフトアップが禁止される時間よりも短い時間であれば、1秒に限定されない。
制御部52は、変速モードが自動変速モードである期間に、電力の供給が停止されるまで、図7に示す自動変速判定処理を繰り返し実行する。制御部52は、ステップS20において、ケイデンスが上限閾値より大きいか判定する。
上限閾値は、斜度領域が「FLAT」または「DW1」の場合、第1上限閾値である。上限閾値は、斜度領域が「UP1」の場合、第2上限閾値である。上限閾値は、斜度領域が「UP2」または「UP3」の場合、第3上限閾値である。上限閾値は、斜度領域が「DW2」の場合、第4上限閾値である。上限閾値は、斜度領域が「DW3」の場合、第5上限閾値である。
制御部52は、ステップS20において、ケイデンスが上限閾値より大きいと判定した場合、ステップS21に移行する。制御部52は、ステップS21において、自動シフトアップ禁止期間であるか判定する。
たとえば、自動シフトアップ禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を大きくする変更である場合、ステップS12において設定される1秒である。自動シフトアップ禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を大きくする変更である場合、ステップS12において設定される自動シフトダウン禁止期間よりも短い時間であれば、1秒に限定されない。たとえば、自動シフトアップ禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を小さくする変更である場合、ステップS13において設定される5秒である。自動シフトアップ禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を小さくする変更である場合、ステップS13において設定される自動シフトダウン禁止期間よりも長い時間であれば、5秒に限定されない。
制御部52は、ステップS21において、自動シフトアップ禁止期間でないと判定した場合、ステップS22に移行する。制御部52は、ステップS22において、自動シフトアップし、今回の処理を終了する。制御部52は、ステップS21において、自動シフトアップ禁止期間であると判定した場合、今回の処理を終了する。
制御部52は、ステップS20において、ケイデンスが上限閾値以下であると判定した場合、ステップS23に移行する。制御部52は、ステップS23において、ケイデンスが下限閾値より小さいか判定する。
下限閾値は、斜度領域が「FLAT」または「DW1」の場合、第1下限閾値である。下限閾値は、斜度領域が「UP1」の場合、第2下限閾値である。下限閾値は、斜度領域が「UP2」または「UP3」の場合、第3下限閾値である。下限閾値は、斜度領域が「DW2」の場合、第4下限閾値である。下限閾値は、斜度領域が「DW3」の場合、第5下限閾値である。
制御部52は、ステップS23において、ケイデンスが下限閾値より小さいと判定した場合、ステップS24に移行する。制御部52は、ステップS24において、自動シフトダウン禁止期間であるか判定する。
たとえば、自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を小さくする変更である場合、ステップS13において設定される1秒である。自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を小さくする変更である場合、ステップS13において設定される自動シフトアップ禁止期間よりも短い時間であれば、1秒に限定されない。たとえば、自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を大きくする変更である場合、ステップS12において設定される5秒である。自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を大きくする変更である場合、ステップS12において設定される自動アップ禁止期間よりも長い時間であれば、5秒に限定されない。
制御部52は、ステップS24において、自動シフトダウン禁止期間でないと判定した場合、ステップS25に移行する。制御部52は、ステップS25において、自動シフトダウンし、今回の処理を終了する。制御部52は、ステップS24において、自動シフトダウン禁止期間であると判定した場合、今回の処理を終了する。
実施形態の制御装置30において、手動変速モードが省略されてもよい。実施形態の制御装置30において、第1インタフェース52Aから第6インタフェース52Fのうち、制御に不要なインタフェースは省略されてもよい。
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
10…人力駆動車、30…制御装置、32…変速装置、38…操作装置、52…制御部
第7側面の制御装置によれば、操作装置からの入力に応じた前回の変速比の変速方向と、変速条件の成立による今回の変速比の変速方向とが異なる場合には、変速方向が同一の場合に比べて、明らかに長い期間、変速比の変更を抑制できる。したがって、制御装置は、人力駆動車の快適な走行に貢献できる。
斜度領域が「DW3」である場合、ケイデンス範囲は、第5ケイデンス範囲に設定される。第5ケイデンス範囲は、第5下限閾値以上、かつ、第5上限閾値以下の範囲である。第5下限閾値は、第4下限ケイデンスよりも小さい。第5下限閾値は、基準ケイデンスから、第7所定値が減算されて設定される。第7所定値は、予め設定される値である。第7所定値は、第5所定値よりも大きい。第5上限閾値は、第4上限閾値と同じである。第5上限閾値は、第4上限閾値とは異なる値であってもよい。
制御部52は、操作装置38からの入力に応じて変速比が変更されてから経過した期間が第1所定期間以内である場合に、第1変速抑制条件が成立するとして、変速比の変更が抑制されるように変速装置32を制御する。制御部52は、操作装置38からの入力に応じて変速比が変更されてから経過した期間が第2所定期間以内である場合に、第2変速抑制条件が成立するとして、変速比の変更が抑制されるように変速装置32を制御する。
制御部52は、ステップS11において、シフトアップ用スイッチからの入力と判定した場合、ステップS12に移行する。制御部52は、ステップS12において、自動シフトアップを1秒禁止し、自動シフトダウンを5秒禁止して、今回の処理を終了する。自動シフトアップは、変速比が大きくなる変速条件が成立した場合に、変速比が大きくなるように変速装置32が制御される変速装置32の動作である。自動シフトダウンは、変速比が小さくなる変速条件が成立した場合に、変速比が小さくなるように変速装置32が制御される変速装置32の動作である。ステップS12において自動シフトアップが禁止される時間は、ステップS12において自動シフトダウンが禁止される時間よりも短い時間であれば、1秒に限定されない。ステップS12において自動シフトダウンが禁止される時間は、ステップS12において自動シフトアップが禁止される時間よりも長い時間であれば、5秒に限定されない。
たとえば、自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を小さくする変更である場合、ステップS13において設定される1秒である。自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を小さくする変更である場合、ステップS13において設定される自動シフトアップ禁止期間よりも短い時間であれば、1秒に限定されない。たとえば、自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を大きくする変更である場合、ステップS12において設定される5秒である。自動シフトダウン禁止期間は、前回の変速比の変更が操作装置38からの入力に応じて変速比を大きくする変更である場合、ステップS12において設定される自動シフトアップ禁止期間よりも長い時間であれば、5秒に限定されない。
Claims (17)
- 人力駆動車の制御装置であって、
前記人力駆動車の状態に応じた変速条件、および、操作装置からの入力に応じて前記人力駆動車の変速装置の変速比を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように前記変速装置が制御された後に、前記変速比が前記一方となるように前記変速装置が制御される前記変速条件が成立していても、前記変速装置の変速比の変更が第1変速抑制条件にて抑制されるように前記変速装置を制御し、
前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように前記変速装置が制御された後に、前記変速比が他方となるように前記変速装置が制御される前記変速条件が成立していても、前記変速装置の変速比の変更が前記第1変速抑制条件とは異なる第2変速抑制条件にて抑制されるように前記変速装置を制御する、制御装置。 - 前記第1変速抑制条件は、前記操作装置からの入力に応じて前記変速比が変更されてから経過した期間が第1所定期間以内であり、
前記第2変速抑制条件は、前記操作装置からの入力に応じて前記変速比が変更されてから経過した期間が第2所定期間以内であり、
前記第2所定期間は、前記第1所定期間とは異なる、請求項1に記載の制御装置。 - 前記第2所定期間は、前記第1所定期間よりも長い、請求項2に記載の制御装置。
- 前記制御部は、
前記第1所定期間が経過するまで、前記変速条件に基づいて前記変速比が前記一方へ変更されることが禁止されるように前記変速装置を制御する、請求項2に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記第2所定期間が経過するまで、前記変速条件に基づいて前記変速比が前記他方へ変更されることが禁止されるように前記変速装置を制御する、請求項2に記載の制御装置。
- 前記第1所定期間および前記第2所定期間は、時間である、請求項2に記載の制御装置。
- 前記第2所定期間は、前記第1所定期間の3倍よりも長い、請求項2に記載の制御装置。
- 前記第2所定期間は、前記第1所定期間の5倍である、請求項2に記載の制御装置。
- 前記第1所定期間は、0秒よりも大きく3秒よりも小さい時間である、請求項2に記載の制御装置。
- 前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きく、および、小さく、の一方となるように前記変速装置が制御された場合に、前記第1変速抑制条件と前記第2変速抑制条件とを設定する、請求項1に記載の制御装置。
- 前記変速条件は、所定のケイデンス範囲を有し、
前記制御部は、
ケイデンスが前記ケイデンス範囲内に収まる前記変速比になるように前記変速装置を制御する、請求項1に記載の制御装置。 - 前記ケイデンス範囲は、下限閾値を有し、
前記制御部は、ケイデンスが前記下限閾値よりも小さい場合に、前記変速条件が成立していると判断し、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項11に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が小さくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における下限閾値よりも小さく、かつ、前記第1変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項11に記載の制御装置。
- 前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における下限閾値よりも小さく、かつ、前記第2変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御する、請求項11に記載の制御装置。
- 前記ケイデンス範囲は上限閾値を有し、
前記制御部は、ケイデンスが前記上限閾値よりも大きい場合に、前記変速条件が成立していると判断し、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する、請求項11に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が大きくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における上限閾値よりも大きく、かつ、前記第1変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する、請求項11に記載の制御装置。
- 前記制御部は、前記操作装置からの入力に応じて、前記変速比が小さくなるように前記変速装置が制御された後に、ケイデンスが前記ケイデンス範囲における上限閾値よりも大きく、かつ、前記第2変速抑制条件が成立していない場合に、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御する、請求項11に記載の制御装置。
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