JP2008062029A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品は、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる、BET比表面積が10m2/g以上で且つ金属イオンを含有している消臭粒子を備えている。前記消臭粒子は水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により得られたものであることが好ましい。また、本発明の吸収性物品は、表面シート11、裏面シート12及び両シート11,12間に配置された吸収体10を備えており、前記消臭粒子は、粒子の状態で、吸収体10の構成繊維に担持されていることが好ましい。
【選択図】図3
Description
特許文献1記載の吸収性物品は、特定の開口面積を有する細孔を特定の割合で有する消臭剤を用いることにより、前述の消臭効果を奏するものである。
吸収性物品は、更にその具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば、吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、吸収性物品の左右両側部に一対の立体ガードを配置することができる。
消臭粒子の粒径は、特に規定されず、これが用いられる吸収性物品に応じて適当なものを選定することができる。消臭粒子は、粒径が0.1〜5mm程度の粒状でもよく、粒径が0.1〜100μm程度の粉末でもよい。粒径が0.1〜10μmの粉末の消臭粒子を用いると他の材料との配合が容易である。湿式抄造法に使用する場合には、粒径は、1〜1000μmであることが好ましく、特に10〜200μmであることが好ましい。
δ=(ΔE/V)1/2 (cal/cm3)1/2
(式中、ΔEは蒸発エネルギー、Vはモル体積を表す。)
δmix=Σδiφi (cal/cm3)1/2
(式中、δiは混合物を構成する各成分の溶解度パラメータ、φはその成分の体積分率を示す。)
金属イオンの担持量は、ポリマー粒子に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。金属イオンの担持量の上限は、特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
吸収性物品に配合する消臭粒子の量は、特に制限されないが、例えば尿を100ml吸収する吸収性物品の場合、物品1枚あたり40mg以上が好ましい。
また、消臭粒子が付着した繊維材料の高濃度スラリーを、押出機からストランド状に押し出し、所定の大きさに切断して粒状となし、それを、吸収体の構成繊維に担持させて用いることができる。
従って、本形態においては、粒子付着シート1は、吸収性物品における表面シートと吸収体10との間、及び裏面シートと吸収体10との間に配設されることになる。
消臭粒子を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。オクタン112.5g及びトルエン37.5gにモノマー(スチレン/ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=12.5%/75%/12.5%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解させ、これに、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム1.5gを溶かし込んだ500gの水を加えて重合槽に仕込んだ。このとき、モノマー混合物及び有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.32(cal/cm3)1/2、7.92(cal/cm3)1/2であり、その差は1.40(cal/cm3)1/2であった。その後、仕込まれた混合液を、ホモジナイザーを用いて、10000rpmで5分間撹拌することで乳化させ、これを200rpmの撹拌条件下、85℃で4時間、更に95℃で3時間加熱することで重合し、水と有機溶剤を濾過して除いた後に乾燥し、消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は7.3μmであった。得られた消臭粒子100gを、硝酸銀0.5gを溶解させたエタノール1000gに加え、室温で6時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過した後、水洗浄し、硝酸銀担持消臭粒子を得た。得られた消臭粒子のBET比表面積は416m2/g、銀イオン含有率は0.27%であった。体積平均径、BET比表面積及び銀イオン含有率は次の方法で測定した。
BET比表面積:フローソーブ2300(島津製作所製)を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の質量で除して比表面積を求めた。
銀イオン含有率:モノクロ励起EDX蛍光X線を用いて測定した。
そして、吸収体10を、表面シート11(エアスルー不織布:25g/m2)と、裏面シート12(透湿フィルム:40g/m2)とで挟み込むように包んだ。このようにしてモデル吸収性物品を作製した。
吸収体10における消臭粒子の含有量を40mgとした。それ以外は、実施例1−1と同じである。
〔実施例1−3〕
吸収体10における消臭粒子の含有量を78mgとした。それ以外は、実施例1−1と同じである。
消臭粒子を、以下に示す沈殿重合法により得た。
オクタン225g及びトルエン75gにモノマー(スチレン/ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=12.5%/75%/12.5%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解して加えて重合槽に仕込んだ。このとき、モノマー混合物及び有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.32(cal/cm3)1/2、7.92(cal/cm3)1/2であり、その差は1.40(cal/cm3)1/2であった。その後、仕込まれた混合液を85℃で4時間、更に95℃で3時間加熱することで重合した後、乾燥し、消臭粒子を得た。得られた消臭粒子100gを、硝酸銀0.5gを溶解させたエタノール1000gに加え、室温で6時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過した後、水洗浄し、硝酸銀担持消臭粒子を得た。得られた消臭粒子のBET比表面積は486m2/g、銀イオン含有率は0.28%であった。
消臭粒子の製造方法が異なる以外は、実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製した。
吸収体における消臭粒子の量を40mgとした。それ以外は、実施例2−1と同じである。
〔実施例2−3〕
吸収体における消臭粒子の量を78mgとした。それ以外は、実施例2−1と同じである。
比較例1−1〜1−3は、それぞれ実施例1−1〜1−3に比して、前記消臭粒子に代えて、同量の塩化亜鉛賦活活性炭を用いている。それ以外は実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製した。
粒子を以下に示す懸濁重合法により得た。それ以外は実施例1−3と同様にモデル吸収性物品を作製した。
オクタン112.5g及びトルエン37.5gにモノマー(スチレン/ジビニルベンゼン=25%/75%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解させ、これに、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム1.5gを溶かし込んだ500gの水を加えて重合槽に仕込んだ。このとき、モノマー混合物及び有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.27(cal/cm3)1/2、7.92(cal/cm3)1/2であり、その差は1.35であった。その後、仕込まれた混合液を、ホモジナイザーを用いて、10000rpmで5分間撹拌することで乳化させ、これを200rpmの撹拌条件下、85℃で4時間、更に95℃で3時間加熱することで重合し、水と有機溶剤を濾過して除いた後に乾燥し、粒子を得た。得られた粒子のBET比表面積は、427m2/gであった。
比較例3は、実施例1−3に比して、前記消臭粒子に代えて、非多孔ポリスチレン粒子であるGP−1B(東洋スチレン(株)製:BET比表面積0.17m2/g)を同量用いている。それ以外は実施例1−3と同様にモデル吸収性物品を作製した。
実施例1−1に比して、前記消臭粒子を省略した。それ以外は実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製した。
成人男性5名の尿を各100ml混合した人尿500mlを調整する。前記各実施例及び各比較例で得られたモデル吸収性物品に人尿30gを吸収させ、容積1.2リットルの密閉容器(タイトボックスNo.3:蝶プラ工業株式会社製)中に素早く入れて気密状態にした。60分後に該容器の蓋を開け、容器中の臭いを5名のモニターに評価させた。その評価基準は以下の通りである。5人の評価の平均を算出し、その値を臭気強度の官能値とした。官能値は、その値が小さいほど臭気が弱いことを意味する。なお、使用した人尿は、実施例及び比較例で全て同じものを用いた。評価結果を下記表1に示す。
3.0;尿特有の匂いを強く感じる
2.0;尿特有の匂いを感じる
1.0;匂いを感じるが、尿臭の匂いとは感じられない
0.0;匂いがしない
実施例1−1における消臭粒子と同じ消臭粒子を用いて、以下に示す湿式抄造法により粒子付着シートを作製した。
消臭粒子、針葉樹クラフトパルプ、湿潤紙力剤(WS4024:星光PMC社製)、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤(アコフロックA95:三井アクアポリマー社製)を添加混合し、スラリーを得た。パルプは、叩解によってそのCSFが200mlに調整されたものを用いた。スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して3%、湿潤紙力剤の濃度はパルプに対して0.5%、高分子凝集剤の濃度はパルプに対して0.1%であった。このスラリーを原料として、手すき抄紙機により25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。このシートを20cm×20cmに切り、粒子付着シート1を得た。粒子付着シート1における消臭粒子の量は20mgであった。
そして、吸収体10を、表面シート11と裏面シート12とで挟み込むように包んだ。このようにしてモデル吸収性物品を作製した。尚、特に説明しない点は実施例1−1と同じである。
消臭粒子の濃度をパルプに対して6%にしたこと、及び粒子付着シート1における消臭粒子の量が36mgであった以外は、実施例3−1と同じである。
消臭粒子の濃度をパルプに対して10%にしたこと、及び粒子付着シート1における消臭粒子の量が60mgであった以外は、実施例3−1と同じである。
消臭粒子を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。トルエン30g、t−ブタノール20gにモノマー(ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=75%/25%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解させ、これに、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム1.5gを溶かし込んだ500gの水を加えて重合槽に仕込んだ。モノマー混合物と有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.37(cal/cm3)1/2、9.40(cal/cm3)1/2であり、その差は0.03(cal/cm3)1/2であった。その後、仕込まれた混合液を、ホモジナイザーを用いて、10000rpmで5分間撹拌することで乳化させ、これを200rpmの撹拌条件下、55℃で4時間、65℃で3時間加熱することで重合し、水と有機溶剤を濾過して除いた後に乾燥し、消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は5.3μmであった。得られた消臭粒子100gを硝酸銀0.5gを溶解させたエタノール100gに加え、室温で6時間担持処理を行った。これを濾過した後、水洗浄し、硝酸銀担持消臭粒子を得た。得られた消臭粒子のBET比表面積は18.3m2/g、銀イオン含有率は0.14%であった。
消臭粒子の製造方法が異なること、消臭粒子の量が50mgであること以外は、実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製し、前記〔消臭能の評価方法〕により評価した。その評価結果を下記表3に示す。
2,3 パルプシート
4 内層シート
10 吸収体
11 表面シート
12 裏面シート
Claims (5)
- 架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる、BET比表面積が10m2/g以上で且つ金属イオンを含有している消臭粒子を備えた吸収性物品。
- 前記消臭粒子は水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により得られたものである請求項1記載の吸収性物品。
- 表面シート、裏面シート及び両シート間に配置された吸収体を備えており、
前記消臭粒子は、粒子の状態で、吸収体の構成繊維に担持されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在する吸収体を備えており、
繊維材料に前記消臭粒子が付着して形成された粒子付着シートが、表面シートと吸収体との間、吸収体内又は吸収体と裏面シートとの間に配設されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記粒子付着シートは湿式抄造法により得られたものである請求項4記載の吸収性物品。
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