JP2009153030A - 受信機、制御方法及びプログラム - Google Patents

受信機、制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】無線機10における所定の処理について消費電力を低減する。
【解決手段】受信電波のRSSI(電界強度)を検出し(S36)、RSSIが所定の閾値以上であれば(S37正)、送信機と受信機としての無線機10とのシンボルレートの差、すなわち基準発振信号の差を検出する(S38)。直近N個の受信フレームについて検出差から受信信号の受信状態が良好と判定することができれば(S46正)、クロック再生器19の処理頻度を減少させる(S47)。また、FS検出処理器20やCAIデコード処理器24におけるビットエラー率を取得し(S48,S49)、直近N個の受信フレームについてのビットエラー率から受信信号の受信状態が良好と判定することができれば(S54正)、FS検出処理器20におけるビットエラー判定対象のシンボル数を低減する(S55)。
【選択図】図3

Description

本発明は、電力消費量を低減する受信機、制御方法及びプログラムに関する。
特許文献1は、電力消費量を低減する同期信号検出装置について開示する(特許文献1の段落0007)。該同期信号検出装置は、FSW(Frame Synchronized Word:フレーム同期ワード)の受信タイミングを受信信号と参照用FSWとの相関値から検出する相関検出部と、受信信号のビット列と参照用FSWのビット列とを比較して、そのエラービット数に基づき検出するエラービット数検出部とを装備し(特許文献1の図2の符号11,12は相関検出部、符号13,14はエラービット数検出部。)、通常は、電力消費量の低い相関検出部によりFSWの受信タイミングを検出し、相関検出部による検出が困難な場合に限り、エラービット数検出部による検出を実施している(特許文献1の段落0059)。
特開2004−40222号公報
特許文献1における同期信号検出装置は、エラービット数検出部に代えて相関検出部を使用することにより消費電力量低減を図るが、これは相関検出部自体やエラービット数検出部自体を受信信号の受信状態に応じて節電型とするものではない。
一方、受信機において、その機能達成のために様々な処理を実行しているが、所定の処理について、バッテリ電力の残量が十分にある期間では実施し、バッテリ残量が少ない期間では、不実施することにより、不実施による性能低下を許容しつつ、節電を図ることはよく行われることであるが、所定の処理について、その適正な処理結果を得つつ、受信信号の受信状態に応じて消費電力を低減するものとはなっていない。
本発明の目的は、適正な処理結果を確保しつつ、節電を図ることができる受信機、制御方法及びプログラムを提供することである。
本発明によれば、例えば受信信号の受信状態が良好な場合には、処理結果についての所定の精度を得るのに要する処理時間を短くして済ませることができる所定の処理に着目する。そして、受信信号の受信状態が良好な期間では、該処理を手短に済ませる。
本発明の受信機は次のものを備えている。
所定の処理を実施する処理実施手段、
受信信号の受信状態の良好度を検出する良好度検出手段、及び
前記良好度の高い期間では、低い期間よりも前記処理実施手段の作動期間を短縮する作動期間制御手段。
本発明の受信機制御方法は次のステップを備える。
受信信号の受信状態の良好度を検出する良好度検出ステップ、及び
前記良好度の高い期間では、低い期間よりも所定の処理の作動期間を短縮する作動期間制御ステップ。
本発明のプログラムは、本発明の前述の受信機の各手段としてコンピュータを機能させる。
本発明によれば、受信信号の受信状態が良好な期間では、所定の処理については、その処理時間を手短に済ませるので、短縮分について消費電力量を抑えることができる。
図1は無線機10の受信系のブロック図である。無線機10は、受信機だけでなく送信機の機能も装備するデジタル無線機であるが、図1では、送信系の図示を省略している。該無線機10は、また、APCO P25(APCO Project 25)に準拠したものとなっている。図1において、破線で示した信号経路と受信状態判定処理器30及びDSP動作クロック制御器31とが従来の受信系に追加されている。
4値FSKやπ/4シフトQPSKなどのデジタル変調信号の電波はアンテナ11に捕捉され、RF信号になって、検波器12へ供給される。検波器12は、選択チャネルに対応する周波数のRF信号を抽出して、その検波信号をベースバンドフィルタ13へ供給する。検波器12は、また、選択チャネルに対応する周波数のRF信号に係る信号をRSSI(Receiving Signal Strength Indicator:電界強度)検出器14へ供給し、RSSI検出器14は、供給された信号に基づき該RF信号のRSSIを検出する。
ベースバンドフィルタ13は、選択チャネルに隣接するチャネルに係る検波信号を十分に除去した検波信号をシンボル判定器18、クロック再生器19及びFS(フレーム同期)検出処理器20へ送る。クロック再生器19は、ベースバンドフィルタ13からの検波信号に基づきシンボル値検出用のクロック信号を再生して、シンボル判定器18へ供給する。シンボル判定器18は、クロック再生器19からのクロック信号に基づくタイミングでベースバンドフィルタ13からの検波信号からシンボル値を抽出する。
FS検出処理器20は、FS検出を行ない、シンボル判定器18からCAI(Common Air Interface)デコード処理器24へのビット列においてどこが同期検出タイミングであるかが分かるようにする。CAIデコード処理器24は、シンボル判定器18からのビット列に対してCAIデコート処理を行なって、音声データを生成し、ボコーダデコード処理器25へ送る。このCAIデコード処理ではFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)に基づきエラー検出及びエラー訂正を行っている。
ボコーダデコード処理器25は、CAIデコード処理器24からの音声データを復号してから、それをアナログ音声信号へ変換して、スピーカ26へ供給する。こうして、スピーカ26から通話相手の音声が出力される。
受信状態判定処理器30は、RSSI検出器14、クロック再生器19及びFS検出処理器20が所定の情報を供給され、これら情報に基づきクロック再生器19、FS検出処理器20及びDSP動作クロック制御器31へ制御信号を送る。RSSI検出器14、クロック再生器19及びFS検出処理器20から受信状態判定処理器30へ送られる情報、並びに受信状態判定処理器30からの制御信号に基づくクロック再生器19、FS検出処理器20及びDSP動作クロック制御器31の作動については、次の図2及び図3において説明する。
図2は無線機10に採用されている節電手法の概略説明図である。該節電手法は、受信状態判定処理S1及び受信状態設定処理S2の2つに分けられる。受信状態判定処理S1は、さらに、受信状態を確認する受信ステータスの検出ステップと、該受信ステータスに基づく受信状態の判定ステップとから成る。受信状態設定処理S2は受信状態判定処理S1の判定結果に基づいて行なわれる。
受信状態判定処理S1における受信ステータスとしては、例えば、RSSI、FS検出処理、クロック再生処理、シンボル判定処理、FECのエラービット数などを挙げることができる。
無線機10において、受信状態が良好ということは、例えば下記の状態に対応する。ただし、受信状態が良好であることに対応する状態は、使用される変調方式やプロトコルによって変わる。
(a)受信信号の電界強度が良好であること。
(b)送信機の基準発振周波数と受信機の基準発振周波数との差が少ないこと。なお、基準発振周波数とは送信機や受信機の端末が個別に有するベースクロック(VCXO:Voltage Controlled Xtal Oscillator)のことであり、端末ごとのシンボルクロックのずれ(位相差)の原因になる。以下、「送信機の基準発振周波数と受信機の基準発振周波数との差」を適宜、「送信機と受信機とのシンボルレートの差」ということにする。
(c)ビットエラー率が低いこと。
RSSIによりRadio周波数の信号レベルを評価することができる。一般的にRSSIが良好であれば、ビットエラー率も低くなる可能性があり、かつ送信機と受信機とのシンボルレートの差を正確に検出し易くなる。したがって、本手法の例としてまずRSSIの評価を行ってから、(b)及び(c)の状態であるか否かを判定することにする。(b)及び(c)の状態は受信ステータスとして挙げたFS検出処理などを介して検出することができる。
FS検出処理では、リファレンスとなるフレーム同期ビット列と受信した信号のビット列とを比較して検出判定を行う手法が一般的であるから、フレーム同期ビット列のビットエラーから、(c)に係るビットエラー率を評価することができる。
CAIデコード処理では一般的にFECによりエラー検出及び訂正を行うため、FECデコード処理時のエラー検出からも、(c)に係るビットエラー率を評価することができる。
受信状態設定処理S2では、受信状態判定処理S1で得られた受信状態判定結果を使って、フレーム同期検出処理及びクロック再生処理の判定パラメータを変更する。
フレーム同期検出では、ビットエラー率に応じてフレーム同期を検出する場合に、判定に使用されるシンボル数を減らすことができる。ビットエラー率が低ければ、フレーム同期のビットエラー率も低くなり、またフレーム同期検出で誤検出する可能性も低くなると考えられるので、フレーム同期検出処理時に使用されるシンボル数を適度に減らしても、同期検出性能には影響がほとんどないと考えられる。フレーム同期検出処理は、リファレンスデータとの相関を求める、あるいはリファレンスビットデータとのビットエラー率を求めて判定を行うのが一般的である。したがって、フレーム同期検出処理のシンボル数を減らすことができれば、相関処理、シンボル判定処理及びビットエラー判定処理において、減らしたシンボル数分の割合で処理負荷を低減することができる。
クロック再生においては、送信機と受信機とのシンボルレートの差に応じてクロック再生処理の頻度を調整する。例えば差が小さい場合には、クロック再生の頻度を適度に減らしても十分追従できると考えられるため、無線機10において、クロック再生の頻度を適当に減少させても、実動作に対して、影響は無い。クロック再生処理の頻度を例えば1/2にすることができれば、クロック再生における処理負荷も約1/2に低減することができる。
図3は無線機節電制御方法35のフローチャートである。無線機節電制御方法35は、図2で説明した節電手法に則っており、受信状態判定処理器30において実施される。無線機節電制御方法35は、各フレームを受信するごとに実施される。S36では、RSSI検出器14の検出信号に基づき受信信号の電界強度を取得する。S37では、取得した電界強度に基づき受信信号の受信状態は良好であるか否かを判定する。判定が正であれば、S38へ進み、否であれば、S43へ進む。
S38では、クロック再生器19からの入力信号に基づき送信機と無線機10との間のシンボルレートの差を検出する。送信機と無線機10との間のシンボルレートの差とは、前述したように、送信機における基準発振信号と無線機10における基準発振信号との発振周波数の差に起因して生じるものである。無線機10における基準発振信号は、クロック再生器19のクロック再生に関与し、送信機と受信機としての無線機10とのシンボルレートの差はクロック再生器19におけるクロック信号の修正量から検出することができる。修正量が大きいほど又は修正回数が多いほど、送信機と受信機としての無線機10とのシンボルレートの差は大きいことを意味する。
S42では、S38で取得したシンボルレート差について前回と同じ傾向であるか否かを判定し、判定が正であれば、S46へ進み、否であれば、S43へ進む。S38で取得したシンボルレート差について前回と同じ傾向であるとは、例えば、今回のフレームについてS38で取得したシンボルレート差と前回のフレームについてS38で取得したシンボルレート差とが共に所定の閾値α未満になっていることとする。S38の判定が正であることは、受信信号の受信状態が前回及び今回のフレーム共に良好であることを意味する。
S43では、受信状態判定処理器30においてクロック再生器19、FS検出処理器20及びDSP動作クロック制御器31について設定する判定パラメータをリセットして、初期値へ戻す。受信状態判定処理器30は、クロック再生器19の判定パラメータが初期値に設定されている場合には、クロック再生器19を常時作動状態に維持する。これにより、クロック再生器19は、常時、再生クロックのタイミング修正処理を実行する。
受信状態判定処理器30は、FS検出処理器20の判定パラメータが初期値に設定されている場合には、受信信号から抽出したフレーム同期ワードについて最初のビットから最後のビットまでのビットエラー判定が終了するまで、FS検出処理器20を作動状態に維持する。これにより、FS検出処理器20は、フレーム同期ワードの全ビットの入力期間、エラービット数を計数して、エラービット数が所定の閾値E未満であるならば、フレーム同期ワードを検出したとする。受信状態判定処理器30は、DSP動作クロック制御器31の判定パラメータが初期値に設定されている場合には、動作クロック周波数を最大値にする指示をDSP動作クロック制御器31に出す。DSP動作クロック制御器31が生成するクロックパルスは、DSP(Digital Signal Processor)の動作タイミングに利用され、動作クロック周波数が大きいほど、DSPの処理能力が増大するとともに、DSPの消費電力も増大する。
S46では、S38で取得したシンボルレート差について今回のシンボルレート差を含む直近の連続N(N≧3)回が同じ傾向であるか否かを判定し、判定が正であれば、S47へ進み、否であれば、S48へ進む。同じ傾向とは、S42における同じ傾向と同様に、各回のシンボルレート差が所定の閾値α未満であることであり、S47の判定が正であるとは、直近N個のシンボルレート差がすべて所定の閾値α未満にあることを意味する。
S47では、受信状態判定処理器30においてクロック再生器19について設定する判定パラメータを、シンボルレートの差に対応する作動頻度に設定する。シンボルレートの差が小さいほど、クロック再生器19の作動頻度を減少させて、クロック再生器19の停止期間を増大させ、これにより節電を図る。作動頻度について具体的数値を例示すると、次のとおりである。例として、APCO P25方式(4800sps(Symbol Per Second))では以下のように設定する。なお、下記の値は、1回のクロック再生処理で調整するシンボルクロックを0.05Symbolとして求めている。
・シンボルレートの差が±8sps〜±4spsの場合、30シンボルに1回
・シンボルレートの差が±4sps〜±2spsの場合、60シンボルに1回
・シンボルレートの差が±2sps〜±1spsの場合、120シンボルに1回
・シンボルレートの差が±1sps以内の場合、240シンボルに1回
S48では、FS検出処理器20のフレーム同期検出処理におけるビットエラー率を取得する。フレーム同期検出処理は、受信信号のビット値と所与の、すなわちリファレンス用のフレーム同期ワードのビットとが対比する処理を含み、この対比に基づきビットエラー率を求めることができる。S49では、CAIデコード処理器24のFECのエラー検出におけるビットエラー率を取得する。
S50では、S48,S49で取得したビットエラー率について前回と同じ傾向であるか否かを判定し、判定が正であれば、S50へ進み、否であれば、S43へ進む。S48,49で取得したビットエラー率について前回と同じ傾向であるとは、例えば、今回のフレームについてS48,S49で取得したビットエラー率β1,γ1と前回のフレームについてS48,49で取得したビットエラー率β2,γ2とが共に所定の閾値βo,γo未満になっていることとする(β1<βo,β2<βo,γ1<γo,γ2<γo)。S48,S49の判定が正であることは、受信信号の受信状態が前回及び今回共に良好であることを意味する。
S54では、S48,S49で取得したビットエラー率について今回を含む直近の連続N個のフレームが同じ傾向であるか否かを判定し、判定が正であれば、S55へ進み、否であれば、無線機節電制御方法35を終了する。同じ傾向とは、S50における同じ傾向と同様に、所定の閾値βo,γo未満であることを意味し、S47では、β及びγの系列共に、直近N個のフレームについてのビットエラー率がすべて所定の閾値βo未満及びγo未満にあることを意味する。なお、本実施例では、S46,S54は共に直近のN回の傾向を判定しているが、S46,S54の連続回数を相互に異ならせることも可能である。
S55では、受信状態判定処理器30においてFS検出処理器20について設定する判定パラメータを、ビットエラー率に対応するシンボル数に設定する。ビットエラー率が低いほど、FS検出処理器20においてビットエラー判定の対象となるシンボルの個数(=ビット数)を減少させる。すなわち、S43で判定パラメータを初期値に設定した場合には、FS検出処理器20においてビットエラー判定の対象となるビット数は、フレーム同期ワードの最初のビットから最後のビットまでの全部であるのに対し、S55の処理により変更されたパラメータでは、FS検出処理器20においてビットエラー判定の対象となるビット数は、フレーム同期ワードの最初のビットから中間の所定ビットまでのビット数となって、減少する。
例えば、ビットエラー率が0%でなければ、受信状態が悪い期間であるとして、フレーム同期ワードの全ビットをエラー判定対象とする。これに対して、ビットエラー率がN回連続、0%であれば、受信状態が良い期間であるとして、次のフレームでは、エラー判定の対象とするビットの数は、フレーム同期ワードの最初のビットから真ん中のビットまでの半分に減らす。なお、フレーム長は既知であるので、エラー判定の対象とするビットを減少させても、支障なく同期を検出することができる。これに対して、N回のビットエラー率の内、1つでも0%でなかったり、今回が初回の同期検出であったりした場合には、フレーム同期ワードの全ビットをエラー判定対象とする。フレーム同期検出処理におけるビットエラー判定の対象となるビット数の低減により、FS検出処理器20の消費電力は低下する。
S55の後、無線機節電制御方法35を終了する。無線機節電制御方法35を終了する前に、すなわち、S54の判定が否であった後で、又はS55の実施後で、無線機節電制御方法35の終了前に、受信状態判定処理器30においてDSP動作クロック制御器31の動作クロックについて判定パラメータを、DSPの処理負荷の低減に応じて変更するステップを追加することができる。S47,S55の実行に伴い、DSPの負荷は低減する。したがって、DSPの動作クロックの周波数を低下させても、DSPの処理に支障が生じることは少ない。したがって、S47及び/又はS55が実行された場合には、それに伴うDSPの負荷の低減に応じて、DSPの動作クロックの周波数を低減させるようにする。これにより、DSPを、その作動に支障なく、その消費電力を減少させることができる。
図4は受信機60のブロック図である。前述の無線機10は受信機60の一例である。受信機60は、典型的には携帯型であるが、据え置き型であってもよいとする。受信機60は、電源として典型的には充電池を装備するが、充電池の代わりに乾電池を装備していてもよく、また、商用電源で駆動されるものであってもよい。受信機60は、さらに、携帯電話機であってもよい。受信機60は、処理実施手段61、良好度検出手段62及び作動期間制御手段63を備える。
処理実施手段61は、所定の処理を実施する。良好度検出手段62は、受信信号の受信状態の良好度を検出する。作動期間制御手段63は、良好度の高い期間では、低い期間よりも処理実施手段61の作動期間を短縮する。
作動期間制御手段63は、良好度に応じて処理実施手段61の作動期間を連続的に変更するものであってもよいし、3段階以上の多段階で切替えるものであってもよいし、2段階で切替えるものであってもよい。受信信号の受信状態の良好度に応じて、処理実施手段61の作動期間を必要最小限に調整することにより、受信機60の省電力化を図ることができる。
こうして、受信機60では、受信信号の受信状態が良好な期間に所定の処理についての処理期間を短縮して、受信機60の消費電力量を低減することができる。
典型的には、所定の処理とは、処理時間を同一とした場合には、その処理結果の精度が、良好度の高い期間は低い期間よりも高くなる処理である。
所定の処理の具体例としては、無線機10のクロック再生器19における同期検出用クロックの再生処理を挙げることができる。この場合、良好度検出手段62は、例えば、受信信号の受信状態の良好度を送信機の基準発振周波数と受信機60の基準発振周波数との差に基づき検出する(例:図3の無線機節電制御方法35のS38)。また、作動期間制御手段63は、処理実施手段61の作動頻度を減少させることにより処理実施手段61の作動期間を短縮する(例:図3の無線機節電制御方法35のS47)。
所定の処理の別の具体例としては、無線機10のFS検出処理器20におけるフレーム同期検出処理を挙げることができる。この場合、良好度検出手段62は、例えば、受信信号の受信状態の良好度をフレーム同期検出処理におけるフレーム同期ワードに係るビットエラー率及び/又はCAIデコード処理の前方誤り訂正におけるビットエラー率に基づき検出する(例:図3の無線機節電制御方法35のS48,S49)。また、作動期間制御手段63は、処理実施手段61の1回当たりの作動期間を短縮させることにより処理実施手段61の作動期間を短縮する(例:図3の無線機節電制御方法35のS55)。
作動期間制御手段63は、良好度が高い期間は、低い期間よりも、処理実施手段61の動作タイミングを規定する動作周波数を低下させることができる。良好度が高い期間では、処理実施手段61の処理能力を低下させても、その処理結果について所望の精度を確保できるので、動作周波数の低下により処理実施手段61の処理能力を落として、節電を図ることができる。
好ましくは、良好度検出手段62は、受信信号の電界強度が所定の閾値未満である場合は、作動期間制御手段63が良好度の低い期間と判断する検出値を出力する。この具体例は、無線機節電制御方法35(図3)のS37である。RSSIが閾値未満であれば、ビットエラー率の低下は望めないし、また、受信信号の受信状態の良好度を送信機の基準発振周波数と受信機60の基準発振周波数との差の検出も難しくなる。したがって、良好度検出手段62は、十分に低い良好度に対応する検出値を出力することにより作動期間制御手段63におけるビットエラー率や基準発振周波数差の算出などの無駄な処理を省略することができる。
図5は受信機制御方法70のフローチャートである。受信機制御方法70は受信機60に適用される。S71では、受信信号の受信状態の良好度を検出する。
S72〜S74では、良好度の高い期間では、低い期間よりも所定の処理の作動期間を短縮する処理を行う。すなわち、S72では、良好度を評価し、良好度≧閾値R以上であれば、S73へ進み、良好度<閾値Rであれば、S74へ進む。S73では、所定の処理の作動期間を小とし、S74では、該処理の作動期間を大とする。
S73,S74における所定の処理とは、処理実施手段61(図4)が実施する処理を意味する。S71の処理は良好度検出手段62の機能に対応し、良好度検出手段62の機能について述べた具体的態様は、S71の処理の具体的態様として適用可能である。また、S72〜S74の処理は作動期間制御手段63の機能に対応し、作動期間制御手段63の機能について述べた具体的態様は、S72〜S74の処理の具体的態様として適用可能である。
本発明を適用したプログラムは、コンピュータを受信機60の各手段として機能させる。本発明を適用した別のプログラムは、受信機制御方法70の各ステップをコンピュータに実行させる。
本明細書は様々な発明を開示している。それら発明は、発明の最良の形態の項で説明した各装置及び各方法だけでなく、当業者の自明の範囲内で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を自明の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
無線機の受信系のブロック図である。 無線機に採用されている節電手法の概略説明図である。 無線機節電制御方法のフローチャートである。 受信機のブロック図である。 受信機制御方法のフローチャートである。
符号の説明
60:受信機、61:処理実施手段、62:良好度検出手段、63:作動期間制御手段、70:受信機制御方法。

Claims (12)

  1. 所定の処理を実施する処理実施手段、
    受信信号の受信状態の良好度を検出する良好度検出手段、及び
    前記良好度の高い期間では、低い期間よりも前記処理実施手段の作動期間を短縮する作動期間制御手段、
    を備えることを特徴とする受信機。
  2. 前記所定の処理とは、処理時間を同一とした場合には、その処理結果の精度が、前記良好度の高い期間は低い期間よりも高くなる処理であることを特徴とする請求項1記載の受信機。
  3. 前記所定の処理とは同期検出用クロックの再生処理であることを特徴とする請求項2記載の受信機。
  4. 前記良好度検出手段は、受信信号の受信状態の良好度度を送信機の基準発振周波数と前記受信機の基準発振周波数との差に基づき検出することを特徴とする請求項2又は3記載の受信機。
  5. 前記作動期間制御手段は、前記処理実施手段の作動頻度を減少させることにより前記処理実施手段の作動期間を短縮するものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の受信機。
  6. 前記所定の処理とはフレーム同期検出処理であることを特徴とする請求項2記載の受信機。
  7. 前記良好度検出手段は、受信信号の受信状態の良好度をフレーム同期検出処理におけるフレーム同期ワードに係るビットエラー率及び/又はCAIデコード処理の前方誤り訂正におけるビットエラー率に基づき検出することを特徴とする請求項2又は6記載の受信機。
  8. 前記作動期間制御手段は、前記処理実施手段の1回当たりの作動期間を短縮させることにより前記処理実施手段の作動期間を短縮するものであることを特徴とする請求項2、6又は7記載の受信機。
  9. 前記作動期間制御手段は、前記良好度が高い期間は、低い期間よりも、前記処理実施手段の動作タイミングを規定する動作周波数を低下させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の受信機。
  10. 前記良好度検出手段は、受信信号の電界強度が所定の閾値未満である場合は、前記作動期間制御手段が前記良好度の低い期間と判断する検出値を出力することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の受信機。
  11. 受信信号の受信状態の良好度を検出する良好度検出ステップ、及び
    前記良好度の高い期間では、低い期間よりも所定の処理の作動期間を短縮する作動期間制御ステップ、
    を備えることを特徴とする受信機制御方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の受信機の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
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