JP2011030900A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】この種の吸収性物品に求められる良好な着用感や消臭性能などの基本的な性能を有し、かつ、極めて高い消臭性及び抗菌効果を長時間持続する吸収性物品を提供する。
【解決手段】着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート、及び前記両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する、縦方向とこれと直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間には、抗菌剤を含有する抗菌シートが前記表面シート側に配され、消臭剤を含有する消臭層が前記抗菌シートより前記吸収体側に配されており、前記吸収性物品の幅方向について、前記消臭層の左右端縁が前記吸収体の肌面領域内もしくは側面領域内に留められ、他方、前記抗菌シートは前記吸収体の肌面領域及び非肌面領域に在り、該非肌面領域において前記抗菌シートと前記吸収体とが当接するようにされた吸収性物品。
【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、失禁ライナ等の吸収性物品に関する。
腹圧性失禁は健常な成人にも起こりうる。このような不意に起こる失禁に対するケア用品の利用者が増え、その着用感や性能が重要視されてきている。かかるケア用品に対しては、健常な成人の日常生活に支障のないよう、パンツ形状ではなく下着の内部に装着できるパッドの形態をとることが望ましい。これにより見た目や着用に係る違和感を抑えることが可能である。一方、失禁に伴う臭い(以降、「尿臭気」と呼ぶ。)は、排泄初期はもとより、吸収体内部に吸収された後においても生じ、周囲には然程気にならない程度であっても、着用者にとっては気付かれているのではないかという心配から大いに気になる問題となる。この問題に対して、本出願人はこれまでに消臭剤含有シートを配した吸収性物品(例えば、特許文献1〜3)や抗菌剤含有シートを配した吸収性物品(例えば、特許文献4)を提案してきた。
さらに、本出願人は特許文献5に、消臭剤を有する活性炭シートと抗菌剤を有する抗菌シートとを組み合わせて適用した失禁パッドを提案している。この失禁パッドでは、上記活性炭シートと抗菌シートとは吸収体を幅方向においてその全周を包被した2重構造とされている。
特開2000−318108号公報 特開2001−309968号公報 特開2001−346828号公報 特開2005−232654号公報 特開2006−191966号公報
失禁パッドに代表されるこの種の吸収性物品は半日あるいはそれ以上の比較的長時間に亘り使用されることがある。着用者は比較的若年層にも多く、多忙のため交換の機会を失っていたり、この種の吸収性物品が比較的高価であったり、1回の排泄が少ない着用者が対象であったりするために、そのような長期使用を助長する面もある。他方、着用者は健常者も多く、日常生活において臭気の発生を悟られない高い消臭性が要求される。このため、長時間装着時に発生する熟成臭の抑制は一つの課題となってきている。また、装着後に廃棄容器等に収納し、処分されるまでの間に廃棄容器中で排泄物の腐敗が進んだ際の腐敗臭についても考慮する余地がある。特許文献1〜3開示の吸収性物品は排尿後の比較的初期段階における臭いの抑制には非常に有効であり、特許文献4開示の吸収性物品は抗菌作用によって熟成臭や腐敗臭の抑制に有効であることが考えられる。
ところで、特許文献5に具体的に記載されている吸収性物品は、上述のとおり幅方向にみて活性炭シート及び抗菌シートが吸収性コアの全体を包むよう被覆するもののみである。これに代えて、活性炭シート及び抗菌シートを吸収性コアの表面シート側にのみ配置してもよいとするが、その詳細は何も述べられていない。
上記特許文献5において具体的に示されているものは、初期臭と熟成臭等の抑制に有効であろうと考えられる。しかし、さらに高い性能を発揮し、特に長時間の使用における、極めて高い消臭性を実現する吸収性物品が求められる。
上記の点に鑑み本発明は、この種の吸収性物品に求められる良好な着用感や消臭性能などの基本的な性能を有し、かつ、極めて高い消臭性及び抗菌効果を長時間持続する吸収性物品の提供を課題とする。
本発明は、着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート、及び前記両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する、縦方向とこれと直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間には、抗菌剤を含有する抗菌シートが前記表面シート側に配され、消臭剤を含有する消臭層が前記抗菌シートより前記吸収体側に配されており、前記吸収性物品の幅方向について、前記消臭層の左右端縁が前記吸収体の肌面領域内もしくは側面領域内に留められ、他方、前記抗菌シートは前記吸収体の肌面領域及び非肌面領域に在り、該非肌面領域において前記抗菌シートと前記吸収体とが当接するようにされた吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、失禁パッド等のこの種の物品に求められる着用感等の基本的な性能を満足し、しかも長時間に亘り極めて高い消臭・抗菌効果を持続するという優れた作用効果を奏する。
本発明における一実施形態としての失禁パッドを肌面方向から模式的に示した一部切欠斜視図である。 図1に示すII−II線断面の断面図である。 図1に示すIII−III線断面の断面図である。 本発明における一実施形態としての失禁パッドを肌面方向から模式的に示した平面図である。 本発明における吸収体、消臭シート、及び抗菌シートの構造を模式的に示す分解斜視図である。 実施例及び比較例において製作した失禁パッドの構成を示す概略断面図である。
以下、本発明についてその好ましい実施形態を示し、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明における吸収性物品の一実施形態としての失禁パッドを肌面方向から示した一部切欠斜視図である。図2は図1に示すII−II線断面の断面図であり、図3は図1に示すIII−III線断面の断面図である。
本実施形態における失禁パッド10は、着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート2、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート3及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を有している。失禁パッド10の幅方向に係る左右両側部には、起立防漏壁Tをなすサイドシート5,5が配されている。失禁パッド10は、着用された時に、着用者の腹部から股下部を介して背側部に向かう方向と沿うように配される縦方向と、これに直交する幅方向とを有している。
本実施形態における表面シート2は、幅方向にみて吸収体4上面の肌面領域Saを被覆しており、かつ、吸収体4の両側面領域Sbを越え吸収体4の非肌面領域Scへ延び固定されている(図2参照)。一方、裏面シート3は、吸収体4のほぼ非肌面領域Scのみに配されている。ここで吸収体の肌面領域Saとは、領域境界線SとSとで挟まれた吸収体の着用者の肌に向かう面の領域をいう。これに対し、非肌面領域Scとは吸収体の肌面領域Saとは反対側の領域であり、左右両側領域Sbは吸収体の幅方向の左右の両側における領域である。なお、図2においては、図面中の符号が混み合うことを考慮し図面左側(境界線S側)のみにおいて領域の区別を示している。裏面シート3の非肌面側には、失禁パッド10の幅方向に延びる着衣固定用の粘着剤6が塗布されている。該粘着剤によって、失禁パッド10が使用者の着衣に接着固定される。本実施形態の失禁パッド10は、その表面シート側を着用者の肌面に向け、かつ、その縦方向を下腹部から臀部にかけて配し、換言すればその幅方向を左右の脚をつなぐラインの方向に向けて配して着用する。
失禁パッド10の表面シート2の肌面側には、失禁パッド10の縦方向(本実施形態においては長手方向)に延びる中心線に向かってその中央が張り出すように湾曲した一対の圧縮溝8,8が形成されている。この圧縮溝8は、表面シート2と吸収体4とをその間の部材を含めエンボス加工等によって一体化して形成される。圧縮溝8は、失禁パッド10が変形するための可撓軸として作用する。その結果、失禁パッド10の着用時に、失禁パッド10は圧縮溝に沿って折曲して着用者の体型や動作に沿った形状に変形しやすくなり、着用感を向上させる。
図2は図1における失禁パッド10の縦方向消臭層配置領域QでのII―II断面を示している。縦方向消臭層配置領域Qは、失禁パッド縦方向において吸収体4の前後端縁より内側に位置しており、その詳細については図4に基づき後述する。本実施形態の失禁パッド10においては表面シート2と吸収体4との間に吸収体全体を被覆した、抗菌剤を含有する抗菌シート7が配置されている。そして、肌面領域Saと側面領域Sbの一部とを被覆し左右両側端縁1tを側面領域Sbまでに留めた、消臭剤を含有する消臭層11を介在する消臭シート1が配設され、表面シート2からみて抗菌シート7及び消臭層11の順に配置されている。つまり、吸収体4の非肌面領域Scには消臭層11が存在せず、他方、抗菌シート7がその領域にあり吸収体4に当接して配設されている。
ここで本実施形態の失禁パッド10に特有の作用効果について説明する。人体から排泄される前の尿には腎臓等の作用により腐敗臭を促す雑菌等は存在せず、それのみであれば初期臭をなす尿独特の甘い芳香臭を発する。腐敗臭を発生させる雑菌は皮膚に常在しており、その肌上にある雑菌は失禁パッド10と接触して表面シート2に移行する。排尿があると雑菌は尿とともに失禁パッド10に拡散し、また、表面シート2から裏面シート3に向かって浸透していく。抗菌シート7、消臭層11を通過した雑菌混入尿は吸収体4及び消臭層11に保持され、そこで時間の経過とともに雑菌は増殖していく。
これに対し、本実施形態における上記構成の失禁パッド10によると、時間が経過する前の初期臭は消臭層11により抑制されるため、失禁初期には尿臭気はほとんど無い。失禁後の時間が経過した雑菌混入尿は、表面抗菌剤を有さない吸収体4及び消臭層11を構成する親水性のパルプシート12,13に介在され保持される。抗菌剤を有さない上記各部材は一面では雑菌の増殖の温床ともなり雑菌はその内部で活動を活発化しようとする。これに対し本実施形態においては抗菌剤を含有する抗菌シート7が吸収体4の肌面領域Saのみならず側面領域Sb及び非肌面領域Scにまで延び、消臭層11及び吸収体4に接しながら全体に亘り包むように被覆している。そのため肌面領域Sa側の抗菌シート7がこれと当接する面においてその増殖活動を抑制する。その結果、肌面領域Sa側の消臭層内及び非肌面領域Sc側の吸収体内の雑菌による尿成分の分解を鈍化させ腐敗臭を極めて効果的に抑制する。すなわち、初期臭の発生と、これとメカニズムが異なった腐敗臭の発生との二段階に対して、消臭層11及び抗菌シート7が最も効果的な配置で機能し尿臭気の外部への放出を阻止する。
上述のように抗菌剤を有さない部材は雑菌の温床となりうる。この点、本実施形態においては消臭層11が吸収体4の非肌面側には存在しない。このことにより吸収体4の下面に達した雑菌混入尿はこの部分で直接抗菌シートに接することとなる。したがって、吸収体4の下側に達した尿は通常この部分で留められ時間の経過とともに腐敗臭の発生を促すが、本実施形態においては消臭層11を吸収体4の下側に配置させず雑菌繁殖の温床となり難いので、ここで吸収体4に当接する抗菌シート7により雑菌の増殖活動が効率的に抑止される。それにより熟成臭及び腐敗臭の発生を極めて効果的に抑えることができる。また、吸収体下面では上面と比べて、着用初期段階で、到達する尿量が一般的に少なく、初期臭が問題となることは少ない。更に、液不透過性の裏面シート3の存在によって、初期臭が失禁パッド外部に漏れにくくなっているので、初期臭が問題となることは稀である。加えて、排尿後から腐敗臭が発生する迄の間に、恐らくは尿中成分の分解や濃縮に由来すると考えられる熟成臭も、吸収体の下での尿溜りが抑制され、また、時間経過につれて吸収体下部に溜まる尿の成分の分解が抑制されることによって、その発生が抑制されていると考えられる。したがって、本発明の構成によって、初期臭と熟成臭・腐敗臭の問題を十分に解決しうる。
また、上記の縦方向消臭層配置領域Qにおいて消臭層11が吸収体4の下側に配置されない構造は、部材が少なく柔軟である。そのため、体のねじれ等に対する追従性が向上する。それにより失禁直後の尿を縦方向消臭層配置領域Qに吸収させることができ、初期臭を効果的に抑えることができる。さらに本部位での柔軟性は肌にやさしく、また着用して動いた時の部材同士のこすれから発生する音も低減させ、日常生活における快適性をも向上させる。
本実施形態における表面シート2は、肌面側にある上層シート2aと非肌面側にある下層シート2bとからなる(図2、図6参照)。その例としては各種不織布(たとえば、エアスルー不織布やスパンボンド不織布など)の重ね合わせた構成や、不織布とフィルムとのラミネートからなり多数の開孔が形成されている複合シート等が用いられる。本実施形態のように表面シートを多層構造とすることで、抗菌シート7と着用者肌が直接触れることが有効に避けられるので、本来ヒト皮膚表面に存在すべき常在菌に悪影響を及ぼすことを防止することが容易となる。裏面シート3としては、液不透過の熱可塑性樹脂製のフィルムなどを用いることができる。該熱可塑性樹脂製のフィルムは透湿性を有していてもよい。吸収体4は、吸液性の繊維材料、例えばパルプを主体とし、これに高吸収性ポリマーの粒子が混合されて構成されている。
本実施形態における消臭層11は、詳細な成分は後述するが、活性炭を含む層であり、これと別層との積層構造をなし消臭シート1を構成することが好ましい。消臭機能を有する消臭剤混抄紙である消臭層11は、図5に示すように、肌面側パルプシート12及び非肌面側パルプシート13に挟持されている。消臭層11とパルプシート12,13とは、抄き合わせ又は接着剤等を用いた貼り合わせにより積層される。消臭層11の大きさはパルプシート12、13の大きさよりやや小さくされ、2枚のパルプシート12、13の接合部1sを左右に形成して活性炭を含む消臭層11を介在封入するようにする。そのため両シート12、13の長さが消臭層11より左右に長くされ、消臭層11の左右端縁11tを越え延在するようにされている。一方、前後方向においては消臭層11とパルプシート12,13の長さがそろえられている。消臭シート1の厚みは、用途に応じて適宜調整されればよいが、好ましくは0.1〜2.0mm、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。パルプシート12、13の厚みは、用途に応じて適宜調整されればよいが、好ましくは0.1〜2.0mm、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。
本発明においてシート材の厚みは、特に断らない限り、測定法としてはキーエンス社製のレーザー厚み計(商品名:LK−080)にて0.245kPaの荷重下で測定した値を厚みとする。
本実施形態における抗菌シート7は、ジビニルベンゼンと2−ビニルピリジンとの共重合体に銀イオンが坦持された多孔質構造体からなり、消臭効果も具備した繊維シートである。本剤により極めて高い抗菌作用が得られる。そのため、この極めて高い抗菌作用と、上述した消臭シートと吸収体の非肌面領域に配さない本実施形態の構造とが相まって、従来の抗菌剤ないし従来構造のみでは両立しがたい初期臭の消臭と腐敗臭の発生抑制を高いレベルで実現することができる。
サイドシート5がなす起立性の防漏壁Tは、起立壁部Tと防漏面部Tとから構成されている。起立壁部Tにおいて、サイドシート5の一端5i側が吸収体4と裏面シート3との間に配置されて挟持固定されている。固定手段としてはホットメルト粘着剤等の接着剤による接着が用いられる。起立壁部Tの他端(自由端部)5f側は折り返し部5rを介して防漏面部Tに連繋している。防漏面部Tは、失禁パッド10の幅方向外方にほぼ水平に張り出しており、表面シート2とほぼ平行になった平坦な面を形成している。また、防漏面部Tは、自然形状において表面シート2よりも肌面側の高い位置に形成されている。これによって、失禁パッド10の着用時に、防漏面部Tが着用者の肌に面で密着当接し、横漏れが効果的に防止される。更に、面で密着当接していることによって、着用者の動作によって失禁パッド10がよれても、着用者の身体との間に空隙が発生し、横漏れが効果的に防止される。自由端部5fの内部には、これに沿って糸ゴムからなる弾性部材15が伸張状態で固定されている。この弾性部材15によって防漏面部Tの平坦な形状が良好に形成及び維持される。また、これら弾性部材の収縮によって、サイドシート5にはギャザーが形成されている。
上記構造を有するサイドシート5における立壁部Tによって、サイドシート5と、吸収体4との間にはポケットPが形成されている。これにより、排泄された液が表面シート2の表面を伝って流れ出ても、ポケットPに捕捉して、それ以上の流出を阻止する。ポケットPに捕捉された雑菌混入尿は起立壁部Tに沿って導かれ吸収体4の側部や下側に周りこむように移行する。液不透過性である裏面シート3の肌面側に達した雑菌混入尿は吸収体4の下側からも逆戻りして吸収されうるが、本実施形態においてはこの尿が溜りがちな部分には消臭層11が無い。そのため雑菌混入尿に対し抗菌シート7が当接し、その抗菌作用を発現して雑菌の増殖を抑制する。これにより、やや多めの失禁時においても効果的な消臭性能を発現させることが可能である。
図3は図1における失禁パッド10の縦方向端部領域R(消臭層前後端縁から吸収体端縁までの領域)でのIII―III断面を示している。表面シート2の下側では吸収体4を直接抗菌シート7が幅方向において全体的に取り巻くように被覆しており、消臭層11は存在していない。縦方向端部領域R(図4参照)は上述したように失禁初期において直接的に尿の排泄を受けない箇所とされており、この部位での初期臭は発生しにくい。しかし、時間の経過とともに吸収体4の毛細管現象により縦方向端部領域に向かって雑菌混入尿は移行される。このとき既に雑菌により尿の腐敗化が進んでいることがあり、そのため、この部分には消臭層を配さずこれを越え抗菌シートを配置するようにしている。これにより、雑菌混入尿を包囲して効果的に腐敗化を抑制することができる。
図4は本発明における一実施形態としての失禁パッド10を肌面方向から模式的に示した平面図である。失禁パッド10の外形よりも小さく破線で示されているのが吸収体4及び抗菌シート7である。本実施形態において吸収体4と抗菌シート7との平面視における外形は略同一である。したがって抗菌シート7のみの領域を端部領域Rに配し、その縦方向の前後端縁7i、7fが前記消臭シート1(消臭層11)の前後端縁1i、1fを越え、抗菌シート7が失禁パッド10のほぼ全域に配されている。このようにされていることが上述のように、十分な抗菌性能の発現の点から好ましい。
失禁パッドないし吸収体の縦方向消臭層配置領域Qと縦方向端部領域Rの各縦方向の長さは機能的に配分されればよく、特に限定されないが、消臭層配置領域Q長さと縦方向端部領域R長さの比率c/(c+e+e)は0.35〜0.95が好ましく、0.42〜0.75がより好ましい。成人用の失禁パッドとして使用する場合は、製品の全長にもよるが、端部領域Rの長さeは10〜90mmが好ましく、20〜70mmがさらに好ましい。また、中央消臭層配置領域Qの長さcは70〜180mmが好ましく、80〜150mmがさらに好ましい。なお、消臭層配置領域Qとは体液の排泄を直接受ける部分及びその近傍である。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではない。例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁ライナ等に本発明を適応することができる。また、尿臭に限らずその他、経血臭、オリモノ臭、便臭等に対しても効果的である。
上記実施形態の失禁パッド10の消臭層11及び抗菌シート7の材料、製法における条件や、製品の寸法緒言は特に限定されないが、特開2001−70339号公報、特開2008−63711号公報に記載の事項を参照することができる。
本実施形態における消臭シート1は非抗菌性の消臭剤を含有した消臭層11を2枚のパルプシート(親水性)12、13の間に介在してなる(図5参照)。消臭層11は、多孔性消臭剤と繊維原料を主体としてなる。繊維原料としては、NBKP、LBKP等の木材パルプの他、藁、綿等の非木材パルプ等の公知の天然繊維が使用できる。また、シート強度を向上させる目的で、ポリエチレン繊維等の合成繊維を適宜混合してもよい。消臭層11における繊維原料の含有率は、好ましくは50〜99質量%、更に好ましくは70〜97質量%である。50質量%以上とすることにより、シート強度やフレキシブル性が十分なものとなり、99質量%以下とすることにより消臭効果が十分に奏される。
パルプシート12、13としては、紙、不織布等が用いられる。紙とした場合、繊維原料としては、消臭層11と同様のものが使用できる。また、不織布とした場合、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等の公知の不織布がいずれも使用できる。
前記多孔性消臭剤は、孔直径20〜200Åの細孔の容積が多孔性消臭剤1g中に0.2ml/g以上のものが好ましく、0.6ml/g以上となるように、該細孔を有しているものがより好ましい。孔直径が小さすぎると粒子径が大きい場合など、吸着速度が遅くなり、消臭機能が発揮できないことがある。細孔の容積が小さすぎると、消臭剤の必要量が多くなり、製品のコストがかさんだり、十分な消臭能力が発揮されない場合がある。
多孔性消臭剤は、その少なくとも一部が疎水性であるのが好ましい。少なくとも一部が疎水性であるとは、少なくとも表面が疎水性であることを好ましくは意味し、これにより、多孔性消臭剤が濡れにくくなり、排泄物で濡れることにより消臭性能が低下することが少なくなる。また、多孔性消臭剤の平均粒子径は、1〜500μmとするのが、吸収性物品へ導入する際の固定性、分散性及び風合いの点から好ましい。
このような多孔性消臭剤としては、薬品賦活活性炭、多孔性ポリマー、シリカゲル、ゼオライト、モンモリロライト類等が挙げられるが、中でも、薬品賦活活性炭、フェニル基を有する多孔性ポリマーが好ましい。具体的には、薬品賦活活性炭としては、塩化亜鉛賦活活性炭、リン酸賦活活性炭等が挙げられ、多孔性ポリマーとしては、2,6−ジフェニルーp−フェニレンオキサイドベースポリマー、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体等が挙げられる。
多孔性消臭剤の含有量は、吸収性物品の飽和吸収量(g)に対し20〜200Åの細孔の容積が0.3ml/100g以上であるのが好ましく、0.6ml/100g以上であるのが更に好ましい。0.3ml/100g以上とすることにより、十分な消臭効果を発揮することができる。なお、前記飽和吸収量は、下記のようにして測定される。
飽和吸収量;吸収性物品を生理食塩水に30分間浸漬する。30分経過後吸収性物品を引き上げ、30分間水切りを行い、水切り後の重量(g)から浸漬前の重量(g)を差し引き、これを飽和吸収量とする。消臭層11は、多孔性消臭剤及び繊維原料を含有したスラリーから、常法通り、通常の湿式抄紙法によりシート状に成形して得ることができる。
前記のようにして得られた消臭層11とパルプシート12、13とは、常法通り、抄紙機上で抄き合わされるか、又は貼り合わせ機を用いて接着剤等により貼り合わされることにより、2枚のパルプシートの間に消臭層を介在させた積層シートとすることができる。その後、スリット工程において所望のシート巾に調整されて、本実施形態の消臭層11とすることができるが、その際、両側部が消臭層11を介在していないことから、多孔性消臭剤が脱落せず、製品及び製造ラインが汚れることがなく好ましい。
本実施形態における抗菌シート7は、抗菌剤を備えている。この抗菌剤は、繰り返し構成単位として架橋性ビニルモノマーとヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとを含む共重合体に抗菌性金属イオンが坦持されたものであることが好ましく、ビジニルベンゼンと2−ビニルピリジンとの共重合体に銀イオンが坦持された多孔質構造体からなり、消臭効果を具備するものであることがより好ましい。このときモノマー成分中の架橋性ビニルモノマー(ジビニルモノマー)の割合が大きいほど、BET比表面積の大きい抗菌消臭粒子が得られる。従って、全モノマー成分中におけるジビニルモノマーの割合は、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。該割合の上限は、98質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。他方、2−ビニルモノマーの割合は、十分に大きいことが好ましく、具体的には、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましい。また、抗菌消臭粒子のBET比表面積を大きくすることで吸収効果を高める場合には、全モノマー成分中のヘテロ芳香環を有するビニルモノマーの割合は、50質量%以下にすることが好ましく、30質量%以下にすることがより好ましい。
上記抗菌消臭粒子においては、上記モノマー以外に、これらと共重合可能な他のモノマーを用いることができる。該他のモノマーとしては、例えば、芳香族系ビニルモノマー、不飽和酸エステル、不飽和酸等が挙げられる。芳香族系ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド等が例示され、不飽和酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が例示され、不飽和酸としては、(メタ)アクリル酸が例示される。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も用いることができる。これらの中では芳香族系ビニルモノマーが好適であり、特にスチレンが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
本発明における粒子の表面積は特に断らない限りBET比表面積で評価することとし、架橋性ビニルモノマーの割合や、重合に用いる有機溶剤の選定により任意に設定することができるが、大きいほど消臭効果が高い。高い抗菌消臭能を有する観点から、抗菌消臭粒子は10m2/g以上であることが好ましく、50m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましく、150m2/g以上が特に好ましい。BET比表面積の上限は特に限定されないが、800m2/g以下、特に500m2/g以下が好ましい。なおBET比表面積は、下記に示すBET1点法により求めた値である。
[BET比表面積の求め方]
島津製作所製の商品名:フローソーブ2300を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の質量で除して比表面積を求めた。
抗菌消臭粒子の粒径は特に規定されず、これが用いられる用途に応じて適当なものを選定することができる。抗菌消臭粒子は、粒径が0.1〜5mm程度の粒状でもよく、粒径が0.1〜100μm程度の粉末でもよい。粒径が0.1〜10μmの粉末の抗菌消臭粒子を用いると他の材料との配合が容易である。湿式抄造法に使用する場合には、粒径は、1〜1000μmであることが好ましく、特に10〜200μmであることが好ましい。本発明における抗菌消臭粒子は、水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により製造することが好ましい。
本実施形態に採用される抗菌消臭粒子においては、上記共重合体に金属イオンが坦持されている。抗菌消臭粒子は、そのポリマー表層に存在するヘテロ芳香環との配位結合により、その細孔表面に金属イオンを担持させることが可能である(本発明においてはかかる金属イオンの固定化を担持という。)。この場合、アンモニア、アミン類、メルカプタン類、脂肪酸等の悪臭ガスは、金属イオンとの配位結合により吸着される。つまり、金属イオンを担持した抗菌消臭粒子は、大きなBET比表面積による物理消臭能と、担持した金属イオンによる抗菌能及び/又は化学消臭能とを兼ね備えた格段に高い消臭能を持つ粒子である。金属イオンとしては、例えば、銀イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ジルコニウムイオン、セリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、白金イオン等が挙げられ、銀イオン、亜鉛イオンが好ましい。
上記抗菌消臭粒子は、上記重合終了後のスラリー、又は乾燥し、かつ、有機溶剤を除去した粒子と、金属塩を溶解させた溶剤とを接触させ、必要であれば30〜80℃に加熱しながら混合することにより製造することができる。金属イオンの担持量は、ポリマー粒子に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。金属イオンの担持量の上限は、特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
消臭粒子に金属イオンを担持させるために用いられる金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に制限されない。該金属塩としては、例えば、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸コバルト、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸銅、硝酸ニッケル、酢酸銀、塩化セリウム、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化銅、過塩素酸銀、過塩素酸アルミニウム、過塩素酸白金、過塩素酸亜鉛、過塩素酸ジルコニウム、硫酸銀、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等が挙げられ、これらを単独で用いても、2種類以上用いてもよい。特に好ましくは硝酸銀、酢酸銀、及び塩化亜鉛である。
抗菌消臭粒子が付着した抗菌シート7は、繊維材料及び抗菌消臭粒子を含むスラリーを原料とした湿式抄造法によって製造される。繊維材料への抗菌消臭粒子の付着量を高める観点から、スラリー中に凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては、例えばポリアクリルアミドが好適に用いられる。湿式抄造法によって得られたシートにおける消臭粒子の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、2質量%以上が一層好ましい。抗菌消臭粒子の含有量の上限に特に制限はないが、経済的な観点から、30質量%以下であることが好ましい。具体的な用途にもよるが、該シートの坪量は、好ましくは10〜100g/m2、更に好ましくは10〜50g/m2である。
以下に、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
図6に模式的に示した断面構成の失禁パッド(試験体1〜5)を製造した。図6中、(a)が実施例であり、図6(b)〜(d)が比較例である。なお、各部材において太線で示したものは指定の剤を含むことを意味し、シートの厚さを示すものではない。
各失禁パッド試験体における上層シート2aと下層シート2bには2.4dtexのポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維のサクションヒートボンド不織布(坪量25g/m)を用いた。
抗菌シート7としては、銀イオンを坦持したジビニルベンゼンと2−ビニルピリジン共重合体を含む坪量16g/mの湿式抄造紙を用いた。この抗菌シート7に占める前記抗菌及び消臭剤の量はシート質量に対して0.85%であった。抗菌シート7の寸法は縦方向長さが195mm、幅方向長さが170mmであった。
消臭層11として、粒径30μmの活性炭を含む坪量25g/mの湿式抄造紙を用いた。活性炭の配合量は5.0質量%であった。この消臭層(活性炭シート)11の上下を、坪量16g/mのティッシュペーパー1b、1cで挟み(図5参照)、消臭層の両側縁からの活性炭の脱落を防止した。消臭シートの寸法は縦方向長さが110mm、幅方向長さが70mmであった。消臭シート1の厚さは0.3mmであった(測定方法は前記参照)。
吸収体4として、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとの積繊体を用いた。積繊体坪量は300/mであった。フラッフパルプの坪量は150/m、高吸収性ポリマーの坪量は150/mであった。吸収体4はその縦方向長さが195mm、幅方向長さが70mmであった。
裏面シート3としては、ポリエチレン製の透湿性シート(坪量39g/m)を用いた。裏面シート3の寸法は、縦方向長さ195mm、幅方向長さ70mmであった。
[実施例2]
抗菌シート7として銀イオンを坦持したジビニルベンゼンと2−ビニルピリジン共重合体に替え、セチルリン酸ベンザルコニウムが含浸された坪量16g/m湿式抄造紙を用いた。上記抗菌シート7のセチルリン酸ベンザルコニウムの含有量は0.2質量%であり、それ以外は寸法を含め実施例1と同様にして失禁パッドを得た。(図6(a)参照)
[比較例1]
抗菌シート7及び消臭層11に抗菌剤及び消臭剤を含まない坪量16g/m湿式抄造紙を用いた以外は寸法を含め実施例1と同様にして失禁パッドを得た(図6(b)参照)。
[比較例2]
抗菌シート7に抗菌剤を含まない坪量16g/mの湿式抄造紙を用いた以外は寸法を含め実施例1と同様にして失禁パッドを得た(図6(c)参照)。
[比較例3]
抗菌シート7として、銀イオンを坦持したジビニルベンゼンと2−ビニルピリジン共重合体に替え、セチルリン酸ベンザルコニウムが含浸された坪量16g/m湿式抄造紙を用いた。上記抗菌シート7のセチルリン酸ベンザルコニウムの含有量は0.2重量%であった。消臭層11の寸法を縦方向長さが110mm、幅方向長さが140mmとし、吸収体の肌面側、側面及び非肌面側を覆うように配した。それ以外は寸法含め実施例1と同様にして失禁パッドを得た(図6(d)参照)。
[性能評価]
成人男性5名の尿を各100ml摂取し、該尿を混合して尿500mlを作製する。該尿中に長さ195mm、幅140mmの表面シートを人体中の臭気雑菌を採取するため臀部に接触させた5名分の表面シートを上記人尿に入れ雑菌混入尿を作製する。前記各実施例及び各比較例で得られた失禁パッド試験体に上記雑菌混入尿30gを吸収させ、容積1.2リットルの密閉容器(蝶プラ工業株式会社製:商品名 タイトボックスNo.3)中に素早く入れて気密状態とし、試験方法を以下のようにして行った。
A:60分後を「直後」とし、24時間後を「1日後」とし、48時間後を「2日後」とした。
B:60分後、24時間後、48時間後、それぞれ上記容器の蓋を開け、容器中の臭いについて6名のパネルに官能評価を行った。
C:6名の評価値(0〜5)の平均値を算出し(小数第一位以下四捨五入)、その値を臭気強度の官能値とした。評価は以下の通りである。
0: 臭いがない。
1: 尿特有の臭いがない。
2: 尿特有の臭いがある。
3: 尿特有の臭いが楽に分かる。
4: 尿特有の臭いが強く分かる。
5: 尿特有の臭いが激しく分かる。
D:評価中の各密閉容器は40℃に管理された室内で保存した。
E:官能値は、その値が小さいほど臭気が弱いことを意味する。以下に評価基準を示す。
・1.5以下:尿特有の臭いがわからないレベル(表記 ◎)
・1.5超2.5以下:気にすると尿特有の臭いがわかるレベル(表記 ○)
・2.5超3.5以下:普通にしていて尿特有の臭いを感じるレベル(表記 △)
・3.5超5.0以下:尿特有の臭いが強いと感じるレベル(表記 ×)
使用した人尿は、実施例及び比較例で全て同じものを用いた。評価結果を下記表1に示す。
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試験体 1 2 3 4 5
参照図面 6(a) 6(a) 6(b) 6(c) 6(d)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
直後 ◎ ◎ △ ◎ ◎
1日後 ◎ ◎ △ △ ○
2日後 ○ △ × × ×
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
備考 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なお、試験体5(図6(d)参照)は特開2006−191966号公報に具体例として開示されたものと同様の構造を有するものである。
表1に示す結果から明らかなように、実施例の失禁パッドは、長時間にわたり、高い消臭性能が維持されていることが分かる。これに対して比較例の失禁パッドでは、初期から尿臭気(初期臭)が感じられたり、長時間着用や着用後廃棄までの保存状態を想定した試験下では熟成臭又は腐敗臭に基づくと思われる臭いが感じられている。したがって、本発明の構成によれば、初期臭も、長時間着用後の臭いも抑制することが可能であることが分かる。
1 消臭シート
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイドシート
6 粘着剤
7 抗菌シート
8 圧縮溝
10 失禁パッド
11 消臭層
12 肌面側パルプシート
13 非肌面側パルプシート
起立壁部
防漏面部

Claims (4)

  1. 着用時に肌面側に配置される液透過性の表面シート、非肌面側に配置される液不透過性の裏面シート、及び前記両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する、縦方向とこれと直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、
    前記表面シートと前記吸収体との間には、抗菌剤を含有する抗菌シートが前記表面シート側に配され、消臭剤を含有する消臭層が前記抗菌シートより前記吸収体側に配されており、
    前記吸収性物品の幅方向について、前記消臭層の左右端縁が前記吸収体の肌面領域内もしくは側面領域内に留められ、他方、前記抗菌シートは前記吸収体の肌面領域及び非肌面領域に在り、該非肌面領域において前記抗菌シートと前記吸収体とが当接するようにされた吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品の縦方向について、前記消臭層の前後端縁は前記吸収体の前後短縁より内側に位置し、他方、前記抗菌シートは前記消臭層の前後端縁を越えて延在する請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記消臭層は消臭剤として活性炭を含み、該消臭層とこれと別の層とが積層して消臭シートをなす請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記抗菌剤は、繰り返し構成単位として架橋性ビニルモノマーとヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとを含む共重合体に抗菌性金属イオンが坦持された、BET比表面積が10m/g以上の多孔性粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
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