JP2011030901A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】失禁パッド等のこの種物品に求められる良好な着用感等の基本的な性能を有し、かつ、極めて高い消臭性及び抗菌効果を長時間持続する吸収性物品の提供を課題とする。
【解決手段】表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備する吸収性物品であって、前記表面シート2と前記吸収体4との間には、抗菌シート7と消臭層11が配され、前記吸収性物品の縦方向について、前記消臭層11の前後端縁は前記吸収体の前後端縁よりも内側に位置し、前記抗菌シート7は前記消臭層11の前後端縁を越えてさらに前後に延在し、かつ、少なくとも前記表面シート2には、厚み方向に関して前記吸収体4にまでは到達しないその周囲より圧密化された圧密部21が多数、平面視において前記消臭層11の配された領域からのその前後端縁を越えて縦方向に延在する吸収性物品。
【選択図】図1

Description

本発明は、失禁パッド、失禁ライナ等の吸収性物品に関する。
腹圧性失禁に代表される健常な成人にも起こりうる失禁に対するケア用品の利用者が増え、その着用感や性能が重要視されてきている。このような失禁に対しては、健常な成人の日常生活に支障のないよう、パンツ形状ではなく下着の内部に装着できるパッドの形態をとることが望ましい。これにより見た目や着用に係る違和感を抑えることが可能である。一方、失禁に伴う臭い(以降、「尿臭気」という。)は、排泄初期はもとより、吸収体内部に吸収された後においても生じ、周囲にはさほど気にならない程度であっても、気付かれているのではないかという心配から、着用者には特に気になることである。このような問題に対して、本出願人はこれまでに消臭剤含有シートを配した吸収性物品(例えば、特許文献1〜3)や抗菌剤含有シートを配した吸収性物品(例えば、特許文献4)を提案してきた。また、本出願人は、この尿臭気をより効果的に抑えるものとして、消臭剤を有する活性炭シートと抗菌剤を有する抗菌シートとを組み合わせて適用した失禁パッドも提案している(特許文献5)。ここで具体的に開示されている失禁パッドには表面シートから抗菌シート及び活性炭シートを介して吸収体にまで深く到達する平面視における線状の溝が左右に形成されている。
特開2000−318108号公報 特開2001−309968号公報 特開2001−346828号公報 特開2005−232654号公報 特開2006−191966号公報
ところで、失禁パッドに代表されるこの種の吸収性物品は半日あるいはそれ以上の比較的長時間に亘り使用されることがある。たとえば、着用者が比較的若年層であって、多忙のため交換の機会を失っていたり、この種の吸収性物品が比較的高価であったり、さほど多量の排泄がない着用者が対象であったりする場合に、そのような長期使用の要因になる。他方、着用者は健常者も多く、この場合は装着時のべたつき感がなく、しかも日常生活において臭気の発生を覚られない高い消臭性が要求される。本発明は、かかる失禁パッド等に求められる性能に加え、とくに想定外のやや多量の尿の排泄があった場合にも対応し高い消臭性を発揮することに着目したものである。
上記の点に鑑み本発明は、この種の吸収性物品に求められる良好な着用感や消臭性能などの基本的な性能を有し、かつ、やや多量の排泄尿にも好適に対応して吸収体の広い範囲へ拡散させながら素早く取り込むことと同時に極めて高い消臭性を長時間持続することが可能な吸収性物品の提供を課題とする。
本発明は、着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート、及び前記両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する、縦方向とこれと直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間には、抗菌剤を含有する抗菌シートが前記表面シート側に配され、消臭剤を含有する消臭層が前記抗菌シートより前記吸収体側に配されており、前記吸収性物品の縦方向について、前記消臭層の前後端縁は前記吸収体の前後端縁よりも内側に位置し、他方、前記抗菌シートは前記消臭層の前後端縁を越えてさらに前後に延在し、かつ、少なくとも前記表面シートには、厚み方向に関して前記吸収体にまでは到達しない、その周囲より圧密化された圧密部が多数、平面視において前記消臭層の配された領域からのその前後端縁を越えて縦方向に延在する吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、失禁パッド等に求められる着用感及び消臭性等の基本的な性能を満足し、しかもやや多量の排泄尿にも好適に対応して吸収体の広い範囲に拡散させその内部に素早く取り込むことを可能とし、しかも極めて高い消臭性及び抗菌効果を長時間持続することが可能という優れた作用効果を奏する。
本発明の吸収性物品における一実施形態としての失禁パッドを肌面方向から模式的に示した一部切欠斜視図である。 図1に示すII−II線断面の断面図である。 図1に示すIII−III線断面の断面図である。 本発明における一実施形態としての失禁パッドを肌面方向から模式的に示した平面図である。 本実施形態における表面シートに形成された圧密部を説明するための要部拡大断面図である。 本実施形態における圧密部の変形例を説明するための要部拡大断面図である。 本実施形態における圧密部のさらに別の変形例を説明するための要部拡大断面図である。 本発明における吸収体、消臭シート、及び抗菌シートの構造を模式的に示す分解斜視図である。
以下、本発明についてその好ましい実施形態を示し、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明における吸収性物品の一実施形態としての失禁パッドを、ほぼ着用時の状態で縦方向にみて肌面側に緩やかに湾曲した状態として、肌面方向から示した一部切欠斜視図である。図2は図1に示すII−II線断面の断面図であり、図3は図1に示すIII−III線断面の断面図である。
本実施形態における失禁パッド10は、着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート2、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を有している(図1参照)。失禁パッド10の幅方向に係る左右両側部には、起立防漏壁Tをなすサイドシート5,5が配されている。失禁パッド10は、着用された時に、着用者の腹部から股下部を介して背側部に向かう方向と沿うように配される縦方向と、これに直交する幅方向とを有している。
本実施形態における表面シート2は、幅方向にみて吸収体4上面の肌面領域Saを被覆しており、かつ、吸収体4の両側面領域Sbを越え吸収体4の非肌面領域Scへ巻き込まれ固定されている(図2参照)。一方、裏面シート3は、吸収体4のほぼ非肌面領域Scのみに配されている。ここで吸収体の肌面領域Saとは、領域境界線SとSとで挟まれた吸収体の着用者の肌に向かう面の領域Saをいう。これに対し、非肌面領域Scとは吸収体の肌面領域Saとは反対側の領域であり、左右両側領域Sbは吸収体の幅方向の左右の両側における領域である。なお、領域の区別は機能的ないし形態的に定められればよく固定的ではなく、また図2においては、図面中の符号が混み合うことを考慮し図面左側(境界線S側)のみ詳細に示している。裏面シート3の非肌面側には、失禁パッド10の幅方向に延びる着衣固定用の粘着剤6が塗布されている。該粘着剤によって、失禁パッド10が使用者の着衣に接着固定される。本実施形態の失禁パッド10は、その表面シート2側を着用者の肌面に向け、かつ、その縦方向を下腹部から臀部にかけて配し、換言すればその幅方向を左右の脚をつなぐラインの方向に向けて配して着用する。
図1に示すとおり、本実施形態における失禁パッド10の表面シート2には肌面側から押圧された圧痕からなる圧密部(エンボスによる凹部)22が多数配設されている。そして、平面視において該多数の圧密部が配列し、失禁パッド10の縦方向及びこれと直交する幅方向に頂点をもつ菱形が整列した格子状のエンボスパターン20が形成されている。なお、本発明における圧密部22は厚み方向に関して吸収体4にまでは到達しておらず、この点で線状溝8とは異なる。
ここで本実施形態の失禁パッド10の特徴的作用について説明する。前記圧密部22の毛細管力によって、吸収性物品における基本的な機能、例えば、液残り、液戻りの防止、べたつき感、かぶれ等の肌トラブルなどの解消に資するとともに、表面シート2の広範囲(縦方向消臭層配置領域Q、縦方向端部領域R)に尿を拡散させて、広い面でこれを吸収体内部に素早く取り込む。通常、排泄尿は排尿部を中心に同心円状に拡散しながら吸収体に吸収されるため、吸収体縦方向端部より幅方向端部に液が早く到達し易くなる。幅方向端部の吸収体が液吸収飽和状態になると液溜まりが生じてしまうと、漏れが生じうる。これに対し本実施形態においては、圧密部を縦方向に配することで排泄尿が縦方向に拡散し易くなり、漏れが生じにくくなる。しかも、消臭及び抗菌の作用を極めて効果的に発揮する。この効果は、特に、圧密部を格子状に配することにより排泄尿が横方向と縦方向にバランスよく拡散し易くなるので、より発揮されやすくなる。更に、圧密部が図1に示すような、物品縦方向に対して菱形の格子状(斜め格子状)の配置であることが、拡散速度が制御し易いので好ましい。
例えば、排泄尿が通常量の場合、圧密部22,22,22を伝って主に縦方向消臭層配置領域Q内ですばやく拡散しながら(図1参照)、抗菌シート7、消臭層1を通過して吸収体内に閉じ込められる(図2参照)。このときの初期臭は消臭層によって効果的に遮断される。一方、不意に排泄尿が想定外に多量であった場合、かえって圧密部22,22,22がなすパターン20に沿って縦方向消臭層配置領域Qから縦方向端部領域Rにまで時間の経過とともに拡散してしまうことがある(図1参照)。このときにも、そこに抗菌シート7があるため時間が経過したときにおこる腐敗臭を効果的に抑制し閉じ込める。そして、その初期臭の抑制にはさほど関与しない縦方向端部領域Rに雑菌増殖の温床となりうる消臭層1がない構造としたため(図3参照)、抗菌シート7の抗菌作用が極めて効果的に発揮される。
前記圧密部22がなすエンボスパターン20は、前述のような多数の圧痕が格子状に配列された形態の他、通常この種の物品に適用されるものを広く採用することができ、例えば線状圧密部や、その他様々な形状の圧密部を組み合わせて格子状や千鳥状など様々なエンボスパターンを適宜採用することができる。
また、本実施形態における失禁パッド10の表面シート2の肌面側には、失禁パッド10の縦方向(本実施形態においては長手方向)に延びる中心線Lに向かってその中央が張り出すように湾曲した一対の線状溝8,8が形成されている。前記線状溝8,8は、縦方向に延びる一本の溝であってもよく、個々の凹凸が縦方向に連接されて線状に形成されるものであってもよい(図1参照)。
ここで前記線状溝8は、本発明の特徴的構成をなす前記圧密部22とはその構造・作用が異なるものである。つまり、前記圧密部22は吸収体までは到達しない構造であるのに対し、前記線状溝8は表面シート2から吸収体4までをその他の部材を介してエンボス加工等によって一体化して形成される。また、前記圧密部22は排泄尿を素早い拡散と吸収とによって吸収体4内に閉じ込める作用を奏するものであるのに対し、前記線状溝8は、失禁パッドの左右両端縁1tより幅方向内方でかつ、サイドシート5の折り返し部5rより幅方向内方に位置し、失禁パッド10が変形するための可撓軸として作用する(図2参照)。その結果、失禁パッド10の着用時に、失禁パッド10は線状溝8,8に沿って折曲して着用者の体型や動作に沿った形状に変形しやすくなり、着用感を向上させる。
また、前記圧密部22がなすエンボスパターン20を線状溝8,8の周辺及びその間にのみ配置することで、幅方向への拡散を尿漏れされない範囲に制御し易くなり、かつ縦方向の液拡散へと導くことができる。
図2は図1における失禁パッド10の縦方向消臭層配置領域QでのII―II断面を示している。縦方向消臭層配置領域Qは、失禁パッド縦方向において吸収体4の前後端縁より内側に位置しており、その詳細については図4に基づき後述する。本実施形態において失禁パッド10の縦方向消臭層配置領域Qでは表面シート2と吸収体4との間に吸収体全体を被覆した抗菌剤を含有する抗菌シート7が配置されている。そして、さらに肌面領域Saと側面領域Sbの一部とを被覆し左右両側端縁1tを側面領域Sbに留めた、消臭剤を含有する消臭層11を介する消臭シート1が配設され、表面シート2からみて抗菌シート7及び消臭層11の順に配置されている。つまり、吸収体4の非肌面領域Scには消臭層11が存在せず、他方抗菌シート7がその領域にあり吸収体4に当接して配設されている。
ここで本実施形態の失禁パッド10における抗菌シート7と消臭層11とを組み合わせて用いる作用について説明する。人体から排泄される前の尿には腎臓等の作用により腐敗臭を促す雑菌等は存在せず、それのみであれば初期臭をなす尿独特の甘い芳香臭を発する。腐敗臭を発生させる雑菌は皮膚に常在しており、その肌上にある雑菌は失禁パッド10と接触して表面シート2に移行する。排尿があると雑菌は尿とともに失禁パッド10に拡散し、また、表面シート2から裏面シート3側に向かって浸透していく。抗菌シート7、消臭層11を通過した雑菌混入尿は吸収体4及び消臭層11に保持されてしまうと、そこで時間の経過とともに雑菌は増殖していく。
これに対し、本実施形態における上記構成の失禁パッド10によると、まず表面シート2の肌面側において、雑菌混入尿は、表面シート2側にできた凹部21の部分で若干肌から離れながら凸部24からその周辺の間欠的に配された複数の圧密部22に向かって導かれるようにして移行し、縦方向についていえば、縦方向消臭層配置領域Q内の排泄部対応領域であるA領域及から周辺領域であるB領域(図4参照)にまで拡散される。それと同時に、前記雑菌混入尿は、素早く液残りすることなく、圧密部22(図5参照)に沿って抗菌シート7を通過して厚み方向に浸透していく。本実施形態においては、抗菌剤を含有する抗菌シート7が吸収体4の肌面領域Saのみならず側面領域Sb及び非肌面領域Scにまで延び、消臭層11及び吸収体4に接しながら全体に亘り包むように被覆している(図2参照)。そのため肌面領域Sa側の抗菌シート7がこれと当接する面においてその増殖活動を抑制し、その結果、肌面領域Sa側の消臭層内及び非肌面領域Sc側の吸収体内の雑菌による尿成分の分解を鈍化させ腐敗臭を極めて効果的に抑制する。本実施形態においては消臭層11を吸収体4の下側の非肌面側Scに配置させず雑菌繁殖の温床とせず、ここで吸収体4に当接する抗菌シート7により雑菌の増殖活動が効率的に抑止される。それにより腐敗臭の発生を極めて効果的に抑えることができる。すなわち、初期臭と、これと消臭のメカニズムが異なった腐敗臭との二段階で消臭層11及び抗菌シート7が本実施形態において効果的な構成で機能し尿臭気の外部への放出を阻止する。
また、上記の縦方向消臭層配置領域Qにおいて消臭層11が吸収体4の下側に配置されない構造は、部材が少なく柔軟である。そのため、体のねじれ等に対する追従性が向上する。それにより失禁直後の尿を縦方向消臭層配置領域Qに吸収させることができ、初期臭を効果的に抑えることができる。さらに本部位での柔軟性は肌にやさしく、また着用して動いた時の部材同士のこすれから発生する音も低減させる効果を発揮し、日常生活における快適性をも向上させる。
本実施形態における表面シート2は、肌面側にある上層シート2aと非肌面側にある下層シート2bとからなる(図2参照)。その例としては各種不織布(例えば、エアスルー不織布やスパンボンド不織布など)の重ね合わせた構成や、不織布とフィルムとのラミネートからなり多数の開孔が形成されている複合シート等が用いられる。裏面シート3としては、液不透過の熱可塑性樹脂製のフィルムなどを用いることができる。このように表面シートを多層構造とすることで、抗菌シート7と着用者肌が直接触れることが有効に避けられるので、本来ヒト皮膚表面に存在すべき常在菌に悪影響を及ぼすことを防止することが容易となる。該熱可塑性樹脂製のフィルムは透湿性を有していてもよい。吸収体4は、吸液性の繊維材料、例えばパルプを主体とし、これに高吸収性ポリマーの粒子が混合されて構成されている。
本実施形態における消臭層11は、詳細な成分は後述するが、活性炭を含む層であり、これと別層との積層構造をなし消臭シート1を構成することが好ましい。消臭機能を有する消臭剤混抄紙である消臭層11は、図8に示すように、肌面側パルプシート12及び非肌面側パルプシート13に挟持されている。消臭層11とパルプシート12,13とは、抄き合わせ又は接着剤等を用いた貼り合わせにより積層される。消臭層11の大きさはパルプシート12、13の大きさよりやや小さくされ、2枚のパルプシート12、13の接合部1sを左右に形成して活性炭を含む消臭層11を介在封入するようにする。そのため両シート12、13の長さが消臭層11より左右に長くされ、消臭層11の左右端縁11tを越え延在するようにされている。一方、前後方向においては消臭層11とパルプシート12,13の長さがそろえられている。消臭シート1の厚みは、用途に応じて適宜調整されればよいが、好ましくは0.1〜2.0mm、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。パルプシート12、13の厚みは、用途に応じて適宜調整されればよいが、好ましくは0.1〜2.0mm、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。
本発明においてシート材の厚みは、特に断らない限り、測定法としてはキーエンス社製のレーザー厚み計(商品名:LK−080)にて0.245kPaの荷重下で測定した値を厚みとした。
本実施形態における抗菌シート7は、ジビニルベンゼンと2−ビニルピリジンとの共重合体に銀イオンが坦持された多孔質構造体からなり、消臭効果も具備した繊維シートである。本剤により極めて高い抗菌作用が得られる。そのため、この極めて高い抗菌作用と、上述した表面シート2側に配設した圧密部22がなすエンボスパターン20を設けた本実施形態の構造とが相まって、従来の抗菌剤ないし従来構造のみでは両立しがたい初期臭の消臭と腐敗臭の発生抑制を高いレベルで実現することができる。
サイドシート5がなす起立性の防漏壁Tは、起立壁部Tと防漏面部Tとから構成されている(図2参照)。起立壁部Tにおいて、サイドシート5の一端5i側が吸収体4と裏面シート3との間に配置されて挟持固定されている。固定手段としてはホットメルト粘着剤等の接着剤による接着が用いられる。起立壁部Tの他端(自由端部)5f側は折り返し部5rを介して防漏面部Tに連設している。防漏面部Tは、失禁パッド10の幅方向外方にほぼ水平に張り出しており、表面シート2とほぼ平行になった平坦な面を形成している。また、防漏面部Tは、自然形状において表面シート2よりも肌面側の高い位置に形成されている。これによって、失禁パッド10の着用時に、防漏面部Tが着用者の肌に面で密着当接し、横漏れが効果的に防止される。更に、面で密着当接していることによって、着用者の動作によって失禁パッド10がよれても、着用者の身体との間に空隙が発生し、横漏れが効果的に防止される。自由端部5fの内部には、これに沿って糸ゴムからなる弾性部材15が伸張状態で固定されている。この弾性部材15によって防漏面部Tの平坦な形状が良好に形成及び維持される。また、これら弾性部材の収縮によって、サイドシート5にはギャザーが形成されている。
上記構造を有するサイドシート5における起立壁部Tによって、サイドシート5と、吸収体4との間にはポケットPが形成されている(図2参照)。これにより、排泄された液が表面シート2の表面を伝って流れ出ても、ポケットPに捕捉されて、それ以上の流出が阻止される。ポケットPに捕捉された雑菌混入尿は起立壁部Tに沿って導かれ吸収体4の側部や下側に周りこむように移行する。液不透過性である裏面シート3の肌面側に達した雑菌混入尿は吸収体4の下側からも逆戻りして吸収されうるが、本実施形態にいてはこの部分には消臭層11が無い。そのため雑菌混入尿に対し抗菌シート7が当接し、その抗菌作用を発現して雑菌の増殖を抑制する。これにより、やや多めの失禁時においても効果的な消臭性能を発現させることが可能である。
図4は本発明における一実施形態としての失禁パッド10を肌面方向から模式的に示した平面図である。失禁パッド10の外形よりも小さく破線で示されているのが吸収体4及び抗菌シート7である。本実施形態において吸収体4と抗菌シート7との平面視における外形は同一である。したがって、抗菌シート7の縦方向の前後端縁7i、7fが前記消臭シート1の前後端縁1i、1fを越え失禁パッド10のほぼ全域に配されている。このようにされていることが上述のように、十分な抗菌性能を発現する点から好ましい。
前述のとおり、尿の素早い拡散と液残りを抑制するような吸収は、圧密部22における繊維密度とその周辺の凸部24における繊維密度との差がもたらす毛細管力の勾配から生じる。この繊維密度の差がもたらす毛細管力の勾配が、尿の移動速度すなわち拡散速度を速める。拡散速度を速められた尿は、エンボスパターンに沿って縦方向へと広く拡散すると共に、同時に圧密部22の高い繊維密度によって、縦方向消臭層配置領域Qにおいては抗菌シート7及び消臭層11を介して吸収体4へと素早く送り込まれ(図2、図5参照)、縦方向端部領域Rにおいては抗菌シート7を介して直接吸収体4へと素早く取り込まれる(図3参照)。ここで繊維密度とは、表面シート2の所定領域における単位体積あたりの繊維の質量をいうが、圧密部22においてはその領域の坪量をその領域の全体厚みで除したみかけ密度をいう。本実施形態における圧密部22ないしそれにより構成されるエンボスパターン20は、表面シート2(上層シート2a及び下層シート2b)を所定間隔で突起を有するエンボスロールで圧搾することによって形成することができる。例えば、多数の所定形状を有する突起(エンボスピン)が所定のパターンで配設されたエンボス面(エンボスロールの周面等)を表面シート2に圧接し、各ピンにより加熱圧搾された部位における表面シート2の上層シート2a及び/又は下層シート2bの構成繊維を溶融させて行うなどである。
表面シート2に排泄された尿は、表面シート2における低密度の凸部24から高密度の圧密部22に引き込まれて速やかに移行する。このような尿の移行は、複数の凸部24からこれを囲む複数の圧密部22へ向けて多方向に同時に行われるので、全体としては連動し中央で排出された尿がエンボスパターン20に沿って拡散される(図4参照)。拡散された尿に対し抗菌シート7及び消臭層11を縦方向において前記特定の配置関係としたことで、その排泄量に応じて選択的に機能し、初期臭とその後の腐敗臭とを効果的に抑制することができる。かかる相互作用に鑑み、複数の圧密部22からなるエンボスパターン20は、機能的な配列とすることが好ましく、前記格子パターンとすることが特に好ましい。また、同様の観点から、前記エンボスパターン20は、幅方向中央に配し、かつ線状溝8,8の周辺及びその間に配置することが好ましい。さらに上記相互作用を高める観点で下記の諸元を満たすことが好ましい。
○圧密部22の繊維密度(D)は0.10〜0.85g/mmが好ましく、0.13〜0.65g/mmがより好ましい。
○凸部24の繊維密度(D)は0.02〜0.08g/mmが好ましく、0.03〜0.06g/mmがより好ましい。
○凸部24の繊維密度(D)と圧密部22の繊維密度(D)との比率(D/D)は、1/4以下が好ましく、1/10以下がより好ましい。
○1個の圧密部22の平面視の面積は、0.25〜25mmが好ましく、0.9〜9mmがより好ましい。
○表面シート2における断面高さの高低比率u/u(図5参照)は、4/1以上が好ましく、10/1以上がより好ましい。該断面高さの測定法は、表面シート2の任意の箇所における切断面を50倍の顕微鏡によって観察し、視野中の各10点の高さそれぞれについて平均値をu、uとした。なお、視野中に圧密部22、凸部24が10点取れない場合には、複数の試料について観察された各高さの平均を取ればよい。
○圧密部22,22の距離k(図4参照)は、0.2〜5mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましい。
本発明において圧密部22は、表面シート2にのみ形成されるものに限定されず、表面シート2から抗菌シート7まで及ぶもの、あるいは表面シートから抗菌シート7及び消臭層11まで及ぶものがあってもよい。
図6に示す圧密部22aは、表面シート2から抗菌シート7まで及ぶものであり、表面シート2の雑菌混入尿を直接的に抗菌シートへ送り込むことができる。その観点から、前記圧密部22aは、失禁パッド10の縦方向消臭層配置領域Qのみならず縦方向端部領域Rにも配置できる。前記圧密部22aを縦方向端部領域Rに配置した場合、前述のおとり、時間の経過とともに発生する腐敗臭を効果的に閉じ込めて抑制することができる点で好ましい。
図7に示す圧密部22bは、表面シートから抗菌シート7及び消臭層11まで及ぶものであり、表面シート2の雑菌混入尿を素早く消臭層11へ送り込むができる。前記圧密部22bは、失禁パッド10の縦方向消臭層配置領域Qにおいて、初期臭をより効果的に抑制することができる点で好ましい。
前記圧密部22aにおいては、表面シート2(上層シート2a及び下層シート2b)、抗菌シート7までの断面高さuに対し、圧密部22の断面高さはuである(図6参照)。この場合の断面高さの高低比率u/uは、4/1以上が好ましく、10/1以上がより好ましい。
前記圧密部22bにおいては、表面シート2(上層シート2a及び下層シート2b)、抗菌シート7、肌面側パルプシート12、及び消臭層11までの断面高さuに対し、圧密部22の断面高さはuである。この場合の断面高さの高低比率u/uは、2/1以上が好ましく、3/1以上がより好ましい。
失禁パッドないし吸収体の縦方向消臭層配置領域Qと縦方向端部領域Rの各縦方向の長さは機能的に配分されればよく、特に限定されないが、縦方向消臭層配置領域Q長さと縦方向端部領域R長さの比率c/(c+e+e)は0.35〜0.95が好ましく、0.42〜0.75がより好ましい。成人用の失禁パッドとして使用する場合は、製品の全長にもよるが、端部領域Rの長さeは10〜90mmが好ましく、20〜70mmがさらに好ましい。また、縦方向消臭層配置領域Qの長さcは70〜180mmが好ましく、80〜150mmがさらに好ましい。なお、消臭層配置領域Qとは体液の排泄を直接受ける部分及びその近傍である。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではない。例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁ライナ等に本発明を適応することができる。また、尿臭に限らずその他、経血臭、オリモノ臭、便臭等に対しても効果的である。
上記実施形態の失禁パッド10の消臭層11及び抗菌シート7の材料、製法における条件や、製品の緒元は特に限定されないが、特開2001−70339号公報、特開2008−63711号公報に記載の事項を参照することができる。
本実施形態における消臭シート1は消臭剤を含有した消臭層11を2枚のパルプシート(親水性)12、13の間に介在してなる(図8参照)。消臭層11は、多孔性消臭剤と繊維原料を主体としてなる。繊維原料としては、NBKP、LBKP等の木材パルプの他、藁、綿等の非木材パルプ等の公知の天然繊維が使用できる。また、シート強度を向上させる目的で、ポリエチレン繊維等の合成繊維を適宜混合してもよい。消臭層11における繊維原料の含有率は、好ましくは50〜99質量%、更に好ましくは70〜97質量%である。50質量%以上とすることにより、シート強度やフレキシブル性が十分なものとなり、99質量%以下とすることにより消臭効果が十分に奏される。
パルプシート12、13としては、紙、不織布等が用いられる。紙とした場合、繊維原料としては、消臭層11と同様のものが使用できる。また、不織布とした場合、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等の公知の不織布がいずれも使用できる。
前記多孔性消臭剤は、孔直径20〜200Åの細孔の容積が多孔性消臭剤1g中に0.2ml/g以上のものが好ましく、0.6ml/g以上となるように、該細孔を有しているものがより好ましい。孔直径が小さすぎると粒子径が大きい場合など、吸着速度が遅くなり、消臭機能が発揮できないことがある。細孔の容積が小さすぎると、消臭剤の必要量が多くなり、製品のコストがかさんだり、十分な消臭能力が発揮されない場合がある。
多孔性消臭剤は、その少なくとも一部が疎水性であるのが好ましい。少なくとも一部が疎水性であるとは、少なくとも表面が疎水性であることを好ましくは意味し、これにより、多孔性消臭剤が濡れにくくなり、排泄物で濡れることにより消臭性能が低下することが少なくなる。また、多孔性消臭剤の平均粒子径は、1〜500μmとするのが、吸収性物品へ導入する際の固定性、分散性及び風合いの点から好ましい。
このような多孔性消臭剤としては、薬品賦活活性炭、多孔性ポリマー、シリカゲル、ゼオライト、モンモリロライト類等が挙げられるが、中でも、薬品賦活活性炭、フェニル基を有する多孔性ポリマーが好ましい。具体的には、薬品賦活活性炭としては、塩化亜鉛賦活活性炭、リン酸賦活活性炭等が挙げられ、多孔性ポリマーとしては、2,6−ジフェニルーp−フェニレンオキサイドベースポリマー、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体等が挙げられる。
多孔性消臭剤の含有量は、吸収性物品の飽和吸収量(g)に対し20〜200Åの細孔の容積が0.3ml/100g以上であるのが好ましく、0.6ml/100g以上であるのが更に好ましい。0.3ml/100g以上とすることにより、十分な消臭効果を発揮することができる。なお、前記飽和吸収量は、下記のようにして測定される。
飽和吸収量;吸収性物品を生理食塩水に30分間浸漬する。30分経過後吸収性物品を引き上げ、30分間水切りを行い、水切り後の重量(g)から浸漬前の重量(g)を差し引き、これを飽和吸収量とする。消臭層11は、多孔性消臭剤及び繊維原料を含有したスラリーから、常法通り、通常の湿式抄紙法によりシート状に成形して得ることができる。
前記のようにして得られた消臭層11とパルプシート12、13とは、常法通り、抄紙機上で抄き合わされるか、又は貼り合わせ機を用いて接着剤等により貼り合わされることにより、2枚のパルプシートの間に消臭層を介在させた積層シートとすることができる。その後、スリット工程において所望のシート巾に調整されて、本実施形態の消臭層11とすることができるが、その際、両側部が消臭層11を介在していないことから、多孔性消臭剤が脱落せず、製品及び製造ラインが汚れることがなく好ましい。
本実施形態における抗菌シート7は、抗菌剤を備えている。この抗菌剤は、繰り返し構成単位として架橋性ビニルモノマーとヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとを含む共重合体に抗菌性金属イオンが坦持されたものであることが好ましく、ジビニルベンゼンと2−ビニルピリジンとの共重合体に銀イオンが坦持された多孔質構造体からなり、消臭効果を具備するものであることがより好ましい。このときモノマー成分中の架橋性ビニルモノマー(ジビニルモノマー)の割合が大きいほど、BET比表面積の大きい抗菌消臭粒子が得られる。従って、全モノマー成分中におけるジビニルモノマーの割合は、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。該割合の上限は、98質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。他方、2−ビニルモノマーの割合は、十分に大きいことが好ましく、具体的には、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましい。また、抗菌消臭粒子のBET比表面積を大きくすることで吸収効果を高める場合には、全モノマー成分中のヘテロ芳香環を有するビニルモノマーの割合は、50質量%以下にすることが好ましく、30質量%以下にすることがより好ましい。
上記抗菌消臭粒子においては、上記モノマー以外に、これらと共重合可能な他のモノマーを用いることができる。該他のモノマーとしては、例えば、芳香族系ビニルモノマー、不飽和酸エステル、不飽和酸等が挙げられる。芳香族系ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド等が例示され、不飽和酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が例示され、不飽和酸としては、(メタ)アクリル酸が例示される。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も用いることができる。これらの中では芳香族系ビニルモノマーが好適であり、特にスチレンが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
本発明における粒子の表面積は特に断らない限りBET比表面積で評価することとし、架橋性ビニルモノマーの割合や、重合に用いる有機溶剤の選定により任意に設定することができるが、大きいほど消臭効果が高い。高い抗菌消臭能を有する観点から、抗菌消臭粒子は10m2/g以上であることが好ましく、50m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましく、150m2/g以上が特に好ましい。BET比表面積の上限は特に限定されないが、500m2/g以下、特に300m2/g以下が好ましい。なおBET比表面積は、下記に示すBET1点法により求めた値である。
[BET比表面積の求め方]
島津製作所製の商品名:フローソーブ2300を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の質量で除して比表面積を求めた。
抗菌消臭粒子の粒径は特に規定されず、これが用いられる用途に応じて適当なものを選定することができる。抗菌消臭粒子は、粒径が0.1〜5mm程度の粒状でもよく、粒径が0.1〜100μm程度の粉末でもよい。粒径が0.1〜10μmの粉末の抗菌消臭粒子を用いると他の材料との配合が容易である。湿式抄造法に使用する場合には、粒径は、1〜1000μmであることが好ましく、特に10〜200μmであることが好ましい。本発明における抗菌消臭粒子は、水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により製造することが好ましい。
本実施形態に採用される抗菌消臭粒子においては、上記共重合体に金属イオンが坦持されている。抗菌消臭粒子は、そのポリマー表層に存在するヘテロ芳香環との配位結合により、その細孔表面に金属イオンを担持させることが可能である(本発明においてはかかる金属イオンの固定化を担持という。)。この場合、アンモニア、アミン類、メルカプタン類、脂肪酸等の悪臭ガスは、金属イオンとの配位結合により吸着される。つまり、金属イオンを担持した抗菌消臭粒子は、大きなBET比表面積による物理消臭能と、担持した金属イオンによる抗菌能及び/又は化学消臭能とを兼ね備えた格段に高い消臭能を持つ粒子である。金属イオンとしては、例えば、銀イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ジルコニウムイオン、セリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、白金イオン等が挙げられ、銀イオン、亜鉛イオンが好ましい。
上記抗菌消臭粒子は、上記重合終了後のスラリー、又は乾燥し、かつ、有機溶剤を除去した粒子と、金属塩を溶解させた溶剤とを接触させ、必要であれば30〜80℃に加熱しながら混合することにより製造することができる。金属イオンの担持量は、ポリマー粒子に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。金属イオンの担持量の上限は、特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
消臭粒子に金属イオンを担持させるために用いられる金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に制限されない。該金属塩としては、例えば、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸コバルト、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸銅、硝酸ニッケル、酢酸銀、塩化セリウム、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化銅、過塩素酸銀、過塩素酸アルミニウム、過塩素酸白金、過塩素酸亜鉛、過塩素酸ジルコニウム、硫酸銀、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等が挙げられ、これらを単独で用いても、2種類以上用いてもよい。特に好ましくは硝酸銀、酢酸銀、及び塩化亜鉛である。
抗菌消臭粒子が付着した抗菌シート7は、繊維材料及び抗菌消臭粒子を含むスラリーを原料とした湿式抄造法によって製造される。繊維材料への抗菌消臭粒子の付着量を高める観点から、スラリー中に凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては、例えばポリアクリルアミドが好適に用いられる。湿式抄造法によって得られたシートにおける消臭粒子の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、2質量%以上が一層好ましい。抗菌消臭粒子の含有量の上限に特に制限はないが、経済的な観点から、30質量%以下であることが好ましい。具体的な用途にもよるが、該シートの坪量は、好ましくは10〜100g/m2、更に好ましくは10〜50g/m2である。
1 消臭シート
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイドシート
7 抗菌シート
8 線状溝
10 失禁パッド
11 消臭層
12 肌面側パルプシート
13 非肌面側パルプシート
起立壁部
防漏面部
20 エンボスパターン
21 凹部
22 圧密部
24 凸部

Claims (8)

  1. 着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート、及び前記両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する、縦方向とこれと直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、
    前記表面シートと前記吸収体との間には、抗菌剤を含有する抗菌シートが前記表面シート側に配され、消臭剤を含有する消臭層が前記抗菌シートより前記吸収体側に配されており、
    前記吸収性物品の縦方向について、前記消臭層の前後端縁は前記吸収体の前後端縁よりも内側に位置し、他方、前記抗菌シートは前記消臭層の前後端縁を越えてさらに前後に延在し、かつ、
    少なくとも前記表面シートには、厚み方向に関して前記吸収体にまでは到達しない、その周囲より圧密化された圧密部が多数、平面視において前記消臭層の配された領域からのその前後端縁を越えて縦方向に延在する吸収性物品。
  2. 前記圧密部は、前記抗菌シートが配置される領域において、物品厚み方向に前記表面シートから前記抗菌シートにまで及んでいる請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記圧密部は物品厚み方向に前記表面シートから前記抗菌シートを介し前記消臭層まで到達している請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記圧密部は平面視において、その多数が全体において格子状の配列をなす請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記圧密部は、前記吸収性物品の幅方向の両端には及ばない請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性物品の幅方向について、前記吸収体の肌面側に配された前記消臭層の左右の端縁が前記吸収体の肌面領域内もしくは側面領域内に留められ、他方、前記抗菌シートは前記吸収体の肌面領域に加え裏面領域に配された請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記吸収性物品の縦方向に延びる幅方向の中心線に向かってその中央が張り出して湾曲した、前記表面シートから前記吸収体にまで到達する一対の線状溝が物品幅方向の左右両側に形成され、該両線状溝の周辺及びその間に、前記圧密部が多数配置された請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記抗菌剤は、繰り返し構成単位として架橋性ビニルモノマーとヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとを含む共重合体に抗菌性金属イオンが坦持された、BET比表面積が10m/g以上の多孔性粒子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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