JP2009155743A - 抄造成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが比較的薄い抄造成形体を製造する場合であっても、粉体の繊維状物への定着率が高く、効率的に、粉体を含む抄造成形体を製造することができる、抄造成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物から、湿式抄造により抄造成形体12を製造する方法であって、前記粉体、前記繊維状物及び前記水を、攪拌して混合した後、得られた混合液を希釈し、その希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及び前記アニオン系高分子化合物を添加して前記スラリー組成物を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉体及び繊維状物を含むスラリー組成物から湿式抄造により抄造成形体を製造する方法に関する。
機能性を有する粉体を含むシート状の成形体を湿式抄造法により製造する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、消臭性能を有する粉体や、空気中の酸素と反応して発熱する被酸化性金属粉体を、繊維状物に担持させて機能性シートを製造する技術が記載されている(特許文献1、2参照)。
しかし、従来の技術は、厚みのあるシートを製造する場合には、使用した粉体を高い割合で繊維状物に定着させることができるが、厚みの薄いシートを製造する場合には、網を通って抜ける粉体が増加し、定着率が十分とは言えない場合もあった。
特開2006−307404号公報 特開2005−344274号公報
本発明の目的は、厚みが比較的薄い抄造成形体を製造する場合であっても、粉体の繊維状物への定着率が高く、効率的に、粉体を含む抄造成形体を製造することのできる、抄造成形体の製造方法を提供することにある。
本発明は、粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物から、湿式抄造により抄造成形体を製造する方法であって、前記粉体、前記繊維状物及び前記水を、攪拌して混合した後、得られた混合液を希釈し、その希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及び前記アニオン系高分子化合物を添加して前記スラリー組成物を得る、抄造成形体の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の抄造成形体の製造方法によれば、厚みが比較的薄い抄造成形体を製造する場合であっても、粉体の繊維状物への定着率が高く、効率的に、粉体を含む抄造成形体を製造することができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本実施形態は、消臭性能を有する粉体を含む抄造成形体を湿式抄造により製造する方法である。
本実施形態においては、消臭性能を有する粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物を調製し、調製したスラリー組成物から湿式抄造により抄造成形体を製造する。
消臭性能を有する粉体としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、酸化亜鉛、天然あるいは合成の各種アルミノ珪酸塩(セピオライト、セピオライト、ミズカナイト、ゼオライト)、カンクリナイト様鉱物等が挙げられる。
消臭性能を有する粉体としては、(a)抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物、(b)架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる消臭粒子、(c)ハイシリカゼオライトを用いることが好ましい。
前記(a)の粉体の詳細については、特開2006―307404号公報に記載されている。なお、抄造成形体が、シート状であり、坪量50g/m2以下である場合には、金属置換カンクリナイト様鉱物はその平均粒子径は、粉体の脱落防止、シート表面の風合いの観点で、200μm以下、特に100μm以下、とりわけ1〜50μm以下であることが好ましい。一方、粉体の歩留まり、生産速度、また、得られた紙を吸収性物品に使用する場合においては、排泄液の透過性の観点から、金属置換カンクリナイト様鉱物の平均粒子径は、0.1μm以上、特に0.4μm以上、とりわけ1μm以上であることが好ましい。平均粒子径は、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−920)を用い、相対屈折率1.16にて測定する。金属置換カンクリナイト様鉱物は非晶質であっても結晶質であってもよい。含硫黄系悪臭の消臭能向上の観点からは結晶質であることが好ましい。金属置換カンクリナイト様鉱物は、その製造条件に応じて針状結晶、板状結晶、柱状結晶等の集合体として得られる。また、それらの結晶が集合して球状、テトラボッド状、塊状の集合体等を形成していてもよく、それらの二次凝集体でもよい。針状の形態とは、太さが500nm以下で、長さが太さに対してアスペクト比で2.0以上のものをいう。板状の形態とは、厚さが300nm以下で、板径が厚さに対してアスペクト比で2.0以上のものをいう。柱状の形態とは、太さが50nm以上で、長さが太さに対してアスペクト比で1.0以上2.0未満のものをいう。
金属置換カンクリナイト様鉱物としては、以下の組成式(1)で表されるものを用いることが好ましい。
sM(1)xOy・tM(2)2O・Al23・uSiO2・vRmQn・wH2O ・・・ (1)
但し、式(1)中、M(1)は抗菌性を有する金属を表し、M(2)はNa、K及びHからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、RはNa、K、Ca及びMgからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、QはCO3、SO4、NO3、OH及びClからなる群より選ばれる1種以上の原子団を表し、sは0<s≦3、tは0≦t≦3(但し、s+t=0.5〜3である)、uは0.5≦u≦6、vは0<v≦2、wはw≧0、xは1≦x≦2、yは1≦y≦3、mは1≦m≦2、nは1≦n≦3を満たす。
式(1)中、M(1)は、含硫黄系悪臭に対する消臭能の高さから好ましくはAg、Zn又はCuであることが好ましく、特にAgであることが好ましい。M(1)は一種類でもよく或いは二種類以上の組み合わせでもよい。M(1)が二種類以上の組み合わせである場合、sM(1)xOyの項は、各元素に対応した項ごとに分けて記載される。たとえば、M(1)が、金属元素D及びD’からなる場合、sM(1)xOyは、s1Dx1Oy1・s2Dx2Oy2(ただし、x1+x2=x、y1+y2=y、s1+s2=sである)と表される。その他の項についても同様である。
M(2)は、高い消臭能の発現及び経済性の観点から、好ましくはNa及び/又はHである。Rは、M(2)と同様の観点から、好ましくはNa、Ca及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、更に好ましくはNaである。Qは、粒子の形態制御の容易性の観点から、好ましくはCO3及び/又はNO3である。
sは、高い消臭能の発現及び経済性の観点から、好ましくは0<s≦2、更に好ましくは0<s≦1である。tは、金属置換カンクリナイト様鉱物の水分散液(後述の1重量%水分散液)のpHを良好に保つ観点から、好ましくは0≦t≦2、更に好ましくは0≦t≦1である。s+tは、好ましくは0.5〜1.8、更に好ましくは0.6〜1.5である。uは、高い消臭能の発現の観点から、好ましくは0.5≦u≦5、更に好ましくは0.5≦u≦4である。vは、粒子形態制御の容易性の観点から、好ましくは0<v≦1.5、更に好ましくは0<v≦1である。wは金属置換カンクリナイト様鉱物に含まれる水の含有率(モル比)であり、金属置換カンクリナイト様鉱物の存在形態、たとえば、粉末状、スラリー状などの形態によって変化する。xとy、及びmとnは、それぞれ、M(1)とOとの組み合わせにより、及びRとQとの組み合わせに応じて任意に決まる。
金属置換カンクリナイト様鉱物はその比表面積が、1m2/g以上70m2/g未満であることが好ましく、1〜65m2/gであることが更に好ましく、30〜65m2/gであることが一層好ましい。比表面積がこの範囲内であれば、抗菌性を有する金属を適度に固定又は担持させることができ、含硫黄系悪臭に対して優れた消臭能が発揮されるようになる。金属置換カンクリナイト様鉱物の比表面積は、例えば、後述するように、原料アルミノシリケート粒子(原料として用いられるアルミノシリケート粒子)を適度に酸処理することで、所定の範囲に調整することができる。比表面積は、フローソーブ2300型(島津製作所製)を使用して測定する。試料は0.1gとし、吸着ガスにN2/He=30/70(容積比)の混合ガスを用いる。
前記(b)の消臭粒子について説明する。
架橋性ビニルモノマーは、ビニル基を二つ以上有するモノマーである。架橋性ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジビニルベンゼンが好ましい。モノマー成分中の架橋性ビニルモノマーの割合が大きいほど、BET比表面積の大きい消臭粒子が得られる。従って、全モノマー成分中における架橋性ビニルモノマーの割合は、5重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、50重量%以上が更に好ましい。該割合の上限は、98重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましい。
ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーは、ビニル基及びヘテロ芳香環を含む化合物であれば特に制限されない。ヘテロ芳香環とは、環状の有機化合物における環であって、構成要素として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などを含むものをいう。窒素原子を含むものとしては、ピリジン、ピロール、キノリン等の窒素原子を環に1個有するもの、イミダゾール、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール等の窒素原子を環に2個有するものが例示される。また、チオフェン、チアゾール等の硫黄原子を環に有するもの、フラン等の酸素を環に有するものが例示される。ヘテロ原子の有する孤立電子対が悪臭物質の吸着を高め、また、金属イオンの化学結合に関与するものと考えられる。これらの中でも、ピリジン、イミダゾール、ピリミジンが好ましい。ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとしては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリミジン等が挙げられ、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンが好ましい。
十分に悪臭成分を吸着させるため、また十分な量の金属塩を担持させるために、全モノマー成分中のヘテロ芳香環を有するビニルモノマーの割合は、十分に大きいことが好ましく、具体的には、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、4重量%以上が更に好ましい。また、消臭粒子のBET比表面積を大きくすることで吸収効果を高める場合には、全モノマー成分中のヘテロ芳香環を有するビニルモノマーの割合は、50重量%以下にすることが好ましく、30重量%以下にすることがより好ましい。
前記(b)の消臭粒子においては、モノマー成分として、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマー以外に、これらと共重合可能な他のモノマーを用いることができる。該他のモノマーとしては、例えば、芳香族系ビニルモノマー、不飽和酸エステル、不飽和酸等が挙げられる。芳香族系ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド等が例示され、不飽和酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が例示され、不飽和酸としては、(メタ)アクリル酸が例示される。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も用いることができる。これらの中では芳香族系ビニルモノマーが好適であり、特にスチレンが好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
前記(b)の消臭粒子のBET比表面積は、架橋性ビニルモノマーの割合や、重合に用いる有機溶剤の選定により任意に設定することができるが、大きいほど消臭効果が高い。高い物理消臭能を有する観点から、10m2/g以上であり、50m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましく、200m2/g以上がさらに好ましい。BET比表面積の上限は特に限定されないが、800m2/g以下が好ましい。なおBET比表面積は、下記実施例に示すBET1点法により求めた値である。
前記(b)の消臭粒子の粒径は特に規定されず、これが用いられる用途に応じて適当なものを選定することができる。消臭粒子の粒径は1〜1000μmであることが好ましく、特に10〜200μmであることが好ましい。前記(b)の消臭粒子は、水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により製造することが好ましい。
前記(c)の消臭粒子について説明する。
ハイシリカゼオライトに関しては、特開2007−44401に記載されている。
ハイシリカゼオライトは、SiO2/Al23のモル比が30〜900、好ましくは100〜700、更に好ましくは200〜600のものである。
消臭性能を有する粉体は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
繊維状物としては、湿式抄造可能なものが用いられ、例えば、特開2005−344274号公報の段落〔0019〕に列挙された各種のものを用いることができる。
各種の繊維の中でも、粉体の定着性、得られる抄造成形体の柔軟性、液の透過・吸収性、製造コスト等の点から、針葉樹晒しクラフトパルプ(以下、NBKPともいう)、広葉樹晒しクラフトパルプ(以下、LBKPともいう)、古紙パルプ等の木材パルプ、HBAやマーセル化パルプ、架橋パルプなどの嵩高性の化学処理パルプ、コットンが好ましい。各種の繊維は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、木材パルプを用いる場合、レーヨン、リヨセル、テンセル、ポリビニルアルコール等の親水性繊維や少量の熱可塑性繊維を混合しても良い。木材パルプは、使用する繊維状物中の80重量%以上を占めることが好ましく、90重量%以上を占めることがより好ましい。
繊維状物は、粉体の繊維状物への定着性を高め、得られた紙の風合いや、吸収性物品用途であれば排泄液の透過性の観点から、カナダ標準ろ水度(JIS P8121、以下、CSFともいう)が300ml以上であることが好ましく、より好ましくは350〜700ml、更に好ましくは400〜550mlである。CSFが上記範囲であると、製造時における粉体の繊維材料への定着性、および得られる抄造成形体の強度が良好であり、また、抄紙時における水抜け性や、乾燥効率が良好で有り、生産性に優れる。CSFは、木材パルプの叩解状態をコントロールすることにより調整できる。
湿潤紙力剤としては、湿潤紙力剤は、乾燥強度を増強させるための乾燥紙力増強剤と乾燥した紙が再びぬれたときの湿潤紙力を高めるための湿潤紙力増強剤、表面の毛羽立ちや繊維の脱落を抑える表面紙力増強剤が挙げられる。
湿潤紙力剤としては、例えばポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、でんぷん、尿素ホルムアミド樹脂、メラミンホルムアミド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、グリオキサール変性ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂等を用いることができる。
また、乾燥紙力増強剤としては、カチオン化でんぷん、カチオン系ポリアクリルアミド、アニオン系ポリアクリルアミド、ジアルデヒドでんぷん、植物ガム等を用いることができる。 湿潤紙力剤を配合することで、得られる抄造成形体に高い湿潤強度を付与することができる。湿潤強度を高めることは、抄造成形体を例えば使い捨ておむつ等の吸収性物品の構成材料として用いる場合に、尿等によって該抄造成形体が濡れても破断しづらくなるという観点から有利である。従って、本発明の抄造成形体を加工機に組み込んで製品を製造する場合にもトラブルが一層発生しづらくなる。湿潤紙力剤は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン系高分子化合物としては、例えば、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アクリルアミド−2−アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸共重合体等を用いることができる。アニオン系高分子化合物を配合することで、抄造する際における粉体の繊維状物に対する定着性を向上させることができる。
アニオン系高分子化合物の中でも、中アニオン性又は弱アニオン性の高分子化合物を用いることが、粉体の定着性向上の観点から好ましい。ここで、中アニオン性とは、コロイド当量値(meq/g)で−2.0〜−5.0であるものをいう。また、弱アニオン性とは、コロイド当量値(meq/g)で0より小さく、−2.0より大きいものをいう。コロイド当量値の測定方法は以下のとおりである。
〔コロイド当量値の測定方法〕
50ppm水溶液(純水で希釈)に希釈したアニオン系高分子化合物を100mlメスシリンダーに採取して200mlビーカーに移す。回転子を入れて攪拌しながら2N水酸化ナトリウム溶液(和光純薬工業(株)製)0.5mlをホールピペットで加えた後、N/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬工業(株)製)5mlをホールピペットで加える。トルイジンブルー指示薬(和光純薬工業(株)製)を2〜3滴入れ、N/400ポリビニルアルコール硫酸カリウム溶液(和光純薬工業(株)製)で滴定する。青色が赤紫色に変わり数秒経っても赤紫色が消えない点を終点とする。同様に純水にて空試験を行う(ブランク)。
コロイド当量値(meq/g)=〔アニオン性高分子化合物の測定値(ml)−空試験の滴定量(ml)〕/2
中アニオン性又は弱アニオン性の高分子化合物は、上述のものの中でも、分子量が1000万以上であるものが好ましく、1300万〜2100万であるものがより好ましく、1500万〜1900万であるものが更に好ましい。
また、弱アニオン性高分子化合物の場合、抄造成形物の地合いや均一性、粉体の定着性のバランスをとる観点から、弱アニオン性高分子化合物の0.2%水溶液の粘度が300〜450mPa・sであるものが好ましく、360〜420mPa・sであるものがより好ましい。粘度は、20℃の水溶液でB型粘度計を用いて測定する。水溶液の調整にはイオン交換水を使用する。
本実施形態においては、前記スラリー組成物を調整する際に、先ず、前記粉体、前記繊維状物及び前記水を、攪拌して混合する。この混合は、前記アニオン性高分子化合物を添加せずに行う。
混合は、水に、粉体及び繊維状物を添加して行う。粉体及び繊維状物の添加の順序は、粉体が先でも繊維状物が先でも両者同時でも良いが、粉体の定着性を考慮すると、繊維状物を先に添加することが好ましい。
前記湿潤紙力剤は、粉体の定着性を考慮すると、配合時に添加するよりも希釈の途中又は希釈後に添加するほうが好ましい。また、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物の添加の順序は、湿潤紙力剤が先でもアニオン系高分子化合物が先でも両者同時でも良いが、湿潤紙力剤、アニオン系高分子化合物の順で添加するほうが、紙の湿潤強度や粉体の定着性が向上する点で好ましい。
混合は、容器内で攪拌して行う。攪拌の方法は、モーター、エンジン等の動力により攪拌翼を回転させる方法が好ましいが、攪拌翼を用いない方法、例えば水流や泡によって攪拌させる方法、容器壁面あるいは容器内に超音波をかけて振動させる等を用いる方法や、人力により攪拌翼、棒等を回転させる方法であっても良い。
好ましい方法は、モーター、エンジン等の動力により攪拌翼を回転させる方法である。
前記粉体の混合割合は、前記繊維状物の重量に対して、0.1〜50%、特に0.5〜30%であることが好ましい。
次いで、混合により得られたスラリー状の混合物(以下、中間スラリーともいう)を、水を用いて希釈する。
この希釈は、中間スラリーを、混合に用いた容器から他の容器に移す過程又は移した後に水を加えることにより行うことができる。この希釈は、中間スラリーの濃度を一度に抄造に用いる濃度まで希釈しても良いが、多段階で希釈することもできる。
そして、この希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加する。
ここで、希釈の途中とは、前記湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物以外の原料の配合終了時点から抄紙時の最終濃度に達する時点までの間であり、希釈後とは、抄造に用いられる最終濃度に達した後の状態をいう。
アニオン系高分子化合物の添加は、中間スラリー中の繊維状物の濃度が、抄造に用いられる最終的な濃度に達した後に添加することが好ましい。
抄造成形体を湿式抄造すると、原料スラリーに含まれる固形分中の粉体が繊維状物に十分に定着せず水と共に吸引されてしまい、得られる抄造成形体の歩留まりが低下するという問題があった。粉体の繊維状物に対する定着性を向上させるべく、本発明者らが鋭意検討したところ、粉体及び繊維状物と共に、湿潤紙力剤及びアニオン系性高分子化合物を添加して混合するのに代えて、粉体、繊維状物及び水を混合した後に、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加することにより、湿式抄造における粉体の繊維状物に対する定着性が向上することを知見した。
混合後の希釈段階でアニオン系高分子化合物を添加することにより粉体の定着率が向上する理由は、スラリーに攪拌や希釈による機械的シェアがかかりにくいことにより、一度繊維に定着した粉体が脱落しにくいことに加えて、希釈状態のほうがパルプに対して高分子化合物が均一に吸着しやすいためと考えられる。
中間スラリー中の繊維状物の濃度は、50〜99.5重量%であることが好ましい。また、抄造に用いる希釈後のスラリー組成物中における繊維状物の濃度は、0.01〜10重量%、特に0.05〜5量%であることが好ましい。
湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物の添加の順序は、湿潤紙力剤が先でもアニオン系高分子化合物が先でも両者同時でも良いが、粉体粒子の定着率向上の点から、湿潤紙力剤を先に添加することが好ましい。
また、湿潤紙力剤及び/又は高分子化合物の添加は、希釈の途中に添加することが紙の地合(均一化)の観点から好ましい。
湿潤紙力剤の添加量は、中間スラリー又はその希釈液中の繊維状物の重量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%である。
アニオン系高分子化合物の添加量は、中間スラリー又はその希釈液中の繊維状物の重量に対して、0.001〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%である。
このようにして抄造に用いるスラリー組成物を調整する際には、必要に応じて、サイズ剤、着色剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を添加することもできる。これらは、希釈前、希釈中又は希釈後の任意の段階で添加することができる。
前述のようにして、中間スラリーを希釈すると共に希釈中又は希釈後に湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加して得られたスラリー組成物を原料として湿式抄造を行いシート状の抄造成形体を成形する。湿式抄造方法には、例えば連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いることができる。また手漉きによるバッチ方式を用いてもよい。前記のスラリー組成物と、該スラリー組成物と異なる組成の組成物とを用いた多層抄き合わせによって抄造成形体を成形することもできる。また、前記のスラリー組成物を抄造して得られた抄造成形体どうしを多層に貼り合わせたり、該抄造成形体に前記のスラリー組成物と異なる組成を有する組成物から得られたシート状の抄造成形体を貼り合わせることによって、多層の抄造成形体を成形することもできる。何れの方法を用いる場合においても、粉体の定着性が良好であり、粉体を担持した抄造成形体を高い歩留まりで製造することができる。
抄造後の抄造成形体は、抄造後の保形性の点や、機械的強度を維持する点から、含水率が70重量%以下、特に60重量%以下となるまで脱水させることが好ましい。脱水方法は例えば、吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。
抄造成形体は、これを積極的に乾燥させて水分を分離することにより、長期の保存安定性を高めることができる。抄造成形体を乾燥させることは、乾燥後の繊維状物への粉体の担持力を高めてその脱落を抑える点等からも好ましい。抄造成形体の乾燥方法は、抄造成形体の厚さ、乾燥前の抄造成形体の処理方法、乾燥前の含水率、乾燥後の含水率等に応じて適宜選択することができる。例えば、加熱構造体(発熱体)との接触、加熱空気や蒸気(過熱蒸気)の吹き付け、真空乾燥、電磁波加熱、通電加熱等が挙げられる。また、前述の脱水方法と組み合わせて両者を同時に実施することもできる。
本実施形態で得られたシート状の抄造成形体は、そのまま各種用途に用いることもできるが、これを破断片状に小さく切り刻んで使用することもできる。
シート状又はその破断片状の抄造成形体は、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、吸収性パッドなどの吸収性物品の構成材料、壁紙、シーツ、押入シート、箪笥シート、下駄箱シート、マット、靴インソール、マスク、フィルター類、ラッピング食品の中敷シートなどとして使用することができる。シート状の抄造成形体を、吸収性物品の構成材料として用いる場合には、該シートを、例えば表面シートと吸収体との間、該吸収体内、又は該吸収体と裏面シートとの間に配することができる。また、該シートで、綿状パルプや吸水性ポリマー等の吸収性素材を被覆して吸収体となし、該吸収体を吸収性物品に用いることもできる。表面シートは、吸収性物品の使用時に使用者の肌に対向する側に配されるものであり、一般に液透過性である。吸収体は、表面シートと裏面シートとの間に配されるものであり、一般に液保持性である。裏面シートは、吸収体を挟んで、表面シートと反対の側、つまり使用者の肌から遠い側に配されるものであり、一般に撥水性ないし液不透過性である
本発明によれば、低坪量のシート状の抄造成形体を製造する場合においても、高い定着率が得られる。本発明は、坪量が50g/m2以下のシート状の抄造成形体の製造に適しており、更に坪量が10〜45g/m2、とりわけ坪量が10〜40g/m2のシート状の抄造成形体の製造に適している。
本発明は上記実施形態に制限されず、種々変更可能である。
本発明の抄造成形体の製造方法は、消臭性能を有する粉体を担持した抄造成形体以外に、例えば、以下に示す各種機能性を有する粉体を含む抄造成形体の製造方法にも適用することができる。
例えば、被酸化性金属からなる粉体を用いて、発熱成形体を製造する場合や、二酸化チタン、酸化亜鉛又はこれらの組み合わせ等の光触媒及びゼオライト、アルミナ、活性白土又はこれらの組み合わせ等の無機吸着剤等の粉体を用いて、光触媒機能を有する抄造成形体を製造する場合、ゼオライト等の粉体を用いて、石油やアルコールの分離・分解用の抄造成形体を製造する場合、マグネタイト等の磁性粉体からなる粉体と用いた抄造成形体、酸化鉄からなる粉体を用いて、還元作用によって水素を発生する抄造成形体を製造する場合、イオン交換樹脂からなる粉体を含いて各種酵素の担体となる抄造成形体を製造する場合、アパタイト等の粉体を用いて、生体複合材料用の抄造成形体を製造する場合、炭酸カルシウム等の研磨剤からなる粉体を用いて、研磨機能を有する抄造成形体を製造する場合等にも適用することができる。
また、本発明における抄造成形体は、実施形態のように、シート状に抄造成形することが好ましいが、シート状以外の筒状やボトル状等の中空形状やカートン、トレイ形状等の容器形状の形態に抄造成形することもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。以下の例中、特に断らない限り「%」は、「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
水酸化ナトリウム94gをイオン交換水1000mlに溶解し、さらに硝酸(61%)130gと、アルミン酸ナトリウム溶液(Na2O=19・8%、Al23=25.9%、H2O=54.3%)124gを混合した溶液に、水ガラス(Na2O=9.8%、SiO2=29.6%、H2O=60.6%)127gを1分間かけて投入し、100℃で8時間反応させた。反応後、生成したアルミノシリケート粒子を濾過洗浄し、105℃で12時間乾燥して原料アルミノシリケート粒子の粉末を得た。得られた原料アルミノシリケート粒子は針状結晶が集合した多孔質な球形形態を有していた。粉末X線回折装置〔(株)リガク製、RINT2500〕を用いてX線回折を行った結果、その回折パターンはJCPDS No.38−513に相当していた。得られた原料アルミノシリケート粒子はウニ形の粒子形態をしており、組成はNa2O・Al23・2SiO2・0.4NaNO3・0.7H2Oであった。比表面積は40m2/gであった。
得られた原料アルミノシリケート粒子100gを、イオン交換水900mlに懸濁させ100℃に保持した。撹拌下、61%硝酸を、1ml/分の速度で所定量滴下して酸処理を行った。次いで、硝酸銀3.94gをイオン交換水30gに溶解した硝酸銀水溶液を投入し、100℃で1時間保持してイオン交換を行った。その後、濾過、水洗し、105℃で12時間乾燥し、白色のAg置換カンクリナイト様鉱物を得た。得られたAg置換カンクリナイト様鉱物はウニ型の粒子形態をしており、組成は0.05Ag2O・0.9Na2O・Al23・2SiO2・0.4NaNO3・0.7H2Oであった。比表面積は44.7m2/gで、平均粒子径は8.3μmであった。また1%水分散液のpHは10.04であった。表面のAgの濃度は、Ag/Si=0.075、Ag/Al=0.070であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、得られた消臭粒子(Ag置換カンクリナイト様鉱物)及び合成ゼオライト4Bタイプ(シルトンB 水澤化学工業社製)を添加し、これらを食品用ミキサー(ナショナルMX−V350)を用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。
中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子(Ag置換カンクリナイト様鉱物)の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライト4Bタイプの濃度はパルプに対して5%であった。
次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%スラリー原料を得た。弱アニオン性高分子化合物の0.2%水溶液の粘度は、390mPa・sであった。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子の量は0.37g/m2であった。
〔実施例2〕
消臭粒子(Ag担持ポリマー)を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。
ヘプタン296gにモノマー(ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=75/25)592.7g及び2,2’―アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65B、和光純薬工業(株)製)11.0gを溶解させ、これにポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−30、日本合成化学工業(株)製)15.6gを溶かした1600gの水溶液を加えて重合槽に仕込んだ。モノマー混合物と有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.37、7.40であり、その差は1.97であった。ホモジナイザーを用いて、5000rpmで10分間撹拌することで乳化し、これを128rpmの撹拌条件下、60℃で6時間加熱することで重合した。これに1−ブタノールを750g加えた後、減圧乾燥を行い、水と有機溶剤を除いた。このようにして得られた粒子100gに対し、水263g、イソプロパノール23g、酢酸銀0.5g、クエン酸1.0gを加え、室温で1時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過し、乾燥することによって消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は23.5μmであった。得られた消臭粒子のBET比表面積は、234m2/gであった。
体積平均径及びBET比表面積は次の方法で測定した。
体積平均径:消臭粒子をコーヒーミルで解砕し、ヘキサンに分散させた状態でコールターカウンター(Coulter Corporation製) により測定した。
BET比表面積:フローソーブ2300(島津製作所製)を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の重量で除して比表面積を求めた。
銀イオン含有率:硝酸銀又は酢酸銀を担持した消臭粒子中の銀イオン含有率は、モノクロ励起EDX蛍光X線を用いて測定した。
水に針葉樹クラフトパルプ、得られた消臭粒子(Ag担持ポリマー)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して7%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(PAM−P 住友精化社製 中アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.1%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は2g/m2であった。
〔実施例3〕
高分子化合物として、実施例1で用いたものと同じ高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を用いた以外は、実施例2と同様にして、粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は1.7g/m2であった。
〔実施例4〕
消臭粒子として、酸化亜鉛(ZnO−350 住友大阪セメント社製)及び合成ゼオライト4Bタイプ(シルトンB 水澤化学工業社製)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして粒子付着シートを得た。その坪量は28g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.5g/m2であった。
〔実施例5〕
水に針葉樹クラフトパルプ、消臭粒子として銀ゼオライト(ゼオミックスAJ10N シナネンゼオミック社製)及び実施例1で用いた合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、銀ゼオライトの濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(PAM−P 住友精化社製 中アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は35g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.65g/m2であった。
〔実施例6〕
水に針葉樹クラフトパルプ、実施例1で使用した消臭粒子と合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)と高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を同時に添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.34g/m2であった。
〔実施例7〕
水に針葉樹クラフトパルプ、実施例1で使用した消臭粒子と合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加した後、湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、高分子化合物については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、湿潤紙力剤については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%、湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.32g/m2であった。
〔実施例8〕
水に針葉樹クラフトパルプ、実施例1で使用した消臭粒子と合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈後に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で湿潤紙力剤を添加し、続けて高分子化合物を添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.35g/m2であった。
〔比較例1〕
水に針葉樹クラフトパルプ、消臭粒子(Ag置換カンクリナイト様鉱物)、合成ゼオライト4Bタイプ(シルトンB 水澤化学工業社製)、湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)及び高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリーを得た。ブレンドパルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。
スラリー中におけるパルプの濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、ゼオライトの濃度はパルプに対して5%、湿潤紙力剤の濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物の濃度はパルプに対して0.025%であった。その後、全体を抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.16g/m2であった。
〔比較例2〕
水に針葉樹クラフトパルプ、消臭粒子(Ag担持ポリマー)、湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)及び高分子化合物(PAM−P 住友精化社製 中アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリーを得た。ブレンドパルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。
スラリー中におけるパルプの濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して7%、湿潤紙力剤の濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物の濃度はパルプに対して0.1%であった。その後、全体を抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.95g/m2であった。
〔比較例3〕
ブレンドパルプの叩解をCSFが200mlに調整されたものを用いた以外は比較例2と同様にして粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は1.2g/m2であった。
〔液の透過性評価〕
内径35mmの2つのシリンダーの間に、内径35mmの孔のあいた厚さ2mmのシリコーンゴムパッキンを介して、各実施例および各比較例で得た粒子付着シートを挟み込み、該粒子付着シート上に生理食塩水50mlを一気に投入し、すべての生理食塩水が通過するまでの時間を測定した。
〔吸収体及び吸収性物品の製造〕
実施例及び比較例で得られた各粒子付着シート(消臭抗菌紙)を用いて吸収性パッドを作成した。
図3に示すように、粒子付着シート(消臭抗菌紙)12の一方の面に、坪量20g/m2のエアスルー不織布の表面シート11を、また、他方の面に、坪量350g/m2のパルプと坪量120g/m2の高吸収性ポリマーの粒子からなる吸収体13を配置し、坪量15g/m2の吸収紙14で消臭抗菌紙12の両側部および吸収体13を被覆した。被覆された吸収体13の裏面に坪量15g/m2の液不透過性の裏面シート15を重ね合わせた。
これによって長さ400mm幅150mmの吸収性パットを得た。なお、前記のエアスルー不織布、パルプ、高吸収性ポリマー、吸収紙、液不透過性の裏面シートとしては、花王(株)製のリリーフ(登録商標)尿取りパット(商品名)で用いられている材料と同様のものを用いた。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた各粒子付着シート(消臭抗菌紙)に含まれる消臭粒子の定着率を以下の方法で測定した。また、得られた吸収性パッドについて、硫化水素の消臭率及び抗菌能の下記方法で測定、評価した。これらの結果を表1に示す。
〔消臭粒子の定着率〕
スラリー中での消臭粒子の量と、消臭抗菌紙に含まれる金属(Ag、Zn)の量から、消臭粒子の定着率を求めた。尚、消臭抗菌紙に含まれる金属の量は、消臭抗菌紙を湿式分解した後、ICP発光分析装置で金属の量を測定し、その測定量から求めた。
Figure 2009155743
表1に示す結果から明らかなように、消臭粒子(粉体)及び繊維状物と共に、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加して混合した場合(比較例1〜3)に比較し、粉体、繊維状物及び水を混合した後に、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加した場合(実施例1〜8)は、粉体の繊維状物に対する定着性が向上している。
実施例1〜8の結果から判るように、実施例で得られた粒子付着シート(消臭抗菌紙)は、坪量が最大でも35g/m2であり坪量が低いにも拘わらずに、定着率は80%以上である。
また、実施例1〜8は液の透過性が良好であるが、比較例3の粒子付着シートは30分以上たっても液の透過が起こらなかった。
本発明で製造したシート状の抄造成形体を組み込んで製造した吸収性パッドを示す断面図である。
符号の説明
11 表面シート
12 抄造成形体
13 吸収体
14 吸収紙
15 裏面シート

Claims (5)

  1. 粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物から、湿式抄造により抄造成形体を製造する方法であって、
    前記粉体、前記繊維状物及び前記水を、攪拌して混合した後、得られた混合液を希釈し、その希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及び前記アニオン系高分子化合物を添加して前記スラリー組成物を得る、抄造成形体の製造方法。
  2. 前記アニオン系高分子化合物が、中アニオン性又は弱アニオン性である、請求項1記載の抄造成形体の製造方法。
  3. 前記繊維状物のカナダ標準ろ水度(JIS P8121)が300ml以上である請求項1又は2に記載の抄造成形体の製造方法。
  4. 前記抄造成形体が、シート状であり、坪量50g/m2以下である請求項1〜3の何れかに記載の抄造成形体の製造方法。
  5. 前記粉体が、消臭性能を有する請求項1〜4の何れかに記載の抄造成形体の製造方法。
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