JP2009213719A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液透過性のトップシート(11)、液不透過性のバックシート(12)、及び前記両シート(11,12)の間に挟まれた吸収体(13)を有する本体(10)と、該本体(10)の左右両側縁から幅方向外方に延設されるフラップ(20)とを備えた吸収性物品(1)であって、前記フラップ(20)に、液及び/又は液中の成分と作用する非膨潤性の機能性物質を有する、吸収性物品(1)。
【選択図】図1
Description
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記両シートの間に挟まれた吸収体を有する本体と、該本体の左右両側縁から幅方向外方に延設されるフラップとを備えた吸収性物品であって、前記フラップに、液及び/又は液中の成分と作用する、非膨潤性の機能性物質を有することを特徴とする吸収性物品。
図1は、本発明の吸収性物品の好ましい一実施態様の平面図である。図2は、本発明の吸収性物品の別の好ましい一実施態様の平面図である。図3は、図2のA−A線部分拡大断面図である。
図1及び2にそれぞれ示す実施態様の吸収性物品(生理用ナプキン)1は、液透過性のトップシート11、液不透過性のバックシート12、及び前記両シート11,12の間に挟まれた吸収体13を有する本体10と、本体10の左右両側縁から幅方向外方に延設されるフラップ20とを備えている。なお、フラップ20は中央フラップ又は前方フラップとも称すが、以降、単にフラップと称す。
なお、サイドシート31の内側縁31aは吸収性本体と接合せずに遊動状態にしてもよいが、肌に当接したときのヨレによる違和感があるときには、例えばサイドシート31とトップシート11との界面で接着剤により接合してもよい。
本発明における機能性物質は、液及び/又は液中の成分と作用する、非膨潤性の物質であり、例えば、液(排泄液)中の特定成分を吸着・分離する機能を有する物質である。ここで、液(排泄液)中の特定成分を吸着・分離する反応が液−固界面あるいは液中で行われる場合は、機能性物質は、濡れた時に活性化する状態に配されていることが好ましい。
一方、液(排泄液)中の特定成分を吸着・分離する反応が固−気界面で行われる場合はこの限りではない。固−気界面で行われる場合とは、例えば、機能性物質が消臭機能を有する物質であって、揮発した排泄物中の臭気物質が消臭剤表面に吸着されることによって消臭機能が発現される場合が挙げられる。
このときの保持能力は、自重の100倍の生理食塩水中に機能性材料を30分浸漬し、その後に当該機能性材料を引き上げ、30分間垂直状態につるした後で質量を測定し、乾燥時の機能性材料との質量差で定義される。機能性材料が繊維や粉体など一定の形状を維持しにくい材料の場合は、ナイロン製のメッシュなどに入れて同様の評価を行う。
従来、マレー民族居住圏で主に使用されてきた生理用ナプキンは、吸収性ポリマーを含んでおらず、パルプ繊維を主体とした吸収性材料で構成されているため、水洗が可能であり、吸収した経血等を水で洗い流すことができるものであった。
しかし、ナプキンの洗浄習慣がある人々は、上述の居住圏以外の地域にも存在すると考えられ、世界的にみると、吸収性ポリマーが使用され且つ水洗が容易な生理用ナプキンに対する需要は、無視できないものである。
消臭機能を有する物質としては、各種公知のものを含めて、特に制限なく用いることができる。吸収性物品におけるにおいの発生と消臭技術は、次のように考えることができる。尿臭の場合を例に挙げて説明すると、おむつに尿が吸収されると初期の尿臭が感じられる。やがて時間の経過とともに微生物による尿の分解が進行し、その結果、初期臭に腐敗臭が加わる。ここで、本願発明における消臭機能とは、においを除去するあるいはマスキングする技術(狭義の消臭)だけでなく、菌にアプローチして腐敗臭を出さない抗菌消臭をも含む。
これら消臭機能(消臭および抗菌作用)を有する物質は、単独あるいは複数の物質を組み合わせて用いることができる。
sM(1)xOy・tM(2)2O・Al2O3・uSiO2・vRmQn・wH2O (1)
式中、M(1)は抗菌性を有する金属を表し、M(2)はNa、K及びHからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、RはNa、K、Ca及びMgからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、QはCO3、SO4、NO3、OH及びClからなる群より選ばれる1種以上の原子団を表し、sは0<s≦3、tは0≦t≦3(但し、s+t=0.5〜3である)、uは0.5≦u≦6、vは0<v≦2、wはw≧0、xは1≦x≦2、yは1≦y≦3、mは1≦m≦2、nは1≦n≦3を満たす。
架橋性ビニルモノマーは、ビニル基を二つ以上有するモノマーであり、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジビニルベンゼンが好ましい。モノマー成分中の架橋性ビニルモノマーの割合が大きいほど、BET比表面積の大きい消臭粒子が得られる。従って、全モノマー成分中における架橋性ビニルモノマーの割合は、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。該割合の上限は、98質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
ハイシリカゼオライトに関しては、特開2007−44401号公報に記載されており、当該記載は本発明にも好ましく適用することができる。
ハイシリカゼオライトは、SiO2/Al2O3のモル比が、30〜900が好ましく、100〜700が更に好ましく、200〜600が特に好ましい。
機能性物質(金属イオン捕捉剤)の含有量は、吸収性物品の用途によって異なるが、金属イオン捕捉剤の使用目的が排泄液内の二価〜四価の金属イオンとのキレート形成にあるため、キレート形成のための理論量の通常0.8倍〜5倍、好ましくは1倍〜3倍であれば十分である。
トップシートに液遮断部21を形成する方法としては、ヒートシールが好ましいが、超音波シールでも良く、更に、不織布の繊維空隙に、熱可塑性樹脂やワックス、ホットメルト型接着剤、独立気泡を有する発泡体、水で可塑化される樹脂、吸水ポリマー等を十分含浸させることにより形成しても良い。これらの中でもホットメルト型接着剤が好ましく、特にタック性(べたつき)の少ないもの(ホットメルト型接着剤の配合的にはベース樹脂の分子量が高く、配合割合が高いもの)が好ましい。ホットメルト型接着剤の塗工量は20〜100g/m2が好ましく、塗工方式はコーターによる面状あるいはビード状が好ましい。また、使用可能なホットメルト型接着剤の種類は特に限定されず、スチレン系、オレフィン系ホットメルト、溶剤粘着剤、水系粘着剤等を用いることができる。
〔にじみ抑制効果〕
サイドシート形成用のシート材と、トップシートと、バックシートとをこの順に複合化し、10°の傾斜板上に置く。トップシートに着色水10ml(イオン交換水に少量の赤色1号を溶かしたもの。着色剤の量は適宜調整する)を滴下し、トップシート中の液の浸透の様子を観察する。液遮断部でにじみが止まったものを○、シール部に多少にじみがあり外へモレないものは△、止まらなかったものは×とする。
機能性物質をフラップ20に保持させる方法としては、機能性物質(機能性粒子50)をホットメルト型接着剤でフラップ20を構成する各シートに固定する方法、機能性粒子50を不織布や紙などの繊維シートに固定する方法、液体状の機能性物質を不織布や紙などの繊維シートに含浸等により固定する方法、これらの組み合わせ等が挙げられる。
フラップ20は、好ましくは肌面側シート(トップシート11又はサイドシート31)と裏面側シート(バックシート12)とから形成されている。フラップ20を構成するシートのうち、肌面側シートに機能性物質が固定されている場合は、肌面側シートの非肌当接面側(バックシート側)に固定されているのが好ましい。裏面側シートに機能性物質が固定されている場合は、裏面側シートの肌当接面側に固定されているのが好ましい。
また、フラップ20は、肌面側シートと裏面側シートとの間に別のシート(機能性物質担持シート)を介して形成されていても良い。この場合、機能性物質は、機能性物質担持シート中に及び/又は機能性物質担持シートの肌当接面側に固定されていることが好ましい。
機能性物質の固定の場所に関しては、上述した2つ以上を組み合わせてもよい。また、左右のフラップに各々別の機能を発現する機能性材料を配してもよい。
JIS L1096(剛軟性測定法、E法)に準じて測定を行う。幅10mmの溝を刻んだ支持台上に、長手方向に50mm、幅方向に20mm切断したフラップを、溝と直交する方向に配置する。フラップの中央を厚み2mmのブレードで押した時に要する力を測定する。本発明で用いられる装置は、大栄科学精機製作所製、風合い試験機(ハンドルオ・メーター法)、HOM−3型(商品名)である。3点の平均値を測定値とする。得られた測定値に基づき、以下の基準に従って柔軟性を評価する。
○:ハンドルオ・メーターの測定値が0.15N以下である。
△:ハンドルオ・メーターの測定値が0.15Nを超え、0.3N以下である。
×:ハンドルオ・メーターの測定値が0.3Nを超える。
すなわち、吸収性物品からフラップを基底部から分離し、質量w1(10枚分の合計)を測定する。得られたフラップを、25℃、65%RHの環境下で生理食塩水500ml中に30g分間で浸漬し、生理食塩水から取り出し、30分間、垂直につるして質量w2を測定する。吸水後の質量w2から吸水前の質量w1を減じて、吸水量を求める。測定は複数のフラップ(たとえば10枚)で行うことが好ましく、その平均値でフラップ1枚あたりの吸収量を求める。
好適なシートの例としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布であり、肌当接面側の繊維が細く(密度が高い)、非肌当設面側の繊維が太い(密度が低い)構造(肌当接面側から、密疎の構造をとる)ことが好ましく、あるいはまた、肌当接面側の透過性(親水性)が高く、非肌当設面側の親水性が低い状態が好ましい。
耐水圧および透過性(親水性)の評価は以下のようにして行う。
耐水圧の測定は、JIS L1092繊維製品の防水性試験方法に準じて行う。JISに示された耐水度試験(静水圧法、A法)は主に通気性のない繊維製品に適用されるものとして定められており、通気性のある製品に適用する場合はスプレー法を適用する。しかし、吸収性物品の場合、実使用時を想定するとスプレー状に液体の負荷がかかる場合は想定されにくく、むしろ耐水度試験の条件に即していると考えられる。すなわち、本発明による耐水圧の試験は次のようにして行う。
耐水圧(g/cm2)=(0.1×t)÷(1.75×1.75×π)
特開平4−197257記載の方法に準じて行う。すなわち、No.5Aろ紙を不織布に重ねた以外は、上記耐水圧の試験と同様にして、試験を行う。人工尿が不織布を通じて下方からもれ始めるまでの時間を測定値とする。
装着時は、本発明の吸収性物品1を下着の股下部に配置し、本体10と各フラップ20との間に下着を挟み込むように各フラップ20を本体10との境界部周辺で被肌当接面側に折り返す。好ましくは、吸収性物品1は、バックシート12の非肌当接面側に配置された粘着剤、およびフラップ20に設けられた粘着剤により、下着に固定される。
使用後、本発明の吸収性物品1を下着から取り外し、各フラップ20がトップシート11上の濡れた面に接触するように各フラップ20を吸収体12との境界部周辺で肌当接面側に折り返す。このとき、フラップ20に配置されている機能性物質50が排泄液に接触し、活性化して作用し、その機能(例えば、消臭作用や易洗浄作用など)を発揮する。図2の後部フラップ30を具備する形態で、後部フラップ30に機能性物質50を有する場合には、使用後に後部フラップ30は肌当接面側に折り返して、機能性物質50の機能を発揮させる。
また、別の実施形態として、図1におけるフラップ20の基底部の長さL1に対して、先端部の長さL2が長い形態が挙げられる(図示せず)。この場合、フラップ20の基底部の長さL1は30〜60mm、フラップ20の先端部の長さL2は60〜100mmである。
例えば前記実施形態では、本発明の吸収性物品の適用例の一つとして生理用ナプキン、を挙げたが、例えば使い捨ておむつ、パンティライナ、失禁ライナー、吸収パッド(尿取りパッド)等にも適用できる。
消臭粒子(銀担持ポリマー)を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。
ヘプタン296gにモノマー(ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=75/25)592.7g及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65B、商品名、和光純薬工業(株)製)11.0gを溶解させ、これにポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−30、商品名、日本合成化学工業(株)製)15.6gを溶かした1600gの水溶液を加えて重合槽に仕込んだ。モノマー混合物および有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.37及び7.40であり、その差は1.97であった。ホモジナイザーを用いて、5000rpmで10分間撹拌することで乳化し、これを128rpmの撹拌条件下、60℃で6時間加熱することで重合した。これに1−ブタノールを750g加えた後、減圧乾燥を行い、水と有機溶剤を除いた。このようにして得られた粒子100gに対し、水263g、イソプロパノール23g、酢酸銀0.5g、クエン酸1.0gを加え、室温で1時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過し、乾燥することによって消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は23.5μmであった。得られた消臭粒子のBET比表面積は、234m2/gであった。
BET比表面積は、フローソーブ2300(島津製作所製)を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の質量で除して比表面積を求めた。
機能性粒子をヘキサンあるいは水に分散させた状態でコールターカウンター(Coulter Corporation製)により体積平均粒子径の測定を行った。
図1に示す如き生理用ナプキン(防水シート、粘着部は具備せず)を次のようにして作製し、得られたナプキンを実施例1のサンプルとした。
針葉樹パルプ(NBKP)70質量部とクリンプ構造を有するパルプ(商品名:HighBulk Additive(以下HBAと称す)、ウエハウザー(株)製)30部を水中で攪拌混合し、水溶性結合剤として、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称す)(商品名:ゴーセノール p−250、日本合成化学(株)製)5部及びジアルデヒドデンプン(商品名:カルダス、日本カーリット(株)製)10部をそれぞれ水中に分散し、これらを抄紙し、乾燥した後、秤量25g/m2の嵩高紙を得た。
吸収体として、開繊したフラッフパルプ100質量部と吸収性ポリマー100質量部を気流中で均一混合したものを積繊して、合計坪量100g/m2の積繊体を得た。積繊体を、ホットメルト粘着剤をスプレー塗工した坪量16g/m2のティッシュペーパーで包みこんだ。得られた吸収体は、幅70mm、長さ210mmに切断して使用した。
得られた吸収体と、花王(株)製軽失禁パッド(商品名:フリーデイデオドラントライナー中量用)における吸収体を除く他の材料を用い、バックシートの形状を実施例1の生理用ナプキンと同様の形状として軽失禁ライナーを作製した。
また、フラップに配する機能性物質をゼオライトに変更した。ホットメルトの塗工量を3g/m2、消臭粒子の散布量を50g/m2とした以外は実施例1と同様にして軽失禁パッドを得た。
実施例2のフラップに配する機能性物質を上記合成例の消臭粒子に変更した。ホットメルトの塗工量を3g/m2、消臭粒子の散布量を10g/m2とした以外は実施例1と同様にして軽失禁パッドを得た。
フラップとしては、以下に示す肌面側シートと裏面側シートとをホットメルトによって接着したものを用いた。
肌表面側シートとしては、二層構造の不織布、すなわち上層は繊維径3.3dtex、繊維長51mm、坪量15g/m2であり、下層は繊維径5.5dtex、繊維長51mm、坪量15g/m2であって、上下層の繊維組成は、芯がポリプロピレン(m.p.160℃)、鞘がポリエチレン(m.p.130℃)の芯鞘構造の繊維を用いて、エアスルー法により製造したものを用いた。
一方、裏面側シートとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.925g/cm3)40質量部および炭酸カルシウム60質量部を溶融混練後、フィルム状に押し出し、縦1軸方向に2.5倍延伸し、開孔処理を施した透湿フィルム(坪量20g/m2、透湿度2.1g/100cm2・hr)のものを用いた。
なお、ホットメルトは裏面側シート側にスロットコーター方式により20g/m2で塗工し、該ホットメルト上に、各フラップ各々に金属イオン捕捉剤としてクエン酸3ナトリウム0.3gずつを配し、裏面側シート側にスパイラルスプレー10g/m2を塗布した肌側シートを重ねて、フラップに金属イオン捕捉剤を配した。
次に、フラップ基底部において、上記の肌面側シートと裏面側シートとをヒートシール〔シール温度(設定温度、150℃)〕により、5mm幅の液遮断部を直線状に形成した。得られた生理用ナプキンは、製品外周を所定の形状に切断し、かつ、周縁部を幅4mmでヒートシールし、これにより、金属イオン捕捉剤がヒートシール部で囲まれた構造を形成した。
実施例1の生理用ナプキンに対して、機能性粒子を入れずに作製した。
実施例1の吸収体を作製する際に、吸水ポリマーと一緒に金属イオン捕捉剤(クエン酸三ナトリウム)を散布することで、吸収体中に金属イオン捕捉剤を配した以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
実施例2の吸収体を作製する際に、吸水ポリマーと一緒にゼオライトを散布する以外は実施例2と同様にして軽失禁パッドを得た。
実施例1および比較例1、比較例2の生理用ナプキンに関して、脱繊維馬血を用いて以下の評価を行った。
吸収体と同じ面積を有する厚さ3mmのアクリル板の中央部に、内径10mmの孔を開け、その周りを覆うように内径15mmの円柱を立てた。
アクリル板の両端に各5g/cm2の荷重となるように錘を載せた。円柱部に脱繊維馬血(日本バイオテスト社製、適宜血漿を足して粘度を8cPに調整)6gを約1秒で注入した。吸収後、3分間その状態を保持した。次いでアクリル板と重りを外し、生理用ナプキンの肌当接面上に、7cm×10cmで坪量30g/m2の吸収紙(市販のティッシュペーパー)を10枚重ねたものを載せた。更にその上に圧力が660Paになるように重りを載せて2分間加圧した。加圧後、吸収紙10枚を取り出し、加圧前後の吸収紙の重さを測定して、吸収紙に吸収された血液量を求めた。この値を、生理用ナプキンから戻った血液の液戻り量とした。
〔評価基準〕
液戻り量
○:1.0g未満
△:1.0g以上1.5g未満
×:1.5g以上
生理用ナプキン1は、下記手順1〜3に従って洗浄性の評価を行った。
手順1:生理用ナプキンの表面層側から該生理用ナプキンに馬脱繊維血液12gを注入し、室温25℃の環境下で30分間放置後、トップシート上に付着した血液を略覆うようにフラップを折り返す。水温25℃、硬度5°DHの水で、前記フラップを包み込むように手で握り、水をかけながら3分間もみ洗いする。しかる後、該生理用ナプキンを手で絞り、ナプキン内部に含まれている水を可能な限り絞り出す。
手順2:前記手順1で得られた湿潤状態の生理用ナプキンの表面層側における、血液によって赤色に染まった赤色部分の最も赤みの強い点5箇所について、分光色差計を用いて赤色度合いa*値を測定する。
手順3:前記手順2で得られた5つの測定値から最大値及び最小値を除いた3つの測定値の平均を、生理用ナプキンの赤色度合いa*値とする。
また、前記手順1〜3において、ナプキンの洗浄に用いる水としては、電気伝導度1μS/cm以下のイオン交換水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを溶解することにより調製される水で、カルシウムイオンとマグネシウムイオンとの含有比(カルシウムイオン:マグネシウムイオン)が7:3で且つドイツ硬度が5°DHの水を用いた。
尚、使用済みの生理用ナプキンを水洗する習慣がある国の一つである、インドネシアの生活用水は、地域によってその硬度が異なるが、前記手順1〜3で用いるドイツ硬度5°DHの水は、少なくともインドネシアの一部で使用されている生活用水と略同じである。
また、前記手順1において、血液を注入されたナプキンを洗浄前に30分間放置する環境は、気温25℃、湿度60%とした。
〔評価基準〕
洗浄性
○:a*値が7未満である。
△:a*値が7以上10未満である。
×:a*値が10を超える。
吸収体と同じ面積を有する厚さ3mmのアクリル板の中央部に、内径10mmの孔を開け、その周りを覆うように内径15mmの円柱を立てた。
アクリル板の両端に吸収体にかかる圧力が2kPaとなるように錘を載せた。円柱部に着色した生理用食塩水を60g注入した。着色には赤色1号を用い、色素の添加量は50ppmとする(生理食塩水10リットルに対して0.5g)。注入完了から10分後に、アドバンテック社製のろ紙No.4Aを10枚重ねたものを軽失禁パッド上に置いた。ろ紙の上から5.15kPaの圧力を2分間加えてろ紙に生理食塩水を吸収させた。ろ紙の質量を測定し、質量の増加分を液戻り量とした。測定は3点行った。
〔評価基準〕
液戻り量
○:0.3g未満
△:0.3g以上0.5g未満
×:0.5g以上
実施例2および実施例3、比較例3の軽失禁パッドに関して、以下の評価を行った。
成人男性5名の尿を各100ml混合した人尿500mlを調整する。前述のようにして得られた各モデル吸収性物品に人尿30gを吸収させ、フラップを折り曲げて、吸収面を覆い、製品長手方向にほぼ均等に3つ折にした状態で、容積1.2リットルの密閉容器(タイトボックスNo.3:蝶プラ工業株式会社製、商品名)中に素早く入れて気密状態にした。60分後に該容器の蓋を開け、容器中の臭いを5名のモニターに評価させた。その評価基準は以下の通りである。5人の評価の平均を算出し、その値を臭気強度の官能値とした。官能値は、その値が小さいほど臭気が弱いことを意味する。なお、使用した人尿は、実施例及び比較例で全て同じものを用いた。評価結果を下記表1に示す。
下記基準に従って、各人に評価してもらい、平均値を算出した。
3.0;尿特有の匂いを強く感じる。
2.0;尿特有の匂いを感じる。
1.0;匂いを感じるが、尿臭の匂いとは感じられない。
0.0;匂いがしない。
平均値が2以下であれば尿のにおいを感じず、消費者調査において消臭性能に対する評価は高くなることがわかっている。
これらに対し、フラップに機能性物質を配した実施例1〜3では、機能性物質によって吸収性能が阻害されることなく、かつ機能性物質が失活することなく洗浄性または消臭性に優れることがわかった。
10 本体
11 トップシート
12 バックシート
13 吸収体
20 フラップ
21 液拡散防止手段
30 後部フラップ
31 サイドシート
32a、32b エンボス列
41 外周縁部
50 機能性物質
Claims (6)
- 液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記両シートの間に挟まれた吸収体を有する本体と、該本体の左右両側縁から幅方向外方に延設されるフラップとを備えた吸収性物品であって、
前記フラップに、液及び/又は液中の成分と作用する非膨潤性の機能性物質を有することを特徴とする吸収性物品。 - 前記機能性物質が、金属イオンの捕捉能を有する物質である、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記機能性物質が、消臭を有する物質である、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記フラップが、肌面側シート、裏面側シート及び機能性物質担持シートからなる、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記吸収体と前記フラップとの間に液拡散防止手段が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記機能性物質が、前記液拡散防止手段よりも幅方向外側に配されている、請求項5記載の吸収性物品。
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