JP2009148168A - ソフトクリームミックス用組成物およびその製造方法 - Google Patents

ソフトクリームミックス用組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脂肪球の集合体の生成を抑制して粘度の低減を図り、さらに、フリーザー適性を有しつつ、従来のソフトクリームと同等の滑らかな食感を保持する、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックス用組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤とを含み、また、前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であり、さらに、前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソフトクリームミックス用組成物およびその製造方法に関する。詳しくは、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックス用組成物およびその製造方法に関する。
カカオ脂(カカオバター)は、種皮を除いたカカオ種子(カカオ豆)を炒って圧搾法または抽出法により得られる固体脂であり、独特の芳香(ココア臭)と収斂性苦味とを有している。また、カカオ脂に含まれる脂肪酸の特異な組成(主成分がステアリン酸、オレイン酸およびパルチミン酸)により、約25℃以上で軟化し、通常の結晶型(β型、V型)では31〜35℃程度、すなわち体温程度で融解するという特徴がある。
一方、製菓業界においては、チョコレートやココア等の原料として幅広く用いられており、カカオに含まれるポリフェノールやカフェイン等に注目が集まっている。ポリフェノールは、血液中のコレステロールの酸化を抑制して動脈硬化を防ぎ、大腸菌、赤痢菌、虫歯菌、ピロリ菌等の殺菌作用を有し、カフェインは、ストレスを和らげ、疲労回復を助ける働きがある。近年では、これらの有効成分を手軽に摂取するために、カカオ脂の含有量を大幅に増やした商品が開発されて人気を博しており、これに追随しようと冷菓業界でもカカオ脂を高配合した冷菓製品、特に、ソフトクリームの製造に用いられるソフトクリームミックスの開発が試みられている。
図2は、ソフトクリームが消費者に提供されるまでの各工程を示す概念図である。図2に示すように、ソフトクリームは、まず、ソフトクリームの原料混合物であるソフトクリームミックスとして製造され、その後、ソフトクリームミックスとして市場に流通し、それを購入した販売先でフリージングにより製造されて消費者に提供される。ソフトクリームミックスの製造後から流通過程においては、ソフトクリームミックスに含まれる油脂等の固形分原料を乳化して水分原料中に高分散した状態を保つ必要がある。また、フリージング工程においては、ソフトクリームミックスに含まれる気泡、油脂、氷結晶等を解乳化(乳化破壊)によって均一に分散した状態にし、かつソフトクリームの充填および包装に適する滑らかな可塑状の組織にする必要がある。したがって、消費者に提供することができるソフトクリームとは、ソフトクリームミックス適性とフリージング適性とを両立するものでなければならない。
特開2003−210968号公報 特開2004−269744号公報
しかしながら、上述した乳化と解乳化とは、相反する原理に基づいて作用する。特に、上述したカカオ脂のように、常温で固体の油脂を乳化させるためには、親油性の乳化剤(低HLB値のもの)を用いる必要があるところ、この乳化剤は解乳化を阻害するように作用する。すなわち、フリージングの初期段階においては、親油性乳化剤の作用により、カカオ脂を含む脂肪球(数μm〜数十μm程度の塊)は高分散した状態を保ち、その後、フリージングが進行してソフトクリームミックス中の水分が凍結して流動性を失うと、物理的作用によって凝集して巨大集合体を形成する。この巨大集合体がソフトクリームミックス中に存在していると、フリーザー(ソフトクリーム製造装置)のソフトクリーム取出口を詰まらせてしまい、親油性乳化剤を用いてカカオ脂を高配合したソフトクリームミックスに、フリーザー適性を持たせることは非常に困難であった。
また、上述した巨大集合体を含むソフトクリームミックスは、ソフトクリーム特有の滑らかな食感が損なわれてザラツキを有するので、親油性乳化剤を用いてカカオ脂を高配合したソフトクリームミックスに、ソフトクリームの品質を保証することは非常に困難であった。
また、親油性乳化剤が解乳化を阻害するのに対し、親水性の乳化剤(高HLB値のもの)は解乳化を促進するように作用する。しかし、この乳化剤を用いた場合、カカオ脂は、ソフトクリームミックス中で脂肪球を形成し、さらに、ソフトクリームミックスの製造後から保存中あるいは流通過程において冷却されることにより、形成された脂肪球が凝集して集合体を形成する。この集合体がソフトクリームミックスの流動性を阻害するように作用してしまうので、ソフトクリームミックスが増粘してマヨネーズ状になってしまうという問題が生じていた。すなわち、親水性乳化剤は、親油性乳化剤とは逆に、カカオ脂の乳化を阻害するように作用してしまうのである。
一方、特許文献1,2には、水相部に親水性の乳化剤等を、油相部にカカオ脂等の油脂、親油性の乳化剤等をそれぞれ投入して別々に調製して製造されたコーヒーホワイトナー等の水中油型乳化油脂組成物に関する発明が開示されている。しかし、開示されている発明は、油脂分離や乳漿分離を長期間起こすことがない水中油型乳化油脂組成物を提供することを目的としており、上述した問題の解決に結びつく糸口すら開示されていない。
したがって、本発明は、脂肪球の集合体の生成を抑制して粘度の低減を図り、さらに、フリーザー適性を有しつつ、従来のソフトクリームと同等の滑らかな食感を保持する、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックス用組成物およびその製造方法を提供しようとするものである。
本願発明者は、上記カカオ脂をソフトクリームミックスに高配合した際の諸問題に鑑み、乳化したカカオ脂の安定化が求められるソフトクリームミックス製造後から流通過程の段階と、カカオ脂の解乳化の促進が求められるソフトクリーム製造段階とにおける相反する作用のバランスに着目して鋭意研究を重ねた結果、特定の乳化剤の組み合わせがカカオ脂の乳化と解乳化を両立できることを見出し、本発明を完成した。
(1)すなわち、本発明は、カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤とを含むことを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物である。
(2)本発明は、また、前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であることを特徴とする、(1)に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(3)また、本発明は、前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(4)本発明は、また、前記第1の乳化剤および前記第2の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはレシチン類の単体またはこれらの組み合わせである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(5)本発明は、また、前記第1の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(6)また、本発明は、乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(7)本発明は、また、前記乳化状態の安定強化剤は、乳清タンパク質またはメタリン酸ナトリウムの単体またはこれらの組み合わせである、(6)に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(8)また、本発明は、カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤とを含む第1の原料を混合し、HLB値が8〜11の第2の乳化剤を含む第2の原料を混合し、前記第1の原料と、前記前記第2の原料とを混合乳化して得られることを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物である。
(9)本発明は、また、前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であることを特徴とする、(8)に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(10)また、本発明は、前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、(8)または(9)に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(11)本発明は、また、前記第1の乳化剤および前記第2の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはレシチン類の単体またはこれらの組み合わせである、(8)〜(10)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(12)本発明は、また、前記第1の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、(8)〜(11)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(13)本発明は、また、前記第2の原料は、乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とする、(8)〜(12)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(14)本発明は、また、前記乳化状態の安定強化剤は、乳清タンパク質またはメタリン酸ナトリウムの単体またはこれらの組み合わせである、(13)に記載のソフトクリームミックス用組成物である。
(15)また、本発明は、カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤とを混合して第1の原料を調製する第1の調製工程と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤を混合して第2の原料を調製する第2の調製工程と、前記第1の原料と、前記第2の原料とを混合して乳化する乳化工程と、を含むことを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
(16)本発明は、また、前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であることを特徴とする、(15)に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
(17)また、本発明は、前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、(15)または(16)に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
(18)本発明は、また、前記第1の乳化剤および前記第2の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはレシチン類の単体またはこれらの組み合わせである、(15)〜(17)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
(19)本発明は、また、前記第1の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、(15)〜(18)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
(20)本発明は、また、前記第2の原料は、乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とする、(15)〜(19)のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
(21)本発明は、また、前記乳化状態の安定強化剤は、乳清タンパク質またはメタリン酸ナトリウムの単体またはこれらの組み合わせである、(20)に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法である。
本発明によれば、カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤である親油性乳化剤と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤である親水性乳化剤とを含むので、ソフトクリームミックスの製造工程およびソフトクリームの製造工程において、カカオ脂の乳化と解乳化とを両立させることができる。
また、本発明によれば、フリージング工程において、親水性乳化剤がカカオ脂の解乳化を促進させるように作用するので、解乳化を抑制する親油性乳化剤の作用とのバランスを取ることができる。よって、カカオ脂の巨大集合体の形成を抑制し、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックスに、フリーザー適性を持たせることができる。
また、本発明によれば、上述したとおり、カカオ脂の巨大集合体の形成を抑制することができる。よって、ソフトクリーム特有の滑らかな食感を有し、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックスを用いて製造されたソフトクリームの品質を保証することができる。
さらに、本発明によれば、ソフトクリームミックスの製造後から保存中あるいは流通過程において、親油性乳化剤がカカオ脂の乳化を促進させるように作用するので、乳化を抑制する親水性乳化剤の作用とのバランスを取ることができる。よって、カカオ脂を適切に乳化させることにより脂肪球の凝集を抑制し、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックスの増粘を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
本発明のソフトクリームミックス用組成物は、カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤とを含むことを特徴とするものである。
本発明に適用されるカカオ脂は、食品に添加することが可能であればよく、生産国(西アフリカ、中南アメリカ、西インド、スリランカ、インドネシア等)やカカオ脂の物性(酸価、鹸化価、沃素価、脂肪酸組成等)等に限定されるものではない。また、ソフトクリームミックスに対するカカオ脂の添加量は、好ましくは2〜11wt%であり、本発明における最適量は、4〜8wt%である。この添加量の範囲以下であった場合には、カカオ脂に特有の芳香や風味等を損なってしまうので好ましくなく、この添加量の範囲を超えた場合には、後述する乳化剤の添加量を増量する必要が生じ、他の原料との添加バランスが崩れてしまうので好ましくない。
本発明においては、ソフトクリームミックス用組成物に対するカカオ脂の含有量が上記範囲内であれば、原料として、カカオ脂そのもの(カカオバター)を用いても、あるいは、カカオ脂の含有物またはその加工品を用いてもよい。カカオ脂の含有物としては、例えば、カカオ豆、カカオ豆の殻や皮等が挙げられ、カカオ脂の加工品としては、例えば、ココアペースト、ココアパウダー、ココア調製品、チョコレート、チョコレート調製品等が挙げられ、これらの中ではチョコレートが好適に利用される。なお、チョコレートは用途に合わせて、ホワイトチョコレート、ブラックチョコレート、生チョコレート、ミルクチョコレート等を適宜選択することができる。
本発明に適用される第1の乳化剤は、HLB値が2以下のノニオン系乳化剤(非イオン性乳化剤)である。HLB値とは、水と水に不溶性の有機化合物との親和性の程度を表す数値であり、Hydrophile−Lipophile Balanceの頭文字を取ったものである。HLB値は、1から20に区分され、1に近いほど親油性に優れ、20に近いほど親水性に優れていることを示す。一般的に、乳化剤のHLB値は、アトラス法と呼ばれる下記式によって算出される。
Figure 2009148168
本発明で用いられる第1の乳化剤のHLB値は、好ましくは2以下、本発明における最適値は1である。このHLB値の範囲を外れると、カカオ脂を乳化して水中に高分散させることができなくなるので好ましくない。
本発明に適用される第1の乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセライド、グリセリン有機脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、グリセリン酢酸エステル、エトキシ化グリセリン脂肪酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、植物レシチン、卵黄レシチン、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン等のレシチン類等の単体またはこれらの組み合わせが挙げられ、これらの中では、ショ糖脂肪酸エステル等が好適に利用される。ショ糖と結合している脂肪酸の数や種類等により様々な製品があり、水と油脂の乳化に幅広い対応が可能だからである。なお、本発明においては、親油性乳化剤を複数組み合わせて用いてもよく、その場合には、添加する親油性乳化剤のHLB値の加重平均値が2以下になるように調製すればよい。
また、第1の乳化剤はカカオ脂を水中に高分散させるためのものであるので、その添加量はカカオ脂の添加量に依存する。したがって、第1の乳化剤とカカオ脂の添加割合は、0.05〜0.25:2〜11が好ましく、本発明における最適割合は、0.15〜0.2:5〜7である。この添加割合の範囲を外れてしまうと、上述したとおり、カカオ脂を水中に高分散させることができなくなるので好ましくない。また、ソフトクリームミックス用組成物に対する第1の乳化剤の添加量は、好ましくは0.05〜0.25wt%であり、本発明における最適量は、0.1〜0.2wt%である。この添加割合の範囲を外れてしまうと、カカオ脂以外の他の原料に影響を与える可能性があるので好ましくない。
本発明に適用される第2の乳化剤は、HLB値が8〜11のノニオン系乳化剤である。
本発明で用いられる第2の乳化剤のHLB値は、好ましくは8〜11、本発明における最適値は9〜11である。また、本発明の第2の乳化剤のHLB値は、このHLB値の範囲内であって、上述した第1の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7になるように調製される必要がある。このHLB値の範囲を外れると、上述した第1の乳化剤とのバランスが崩れ、カカオ脂以外の親水性の原料を適切に乳化することができなくなってしまうので好ましくない。
本発明に適用される第2の乳化剤としては、上記第1の乳化剤と同様のものを利用することができる。なお、本発明においては、親油性乳化剤と同様にして、親水性乳化剤を複数組み合わせて用いてもよく、その場合には、添加する親水性乳化剤のHLB値の加重平均値が8〜11になるように、また、添加する全ての乳化剤のHLB値の加重平均値が3〜7になるように調製すればよい。
また、本発明のソフトクリームミックス用組成物に対する第2の乳化剤の添加量は、好ましくは0.025〜0.25wt%であり、本発明における最適量は、0.1〜0.2wt%である。この添加割合の範囲を外れてしまうと、上述したとおり、2種類の乳化剤のHLB値のバランスが崩れてしまうので好ましくない。
本発明のソフトクリームミックス用組成物は、乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とするものである。ここで、本発明における乳化状態の安定強化剤とは、乳化したカカオ脂の脂肪球膜を安定化するために用いるものである。本発明に適用される安定化剤としては、例えば、乳清タンパク質、メタリン酸ナトリウム等の単体またはこれらの組み合わせが挙げられ、これらの中では、乳清タンパク質等が好適に利用される。また、ソフトクリームミックスに対する乳化状態の安定強化剤の添加量は、好ましくは1.0〜0.03wt%であり、本発明における最適量は、0.15〜0.05wt%である。この添加量の範囲を外れてしまうと、上述したとおり、乳化したカカオ脂の脂肪球膜を安定化することができなくなるので好ましくない。
なお、乳清タンパク質とは、牛乳のホエイから精製、抽出された乳清タンパク質をいい、熱凝固性、乳化性、保水結着性等の特長を持つものであり、例えば、限外ろ過法等にて得られるものである。本発明においてこれを用いると、カカオ脂以外の原料を安定化させる作用を有するだけでなく、食感の柔らかさや滑らかさを程よく有したソフトクリームを製造することができる。
本発明のソフトクリームミックス用組成物は、上記した原料の他に、水、乳製品、糖分、安定剤、塩分、風味原料、香料等を添加することができる。また、これ以外の原料であっても、必要に応じてリン酸塩やクエン酸塩等を入れ、pHの調整や緩衝作用を持たせることも可能である。なお、これらの原料およびその添加量は、上述したカカオ脂、乳化剤や乳化状態の安定強化剤等とのバランスを考えて適宜設計されるものである。
本発明に適用可能な乳製品としては、例えば、脱脂粉乳、クリームチーズ、脱脂練乳、生クリーム、無塩バター、乳、濃縮乳、全脂粉乳、全脂練乳、ホエイパウダー、脱脂濃縮乳等の単体またはこれらの組み合わせが挙げられ、これらの中では、脱脂粉乳およびクリームチーズ等の組み合わせ等が好適に利用される。
本発明に適用可能な糖分としては、例えば、ビートグラニュー糖、砂糖、異性化糖、麦芽糖、乳糖、プドウ糖、果糖、キシロース、水あめ、はちみつ、メープルシロップ、カップリングシュガー、パラチノース、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ソルバトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、パラチニット、エリスリトー等の単体またはこれらの組み合わせが挙げられ、これらの中では、ビートグラニュー糖等が好適に利用される。
本発明に適用可能な安定剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム(アルギン酸Na)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ゼラチン、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン等の単体またはこれらの組み合わせが挙げられ、これらの中では、アルギン酸ナトリウムおよびカルボキシメチルセルロース等の組み合わせ等が好適に利用される。
本発明に適用可能な風味原料としては、キャラメル、リキュール等が挙げられ、これらの中では、キャラメル等が好適に利用される。
本発明に適用可能な香料としては、ホワイトチョコレート、バニラ、ミルク、チョコ等が挙げられ、これらの中では、ホワイトチョコレート等が好適に利用される。
次に、本発明のカカオ脂を高配合したソフトクリームミックスの製造方法について説明する。なお、各工程で使用される原料およびその添加量については、上述したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
図1は、本発明のソフトクリームミックス用組成物の製造方法の一例を示すフローチャート図である。図1に示すとおり、本発明のソフトクリームミックス用組成物の製造方法は、第1の調製工程および第2の調製工程、乳化工程、均質化工程、第3の調製工程、加熱工程、滅菌工程、冷却工程ならびに充填工程を含むものである。
本発明の第1の調製工程は、カカオ脂とHLB値が2以下の第1の乳化剤とを混合して第1の原料を調製する工程である。この工程では、少なくともカカオ脂とHLB値が2以下の第1の乳化剤とを、縦型ニーダー等の混合機に投入して混合し、第1の原料を調製する。
第1の原料を調製する際には、例えば、上述した風味原料等の親油性の原料を添加してもよいが、カカオ脂の乳化を妨げる原料、すなわち、親水性の原料を添加することは好ましくない。また、本発明においては、カカオ脂と他の原料とを均一に混合して調製するため、所定温度に昇温しながら混合してもよい。その際の攪拌温度は概ね70℃程度、攪拌速度は25〜30rpm程度が好ましい。
本発明の第2の調製工程は、HLB値が8〜11の第2の乳化剤を混合して第2の原料を調製する工程である。この工程では、少なくともHLB値が8〜11の第2の乳化剤をミキサー等の混合機に投入して混合し、第2の原料を調製する。
第2の原料を調製する際には、例えば、上述した水分、乳製品、糖分、安定剤、塩分、乳化状態の安定強化剤等の親水性の原料を添加してもよいが、第2の乳化剤の作用を阻害する原因となり得る原料、すなわち親油性の原料を添加することは好ましくない。また、本発明においては、水分中に乳製品、糖分や塩分等を均一に混合して調製するため、所定温度に昇温しながら混合してもよい。その際の攪拌温度は概ね60℃程度、攪拌速度は200〜600rpm程度が好ましい。
本発明のソフトクリームミックス用組成物の製造方法においては、従来製法とは異なり、上述した第1の調製工程および第2の調製工程を、別々に行う必要がある。特に、第2の乳化剤と親水性の原料とを混合する前にカカオ脂を添加することは好ましくない。第2の乳化剤がカカオ脂の乳化を阻害するように作用し、上述したカカオ脂の脂肪球の集合体によるソフトクリームミックス用組成物の増粘抑制等の本発明の効果を享受することができなくなるからである。
本発明の乳化工程は、第1の原料に第2の原料を添加して混合し、第2の原料に含まれる水分中に、第1の原料に含まれるカカオ脂を乳化させる工程である。この工程では、第1の原料を調製した混合機に、第2の原料を調製した混合機からそれを送液し、カカオ脂を乳化する。すなわち、第2の調製工程において親水性の原料を乳化しているので、第1の乳化剤がカカオ脂を効率的に乳化することができる。
カカオ脂を乳化させる際には、例えば、第1の調製工程および第2の調製工程において用いた混合機と同様のものを使用してもよい。また、第2の原料を第1の原料を調製した混合機に送液する際には、メッシュ(例えば、3mmパンチング)等の濾過機を用いてろ過してもよい。さらに、本発明においては、第1の原料および第2の原料の原料混合物を均一に混合して調製するため、所定温度に昇温しながら混合して所定時間保持してもよい。その際の攪拌温度は概ね70℃程度、攪拌速度は概ね25rpm程度、保持時間は概ね10分程度が好ましい。なお、本発明のソフトクリームミックス用組成物に香料等を添加する場合には、その機能を持続させるため、保持した後に添加することが好ましい。
本発明の均質化工程は、乳化工程で得られた原料混合物を、ホモゲナイザー等の均質化機、例えば、イズミフードマシナリ社製のミルクホモジナイザー、(例えば、処理容量3000L/h)を用いて所定圧力下で細分化したカカオ脂を均一に分散させる工程である。その際の均質化圧力は、4〜10MPa程度(例えば、処理重量100kg)が好ましい。なお、乳化工程で得られた原料混合物をこの均質化機に送液する際には、トレーナー等の濾過機を用いてろ過してもよい。
本発明の第3の調製工程は、均質化工程で得られた原料混合物を、縦型ニーダー等の混合機、例えば、第1の調製工程で用いたものと同様の混合機を用い、所定温度下でさらに50kg程度の水分等を加えて原料混合物を調製する工程である。その際の攪拌温度は60〜65℃程度、攪拌速度は8rpm程度が好ましい。
本発明の加熱工程は、後述する滅菌工程の前処理工程であり、第3の調製工程で得られた原料混合物を、例えば、イズミフードマシナリ社製のかき取り式熱交換器(スラッシュヒータークーラー)等の熱交換器を用いて所定時間で所定温度に上がるまで加熱する工程である。加熱時の初期温度は概ね60℃程度、目標温度は95〜120℃程度、昇温時間は概ね4分程度が好ましい。なお、本発明の加熱工程においては、同一の装置内で所定温度まで加熱することができなければ、同一の装置を複数用いて順次所定温度になるまで加熱処理を行ってもよい。また、本発明に適用可能な熱交換器の加熱方式としては、かき取り式、チューブ式、プレート式、インジェクション式等が挙げられ、本発明においてはカキトリ式が好適に利用される。
本発明の滅菌工程は、加熱工程で加熱された原料混合物中の細菌を、所定温度で所定時間加熱し、所望の滅菌方式によって滅菌するほか、乳原料中に含まれる酵素を失活させる工程である。この工程における滅菌の条件は、食品衛生法において規定されているが、製造条件や製造装置等によって規定範囲内で適宜調整を行うことができる。また、滅菌温度は95〜120℃程度、滅菌時間は概ね2分程度が好ましい。なお、滅菌の際は、例えば、イズミフードマシナリ社製のホールディングチューブ等を適用することができる。
本発明の冷却工程は、後述する滅菌工程の後処理工程であり、滅菌工程で得られた原料の混合物を、例えば、加熱工程で用いた熱交換器等と同様のものを用い、所定時間で所定温度に下がるまで冷却する工程である。冷却時の初期温度は95〜120℃程度、目標温度は5〜30℃程度、冷却時間は概ね6〜18分程度が好ましい。なお、本発明の冷却工程においては、同一の装置内で所定温度まで冷却することができなければ、同一の装置を複数用いて順次所定温度になるまで冷却処理を行ってもよい。また、本発明に適用可能な熱交換器の冷却方式としては、加熱工程と同様の方式を適用することができる。
本発明の充填工程は、冷却工程で得られた原料混合物を、例えば、オリヒロ社製のアセプティックタンク充填装置等を用い、販売形態に即した容器に、所定温度で所定容量を充填する工程である。充填時の原料混合物の温度は、概ね30℃程度が好ましい。ただし、一般的なソフトクリームミックスは、5℃程度で流通するものであるので、その温度まで冷却して充填してもよい。
その後、本発明のソフトクリームミックス用組成物は、梱包等が行われ、5℃程度に温度を保持した状態で販売される。なお、販売されるまでの間も5℃程度で冷蔵庫等の適所に保管する。
ソフトクリームは、一般的にはフリージング工程を経て製造される。フリージングは、通常はフリーザーと呼ばれる専用機を用いて行われる。フリーザーは、バッチ式と連続式の2種に大別され、ソフトクリームの凍結方法によってアンモニア式、フロン式、およびブライン式に分けられる。また、冷媒の供給および制御方法により、冷媒噴射式と満液式(冷媒液を凍結シリンダーの周囲に満たす方式)とがあるが、取扱い方法と制御が容易であることから、満液式を用いることが好ましい。
本発明のフリージング工程は、ソフトクリームミックスをフリーザーに投入して急冷却すると同時に、適量の空気を混入させて気泡、脂肪、氷結晶等をソフトクリームミックス中に均等に分散させる工程である。フリージングの条件によって、同じソフトクリームミックスを用いたとしても、その品質(例えば、食感やスプーンタッチ等)は大きく異なる。よって、上述した原料、装置の種別や製造する季節等の影響により、適した条件を適宜選択する必要がある。
一般的なフリーザーは、凍結温度が−3℃で水分を20〜30%、−5℃で水分を約48%、−9〜−8℃で水分を約70%凍結させることができる。本発明における凍結温度は、−8〜−7℃程度が好ましい。
また、ソフトクリームミックスの体積に対する取り込まれた空気の体積の比率をオーバーランという。適切なオーバーランは、ソフトクリームミックスの組成により変わるものであり、低すぎると硬く冷たすぎる食感となり、多すぎるとパサパサした食感となる。本発明におけるオーバーランは、概ね20〜40%程度が好ましい。本発明では30%が好適になっている。
その後、本発明のソフトクリームは、フリーザーから取り出され、コーン(食べられる円錐形の受け皿)等に盛り付けて消費者に提供される。
なお、本発明のソフトクリームミックスの製造方法は、図1に示す方法に限定される訳ではなく、これ以外の工程を含めたり、あるいは工程を減らしたりしてもよく、上述した原料、装置の種別や製造する季節等の影響により、本発明の効果を享受できる範囲内において変更されることはあり得る。
[比較例1]従来製法によるソフトクリームミックスの作製(1)
表1のA群に示した原料の各添加量分を、60℃に達温したミキサーに投入し、A群原料の粉体原料群が水に溶解するまで500rpmで攪拌し、このA群原料を、メッシュ(3mmパンチング)でろ過しながら、60℃に達温した縦型ニーダー(3000L)へ送液した。次いで、表1のB群に示した原料の各添加量分を縦型ニーダーに投入し、70℃に昇温するまで20rpmで攪拌し、70℃に達温した後、これらの原料混合物を、20rpmで攪拌しながら70℃で10分間保持した。その後、表1のC群に示した原料を添加量分だけ投入した。次いで、この原料混合物をストレーナーでろ過しながらホモゲナイザー(3000L/h)を用いて4MPaで均質化した。その後、この原料混合物を縦型ニーダー(3000L)へ送液し、水50kgを加えて原料混合物の総重量が1000kgになるように調製し、さらに60℃に調温しながら5rpmで攪拌した。次いで、マグネット(9000ガウス)を用いて金属異物除去した後、この原料混合物を2機のカキトリ式熱交換器(1000L/h)に順次送液し、1機目は加熱せず、2機目は65℃から115℃に加熱し、全工程に6分間かけて加熱処理を行った。さらに、原料混合物をホールディングチューブに送液し、115℃で2分間滅菌処理を行った。その後、原料混合物を、加熱処理に用いたものとは別の3機のカキトリ式熱交換器(1000L/h)に順次送液し、1機目は115℃から60℃に冷却し、2機目は60℃から30℃に冷却し、3機目は30℃に保持し、全工程に8間かけて冷却処理を行った。次いで、この原料混合物を、アプティック充填装置を用い、30℃で容器(3kg/袋)に充填し、ソフトクリームミックスを得た。このソフトクリームミックスは、べとついた食感であり、マヨネーズ状であった。
Figure 2009148168
[比較例2]従来製法によるソフトクリームミックスの作製(2)
表2に示した各原料を用いた以外は比較例1と同様にして、ソフトクリームミックスを得た。このソフトクリームミックスは、滑らかな食感であり、水状であった。
Figure 2009148168
[比較例3]従来製法のソフトクリームミックスによるソフトクリームの作製
比較例2で得られたソフトクリームミックス6kgを、自動殺菌機つきソフトクリームフリーザーのミックスタンクに投入し、−8.0〜−7.0℃、200rpmの条件で凍結攪拌しながらソフトクリームミックスの中に空気30%を注入し、自動殺菌機つきソフトクリームフリーザーから取り出してソフトクリームを得た。このソフトクリームは、ざらついた食感であった。
[実施例1]本発明によるソフトクリームミックスの作製
表3のA群に示した原料の各添加量分を、60℃に達温したミキサーに投入し、A群原料の粉体原料群が水に溶解するまで500rpmで攪拌した。また、表3のB群に示した原料の各添加量分を、縦型ニーダー(3000L)に投入し、70℃に昇温するまで25rpmで攪拌した。70℃に達温した後、上記のミキサーで処理したA群原料を、メッシュ(3mmパンチング)でろ過しながら縦型ニーダーへ送液し、25〜30rpmで攪拌しながらB群原料と混合した。これらの原料混合物を、25rpmで攪拌しながら70℃で10分間保持した。その後、表3のC群に示した原料を添加量分だけ投入した。次いで、この原料混合物をストレーナーでろ過しながらホモゲナイザー(3000L/h)を用いて10MPa(100kg)で均質化した。その後、この原料混合物を縦型ニーダー(3000L)へ送液し、水50kgを加えて原料混合物の総重量が1000kgになるように調製し、さらに60℃に調温しながら8rpmで攪拌した。次いで、マグネット(9000ガウス)を用いて金属異物除去した後、この原料混合物を2機のカキトリ式熱交換器(1000L/h)に順次送液し、1機目は加熱せず、2機目は65℃から110℃に加熱し、全工程に4分間かけて加熱処理を行った。さらに、原料混合物をホールディングチューブに送液し、110℃で2分間滅菌処理を行った。その後、原料混合物を、加熱処理に用いたものとは別の3機のカキトリ式熱交換器(1000L/h)に順次送液し、1機目は110℃から60℃に冷却し、2機目は60℃から30℃に冷却し、3機目は30℃に保持し、全工程に6分間かけて冷却処理を行った。次いで、この原料混合物を、アプティック充填装置を用い、30℃で容器(3kg/袋)に充填し、ソフトクリームミックスを得た。このソフトクリームミックスは、滑らかな食感であり、水状の外観であった。
Figure 2009148168
[実施例2]本発明のソフトクリームミックスによるソフトクリームの作製
実施例1で得られたソフトクリームミックスを用いた以外は比較例3と同様にして、ソフトクリームを得た。このソフトクリームは、滑らかな食感であった。
[実施例3]ソフトクリームミックスの粘度特性評価試験
比較例1、比較例2および実施例1でそれぞれ得られたソフトクリームミックスの各経過時間後の粘度を、ローター式粘度計(M:3、東機産業社製)を用い、5℃、60rpm、30秒間の条件下で測定し、その結果を表4にまとめた。なお、ソフトクリームミックスの温度は、充填直後が30℃、24時間後が10℃、48時間後が5℃まで下がりそれ以降は温度変化がなかった。
表4に示すとおり、比較例1のソフトクリームミックスは、充填直後から増粘傾向にあり、その粘度は、充填直後から96時間経過した後に安定した。また、充填直後の粘度と96時間経過後の粘度を比較すると、3倍程度に増粘していた。比較例2のソフトクリームミックスは、充填直後は水状の外観であり、その粘度は、充填直後から72時間経過した後に安定した。また、充填直後の粘度と72時間経過後の粘度とを比較すると、3倍程度に増粘していた。実施例1のソフトクリームミックスは、充填直後は水状の外観であり、その粘度は、充填直後から48時間経過した後に安定した。また、充填直後の粘度と48時間後の粘度とを比較すると、3倍程度に増粘していた。
以上の結果より、比較例1のソフトクリームミックスは、増粘速度、食感および外観の評価が低く、ソフトクリームミックスとしての製品適性を有していないことがわかった。また、比較例2のソフトクリームミックスは、増粘速度、食感および外観の評価については、実施例1のソフトクリームミックスと比較して大きな差は認められなかった。よって、比較例2および実施例1に添加した親油性乳化剤が、粘度の低減に寄与する可能性が示唆された。
Figure 2009148168
[実施例4]ソフトクリームミックスおよびソフトクリームの粒度特性評価試験
比較例1、比較例2および実施例1でそれぞれ得られたソフトクリームミックス、比較ならびに比較例3および実施例2でそれぞれ得られたソフトクリームの粒度分布を、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2200、(株)島津製作所製)を用い、(1)測定吸光度範囲:最大値0.200、最小値0.010(2)屈折率:1.70−0.20i(3)平均回数:64の条件下で測定し、その結果を表5にまとめた。なお、比較例1で得られたソフトクリームミックスは、上述したとおり、製品適性を有していないことがわかったので、これを用いてソフトクリームを製造しなかった。
表5に示すとおり、比較例2のソフトクリームミックスは、ソフトクリームミックス中の粒子径が均一であり、非常に細かい粒子が形成されることがわかった。しかし、これを用いて比較例3のソフトクリームを製造すると、非常に大きな粒子が形成されていることがわかった。また、このソフトクリームは、ざらついた食感を有していた。
一方、実施例1のソフトクリームミックスは、ソフトクリームミックス中の粒子径が不均一であり、比較例2と比較して若干大きな粒子が形成されることがわかった。しかし、これを用いて実施例2のソフトクリームを製造すると、フリージングの前後で粒子径に大きな変化はないことがわかった。また、このソフトクリームは、滑らかな食感を有していた。
実施例1のソフトクリームミックスは、比較例2と異なり、表3のA群に示す中性乳化剤を添加し、さらに、これとB群に示す親油性乳化剤と別々に調合している。よって、実施例1において組成と製造工程を変えたことが、実施例1のソフトクリームミックス中に含まれる粒子の、フリージング工程における物理的な凝集の阻害に寄与する可能性が示唆された。
以上の表4,5に示す結果により、実施例1のソフトクリームミックスは、増粘を抑制することができ、また、これを用いて製造した実施例2のソフトクリームは、フリージング適性を有し、滑らかな食感を有することがわかった。
Figure 2009148168
本発明によれば、カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤である親油性乳化剤と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤である親水性乳化剤とを含むので、ソフトクリームミックスの製造工程およびソフトクリームの製造工程において、カカオ脂の乳化と解乳化とを両立させることができる。また、フリージング工程において、親水性乳化剤がカカオ脂の解乳化を促進させるように作用するので、カカオ脂の巨大集合体の形成を抑制し、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックスに、フリーザー適性を持たせることができる。また、カカオ脂の巨大集合体の形成を抑制することができ、ソフトクリーム特有の滑らかな食感を有し、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックスを用いて製造されたソフトクリームの品質を保証することができる。さらに、本発明によれば、ソフトクリームミックスの製造後から保存中あるいは流通過程において、親油性乳化剤がカカオ脂の乳化を促進させるように作用するので、脂肪球の凝集を抑制し、カカオ脂を高配合したソフトクリームミックスの増粘を防ぐことができる。
したがって、本発明は、カカオ脂を高配合したソフトクリームを、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ソフトクリーム等の専門販売店や、喫茶店、レストラン、ファーストフード店等の外食産業、ソフトクリーム等の自動販売機、あるいは屋台等の様々な販売形態を介し、消費者に提供することができるので、極めて有用である。
本発明のソフトクリームミックス用組成物の製造方法の一例を示すフローチャート図である。 ソフトクリームが消費者に提供されるまでの各工程を示す概念図である。

Claims (21)

  1. カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤と、HLB値が8〜11の第2の乳化剤とを含むことを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物。
  2. 前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であることを特徴とする、請求項1に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  3. 前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、請求項1または2に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  4. 前記第1の乳化剤および前記第2の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはレシチン類の単体またはこれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  5. 前記第1の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  6. 乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  7. 前記乳化状態の安定強化剤は、乳清タンパク質またはメタリン酸ナトリウムの単体またはこれらの組み合わせである、請求項6に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  8. カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤とを含む第1の原料を混合し、
    HLB値が8〜11の第2の乳化剤を含む第2の原料を混合し、
    前記第1の原料と、前記前記第2の原料とを混合乳化して得られることを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物。
  9. 前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であることを特徴とする、請求項8に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  10. 前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、請求項8または9に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  11. 前記第1の乳化剤および前記第2の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはレシチン類の単体またはこれらの組み合わせである、請求項8〜10のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  12. 前記第1の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、請求項8〜11のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  13. 前記第2の原料は、乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  14. 前記乳化状態の安定強化剤は、乳清タンパク質またはメタリン酸ナトリウムの単体またはこれらの組み合わせである、請求項13に記載のソフトクリームミックス用組成物。
  15. カカオ脂と、HLB値が2以下の第1の乳化剤とを混合して第1の原料を調製する第1の調製工程と、
    HLB値が8〜11の第2の乳化剤を混合して第2の原料を調製する第2の調製工程と、
    前記第1の原料と、前記第2の原料とを混合して乳化する乳化工程と、
    を含むことを特徴とする、ソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
  16. 前記カカオ脂と、前記第1の乳化剤との添加割合は、0.05〜0.25:2〜11であることを特徴とする、請求項15に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
  17. 前記第1の乳化剤のHLB値と、前記第2の乳化剤のHLB値との加重平均値が3〜7であることを特徴とする、請求項15または16に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
  18. 前記第1の乳化剤および前記第2の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはレシチン類の単体またはこれらの組み合わせである、請求項15〜17のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
  19. 前記第1の乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、請求項15〜18のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
  20. 前記第2の原料は、乳化状態の安定強化剤を含むことを特徴とする、請求項15〜19のいずれか1項に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
  21. 前記乳化状態の安定強化剤は、乳清タンパク質またはメタリン酸ナトリウムの単体またはこれらの組み合わせである、請求項20に記載のソフトクリームミックス用組成物の製造方法。
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