JP2009144349A - 除雪機 - Google Patents

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Abstract

【課題】除雪機において、機体フレーム後部の操作部で操作可能であり、簡単な機構からなるロック手段を具備し、高さ調整作業終了後の除雪部の高さ位置を確実に保持することができる、除雪部の昇降機構を有する除雪機を提供する。
【解決手段】機体フレーム15の前部に除雪部11を備え、機体フレーム15の後部に運転操作部14を設け、機体フレーム15の前車軸23を中心に該機体フレーム15と除雪部11をクローラ式走行装置13・13に対して上下可能に構成した除雪機10において、前記クローラ式走行装置13・13の後部にはその下部が前後方向に摺動および回動自在のガイドロッド29を上方に延設し、機体フレーム15の後部には前記ガイドロッド29の上部を摺動可能に支持し、かつ、固定可能とするロック手段30を設け、該ロック手段30のロック操作部と、前記運転操作部14に設けたロックレバー42を連動連結した。
【選択図】図2

Description

本発明は、比較的小型の除雪機の前部に配置する除雪部の高さを、容易に調整できるようにするための技術に関する。
従来から、除雪機の前部に配置した除雪部には、高さ調整を可能とする機構が設けられており、走行する地面よりも高く積もった雪や、走行面よりも低い雪であっても容易に除雪できるようにしている。この除雪部の昇降機構は大型の除雪機の場合、エンジンやモータの動力を利用して昇降シリンダを駆動したり、あるいは、ネジ軸やアームを回動したりすることで除雪部を昇降し、高さ調節を行う機構としていた。そして、除雪部の高さ調整を行った後は、前記昇降シリンダに内蔵されたロック手段により伸縮ロッドをロックし、あるいは、モータに内蔵されるブレーキユニットによって該モータの駆動自身をロックすることで、ネジ軸やアームをロックし、前記除雪部の位置を固定保持する構成としていた。
また、小型の除雪機の場合には、馬力が小さいことから、除雪部を昇降するための駆動力を省き、必要コストを低く抑えるようにしているため、前車軸または後車軸を中心にして機体フレームを回動可能に構成するとともに、前記機体フレーム後部のハンドル下方にフートペダルを設け、該フートペダルを踏むことによって機体フレームの一側を持ち上げたうえで、調整レバーを用いて任意の高さに前記除雪部を固定保持する構成としていた。
このような小型の除雪機において、除雪部の昇降作業を行うには除雪作業を一旦中止して該除雪機を停止した後、フートペダルを踏んで除雪部を昇降操作しなければならず、除雪作業の効率を低下させていた。そこで、操向ハンドル近傍に配置された操作レバーを操作することにより、除雪部の昇降操作を行うことができるようにしたものが提案されている。
例えば、特許文献1では、機体フレームの後部と走行装置の後部にそれぞれ連結部材を設け、該連結部材が、ともにボルトを介して固定され、該ボルトに固設したロックレバーを機体フレーム後部まで延出して設ける技術が示されている。
そして、ロックレバーの操作により前記ボルトを緩めてロック開放し、機体フレーム後部に設けられた操向ハンドルを上下操作して除雪部を昇降させ、再び前記ロックレバーの操作によって、除雪部の高さ位置をロックすることとしている。
また、特許文献2では、機体フレームと走行装置の間において、伸縮自在のリンク機構とシリンダを配設し、機体フレーム後部より突設する操向ハンドルに、シリンダの伸縮ロッドに具備されたロック手段を操作するロックレバーを設ける技術が示されている。
そして、ロックレバーの操作によりシリンダの伸縮ロッドがロック開放され、操向ハンドルを上下操作して除雪部を昇降させ、その後、前記ロックレバーの操作により再び伸縮ロッドをロックして、除雪部の高さ位置を保持することとしている。
さらに、特許文献3では、前記特許文献2と同様、機体フレームと走行装置の間において伸縮自在のシリンダを配設し、機体フレーム後部より突設するリフティングハンドルに、シリンダに内挿された開放弁を操作するリフティングレバーを設ける技術が示されている。
そして、リフティングレバーの操作により前記開放弁が開放されることでシリンダの伸縮ロッドは伸縮自在となり、リフティングハンドルを上下操作して除雪部を昇降させ、その後、前記リフティングレバーの操作により再び開放弁を閉じて、除雪部の高さ位置を保持することとしている。
また、該機体フレームの後方よりリフティングハンドルを突設し、該リフティングハンドルに設けたリフティングレバーの操作により前記シリンダの伸縮ロッドをロック開放した後、前記リフティングハンドルを上下操作して除雪部を昇降させ、その後、前記リフティングレバーの操作により再び伸縮ロッドをロックして、除雪部の高さ位置を保持する技術が記されている。
特開2002−173922号公報 特開2000−64240号公報 特開2004−278091号公報
これら開示された技術によれば、作業者は除雪部の高さ調整作業において、除雪機後部の操作部に設けられたレバーを操作することにより、容易にロック操作を行うことができる。しかし、除雪部の高さ調整作業終了後に、該除雪部の高さ位置を確実に保持することは困難であった。
即ち、前記特許文献1の技術によれば、機体フレーム、および、走行装置に設けられた連結部材に形成された長孔の範囲内で無段階に除雪部の高さ調整を行うことができる。しかし、前記連結部材を締結するボルトが緩む可能性があった。
また、前記特許文献2の技術においても、伸縮ロッドの長さ範囲内で無段階に除雪部の高さ調整を行うことができるものの、前記伸縮ロッドが伸長する方向に対してはロックすることができるが、前記伸縮ロッドが縮小する方向に対してロックされない状態となることがあった。
さらに、前記特許文献3の技術においても、伸縮ロッドの長さ範囲内で無段階に除雪部の高さ調整を行うことができるものの、そのロック手段はシリンダに内挿された開放弁によるものであり、エアがリークする可能性があり、ダンパー作用により高さが微妙に変化するものであった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、機体フレームの前部に除雪部を備え、機体フレームの前部を中心として該機体フレームと除雪部を走行装置に対して回動可能に構成した除雪機において、機体フレーム後部の操作部にて操作可能であり、かつ、簡単な機構からなるロック手段を具備し、高さ調整作業終了後の除雪部の高さ位置を確実に保持することができる、除雪部の昇降機構を有する除雪機を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、機体フレームの前部に除雪部を備え、該機体フレームの後部に運転操作部を設け、機体フレームの前部を中心として該機体フレームと除雪部を走行装置に対して上下回動可能に構成した除雪機において、前記走行装置の後部には、その下部が前後方向に摺動および回動自在のガイドロッドを上方に延設し、機体フレームの後部には前記ガイドロッドの上部を摺動可能に支持し、かつ、固定可能とするロック手段を設け、該ロック手段のロック操作部と、前記運転操作部に設けた昇降操作手段を連動連結したものである。
請求項2においては、前記ロック手段は、機体フレームから突設したリフティングガイドと、該リフティングガイドの基部の上部および下部に嵌挿保持した上下一対の固定部材と、該上下の固定部材の間に配置して該両固定部材間を広げるように付勢する弾性体と、該両固定部材間を狭めるように操作可能とする前記ロック操作部とを具備するものである。
請求項3においては、前記ロック操作部と昇降操作手段をワイヤにより連動連結するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、作業者は運転操作部に設けたハンドルを握り除雪作業を行いながら、昇降操作手段を操作して、ロックを解除し機体フレームを上下に回動して、容易に除雪部を所望の高さに調節することができる。また、除雪部の高さ調整をおこなった後には、ロック手段により、該除雪部の位置を確実に保持することができる。
請求項2においては、ガイドロッドの長さの範囲内で無段階に除雪部の高さを調節することができ、かつ、任意の位置にて除雪部の高さを固定することができる。また、簡単な構成で安価にロック手段を構成することができ、ガイドロッドに沿って上方、及び、下方へ摺動することなく該ロック手段を確実に固定保持することができる。
請求項3においては、ロック操作部と昇降操作手段を簡単な機構により連結することができ、昇降操作手段は運転操作部において操作のし易い任意の位置に配置できる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る除雪機の全体的な構成を示す側面図である。
図2は本発明におけるロック手段の構成を示す側面図である。
図3は同じく付勢手段の配置に関する別実施例を示す側面図である。
図4は本発明における可動スクレーパを示す、図1のB矢視から見た断面図である。
図5は同じく可動スクレーパの別実施例1を示す断面図である。
図6は同じく可動スクレーパの別実施例2を示す断面図である。
[除雪機10の全体構成]
まず、本実施例における除雪機10の全体構成について、図1を用いて説明する。尚、図1に示す矢印Aは前方を示し、該矢印Aをもとにして、左右方向を定める。
除雪機10は機体フレーム15の前部に配設された除雪部11と、該機体フレーム15の上部に配設された駆動部12と、該駆動部12の下方に配設されたクローラ式走行装置13・13と、該駆動部12の後方であって前記機体フレーム15の後部に配設された運転操作部14と、により構成されている。
除雪部11には機体フレーム15の前部に連設されたブロワハウジング16と、該ブロワハウジング16に内設されたブロワ17と、前記ブロワハウジング16の前方に連設されたオーガハウジング18と、該オーガハウジング18に回転軸が左右方向となるようにして内設された掻込オーガ19と、該ブロワハウジング16の上方に水平旋回可能に立設された投雪シュータ21と、が具備されている。
投雪シュータ21の下部には一体的に旋回座20が配置されている。旋回座20の外周下部には歯部が形成されており、該歯部にギヤが噛合され、該ギヤを旋回モータ、または、シュータハンドル37の回転により回転させて、前記旋回座20とともに投雪シュータ21を回動し、投雪方向を変更できるように、該投雪シュータ21は構成されている。
そして、上述の如く構成される除雪部11において、掻込オーガ19でオーガハウジング18の左右略中央方向へ掻き込まれた雪は、ブロワ17によって上方へ跳ね飛ばされ、投雪シュータ21によって、その方向がガイドされて任意の方向へ排出できるようにしている。
オーガハウジング18の下端にはソリ8・8が左右で対称位置に固設されており、該ソリ8・8の底面が地面と接するようにして、前記除雪部11が安定するようにしている。ソリ8・8はボルト締結によりオーガハウジング18に固設されており、必要に応じて左右それぞれで取付位置を変更可能としている。
ソリ8・8は取付位置を上下調節可能に構成されており、除雪部11と地面との間隔を変更自在としている。これにより、作業者はソリ8・8の取付位置を変更することで、除雪部11の高さを微調整することができる。
また、オーガハウジング18の後部下端には、機体方向左右に延出された可動スクレーパ46が設けられている。前記可動スクレーパ46は上下摺動可能に配設され、固定手段(シリンダ49)により所望の高さに変更して固定可能としている。
駆動部12においては機体フレーム15に変速装置28が内設されており、また、該機体フレーム15の上部にはエンジン22が載置されている。そして、エンジン22の出力軸22aに嵌装されたプーリから、除雪部11及び変速装置28へと、それぞれベルト式動力伝達機構を介して動力が伝達され、除雪部11に伝達された動力により、ブロワ17及び掻込オーガ19が回転駆動される。また、変速装置28に伝達された動力は、該変速装置28としてのHST式無段変速装置により変速されたのち、前車軸23に伝達され、該前車軸23が回転駆動される。
前記機体フレーム15の下部にはトラックフレーム27が設けられており、該トラックフレーム27には、左右両端部に駆動スプロケット25・25が嵌装された前車軸23と、同じく左右両端部に従動スプロケット26・26が嵌装された後車軸24と、が回転可能に横架されている。そして、機体フレーム15の左右両側に設けられる駆動スプロケット25・25、および、従動スプロケット26・26には、各々無端のクローラベルト31・31が巻回されており、これらによって、前車軸23の回転駆動により走行駆動されるクローラ式走行装置13・13が前記トラックフレーム27の左右両側部に構成されている。尚、前記機体フレーム15の前部とクローラ式走行装置13・13は、前車軸23を介して回動可能に連結されている。
運転操作部14にはトラックフレーム27の両側後部より斜め後上方に向かって操向ハンドル32・32が突出され、左右の操向ハンドル32・32の間に操作ボックス33が配設されている。操作ボックス33には、エンジン22からクローラ式走行装置13・13への伝動の入切操作を行うための走行クラッチレバー35と、エンジン22から除雪部11への伝動の入切操作を行うための除雪クラッチレバー36と、変速装置28による変速操作を行うための走行変速レバー38と、投雪シュータ21の角度を変更操作するための投雪上下変更レバー39等が配設されており、前記操作ボックス33の後下方には投雪シュータ21を旋回させるためのシュータハンドル37が配設されている。
また、走行クラッチレバー35と除雪クラッチレバー36はいずれも操向ハンドル32・32の近傍に設けられており、操向ハンドル32・32を握りながらこれらのレバー35・36を握り操作できるように構成されており、これらのレバー35・36は操向ハンドル32・32とともに握っているときに走行クラッチ、或いは、除雪クラッチが作動し、放すと停止するデッドマンクラッチレバーとしている。
操向ハンドル32・32の近傍にはリフティングハンドル40が配設されており、該リフティングハンドル40は機体フレーム15の後側部より斜め後上方に突設され、該リフティングハンドル40の後部上に昇降操作手段となるロックレバー42が配設されている。但し、リフティングハンドル40を設けずに、操向ハンドル32・32を機体フレーム15に取り付けて、該操向ハンドル32・32に昇降操作手段を配置する構成とすることも可能である。
そして、前記昇降操作手段となるロックレバー42を操作することにより、除雪部11の昇降操作が可能とされている。つまり、前車軸23を中心として該リフティングハンドル40を前後方向に回動させることにより、作業者は除雪部11の昇降操作を行うことができる。
リフティングハンドル40の上端部に固設されたグリップ41の近傍には、ロックレバー42が設けられており、該ロックレバー42は操作ワイヤ43を介して後述のロック手段30と連結されている。そして、昇降操作手段となるロックレバー42を握って回動すると、ロック手段30はロックが解除され、除雪部11を上下に昇降回動することができる。
[除雪部昇降機構]
次に、本発明に係る除雪機10において、除雪部11の昇降機構について説明する。
除雪部11の昇降機構は該除雪部11の上下回動機構と、該除雪部11のロック手段30と、により構成され、該除雪部11の上下位置を任意の高さに変更して固定することを可能としている。
[上下回動機構]
本実施例における除雪機10は、除雪部11と機体フレーム15と前記リフティングハンドル40とが一体的に回動可能に構成されており、前車軸23を中心に該リフティングハンドル40を前後方向に回動することにより、除雪部11も該リフティングハンドル40の前後揺動幅に応じた上下高さ調節を可能としている。
また、クローラベルト31・31は駆動スプロケット25・25と従動スプロケット26・26の間の下部において地面に接している。左右両側において、トラックフレーム27の下端にはクローラガイド7・7が固設され、地面との接地面に対して該クローラガイド7・7が内側より前記クローラベルト31・31を地面に押し付ける構造としている。
これにより、クローラベルト31・31の剛性が確保され、該クローラベルト31・31は安定した状態で地面に接する。即ち、クローラガイド7・7の配設により、除雪部11の上下高さ調節をラフに行っても、除雪機10本体がひっくり返ってしまうなどの不都合は起きない。
[ロック手段30]
次に、本発明における除雪部11のロック手段30について、図2を用いて説明する。尚、図2に示す矢印Aは前方を示し、該矢印Aをもとにして、左右方向を定める。
本発明における除雪部11の昇降機構では、該除雪部11の上下高さ調整を無段階で行うことができ、該除雪部11を上下回動させた後、任意の位置でロック可能な機構となっている。
ロック手段30は上側固定部材1と、下側固定部材2と、該上側固定部材1、および、該下側固定部材2の間に設けられるリフティングガイド3と、前記上側固定部材1と該リフティングガイド3の間、および、前記下側固定部材2と該リフティングガイド3の間にそれぞれ設けられる弾性体となる圧縮コイルバネ44・44と、ガイドロッド29と、ロック操作部等を具備し、機体フレーム15の後部に設けられる。
ガイドロッド29は下端に設けて左右方向に延出する基部29aと、該基部29aの左右中央部より上方に延出するロッド部29bとからなり、正面視逆T字型に形成され、クローラ式走行装置13・13の後部に立設される。前記基部29aは断面視矩形状の中空部材から形成されており、該基部29aの中空部は前後方向を長手方向として、中空部内の下面と上面には板形状のブッシュ63・63が貼設して設けられ、該ブッシュ63・63の間にクローラ式走行装置13・13の後車軸24が配設されて、前記基部29aの内部に後車軸24が挿通されている。つまり、ガイドロッド29は前記後車軸24に対して前後回動自在に枢設されると同時に、基部29aが前後方向へ摺動可能な構造となっている。
そして、ロッド部29bの上部が機体フレーム15の後部に固設するリフティングガイド3と上下摺動自在に連結されているために、除雪部11の上下高さを調整するべく、前車軸23を中心として機体フレーム15を回動すると、ガイドロッド29は前記ロッド部29bが前後方向に揺動されつつ、基部29aの配設位置も前後方向に移動されるが、後車軸24によって該基部29aの移動が妨げられることもない。
例えば、前車軸23を中心として機体フレーム15の後部を上方に回動すると、リフティングガイド3の傾倒角度に応じてガイドロッド29のロッド部29bも前方に傾倒されると同時に、基部29aは後方に移動することとなるが、前記ブッシュ63・63を介して後車軸24は前記基部29a内を前後方向に自由に移動できるため、ガイドロッド29の基部29aは、ロッド部29b上に位置するリフティングガイド3を中心として、前後方向に揺動自在となり、ガイドロッド29がリフティングガイド3に対して摺動を妨げられる心配はないのである。
リフティングガイド3は板部材からなり、機体フレーム15の後面に取り付けられるベース部3aと、該ベース部3aの上下中央部より後方に突設されたガイド部3b等により形成されている。ガイド部3bの基部側(前側)の上下両側には、上側固定部材1と下側固定部材2の基部側(前側)が保持されている。即ち、ベース部3aの上部及び下部には、上下両固定部材1・2の断面形状に対して上下左右方向に幾分大きな形状からなるガイド孔3d・3dが各々設けられており、該ガイド孔3d・3dに前記上下両固定部材1・2の前端部を挿入することで前記上下両固定部材1・2の間が一定以上広がらないように保持されている。また、ガイド部3bの後部にはロッド部29bの断面寸法と比べて僅かに大きなガイド孔3cが上下方向に設けられており、前記ガイド部3bは該ガイド孔3cを介して前記ロッド部29bを上下摺動自在にガイドしている。
上側固定部材1は側面視略「へ」字状に形成した板状部材で形成され、後方に向かって斜上方に延出した後、水平後方に延出するようにしてガイド部3bの上方に設けられる。また、上側固定部材1の前端部はベース部3aの上部に設けられたガイド孔3dに挿入されており、上下方向に回動自在となっている。
上側固定部材1前部の傾斜部1cの中央には、前後方向に伸びる長孔1aが上下方向に設けられており、該長孔1aの左右方向の幅寸法は前記ロッド部29bの断面の直径寸法に比べて幾分大きな寸法にて形成される。そして、前記長孔1aの左右方向の幅寸法は後述する圧縮コイルバネ44の最大直径よりも小さい寸法に構成して、ロッド部29bは貫通して摺動できるが、圧縮コイルバネ44は長孔1aの縁部により受け止められて上側固定部材1よりも上方に抜けない構成としている。
尚、本実施例においては、上側固定部材1の傾斜部1c中央に設けられる孔部の形状を、前後部に半円形状を有する長孔1aにて形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、加工の容易性や操作性の向上等の理由から、前記長孔1aに代えて、前後方向に伸びる長方形状や、その他、多角形状等としてもよい。
前記上側固定部材1と、後述する下側固定部材2の後部には、ロック操作部が形成される。つまり、上側固定部材1の後部の水平部1dには操作ワイヤ43を挿通する貫通孔1bが開口され、該貫通孔1bの位置に合わせて上側固定部材1の上面にアウタケーブル9の固定部9aが固定されている。該アウターケーブル9は可撓性を有するパイプ状に構成されて前記操作ワイヤ43を収納し、かつ、アウタケーブル9の両側には固定部9a・9aが形成されている。
下側固定部材2は前記上側固定部材1と同形状に形成された部材であり、前記ガイド部3bに対して上下対称に配設されている。即ち、下側固定部材2は後方に向かって斜下方に延出した後、水平後方に延出して設けられ、かつ、前記上側固定部材1と同様、その前端部はベース部3aの下部に設けられたガイド孔3dに挿入されており、上下方向に回動自在となっている。
また、下側固定部材2前部の傾斜部2cの中央にも、前後方向に伸びる長孔2aが上下方向に設けられており、該長孔2aの左右方向の幅寸法は前記ロッド部29bの断面の直径寸法に比べて幾分大きな寸法にて形成される。そして、下側固定部材2の後部の水平部2dには操作ワイヤ43を挿通する貫通孔2bが開口され、該貫通孔2bに前記操作ワイヤ43の先端が挿通される。
尚、前記長孔2aの形状についても上述の長孔1aと同様に、これに限定されるものではない。
貫通孔2bを挿通した前記操作ワイヤ43の先端(一端)には円筒状の抜け止め部材62が固定されている。前記操作ワイヤ43の他端は前記ロックレバー42と連結され、アウタケーブル9の他端の固定部9aはロックレバー受42aに固定されている。
このように、リフティングガイド3の上下両側に上側固定部材1と下側固定部材2が配設されるとともに、前記長孔1a・2a、および、ガイド孔3cにガイドロッド29のロッド部29bが上下摺動自在に貫通して挿入され、前記貫通孔1b・2bに操作ワイヤ43が挿通されている。尚、上側固定部材1の基部側の上部と下側固定部材2の基部側下部には回動を規制するストッパ61・61が設けられて、安定したロック状態を保てるようにしている。
そして、前記ロック操作部とロックレバー42は操作ワイヤ43により連動連結されるので、ロック操作部と昇降操作手段となるロックレバー42を簡単な機構により連結することができ、ロックレバー42を操作のし易い任意の位置に配置できる。
上側固定部材1とガイド部3bとの間、および、下側固定部材2とガイド部3bとの間における前記ロッド部29b上には付勢手段となる圧縮コイルバネ44・44が各々外嵌されており、該圧縮コイルバネ44・44によって上側固定部材1は上方向に向かって回動するように付勢され、また、下側固定部材2は下方向に向かって回動するように付勢されている。
尚、圧縮コイルバネ44を設ける箇所は、前述のとおりロッド部29bに外嵌する場合に限定されるものではなく、図3に示すように前記上下両固定部材1・2の間において、その後部に設けてもよい。即ち、前記上下両固定部材1・2を挿通する操作ワイヤ43において、該操作ワイヤ43の外部に一本の圧縮コイルバネ44を付勢手段として外嵌してもよい。
このような構成からなるロック手段30を具備することにより、作業者は運転操作部14において容易にロック手段30を解除することができるのである。即ち、ロックレバー42を握っていない状態では、上側固定部材1は圧縮コイルバネ44の付勢力によって上方側へと押しやられると同時に、その前部はストッパ61によって下方側へ押しやるように保持されるため、結果として上側固定部材1前部の傾斜部1cが後上方に傾斜して、長孔1aの前端と後端がロッド部29bの前後面にそれぞれ噛み込み、ガイドロッド29は上方へ摺動できなくなる。
また、下側固定部材2は圧縮コイルバネ44の付勢力によって下方側へと押しやられると同時に、その前部はストッパ61によって上方側へ押しやるように保持されるため、結果として下側固定部材2前部の傾斜部2cが後下方に傾斜して、長孔2aの前端と後端がロッド部29bの前後面にそれぞれ噛み込み、ガイドロッド29は下方へ摺動できなくなる。
こうして、作業時における除雪部11の上下高さは固定保持されている。
そして次に、除雪部11の高さを変更したい場合は、作業者がロックレバー42をグリップ41とともに握ると、該ロックレバー42に連結された操作ワイヤ43が引っ張られ、該操作ワイヤ43の先端部と連結された下側固定部材2の後端部が上方へと引き上げられると同時に、図2に示すように、長孔2aを中心として前記下側固定部材2は反時計回りに回動される。他方、上側固定部材1の後端部はアウタケーブル9の先端で受け止められているため、前記ロッド部29bに設けられた圧縮コイルバネ44・44の付勢力が均等に上側固定部材1と下側固定部材2に作用することから、上側固定部材1の後端部は下方へと押し下げられると同時に、図2に示すように、長孔1aを中心として前記上側固定部材1は時計回りに回動される。
つまり、操作ワイヤ43が引っ張られる長さの半分の長さだけ上側固定部材1と下側固定部材2が両者の中間方向に回動する。
尚、前記上下両固定部材1・2の回動によって、その前端部の位置は各々前後方向に移動することとなるが、前記前端部は上述のとおり、ベース部3aに軸支されることなく、各々のガイド孔3d・3dに挿入されているのみであるため、前記上下両固定部材1・2とロッド部29bとの間で抉り等発生することもない。
この回動により、上側固定部材1と下側固定部材2の傾斜部1c・2cが水平方向になるように回動されるので、ロッド部29bは、上側固定部材1、および、下側固定部材2の長孔1a・2aとの噛み込みがなくなり、ロックが解除された状態となり、機体フレーム15の後面に取り付けられるリフティングガイド3は、クローラ式走行装置13・13に設けたガイドロッド29に対して上下に摺動自在となるのである。
つまり、前車軸23を中心として機体フレーム15を回動することにより、除雪部11の上下高さを調整することが可能となり、前記上下調整作業を終了後、再びロックレバー42を開放することにより、除雪部11の位置を確実にロックすることができる。
即ち、図2に示すように、ロックレバー42を開放すると、再び圧縮コイルバネ44・44の付勢力によって上側固定部材1は上方に、また、下側固定部材2は下方にそれぞれ回動され、上下両固定部材1・2の傾斜部1c・2cに設けられた長孔1a・2aの端部がガイドロッド29のロッド部29bの外周に噛み込み、固定保持される。
尚、本実施例では、ロッド部29bの摺動面(外周面)には別段加工を施していないが、例えば、ロッド部29bの前記摺動面に雄螺子またはヤスリの如く凹凸を施すことで、上下両固定部材1・2のロッド部29bへのロックを、より強固なものとすることができる。
このように、機体フレーム15の前部に除雪部11を備え、機体フレーム15の後部に運転操作部14を設け、機体フレーム15の前部(前車軸23)を中心として該機体フレーム15と除雪部11を走行装置(クローラ式走行装置13・13)に対して上下可能に構成した除雪機10において、前記クローラ式走行装置13・13の後部にはその下部が前後方向に摺動および回動自在のガイドロッド29を上方に延設し、機体フレーム15の後部には前記ガイドロッド29の上部を摺動可能に支持し、かつ、固定可能とするロック手段30を設け、該ロック手段30のロック操作部と、前記運転操作部14に設けた昇降操作手段(ロックレバー42)を連動連結したことにより、作業者は運転操作部14に設けた操向ハンドル32・32を握り除雪作業を行いながら、昇降操作手段(ロックレバー42)を操作して、ロックを解除し機体フレーム15を上下に回動して、容易に除雪部11を所望の高さに調節することができる。また、除雪部の高さ調整をおこなった後には、ロック手段により、該除雪部の位置を確実に保持することができる。
また、前記ロック手段30は、機体フレーム15から突設したリフティングガイド3と、該リフティングガイド3の基部であるベース部3aの上部及び下部に嵌挿保持した上下一対の固定部材(上側固定部材1、および、下側固定部材2)と、該上下両固定部材1・2の間に配置して該上下両固定部材1・2間を広げるように付勢する弾性体(圧縮コイルバネ44)と、該上下両固定部材1・2間を狭めるように操作可能とするロック操作部と、を具備することにより、ガイドロッド29の長さの範囲内で無段階に除雪部11の高さを調節することができ、かつ、任意の位置にて除雪部11の高さを固定することができる。また、簡単な構成で安価にロック手段30を構成することができ、ガイドロッド29に沿って上方及び下方へ摺動することなく該ロック手段を確実に固定保持することができる。
[可動スクレーパ46]
次に、クローラ式走行装置13・13前方に配置する揺動式の可動スクレーパ46について、図4を用いて説明する。
従来から、エンジン22やクローラ式走行装置13・13等を設けた機体フレーム15の前方に、掻込オーガ19やブロワ17を有する除雪部11を連設して、走行しながら除雪作業を行う除雪機10において、前記除雪部11を機体フレーム15に対して左右に傾動調節可能としたローリング機構が知られている。
前記ローリング機構は、主に油圧シリンダや電動モータ等をアクチュエータとして具備し、歯車機構やリンク機構等を介して除雪部11を左右傾動調節する機構である。この機構を設けることにより、除雪作業現場での路面の左右傾斜に応じて適確に対応しながら除雪作業を行うことができる。
除雪機10を用いた除雪作業では、除雪現場における雪質が気温、湿度や天候等に影響を受け刻々と変化し、例えば湿り気を多く含んで雪質が硬くなり、あるいは、路面の傾斜や障害物等により、完全に雪を除雪できず、一部に雪を取り残す場合がある。
取り残された雪は除雪機10に踏まれることで硬化すると同時に、走行中の除雪機10本体を傾けるため、さらに雪の取り残しが発生する。この状況を繰り返すうちに、路面の起伏が激しくなり、場合によっては除雪機10が走行不能となり、除雪作業を止むなく中断する事態が発生していた。
前記ローリング機構はこのような事態を防ぐために設けられた機構であり、たとえ雪の取り残しが発生し、路面に起伏が生じた場合でも、除雪部11を適切な位置に傾けることで、取り残した雪を確実に掻き取ることができ、上述のような、路面の起伏が激しくなり、除雪機10が走行不能となることもない。
しかし、前記ローリング機構は機体フレーム15の前方に連設した除雪部11を、左右に回動する機構であるため、比較的大型の除雪機10には適用されるが、小型の除雪機10に適用するにはコストが高くなっていた。また、前記ローリング機構は除雪部11全体を回動するため、該除雪部11の上部に突出する投雪シュータ21の向きも追従して移動されてしまい、投雪方向がずれてしまい、安定した投雪作業を行うことが困難であった。さらに、前記ローリング機構によって除雪部11を左右に回動した場合、該除雪部11下部の左右両側部に設けられたソリ8・8が路面に当接し、除雪機10を走行する上で抵抗となり、路面上での走行装置のスリップや、路面の傷の原因となっていた。
そこで、本実施例における除雪機10では、除雪部11の下部において、左右に回動可能な可動スクレーパ46を別途設けることで、上述のような除雪部11本体を回動させることもなく、取り残した雪を確実に掻き取ることを可能としている。
可動スクレーパ46は左右方向に延出する板部材から形成されており、該可動スクレーパ46の左右中央部において、ブッシュ47等の軸受部材を介して、枢支ピン48により揺動自在に枢設されている。つまり、前記枢支ピン48はオーガハウジング18の下部中央において、後斜下方に突出して固設されており、その先端部には貫通孔が設けられ、前記可動スクレーパ46に挿入後、該貫通孔を介して割りピン等を用いて、前記可動スクレーパ46の脱落を防止している。
オーガハウジング18後面下部の左右一側には、平面視U字状のブラケット18aが外側方に開口して設けられており、該ブラケット18aを介してシリンダ49が左右揺動自在に枢設されている。前記シリンダ49は伸縮ロッド49aを前斜下方に向けて設けられており、該伸縮ロッド49aの先端部において、連結ピン50を介して、前記可動スクレーパ46の左右一端側と連結されている。前記シリンダ49は電動シリンダや油圧シリンダやエアシリンダ等で構成でき、モータ等のアクチュエータにより構成することも可能である。
そして、前記シリンダ49の伸縮は運転操作部14に設けられた操作レバー51(図1を参照)によって、容易に操作可能となっている。例えば、図4に示すようにシリンダ49が機体左方に配設される場合には、前記操作レバー51を左側に回動することで、伸縮ロッド49aが延出され、可動スクレーパ46は反時計回りに回動される(図4の矢印C方向)。これに対して、前記操作レバー51を右側に回動すると、伸縮ロッド49aはもとの位置に戻され、可動スクレーパ46は時計回りに回動される(図4の矢印D方向)。
尚、可動スクレーパ46の回動操作については、本実施例に示すように、シリンダ49を用いた方式に限定されるものではなく、例えば、可動スクレーパ46の左右一端部より操作ハンドル等を突出させて、該操作ハンドルの手動操作により可動スクレーパ46を回動させてもよく、あるいは、可動スクレーパ46の左右両端部において、運転操作部14に別途設けた操作ハンドルと、操作ワイヤ43を介して連結し、該操作ハンドルの手動操作により可動スクレーパ46を回動させてもよい。
また、前記シリンダ49に代えて、可動スクレーパ46の左右両端部に各々圧縮コイルバネ等の付勢手段を設けることで、枢支ピン48を中心に常に前記可動スクレーパ46の左右両端部が下方に回動するように前記左右両端部に付勢力を与える構造としてもよい。このような構造とすることで、可動スクレーパ46の操作ハンドル等を別途設ける必要もなく、該可動スクレーパ46は路面の起伏の変化に対応し、常に下部全体が適切な姿勢で路面に押し付けられることになる。
このような構造からなる可動スクレーパ46を、除雪部11の下部において、回動可能に設けたことにより、従来のような大掛かりなローリング機構を設けることもなく、経済的であり、かつ、除雪機10全体の重量低減を図ることができる。
また、本実施例によれば、除雪部11は機体フレーム15に連設したまま、可動スクレーパ46のみを可動させることとしたため、除雪部11の上部に突出する投雪シュータ21の向きは完全に保持され、投雪方向がずれてしまうこともなく、安定した投雪作業を行うことができる。
また、本実施例によれば、作業者は一方の手で操向ハンドル32・32を握り除雪作業を行いながら、他方の手で操作レバー51を操作し、容易に可動スクレーパ46を所望の位置に傾けることができるため、取り残した雪を確実に掻き取ることができ、除雪機10の走行姿勢が安定し、かつ、安定した除雪機10の走行姿勢を維持することができる。
また、本実施例によれば、単純な機構からなる可動スクレーパ46を、比較的前後空間が確保されたオーガハウジング18の後部に設けるため、定期的なメンテナンスや、故障時の修理等も容易に対応することができる。
[可動スクレーパ52]
次に、前記可動スクレーパ46の別実施例1としての、可動スクレーパ52について、図5を用いて説明する。
可動スクレーパ52はクローラ式走行装置13・13と、オーガハウジング18との間に設けられ、左右両側に延出し、平面視において左右両端部を後方へ僅かに折り曲げられた板部材により形成される。可動スクレーパ52の中央部にはブッシュ54等の軸受部材を介して、枢支ピン55が挿入されており、該枢支ピン55はブロワハウジング16の下面に設けられたブラケット53を介して、該ブロワハウジング16に固設される。尚、枢支ピン55の先端部には貫通孔が設けられており、前記可動スクレーパ52に挿入後、該貫通孔を介して割りピン等を用いて、前記可動スクレーパ52の脱落を防止している。
ブロワハウジング16の下面左右一側部には、平面視U字状のブラケット16aが外側方に開口して設けられており、上述の可動スクレーパ46と同様に、該ブラケット16aを介してシリンダ57が左右揺動自在に枢設され、運転操作部14に設けられた操作レバー51を左右に回動操作することによって、容易に可動スクレーパ52を揺動操作することができる。
尚、上述の可動スクレーパ46と同様に、前記シリンダ57に代えて、可動スクレーパ52の左右両端部に各々圧縮コイルバネを設けることで、枢支ピン55を中心に常に前記可動スクレーパ52が下方に回動するように前記左右両端部に付勢力を与える構造としてもよいことは、言うまでもない。
このように、別実施例1としての可動スクレーパ52によれば、オーガハウジング18の後方に離間して設けることができるため、上述のように左右両端部を後方へ屈曲させて、除雪機10の走行中に除雪した雪を無理なく左右両方へ押し出すことができる。
[可動スクレーパ58]
次に、前記可動スクレーパ46の別実施例2としての、可動スクレーパ58について、図6を用いて説明する。
可動スクレーパ58は上述の可動スクレーパ52において、その中央下部に切欠部58aを設けたものである。即ち、可動スクレーパ58はクローラ式走行装置13・13と、オーガハウジング18との間において、ブロワハウジング16下面に設けられたブラケット53により、枢支ピン55を介して、前記ブロワハウジング16に回動自在に枢設されており、該ブロワハウジング16の下面左右一側部に設けられたシリンダ57によって、前記可動スクレーパ58は該ブロワハウジング16に対して左右揺動可能とされている。
尚、上述の可動スクレーパ58と同様に、前記シリンダ57に代えて、可動スクレーパ58の左右両端部に各々圧縮コイルバネを設けることで、枢支ピン55を中心に常に前記可動スクレーパ52が下方に回動するように前記左右両端部に付勢力を与える構造としてもよいことは、言うまでもない。
可動スクレーパ58は平面視において、左右両側に延出し、その左右両端部を後方へ僅かに折り曲げられた板部材により形成される。ここで、後方へ折り曲げられた左右両端の傾斜部の長さは、クローラ式走行装置13・13のクローラベルト31・31の横幅と略同寸法となっており、前記切欠部58aの両側にクローラベルト31・31の横幅と略同寸法の接地部を形成している。
このような形状からなる可動スクレーパ58を設けることで、除雪機10を走行させる際の雪による抵抗を減少させることができ、かつ、走行姿勢の悪化の原因となる、クローラベルト31・31前方の雪を効果的に掻き分けることができる。
本発明の一実施例に係る除雪機の全体的な構成を示す側面図。 本発明におけるロック手段の構成を示す側面図。 同じく付勢手段の配置に関する別実施例を示す側面図。 本発明における可動スクレーパを示す、図1のB矢視から見た断面図。 同じく可動スクレーパの別実施例1を示す断面図。 同じく可動スクレーパの別実施例2を示す断面図。
符号の説明
1 上側固定部材
1a 長孔
2 下側固定部材
2a 長孔
3 リフティングガイド
10 除雪機
11 除雪部
13 クローラ式走行装置
15 機体フレーム
23 前車軸
29 ガイドロッド
29b ロッド部
30 ロック手段
42 ロックレバー
43 操作ワイヤ
44 圧縮コイルバネ

Claims (3)

  1. 機体フレームの前部に除雪部を備え、該機体フレームの後部に運転操作部を設け、機体フレームの前部を中心として該機体フレームと除雪部を走行装置に対して上下回動可能に構成した除雪機において、
    前記走行装置の後部には、その下部が前後方向に摺動および回動自在のガイドロッドを上方に延設し、
    機体フレームの後部には前記ガイドロッドの上部を摺動可能に支持し、かつ、固定可能とするロック手段を設け、
    該ロック手段のロック操作部と、前記運転操作部に設けた昇降操作手段を連動連結した、
    ことを特徴とする除雪機。
  2. 前記ロック手段は、機体フレームから突設したリフティングガイドと、
    該リフティングガイドの基部の上部および下部に嵌挿保持した上下一対の固定部材と、
    該上下の固定部材の間に配置して該両固定部材間を広げるように付勢する弾性体と、
    該両固定部材間を狭めるように操作可能とする前記ロック操作部と
    を具備する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の除雪機。
  3. 前記ロック操作部と昇降操作手段をワイヤにより連動連結する、
    ことを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載の除雪機。
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