JP2009154500A - 熱収縮性多層フィルム及び熱収縮性多層ラベル - Google Patents

熱収縮性多層フィルム及び熱収縮性多層ラベル Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐磨耗性を有する熱収縮性多層フィルム及び該フィルムを用いた熱収縮性多層ラベルを提供する。
【解決手段】耐磨耗層(A)、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)をこの順に積層し、耐磨耗層(A)が、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)からなる基材を形成した後に積層され、耐磨耗層(A)を積層後に少なくとも一軸方向に延伸することを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、容器の熱収縮性ラベルとして用いた場合、輸送時の表面の耐磨耗性に優れた熱収縮性多層フィルム及び該熱収縮性多層フィルムをベースフィルムとする熱収縮性多層ラベルに関する。
近年、緑茶等の清涼飲料水がPETボトル飲料として、コンビニエンスストアーなどで多量に販売されている。PETボトル飲料などに用いられている熱収縮性ラベルは、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を用いた、様々なフィルム基材からなるもので構成されている。
これら、熱収縮性のフィルム基材からなるラベルは、PETボトル飲料の輸送時に、ボトル同士が擦れあったり、ダンボール箱の壁面と擦れあったりして、表面に傷がついたり、磨耗により表面が磨り減ったりし問題になることがある。
このような問題に対して、表面の耐磨耗性改善した提案がなされている。(例えば、特許文献1)
特開2002−132159号公報
本発明は、上記現状に鑑み、PETボトル等の容器に装着されるラベルとして用いた場合、優れた耐磨耗性を有する熱収縮性多層フィルム及び該フィルムの製造方法、及び該フィルムを基材となる熱収縮性多層ラベルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、耐磨耗層(A)、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)をこの順に有する熱収縮性多層フィルムが、耐磨耗性に優れることを見出した。
即ち、本発明は下記の熱収縮性多層フィルム及び該フィルムの製造方法、及び該フィルムを基材となる熱収縮性多層ラベルを提供する。
本発明は、耐磨耗層(A)、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)をこの順に積層した熱収縮性多層フィルムであることを特徴とする。
本発明は、耐磨耗層(A)が、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)からなる基材を形成した後に積層され、耐磨耗層(A)を積層後に少なくとも一軸方向に延伸する熱収縮性多層フィルムであることを特徴とする。
本発明は、耐磨耗層(A)がアクリル系樹脂とワックスからなることを特徴とする。
本発明は、表面層(B)と中間層(C)との間、及び/又は、中間層(C)と裏面層(D)との間に接着層(E)を有する熱収縮性多層フィルムであることを特徴とする。
本発明は、接着層(E)が、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物を含有する熱収縮性多層フィルムであることを特徴とする。
本発明は、前記熱収縮性多層フィルムを用いてなる熱収縮性多層ラベルであることを特徴とする。
さらに本発明は、多層フィルムを押出して基材を得る工程;
前記基材にアクリル系樹脂とワックスからなるコーティング剤を塗工する工程;及び
前記コーティング剤が塗工された基材を延伸する工程
を含む、熱収縮性多層フィルムの製造方法であることを特徴とする。
本発明のフィルムは、耐磨耗性に優れ、容器にラベルとして装着して輸送した場合であっても、ラベルの傷や磨耗が極めて少なく商品価値を損なうことがない。
耐磨耗層(A)は表面層(B)を構成する樹脂との密着性がよく、かつ、表面層(B)を保護可能な耐磨耗性を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの中では、耐磨耗性を容器にコントロールできる点から、アクリル系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、アクリル酸もしくはメタクリル酸等によるエステル系モノマーが挙げられる。
アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル系モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル類;例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類等を挙げることができる。
さらに、このようなアクリル系樹脂は、スチレン系モノマーを用いて共重合されていてもよい。スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等を挙げることができる。これらのモノマーを1種単独で用いてもよく、複数のものを組合せて用いてもよい。
アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル系モノマーとスチレン系モノマーを共重合する場合の、好ましいスチレンモノマーの重量比は1〜50重量%、より好ましくは1〜45重量%、更に好ましくは1〜35重量%である。スチレンの比率が50重量%を超えると耐磨耗性が低下することがある。
このようなアクリル系樹脂として市販されているものとしては、ビニブラン(日信化学工業社製)やニューコート(新中村化学社製)等が挙げられる。
本発明においてアクリル系樹脂は、好ましくは水等の溶媒に分散させて使用することができる。例えば、水分散剤中におけるアクリル系樹脂の固形分濃度は、3〜70重量%、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%程度である。
耐磨耗層(A)には、さらにワックスが含まれることが好ましい。ワックスが含まれることにより滑り性が付与され、また延伸性が良化する。ワックスは公知のものを使用することができ特に限定されないが、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素ワックスが好ましく、より好ましくはポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス等が挙げられ、更に好ましくはポリエチレンワックスである。
ポリエチレンワックスとして市販されているものとしては、ポリロン(中京油脂社製)、EMUSTAR(日本精鑞社製)、AQADISPA(日本精鑞社製)等が挙げられる。
本発明においては、上記のワックスを水等に分散させて使用することが好ましい。例えば、ワックスを水分散剤として用いる場合、水分散剤中のワックスの固形分濃度は、3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%程度である。
本発明において耐磨耗層を形成するコーティング剤中における、上記アクリル系樹脂とワックスの質量比は、固形分換算で90:10〜55:45程度、好ましくは85:15〜60:40程度、より好ましくは80:20〜65:35程度である。
コーティング剤中におけるワックスの配合比が10重量%未満の場合、延伸追従性がなくなり塗布膜にクラックが発生してフィルムが白化しやすくなる。また、ワックスの配合比が45重量%を上回ると、基材上にてコーティング膜がはじき、均一に塗布することが難しくなる。
本発明のフィルムにおいて、耐磨耗層を形成するコーティング剤は、上記成分以外に、無機系微粒子、有機系微粒子、帯電防止剤等を含んでいても良い。
耐磨耗層の塗布重量は、0.01〜10g/m程度、好ましくは0.05〜5g/m程度、より好ましくは0.1〜3g/m程度である。10g/mを上回るとフィルムのヘイズが高くなり、透明性が悪くなる。0.01g/m未満であると十分な耐磨耗性を得られなくなる。
表面層(B)はポリエステル系樹脂を含有する。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させることにより得られるものが挙げられる。
上記表面層、及び裏面層を構成するポリエステル系樹脂としては、熱収縮性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより得られる樹脂を使用することができる。ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロへキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等が挙げられる。
上記中間層(C)はポリスチレン系樹脂を含有する。上記ポリスチレン系樹脂としては、熱収縮性を有するものであれば特に限定されず、例えば、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体、又は、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂等が挙げられる。上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、低温収縮性に優れることから、得られる熱収縮性多層ラベルは、シワ等が発生することなく、容器に容易に装着することができる。また、収縮仕上り性にも優れる。また、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂を用いた場合も、収縮仕上り性に優れるものとなる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体としては特に限定されず、例えば、芳香族ビニル炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が、共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に低温収縮性やミシン目におけるカット性に優れることから、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS樹脂)が好適である。また、よりフィッシュアイの少ないフィルムを作製するためには、共役ジエンとして2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)を用いたスチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS樹脂)や、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS樹脂)等を用いることが好ましい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体として、SBS樹脂、SIS樹脂又はSIBS樹脂を用いる場合には、1種の樹脂を単独で用いてもよく、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。複数で用いる場合にはドライブレンドしてもよく、ある特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。
このような樹脂を単独又は複数で用いて、スチレン含有量が65〜90重量%、共役ジエン含有量が10〜35重量%の組成とすることが好ましい。このような組成の樹脂は、特に低温収縮性やミシン目におけるカット性に優れる。一方、共役ジエン含有量が10重量%未満であると、フィルムにテンションをかけたときに切れ易くなり、印刷等のコンバーティングやラベルとして使用するときにフィルムが思いもよらず破断することがある。共役ジエン含有量が35重量%を超えると、成形加工時にゲル等の異物が発生しやすくなることがある。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては特に限定されず、例えば、芳香族ビニル炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体として、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体を用いる場合、スチレン含有量が60〜90重量%、アクリル酸ブチル含有量が10〜40重量%であるものを用いることが好ましい。このような組成の芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体を用いることで、収縮仕上り性やミシン目カット性に優れる熱収縮性多層ラベルを得ることができる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との配合比率は、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体20〜99重量%、芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体1〜80重量%である。この範囲であると、自然収縮率を効果的に抑えることができ、また充分な熱収縮率が得られ好ましい。
本発明の熱収縮性多層フィルムの具体的構成としては、耐磨耗層(A)、表面層(B)、中間層(C)、裏面層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)のように積層された4層構造である。また、表面層(B)と中間層(C)との間、及び/又は、中間層(C)と裏面層(D)との間に、接着層(E)を介在させても良い。このような場合の具体的構成としては、(A)/(B)/(E)/(C)/(E)/(D)等が挙げられる。
接着層(E)に含まれる接着性樹脂としては、一般に市販されているものであれば特に限定されず用いることができる。より好ましくは、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物等を接着性樹脂として用いるのがよい。
上記スチレン系エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンと、ソフトセグメントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンとポリイソプレンとの共重合体とからなるものや、これらの水素添加物のことである。なお、上記水素添加物は、ポリブタジエンやポリイソプレンの一部が水素添加されたものであってもよく、全てが水素添加されたものであってもよい。
上記スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、「タフテック」、「タフプレン」(何れも旭化成ケミカルズ社製)、「クレイトン」(クレイトンポリマージャパン社製)、「ダイナロン」(JSR社製)、「セプトン」(クラレ社製)等が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーの変性物としては、例えば、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基によって変性されたものが挙げられる。上記スチレン系エラストマーの変性物における上記カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基の含有量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は5.0重量%である。0.05重量%未満であると、特に表面層、及び裏面層との接着性が不充分となることがあり、5.0重量%を超えると、上記官能基を付加する際に樹脂が熱劣化し、ゲル等の異物が発生しやすくなることがある。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は3.0重量%である。
上記ポリエステル系エラストマーは、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特に、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントである芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントであるポリアルキレンエーテルグリコールや脂肪族ポリエステルとからなるブロック共重合体が好ましい。更に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体がより好ましい。
上記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、(i)炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、(ii)芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルと、(iii)ポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものが好ましい。
上記炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、例えば、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般に用いられるものを用いることができる。具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中では、1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般的に用いられているものを用いることができる。具体的には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸が好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、上記芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルやジエチルエステル等が挙げられる。なかでも、ジメチルテレフタレート及び2,6−ジメチルナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
上記脂肪族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が好ましく、そのアルキルエステルとしては、ジメチルエステルやジエチルエステル等が好ましい。また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルを共重合成分として用いてもよい。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び/又は1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等が挙げられる。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。400以上とすることで、共重合体のブロック性が高くなり、6000以下とすることで、系内での相分離が起こり難く、ポリマー物性が発現しやすくなる。より好ましい下限は500、より好ましい上限は4000、更に好ましい下限は600、更に好ましい上限は3000である。なお、本明細書において、数平均分子量とはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたものをいう。また、上記GPCのキャリブレーションは、例えば、POLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキット(英国POLYMER LABORATORIES社製)を使用することにより行うことができる。
上記ポリエステル系エラストマーには、天然ゴム、合成ゴム(例えば、ポリイソプレンゴム)等のゴム成分及びプロセスオイル等の軟化剤を共存させてもよい。上記軟化剤を共存させることで、ゴム成分の可塑化促進や得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性を向上させることができる。上記軟化剤は、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のいずれであってもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、該樹脂成分及びゴム成分に上記以外の樹脂やゴム、フィラー、添加剤等他の成分を添加してもよい。
上記フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カオリン、クレー、ケイソウ土、珪酸カルシウム、雲母、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、硫化モリブデン、グラファイト、シラスバルーン等を挙られる。また、添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等が挙げられる。
上記耐熱安定剤としては、例えば、フェノール系、リン系、硫黄系等の公知のものを使用することができる。上記耐候安定剤としてはヒンダードアミン系、トリアゾール系等の公知のものを使用することができる。上記着色剤としてはカーボンブラック、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、アゾ化合物、ニトロソ化合物、フタロシアニン化合物等が挙げられる。また、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等についてもいずれも公知のものが使用可能である。
上記ポリエステル系エラストマーの市販品としては、「プリマロイ」(三菱化学社製)、「ペルプレン」(東洋紡績社製)、「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)等が挙げられる。
上記ポリエステル系エラストマーとして、ポリエステルとポリアルキレンエーテルグリコールとからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合体を用いる場合、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量は、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が90重量%である。5重量%以上であると、柔軟性及び耐衝撃性に優れるものとなり、90重量%以下であると、硬度及び機械強度に優れるものとなる。より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は55重量%である。なお、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量は核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を用い、水素原子の化学シフトとその含有量に基づいて算出することができる。
上記ポリエステル系エラストマーの変性物(以下、変性ポリエステル系エラストマーともいう)とは、上記ポリエステル系エラストマーを変性剤を用いて変性させたものである。上記変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応は、例えば、ポリエステル系エラストマーに変性剤としてのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を反応させることによって行われる。変性反応に際してはラジカル発生剤を使用するのが好ましい。変性反応においては、ポリエステル系エラストマーにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸やその誘導体が付加するグラフト反応が主として起こるが、分解反応も起こる。その結果、変性ポリエステル系エラストマーは、分子量が低下して溶融粘度が低くなる。また、変性反応においては、通常、他の反応として、エステル交換反応等も起こるものと考えられ、得られる反応物は、一般的には、未反応原料等を含む組成物となるが、この場合、得られる反応物中の変性ポリエステル系エラストマーの含有率の好ましい下限は10重量%、より好ましい下限は30重量%であり、変性ポリエステル系エラストマーの含有率が100重量%であることが更に好ましい。
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。これらのなかでは、反応性が高いことから、酸無水物が好ましい。上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は、変性すべきポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する共重合体や変性条件に応じて適宜選択することができ、また、2種以上を併用してもよい。なお、上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は有機溶剤等に溶解して使用することもできる。
上記ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルオキシ)ヘキサン、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素等の有機及び無機の過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、ジクミル等の炭素ラジカル発生剤等が挙げられる。上記ラジカル発生剤は、変性反応に使用するポリエステル系エラストマーの種類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の種類及び変性条件に応じて適宜選択することができ、また、2種以上を併用してもよい。更に、ラジカル発生剤は有機溶剤等に溶解して使用することもできる。
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の配合量の好ましい下限は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は30.0重量部である。0.01重量部以上とすることで、変性反応を充分に行うことができ、30.0重量部以下とすることで、経済的に有利なものとなる。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は5.0重量部、更に好ましい下限は0.10重量部、更に好ましい上限は1.0重量部である。
上記ラジカル発生剤の配合量の好ましい下限は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は3.00重量部である。0.001重量部以上とすることで、変性反応が起きやすくなり、3.00重量部以下とすることで、変性時の低分子量化(粘度低下)による材料強度の低下が起こりにくくなる。より好ましい下限は0.005重量部、より好ましい上限は0.50重量部、更に好ましい下限は0.010重量部、更に好ましい上限は0.20重量部であり、特に好ましい上限は0.10重量部である。
上記変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応としては、溶融混練反応法、溶液反応法、懸濁分散反応等の公知の反応方法を使用することができるが、通常は安価であることから溶融混練反応法が好ましい。
上記溶融混練反応法による方法では、上述した各成分を所定の配合比にて均一に混合した後、溶融混練を行う。各成分の混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等を使用することができ、溶融混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸又は二軸等の多軸混練押出機等を使用することができる。
上記溶融混練を行う場合の混練温度の好ましい下限は100℃、好ましい上限は300℃である。上記範囲内とすることで、樹脂の熱劣化を防止することができる。より好ましい下限は120℃、より好ましい上限は280℃、更に好ましい下限は150℃、更に好ましい上限は250℃である。
上記変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10.0重量%である。0.01重量%以上であることで、ポリエステルとの親和性が高くなり、10.0重量%以下であることで、変性時の分子劣化による強度低下を小さくすることができる。より好ましい下限は0.03重量%、より好ましい上限は7.0重量%であり、更に好ましい下限は0.05重量%、更に好ましい上限は5.0重量%である。
上記変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)は、H−NMR測定により得られるスペクトルから、下記の式(1)に従って求めることができる。なお、上記H−NMR測定に使用する機器としては、例えば、「GSX−400」(日本電子社製)等を用いることができる。
グラフト量(重量%)=100×[(C÷3×98)/{(A×148÷4)+(B×72÷4)+(C÷3×98)}] (1)
式(1)中、Aは7.8〜8.4ppmにおける積分値、Bは1.2〜2.2ppmにおける積分値、Cは2.4〜2.9ppmにおける積分値を表す。
上記変性反応によって得られる変性ポリエステル系エラストマーを含有する反応物のJIS−D硬度の好ましい下限は10、好ましい上限は80である。10以上とすることで、機械的強度が向上し、80以下とすることで、柔軟性及び耐衝撃性が向上する。より好ましい下限は15、より好ましい上限は70、更に好ましい下限は20、更に好ましい上限は60である。なお、上記JIS−D硬度は、JIS K 6253に準拠して方法でデュロメータ タイプDを用いることにより測定することができる。
本発明の熱収縮性多層フィルム全体の厚さの好ましい下限は30μm、好ましい上限は70μmである。30μm未満であると、フィルムの腰が低くなり取り扱い性が低下することがあり、70μmを超えると熱収縮性が低下することがある。
本発明では、中間層(C)の厚みの割合の好ましい下限は、熱収縮性多層フィルム全体の厚みに対して5%、好ましい上限は99%である。5%未満であると、ラベルにミシン目を施した場合のミシン目カット性が低下することがあり、99%を超えると、耐熱性が低下することがある。
上記接着層(E)の厚さの好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は3.0μmである。より好ましい下限は0.7μm、より好ましい上限は2.0μmである。0.5μm未満であると、充分な接着強度が得られないことがあり、3.0μmを超えると、熱収縮特性が悪化することがある。
本発明の熱収縮性多層フィルムは、以下の方法により製造される。
(B)層、(C)層及び(D)層を構成する樹脂を、それぞれ、バレル温度160〜280℃の押出機に投入し、温度185〜280℃のマルチマニホールドダイより板状に押出しした後、20〜50℃に調整された引取りロールにより冷却固化する。その後、70〜90℃に調整されたロール延伸装置内にて、低速度ロールと高速度ロールの速度比により1〜1.5倍に縦延伸する。次に耐磨耗層(A)構成する樹脂の水分散液(コーティング剤)を調整し、ドクターブレード、バーコーター、グラビアーコーター、コンマコーター、リバースコーター、スプレー法等の公知の塗工方法で塗工し、テンター延伸機内にて、予熱ゾーン(90〜120℃)で予熱した後、延伸ゾーン(80〜110℃)で4〜6倍に横延伸し、固定ゾーン(60〜85℃)で熱セットした後、巻き取り機にて巻き取って耐磨耗性熱収縮性多層フィルムのフィルムロールを得ることができる。
本発明の熱収縮性多層フィルムには、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、着色料、顔料等を添加してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)コーティング剤の調製
アクリル系樹脂としてビニブラン(日信化学工業社製、主成分スチレン―アクリル共重合体、ガラス転移温度33℃、固形分濃度35重量%、pH8、最低造膜温度35℃)とポリエチレンワックス水分散剤(中京油脂社製ポリロンL−618;固形分濃度30重量%、融点138℃)を固形分の重量比率70(アクリル系樹脂):30(ポリエチレンワックス)で配合し、100重量部とした。
このアクリル系樹脂とポリエチレンワックスの調製液100重量部に対して、粒子径2.0μmのポリメチルメタクリレート微粒子(日本触媒社製MA1002)1重量部、及び帯電防止剤(ニューファインケミカル社製エレクノンCW)2重量部を添加する。固形分の総量が15重量%となるように水で調製し、T.K.ホモミキサー(プライミクス社製)にてよく攪拌し分散した水溶液を水系コーティング剤とした。
(2)フィルム基材の成形
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)を用いた。接着層を構成する樹脂として、ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイ A1600N、融点160℃、MFR5.0g/10分)を用いた。これらの樹脂をバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスからシート状に押出し、25℃の引き取りロールにて冷却固化した後、縦延伸機内で、80℃の低速ロールと85℃の高速ロール間で1.3倍に縦延伸され、基材フィルムを得た。
(3)耐磨耗層の積層
次いで得られた基材フィルムに、グラビア方式により、前記(1)にて調整済みの水系コーティング剤を塗布し、60℃の乾燥炉を通して乾燥した。
(4)熱収縮性多層フィルムの製膜
次いで、水系コーティング剤を塗工した基材フィルムを、予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、固定ゾーン80℃のテンター延伸機内でTDへ5.0倍に延伸した。その後、ワインダーで巻き取り、耐磨耗層を持つ熱収縮性多層フィルムを得た。得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが約45μmであり、耐磨耗層(1μm以下)/表面層(6μm)/接着層(1μm)/中間層(31μm)/接着層(1μm)/裏面層(6μm)の6層構成からなるものであった。各特性の評価結果は表1に示した。
なお、(2)フィルム基材の成形、(3)耐磨耗層の積層、(4)熱収縮フィルムの製膜は一連の工程として行った。
(実施例2)
耐磨耗層のアクリル系樹脂としてニューコート4407(新中村化学社製、ガラス転移温度48℃、固形分濃度43重量%)とポリエチレンワックス水分散剤(中京油脂社製ポリロンL−618;固形分濃度30重量%、融点138℃)を固形分の重量比率70(アクリル系樹脂):30(ポリエチレンワックス)で配合し、調製液100重量部として用いる以外は、実施例1と同様に熱収縮性多層フィルムを得た。各特性の評価結果は表1に示した。
(実施例3)
耐磨耗層のアクリル系樹脂としてニューコート4407(新中村化学社製、ガラス転移温度48℃、固形分濃度43重量%)とポリエチレンワックス水分散剤(中京油脂社製ポリロンL−618;固形分濃度30重量%、融点138℃)を固形分の重量比率60(アクリル系樹脂):40(ポリエチレンワックス)で配合し、調製液100重量部として用いる以外は、実施例1と同様に熱収縮性多層フィルムを得た。各特性の評価結果は表1に示した。
(比較例1)
実施例1と同様にして耐磨耗層を積層せずに熱収縮性多層フィルムとした。各特性の評価結果は表1に示した。
(比較例2)
アクリル系樹脂としてニューコート4407(新中村化学社製、ガラス転移温度48℃、固形分濃度43重量%)のみをコーティング液として用いる以外は、実施例1と同様に熱収縮性多層フィルムを得た。各特性の評価結果は表1に示した。
(比較例3)
アクリル系樹脂としてニューコート4407(新中村化学社製、ガラス転移温度48℃、固形分濃度43重量%)とポリエチレンワックス水分散剤(中京油脂社製ポリロンL−618;固形分濃度30重量%、融点138℃)を固形分の重量比率40(アクリル系樹脂):60(ポリエチレンワックス)で配合し、調製液100重量部として用いる以外は、実施例1と同様に熱収縮性多層フィルムを得た。各特性の評価結果は表1に示した。
(評価)
各特性については、下記の方法により評価した。
(1)塗布性
グラビア方式による水系コーティング剤の塗布状態を目視で確認した。コーティング剤が均一にレベリングされていれば○、コーティング剤がはじいて玉状に凝集している場合は×とした。
(2)延伸性
フィルム基材を横延伸したときに、目視でフィルムが白化しないことが確認された場合に○、白化していた場合は×とした。
(3)耐磨耗性
錐状の形をしたポリアセタール製の冶具に熱収縮性多層フィルムをテープを用いて装着し、錐状の冶具の頂点を、該フィルムを介してアルミ板に接触させた。頂点のRは摺動方向R=0.1〜1.0mm、摺動方向と直角の方向R=0.1〜1.0mmとした。 次に、冶具に150gの荷重を載せた。雰囲気温度23℃湿度65%の条件下で、冶具を4000mm/分の速度で、かつ移動距離45mmの範囲でアルミ板に対して平行に摺動させ、ある一定の回数を摺動させた。 ピンホールの発生は、熱収縮性多層フィルムに冶具の頂点が当たっていたところに浸透液を滴下して、白色紙の上で浸透するか否かにより判定した。摺動回数が350回を超えてもピンホールが発生しないものを○、ピンホールが発生するまでの摺動回数が350回を下回るものを×とした。
Figure 2009154500

Claims (7)

  1. 耐磨耗層(A)、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)をこの順に積層することを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  2. 耐磨耗層(A)が、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(B)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(C)、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(D)からなる基材を形成した後に積層され、耐磨耗層(A)を積層後に少なくとも一軸方向に延伸することを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  3. 耐磨耗層(A)がアクリル系樹脂とワックスからなることを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
  4. 表面層(B)と中間層(C)との間、及び/又は、中間層(C)と裏面層(D)との間に接着層(E)を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱収縮性多層フィルム。
  5. 接着層(E)は、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物を含有することを特徴とする請求項4記載の熱収縮性多層フィルム。
  6. 請求項1〜5記載の熱収縮性多層フィルムを用いてなることを特徴とする熱収縮性多層ラベル。
  7. 多層フィルムを押出して基材を得る工程;
    前記基材にアクリル系樹脂とワックスからなるコーティング剤を塗工する工程;及び
    前記コーティング剤が塗工された基材を延伸する工程
    を含む、熱収縮性多層フィルムの製造方法。















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