JP2018166939A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】体液が表面シートから吸収体へ素早く移行できると共に、高い消臭性能が発揮できる吸収性物品を提供すること。【解決手段】本発明の吸収性物品1は、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシート5を有している。中間領域1Cには、表面シート2からセカンドシート5に及ぶ窪んだ押圧部8が間欠的に配されている。吸収体4は、親水性繊維と多孔性の消臭粒体とを含んでいる。消臭粒体は、有機消臭粒体及び無機消臭粒体である。中間領域1Cでは、親水性繊維及び多孔性の消臭粒体の単位面積当たりの含有量は、吸収体4の縦方向Xに沿う両側部4S,4Sそれぞれよりも両側部4S,4S間の中央部分4Cの方が多くなっている。【選択図】図2

Description

本発明は吸収性物品に関する。
着用者の体液を表面シートから吸収体へ速やかに移行させるために、表面シートと吸収体との間に、導液用の繊維シートを配置し、表面シート及び繊維シートを間欠的に熱融着した吸収性物品が知られている(特許文献1)。
これとは別の技術として、本出願人は、消臭若しくは脱臭剤、又は抗菌剤等の機能性粉粒体を含有する吸収層を備えた吸収性物品を提案した(特許文献2,3)。特許文献2,3には、吸収層から機能性粉粒体の脱落を防止するために、吸収層全体を被覆する被覆シートによって封止したり、脱落防止用シートを吸収層に配した吸収性物品が開示されている。
特開平7−328060号公報 特開2001−276118号公報 特開2001−309942号公報
しかし、特許文献1には、吸収性物品に消臭剤等の機能性粉粒体を含有させることに関して何ら記載されておらず、特許文献1に記載の吸収性物品は、高い消臭性能を発揮することを想定して設計されたものではない。また、特許文献2,3には、特定の複数種の消臭剤の配合や消臭剤の配置位置に関して、何ら記載されておらず、高い消臭性能を発揮させることに関して、さらなる改良の余地があった。
したがって本発明は、肌側面から吸収体への体液移行が素早くかつ高い吸収性能を有する吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート、及びこれらシート間に配される吸収体を含み、着用者の前側に配される前方領域及び後側に配される後方領域とそれらの間に位置する中間領域とを備えると共に、該前方領域から該中間領域を介して該後方領域に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間にセカンドシートを有し、前記中間領域には、前記表面シートから前記セカンドシートに及ぶ窪んだ押圧部が間欠的に配されており、前記吸収体は、親水性繊維と多孔性の消臭粒体とを含んでおり、前記多孔性の消臭粒体は、有機化合物を主体とする有機消臭粒体及び無機化合物を主体とする無機消臭粒体を含み、前記中間領域において、前記親水性繊維及び前記多孔性の消臭粒体の単位面積当たりの含有量は、前記吸収体の縦方向に沿う両側部それぞれよりも該両側部間の中央部分の方が多い吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、体液が表面シートから吸収体へ素早く移行できると共に、高い消臭性能が発揮できる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンティライナーの肌側面側(表面シート側)を模式的に示す平面図である。 図2は、図1のII−II線断面の模式的な横断面図である。 図3は、図2に示すパンティライナーの有する吸収体を示す模式的な横断面図である。 図4は、本発明の吸収性物品の他の実施形態であるパンティライナーの肌側面側を模式的に示す平面図である。 図5は、図4のV−V線断面の模式的な横断面図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態であるパンティライナー1(以下、「ライナー1」ともいう。)は、図1及び図2に示すように、着用者の肌側に配される表面シート2、着用者の着衣側に配される裏面シート3、及びこれらシート2,3間に配される吸収体4を備え、着用者の前側に配される前方領域1A及び後側に配される後方領域1Bとそれらの間に位置する中間領域1Cとを有すると共に、前方領域1Aから中間領域1Cを介して後方領域1Bに延びる縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。また、表面シート2と吸収体4との間に、セカンドシート5を有している。ここで中間領域1Cは、着用時に着用者の液排泄部(膣口等)に対向配置される領域である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置(当該吸収性物品の正しい着用位置)が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
本発明の吸収性物品は、その平面視した形状が特に限定されるものではないが、ライナー1では、図1に示すように、縦方向Xに長く且つ中間領域1C(縦方向Xの中央)において縦方向Xに沿う両側部が横方向Yの内方に括れた形状を有している。
ライナー1では、表面シート2及びセカンドシート5は、何れも、熱融着性繊維を含んで形成されており、液透過性である。ライナー1では、図1及び図2に示すように、表面シート2、セカンドシート5及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出し、それらの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されて周縁シール部6を形成している。吸収体4は、前方領域1Aから後方領域1Bに亘って延在しており、平面視して縦方向Xに長い矩形形状を有している。セカンドシート5及び裏面シート3と吸収体4との間は接着剤によって接合されていても良い。また、ライナー1では、図2に示すように、ライナー1の着衣側面(裏面シート3の着衣側面)に、該ライナー1をショーツ等の着衣に固定する粘着部7が設けられている。粘着部7は、不使用時には剥離シートによって被覆されている。
本明細書において、肌側面とは、ライナー1及びその構成部材(例えば吸収体4)における、着用状態において着用者の肌側に向けられる面(相対的に着用者の肌に近い側)であり、着衣側面は、ライナー1及びその構成部材における、着用状態において着用者の肌側とは反対側に向けられる面(相対的に着用者の肌から遠い側)である。
ライナー1では、図2に示すように、セカンドシート5は表面シート2の着衣側面に接しており、表面シート2及びセカンドシート5は互いに隣接して配されている。ライナー1では、表面シート2及びセカンドシート5は、平面視において互いに同形状同寸法である。
表面シート2及びセカンドシート5が含む熱融着性繊維としては、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維等が挙げられる。複合繊維の形態は特に制限されず、芯鞘型、サイド・バイ・サイド型等を適宜選択し得る。
本発明の吸収性物品では、少なくとも中間領域1Cに、表面シート2からセカンドシート5に及ぶ窪んだ押圧部8が間欠的に配されていればよいところ、ライナー1では、図1に示すように、押圧部8が中間領域1Cのみならず前方領域1Aから後方領域1Bの全域に亘って間欠的に配されている。ライナー1では、押圧部8は吸収体4にまで及んでいない。具体的には、ライナー1では、図2に示すように、押圧部8が吸収体4にまで及んでおらず、表面シート2及びセカンドシート5は押圧部8において一体となっている。押圧部8は、表面シート2の肌側面側からセカンドシート5に向かって施されたエンボス加工により形成されている。ライナー1では、押圧部8を形成するエンボス加工としては、表面シート2及びセカンドシート5の含む熱融着性繊維を溶融し加圧し得るものであれば良く、例えば、熱エンボス加工、超音波エンボス加工等が挙げられる。尚、ライナー1では押圧部8が吸収体4にまで及んでいないことから、押圧部8は表面シートと吸収体とを一体的に圧搾して形成される防漏溝とは異なるものである。
押圧部8は、その平面視した形状及び寸法が特に限定されるものではないが、ライナー1では、図1に示すように、複数の押圧部8の平面視形状及び寸法が、互いに同一であり、それぞれ、平面視真円形状を有している。尚、押圧部8の平面視形状は、円形形状以外に、例えば、楕円形形状、多角形形状等であっても良く、また、複数の押圧部8の平面視形状及び寸法は、互いに異なっていても良い。
押圧部8は、中間領域1Cに配されていれば、その配置位置が特に限定されるものではないが、ライナー1では、図1に示すように平面視して、ライナー1の縦方向X及び横方向Yの両方向に交差する方向である第1方向P、及び第1方向Pに交差する第2方向Qのそれぞれに間欠的に配されている。そして、第1方向Pに押圧部8が間欠的に配されて形成された第1方向Pに延びる第1不連続線8Pが第2方向Qに所定間隔を置いて複数本互いに平行に配されていると共に、第2方向Qに押圧部8が間欠的に配されて形成された第2方向Qに延びる第2不連続線8Qが第1方向Pに所定間隔を置いて複数本互いに平行に配されている。ライナー1では、第1不連続線8P及び第2不連続線8Qそれぞれにおいて、押圧部8,8の配置間隔は均一となっている。
吸収体4は、親水性繊維と多孔性の消臭粒体とを含んでいる。親水性繊維として典型的なものは、パルプ等のセルロース系繊維である。セルロース系繊維としては、従来より吸収性物品に用いられているものを特に制限なく用いることができ、例えば、天然セルロース繊維、マーセル化セルロース繊維、溶解セルロース繊維及びセルロース繊維誘導体が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、親水性繊維として、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維や、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の疎水性合成繊維を界面活性剤等の親水化剤により親水化処理したものを用いることもできる。尚、吸収体4が吸収シートの場合、その主たる構成繊維、即ち含有量がシート基材の全質量に対して50質量%を超える構成繊維は通常、親水性繊維である。
吸収体4の構成繊維としては、親水性繊維以外の他の繊維を用いることもでき、2種以上の繊維を組み合わせてもよい。他の繊維としては、加熱により溶融し相互に接着し得る熱融着性繊維を用いることもでき、具体的には例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維等が挙げられる。複合繊維の形態は特に制限されず、芯鞘型、
サイド・バイ・サイド型等を適宜選択し得る。
吸収体4が含む多孔性の消臭粒体は、有機消臭粒体と、無機消臭粒体である。ここでいう有機消臭粒体とは、有機化合物を主体とする消臭粒体であり、消臭粒体の骨格となる化合物が有機化合物であること意味する。例えば、有機化合物を骨格として、その中に後述する抗菌性金属を担持する消臭粒体は、有機消臭粒体である。有機消臭粒体における有機化合物の含有量は30モル%以上、特に50モル%以上、更に80モル%以上であることが好ましい。同様に、無機消臭粒体とは、無機化合物を主体とする消臭粒体であって、無機消臭粒体の骨格となる化合物が無機化合物であることを意味する。本発明で用いられる消臭粒体としては、臭気の発生源に作用して臭気の発生を抑制することで消臭効果を発現し得る物質や、それ自体が臭気に直接作用して、即ち臭気を吸着、中和、分解等して、消臭効果を発現し得る物質が挙げられる。消臭粒体の形状は、特に制限されず、例えば、球状、俵状、不定形状等が挙げられる。
本発明で用いられる有機消臭粒体あるいは無機消臭粒体の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは1μm以上、そして、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。消臭粒体の平均粒径が小さすぎると、臭気の吸着効果に乏しく、消臭粒体の平均粒径が大きすぎると、特に、吸収シート(紙)を後述するように湿式抄紙法によって製造する場合に、製造された吸収シート(紙)の地合いが悪化するおそれがある。地合いの悪い吸収シート(紙)は、消臭粒体の分布が不均一であるため、消臭機能の低下が懸念され、また、シートの物理的強度の低下も懸念される。消臭粒体の平均粒径は下記方法により測定される。
<消臭粒体の平均粒径の測定方法>
消臭粒体の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所社製、LA−920)を使用し、常法に従って測定することができる。測定条件は下記の通りである。
・測定セル:フローセル
・粒子径基準:体積
・分散媒:粒体の分散性がよい適当な溶媒、例えばエタノール/蒸留水=90/10質量%
・分散方法:攪拌、内蔵超音波3分
・透過率:70〜90%
・試料濃度:0.1%
また、本発明で用いられる有機消臭粒体あるいは無機消臭粒体の細孔径のピークは、臭気の吸着効果向上の観点から細菌の大きさよりも小さいことが好ましく、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.04μm以下、そして、好ましくは0.005μm以上である。消臭粒体の細孔径のピークは下記方法により測定される。
<消臭粒体の細孔径のピークの測定方法>
有機消臭粒体あるいは無機消臭粒体の細孔径のピークは、細孔分布測定装置(日本ベル株式会社、商品名:BELSORP mini II)を用いて、液体窒素を用いた多点法により測定す
ることができる。細孔分布におけるピークトップを細孔径のピークとする。測定試料は110℃で1時間加熱する前処理を施す。
好ましい有機消臭粒体は、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる粒子(以下、ビニル共重合粒子ともいう)である。
上記架橋性ビニルモノマーは、ビニル基を二つ以上有するモノマーである。架橋性ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジビニルベンゼンが好ましい。
上記ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーは、ビニル基及びヘテロ芳香環を含む化合物であれば特に制限されない。ヘテロ芳香環とは、環状の有機化合物による芳香環であって、構成要素として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等を含むものをいう。窒素原子を含むものとしては、ピリジン、ピロール、キノリン等の窒素原子を環に1個有するもの、イミダゾール、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール等の窒素原子を環に2個有するものが例示される。また、チオフェン、チアゾール等の硫黄原子を環に有するもの、フラン等の酸素を環に有するものが例示される。ヘテロ原子の有する孤立電子対が悪臭物質の吸着を高め、また、金属イオンの化学結合に関与するものと考えられる。これらの中でも、ピリジン、イミダゾール、ピリミジンが好ましい。ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとしては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリミジン等が挙げられ、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンが好ましい。
上記ビニル共重合粒子においては、モノマー成分として、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマー以外に、これらと共重合可能な他のモノマーを用いることができる。該他のモノマーとしては、例えば、芳香族系ビニルモノマー、不飽和酸エステル、不飽和酸等が挙げられる。芳香族系ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド等が例示され、不飽和酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が例示され、不飽和酸としては、(メタ)アクリル酸が例示される。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も用いることができる。これらの中では芳香族系ビニルモノマーが好適であり、特にスチレンが好ましい。尚、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
有機消臭粒体は一般的に有機化合物との親和性が良いので、細菌との接触が生じ易い。したがって、細菌の増殖を抑える観点から、有機消臭粒体は金属又は金属イオンからなる抗菌性金属を担持(含有)している金属担持有機多孔質粒子であることが好ましい。特に、流体表面に抗菌性金属を担持(含有)している有機消臭粒体が好ましい。金属を担持する有機多孔質粒子としては、2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキサイドベースポリマー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体、スチレン・ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体等が挙げられる。また、有機多孔質粒子に用いられる多孔性ポリマーとしては、特開2008−62029号公報、特開2008−63711号公報、及び特開2010−138344号公報に記載のものを用いることができる。
上記有機多孔質粒子に担持(含有)される金属イオンとしては、例えば、銀イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ジルコニウムイオン、セリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、白金イオン等が挙げられ、銀イオン、亜鉛イオンが好ましい。ビニル共重合粒子は、そのポリマー表層に存在するヘテロ芳香環との配位結合により、その細孔表面に金属イオンを担持させることが可能である。この場合、アンモニア、アミン類、メルカプタン類、脂肪酸等の悪臭ガスは、金属イオンとの配位結合によりビニル共重合粒子に吸着される。ビニル共重合粒子における金属イオン含有率は、ビニル共重合粒子に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ま
しい。ビニル共重合粒子における金属イオン含有率の上限は、特に制限されないが、ビニル共重合粒子に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。ビニル共重合粒子における金属イオン含有率は、例えば、モノクロ励起EDX蛍光X線を用いて測定することができる。
上記ビニル共重合粒子(有機多孔質粒子)に金属イオンを担持させるために用いられる金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に制限されない。該金属塩としては、例えば、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸コバルト、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸銅、硝酸ニッケル、酢酸銀、塩化セリウム、塩化
鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化銅、過塩素酸銀、過塩素酸アルミニウム、過
塩素酸白金、過塩素酸亜鉛、過塩素酸ジルコニウム、硫酸銀、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等が挙げられ、これらを単独で用いても、2種類以上用いてもよい。特に好ましくは硝酸銀、酢酸銀、及び塩化亜鉛である。
本発明の吸収性物品に含有される無機消臭粒体は多孔性である。好ましい無機消臭粒体としては、カンクリナイト様鉱物、ゼオライト、モンモリロナイト、活性炭、リン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも極性を有するものが好ましく、特に、カンクリナイト様鉱物とゼオライトは水に対する濡れ性と広い消臭スペクトルを有する点から好ましい。そして、これら無機消臭粒体は体液中の無機化合物と共に細菌が接触し易く細菌の増殖を抑える観点から、その粒体表面に金属又は金属イオンからなる抗菌性金属を担持(含有)している金属担持無機消臭粒体であることが好ましい。金属を担持する無機消臭粒体としては、それぞれ、抗菌性の金属を担持した、カンクリナイト様鉱物(以下、金属置換カンクリナイト様鉱物ともいう)、ゼオライト等が好ましい。特に好ましい金属担持無機消臭粒体は、金属置換カンクリナイト様鉱物である。金属置換カンクリナイト様鉱物は、カンクリナイト様鉱物中の金属元素が、抗菌性を有する金属元素で置換されたものである。金属置換カンクリナイト様鉱物は、広い消臭スペクトルをもち、種々の悪臭、例えばアンモニア、アミン、ピリジン等のアルカリ性臭、低級脂肪酸、メルカプタン等の酸性臭、その他エステル、ケトン、アルデヒド等の中性臭からなる悪臭に対して良好な消臭作用を有する。また、金属置換カンクリナイト様鉱物の粒子は、テトラポッド状、金平糖状ないしウニ状の形状を有し、その形状に起因してパルプなどの繊維材料への付着性が極めて良いという利点も有している。上記金属置換カンクリナイト様鉱物における抗菌性を有する金属としては、例えば銀、銅、亜鉛、ジルコニウム等が挙げられる。好ましい金属置換カンクリナイト様鉱物としては、特許第3292726号公報や特許第4836597号公報に記載された、抗菌性金属として銀を担持したものや、抗菌性金属として亜鉛を担持したもの(水澤化学工業株式会社製:商品名「ミズカナイトHP」(主成分は二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム;担持金属は亜鉛;金属担持量30質量%))が挙げられる。
上記カンクリナイト様鉱物は、アルミノシリケート系化合物に類似の構造を有するものである。本明細書でいう、カンクリナイト様鉱物とは、JCPDS(ジョイント・コミッティ・オン・パウダー・ディフラクション・スタンダーズ)No.20−379、20−743、25−776、25−1499、25−1500、30−1170、31−1272、34−176、35−479、35−653、38−513、38−514、38−515及び45−1373からなる群より選ばれる1種以上のX線回折パターンを有するものをいう。X線回折パターンにおいて、d=0.365±0.015nmに主たるピークを有するものが好ましい。
本発明の吸収性物品の有する吸収体4は、パルプ繊維等の繊維を積繊した吸収性コア又は該繊維に吸水性ポリマーの粒子を保持させた混合積繊物である吸収性コアをコアラップシートで被覆したものであってもよいが、ライナー1では、図2及び図3に示すように、
シート状の吸収シートで形成されている。シート状の吸収シートとしては、上述した有機消臭粒体及び無機消臭粒体を含有し得るものであれば良く、例えば、織布、不織布、編布、紙等の繊維シートの他、樹脂製フィルム等であってもよく、あるいはこれらの2種以上を積層した複合シートであってもよい。
上記吸収シートには、上述した親水性繊維、有機消臭粒体及び無機消臭粒体に加えて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、更に他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては例えば紙力補強剤が挙げられる。紙力補強剤としては、例えばポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、カイメン、カルボキシメチルセルロースなどを用いることができる。これらの紙力補強剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ライナー1に用いる吸収体4(吸収シート)は、湿式抄紙法に準じて製造されたシート、エアレイド法で製造されたシート、親水性繊維等の集合体に吸水性ポリマーを固定させたシート、2枚の不織布間に粒子状の吸水性ポリマーを散布して形成されたシート等が挙げられ、ライナー1では、湿式抄紙法に準じて製造された乾式シートが用いられている。具体的に、公知の湿式抄紙法に準じて製造される吸収シートは、例えば、下記工程(i)及び(ii)を有する製造方法によって製造することができる。
(i)上述した親水性繊維、有機消臭粒体及び無機消臭粒体、並びに水を含む懸濁液を、抄紙網を用いて脱水し、消臭剤を含む湿紙を形成する工程。
(ii)前記湿紙、又は前記湿紙を乾燥させる工程。
前記(i)及び(ii)の工程は、公知の湿式抄紙機を用いて常法に従って実施することができる。
本発明の吸収性物品では、中間領域1Cにおいて、親水性繊維及び2種類の消臭粒体(有機消臭粒体及び無機消臭粒体)の単位面積当たりの含有量(以下、坪量と言う)は、吸収体4の縦方向Xに沿う両側部4S,4Sそれぞれよりも両側部4S,4S間の中央部分4Cの方が多くなっている。ここで、「両側部4S,4S」とは、吸収体4の中間領域1Cにおいて、吸収体4を横方向Yに三等分した際に、その両側に位置する部分を意味する。なお、ライナー1は吸収体4が矩形形状であるが、これに代えて吸収体4の横方向Yの長さが中間領域1Cでその前後よりも短い部分を有する場合には、最も横方向Yの長さが短い部分で吸収体4を三等分した際に、その両側に位置する部分とする。そして、「中央部分4C」とは、吸収体4の中間領域1Cにおいて、両側部4S,4Sの中間に位置する部分を意味する。ライナー1では、図2及び図3に示すように、吸収体4は吸収シートを積層してなる積層部4Lを有している。積層部4Lは、別々の吸収シートを複数枚重ねて形成してもよいが、ライナー1では1枚の吸収シートを折り畳むことにより形成されている。具体的には、ライナー1よりも横方向Yの長さが長い1枚の平面視矩形形状の吸収シートを用い、その縦方向Xに沿う両側部を該吸収シートの着衣側面側に折り返し、その折り返しによって該両側部の端部どうしを横方向Yの中央部分にて重なり合わせて形成された3枚の吸収シートの部分からなる積層部4Lを形成している。このような積層構造を有する折り畳まれた吸収シートを、ライナー1では吸収体4として用いている。ライナー1では、吸収体4の中央部分4Cに3枚の吸収シートからなる積層部4Lが配されており、吸収体4の両側部4Sそれぞれに2枚の吸収シートからなる部分が配されている。そのため、親水性繊維、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の坪量は、吸収体4の両側部4S,4Sそれぞれよりも吸収体4の中央部分4Cの方が多くなっている。ライナー1では、親水性繊維、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の坪量の多い中央部分4Cは、吸収体4の縦方向Xの全長に亘っている。
上述したライナー1の各部の形成材料について説明する。
表面シート2及び裏面シート3としては、パンティライナー、生理用ナプキンなどの吸
収性物品において通常用いられているものを特に制限なく用いることができる。
表面シート2としては、例えば、液透過性を有する親水性の不織布や穿孔フィルムなどを用いることができ、これらの不織布やフィルムは一般に熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等から構成されている。
裏面シート3としては、例えば、液不透過性のフィルムや液難透過性の不織布などを用いることができ、液不透過性のフィルムは透湿性を有していてもよい。
セカンドシート5は、本技術分野においてサブレイヤーシートなどとも呼ばれる吸収性物品の構成部材であり、表面シート2から吸収体4への体液の透過性の向上、吸収体4に吸収された体液の表面シート2への液戻りの低減などの役割を担うシートである。セカンドシート5としては、親水性不織布や親水性の繊維集合体を用いることができ、不織布としては、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等が挙げられる。
上述した本発明の一実施形態のライナー1は、図1及び図2に示すように、中間領域1Cに、表面シート2からセカンドシート5に及ぶ押圧部8が間欠的に配されている。その為、着用者の体液を、窪んだ押圧部8を介して表面シートからセカンドシート5へ素早く吸収し、体液をセカンドシート5で拡散させながら吸収体4へ素早く移行できる。また、吸収体4は、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の2種類の消臭粒体を有しているので、体液中の有機化合物は親和性の高い有機消臭粒体によって吸収体4中に引き込まれ易く、体液が吸収体4に素早く吸収され易い。そして、吸収体4中に吸収された体液は、体液中の有機性化合物由来の臭いが有機消臭粒体によって素早く消臭でき、体液中の無機性化合物由来の臭いが無機消臭粒体によって素早く消臭できる。尚、有機性化合物が多く含まれる体液としては、所謂おりもののような粘性の高い排泄液が想定される。特に、無機消臭粒体が極性を有するものであると、臭い原因物質を含む水溶液をより吸収体4中に引込み易くなる。このような有機消臭粒体及び無機消臭粒体の坪量並びに親水性繊維の坪量が、吸収体4の両側部4S,4Sそれぞれよりも中央部分4Cの方が多くなっているので、吸収体4へ体液が素早く移行すると共に消臭性能が向上する。特に、ライナー1では、押圧部8が吸収体4に及んでおらず、表面シート2及びセカンドシート5が押圧部8によって一体となっているので、体液を表面シート2の肌側面に残し難く、吸収体4全体に体液が拡がり易くなるので高い消臭効果を発揮することができる。
また、上述したライナー1は、図2に示すように、吸収体4が吸収シートで形成されているので、ライナー1の厚みを抑えることができ、着用時の違和感を抑えることができる。またライナー1では、吸収体4は中央部分4Cに3枚の吸収シートからなる積層部4Lが配されており、吸収体4の両側部4Sそれぞれに2枚の吸収シートからなる部分が配されている。そして、親水性繊維、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の坪量の多い中央部分4Cは、吸収体4の縦方向Xの全長に亘っている。その為、吸収体4全体を使って消臭効果を発揮することができる。
上記効果を一層確実に奏されるようにする観点から、ライナー1は、以下の一又は二以上の構成を有することが好ましい。
吸収体4に含まれる有機消臭粒体及び無機消臭粒体に関し、有機消臭粒体は、その親水性が、無機消臭粒体の親水性よりも低くなっている。好ましくは、有機消臭粒体は疎水性であり、かつ、無機消臭粒体は親水性である。多孔性の消臭粒体の親水性は、下記方法により測定できる。
<消臭粒体の親水性の測定方法>
消臭粒体0.1gを、23℃条件下でイオン交換水中100mLを入れた200mLビ
ーカー中に投入する。投入後沈降する時間が短いほど親水性が高いとする。なお、本明細書においては、消臭粒体を投入後30秒静置して、沈降したものを親水性とし、浮遊しているものを疎水性とする。
吸収体4を形成する吸収シート1枚あたりの坪量に関しては、特に制限されず、吸収性物品の用途等に応じて適宜設定すればよいが、ライナー1に用いる場合、好ましくは15g/m2以上、さらに好ましくは20g/m2以上、そして、好ましくは50g/m2以下
、さらに好ましくは40g/m2以下である。
また、吸収体4を形成する吸収シート1枚あたりの厚みに関しては、特に制限されず、吸収性物品の用途等に応じて適宜設定すればよいが、ライナー1に用いる場合、好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。1枚当たりの吸収シートの厚みは特に断らない限り、下記方法により測定される厚み(0.5cN/cm2(=0.05kPa)荷重下で
の厚み)を意味する。
<シートの厚みの測定方法>
測定台に重さ2.5g、半径12.5mmの円形プレートを載置し、その状態での円形プレートの上面の位置を測定の基準点P1とする。次に円形プレートを取り除き、測定台に測定対象を置き、その上に円形プレートを再び載置し、その状態での円形プレートの上面の位置を位置P2とする。測定機器にはレーザ変位計(株式会社キーエンス製、CCDレーザ変位センサーLK−080)を用いる。前記基準点P1と前記位置P2との差を、測定対象の厚み、即ち、吸収体の0.5cN/cm2(=0.05kPa)圧力下での厚
みとする。
吸収体4を形成する吸収シートでは、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の含有量は特に制限されず、消臭剤の種類、吸収性物品の使用形態等に応じて適宜設定することができるが、1枚の吸収シートにおける有機消臭粒体の含有量が、坪量にして、好ましくは0.1g/m2以上、さらに好ましくは0.2g/m2以上、そして、好ましくは1.5g/m2
下、さらに好ましくは1.0g/m2以下である。またライナー1では、1枚の吸収シー
トにおける無機消臭粒体の含有量が、坪量にして、好ましくは0.1g/m2以上、さら
に好ましくは0.2g/m2以上、そして、好ましくは0.9g/m2以下、さらに好ましくは0.7g/m2以下である。有機消臭粒体の含有量は、1枚の吸収シートの全質量に
対して、好ましくは0.4質量%以上、さらに好ましくは0.7質量%以上、そして、好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。また、無機消臭粒体の含有量は、1枚の吸収シートの全質量に対して、好ましくは0.7質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上、そして、好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
吸収体4に含まれる親水性繊維、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の各々に関し、吸収体4の中央部分4Cの坪量が吸収体4の各側部4Sの坪量の、好ましくは1.1倍以上、さらに好ましくは1.3倍以上、そして、好ましくは20倍以下、さらに好ましくは10倍以下である。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、上述したライナー1は、図2に示すように、吸収体4がシート状の吸収シートで形成されているが、図4及び図5に示すように、吸収体4が、パルプ繊維等の親水性繊維を積繊した吸収性コア41又は該繊維に吸水性ポリマーの粒子を保持させた混合積繊物である吸収性コア41をコアラップシート42で被覆したものであってもよい。図4及び図5に示す吸収体4の場合に、有機消臭粒体及び無機消臭粒体の坪量並びに親水性繊維の
坪量を、吸収体4の両側部4S,4Sそれぞれよりも中央部分4Cの方を多くするには、有機消臭粒体、無機消臭粒体及び水を含む懸濁液を、吸収性コア41の横方向Yの中央部分4Cに、例えば、スプレーによる噴霧法、刷毛塗り法、浸漬法の他、バーコーター、グラビアコーター、各種ロールコーター等を用いた塗布法によって、縦方向Xに沿って塗布して塗布部4Tを形成すればよい。又は、コアラップシート42の横方向Yの中央部分に縦方向X沿って前記懸濁液を塗布して塗布部4Tを形成し、塗布部4Tを形成したコアラップシート42によって積繊物である吸収性コア41を覆い、該シートの縦方向Xに沿う両側部を該吸収性コア41の着衣側面側に折り返すようにすればよい。図4及び図5に示すようにライナー1は、上述した図1及び図2に示すライナー1と同様の効果を奏することができる。
また、吸収性や防漏性等の向上の観点から、ライナー1の肌側面に、表面シート2、セカンドシート5及び吸収体4が一体的に圧密化されてなる防漏溝(ラウンドエンボス)が形成されていてもよい。
本発明の吸収性物品は、上記実施形態の如きパンティライナーに制限されず、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、生理用ナプキン、生理用ショーツ、展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ等も包含される。
上述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>表面シート、裏面シート、及びこれらシート間に配される吸収体を含み、着用者の前側に配される前方領域及び後側に配される後方領域とそれらの間に位置する中間領域とを備えると共に、該前方領域から該中間領域を介して該後方領域に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間にセカンドシートを有し、前記中間領域には、前記表面シートから前記セカンドシートに及ぶ窪んだ押圧部が間欠的に配されており、前記吸収体は、親水性繊維と多孔性の消臭粒体とを含んでおり、前記多孔性の消臭粒体は、有機消臭粒体及び無機消臭粒体を含み、前記中間領域において、前記親水性繊維及び前記多孔性の消臭粒体の単位面積当たりの含有量は、前記吸収体の縦方向に沿う両側部それぞれよりも該両側部間の中央部分の方が多い、吸収性物品。
<2>前記有機消臭粒体の親水性は、前記無機消臭粒体の親水性よりも低い<1>の吸収性物品。
<3>前記有機消臭粒体は抗菌性金属を担持している<1>又は<2>の吸収性物品。
<4>前記吸収体は吸収シートである<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>前記押圧部が前記吸収体まで押圧していない、<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>前記表面シート及び前記セカンドシートは、前記押圧部で一体となっている<5>に記載の吸収性物品。
<7>前記親水性繊維及び前記消臭粒体の坪量の多い前記中央部分は、前記吸収体の縦方向の全長に亘っている<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>前記有機消臭粒体又は前記無機消臭粒体の平均粒径が0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmである、<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>前記有機消臭粒体が、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる共重合体の粒子である<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>前記共重合体がジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体又はスチレン・ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体である<9>の吸収性物品。
<11>前記有機消臭粒体が担持する抗菌性金属は、銀、亜鉛、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、セリウム、鉄、銅、ニッケル、白金であり、好ましくは銀又は亜鉛である、<3>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>前記有機消臭粒体が銀又は亜鉛を担持するジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体又はスチレン・ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体の粒体である、<11>に記載の吸収性物品。
<13>前記無機消臭粒体がカンクリナイト様鉱物、ゼオライト、モンモリロナイト、又は活性炭であり、好ましくはカンクリナイト様鉱物とゼオライト、更に好ましくはカンクリナイト様鉱物である、<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>前記無機消臭粒体が担持する抗菌性金属は銀、銅、亜鉛又はジルコニウムである<13>に記載の吸収性物品。
<15>前記無機消臭粒体が銀又は亜鉛を担持するカンクリナイト様鉱物である<14>記載の吸収性物品。
<16>前記セカンドシートは熱融着性繊維を含んでいる<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>前記表面シートは熱融着性繊維を含んでいる<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<18>前記吸収性物品がパンティライナーである<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
吸収性物品として、花王株式会社のパンティライナー(商品名:ロリエ きれいスタイル 無香料)を用いた。このパンティライナーは図1及び2に示す構造を有しており、表面シート、セカンドシート、吸収シート及び裏面シートをこの順で備え、各々熱融着性繊維を含む表面シート及びセカンドシートが複数のピンエンボスで一体化されている吸収性物品である。この吸収性物品からコールドスプレーを用いて吸収体を除去し、その代わりに、上述した工程(i)及び(ii)を有する製造方法によって製造した吸収シートを吸収体として配置して実施例のサンプルを作製した。具体的には、製造された吸収シートを縦方向X100mm×横方向Y65mmの大きさに切り出し、図3に示すように横方向Yに折り畳んで積層構造の吸収体を得た。上述した工程(i)及び(ii)では、長網式抄紙機の抄紙網に、繊維材料と、下記消臭剤A及び下記消臭剤Bの2種と、水とを含む懸濁液を流し込んで脱水することにより、消臭粒体が内添された湿紙を得、次いで、該湿紙を加熱乾燥して吸収シートを製造した。前記繊維材料としては、セルロース系繊維の一種である木材パルプを用いた。製造された吸収シートの坪量は29g/m2であった。下記消
臭剤A(有機消臭粒体)の含有量は、1枚の吸収シートの全質量に対して、0.85質量%であり、下記消臭剤B(無機消臭粒体)の含有量は、1枚の吸収シートの全質量に対して、1.0質量%であった。
・消臭剤A:特許4880528号公報の実施例3に記載された硝酸銀担持消臭粒体(金属担持有機消臭粒体;モノマー(ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=75%/25%)の共重合体。主成分はジビニルベンゼン、ビニルピリジン;担持金属は銀;金属担持量0.3質量%)
・消臭剤B:水澤化学工業株式会社製:商品名「ミズカナイトHP」(金属担持無機消臭粒体;主成分は二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム;担持金属は亜鉛;金属担持量30質量%)
〔比較例〕
吸収体を以下に示す吸収シートに変更する以外は、実施例のサンプルと同様にして比較例のサンプルを作製した。比較例のサンプルに用いる吸収シートは、上記消臭剤A及び上記消臭剤Bの2種を、下記消臭剤Cの1種に変更する以外は、実施例のサンプルに用いる吸収シートと同様にして製造した。製造された吸収シートの坪量は29g/m2であった
。下記消臭剤C(無機消臭粒体)の含有量は、1枚の吸収シートの全質量に対して、1.2質量%であった。

・消臭剤C:特許第4836597号公報の実施例1で得られたAg置換カンクリナイト様鉱物(金属担持有機消臭粒体;ウニ型粒子形状、組成は0.05Ag2O・0.9Na2O・Al23・2SiO2・0.4NaNO3・0.7H2Oであった。比表面積は44.
7m2/gで、平均粒子径は8.3μm;銀担持量2.4質量%)
〔性能評価〕
実施例及び比較例のサンプルについて、製品厚み、吸収時間、拡がり面積、液戻り量、圧縮仕事量、及び消臭性を、それぞれ下記方法により評価した。その結果を下記表1に示す。
<製品厚みの測定方法>
測定台に重さ2.5g、半径12.5mmの円形プレートを載置し、その状態での円形プレートの上面の位置を測定の基準点P3とした。次に円形プレートを取り除き、測定台に実施例のサンプル又は比較例のサンプルを置き、その上に円形プレートを再び載置し、その状態での円形プレートの上面の位置を位置P4とした。測定機器にはレーザ変位計(株式会社キーエンス製、CCDレーザ変位センサーLK−080)を用いた。前記基準点P3と前記位置P4との差を、実施例のサンプル又は比較例のサンプルの厚み、即ち、製品の0.5cN/cm2(=0.05kPa)圧力下での厚みとした。各サンプルについ
て5回計測を行い、その平均値を当該サンプルの製品厚みとした。
<吸収時間、及び液の拡がり面積の測定方法>
先ず実施例のサンプル又は比較例のサンプルを表面シート側が鉛直上方を向くようにして水平に置いた。このサンプル上に、底部に直径10mmの注入口が付いた円筒つきアクリル板を重ねて、注入口から擬似血液0.5gを一括注入し、円筒内に溜まった擬似血液が表面シート上から無くなるまでの時間を測定した。各サンプルについて5回計測を行い、その平均値を当該サンプルの吸収時間とした。そして、表面シート上から擬似血液が無くなった直後の表面シートにおける擬似血液の液拡がり面積を測定した。各サンプルについて5回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液の拡がり面積とした。擬似血液は、B型粘度計(東機産業株式会社製 型番TVB−10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、25℃、60秒間)を用いて測定した粘度が8mPa・sになるように、脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)の血球・血漿比率を調製したものである。
<液戻り量の測定方法>
上記吸収時間の測定後において、注入後1分間その状態を保持した。次に、円筒つきアクリル板を取り除き、サンプルの表面シート上に、予め秤量済みの吸液紙(アドバンテック社製の5Aの濾紙を10枚重ね合わせたもの)を重ねて載せた。更にその上に圧力が40gf/cm2になるように重りを載せて10秒間加圧した。加圧後、吸収紙を取り出し
、加圧前後の吸収紙の重さを測定して、吸収紙に吸収された擬似血液の重量(g)を算出した。各サンプルについて5回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液戻り量とした。
<圧縮仕事量の測定方法>
実施例のサンプル及び比較例のサンプルについて、KES−FB3圧縮試験機(カトーテック製の自動化圧縮試験装置)を用いて圧縮仕事量WCを測定した。この値が大きいほどクッション性が良好であることを意味する。各サンプルについて5回計測を行い、その平均値を当該サンプルの圧縮仕事量とした。
<消臭性の評価方法>
密閉容器内の臭い成分濃度が予定濃度になるように、予め臭い成分の注入量を規定しておく。硫化水素の場合の濃度は4ppm、アンモニアの場合の濃度は60ppmとした。密閉容器内に実施例と比較例の各サンプルと規定量の臭い成分を注入後、容器を密閉し、30分後の容器内の臭い成分残留濃度を検知管にて測定した。
Figure 2018166939
表1に示す結果から明らかな通り、実施例のサンプルは、比較例のサンプルに比べて、製品厚み及び液戻り量が同じであるにも拘らず、液の拡がり面積が小さく、且つ吸収時間が速くなることが判った。
また消臭性の評価に関して、30分後の各臭い成分の残留濃度は表1に示す通りであった。即ち、硫化水素の場合、比較例のサンプルは1.8ppmで臭いが気になったのに対して、実施例のサンプルでは0.1ppmで臭いが気にならないレベルになっていた。アンモニアの場合、比較例のサンプルでは15.5ppmで臭いが気になるレベルであったのに対し、実施例のサンプルでは2.5ppmで臭いが気にならなかった。
1 パンティライナー(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体(吸収シート)
5 セカンドシート
6 周縁シール部
7 粘着部
8 押圧部
1A 前方領域
1B 後方領域
1C 中間領域
X 縦方向
Y 横方向

Claims (6)

  1. 表面シート、裏面シート、及びこれらシート間に配される吸収体を含み、着用者の前側に配される前方領域及び後側に配される後方領域とそれらの間に位置する中間領域とを備えると共に、該前方領域から該中間領域を介して該後方領域に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、
    前記表面シートと前記吸収体との間にセカンドシートを有し、
    前記中間領域には、前記表面シートから前記セカンドシートに及ぶ窪んだ押圧部が間欠的に配されており、
    前記吸収体は、親水性繊維と多孔性の消臭粒体とを含んでおり、
    前記多孔性の消臭粒体は、有機消臭粒体及び無機消臭粒体を含み、
    前記中間領域において、前記親水性繊維及び前記多孔性の消臭粒体の単位面積当たりの含有量は、前記吸収体の縦方向に沿う両側部それぞれよりも該両側部間の中央部分の方が多い、吸収性物品。
  2. 前記有機消臭粒体は、その親水性が前記無機消臭粒体の親水性よりも低い請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記有機消臭粒体は、その粒体表面に抗菌性金属を担持している請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体は吸収シートで形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記押圧部は、前記吸収体にまで及んでいない、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記親水性繊維及び前記多孔性の消臭粒体の単位面積当たりの含有量が多い前記中央部分は、前記吸収体の縦方向の全長に亘っている請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
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