JP2009144057A - インクジェット記録用インク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)重合性化合物と、(B)ラジカル重合開始剤と、を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、前記(A)重合性化合物として、(A1)分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物を含有し、(A)重合性化合物全量に対する単官能重合性モノマーの比率が90質量%以上99.9質量%以下であり、且つ、多官能重合性モノマーの比率が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明のインクジェット記録用インク組成物は、(A)重合性化合物と、(B)ラジカル重合開始剤と、を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、前記(A)重合性化合物として、(A1)分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物を含有し、(A)重合性化合物全量に対する単官能重合性モノマーの比率が90質量%以上99.9質量%以下であり、且つ、多官能重合性モノマーの比率が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インク組成物(以下、単に、「インク組成物」と称する場合がある。)は、(A)重合性化合物と、(B)ラジカル重合開始剤と、を含有し、前記(A)重合性化合物として、(A1)分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物を含有する。さらに(A)重合性化合物は、分子内に重合性不飽和基を1つのみ有する単官能重合性モノマーと、分子内に重合性不飽和基を2つ以上有する多官能重合性モノマーとを含み、重合性化合物全量における単官能重合性モノマーの比率が90質量%以上99.9質量%以下であって、重合性化合物全量における多官能重合性モノマーの比率が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
本発明のインク組成物は、(A)重合性化合物を含有する。
(A)重合性化合物としては、分子内に少なくとも1つのラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合(重合性不飽和基)を有する化合物であれば特に制限はない。
ラジカル重合により付加重合可能な不飽和結合としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニルオキシ基、および、スチリル基から選択される重合性官能基が好ましく、なかでもインク組成物の硬化速度および粘度の点から、アクリロイル基またはメタクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基が更に好ましい。
また本発明においては、(A)重合性化合物として、(A1)分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物を含有する。以下、本発明の特徴的成分である(A1)分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物について、説明する。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物〔以下、適宜、特定アミン化合物と称する〕を、組成物中に含有することを特徴とする。
以下、本発明における特徴的な成分である、分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する化合物(特定アミン化合物)について詳細に説明する。
Zで表される好ましい2価の有機基としては、例えば以下のものを挙げることができる。
上記具体例中、Z’は以下から選択される2価の有機基を表す。
上記化学式中、*は連結部位を表す。
R1およびR2は、各々独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。R1およびR2は互いに結合して環構造を形成してもよく、R1とZまたはR2とZがそれぞれ互いに結合して環構造を形成してもよい。R1とR2、R1とZ、R2とZがそれぞれ互いに結合して環を形成する場合は、5員環または6員環が好ましい。
結合が単結合、すなわち形成される環状アミン構造が脂環構造となることにより、硬化速度の向上効果、特に、空気中で硬化した際の酸素による重合阻害の抑制効果が顕著になり、本発明の如き単官能モノマーを主成分としたインク組成物においても高い硬化性を有することができる。
アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが更に好ましい。
また窒素原子に隣接する炭素原子上に水素原子を有することが好ましく、水素原子の数は2以上であることがより好ましい。
また、特定アミン化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明に使用しうる重合性化合物であって、前記(A1)特定アミン化合物以外の単官能モノマーの具体例としては、例えば、2−フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレートエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加モノマー、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イソアミルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートを挙げることができ、2−フェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートを好ましいものとして挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、重合性化合物として使用しうる多官能モノマーとしては、分子内に重合性不飽和基を2〜6つ有するものが好ましく、より好ましくは2〜4つ有するものであり、更に好ましくは、2つ有するものである。
前記(A1)特定アミン化合物以外の多官能重合性モノマーの具体例としては、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ウンデシレノキシアクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテルなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。これら単官能、多官能のモノマーは、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明のインク組成物には、上記した(A1)特定アミン化合物、(A2)単官能モノマーおよび(A3)多官能モノマー以外の、他の重合性化合物をさらに含むことも好ましい。本発明に併用可能な他の重合性化合物としては、前記した特定アミン化合物および一般的な重合性化合物以外の重合性化合物を適用できる。かかる重合性化合物としてはラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物が挙げられる。他の重合性化合物は、目的とする諸特性、或いは、前記ラジカル重合開始剤との関連において適宜選択して用いればよい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、Rapi−Cure DVE−3、Rapi−Cure DVE−2(いずれも、ISP Europe製)、等の市販品を用いることもできる。
なお、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
また上記した多官能モノマーとは、本発明における特徴的成分である、特定アミン化合物が多官能モノマーである場合は当該量、および、前述した併用しうる公知の多官能モノマーの総量を意味する。
本発明のインク組成物は、ラジカル重合開始剤を含有する。ラジカル重合開始剤としては、公知の重合開始剤を、併用する重合性化合物の種類、インク組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物は、着色剤を含有してもよい。着色剤を含有することで着色画像を形成することができる。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えば、カラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
青又はシアン顔料としては、例えば、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、等が挙げられる。
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7,26,36,50、等が挙げられる。
黄顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、等が挙げられる。
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7,28,26、等が挙げられる。
白色顔料としては、例えば、PigmentWhite 6,18,21、等が挙げられる。
これらの顔料は、目的に応じて適宜選択して使用できる。
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
ここで、油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
また、本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で、分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
本発明のインク組成物には、ラジカル重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
本発明のインク組成物には、必要に応じて、例えば、重合禁止剤、溶剤等のような、その他の成分を添加することができる。
本発明のインク組成物の好ましい物性について説明する。
本発明のインク組成物は、インクジェット装置における吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜50℃)において、粘度が、好ましくは7〜30mPa・sであり、より好ましくは7〜25mPa・sである。例えば、本発明のインクジェット記録用インク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、好ましくは10〜50mPa・s、より好ましくは12〜40mPa・sである。
本発明のインクジェット記録方法、及び、該インクジェット記録方法に適用しうるインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、上記(i−1)及び(i−2)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(i−1)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを、例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
更に、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(シアン色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 14.8部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 67.0部
(Sartomer社製、SR339)
・二官能エチレン性不飽和モノマー 7.4部
(Sartomer社製、SR9045)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Irgalite Blue GLVO 3.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 4.0部
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
得られた実施例1のシアン色インク組成物を、ピエゾ型インクジェットヘッド(東芝テック製のCA3ヘッド)を有するインクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニル製のシート上に記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、ノズル部分が常に45℃±3℃となるよう、温度制御を行った(100%被覆画像を印刷)。インク組成物を吐出後、鉄ドープ処理した紫外線ランプ(パワー120W/cm)の光線下に40m/minの速度で通過させることにより照射を行って、インク組成物を硬化させ、印刷物を得た。印刷物のインク層の平均膜厚は約13μmであった。
このとき、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
硬化における露光エネルギーを光量積算計(EIT社製UV PowerMAP)により測定した。この数値が小さいほど、高感度で硬化すると評価する。その結果、実施例1のインク組成物は、シート上での紫外線の積算露光量は約400mJ/cm2であり、高感度で硬化していることが確認された。
硬化性は、このインク組成物による印刷物を、シート上での紫外線の積算露光量約400mJ/cm2で硬化を行い、硬化後の画像部を触診により評価した。硬化性は、硬化膜表面の粘着性の有無で評価する。
その結果、硬化後の硬化膜の粘着性は完全に消失しており、実施例1のインク組成物は硬化性に優れることを確認した。
硬化膜と被記録媒体との接着性はクロスハッチテスト(EN ISO2409)により評価し、ASTM法による表記5B〜1Bで表す。5Bが最も接着性に優れ、3B以上で実用上問題のないレベルであると評価する。
その結果、実施例1のインク組成物は、高い接着性を有し、その値は、ASTM法による表記で4Bを示した。
硬化膜の柔軟性は、室温(約25℃)において、長さ6cm、幅2cmの印刷物をポリ塩化ビニル製のシートとともに延伸し、画像が破断するまでの伸張率を測定し、下記基準により評価した。
A:伸張率が200%以上(サンプルが18cm以上まで伸びた)
B:伸張率が150%以上、200%未満(サンプルが15cm以上18cm未満まで伸びた)
C:伸張率が100%以上、150%未満(サンプルが12cm以上15cm未満まで伸びた)
D:伸張率が100%未満(サンプルが12cm未満で破断)
得られたインク組成物を40℃で8週間保存後、上記のピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行い、常温で2時間連続印字したときの、ドット抜けおよびインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。
○:ドット抜けまたはインクの飛び散りが発生しないか、発生が5回以下
△:ドット抜けまたはインクの飛び散りが6〜20回発生
×:ドット抜けまたはインクの飛び散りが21回以上発生
105mm×148mmの印刷物の印刷面に、印刷をおこなっていないポリ塩化ビニル製のシートを対面させ、密着させ、室温(約25℃)にて、48時間、4kgの荷重を加えた。その後、両シートを剥離し、印刷をおこなっていないシートへのインクの付着を観測し、下記基準により評価した。
○:インクの付着が観測されない
△:わずかにインクの付着が観測される
×:印刷をおこなっていないシートにインクが付着
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、マゼンタ色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 8.8部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 76.2部
(Sartomer社製、SR339)
・多官能エチレン性不飽和モノマー 1.8部
(Sartomer社製、SR399)
・Rapi−Cure DVE−3(二官能重合性化合物) 1.8部
(ISP Europe社製、ビニルエーテル化合物)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Cinquasia Mazenta RT−355D 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 3.0部
・Irgacure 819:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、マゼンタ色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(マゼンタ色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−19)〕:(A)成分 11.1部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 65.5部
(Sartomer社製、SR339)
・単官能エチレン性不飽和モノマー 4.6部
(Sartomer社製、SR489)
・多官能エチレン性不飽和モノマー 7.4部
(Sartomer社製、SR399)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Cinquasia Mazenta RT−355D 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 3.0部
・Irgacure 819:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(C)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、マゼンタ色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(マゼンタ色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−20)〕:(A)成分 11.1部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 55.5部
(Sartomer社製、SR339)
・単官能エチレン性不飽和モノマー 19.6部
(Sartomer社製、SR506)
・多官能エチレン性不飽和モノマー 2.4部
(Sartomer社製、SR399)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Cinquasia Mazenta RT−355D 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 3.0部
・Irgacure 819:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、黒色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(黒色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 17.1部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 6.4部
(Sartomer社製、SR489)
・単官能エチレン性不飽和モノマー 65.0部
(Sartomer社製、SR339)
・多官能エチレン性不飽和モノマー 1.1部
(Sartomer社製、SR399)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Microlith Black C−K 2.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 4.0部
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・ベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、イエロー色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(イエロー色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 22.2部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 8.9部
(日本化薬社製、Kayarad R−128H)
・単官能エチレン性不飽和モノマー 53.0部
(Sartomer社製、SR339)
・多官能エチレン性不飽和モノマー 4.5部
(Sartomer社製、SR399)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Cromophtal Yellow LA 3.6部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 2.0部
・Irgacure 819:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Irgacure 127:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、白色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(白色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 15.6部
・単官能アクリレート 58.5部
(Sartomer社製、SR339)
・多官能エチレン性不飽和モノマー 1.5部
(Sartomer社製、SR399)
・Solsperse 36000(Noveon社製、分散剤) 2.4部
・MICROLITH WHITE R−A 16.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 4.4部
・Irgacure 369:(B)成分 0.3部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 0.2部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(シアン色インク組成物)
・N−ビニルカプロラクタム: 14.8部
(アイエスピー・ジャパン社製、V−CAP)
・単官能エチレン性不飽和モノマー 67.0部
(Sartomer社製、SR339)
・二官能エチレン性不飽和モノマー 7.4部
(Sartomer社製、SR9045)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Irgalite Blue GLVO 3.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 4.0部
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(シアン色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 14.8部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 74.4部
(Sartomer社製、SR339)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Irgalite Blue GLVO 3.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 4.0部
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
以下の成分を、高速水冷式攪拌機により撹拌し、シアン色のUVインクジェット用インク組成物を得た。
(シアン色インク組成物)
・特定アミン化合物〔例示化合物(A−1)〕:(A)成分 14.8部
・単官能エチレン性不飽和モノマー 61.0部
(Sartomer社製、SR339)
・二官能エチレン性不飽和モノマー 13.4部
(Sartomer社製、SR9045)
・Solsperse 32000(Noveon社製、分散剤) 1.2部
・Irgalite Blue GLVO 3.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、顔料)
・Firstcure ST−1 0.05部
(ChemFirst社製、重合禁止剤)
・Lucirin TPO(BASF社製、光開始剤):(B)成分 4.0部
・Irgacure 369:(B)成分 0.5部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・4−フェニルベンゾフェノン:(B)成分 1.0部
(東京化成工業社製、光開始剤)
・Darocur ITX:(B)成分 1.0部
(Ciba Specialty Chemicals社製、光開始剤)
・Byk 307(BYK Chemie社製、消泡剤) 0.05部
一方、N−ビニルカプロラクタムを用いた比較例1のインク組成物は、硬化膜表面にベトツキが見られ、接着性、インクジェット装置における吐出安定性及び耐ブロッキング性に劣ることがわかる。また多官能モノマーを含有しない比較例2のインク組成物は、硬化膜のベトツキが見られ、接着性が劣り、特に硬化膜の柔軟性及び耐ブロッキング性が著しく劣るものであった。また、単官能モノマーと多官能モノマーとの比率が、本発明の範囲外である比較例3のインク組成物は、被記録媒体との接着性および硬化膜の柔軟性が著しく劣るものであった。
Claims (2)
- (A)重合性化合物と、(B)ラジカル重合開始剤と、を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、
前記(A)重合性化合物として、(A1)分子内に重合性不飽和結合およびアミノ基を有する重合性化合物を含有し、
(A)重合性化合物全量に対する単官能重合性モノマーの比率が90質量%以上99.9質量%以下であり、且つ、多官能重合性モノマーの比率が0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。 - (i−1)被記録媒体上に、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物を吐出する工程、及び、
(i−2)吐出されたインクジェット記録用インク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、
を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
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