JP2009155743A - 抄造成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物から、湿式抄造により抄造成形体12を製造する方法であって、前記粉体、前記繊維状物及び前記水を、攪拌して混合した後、得られた混合液を希釈し、その希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及び前記アニオン系高分子化合物を添加して前記スラリー組成物を得る。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、消臭性能を有する粉体や、空気中の酸素と反応して発熱する被酸化性金属粉体を、繊維状物に担持させて機能性シートを製造する技術が記載されている(特許文献1、2参照)。
しかし、従来の技術は、厚みのあるシートを製造する場合には、使用した粉体を高い割合で繊維状物に定着させることができるが、厚みの薄いシートを製造する場合には、網を通って抜ける粉体が増加し、定着率が十分とは言えない場合もあった。
本実施形態は、消臭性能を有する粉体を含む抄造成形体を湿式抄造により製造する方法である。
本実施形態においては、消臭性能を有する粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物を調製し、調製したスラリー組成物から湿式抄造により抄造成形体を製造する。
sM(1)xOy・tM(2)2O・Al2O3・uSiO2・vRmQn・wH2O ・・・ (1)
但し、式(1)中、M(1)は抗菌性を有する金属を表し、M(2)はNa、K及びHからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、RはNa、K、Ca及びMgからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、QはCO3、SO4、NO3、OH及びClからなる群より選ばれる1種以上の原子団を表し、sは0<s≦3、tは0≦t≦3(但し、s+t=0.5〜3である)、uは0.5≦u≦6、vは0<v≦2、wはw≧0、xは1≦x≦2、yは1≦y≦3、mは1≦m≦2、nは1≦n≦3を満たす。
架橋性ビニルモノマーは、ビニル基を二つ以上有するモノマーである。架橋性ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジビニルベンゼンが好ましい。モノマー成分中の架橋性ビニルモノマーの割合が大きいほど、BET比表面積の大きい消臭粒子が得られる。従って、全モノマー成分中における架橋性ビニルモノマーの割合は、5重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、50重量%以上が更に好ましい。該割合の上限は、98重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましい。
ハイシリカゼオライトに関しては、特開2007−44401に記載されている。
ハイシリカゼオライトは、SiO2/Al2O3のモル比が30〜900、好ましくは100〜700、更に好ましくは200〜600のものである。
各種の繊維の中でも、粉体の定着性、得られる抄造成形体の柔軟性、液の透過・吸収性、製造コスト等の点から、針葉樹晒しクラフトパルプ(以下、NBKPともいう)、広葉樹晒しクラフトパルプ(以下、LBKPともいう)、古紙パルプ等の木材パルプ、HBAやマーセル化パルプ、架橋パルプなどの嵩高性の化学処理パルプ、コットンが好ましい。各種の繊維は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、木材パルプを用いる場合、レーヨン、リヨセル、テンセル、ポリビニルアルコール等の親水性繊維や少量の熱可塑性繊維を混合しても良い。木材パルプは、使用する繊維状物中の80重量%以上を占めることが好ましく、90重量%以上を占めることがより好ましい。
湿潤紙力剤としては、例えばポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、でんぷん、尿素ホルムアミド樹脂、メラミンホルムアミド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、グリオキサール変性ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂等を用いることができる。
また、乾燥紙力増強剤としては、カチオン化でんぷん、カチオン系ポリアクリルアミド、アニオン系ポリアクリルアミド、ジアルデヒドでんぷん、植物ガム等を用いることができる。 湿潤紙力剤を配合することで、得られる抄造成形体に高い湿潤強度を付与することができる。湿潤強度を高めることは、抄造成形体を例えば使い捨ておむつ等の吸収性物品の構成材料として用いる場合に、尿等によって該抄造成形体が濡れても破断しづらくなるという観点から有利である。従って、本発明の抄造成形体を加工機に組み込んで製品を製造する場合にもトラブルが一層発生しづらくなる。湿潤紙力剤は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
50ppm水溶液(純水で希釈)に希釈したアニオン系高分子化合物を100mlメスシリンダーに採取して200mlビーカーに移す。回転子を入れて攪拌しながら2N水酸化ナトリウム溶液(和光純薬工業(株)製)0.5mlをホールピペットで加えた後、N/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬工業(株)製)5mlをホールピペットで加える。トルイジンブルー指示薬(和光純薬工業(株)製)を2〜3滴入れ、N/400ポリビニルアルコール硫酸カリウム溶液(和光純薬工業(株)製)で滴定する。青色が赤紫色に変わり数秒経っても赤紫色が消えない点を終点とする。同様に純水にて空試験を行う(ブランク)。
コロイド当量値(meq/g)=〔アニオン性高分子化合物の測定値(ml)−空試験の滴定量(ml)〕/2
混合は、水に、粉体及び繊維状物を添加して行う。粉体及び繊維状物の添加の順序は、粉体が先でも繊維状物が先でも両者同時でも良いが、粉体の定着性を考慮すると、繊維状物を先に添加することが好ましい。
前記湿潤紙力剤は、粉体の定着性を考慮すると、配合時に添加するよりも希釈の途中又は希釈後に添加するほうが好ましい。また、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物の添加の順序は、湿潤紙力剤が先でもアニオン系高分子化合物が先でも両者同時でも良いが、湿潤紙力剤、アニオン系高分子化合物の順で添加するほうが、紙の湿潤強度や粉体の定着性が向上する点で好ましい。
混合は、容器内で攪拌して行う。攪拌の方法は、モーター、エンジン等の動力により攪拌翼を回転させる方法が好ましいが、攪拌翼を用いない方法、例えば水流や泡によって攪拌させる方法、容器壁面あるいは容器内に超音波をかけて振動させる等を用いる方法や、人力により攪拌翼、棒等を回転させる方法であっても良い。
好ましい方法は、モーター、エンジン等の動力により攪拌翼を回転させる方法である。
前記粉体の混合割合は、前記繊維状物の重量に対して、0.1〜50%、特に0.5〜30%であることが好ましい。
この希釈は、中間スラリーを、混合に用いた容器から他の容器に移す過程又は移した後に水を加えることにより行うことができる。この希釈は、中間スラリーの濃度を一度に抄造に用いる濃度まで希釈しても良いが、多段階で希釈することもできる。
そして、この希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加する。
ここで、希釈の途中とは、前記湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物以外の原料の配合終了時点から抄紙時の最終濃度に達する時点までの間であり、希釈後とは、抄造に用いられる最終濃度に達した後の状態をいう。
アニオン系高分子化合物の添加は、中間スラリー中の繊維状物の濃度が、抄造に用いられる最終的な濃度に達した後に添加することが好ましい。
混合後の希釈段階でアニオン系高分子化合物を添加することにより粉体の定着率が向上する理由は、スラリーに攪拌や希釈による機械的シェアがかかりにくいことにより、一度繊維に定着した粉体が脱落しにくいことに加えて、希釈状態のほうがパルプに対して高分子化合物が均一に吸着しやすいためと考えられる。
湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物の添加の順序は、湿潤紙力剤が先でもアニオン系高分子化合物が先でも両者同時でも良いが、粉体粒子の定着率向上の点から、湿潤紙力剤を先に添加することが好ましい。
また、湿潤紙力剤及び/又は高分子化合物の添加は、希釈の途中に添加することが紙の地合(均一化)の観点から好ましい。
アニオン系高分子化合物の添加量は、中間スラリー又はその希釈液中の繊維状物の重量に対して、0.001〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%である。
このようにして抄造に用いるスラリー組成物を調整する際には、必要に応じて、サイズ剤、着色剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を添加することもできる。これらは、希釈前、希釈中又は希釈後の任意の段階で添加することができる。
シート状又はその破断片状の抄造成形体は、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、吸収性パッドなどの吸収性物品の構成材料、壁紙、シーツ、押入シート、箪笥シート、下駄箱シート、マット、靴インソール、マスク、フィルター類、ラッピング食品の中敷シートなどとして使用することができる。シート状の抄造成形体を、吸収性物品の構成材料として用いる場合には、該シートを、例えば表面シートと吸収体との間、該吸収体内、又は該吸収体と裏面シートとの間に配することができる。また、該シートで、綿状パルプや吸水性ポリマー等の吸収性素材を被覆して吸収体となし、該吸収体を吸収性物品に用いることもできる。表面シートは、吸収性物品の使用時に使用者の肌に対向する側に配されるものであり、一般に液透過性である。吸収体は、表面シートと裏面シートとの間に配されるものであり、一般に液保持性である。裏面シートは、吸収体を挟んで、表面シートと反対の側、つまり使用者の肌から遠い側に配されるものであり、一般に撥水性ないし液不透過性である
本発明の抄造成形体の製造方法は、消臭性能を有する粉体を担持した抄造成形体以外に、例えば、以下に示す各種機能性を有する粉体を含む抄造成形体の製造方法にも適用することができる。
例えば、被酸化性金属からなる粉体を用いて、発熱成形体を製造する場合や、二酸化チタン、酸化亜鉛又はこれらの組み合わせ等の光触媒及びゼオライト、アルミナ、活性白土又はこれらの組み合わせ等の無機吸着剤等の粉体を用いて、光触媒機能を有する抄造成形体を製造する場合、ゼオライト等の粉体を用いて、石油やアルコールの分離・分解用の抄造成形体を製造する場合、マグネタイト等の磁性粉体からなる粉体と用いた抄造成形体、酸化鉄からなる粉体を用いて、還元作用によって水素を発生する抄造成形体を製造する場合、イオン交換樹脂からなる粉体を含いて各種酵素の担体となる抄造成形体を製造する場合、アパタイト等の粉体を用いて、生体複合材料用の抄造成形体を製造する場合、炭酸カルシウム等の研磨剤からなる粉体を用いて、研磨機能を有する抄造成形体を製造する場合等にも適用することができる。
水酸化ナトリウム94gをイオン交換水1000mlに溶解し、さらに硝酸(61%)130gと、アルミン酸ナトリウム溶液(Na2O=19・8%、Al2O3=25.9%、H2O=54.3%)124gを混合した溶液に、水ガラス(Na2O=9.8%、SiO2=29.6%、H2O=60.6%)127gを1分間かけて投入し、100℃で8時間反応させた。反応後、生成したアルミノシリケート粒子を濾過洗浄し、105℃で12時間乾燥して原料アルミノシリケート粒子の粉末を得た。得られた原料アルミノシリケート粒子は針状結晶が集合した多孔質な球形形態を有していた。粉末X線回折装置〔(株)リガク製、RINT2500〕を用いてX線回折を行った結果、その回折パターンはJCPDS No.38−513に相当していた。得られた原料アルミノシリケート粒子はウニ形の粒子形態をしており、組成はNa2O・Al2O3・2SiO2・0.4NaNO3・0.7H2Oであった。比表面積は40m2/gであった。
中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子(Ag置換カンクリナイト様鉱物)の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライト4Bタイプの濃度はパルプに対して5%であった。
次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%スラリー原料を得た。弱アニオン性高分子化合物の0.2%水溶液の粘度は、390mPa・sであった。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子の量は0.37g/m2であった。
消臭粒子(Ag担持ポリマー)を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。
ヘプタン296gにモノマー(ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=75/25)592.7g及び2,2’―アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65B、和光純薬工業(株)製)11.0gを溶解させ、これにポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−30、日本合成化学工業(株)製)15.6gを溶かした1600gの水溶液を加えて重合槽に仕込んだ。モノマー混合物と有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.37、7.40であり、その差は1.97であった。ホモジナイザーを用いて、5000rpmで10分間撹拌することで乳化し、これを128rpmの撹拌条件下、60℃で6時間加熱することで重合した。これに1−ブタノールを750g加えた後、減圧乾燥を行い、水と有機溶剤を除いた。このようにして得られた粒子100gに対し、水263g、イソプロパノール23g、酢酸銀0.5g、クエン酸1.0gを加え、室温で1時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過し、乾燥することによって消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は23.5μmであった。得られた消臭粒子のBET比表面積は、234m2/gであった。
体積平均径及びBET比表面積は次の方法で測定した。
体積平均径:消臭粒子をコーヒーミルで解砕し、ヘキサンに分散させた状態でコールターカウンター(Coulter Corporation製) により測定した。
BET比表面積:フローソーブ2300(島津製作所製)を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の重量で除して比表面積を求めた。
高分子化合物として、実施例1で用いたものと同じ高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を用いた以外は、実施例2と同様にして、粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は1.7g/m2であった。
消臭粒子として、酸化亜鉛(ZnO−350 住友大阪セメント社製)及び合成ゼオライト4Bタイプ(シルトンB 水澤化学工業社製)の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして粒子付着シートを得た。その坪量は28g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.5g/m2であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、消臭粒子として銀ゼオライト(ゼオミックスAJ10N シナネンゼオミック社製)及び実施例1で用いた合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、銀ゼオライトの濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(PAM−P 住友精化社製 中アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は35g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.65g/m2であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、実施例1で使用した消臭粒子と合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)と高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を同時に添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.34g/m2であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、実施例1で使用した消臭粒子と合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈の途中に高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加した後、湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、高分子化合物については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、湿潤紙力剤については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%、湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.32g/m2であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、実施例1で使用した消臭粒子と合成ゼオライトを添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。パルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。中間スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、合成ゼオライトの濃度はパルプに対して5%であった。更に、得られたスラリーの希釈を行い、希釈後に湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。中間スラリーの希釈は、食品用ミキサーによる攪拌を停止した後に行った。湿潤紙力剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で湿潤紙力剤を添加し、続けて高分子化合物を添加した。湿潤紙力剤濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.025%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.35g/m2であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、消臭粒子(Ag置換カンクリナイト様鉱物)、合成ゼオライト4Bタイプ(シルトンB 水澤化学工業社製)、湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)及び高分子化合物(アコフロック A95 MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリーを得た。ブレンドパルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。
スラリー中におけるパルプの濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して2%、ゼオライトの濃度はパルプに対して5%、湿潤紙力剤の濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物の濃度はパルプに対して0.025%であった。その後、全体を抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は20g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.16g/m2であった。
水に針葉樹クラフトパルプ、消臭粒子(Ag担持ポリマー)、湿潤紙力剤(WS4024 星光PMC社製)及び高分子化合物(PAM−P 住友精化社製 中アニオン性ポリアクリルアミド MW1700万)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリーを得た。ブレンドパルプは叩解によってそのCSFが500mlに調整されたものを用いた。
スラリー中におけるパルプの濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して7%、湿潤紙力剤の濃度はパルプに対して0.5%、高分子化合物の濃度はパルプに対して0.1%であった。その後、全体を抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は0.95g/m2であった。
ブレンドパルプの叩解をCSFが200mlに調整されたものを用いた以外は比較例2と同様にして粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。粒子付着シートの消臭粒子量は1.2g/m2であった。
内径35mmの2つのシリンダーの間に、内径35mmの孔のあいた厚さ2mmのシリコーンゴムパッキンを介して、各実施例および各比較例で得た粒子付着シートを挟み込み、該粒子付着シート上に生理食塩水50mlを一気に投入し、すべての生理食塩水が通過するまでの時間を測定した。
実施例及び比較例で得られた各粒子付着シート(消臭抗菌紙)を用いて吸収性パッドを作成した。
図3に示すように、粒子付着シート(消臭抗菌紙)12の一方の面に、坪量20g/m2のエアスルー不織布の表面シート11を、また、他方の面に、坪量350g/m2のパルプと坪量120g/m2の高吸収性ポリマーの粒子からなる吸収体13を配置し、坪量15g/m2の吸収紙14で消臭抗菌紙12の両側部および吸収体13を被覆した。被覆された吸収体13の裏面に坪量15g/m2の液不透過性の裏面シート15を重ね合わせた。
これによって長さ400mm幅150mmの吸収性パットを得た。なお、前記のエアスルー不織布、パルプ、高吸収性ポリマー、吸収紙、液不透過性の裏面シートとしては、花王(株)製のリリーフ(登録商標)尿取りパット(商品名)で用いられている材料と同様のものを用いた。
実施例及び比較例で得られた各粒子付着シート(消臭抗菌紙)に含まれる消臭粒子の定着率を以下の方法で測定した。また、得られた吸収性パッドについて、硫化水素の消臭率及び抗菌能の下記方法で測定、評価した。これらの結果を表1に示す。
スラリー中での消臭粒子の量と、消臭抗菌紙に含まれる金属(Ag、Zn)の量から、消臭粒子の定着率を求めた。尚、消臭抗菌紙に含まれる金属の量は、消臭抗菌紙を湿式分解した後、ICP発光分析装置で金属の量を測定し、その測定量から求めた。
実施例1〜8の結果から判るように、実施例で得られた粒子付着シート(消臭抗菌紙)は、坪量が最大でも35g/m2であり坪量が低いにも拘わらずに、定着率は80%以上である。
また、実施例1〜8は液の透過性が良好であるが、比較例3の粒子付着シートは30分以上たっても液の透過が起こらなかった。
12 抄造成形体
13 吸収体
14 吸収紙
15 裏面シート
Claims (5)
- 粉体、繊維状物、水、湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を含むスラリー組成物から、湿式抄造により抄造成形体を製造する方法であって、
前記粉体、前記繊維状物及び前記水を、攪拌して混合した後、得られた混合液を希釈し、その希釈の途中又は希釈後に、前記湿潤紙力剤及び前記アニオン系高分子化合物を添加して前記スラリー組成物を得る、抄造成形体の製造方法。 - 前記アニオン系高分子化合物が、中アニオン性又は弱アニオン性である、請求項1記載の抄造成形体の製造方法。
- 前記繊維状物のカナダ標準ろ水度(JIS P8121)が300ml以上である請求項1又は2に記載の抄造成形体の製造方法。
- 前記抄造成形体が、シート状であり、坪量50g/m2以下である請求項1〜3の何れかに記載の抄造成形体の製造方法。
- 前記粉体が、消臭性能を有する請求項1〜4の何れかに記載の抄造成形体の製造方法。
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