JP6169338B2 - 吸収体及びこれを用いた吸収性物品 - Google Patents

吸収体及びこれを用いた吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP6169338B2
JP6169338B2 JP2012217250A JP2012217250A JP6169338B2 JP 6169338 B2 JP6169338 B2 JP 6169338B2 JP 2012217250 A JP2012217250 A JP 2012217250A JP 2012217250 A JP2012217250 A JP 2012217250A JP 6169338 B2 JP6169338 B2 JP 6169338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer layer
layer
nonwoven fabric
absorbent
fibrous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012217250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014068813A (ja
Inventor
美幸 越智
美幸 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP2012217250A priority Critical patent/JP6169338B2/ja
Publication of JP2014068813A publication Critical patent/JP2014068813A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6169338B2 publication Critical patent/JP6169338B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、使い捨ておむつ、尿取りパッド、失禁パッド等の吸収性物品に用いられる吸収体に係り、詳細には吸収性能を維持したまま薄型化を可能にした吸収体及びこれを用いた吸収性物品に関する。
従来より、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁用パッドなどの体液吸収物品が市場に提供されて以来、高吸水性樹脂を使用した吸収体に関しては種々の改良が積み重ねられてきた。
高吸水性樹脂は公知のように、水と接触すると吸水・膨潤してゲル状となり、一旦吸水したならば多少の圧力を加えても離水しないなどの特性を持ち、その吸水力は自己体積の数十倍から数千倍に達するなど驚異的な吸水力を示すものである。
前記高吸水性樹脂は単体では上記のような吸収力を示すものの、ある程度湿潤した状態でないと吸水力を発揮できないことと、吸収速度が遅いため、体液吸収物品の吸収体を構成するパルプ繊維中に例えば粒状粉、破砕粉またはペレット状の形態で混入されている。
近年、この種のパルプ繊維を用いた比較的嵩のある吸収性物品の場合には、装着時にゴワ付いてフィット性が得られにくい、または通気性が悪くムレが生じるなどの問題があるとともに、持ち運びに不便である、収納性が悪い、物流の効率化や省資源化などの要請から、薄型化およびコンパクト化などが図られるようになってきた。吸収性物品の薄型化に際しては、薄型化やコンパクト化が成されても吸水量を落とすことは出来ないため、必然的にパルプ量を減らし高吸水性樹脂の含有率を上げることになるが、この場合に、(1)高吸水性樹脂の偏りや脱落の発生及びこれに伴う吸収性能の低下、(2)高吸水性樹脂によるざらつき感の発生、(3)操業性の悪化(ライン上での高吸水性樹脂のこぼれ、ドラムへの詰まり等)、(4)パルプ量を減らすことで、吸収体内部での液の拡散が低下し、ゲルブロッキング等による吸収性能の低下などの問題が生じやすくなっていた。
このような高吸水性樹脂を含む吸収体の吸収性能の低下を防止するための技術としては、下記特許文献1において、所定の加圧下吸収量である吸水性ポリマーを含んで構成される吸収体を備え、前記吸収体は高吸水性ポリマーと繊維状物との繊維混合体からなる上部吸収層と、該上部吸収層の非肌当接面側に配された高吸水性ポリマーと繊維状物との繊維混合体からなる下部吸収層とからなる吸収性物品が開示されている。
また、下記特許文献2においては、上下2層の吸収体からなる吸収性物品において、前記吸収体は綿状パルプと吸収性物質を混合してなる上部吸収体と、その下層に支持体上に吸収性物質を付着固定した下部吸収体とから構成されてなる吸収性物品が開示されている。
さらに、下記特許文献3、4には、不織布層又はペーパー層と、繊維ウェブ層とからなるとともに、前記繊維ウェブ層にSAP粒子が担持されている吸収体製品が開示されている。
特開2009−72420号公報 特開2000−24033号公報 特開2003−103740号公報 特開2003−103677号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の吸収性物品では、上部吸収層及び下部吸収層がいずれも高吸水性ポリマーと繊維状物との繊維混合体から構成されるため、薄型化を実現するのは困難であった。また、薄型化のため繊維状物の配合量を減らすと必然的に高吸水性ポリマーの割合が増加するため、上述のような高吸水性ポリマーの偏りや脱落等の諸問題が発生することが懸念される。
また、上記特許文献2記載の吸収性物品では、パルプ中に高吸水性樹脂が分散混入された上部吸収体の下部に、直接高吸水性樹脂からなる下部吸収体が配置されているため、上部吸収体を薄型化した場合には、上部吸収体に吸収された体液は、上部吸収体に含有される綿状パルプによって若干は拡散するものの、下部吸収体の狭い範囲に集中するため、吸水量が低下したり逆戻りが発生したりして吸収性能が悪化するおそれがあった。
更に、上記特許文献2記載の吸収性物品では、高吸水性樹脂からなる下層の下部吸収体がクレープ紙などによって囲繞されずに直接裏面シートに固定した形態が例示されているため、高吸水性樹脂の偏りや脱落が生じやすい構成となっていた。また、下層の下部吸収体として液透過性フィルムを袋状に接合して袋状内部に高吸水性樹脂を固定した形態も例示されているが、この形態では高吸水性樹脂の脱落等が防止できるものの、吸水して袋状内部で膨潤した高吸水性樹脂が外装のフィルムによって圧迫され、周囲の高吸水性樹脂と付着しやすい構成となっているため、ゲルブロッキングが生じやすく、吸水量が低下することなどが懸念される。
また、上記特許文献3、4記載の吸収体製品は、SAP粒子が担持された繊維ウェブ層がクレープ紙などによって囲繞されないため、該吸収体製品を折り曲げた場合、繊維ウェブ層同士が擦り合わされるようになり、その後使用時にSAP粒子が吸水した場合などにSAP粒子が脱落して移動するおそれがあった。特に、前記吸収体製品を使い捨ておむつに使用した場合、おむつの製品状態では股間部にて折り曲げられるため、脱落したSAP粒子が股間部分に集中して瘤状に隆起し着心地が悪くなるという問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、吸収性能を維持したまま、吸収体の薄型化を可能にするとともに、高吸水性樹脂の偏りや脱落を防止した吸収体及びこれを用いた吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなる繊維質層と、前記繊維質層の下層側に配設される高吸水性樹脂からなるポリマー層と、前記繊維質層とポリマー層との間に介在される親水性不織布と、これら繊維質層、ポリマー層及び親水性不織布の積層体を囲繞するコアラップシートとからなり、前記繊維質層は前記ポリマー層より小面積に形成されるとともに少なくとも幅寸法が狭く形成され、前記ポリマー層の幅方向中央部に配設されていることを特徴とする吸収体が提供される。
上記請求項1記載の発明では、吸収体に含まれる高吸水性樹脂を、繊維質層の吸水性繊維(パルプ等)中に分散混入されるものと、この繊維質層の下層側に配設されるポリマー層を構成するものとに分けて配設してあるため、吸収体の薄型化に伴い繊維質層の吸水性繊維の量を減らした場合でも、この繊維質層に分散混入された高吸水性樹脂の含有率が極端に大きくなることがなく、吸水性繊維中に高吸水性樹脂の含有率が高くなることによる高吸水性樹脂の偏りや脱落、吸収性能の低下などといった諸問題が生じなくなる。従って、吸収性能を維持したまま、吸収体の薄型化が可能になる。
また、吸収体の内部を、上層側の繊維質層と下層側のポリマー層とに分け、且つこれら繊維質層とポリマー層との間に親水性不織布を介在してあるため、上層側の繊維質層から下層側のポリマー層に体液が移行する過程で親水性不織布を通過する際、体液が広範囲に拡散され、下層側のポリマー層の広い範囲に亘る高吸水性樹脂に吸水させることが可能になる。従って、ポリマー層の狭い範囲に体液が集中することがなく、これに伴って吸水量が低下したり逆戻りが発生したりして吸収性能が悪化するのが防止できる。また、前記繊維質層の高吸水性樹脂は吸水性繊維に分散混入されているため、高吸水性樹脂の偏りや脱落が防止できるとともに、前記ポリマー層の高吸水性樹脂は前記親水性不織布とコアラップシートとの間に挟まれるように設けられているため、高吸水性樹脂の偏りや脱落が防止でき、且つ高吸水性樹脂が吸水して膨潤しても高吸水性樹脂同士の圧迫が少ないためゲルブロッキングによる吸水量の低下が生じにくくなる。
さらに、ポリマー層の高吸水性樹脂が前記親水性不織布とコアラップシートとの間に挟持されるとともに、全体がコアラップシートによって囲繞されているため、本吸収体を使い捨ておむつなどに使用して股間部分で折り曲げた場合でも、折り曲げ部分の内側にコアラップシートが介在するため、繊維質層同士の擦り合わせなどが生じず、高吸水性樹脂の吸水後でも繊維質層及びポリマー層に含まれる高吸水性樹脂の脱落や移動が防止でき、高吸水性樹脂が各層に分散配置された状態が維持できるので、高吸水性樹脂が吸水して膨潤した際にも装着感が低下することがなくなる。
請求項2に係る本発明として、前記ポリマー層は、下面側が接着剤の全面塗布により前記コアラップシートに固着され、上面側が接着剤の間欠塗布により前記親水性不織布に固着されている請求項1記載の吸収体が提供される。
上記請求項2記載の発明は、前記ポリマー層の固定方法について規定したものであり、下面側を接着剤の全面塗布によって前記コアラップシートに固着し、上面側を接着剤の間欠塗布によって前記親水性不織布に固着してある。つまり、ポリマー層はコアラップシートと親水性不織布との間に挟み込まれて上下面がそれぞれ接着剤によって固定されている。これによて、ポリマー層における高吸水性樹脂の偏りや脱落が防止されるようになる。また、下面側のコアラップシートに対しては接着剤の全面塗布によって強固に固着し、上面側の親水性不織布に対しては接着剤の間欠塗布によって体液の移行を妨げないように固着している。
請求項3に係る本発明として、前記親水性不織布は、エンボス加工が施されることにより凹凸状に形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項3記載の発明では、親水性不織布にエンボス加工を施して親水性不織布自体を凹凸状に形成しているため、繊維の粗密差による体液の浸透性が向上し、上層の繊維質層から下層のポリマー層へ体液を引き込みやすくすることができ、吸収性能が向上する。また、親水性不織布の上面側に凹の部分でポリマー層の高吸水性樹脂が間欠的に押し付けられるため、高吸水性樹脂が移動しづらくなり、高吸水性樹脂の偏りが防止できるようになる。
請求項4に係る本発明として、前記コアラップシートのうち前記ポリマー層と隣接する部分及び前記親水性不織布はそれぞれ、エンボス加工が施されることにより凹凸状に形成されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記コアラップシートのうち前記ポリマー層と隣接する部分及び前記親水性不織布のそれぞれに対しエンボス加工を施して各シート自体を凹凸状に形成することによって、親水性不織布の上面側に凹の部分及びコアラップシートの上面側に凸の部分でそれぞれポリマー層の高吸水性樹脂が間欠的に押し付けるられるため、これらの間に挟まれた高吸水性樹脂がより一層移動しづらくなり、高吸水性樹脂の偏りが防止できるようにしている。
請求項5に係る本発明として、前記繊維質層に含有される高吸水性樹脂の加圧下通液速度は、前記ポリマー層を構成する高吸水性樹脂の加圧下通液速度よりも相対的に大きく設定されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項5記載の発明は、繊維質層に含有される高吸水性樹脂の種類とポリマー層を構成する高吸水性樹脂の種類を変化させることにより、吸水効率を高めようとしたものである。具体的には、前記繊維質層に含有される高吸水性樹脂の加圧下通液速度を、前記ポリマー層を構成する高吸水性樹脂の加圧下通液速度よりも相対的に大きく設定することによって、上層側の繊維質層では早く通液させ、下層側のポリマー層での拡散を抑制しながらこのポリマー層で効率的に吸水するようにしたものである。
請求項6に係る本発明として、前記繊維質層は、前記ポリマー層より幅寸法及び長手寸法が小さく形成され、前記ポリマー層のほぼ中央部に配設されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項6記載の発明は、繊維質層とポリマー層の第1の配置パターンを示したものであり、前記繊維質層が、ポリマー層より小面積に形成され、前記ポリマー層のほぼ中央部に配設されるようにしたものである。これにより、繊維質層が中央の中高部となって体液排出部位とのフィット性を高めることができるとともに、体液排出部に吸水性繊維を有する繊維質層が配置されるため吸収スピードが維持でき、且つ下層のポリマー層で所定の吸収量を確保することができるようになる。
請求項7に係る本発明として、前記ポリマー層は、前記吸収体の長手方向中心線位置又はその近傍で左右に分割された分割ポリマー層とされ、
前記繊維質層は、前記ポリマー層より小幅に形成され、前記ポリマー層の分割部分を跨るように配設されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項7記載の発明は、前記繊維質層とポリマー層の第2の配置パターンについて規定したものであり、前記ポリマー層として、前記吸収体の長手方向中心線位置又はその近傍で左右に分割された分割ポリマー層としたものを用い、この分割部分に跨るように、前記ポリマー層より小幅の繊維質層を配設している。これにより、股間部へのフィット性が高まり、吸収性能を向上させることができるようになる。
請求項8に係る本発明として、前記ポリマー層は、幅方向に対しポリマー配設領域と離間部とが交互に複数長手方向に沿って配列された縞状に形成され、
前記繊維質層は、前記ポリマー層より小面積に形成され、前記ポリマー層のほぼ中央部に配設されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項8記載の発明では、前記ポリマー層として、幅方向に対しポリマー配設領域と離間部とが交互に複数長手方向に沿って配列された縞状に形成されたものとし、前記繊維質層が、前記ポリマー層より小面積に形成され、前記ポリマー層のほぼ中央部に配設されるようにしている。ポリマー層が縞状に形成されているため、ポリマー層において長手方向の拡散性が高まり、幅方向の漏れが防止できるようになる。
請求項9に係る本発明として、前記ポリマー層及び親水性不織布は、前記繊維質層の側縁よりも両側に延在して設けられ、この延在部分がそれぞれ、前記繊維質層の側縁を回り込むようにして折り畳まれることにより、前記ポリマー層及び親水性不織布の側縁が前記繊維質層の上面側に位置している請求項1〜8いずれかに記載の吸収体が提供される。
上記請求項9記載の発明では、前記ポリマー層及び親水性不織布として、前記繊維質層の側縁よりも両側に延在して設けるようにし、この延在部分をそれぞれ、前記繊維質層の側縁を回り込むようにして折り畳むことにより、前記ポリマー層及び親水性不織布の側縁が前記繊維質層の上面側に位置するようにしている。このため、繊維質層の側縁からの横漏れが確実に防止できるようになる。
請求項10に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
前記吸収体として上記請求項1〜9いずれかに記載の吸収体を用いていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
以上詳説のとおり本発明によれば、吸収性能を維持したまま、吸収体の薄型化が可能になるとともに、高吸水性樹脂の偏りや脱落が防止できるようになる。
本発明に係る吸収体1の断面図である。 (A)、(B)は親水性不織布7の平面図である。 他の形態に係る吸収体1の断面図である。 繊維質層2とポリマー層5の第1の配置パターンを示す、(A)は平面図、(B)は側面図である。 繊維質層2とポリマー層5の第2の配置パターンを示す、(A)は平面図、(B)は側面図である。 繊維質層2とポリマー層5の第3の配置パターンを示す、(A)は平面図、(B)は側面図である。 (A)、(B)は、他の形態に係る吸収体1の製造要領を示す断面図である。 他の形態に係る吸収体1の断面図である。 本発明に係る使い捨ておむつNの一部破断展開図である。 図9のX−X線矢視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔吸収体1〕
本発明に係る吸収体1は、図1に示されるように、パルプ繊維等の吸水性繊維3中に高吸水性樹脂4が分散混入されてなる繊維質層2と、前記繊維質層2の下層側に配設される高吸水性樹脂6からなるポリマー層5と、前記繊維質層2とポリマー層5との間に介在される親水性不織布7と、これら繊維質層2、ポリマー層5及び親水性不織布7の積層体を囲繞するコアラップシート8とから主に構成されている。この吸収体1は、平面形状が股間部に装着したときに着用者の前後方向に長い縦長の方形状又は中央両側部が窪んだ砂時計状に形成されるもので、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法で形成されている。
前記繊維質層2は、例えばパルプ繊維中に高吸水性樹脂4を分散配置したもの、或いはパルプ繊維中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂4を分散配置したものなどを使用することができる。前記繊維質層2の目付は、100〜500g/m程度が好ましく、120〜250g/m程度がより好ましい。前記パルプ繊維としては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等のトウ繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
前記高吸水性樹脂4としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力(吸収倍率)と吸水速度の調整が可能である。
前記繊維質層2における高吸水性樹脂4の含有比率は、65%以下が好ましく30〜50%程度がより好ましいが、これに限るものではない。繊維質層2の高吸水性樹脂4の含有比率が65%より高くなると、高吸水性樹脂4の脱落が増え、排尿前に偏りが生じるとともに、高吸水性樹脂4同士の接触が増え、ゲルブロッキングが起こりやすく、吸水力や吸収速度が低下してしまう。なお、本発明に係る吸収体1では、繊維質層2の高吸水性樹脂4の含有率を65%以下に抑え、高吸水性樹脂4の脱落や偏りを防止しながら、ポリマー層5も含めた吸収体1全体(繊維質層2及びポリマー層5)としての高吸水性樹脂の含有比率を65%より高くすることが可能である。
前記繊維質層2の面積は、特に問わないが、前記ポリマー層5に比べて繊維質層2が体液の拡散スピードが速いので、横漏れによる脚周りからの漏れを防止するため、ポリマー層5よりも少なくとも幅寸法を狭く形成することが好ましい。
前記ポリマー層5を構成する高吸水性樹脂6も、前記繊維質層2に含有される高吸収水性樹脂4と同様のものから適宜選択することができる。前記ポリマー層5は、高吸水性樹脂6の目付が10g/m以上200g/m以下の範囲で適宜設定することができる。触ったときのざらつき感を感じないレベルで、吸収性能が維持できる範囲としては、20g/m以上80g/m以下が好ましい。ポリマー層5の面積は、コアラップシート8の面積以下で、平面パターンは、後段の各種パターンで紹介するように適宜決定することが可能である。
前記ポリマー層5は、下面側がホットメルト接着剤等の接着剤9の全面塗布により前記コアラップシート8に固着され、上面側がホットメルト接着剤等の接着剤10の間欠塗布により前記親水性不織布7に固着されている。即ち、ポリマー層5は、親水性不織布7とコアラップシート8との間に挟まれた状態で、上面及び下面がそれぞれ親水性不織布7及びコアラップシート8に接着固定されている。このため、高吸水性樹脂6の偏りや脱落が確実に防止できる。
前記接着剤9、10の塗布パターンは特に限定されないが、下面側の接着剤9は、コアラップシート8との固着力を強固にし、高吸水性樹脂6自体の偏りや脱落を防止するため、カーテン、スロット又はスプレーなどの全面的な塗布パターンとするのが好ましく、上面側の接着剤10は、体液の通過を妨げないように、サミットスプレーやスパイラルスプレーなどの間欠的な塗布パターンとするのが好ましい。
前記親水性不織布7は、体液の平面方向への拡散性に優れた不織布であり、例えば綿、レーヨン等のセルロース繊維、アクリロニトリル、ポリビニルアルコール等の親水性基を有する合成繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル等の疎水性繊維を親水化剤で表面処理して親水性を付与した繊維等を用いることができる。前記親水性不織布7として親水化剤で表面処理して親水性を付与した繊維を用いる場合、繊維に付着させた親水化剤の流出を少なくし、繰り返し透水した場合でも親水性が低下しないものとして、水溶性変性シリコンを含有する親水化剤を付着させた耐久親水性繊維からなる不織布を用いることが好ましい。
前記親水性不織布7は、少なくとも前記ポリマー層5の形成範囲と同等の大きさで設けられ、図1に示されるように、前記ポリマー層5の形成範囲より縁部を若干外方に延在させた大きさで設けられるようにすることが好ましい。このような大きさで親水性不織布7を配設することにより、後段の繊維質層2とポリマー層5との配置パターンで詳述するように、繊維質層2をポリマー層5より小さな面積で形成した場合(図4〜図6参照。)でも、ポリマー層5が親水性不織布7で覆われるため、ポリマー層5の高吸水性樹脂6の砂利感が感じられず、風合いや性能が損なわれることがなくなる。
また、前記親水性不織布7は、上層の繊維質層2と下層のポリマー層5のそれぞれの吸水力や吸水スピードに応じて、親水性不織布7の素材や目付け、拡散性等を任意に設定することが可能である。例えば、繊維質層2の吸水スピードが速く、下層に素早く液が浸透するような場合には、親水性不織布7の繊維密度を高くし、繊維の毛管力により平面方向への拡散性が高くなるように設定することができる。
前記親水性不織布7の製造方法には限定がなく、エアスルー法、スパンボンド法、スパンレース法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができるが、風合いを柔らかいものとするには、エアスルー法、スパンボンド法が好適である。同じく風合いを柔らかいものとするため、親水性不織布7の目付は、10g/m以上、40g/m以下が好ましい。平面形状は、ポリマー層5の面積より大きな面積で形成することが好ましい。
前記コアラップシート8は、ティシュー等の紙材あるいは不織布等の透液性のシートを用いることができるが、繊維質層2に含有される吸水性繊維3や高吸水性樹脂4が抜け出さない程度の繊維密度を有するものを用いることが好ましい。厚みは0.05〜0.5mm程度が好ましく、0.05〜0.2mm程度がより好ましい。目付は5〜25g/m程度が好ましく、5〜15g/m程度がより好ましい。不織布を用いる場合は、スパンボンド法やSMS法により加工された不織布、特にSMS法により加工された不織布が、薄さと強度のバランスに優れる点で好適である。なお、コアラップシート8は、少なくとも吸収体1の表面側(肌当接面側)の面が撥水性でなければシートの親水度は特に問わない。
上述の構成からなる吸収体1によれば、吸収体1に含有される高吸水性樹脂として、繊維質層2の吸水性繊維3中に分散混入される高吸水性樹脂4と、この繊維質層2の下層側に配設されるポリマー層5を構成する高吸水性樹脂6とに分けて配設してあるため、装着時のフィット性向上や通気性向上を目的とした吸収体1の薄型化やコンパクト化のため繊維質層2の吸水性繊維3を減量したとしても、この繊維質層2に分散混入された高吸水性樹脂4の含有率が極端に大きくなることがなく、吸水性繊維3中に高吸水性樹脂4の含有率が高くなることによる高吸水性樹脂4の偏りや脱落の発生及びこれに伴う吸収性能の低下、高吸水性樹脂によるざらつき感の発生、操業性の悪化、ゲルブロッキング等による吸収性能の低下などの問題が生じなくなる。よって、吸収性能を維持したまま、吸収体の薄型化が可能になる。
また、吸収体1を、上層側の繊維質層2と下層側のポリマー層5の2層の吸収層に分け、且つこれらの層間に親水性不織布7を介在してあるため、上層側の繊維質層2から下層側のポリマー層5に体液が移行する際、親水性不織布7の通過時に体液が広範囲に拡散される結果、下層側のポリマー層5で広い範囲に亘る高吸水性樹脂6に吸水させることができるようになる。従って、吸水量が低下したり逆戻りが発生したりして吸収性能が悪化することがなくなる。また、前記繊維質層2の高吸水性樹脂4は吸水性繊維3中に分散混入されているため、高吸水性樹脂4の偏りや脱落が防止できるとともに、前記ポリマー層5の高吸水性樹脂6は前記親水性不織布7とコアラップシート8との間に挟み込まれて固着されているため、高吸水性樹脂6の偏りや脱落が防止でき、且つ高吸水性樹脂6が吸水して膨潤しても高吸水性樹脂6、6同士の圧迫が少ないためゲルブロッキングによる吸水量の低下が生じにくくなる。
さらに、ポリマー層5の高吸水性樹脂6が前記親水性不織布7とコアラップシート8との間に挟持されるとともに、繊維質層2、親水性不織布7及びポリマー層5の積層体全体がコアラップシート8によって囲繞されているため、本吸収体1を使い捨ておむつなどに使用して股間部分で折り曲げた場合でも、折り曲げ部分の内側に上層のコアラップシート8が介在するようになり、折り曲げ部分での繊維質層2同士の擦り合わせなどが生じず、高吸水性樹脂4、6の吸水後でも繊維質層2及びポリマー層5に含まれる高吸水性樹脂4、6の脱落や移動が防止でき、高吸水性樹脂4、6が各層2、5に分散配置された状態が維持できるので、高吸水性樹脂4、6が吸水して膨潤したときにも装着感が低下することがなくなる。
次に、上記吸収体1の変形例について説明すると、
前記親水性不織布7は、図2に示されるように、(A)格子状や(B)線状にエンボス線7a、7a…を施すことによって、該親水性不織布7自体を凹凸状に形成することができる。親水性不織布7を凹凸状に形成することによって、繊維の粗密差が生じ、この粗密差によって上層の繊維質層2から下層のポリマー層5に体液が引き込みやすくなり、吸収性能が向上できる。また、上面側に凹の部分(下面側に凸の部分)でポリマー層5の高吸水性樹脂6が間欠的に押し付けられるため、高吸水性樹脂6が移動しづらくなり、高吸水性樹脂6の偏りが防止できるようになる。
また、図3に示されるように、前記コアラップシート8のうち下面のポリマー層5との隣接部分8a及び親水性不織布7はそれぞれ、エンボス加工を施すことにより凹凸状に形成することも可能である。コアラップシート8のポリマー層隣接部分8a及び親水性不織布7を凹凸状に形成することによって、前述の繊維の粗密差による体液の引き込み効果に加えて、親水性不織布7の上面側に凹の部分(下面側に凸の部分)及びコアラップシート8の上面側に凸の部分でそれぞれポリマー層5の高吸水性樹脂6を間欠的に押し付けることができ、これにより高吸水性樹脂6がより一層移動しづらくなり、高吸水性樹脂6の偏りが防止できるようになる。また、コアラップシート8が凹凸状に形成されることにより、外側からの肌ざわり感を柔らかくすることもできる。各シート8、7のエンボスパターンとしては、図2と同様に格子状又は線状とすることができる。また、前記コアラップシート8の凹部と親水性不織布7の凸部が一致するようなパターンで形成した場合には、更に高吸水性樹脂6の偏りを防止することができるようになる。なお、前記コアラップシート8のみにエンボス加工を施して凹凸状に形成してもよく、この場合には、高吸水性樹脂6の偏りが防止できるとともに、外側からの感触を柔らかくすることができる。
上層の繊維質層2に含有される高吸水性樹脂4及び下層のポリマー層5を構成する高吸水性樹脂6としては、同一の種類のものを用いることもできるし、性質の相違する異なる種類のものを用いることもできる。異なる種類で構成する場合、繊維質層2に含有される高吸水性樹脂4として、ゲルブロッキングを防ぎ、表面液残りを防止するため加圧下通液速度が相対的に大きいもの(2.0kPaで50ml/min以上のもの)を使用し、ポリマー層5を構成する高吸水性樹脂6として、加圧下通液速度が相対的に小さいもの(同50ml/min未満のもの)を用いることができる。これにより、上層側の繊維質層2での通液性が高まり拡散性が良くなるとともに、下層側のポリマー層5での体液拡散を抑制しながら、高吸水性樹脂6に効率的に体液を吸収させることができる。
前記加圧下通液速度の測定方法としては、特開2003−235889号公報に記載のゲル通液速度の測定方法に準じた方法とすることができる。具体的に、加圧下通液速度は、垂直に立てた円筒(内径25.4mm)の開口部の下端に金網(目開き150μm)とコック(内径2mm)付き細管(内径4mm、長さ8cm)とを有する濾過円筒管内に、該コックを閉鎖した状態で、850〜150μmの粒度に調整した測定試料0.200gを投入し、25±5℃の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)50mlを注ぎ、注ぎ始めてから30分間静置した後、金網(目開き150μm、直径25mm)付き荷重(21.2g)を金網と測定試料が接するようにして濾過円筒内に挿入し、1分後におもり(77.0g)を金網付き荷重の上にのせ、さらに1分間静置した後該コックを開き、生理食塩水の液面が40mlの目盛り線から20mlの目盛り線に達するまでの時間(T1)(秒)を計測して、次式から求める。ここで(T0)は測定試料なしのときの時間である。
加圧下通液速度(ml/min)=20×60/(T1−T0)
次に、前記繊維質層2とポリマー層5の配置パターンについて、図4〜図6に基づいて説明する。なお、図4〜図6は、繊維質層2とポリマー層5の配置関係のみを図示したものであり、親水性不織布7及びコアラップシート8の図示を割愛したものであるが、親水性不織布7については、ポリマー層5を覆う範囲に設けられ、コアラップシート8については、これらの積層体を囲繞するように設けられている。
第1の配置パターンは、図4に示されるように、繊維質層2が、前記ポリマー層5よりも小面積に形成され、前記ポリマー層5のほぼ中央部に配設されている。このとき、前記ポリマー層5には高吸水性樹脂6が全面に亘って配設されている。このようにポリマー層5の中央部のみに該ポリマー層5よりも小面積の繊維質層2を積層してあるため、吸収体1の薄型化が可能になるとともに、繊維質層2が中央の中高部として作用し体液排出部とのフィット性を高めることができる。更に、体液排出部に吸水性繊維3を有する繊維質層2が配置されるので吸収スピードが維持できるとともに、ポリマー層5に高吸水性樹脂6が全面に亘って設けられるので十分な吸収量を確保することができる。繊維質層2の寸法としては、長手寸法がポリマー層5の長手寸法の40〜85%程度とし、幅寸法がポリマー層5の幅寸法の35〜85%程度とするのがよい。
また、第2の配置パターンは、図5に示されるように、前記ポリマー層5が、吸収体1の長手方向中心線位置又はその近傍に離間部5bが形成されることにより左右に分割された分割ポリマー層5a、5aとされるとともに、前記繊維質層2が、前記ポリマー層5より小幅に形成され、前記ポリマー層5の離間部5bに跨るように配設されている。即ち、繊維質層2の幅方向中央部には長手方向に沿って下層側にポリマー層5がない部分が形成され、その両側にそれぞれ分割ポリマー層5a、5aが配設されている。このため、幅方向中央部の繊維質層2によって股間部へのフィット性を高めることができ、吸収性能を向上させることができる。また、繊維質層2がポリマー層5より幅寸法を短くしてあるため、繊維質層2が幅方向に拡散しやすい場合でも横漏れが生じるのを防止できる。繊維質層2の幅寸法は、ポリマー層5の幅寸法の35%〜85%程度とするのが好ましい。なお、本パターンでは、幅方向中央部では、上層の繊維質層2が体液を吸収する役割を担い、上層の繊維質層2の両側から漏れる体液を捕捉して横漏れを防止するという目的で下層のポリマー層5が設けられている。
更に、第3の配置パターンは、図6に示されるように、前記ポリマー層5が、幅方向に対し、ポリマー配設領域5aと前記高吸水性樹脂6が配設されない離間部5bとが交互に複数長手方向に沿って配列された縞状に形成され、前記ポリマー層5よりも小面積に形成された繊維質層2が、前記ポリマー層5のほぼ中央部に配置されている。ポリマー層5が縞状に形成されているため、ポリマー層5において長手方向の拡散が高まるとともに、幅方向への漏れが防止できるようになる。また、高吸水樹脂6の使用量を少なくできるので資材節減によるコストダウンを図ることも可能である。繊維質層2の長手寸法はポリマー層5の長手寸法の40%〜85%程度が好ましく、繊維質層2の幅寸法はポリマー層5の幅寸法の35%〜85%程度が好ましい。ポリマー層5のポリマー配設領域5aの1本当たりの幅は、10mm以上が好ましく、10mm〜30mm程度がより好ましい。また、長手方向の拡散性などを考慮すると、ポリマー配設領域5aと離間部5bの幅寸法は、ほぼ同等とするのが好ましく、ポリマー配設領域5aの本数は、3本〜7本程度とするのが好ましい。
次に、図7に示されるように、前記ポリマー層5及び親水性不織布7を、繊維質層2の側縁よりも両側に延在させるとともに、この両側の延在部分をそれぞれ、前記繊維質層2の側縁を下側から上側に回り込ませるようにして折り畳むことにより、前記ポリマー層5及び親水性不織布7の側縁を前記繊維質層2の上面側に位置させるようにすることができる。これにより、繊維質層2の両側縁からの漏れが完全に防止できるようになる。
ところで、図8に示されるように、前記ポリマー層5とコアラップシート8との間に親水性不織布7Bを配設し、ポリマー層5を上層の親水性不織布7と下層の親水性不織布7Bとの間に挟み込ませることにより固定するようにしても良い。これにより、吸収体外面から触れたときにポリマー層5の砂利感(粒子がざらざらした感じ、ざらつき感)が低減できるようになるとともに、予めポリマー層5を親水性不織布7、7Bで挟み込んだ積層体を製作しておき、その後にコアラップシート8で囲繞できるので、製作が容易になる。
次に、上記吸収体1の製造方法について説明すると、コアラップシート8の幅方向中央部に接着剤9を塗布し、この塗布面に高吸水性樹脂6を散布する。続いて、親水性不織布7の下面側に接着剤10を塗布し、前記高吸水性樹脂6を散布した上面に接着剤10の塗布面を下にして積層する。その後、親水性不織布7の上面に吸水性繊維3中に高吸水性樹脂4を混入させた繊維質層2を積層する。しかる後、コアラップシート8の両側部を繊維質層2の上面に折り返し、繊維質層2の上面で側縁同士が重なるようにして囲繞する。
〔上記吸収体1を用いた使い捨ておむつNの構成〕
上記吸収体1を用いた使い捨ておむつNは、図9及び図10に示されるように、不織布などからなる透液性トップシート11と、ポリエチレンなどからなるバックシート12と、前記透液性トップシート11とバックシート12との間に介在される上記吸収体1とを含み、表面がわ両側部に立体ギャザーBS、BSが形成された吸収性本体13と、前記バックシート12の外面側に一体的に設けられた外装シート20とからなり、製品状態で前記外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが両側部21、22において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された構造のパンツ型おむつである。
前記吸収体1の表面側(肌当接面側)を覆う透液性トップシート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。
前記吸収体1の裏面側(非肌当接面側)を覆うバックシート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。
一方、立体ギャザーBSを形成するギャザー不織布16は、折返しによって二重シートとした不織布が用いられ、前記透液性トップシート11によって巻き込まれた吸収体1の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体1の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、前記ギャザー不織布16は、おむつの長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体1の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、前記幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体1の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、前記立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体1の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
また、前記透液性トップシート11の下面側(吸収体側)には、体液の吸収速度を速めるとともに、体液の逆戻りを防止するため、透液性トップシート11とコアラップシート8との間に、親水性不織布からなるセカンドシート18を配置するのが好ましい。このセカンドシート18はなくても良いが、配設する場合には、透液性トップシート11とコアラップシート8との間に配置される。セカンドシート18は、体液の浸透性を向上し、かつ逆戻りを防止できるよう、吸収体1のほぼ全域を覆うように配置するのが好ましい。
次に外装シート20の構造について詳述する。外装シート20は、上層不織布20A及び下層不織布20Bが、ホットメルト接着剤などにより接着された2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に各種弾性伸縮部材がホットメルト接着剤などにより接着され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するための凹状の脚回りカットライン29により、全体として擬似砂時計形状を成している。
上層不織布20A及び下層不織布20Bを構成する素材繊維も、前記透液性トップシート11やギャザー不織布16と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、SMS法、メルトブローン法、サーマルボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができる。
前記外装シート20においては、前記弾性伸縮部材として、ウエスト開口部回り23に配置されたウエスト部弾性伸縮部材24,24…と、前身頃F及び後身頃Bに、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置され、腰回りにシャーリングを形成するための複数の腰回り弾性伸縮部材群25,25…とを有する。
上記吸収性本体13と外装シート20とは、外装シート20の上面側に吸収性本体13がホットメルト等の接着剤によって接着され一体化されている。そして、吸収性本体13および外装シート20が前後方向に折り重ねられ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されることにより、パンツ型の使い捨ておむつNに組み立てられる。
〔他の形態例〕
上記形態例では、使い捨ておむつを例に説明したが、本発明は、尿取りパッドや失禁パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に広く使用できる。
1…吸収体、2…繊維質層、3…吸水性繊維、4…高吸水性樹脂、5…ポリマー層、6…高吸水性樹脂、7…親水性不織布、8…コアラップシート、9・10…接着剤、11…透液性トップシート、12…バックシート、16…ギャザー不織布、18…セカンドシート、20…外装シート

Claims (10)

  1. 吸水性繊維中に高吸水性樹脂が分散混入されてなる繊維質層と、前記繊維質層の下層側に配設される高吸水性樹脂からなるポリマー層と、前記繊維質層とポリマー層との間に介在される親水性不織布と、これら繊維質層、ポリマー層及び親水性不織布の積層体を囲繞するコアラップシートとからなり、前記繊維質層は前記ポリマー層より小面積に形成されるとともに少なくとも幅寸法が狭く形成され、前記ポリマー層の幅方向中央部に配設されていることを特徴とする吸収体。
  2. 前記ポリマー層は、下面側が接着剤の全面塗布により前記コアラップシートに固着され、上面側が接着剤の間欠塗布により前記親水性不織布に固着されている請求項1記載の吸収体。
  3. 前記親水性不織布は、エンボス加工が施されることにより凹凸状に形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収体。
  4. 前記コアラップシートのうち前記ポリマー層と隣接する部分及び前記親水性不織布はそれぞれ、エンボス加工が施されることにより凹凸状に形成されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収体。
  5. 前記繊維質層に含有される高吸水性樹脂の加圧下通液速度は、前記ポリマー層を構成する高吸水性樹脂の加圧下通液速度よりも相対的に大きく設定されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収体。
  6. 前記繊維質層は、前記ポリマー層より幅寸法及び長手寸法が小さく形成され、前記ポリマー層のほぼ中央部に配設されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収体。
  7. 前記ポリマー層は、前記吸収体の長手方向中心線位置又はその近傍で左右に分割された分割ポリマー層とされ、
    前記繊維質層は、前記ポリマー層より小幅に形成され、前記ポリマー層の分割部分を跨るように配設されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収体。
  8. 前記ポリマー層は、幅方向に対しポリマー配設領域と離間部とが交互に複数長手方向に沿って配列された縞状に形成され、
    前記繊維質層は、前記ポリマー層より小面積に形成され、前記ポリマー層のほぼ中央部に配設されている請求項1〜5いずれかに記載の吸収体。
  9. 前記ポリマー層及び親水性不織布は、前記繊維質層の側縁よりも両側に延在して設けられ、この延在部分がそれぞれ、前記繊維質層の側縁を回り込むようにして折り畳まれることにより、前記ポリマー層及び親水性不織布の側縁が前記繊維質層の上面側に位置している請求項1〜8いずれかに記載の吸収体。
  10. 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
    前記吸収体として上記請求項1〜9いずれかに記載の吸収体を用いていることを特徴とする吸収性物品。
JP2012217250A 2012-09-28 2012-09-28 吸収体及びこれを用いた吸収性物品 Active JP6169338B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012217250A JP6169338B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 吸収体及びこれを用いた吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012217250A JP6169338B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 吸収体及びこれを用いた吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014068813A JP2014068813A (ja) 2014-04-21
JP6169338B2 true JP6169338B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=50744625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012217250A Active JP6169338B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 吸収体及びこれを用いた吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6169338B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5931119B2 (ja) * 2014-05-07 2016-06-08 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
CN105496658A (zh) * 2016-01-29 2016-04-20 泉州市汉威机械制造有限公司 一种吸收芯
JP6388619B2 (ja) * 2016-06-30 2018-09-12 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP6656100B2 (ja) * 2016-07-04 2020-03-04 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品用の吸収体及び当該吸収体を含む吸収性物品
JP6840949B2 (ja) * 2016-07-26 2021-03-10 王子ホールディングス株式会社 吸収性物品
US10622624B2 (en) * 2016-09-19 2020-04-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Porous silicon composite cluster and carbon composite thereof, and electrode, lithium battery, field emission device, biosensor and semiconductor device each including the same
JP6990108B2 (ja) * 2017-12-29 2022-01-12 花王株式会社 吸収性物品
JP2019122715A (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 王子ホールディングス株式会社 吸収性物品
WO2019183592A2 (en) 2018-03-22 2019-09-26 Dsg Technology Holdings Ltd. Disposable absorbent article and absorbent core composite or construction for incorporation therewith, components tehrefor or thereof, and systems, apparatus and methods of making the same
CN111867539A (zh) * 2018-04-11 2020-10-30 宝洁公司 吸收制品及其制备方法
CN111971011B (zh) * 2018-04-13 2022-05-31 株式会社日本触媒 吸水性片、吸水性片的制造方法及吸收性物品
JP7220539B2 (ja) * 2018-09-28 2023-02-10 大王製紙株式会社 パンツタイプ使い捨ておむつ
CN111374833A (zh) * 2018-12-29 2020-07-07 尤妮佳股份有限公司 吸收体和吸收性物品
CN111374835B (zh) * 2018-12-29 2022-10-21 尤妮佳股份有限公司 吸收性物品用的吸收体以及吸收性物品
JP6583575B1 (ja) * 2019-02-20 2019-10-02 王子ホールディングス株式会社 吸収体及びそれを備える吸収性物品
CN116370203A (zh) * 2019-02-20 2023-07-04 王子控股株式会社 吸收体以及设置有吸收体的吸收性物品
JP7129382B2 (ja) * 2019-06-28 2022-09-01 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP7357497B2 (ja) * 2019-09-24 2023-10-06 大王製紙株式会社 吸収性物品
JP7402147B2 (ja) 2019-12-23 2023-12-20 花王株式会社 吸収体及びその製造方法
CN115071229A (zh) * 2022-05-19 2022-09-20 东莞市海纳森非织造科技有限公司 一种环保防水无纺布及生产工艺

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0582421U (ja) * 1992-04-06 1993-11-09 花王株式会社 吸収性物品
JPH0659039U (ja) * 1993-01-08 1994-08-16 積水化成品工業株式会社 積層体
DE69317769T2 (de) * 1993-06-30 1998-07-30 Procter & Gamble Absorptionkern mit verbesserten Flüssigkeitsbehandlungseigenschaften
DE9402463U1 (de) * 1994-02-15 1994-04-07 Demhartner Gmbh & Co Kg R Saugfähiger Verbundwerkstoff
DE69421613T3 (de) * 1994-08-01 2004-09-23 The Procter & Gamble Company, Cincinnati Absorbierende Struktur mit einer oberen Lage und einer unteren Lage aus absorbierendem Gel und Verfahren zur Herstellung
JPH09253129A (ja) * 1996-03-27 1997-09-30 Shiseido Co Ltd 吸収体
JP3791982B2 (ja) * 1996-10-22 2006-06-28 花王株式会社 吸収性物品
JP2003116917A (ja) * 2001-10-11 2003-04-22 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2004065300A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Daio Paper Corp 吸収体及び使い捨て紙おむつ
WO2007023965A1 (ja) * 2005-08-25 2007-03-01 Daio Paper Corporation 吸収性物品および吸収体の製造方法
JP5021360B2 (ja) * 2007-04-19 2012-09-05 王子ネピア株式会社 吸収体及び吸収体の製造方法、並びに使い捨ておむつ
JP5001099B2 (ja) * 2007-09-10 2012-08-15 花王株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014068813A (ja) 2014-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6169338B2 (ja) 吸収体及びこれを用いた吸収性物品
RU2664360C2 (ru) Впитывающее изделие
JP5868172B2 (ja) 吸収性物品
CN109152679B (zh) 吸收性物品
WO2015099121A1 (ja) 吸収性物品の製造方法
JP6641559B2 (ja) 吸収性物品
JP2015047432A5 (ja)
JP4804321B2 (ja) 吸収性物品
JP7157560B2 (ja) 吸収性物品
JP5751774B2 (ja) 失禁用ライナー
WO2017164367A1 (ja) 吸収性物品
JP5302612B2 (ja) 吸収性物品
JP5346537B2 (ja) 吸収性物品
JP2017080039A (ja) 吸収性物品
JP2018015078A (ja) 吸収性物品
JP6326229B2 (ja) 吸収性物品
JP6932887B2 (ja) 軽失禁用吸収性物品
JP6226580B2 (ja) 吸収性積層体および吸収性物品
JP6756427B2 (ja) 吸収性物品
JP5213625B2 (ja) 吸収性物品
JP5944953B2 (ja) 吸収性物品
JP2011167573A (ja) 吸収性物品
JP2016002100A5 (ja)
JP6944575B2 (ja) 吸収性物品
JP5944951B2 (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6169338

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250