JP2009155368A - 塗料用添加剤及びこれを含有してなる塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性及び長期に渡り汚染低減性(長期汚染低減性)に優れた塗膜を形成することができる塗料用添加剤を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤を用いる。
Figure 2009155368

ただし、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜20のジイソシアネート反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Hは水素原子、nは2〜50の整数、mは2〜4の整数、tは1〜18の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は塗料用添加剤及びこれを含有してなる塗料組成物に関する。特に、建築物の外面に塗布される塗膜の汚染低減(主に水性塗料における塗膜の汚染低減)のための塗料用汚染低減剤として好適な塗料用添加剤及びこれを含有してなる塗料組成物に関する。
塗膜に親水性を付与し降雨等で汚染物質を洗い流すことを目的として添加される塗料用添加剤としては、デンプン−ポリアクリル酸ナトリウムグラフト化物及びポリオキシエチレン鎖含有ポリウレタン樹脂等の水膨潤性高分子(特許文献1)、グリセリン又はペンタエリスリトール等にエチレンオキシド、プロピレンオキシドを重合させた化合物(特許文献2)、並びに非還元性の二又は三糖類のアルキレンオキシド付加物及びこの2量体(特許文献3)等が知られている。
特開平2−123176号公報 特開平11−279454号公報 特開2004−224945号公報
特許文献1及び2に記載の塗料用添加剤では、塗膜の耐水性が著しく低下し、また、汚染低減性が短期間で消失するという問題がある。また、特許文献3に記載の塗料用添加剤でも、1〜2年の長期に亘る汚染低減性は充分とはいえない。
すなわち、本発明の目的は、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる塗料用添加剤及び塗料組成物を提供することである。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。
すなわち、本発明の塗料用添加剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなる点を要旨とする。
Figure 2009155368


ただし、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜20のジイソシアネート反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Hは水素原子、nは2〜50の整数、mは2〜4の整数、tは1〜18の整数を表し、
−(OA-)nQ{-(AO-)nH}m−1単位(1a)、
Figure 2009155368
及び{H(-OA)n}m−1Q(AO-)n-L−単位(1c)のぞれぞれに含まれるOA及びAOの総数は10〜100であり、OA、AO、(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってもよい。
また、本発明の塗料用添加剤の特徴は、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜100モル部及び炭素数6〜20のジイソシアネート(a3)0.67〜0.95モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる点を要旨とする。
また、本発明の塗料組成物は、塗料及び上記の塗料用添加剤とからなり、この塗料用添加剤を塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる点を要旨とする。
本発明の塗料用添加剤は、塗膜上での水の接触角を大きく低下させ、またその持続性に極めて優れており、長期に亘って極めて優れた汚染低減性及び耐水性を維持する。すなわち本発明の塗料用添加剤は、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる。そして、本発明の塗料用添加剤は、少ない使用量でも極めて効果的であり、塗料の持つ本来の特性を低減させることがない。よって、本発明の塗料添加剤は、外壁等の屋外に塗装される塗料(特に水性エマルション塗料)に極めて有用である。
また、本発明の塗料組成物は、上記の塗料用添加剤を含んでいるので、塗膜上での水の接触角を大きく低下させ、またその持続性に極めて優れており、長期に亘って極めて優れた汚染低減性及び耐水性を維持する。すなわち本発明の塗料組成物は、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる。よって、本発明の塗料組成物は、外壁等の屋外に塗装される塗料組成物として(特に水性エマルション塗料)に極めて有用である。
一般式(1)において、非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、長期汚染低減性等の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくは蔗糖、トレハロース及びラフィノースであり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。
一般式(1)において、Lはジイソシアネートの反応残基(−CO−NH−R−NH−CO−で表される基)を表す。
Rは、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン及びアルアルキレン(アリールアルキレン)等が使用できる。また、これらの基に含まれる水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭素数1〜6のアルコキシ等で置換されていても構わず、またこれらの基同士がオキサ基(−O−)又はスルホニル基(−SO−)で結合されていてもよい。
アルキレンとしては、炭素数4〜8のアルキレン等が用いられ、ブチレン、ヘキサメチレン及び2−エチルヘキシレン等が挙げられる。
シクロアルキレンとしては、炭素数6〜15のシクロアルキレン等が用いられ、シクロヘキシレン、ジシクロヘキシレン、メチルシクロヘキシレン、トリメチルシクロヘキシレン、ノニルシクロヘキシレン、-(ch)-CH-(ch)-で表される基、-CH-(ch)-CH-で表される基、-(ch)-C(CH-(ch)-で表される基、-(ch)-CHCH-(ch)-で表される基及び-(tmch)-CH-で表される基等が挙げられる。なお、(ch)はシクロヘキシレン、(tmch)はトリメチルシクロヘキシレンを表す(以下同様)。これらの他、-(ch)-O-(ch)-で表される基、-(ch)-SO-(ch)-で表される基、クロロシクロヘキシレン及びメトキシシクロヘキシレン等も使用できる。
アリーレンとしては、炭素数6〜15のアリーレン等が用いられ、フェニレン、トリレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、テトラメチルフェニレン、キシリレン、ノニルフェニレン、ナフチレン、ビフェニリレン、ジメチルビフェニリレン、アントリレン、フェナントリレン、-(ph)-CH-(ph)-で表される基、-(ph)-C(CH-(ph)-で表される基、-(ph)-CHCH-(ph)-で表される基及び-CH-(ch)-CH-で表される基等が挙げられる。なお、(ph)はフェニレンを表す(以下同様)。これらの他、-(ph)-O-(ph)-で表される基、-(ph)-SO-(ph)-で表される基、ブロモフェニレン、クロロナフチレン、クロロビフェニレン及びメトキシフェニレン等も使用できる。
アルアルキレンとしては、炭素数7〜18のアルアルキレン等が用いられ、フェニルエチレン基、トリルブチレン、エチルフェニルエチレン、キシリルヘキシレン、ノニルフェニルエチレン、ナフチルブチレン、ビフェニリルエチレン及びフェナントリルプロピレン等が挙げられる。これらの他、ブロモフェニルエチレン、クロロビフェニリルエチレン、メトキシフェニルエチレン基、ブトキシナフチルブチレン及びジエトキシビフェニリルエチレン等も使用できる。
これらのRのうち、アルキレン、シクロアルキレン及びアリーレンが好ましく、さらに好ましくはヘキサメチレン、-(tmch)-CH-で表される基及びキシリレン、特に好ましくはヘキサメチレンである。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(OA又はAO)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。 これらのうち、オキシプロピレンが好ましく、また耐水性の観点等からはオキシプロピレン及びオキシブチレンの混合が好ましいが、水との接触角及び汚染低減性の観点等からオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンとオキシエチレンとの混合でもよい。
OA又はAO内に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状との組合せを含むことが好ましい。
オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンとオキシエチレンとの混合を含む場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜9、特に好ましくは3〜8、最も好ましくは4〜7である。
また、この場合、反応残基(Q)から離れた端部にオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、OA(又はAO)にオキシエチレン基を含む場合、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合し得ていることが好ましい。また、OA(又はAO)に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、ブロック状を含むことが好ましい。
nは、2〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは5〜47の整数、特に好ましくは7〜43の整数、最も好ましくは10〜40の整数である。この範囲であると塗膜の耐水性及び長期汚染低減性がさらに良好となる。
−(OA-)nQ{-(AO-)nH}m−1単位(1a)、
Figure 2009155368
及び{H(-OA)n}m−1Q(AO-)n-L−単位(1c)のぞれぞれに含まれるOA及びAOの総数は、10〜100の整数が好ましく、さらに好ましくは20〜90の整数、特に好ましくは30〜80の整数、最も好ましくは40〜70の整数である。この範囲であると、塗膜の耐水性及び長期汚染低減性がさらに良好となる。
mは、2〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは3である。この範囲であると塗膜の長期汚染低減性がさらに良好となる。
また、tは、1〜18の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜15の整数、特に好ましくは3〜12の整数、最も好ましくは4〜10の整数である。この範囲であると塗膜の耐水性がさらに良好となる。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)及び炭素数6〜20のジイソシアネート(a3)の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物等が含まれる。すなわち、これらの化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物は、オキシアルキレン基やtの数等に分布を生じる場合があり、この場合、厳密には複数種類のポリオキシアルキレン化合物の混合物となり、この混合物の中に、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物が含まれるものである。なお、この場合でも製造方法を限定するものではない。
そして、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、10〜100が好ましく、さらに好ましくは20〜90、特に好ましくは30〜80、最も好ましくは40〜70である。この範囲であると、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性がさらに良好となる。
炭素数6〜20のジイソシアネート(a3)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、0.67〜0.95が好ましく、さらに好ましくは0.75〜0.94、特に好ましくは0.8〜0.93、最も好ましくは0.83〜0.92である。この範囲であると、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性がさらに良好となる。
非還元性の二又は三糖類(a1)としては、一般式(1)における反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類と同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
アルキレンオキシド(a2)としては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド等が使用でき、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、POが好ましく、塗膜の耐水性等の観点から、PO及びEOの混合が好ましいが、水との接触角及び汚染低減性等の観点からPO及び/又はBOとEOとの混合でもよい。
また、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましくい。また、この場合、EOを含有することが好ましく、EOの使用割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜9、特に好ましくは3〜8、最も好ましくは4〜7である。EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、二又は三糖類(a1)へのEOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との付加反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
アルキレンオキシド(a2)の付加反応には反応触媒が使用できる。なお、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合、反応触媒を用いる必要がない。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び3級アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との合計重量に基づいて、0.05〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.2〜0.6である。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエンなどの溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、アルキレンオキシド(a2)を反応系に導入する前に反応装置内を真空または乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
アルキレンオキシド(a2)の付加反応の工程には、反応溶媒を用いることが好ましい。反応溶媒としては、活性水素を持たないものが好ましく、さらに好ましくは非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)及びこれらの反応により生成する生成物(a12)を溶解するものが好ましい。
このような反応溶媒としては、炭素数3〜8のアルキルアミド及び炭素数5〜7の複素環式アミド等が使用できる。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアミド及びN−メチルピロリドンが好ましく、さらに好ましくはDMF、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン、特に好ましくはDMF及びN−メチルピロリドン、最も好ましくはDMFである。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との反応により生成する生成物(a12)の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。
反応溶媒を用いた場合、反応後に反応溶媒を除去することが好ましい。
反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。減圧留去する条件としては、0.6〜27kPaの減圧下にて100〜150℃にて留去する条件等が適用できる。
吸着除去としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量を減少させることができる。
ポリオキシアルキレン化合物としては、表1で示される化合物等が挙げられる。なお、a1は非還元性の二又は三糖類、a2はアルキレンオキシド、a3はジイソシアネート、tは一般式(1)のtに対応する繰り返し数を表し、Pはオキシプロピレン又はプロピレンオキシを、Eはオキシエチレン又はエチレンオキシを、Bはオキシブチレン又はブチレンオキシを表し、これらの添え字はそれぞれの数(付加モル数)を表し、Q1は蔗糖の反応残基を、Q2はトレハロースの反応残基を、Q3はラフィノースの反応残基を、L1はヘキサメチレンジイソシアネートの反応残基を、L2はイソホロンジイソシアネートの反応残基を、L3はキシリレンジイソシアネートの反応残基を表す。
Figure 2009155368


これらのうちでは、No3〜8及び11〜14のポリオキシアルキレン化合物が好ましく、さらに好ましくはNo4〜7及び11〜13、特に好ましくは5及び6のポリオキシアルキレン化合物である。
本発明の塗料用添加剤には、ポリオキシアルキレン化合物(Y)以外の成分として、必要により、粘度調整剤、消泡剤、湿潤剤及び造膜調整剤等を含有させることができる。
粘度調整剤としては、SNシックナー601及び同612(サンノプコ株式会社製)等、消泡剤としてはSNデフォーマー180及び同260(サンノプコ株式会社製)等、湿潤剤としてはSNウエット123及び同980(サンノプコ株式会社製)等、造膜調整剤としてはテキサノール(イーストマンケミカル社製)等が用いられる。なお、含有量としては、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、いずれも0.1〜30重量%が好ましい。
本発明の塗料用添加剤は、水性塗料及び非水性塗料のいずれにも適用することができ、これらのうち水性塗料に好適であり、特に水性エマルション塗料に適している。水性エマルション塗料としては、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ハロゲン化オレフィン系、ウレタン系、アクリル−シリコン系又はフッ素系等の塗料が挙げられる。
本発明の塗料用添加剤を塗料へ添加するタイミングとしては、(1)顔料を分散するとき、(2)分散した顔料に樹脂成分及び各種添加剤を配合するとき、及び(3)さらに塗装する直前等があるがそのいずれでもよい。
本発明の塗料用添加剤の添加量(重量%)としては、塗料の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜4.5、特に好ましくは0.3〜4、より特に好ましくは0.5〜3.5、最も好ましくは0.7〜3である。この範囲であると良好な長期汚染低減性が得られやすく、さらに塗膜の耐水性等(塗料の持つ本来の特性)に悪影響を与えにくい。
本発明の塗料用添加剤を添加した塗料は、通常の方法により被塗装体に塗装することができ、ハケ塗り、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレス塗装、ロールコーター塗装及びフローコーター塗装等の塗装方法等が適用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、トレハロース{試薬特級、和光純薬工業(株)製、以下同じ}504部(1モル部)及びDMF{三菱ガス化学(株)製、以下同じ}1000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(以下、窒素置換と略する。)を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてPO290部(5モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。さらに同温度にてBO370部(5モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続け、残存するBO等を反応させた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、トレハロース/PO5モル/BO5モル付加物(S1)を得た。
攪拌、加熱、冷却及び真空ポンプによる減圧の可能な反応容器に、トレハロース/PO5モル/BO5モル付加物(S1)1984部(2.0モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略する。)319.2部(1.9モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y1)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y1)をこのまま本発明の塗料用添加剤(1)とした。
<実施例2>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、トレハロース504部(1モル部)、DMF1500部を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてPO1160部(20モル部)を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、トレハロース/PO20モル付加物(S2)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、トレハロース/PO20モル付加物(S2)2553.4部(1.7モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、キシリレンジイソシアネート300.8部(1.6モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y2)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y2)をこのまま本発明の塗料用添加剤(2)とした。
<実施例3>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖(株)製蔗糖、以下同じ}342部(1モル部)、DMF1500部を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてPO1740部(30モル部)を3.5時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/PO30モル付加物(S3)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2914.8部(1.4モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略する。)288.6部(1.3モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y3)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y3)をこのまま本発明の塗料用添加剤(3)とした。
<実施例4>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1モル部)及び、水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、使用量は水分を除いた純分換算量で表示した。以下同じ。}5.0部を加えて窒素置換を3回繰り返し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO580部(10モル部)を3時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで90℃にて脱イオン水50部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製}200部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水(以下、キョーワード処理及び脱水と略する。)して、蔗糖/PO40モル付加物(S4)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO40モル付加物(S4)3194.4部(1.2モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI244.2部(1.1モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y4)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y4)をこのまま本発明の塗料用添加剤(4)とした。
<実施例5>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1モル)及び水酸化カリウム6.0部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO1160部(20モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO50モル付加物(S5)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO50モル付加物(S5)3242部(1.0モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI151.2部(0.9モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y5)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y5)をこのまま本発明の塗料用添加剤(4)とした。
<実施例6>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1モル)及び水酸化カリウム6.5部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO1740部(30モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO60モル付加物(S6)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO60モル付加物(S6)3057.6部(0.8モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI155.4部(0.7モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y6)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y6)をこのまま本発明の塗料用添加剤(6)とした。
<実施例7>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、ラフィノース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}504部(1モル部)及びDMF2000部を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてPO4060部(70モル部)を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、ラフィノース/PO70モル付加物(S7)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、ラフィノース/PO70モル付加物(S7)2738.4部(0.6モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI111部(0.5モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて9時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y7)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y7)をこのまま本発明の塗料用添加剤(7)とした。
<実施例8>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1モル)及び水酸化カリウム7.5部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO2940部(50モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO80モル付加物(S8)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO80モル付加物(S8)2491部(0.5モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI88.8部(0.4モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて9時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y8)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y8)をこのまま本発明の塗料用添加剤(8)とした。
<実施例9>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1モル)及び水酸化カリウム8部を加えて窒素置換、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO3480部(60モル部)を滴下、反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO90モル付加物(S9)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO90モル付加物(S9)2224.8部(0.4モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI50.4部(0.3モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて9時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y9)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y9)をこのまま本発明の塗料用添加剤(9)とした。
<実施例10>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖342部(1モル部)及びDMF3000部を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO220部(5モル)を1時間かけて滴下し、さらにPO5510部(95モル部)を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/EO5モル/PO95モル付加物(S10)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/EO5モル/PO95モル付加物(S10)1821.6部(0.3モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI33.6部(0.2モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて9時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y10)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(Y10)をこのまま本発明の塗料用添加剤(10)とした。
<比較例1>−特許文献2に記載の発明に対応−
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ジエチレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}106部(1モル部)及び水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製}1.5部を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ140℃まで昇温し、同温度にてEO2200部(50モル部)を8時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いでキョーワード及び脱水して、ポリエチレングリコール(数平均分子量2300)(HS1)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(HS1)をこのまま比較用の塗料用添加剤(H1)とした。
<比較例2>
実施例1と同様な反応容器に、ポリエチレングリコール(HS1)2300部(1モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI112部(0.67モル部)を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(HY1)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(HY1)をこのまま比較用の塗料用添加剤(H2)とした。
<比較例3>−特許文献3に記載の発明に対応−
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO50モル付加物(S5)648.4部(0.2モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI22.2部(0.1モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(HY2)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(HY2)をこのまま比較用の塗料用添加剤(H3)とした。
実施例及び比較例で得た塗料用添加剤を用いて、塗料組成物を調製し、長期汚染低減性{水との接触角(初期及び浸漬処理後)}、耐水性及び屋外暴露試験(白色度の差、−△L)を評価し、これらの結果を表3に示した。
なお、塗膜の水との接触角と、汚染低減性との関連性についてはよく知られており(官民連帯共同研究「構造物の坊汚技術の開発」、建設省土木研究所化学研究室)、接触角が小さいほど、汚染低減性(耐汚染性、降雨による水滴が表面に付着した汚れを運び去りやすさ)が良好である。
また、試験用塗装片を24時間脱イオン水に浸漬した後に乾燥させ、水との接触角を測定する促進耐久テスト後でも水との接触角が50度以下を保つ塗膜は、汚れが発生し難いとの報告がある{剣持信博、「建築外壁用塗料の表面性状と汚染性」、塗装工学、28、〔4〕147(1993);中家俊和、「建築用汚れ防止塗料の技術開発」、JETI、42、〔5〕8(1994)}。
よって、汚染低減性及びその持続性の指標(長期汚染低減性)を水との接触角をもって評価し、併せて屋外暴露試験により塗膜の耐汚染性を白色度測定にて評価した。
<塗料及び試験用塗装片の調整>
(1)標準塗料
表2の原料組成にて、グラインディング工程及びレットダウン工程にインペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて塗料とした。得られた塗料はつぶゲージ法(JIS K5600−2−5:1999に準拠)にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認し、この水性エマルション塗料を標準塗料とした。
Figure 2009155368


1:サンノプコ(株)製の分散剤
2:サンノプコ(株)製の増粘剤
3:サンノプコ(株)製の消泡剤
4:石原産業(株)製の二酸化チタン
5:大日本インキ化学工業(株)製のアクリル系エマルション
6:サンノプコ(株)製の防腐剤
7:イーストマンケミカル社製の造膜調整剤
8:サンノプコ(株)製の増粘剤
(2)評価用塗料
標準塗料100部に、実施例又は比較例で得られた塗料用添加剤1.5部を加え、エクセルオートホモジナイザー(インペラー型羽根)を用い、室温(20〜30℃)にて2000rpm、3分間混合して評価用塗料を作成した。
また、塗料添加剤1.5部を、脱イオン水1.5部に変更したこと以外、上記と同様にしてブランク塗料を調製した。
(3)試験用塗装片
アセトンで脱脂処理したポリエステルフィルム{商品名:ルミラー75−S10、パナック(株)製、厚さ0.1mmを10×8cmにカットして使用した。}に、ウェット時塗膜厚を200μmとして、評価用塗料又はブランク塗料を塗布した後、25℃、60%相対湿度に調整したコントロールルーム(以下、温調室と略する。)にて10日間乾燥させて、試験用塗装片とした。
<性能評価>
1.水との接触角
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、その塗膜の表面に0.02±0.005mLの脱イオン水を滴下し、1分後に水滴の接触角を測定して初期の接触角とした。なお、接触角の測定は協和化学製コンタクトアングルメーターCAAを用いて温調室にて実施した。
2.浸漬処理後の接触角(持続性促進試験)
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、それを25℃にて、7日間脱イオン水に浸漬した。ついで、温調室(25℃、60%相対湿度)にて24時間乾燥させた後、上記と同様にして水との接触角を測定し、これを浸漬処理後の接触角とした。
3.耐水性
試験用塗装片から5×5cmの大きさの試験片を採り、これを25℃にて、7日間脱イオン水に浸漬した後、水中より引き揚げ、塗膜表面に発生するブリスターの数及び大きさ等を以下の基準により判定し、これを耐水性の評価とした。
◎:ブリスターなし。
○:直径0.1mm程度のブリスターが若干ある。
△:直径0.5mm以上のブリスターが若干ある。
×:直径0.5mm以上のブリスターが多くある。
4.白色度の差(−△L値、屋外暴露試験)
試験用塗装片(10×8cm)をスレート板に両面テープを用いて貼り付け、試験板とした。愛知県東海市の地上高3mの屋外暴露台に塗装面を水平面に対して45度になるようにし、かつ塗装面が真北を向くようにして試験板を設置し、平成18年12月上旬から平成19年11月下旬までの約12ケ月間暴露した。そして、試験用塗装片の表面に付着したゴミ、汚れ等を湿した木綿ウエスにてかるくこすり落とした後、白色度(L2)を測定した。ついで、この白色度(L2)から、暴露前の試験用塗装片の白色度(L1)を差し引いた値を白色度の差(絶対値:−△L)とした。−△Lは小さいほど耐汚染性が良好であることを示す。白色度の測定試験機は日本電色工業(株)製の、SPECTRO COLOR METERMODEL PF-10を用いた。
Figure 2009155368


表3から、本発明の塗料用添加剤(実施例1〜10)は、比較例1〜3の塗料用添加剤に比べて、水との接触角、特に浸漬処理前後での接触角の差、及び白色度の差が極めて小さく、長期汚染低減性及びその持続性が極めて高いことが認められた。また、本発明の塗料用添加剤は、耐水性も良好であり、塗料のもつ本来の特性を低下させなかった。
本発明の塗料用添加剤は、水性塗料及び非水性塗料のいずれにも適用することができ、これらのうち水性塗料に好適であり、特に水性エマルション塗料に適している。水性エマルション塗料としては、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ハロゲン化オレフィン系、ウレタン系、アクリル−シリコン系又はフッ素系等の塗料が挙げられる。そして、本発明の塗料添加剤は、外壁等の屋外に塗装される塗料(特に水性エマルション塗料)に極めて有用である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
    Figure 2009155368



    ただし、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜20のジイソシアネート反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Hは水素原子、nは2〜50の整数、mは2〜4の整数、tは1〜18の整数を表し、
    −(OA-)nQ{-(AO-)nH}m−1単位(1a)、
    Figure 2009155368
    及び{H(-OA)n}m−1Q(AO-)n-L−単位(1c)のぞれぞれに含まれるOA及びAOの総数は10〜100の整数であり、OA、AO、(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってもよい。
  2. 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の塗料用添加剤。
  3. 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜100モル部及び炭素数6〜20のジイソシアネート(a3)0.67〜0.95モル部の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
  4. 塗料及び請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用添加剤とからなり、この塗料用添加剤を塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる塗料組成物。
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