JP2009143615A - 粉末洗剤用包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層を有する粉末洗剤用防湿容器において、長期間の保管による粉末洗剤のケーキングを防止することに優れ、衣料用洗剤や食器用洗剤などの吸湿性の粉体を収容する粉末洗剤用包装容器を提供する。
【解決手段】 無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層、及びポリオレフィン層を有する積層紙から構成された包装容器であり、ポリオレフィン層を防湿層より内側に形成した粉末洗剤用包装容器。防湿層上にポリオレフィン層が積層されている前記粉末洗剤用包装容器。ポリオレフィン層が、ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも一種により形成される前記粉末洗剤用包装容器。白色顔料塗工層を最内側層に形成した前記粉末洗剤用包装容器。
【選択図】 なし
【解決手段】 無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層、及びポリオレフィン層を有する積層紙から構成された包装容器であり、ポリオレフィン層を防湿層より内側に形成した粉末洗剤用包装容器。防湿層上にポリオレフィン層が積層されている前記粉末洗剤用包装容器。ポリオレフィン層が、ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも一種により形成される前記粉末洗剤用包装容器。白色顔料塗工層を最内側層に形成した前記粉末洗剤用包装容器。
【選択図】 なし
Description
本発明は、粉末洗剤用包装容器に関するものであり、さらに詳述すれば、長期間の保管による粉末洗剤のケーキングを防止することに優れ、衣料用洗剤や食器用洗剤などの吸湿性の粉体を収容する粉末洗剤用包装容器を提供するものである。
一般に、衣料用洗剤、食器用洗剤、風呂用洗剤のような吸湿性の粉体(粉末)の容器には、紙支持体と防湿層を含む防湿積層体(防湿板紙、防湿カートン)が使用されている。このような吸湿性粉体は吸湿によって製品価値を著しく低下させるために防湿性の容器が必要である。防湿性が不十分だと、粉末状洗剤が吸湿により固結(ケーキング=粉末の凝集現象)し、その商品価値が失われてしまう。
従来、このような容器用の積層体として、紙支持体/高分子層(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系高分子層)/紙支持体で構成された防湿積層体が使用されてきた。このような防湿積層体は紙支持体に高分子化合物を溶融ラミネートして積層、あるいは、高分子フィルムを接着剤で紙支持体と貼合(ドライラミネート)されたものである(以下ポリラミ積層体と称する)。
従来、このような容器用の積層体として、紙支持体/高分子層(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系高分子層)/紙支持体で構成された防湿積層体が使用されてきた。このような防湿積層体は紙支持体に高分子化合物を溶融ラミネートして積層、あるいは、高分子フィルムを接着剤で紙支持体と貼合(ドライラミネート)されたものである(以下ポリラミ積層体と称する)。
しかしながら、これらポリラミ積層体(ポリエチレンやポリプロピレン樹脂などの溶融ラミネート紙)から得られる防湿包装容器は、その防湿性に限界があり、粉末洗剤を長期間(例えば2年以上)保管すると、粉末洗剤がケーキングを起こし、その商品価値を失うといった欠点があった。防湿性を向上させるために、ポリラミ層の厚さを厚くするといった方法もあるが、その防湿性向上には限界があった。
ポリラミ紙以外の防湿紙としては、ホットメルト樹脂塗工、ワックスエマルジョン塗工、あるいは平板状顔料(無機層状化合物)と合成樹脂の塗工などにより防湿層を形成する技術も知られている。しかし、ホットメルト樹脂塗工はポリラミ積層体と同様に防湿性に限界があり、ワックス系防湿紙は積層する場合に防湿層表面の接着性が悪く、粉末洗剤用防湿容器には適していない。
本発明者らは、平板状顔料と合成樹脂ラテックスとからなる塗料を塗工して防湿層を形成した防湿積層体を提案した(特許文献1参照)。この発明においては、それ自体は水蒸気を通さないと思われる顔料、例えば白雲母のような平板状顔料を合成樹脂ラテックスなどの重合体と混合して防湿層を形成させるものである。その防湿メカニズムは、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなること、また厚み方向では平板状顔料が防湿層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこの平板状顔料を迂回しながら透過することから(曲路効果)、水蒸気の透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能が向上するものである。
なお、本発明者等は、平板状顔料と合成樹脂ラテックスからなる塗料を塗工して防湿層を形成した防湿積層体の改良技術を特許文献2、特許文献3で提案している。また、マイクロフルートカートンに上記防湿層を形成した箱を提案している(特許文献4)。
なお、本発明者等は、平板状顔料と合成樹脂ラテックスからなる塗料を塗工して防湿層を形成した防湿積層体の改良技術を特許文献2、特許文献3で提案している。また、マイクロフルートカートンに上記防湿層を形成した箱を提案している(特許文献4)。
しかしながら、粉末状洗剤には、界面活性剤が含まれており、そのため上記特許文献1の防湿紙は粉末洗剤用の容器としては使用できないといった問題点がある。即ち、界面活性剤が防湿層に浸透すると防湿性が低下するという問題がある。特に防湿層と洗剤が接触した状態では洗剤の成分(主として界面活性剤)が浸透して短時間で防湿性を悪化させる傾向がある。
その他、界面活性剤が防湿包装容器に浸透して、容器内側の表面が黒ずんだり、浸透が激しい場合は容器表面にまで達して外観を損ねるといった問題もある。また、界面活性剤が容器に浸透するため洗剤に含まれる界面活性剤の量が減少し、洗剤の洗浄性が低下するという問題点もある。
その他、界面活性剤が防湿包装容器に浸透して、容器内側の表面が黒ずんだり、浸透が激しい場合は容器表面にまで達して外観を損ねるといった問題もある。また、界面活性剤が容器に浸透するため洗剤に含まれる界面活性剤の量が減少し、洗剤の洗浄性が低下するという問題点もある。
本発明者らは、耐界面活性剤層を防湿層より内側に形成した粉末洗剤用包装容器を提案したが(特許文献5)、かかる発明では、耐界面活性剤の防湿層への浸透は防げるが、長期間保管すると界面活性剤が浸透してしまい、洗剤のケーキングが発生してしまう。また、特許文献6では、白色顔料を含む耐界面活性剤層を設けるという技術、特許文献7には原紙の厚さを規定した技術が開示されているが、洗剤のケーキング発生の問題についてはさらに改善する必要がある。
本発明の目的は、無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層を有する粉末洗剤用防湿容器において、長期間の保管による粉末洗剤のケーキングを防止することに優れ、衣料用洗剤や食器用洗剤などの吸湿性の粉体を収容する粉末洗剤用包装容器を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために以下の方法をとる。
本発明の第1は、無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層、及びポリオレフィン層を有する積層紙から構成された包装容器であり、ポリオレフィン層を防湿層より内側に形成した粉末洗剤用包装容器である。
本発明の第1は、無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層、及びポリオレフィン層を有する積層紙から構成された包装容器であり、ポリオレフィン層を防湿層より内側に形成した粉末洗剤用包装容器である。
本発明の第2は、防湿層上にポリオレフィン層が積層されている本発明の第1に記載の粉末洗剤用包装容器である。
本発明の第3は、ポリオレフィン層が、ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも一種により形成される本発明の第1〜2のいずれかに記載の粉末洗剤用包装容器である。
本発明の第4は、白色顔料塗工層を最内側層に形成した本発明の第1〜3のいずれかに記載の粉末洗剤用包装容器である。
以下に本発明について詳細に説明する。
界面活性剤を多量に含む洗剤のような粉体を、無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿積層体で包装すると、洗剤の成分(主として界面活性剤)が支持体や防湿層に浸透して、外観不良になったり防湿性が悪化するといった問題があることが判明した。さらに防湿性が低下して洗剤の吸湿が進行すると、粉末同士が固結するケーキングが発生し、商品価値を著しく低下させてしまう。さらに悪いことに、界面活性剤が洗剤容器の外側に浸透し、洗剤容器を保管していた場所(例えば押入れや棚の中)に置いてある物を汚してしまうといった問題がある。
そこで、本発明者らは、無機層状化合物の配合量を増加させることで防湿性を向上させることを試みたところ、保管期間はある程度伸びるものの、ある時点(界面活性剤で防湿層が破壊された時点)でケーキングが急速に進行し、界面活性剤が洗剤容器の外側に滲み出てしまった。
一方、本発明者らの検討によって、ポリオレフィン樹脂層は、洗剤に含まれる界面活性剤によって破壊されないということが判明した。さらに、ポリオレフィン樹脂層自体がある程度防湿性があるため、ポリオレフィン樹脂層を厚くすれば高い防湿性が得られることが類推できるため、本発明者らは、粉末洗剤容器用の積層紙の紙層間に厚いポリオレフィン層を設ける事で、防湿性を向上させることを検討した。
紙層間におけるポリオレフィン層の形成は、紙基材表面にポリオレフィン樹脂を溶融押出成形した後に、他の紙基材を貼合する方法が一般的である。
しかし、この方法で形成可能なポリオレフィン層の厚さは通常20〜30μmである。これ以上の厚みにしようとすると、ラミネート圧着する時の圧力で樹脂が紙基材からはみ出てしまうという問題が発生し、厚さに限界があることが判明した。一方、ポリオレフィン層によって防湿性を達成するには、前述の方法で設けることが可能な厚さの2倍以上が必要である。
そこで、本発明者らは、ポリオレフィン層と、無機層状化合物と合成樹脂層を含む防湿層とを有する積層紙を、粉末洗剤用包装容器素材として用いることを試みた結果、非常に高い防湿性が達成され、長期保管においてもケーキングの発生が少なく、かつ界面活性剤の染出を防止可能な粉末洗剤用容器を得る事が可能となり、本発明に到った。
界面活性剤を多量に含む洗剤のような粉体を、無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿積層体で包装すると、洗剤の成分(主として界面活性剤)が支持体や防湿層に浸透して、外観不良になったり防湿性が悪化するといった問題があることが判明した。さらに防湿性が低下して洗剤の吸湿が進行すると、粉末同士が固結するケーキングが発生し、商品価値を著しく低下させてしまう。さらに悪いことに、界面活性剤が洗剤容器の外側に浸透し、洗剤容器を保管していた場所(例えば押入れや棚の中)に置いてある物を汚してしまうといった問題がある。
そこで、本発明者らは、無機層状化合物の配合量を増加させることで防湿性を向上させることを試みたところ、保管期間はある程度伸びるものの、ある時点(界面活性剤で防湿層が破壊された時点)でケーキングが急速に進行し、界面活性剤が洗剤容器の外側に滲み出てしまった。
一方、本発明者らの検討によって、ポリオレフィン樹脂層は、洗剤に含まれる界面活性剤によって破壊されないということが判明した。さらに、ポリオレフィン樹脂層自体がある程度防湿性があるため、ポリオレフィン樹脂層を厚くすれば高い防湿性が得られることが類推できるため、本発明者らは、粉末洗剤容器用の積層紙の紙層間に厚いポリオレフィン層を設ける事で、防湿性を向上させることを検討した。
紙層間におけるポリオレフィン層の形成は、紙基材表面にポリオレフィン樹脂を溶融押出成形した後に、他の紙基材を貼合する方法が一般的である。
しかし、この方法で形成可能なポリオレフィン層の厚さは通常20〜30μmである。これ以上の厚みにしようとすると、ラミネート圧着する時の圧力で樹脂が紙基材からはみ出てしまうという問題が発生し、厚さに限界があることが判明した。一方、ポリオレフィン層によって防湿性を達成するには、前述の方法で設けることが可能な厚さの2倍以上が必要である。
そこで、本発明者らは、ポリオレフィン層と、無機層状化合物と合成樹脂層を含む防湿層とを有する積層紙を、粉末洗剤用包装容器素材として用いることを試みた結果、非常に高い防湿性が達成され、長期保管においてもケーキングの発生が少なく、かつ界面活性剤の染出を防止可能な粉末洗剤用容器を得る事が可能となり、本発明に到った。
本発明において、無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層に使用できる合成樹脂としては、合成樹脂自体で成膜性があり耐水性を示すものであれば特に制限はない。耐水性の指標としては、樹脂単独の被膜を作製し(ガラス板状に合成樹脂の溶液(水溶液あるいはアルカリ性水溶液)あるいはエマルジョンなどを、乾燥後の厚さが50μm〜100μmになるように塗布し、110℃、5分間乾燥後、乾燥剤の入ったデシケーター中で40℃24時間乾燥させる)。その被膜を23℃の水(サンプル質量に対して100倍以上の質量の水)の中に24時間、浸漬し(攪拌子でゆっくりとかき混ぜる)、被膜を取り出して乾燥させ(乾燥条件:110℃、5分間乾燥後、乾燥剤の入ったデシケーター中で40℃24時間乾燥させる)、その質量減が10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下である。
また、本発明の合成樹脂単独被膜の防湿性は厚さ20μm換算で透湿度が800g/m2・24hr以下、好ましくは600g/m2・24hr以下、より好ましくは400g/m2・24hr以下である。具体的な測定方法は、上記耐水性の指標と同様に合成樹脂被膜を形成し、JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)で透湿度を測定し、該合成樹脂被膜の厚さを測定し、20μm換算の透湿度を求める。この時、透湿度は厚さに反比例すると仮定する。
防湿層を形成する合成樹脂は水性のエマルジョン(ラテックス、乳化物、マイクロエマルジョン、分散物などもエマルジョンに含まれるとする)あるいはアルカリ水に溶解させたものが好ましい。水溶性あるいは熱水可溶性(水あるいは熱水に対する溶解度が5%以上)の合成樹脂は防湿性が上述した透湿度よりはるかに大きいため好ましくない。例えばポリビニルアルコール(PVA)は水に対する溶解度が5〜30%の範囲にあるが(溶解度は分子量あるいはケン化度に依存する)、その単独被膜(20μm)の透湿度は上述した条件化で1000g/m2・24hrを越えるため本発明では使用できない。
防湿層を形成する合成樹脂は水性のエマルジョン(ラテックス、乳化物、マイクロエマルジョン、分散物などもエマルジョンに含まれるとする)あるいはアルカリ水に溶解させたものが好ましい。水溶性あるいは熱水可溶性(水あるいは熱水に対する溶解度が5%以上)の合成樹脂は防湿性が上述した透湿度よりはるかに大きいため好ましくない。例えばポリビニルアルコール(PVA)は水に対する溶解度が5〜30%の範囲にあるが(溶解度は分子量あるいはケン化度に依存する)、その単独被膜(20μm)の透湿度は上述した条件化で1000g/m2・24hrを越えるため本発明では使用できない。
合成樹脂としては、芳香族ビニル系単量体、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体、不飽和脂肪酸系単量体、α−オレフィン系単量体及びその他の共重合可能な単量体の中から1種又は2種以上を乳化重合したものが挙げられる。具体的には、芳香族ビニル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるメチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体(MBR)、芳香族ビニル系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−アクリル系共重合体、α−オレフィン系単量体と不飽和脂肪酸系単量体の乳化重合から得られるエチレン−アクリル酸系共重合体、1種類あるいは2種類以上のエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の乳化重合から得られるアクリルエステル系重合体などが挙げられる。これら共重合体は他の単量体と共重合させて使用してもかまわない。
単量体について詳述する。芳香族ビニル系単量体は合成樹脂に耐水性と適度な硬さを付与させるもので、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどがあり、スチレンが好適に使用される。
脂肪族共役ジエン系単量体は合成樹脂に柔軟性を付与させるもので、具体的には、ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好適に使用される。
エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体は合成樹脂に耐水性を付与させるとともに、合成樹脂の硬さやガラス転移温度(Tg)、最低造膜温度(MFT)を調整させるもので、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体などが挙げられる。
脂肪族共役ジエン系単量体は合成樹脂に柔軟性を付与させるもので、具体的には、ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好適に使用される。
エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体は合成樹脂に耐水性を付与させるとともに、合成樹脂の硬さやガラス転移温度(Tg)、最低造膜温度(MFT)を調整させるもので、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体などが挙げられる。
不飽和脂肪酸単量体は、合成樹脂の成膜性を向上させるとともに、共重合体の水中でのコロイドとしての安定性を高めるもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステルなどの、少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステル;アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、メタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩などの不飽和スルホン酸及びその塩が挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸が好適に使用される。
α−オレフィン系単量体は合成樹脂に耐水性と柔軟性を付与させるもので、具体的にはエチレン、プロピレンなどが挙げられる。
α−オレフィン系単量体は合成樹脂に耐水性と柔軟性を付与させるもので、具体的にはエチレン、プロピレンなどが挙げられる。
上述した単量体と共重合可能な他の単量体は、合成樹脂の耐水性を高めたり、カチオン基を導入して接着性を高めたり、架橋性の官能基を導入して強度を高めたりするもので、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル及びメタクリル酸β−ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド及びその誘導体;アクリル酸グリシジル及びメタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;アクロレイン及びアリルアルコール等のビニル化合物などが挙げられる。
合性成樹脂エマルジョンは、上記した各単量体を用いて公知の乳化重合法により製造することができる。即ち、所望の単量体を混合し、これに乳化剤、重合開始剤等を加えて水系で乳化重合を行えばよく、一括して仕込み重合する方法、各成分を連続供給しながら重合する方法などの各種の方法が適用できる。
合性成樹脂エマルジョンは、上記した各単量体を用いて公知の乳化重合法により製造することができる。即ち、所望の単量体を混合し、これに乳化剤、重合開始剤等を加えて水系で乳化重合を行えばよく、一括して仕込み重合する方法、各成分を連続供給しながら重合する方法などの各種の方法が適用できる。
乳化重合用の乳化剤としては、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルアリルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤などが例示される。乳化剤の使用量はエマルジョンに対して要求される性質に応じて変わりうるが、一般に重合安定性を向上させる目的やエマルジョンの機械的、化学的安定性を良好にする目的には乳化剤の使用量は多いことが望ましく、乾燥皮膜の耐水性を向上させるためには逆に使用量が少ない方が望ましく、通常は単量体の合計量100質量部に対して0.1〜5質量部程度の範囲内から目的に応じて使用量が決められる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩等の水溶性タイプ、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性タイプなどが用いられる。またさらに必要に応じ、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、L−アスコルビン酸、糖類、アミン類などの還元剤を併用したレドックス系も使用することができる。それらの使用量は単量体の合計量100質量部に対して0.01〜3質量部程度とすればよい。重合反応は通常35〜90℃程度で行えばよく、反応時間は通常3〜10時間程度とすればよい。
なお、乳化重合の開始時あるいは終了後に塩基性物質を加えてpHを調整することにより、エマルジョンの重合安定性、凍結安定性、機械的安定性、化学的安定性等を向上させることができる。特に膨潤性無機層状化合物との配合安定性を得るためには、得られるエマルジョンのpHが5以上となるように調整することが好ましい。膨潤性無機層状化合物の水分散液は通常アルカリ性(pH7〜11)を示すため、混和性の面から合成樹脂のエマルジョンはアルカリ性(pH7以上)がより好ましい。塩基性物質としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用することができる。特にアンモニアが防湿性の面で好ましい。
なお、乳化重合の開始時あるいは終了後に塩基性物質を加えてpHを調整することにより、エマルジョンの重合安定性、凍結安定性、機械的安定性、化学的安定性等を向上させることができる。特に膨潤性無機層状化合物との配合安定性を得るためには、得られるエマルジョンのpHが5以上となるように調整することが好ましい。膨潤性無機層状化合物の水分散液は通常アルカリ性(pH7〜11)を示すため、混和性の面から合成樹脂のエマルジョンはアルカリ性(pH7以上)がより好ましい。塩基性物質としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用することができる。特にアンモニアが防湿性の面で好ましい。
合成樹脂水性分散体の粒子径は一般に100〜300nmであるが、粒子径150nm以下、特に60〜100nm程度の小さい粒子径の水性分散体を使用すると成膜性が向上し欠陥の少ない膜ができるため好ましい。
また、合成樹脂としてはポリエステル系樹脂、生分解性樹脂(ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリカプロラクタムなど、また、天然系生分解性樹脂も含まれる)、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂なども使用することができる。
また、合成樹脂としてはポリエステル系樹脂、生分解性樹脂(ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリカプロラクタムなど、また、天然系生分解性樹脂も含まれる)、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂なども使用することができる。
合成樹脂のガラス転移温度(Tg)、最低増膜温度(MFT)、ゲル分率(トルエンに対する不溶分)などには特に制限はないが、Tgは−30〜60℃、より好ましくは−20〜50℃、更に好ましくは−10〜40℃である。MFTは70℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下が好ましい。ゲル分率は20〜99%が好ましく、より好ましくは30〜95%、更に好ましくは40〜90%である。
Tgが−30℃より小さいと防湿面の粘着性が強くブロッキングを生じやすくなり、Tgが60℃を越えて大きくなると成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
MFTが70℃より大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。ゲル分率が20%未満になるとブロッキングを生じやすくなり、また、99%を越えて大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
Tgが−30℃より小さいと防湿面の粘着性が強くブロッキングを生じやすくなり、Tgが60℃を越えて大きくなると成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
MFTが70℃より大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。ゲル分率が20%未満になるとブロッキングを生じやすくなり、また、99%を越えて大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
また、上記防湿層に用いられる合成樹脂は、エマルジョンあるいはラテックスの形態で使用されるが、合成樹脂のエマルジョンあるいはラテックスはアニオン性のものが好ましい。アニオン性にするためにはカルボン酸やスルホン酸基を有するモノマーを共重合させた合成樹脂を使用することが好ましい。合成樹脂がアニオン性を示すと、無機層状化合物に吸着した含窒素化合物と強い総合作用、含窒素化合物中のアミノ基やアミド基と合成樹脂中のカルボン酸基やスルホン酸基が強いイオン結合あるいは、乾燥過程で脱水反応を起こし共有結合を形成し、耐水性が向上し、その結果防湿性が向上する。
本発明の防湿層において、好適に使用できる無機層状化合物としては、第1にはフィロケイ酸塩鉱物が挙げられる。フィロケイ酸塩鉱物に属するものは板状又は薄片状で明瞭な劈開性を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物などがある。これらの中でも産出される時の粒子が大きく産出量が多い鉱物、例えば雲母族やタルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母、合成マイカ)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母、カリ四ケイ素雲母、ナトリウム四ケイ素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどが挙げられる。組成的にタルクに類似する合成雲母などの合成品も本発明の範疇に含むものとする。
また、カオリンのうち、意識的に結晶層を剥離し、平板にしたデラミカオリンなども、無機層状化合物として用いることができる。
また、無機層状化合物の粒子径は、防湿層の膜厚に対応したものを使用することが好ましい。その場合は、無機層状化合物をボールミル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕分級して所望の粒子径を得た後、本発明に使用するものとする。
また、カオリンのうち、意識的に結晶層を剥離し、平板にしたデラミカオリンなども、無機層状化合物として用いることができる。
また、無機層状化合物の粒子径は、防湿層の膜厚に対応したものを使用することが好ましい。その場合は、無機層状化合物をボールミル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕分級して所望の粒子径を得た後、本発明に使用するものとする。
本発明の防湿層において、好適に用いられる無機層状化合物の第2として、膨潤性無機層状化合物が挙げられる。具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物、合成マイカ、合成スメクタイト等を挙げることができる。
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質であり、ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質であり、ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
「カルコゲン化物」とは、IV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)及び/又はVI族(Mo,W)元素のジカルコゲン化物であって、式MX2(Mは上記元素、Xはカルコゲン(S,Se,Te)を示す。)で表わされるものをいう。
粘土系鉱物は、一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から挟んでなる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
これらの粘土系鉱物としては、スメクタイト族、バーミキュライト族などの粘土鉱物を挙げることができる。より具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。また、白水晴雄著、「粘土鉱物学」、1988年、(株)朝倉書店 などの文献を参照することができる。特にスメクタイトが好ましく、スメクタイトにはモンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどを挙げることができる。
粘土系鉱物は、一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から挟んでなる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
これらの粘土系鉱物としては、スメクタイト族、バーミキュライト族などの粘土鉱物を挙げることができる。より具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。また、白水晴雄著、「粘土鉱物学」、1988年、(株)朝倉書店 などの文献を参照することができる。特にスメクタイトが好ましく、スメクタイトにはモンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどを挙げることができる。
粘土性鉱物(天然品)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、合成スメクタイトとしては、式Na0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.0O9.0〜10.6(OH及び/又はF)1.5〜2.5で示されるものが挙げられる。合成スメクタイトや合成マイカの製造方法には、水熱反応法(特開平6−345419号公報)、固相反応法、熔融法(特開平5−270815号公報参照)の3つの合成方法がある。
水熱反応法は、珪酸塩、マグネシウム塩、アルカリ金属イオン、アルカリ金属塩、フッ素イオンなど各種原料を含んだ水溶液あるいは水性スラリーをオートクレーブやパイプリアクターの中で100〜400℃の高温、高圧化のもとで反応させ合成させる方法である。水熱反応法では、結晶の成長が遅いため一般に大きな粒子のものが得られなく、一般に粒子径が10〜100nmのものがほとんどである。もちろん、水熱反応においても、低濃度、低温、長時間の条件で合成すれば粒子径が1μm以上の大きな粒子を製造することは可能だが、製造コストが極端に高くなるといった問題がある。
水熱反応法は、珪酸塩、マグネシウム塩、アルカリ金属イオン、アルカリ金属塩、フッ素イオンなど各種原料を含んだ水溶液あるいは水性スラリーをオートクレーブやパイプリアクターの中で100〜400℃の高温、高圧化のもとで反応させ合成させる方法である。水熱反応法では、結晶の成長が遅いため一般に大きな粒子のものが得られなく、一般に粒子径が10〜100nmのものがほとんどである。もちろん、水熱反応においても、低濃度、低温、長時間の条件で合成すれば粒子径が1μm以上の大きな粒子を製造することは可能だが、製造コストが極端に高くなるといった問題がある。
固相反応法はタルクと珪フッ化アルカリと他の原料とともに400〜1000℃の範囲で数時間反応させ、合成マイカを製造する方法である。固相反応は原料のタルクの構造を残したまま元素移動を起こしマイカが生成する(トポタキシー)ため、得られる合成マイカの品質が原料のタルク物性やその不純物に依存したり、元素移動を完全にコントロールできないため合成マイカの純度や結晶化度が低いといった問題がある。
熔融法は、無水珪酸、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、珪フッ化カリウム、炭酸カリウム、その他の原料をマイカの熔融点(例えば1500℃)以上で熔融後、徐冷結晶化し、合成マイカや合成スメクタイトを製造する方法である。また、加熱方法の違いにより、外熱式熔融法と内熱式熔融法がある。外熱式熔融法は原料を入れたるつぼを熔融点以上の温度の室に入れて昇温後、熔融点以下の温度の室に移動させて製造する方法であるがるつぼの費用が高いといった問題点がある。内熱式熔融法は黒鉛(炭素)電極や金属電極を備えていた容器中で通電により原料を加熱熔融させた後、冷却させる方法であり、熔融合成法においては内熱式熔融法が一般的である。熔融合成法は冷却結晶化した塊を粉砕、分級することにより粒子径をコントロールした合成品を製造することができる。熔融合成法は原料として純度が高い原料を使用することができ、熔融化するため原料が均一に混合できるため、結晶化度が高く、粒子径が大きく、純度の高い合成マイカや合成スメクタイトを製造することができるといった利点がある。
熔融法は、無水珪酸、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、珪フッ化カリウム、炭酸カリウム、その他の原料をマイカの熔融点(例えば1500℃)以上で熔融後、徐冷結晶化し、合成マイカや合成スメクタイトを製造する方法である。また、加熱方法の違いにより、外熱式熔融法と内熱式熔融法がある。外熱式熔融法は原料を入れたるつぼを熔融点以上の温度の室に入れて昇温後、熔融点以下の温度の室に移動させて製造する方法であるがるつぼの費用が高いといった問題点がある。内熱式熔融法は黒鉛(炭素)電極や金属電極を備えていた容器中で通電により原料を加熱熔融させた後、冷却させる方法であり、熔融合成法においては内熱式熔融法が一般的である。熔融合成法は冷却結晶化した塊を粉砕、分級することにより粒子径をコントロールした合成品を製造することができる。熔融合成法は原料として純度が高い原料を使用することができ、熔融化するため原料が均一に混合できるため、結晶化度が高く、粒子径が大きく、純度の高い合成マイカや合成スメクタイトを製造することができるといった利点がある。
合成無機層状化合物としては、フッ素金雲母(KMg3AlSi3O10F、熔融法又は固相反応法)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si4O10F2、熔融法)、ナトリウム四ケイ素雲母(NaMg2.5Si4O10F2、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMg2LiSi4O10F2、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMg2LiSi4O10F2、熔融法)などの合成マイカ、ナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.0O10(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.0O10(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.0O10(OH)2、水熱反応法)などの合成スメクタイトが挙げられる。
粘土鉱物の市販品としては、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(天然モンモリロナイト、クニミネ工業製)、スメクトン(水熱反応法合成スメクタイト、クニミネ工業社製)、ビーガム(商標:バンダービルト社製)、ラポナイト(商標:ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts、NTO−5(熔融法、ナトリウム四珪素雲母、商標:トピー工業製)、ベンゲル(商標:豊順洋行社製)、ソマシフME−100(固相反応法合成マイカ、商標:コープケミカル)等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。
粘土鉱物の市販品としては、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(天然モンモリロナイト、クニミネ工業製)、スメクトン(水熱反応法合成スメクタイト、クニミネ工業社製)、ビーガム(商標:バンダービルト社製)、ラポナイト(商標:ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts、NTO−5(熔融法、ナトリウム四珪素雲母、商標:トピー工業製)、ベンゲル(商標:豊順洋行社製)、ソマシフME−100(固相反応法合成マイカ、商標:コープケミカル)等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、より好ましく用いられる無機層状化合物は、水中で容易に膨潤、壁開及び分散する膨潤性無機層状化合物である。膨潤性無機層状化合物の溶媒への「膨潤・へき開」性の程度は、以下の「膨潤・へき開」試験により評価することができる。該膨潤性無機層状化合物の膨潤性は、下記膨潤性試験において約5mL以上(より好ましくは約20mL以上)の程度であることが好ましい。具体的な膨潤性としては、上記クニピア(膨潤力:65mL/2g以上)、スメクトン(膨潤力:60mL/2g以上)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(膨潤力:30mL/2g以上)、ME−100(商標:コープケミカル社製、膨潤力:20mL/2g以上)及びベンゲル(膨潤力:38mL/2g以上)等である。
一方、該膨潤性無機層状化合物のへき開性は、下記へき開性試験において約5mL以上(より好ましくは約20mL以上)の程度であることが好ましい。これらの場合、溶媒としては、膨潤性無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒を用いる。該溶媒としては、水を用いることが好ましい。
一方、該膨潤性無機層状化合物のへき開性は、下記へき開性試験において約5mL以上(より好ましくは約20mL以上)の程度であることが好ましい。これらの場合、溶媒としては、膨潤性無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒を用いる。該溶媒としては、水を用いることが好ましい。
膨潤性試験を詳述する。膨潤性無機層状化合物2gを溶媒100mLにゆっくり加える(100mLメスシリンダーを容器とする)。静置後、23℃、24hr後の膨潤性無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から前者(膨潤性無機層状化合物分散層)の体積を読む。この数値が大きい程、膨潤性が高い。
へき開性試験を詳述する。膨潤性無機層状化合物30gを溶媒1500mLにゆっくり加え、分散機(浅田鉄工(株)製、デスパーMH−L、羽根径52mm、回転数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散した後(23℃)、分散液100mLをとりメスシリンダーに入れ60分静置後、上澄みとの界面から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。
へき開性試験を詳述する。膨潤性無機層状化合物30gを溶媒1500mLにゆっくり加え、分散機(浅田鉄工(株)製、デスパーMH−L、羽根径52mm、回転数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散した後(23℃)、分散液100mLをとりメスシリンダーに入れ60分静置後、上澄みとの界面から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。
また、本発明で使用するのに好ましい膨潤性無機層状化合物としては、陽イオン交換容量が100g当り、30〜300meq、より好ましくは50〜250meq、特に好ましくは60〜200meqである。陽イオン交換容量が30meq/100g未満だと含窒素化合物との効果が小さくなり防湿性に優れない。また、300meq/100gを越えて大きいと塗料が凝集しやすくなり好ましくない。一般に、天然及び合成スクメタイトは85〜130meq/100gの陽イオン交換容量を有するものが本発明において特に好ましいものである。
陽イオン交換容量の測定は一般にアルコール洗浄法(Schollenberger法あるいはその改良法、和田光史(1981)粘土科学21,160-163参照)と呼ばれる測定方法で行う。膨潤性無機層状化合物の粉末0.2〜1.0gあるいは約1〜3%水分散液を約10〜30mlを100ml容量の遠心分離管に採取する。1Nの酢酸アンモニウム(CH3COONH4)液(pH7)を加えて約80mlとして、十分に振とうした後、遠心沈降させ上澄みを捨てる(遠沈洗浄)。遠沈洗浄を4回繰り返した後、遠心分離管に残っている余剰の塩を取り除くため80%エタノール水溶液(pH7)で遠沈洗浄を3回行う。次に10%のNaCl水溶液を用いて遠沈洗浄を4回繰り返し、遠心管の上澄み液をすべて集めて抽出液とする。抽出液のNH4を蒸留法で定量し、試料の乾燥質量(100g)当りのミリグラム当量数(meq)を陽イオン交換容量(cation exchange capacity,CEC)の値とする。なお測定は23℃の環境下で行う。また、測定は7点行い、最大値と最小値を除いた5点の平均を測定値とした。
陽イオン交換容量の測定は一般にアルコール洗浄法(Schollenberger法あるいはその改良法、和田光史(1981)粘土科学21,160-163参照)と呼ばれる測定方法で行う。膨潤性無機層状化合物の粉末0.2〜1.0gあるいは約1〜3%水分散液を約10〜30mlを100ml容量の遠心分離管に採取する。1Nの酢酸アンモニウム(CH3COONH4)液(pH7)を加えて約80mlとして、十分に振とうした後、遠心沈降させ上澄みを捨てる(遠沈洗浄)。遠沈洗浄を4回繰り返した後、遠心分離管に残っている余剰の塩を取り除くため80%エタノール水溶液(pH7)で遠沈洗浄を3回行う。次に10%のNaCl水溶液を用いて遠沈洗浄を4回繰り返し、遠心管の上澄み液をすべて集めて抽出液とする。抽出液のNH4を蒸留法で定量し、試料の乾燥質量(100g)当りのミリグラム当量数(meq)を陽イオン交換容量(cation exchange capacity,CEC)の値とする。なお測定は23℃の環境下で行う。また、測定は7点行い、最大値と最小値を除いた5点の平均を測定値とした。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が50〜5000のものが好ましい。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での平均粒子径(レーザー回折法で測定。堀場製作所LA−910.屈折率1.3、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みであり。厚みは、防湿層の断面をSEMやTEMによる写真観察によって求めた値である。平均粒子径は0.1μm〜100μmが好ましく、とりわけ0.5μm〜50μmが好ましい。粒子径が0.1μm未満になるとアスペクト比が小さくなる上、防湿層中で防湿面に対して平行に並びにくくなり、防湿効果が不十分になる。粒子径が100μmを越えて大きくなると防湿層から膨潤性無機層状化合物が突き出てしまい好ましくない。
これら膨潤性無機層状化合物の中でも、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライト、ナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイト、天然スメクタイト(モンモリロナイト)が好ましい。これらの中でも、粒子径、アスペクト比、結晶性の面からから熔融合成法で製造されたナトリウム四珪素雲母(トピー工業製、DMA350)やタルクにフッ化ケイ素をインターカレートし約800℃で焼成して得られる膨潤性フッ素マイカが特に好ましい。
また、本発明で使用する無機層状化合物は水、あるいは溶剤中で分散された状態での平均粒子径が20nm〜100μmの間にあるものが好適であり、好ましくは0.1μm〜50μm、より好ましくは1μm〜30μmである。平均粒子径が20nm未満であると、アスペクト比が小さくなり防湿性向上効果が小さい。一方100μmを越えると塗工層表面から顔料が突き出し、外観不良や防湿性低下を招き好ましくない。
また、本発明で使用する無機層状化合物は水、あるいは溶剤中で分散された状態での平均粒子径が20nm〜100μmの間にあるものが好適であり、好ましくは0.1μm〜50μm、より好ましくは1μm〜30μmである。平均粒子径が20nm未満であると、アスペクト比が小さくなり防湿性向上効果が小さい。一方100μmを越えると塗工層表面から顔料が突き出し、外観不良や防湿性低下を招き好ましくない。
本発明で用いる無機層状化合物の水あるいは溶剤に分散された平均粒子径は、平均粒子径が0.1μm以上のものは光散乱理論を応用したレーザー回折による粒度分布測定装置において測定した値である。また、水あるいは溶剤に分散された平均粒子径が0.1μmのものについは動的光散乱法を用いて測定した値である。
また、本発明で使用する無機層状化合物の好ましいアスペクト比は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上である。アスペクト比が5未満のものは曲路効果が小さいために防湿性が低下する。アスペクト比は大きいほど無機層状化合物の塗工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。無機層状化合物の厚みは、防湿膜の断面写真より測定する。厚みが0.1μm以上のものは電子顕微鏡写真より画像解析して求める。厚みが0.1μm未満のものは透過型電子顕微鏡写真より画像解析して求める。本発明でいうアスペクト比は、上記水、又は溶剤に分散された平均粒子径を防湿膜の断面写真より求めた厚さで除したものである。
防湿層における合成樹脂と無機層状化合物の配合量は、質量換算で99/1〜30/70が好ましく、より好ましくは90/10〜35/65、特に好ましくは85/15〜40/60である。無機層状化合物の配合量が1%未満になると、防湿性向上効果及び離解性向上効果が小さくなる。無機層状化合物が70%を越えて大きくなると、無機層状化合物の間を埋める樹脂が不足して、空隙やピンホールの増大を招き防湿性が悪化する。
また、本発明で使用する無機層状化合物の好ましいアスペクト比は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上である。アスペクト比が5未満のものは曲路効果が小さいために防湿性が低下する。アスペクト比は大きいほど無機層状化合物の塗工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。無機層状化合物の厚みは、防湿膜の断面写真より測定する。厚みが0.1μm以上のものは電子顕微鏡写真より画像解析して求める。厚みが0.1μm未満のものは透過型電子顕微鏡写真より画像解析して求める。本発明でいうアスペクト比は、上記水、又は溶剤に分散された平均粒子径を防湿膜の断面写真より求めた厚さで除したものである。
防湿層における合成樹脂と無機層状化合物の配合量は、質量換算で99/1〜30/70が好ましく、より好ましくは90/10〜35/65、特に好ましくは85/15〜40/60である。無機層状化合物の配合量が1%未満になると、防湿性向上効果及び離解性向上効果が小さくなる。無機層状化合物が70%を越えて大きくなると、無機層状化合物の間を埋める樹脂が不足して、空隙やピンホールの増大を招き防湿性が悪化する。
防湿層には、防湿性向上のために含窒素化合物が含まれた方が好ましい。
本発明で使用できる含窒素化合物は、水溶液中でカチオン性を示す化合物であれば特に制限はないが、カチオン化度が0.1〜10meq/gのものが好ましく、0.2〜7meq/gが更に好ましく、0.5〜5meq/gが特に好ましい。カチオン化度が0.1meq/g未満だと、カチオン性が弱く、無機層状化合物への吸着力が弱くなるため防湿性が悪くなり、9meq/gを越えて大きいと、塗料が凝集しやすくなり取扱いが困難となるばかりでなく、防湿性も悪化する。
含窒素化合物を具体的に挙げると、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミド化合物、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、及びポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、アミノ変性アクリルアミド系化合物、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンなどがある。また、含窒素化合物は特開平9−291499号公報に記載の含窒素化合物も使用できる。
本発明で使用できる含窒素化合物は、水溶液中でカチオン性を示す化合物であれば特に制限はないが、カチオン化度が0.1〜10meq/gのものが好ましく、0.2〜7meq/gが更に好ましく、0.5〜5meq/gが特に好ましい。カチオン化度が0.1meq/g未満だと、カチオン性が弱く、無機層状化合物への吸着力が弱くなるため防湿性が悪くなり、9meq/gを越えて大きいと、塗料が凝集しやすくなり取扱いが困難となるばかりでなく、防湿性も悪化する。
含窒素化合物を具体的に挙げると、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミド化合物、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、及びポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、アミノ変性アクリルアミド系化合物、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンなどがある。また、含窒素化合物は特開平9−291499号公報に記載の含窒素化合物も使用できる。
更に、含窒素化合物としてはイミン化合物やアミン化合物と称せられるものが代表である。これらのうちイミン化合物としてはポリアルキレンイミンが代表であり、ポリエチレンイミン、アルキルあるいはシクロペンチル変性ポリエチレンイミン、エチレン尿素のイミン付加物、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体、ポリアミドイミド、ポリイミドワニス、からなる群より選ばれたポリイミン系化合物がある。
また、アミン化合物としてはポリアルキレンポリアミンがある。例えばポリエチレンポリアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの化合物である。また同様の効果を示すものとしては、ポリアミドのポリエチレンイミド付加物などの化合物などのポリアミド、ヒドラジン化合物、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物(炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂)などのポリアミンアミド化合物、4級窒素含有アクリルポリマー、4級窒素含有ベンジルポリマー、ウレタン、カルボン酸アミン塩基を有する化合物、メチロール化メラミン、カチオン性ポリウレタンなどの化合物などの含窒素4級塩化合物がある。また、カチオン変性ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、第3級窒素含有アクリル系樹脂等などのカチオン樹脂が挙げられる(カチオン樹脂については特開平8−90898号公報、特開昭63−162275号公報、特開昭62−148292号公報を参照されたい)。更に、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などの尿素化合物やジシアンジアミド誘導体なども本発明の範疇である。
また、アミン化合物としてはポリアルキレンポリアミンがある。例えばポリエチレンポリアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの化合物である。また同様の効果を示すものとしては、ポリアミドのポリエチレンイミド付加物などの化合物などのポリアミド、ヒドラジン化合物、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物(炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂)などのポリアミンアミド化合物、4級窒素含有アクリルポリマー、4級窒素含有ベンジルポリマー、ウレタン、カルボン酸アミン塩基を有する化合物、メチロール化メラミン、カチオン性ポリウレタンなどの化合物などの含窒素4級塩化合物がある。また、カチオン変性ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、第3級窒素含有アクリル系樹脂等などのカチオン樹脂が挙げられる(カチオン樹脂については特開平8−90898号公報、特開昭63−162275号公報、特開昭62−148292号公報を参照されたい)。更に、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などの尿素化合物やジシアンジアミド誘導体なども本発明の範疇である。
また、含窒素化合物はカチオン性を示すために、無機層状化合物のアニオン部分やアニオン性の合成樹脂エマルジョンと混合した時にショック(塗料凝集)を起こすことがある。このようなショックを防止するために塩基性物質を含窒素化合物、無機層状化合物の水溶液や合成樹脂エマルジョン中に加えてアルカリ側(pH7〜10が好ましい)に調整した方が好ましい。特に含窒素化合物に塩基性化合物を添加する方法がショック防止の効果が大きい。塩基性物質としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用することができる。特にアンモニアが防湿性の面で好ましい。
防湿層塗工量が0.1g/m2未満であると、防湿性が悪く好ましくない。また塗工量が20g/m2を越えると、防湿性は頭打ちとなるため不経済である。
本発明の防湿塗料には、必要に応じて、ポリカルボン酸などの分散剤、シリコーン系などの消泡剤、界面活性剤、保水剤、色合い調整剤、無機層状化合物以外の顔料(炭酸カルシウム、クレー、カオリン、マイカ)などを添加したりすることができる。
以上で述べたような防湿塗料を紙支持体に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーターなどの方式が好ましい。特に防湿層形成にはブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーターなどの塗工表面をスクレイプするコーターが無機層状化合物の配向を促すという点で好ましい。
本発明の防湿塗料には、必要に応じて、ポリカルボン酸などの分散剤、シリコーン系などの消泡剤、界面活性剤、保水剤、色合い調整剤、無機層状化合物以外の顔料(炭酸カルシウム、クレー、カオリン、マイカ)などを添加したりすることができる。
以上で述べたような防湿塗料を紙支持体に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーターなどの方式が好ましい。特に防湿層形成にはブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーターなどの塗工表面をスクレイプするコーターが無機層状化合物の配向を促すという点で好ましい。
また、防湿層を形成する紙基材としては、一般的に用いられている晒または未晒クラフト紙(酸性紙又は中性紙)、板紙、白板紙、高板紙、特板紙、段ボール原紙、建材用紙などが好適である。また、基材と防湿層の間に防湿層の塗工適性や塗工量減のためにアンカー層を設けてもよい。
本発明のポリオレフィン層には、ポリエチレンやポリプロピレン、環状ポリオレフィン系樹脂などが好適に使用できる。これらの中でも、密着性や製造性の面でポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどがあり、いずれも好適に使用できる。また、ポリプロピレンにはホモポリプロピレンやランダムポリプロピレン、アモルファスポリプロピレンなどがあるが、いずれも好適に使用できる。また、酢酸ビニルと共重合させたエチレン酢酸ビニル共重合体も本発明におけるポリエチレン系樹脂に含まれる。
ポリオレフィン層の形成方法としては、ポリオレフィンフィルムを積層したり、溶融押出ラミネートによって形成する方法があるが、生産性の点から溶融押出ラミネートにより形成することが好ましい。
ポリエチレン系樹脂には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどがあり、いずれも好適に使用できる。また、ポリプロピレンにはホモポリプロピレンやランダムポリプロピレン、アモルファスポリプロピレンなどがあるが、いずれも好適に使用できる。また、酢酸ビニルと共重合させたエチレン酢酸ビニル共重合体も本発明におけるポリエチレン系樹脂に含まれる。
ポリオレフィン層の形成方法としては、ポリオレフィンフィルムを積層したり、溶融押出ラミネートによって形成する方法があるが、生産性の点から溶融押出ラミネートにより形成することが好ましい。
また、本発明においては、最内側層に、白色顔料塗工層を形成することが望ましい。洗剤と接する容器の最内側層に白色顔料塗工層を設けることで、界面活性剤の浸透によって発生する容器表面の染みや黒ずみの発生を大幅に軽減可能である。この理由としては、白色顔料の光散乱効果により界面活性剤の染みが目立たなくなるためである。白色顔料塗工層を設けることによって、長期保存時の容器の外観の劣化を防止し、商品価値を維持するために有効である。
本発明の白色顔料塗工層に使用できる白色顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、マイカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、シリカなどが挙げられる。これらの中でも屈折利が1.60以上の白色顔料は、界面活性剤の染みを防止する効果が高い。例えば、屈折率が1.62の焼成クレー、1.76の酸化アルミ、1.80ケイ酸ジルコニウム、2.51のアナターゼ型ニ酸化チタン、2.71のルチル型ニ酸化チタンが優れており、アナターゼ型ニ酸化チタンとルチル型の二酸化チタンが最も優れている。
白色顔料の平均粒子径は10nm〜100μmが好ましく、より好ましくは20nm〜10μm、さらに好ましくは30nm〜1μmである。粒子径が10nmより小さくても、100μmより大きくても界面活性剤の染みを防止する効果が非常に小さくなる。
前記白色顔料塗工層には、各種合成樹脂がバインダーとして含まれる。その中でも特に、アクリル−スチレン系樹樹脂やスチレン―ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が耐溶剤性(?)が高く好ましい。
本発明の白色顔料塗工層に使用できる白色顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、マイカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、シリカなどが挙げられる。これらの中でも屈折利が1.60以上の白色顔料は、界面活性剤の染みを防止する効果が高い。例えば、屈折率が1.62の焼成クレー、1.76の酸化アルミ、1.80ケイ酸ジルコニウム、2.51のアナターゼ型ニ酸化チタン、2.71のルチル型ニ酸化チタンが優れており、アナターゼ型ニ酸化チタンとルチル型の二酸化チタンが最も優れている。
白色顔料の平均粒子径は10nm〜100μmが好ましく、より好ましくは20nm〜10μm、さらに好ましくは30nm〜1μmである。粒子径が10nmより小さくても、100μmより大きくても界面活性剤の染みを防止する効果が非常に小さくなる。
前記白色顔料塗工層には、各種合成樹脂がバインダーとして含まれる。その中でも特に、アクリル−スチレン系樹樹脂やスチレン―ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が耐溶剤性(?)が高く好ましい。
また、本発明においては、最内側層に、耐界面活性剤性を示す水溶性樹脂層を形成することが望ましい。洗剤と接する容器の最内側層に前記水溶性樹脂層を設けることで、界面活性剤の浸透によって発生する容器表面の染みや黒ずみの発生を軽減可能であり、また、防湿性の低下を防止することができる。
前記水溶性樹脂層に使用される水溶性樹脂は、20℃の水に1%以上溶解可能な樹脂(高分子)が好ましい。その中でも特に、ポリビニルアルコールやデンプンが耐界面活性剤性に優れるため好ましい。
また、耐界面活性剤性を有する水溶性樹脂に、前述の白色顔料を添加したものを塗工することも可能である。
なお、本明細書中において、容器の最内側層に設けられた前記白色顔料塗工層及び水溶性樹脂層については、いずれも耐界面活性剤層とも称するものとする。
前記水溶性樹脂層に使用される水溶性樹脂は、20℃の水に1%以上溶解可能な樹脂(高分子)が好ましい。その中でも特に、ポリビニルアルコールやデンプンが耐界面活性剤性に優れるため好ましい。
また、耐界面活性剤性を有する水溶性樹脂に、前述の白色顔料を添加したものを塗工することも可能である。
なお、本明細書中において、容器の最内側層に設けられた前記白色顔料塗工層及び水溶性樹脂層については、いずれも耐界面活性剤層とも称するものとする。
本発明の包装容器を構成する積層紙は、包装容器の外側から順に、紙層/防湿層/ポリオレフィン層/紙層(/耐界面活性剤層)が好適である。これ以外にも、紙層/防湿層/紙層/ポリオレフィン層/紙層(/耐界面活性剤層)や紙層/防湿層/ポリオレフィン層(/耐界面活性剤層)などの構成とすることも可能である。
また、上記積層紙の紙層と防湿層の間、防湿層とポリオレフィン層の間には、防湿性を向上させたり、密着性を向上させるための接着剤層やアンカー層等を必要に応じて適宜設けることが可能である。さらに包装容器の最外層となる側には、印刷適性、美粧性を付与するために顔料塗工層を有することが更に望ましい。
また、上記積層紙の紙層と防湿層の間、防湿層とポリオレフィン層の間には、防湿性を向上させたり、密着性を向上させるための接着剤層やアンカー層等を必要に応じて適宜設けることが可能である。さらに包装容器の最外層となる側には、印刷適性、美粧性を付与するために顔料塗工層を有することが更に望ましい。
本発明の包装容器を構成する積層紙の製造方法の一例を挙げると、紙基材に防湿層を形成した防湿紙と別の紙基材を溶融押出したポリオレフィン系樹脂で貼合し、積層紙の片面に耐界面活性剤層を形成する方法が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は本発明を限定するものではない。また、特に断らない限り実施例中の部は質量部を示す。
<実施例1>
水36部に25%アンモニア水溶液を0.40部加え攪拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学(株)製)4.5部を攪拌しながら加えた。
更に、攪拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47部、ブタジエン単量体38部、メタクリル酸15部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン(株)製)100部を加え攪拌した。
これに無機層状化合物として膨潤性合成マイカ(ナトリウム四ケイ素雲母、NaMg2.5Si4O10F2、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業(株)製)75部を攪拌しながら添加して防湿塗料とした。
得られた防湿塗料を白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に防湿層の塗工量が固形分で15g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥して防湿紙を得た。
該防湿紙の防湿面にコロナ処理を施し、該防湿面に、ポリオレフィン樹脂層として低密度ポリエチレン樹脂(商標:ノバテックLD LC522、日本ポリエチレン製、MFR4.0g/10min、融点111℃)を厚さ20μになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/防湿層/ポリオレフィン層/クラフト紙)を得た。
水36部に25%アンモニア水溶液を0.40部加え攪拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学(株)製)4.5部を攪拌しながら加えた。
更に、攪拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47部、ブタジエン単量体38部、メタクリル酸15部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン(株)製)100部を加え攪拌した。
これに無機層状化合物として膨潤性合成マイカ(ナトリウム四ケイ素雲母、NaMg2.5Si4O10F2、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業(株)製)75部を攪拌しながら添加して防湿塗料とした。
得られた防湿塗料を白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に防湿層の塗工量が固形分で15g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥して防湿紙を得た。
該防湿紙の防湿面にコロナ処理を施し、該防湿面に、ポリオレフィン樹脂層として低密度ポリエチレン樹脂(商標:ノバテックLD LC522、日本ポリエチレン製、MFR4.0g/10min、融点111℃)を厚さ20μになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/防湿層/ポリオレフィン層/クラフト紙)を得た。
<実施例2>
実施例1で得られた防湿積層体の未晒クラフト紙面に、水100質量部、酸化チタン(石原産業製、商標:タイベークW−10、平均粒子径100nm)80質量部、アクリルスチレン系樹脂エマルジョン(サイデン化学(株)製:商品名サイビノールX−591−607E−17、Tg:20℃、固形分45%)20質量部からなる塗料を固形分換算で1.5g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥し、耐界面活性剤層を設けて防湿積層体を得た。
実施例1で得られた防湿積層体の未晒クラフト紙面に、水100質量部、酸化チタン(石原産業製、商標:タイベークW−10、平均粒子径100nm)80質量部、アクリルスチレン系樹脂エマルジョン(サイデン化学(株)製:商品名サイビノールX−591−607E−17、Tg:20℃、固形分45%)20質量部からなる塗料を固形分換算で1.5g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥し、耐界面活性剤層を設けて防湿積層体を得た。
<実施例3>
ポリオレフィン樹脂層として高密度ポリエチレン樹脂(商標:ノバテックHD HF560、日本ポリエチレン製、MFR7.0g/10min、融点134℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
ポリオレフィン樹脂層として高密度ポリエチレン樹脂(商標:ノバテックHD HF560、日本ポリエチレン製、MFR7.0g/10min、融点134℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
<実施例4>
ポリオレフィン樹脂層として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:ノバテックLL UF240、日本ポリエチレン製、MFR2.1g/10min、融点123℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
ポリオレフィン樹脂層として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商標:ノバテックLL UF240、日本ポリエチレン製、MFR2.1g/10min、融点123℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
<実施例5>
ポリオレフィン樹脂層としてエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:ノバテックEVA LV342、日本ポリエチレン製、MFR2.0g/10min、融点94℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
ポリオレフィン樹脂層としてエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(商標:ノバテックEVA LV342、日本ポリエチレン製、MFR2.0g/10min、融点94℃)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
<実施例6>
ポリオレフィン樹脂層としてポリプロピレン樹脂(商標:ノバテックPP FL30H、日本ポリエチレン製、MFR25g/10min、融点166℃、ホモポリプロピレン)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
ポリオレフィン樹脂層としてポリプロピレン樹脂(商標:ノバテックPP FL30H、日本ポリエチレン製、MFR25g/10min、融点166℃、ホモポリプロピレン)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして防湿積層体を得た。
<比較例1>
水36部に25%アンモニア水溶液を0.40部加え攪拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学(株)製)4.5部を攪拌しながら加えた。
更に、攪拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47部、ブタジエン単量体38部、メタクリル酸15部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン(株)製)100部を加え攪拌した。
これに平板状顔料として膨潤性合成マイカ(ナトリウム四ケイ素雲母、NaMg2.5Si4O10F2、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業(株)製)50部を攪拌しながら添加して防湿塗料とした。
得られた防湿塗料を坪量600g/m2の白板紙(厚さ650μm)の非塗工面に防湿層の塗工量が固形分で12g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥して防湿紙を得た。
該防湿紙の防湿面に接着剤として酢酸ビニル系エマルジョン(SE8001、固形分60%、 昭和高分子(株)製)を固形分で5g/m2になるように塗布し、塗布後すぐに未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)と貼合し、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥して、貼合された防湿積層体(白板紙/防湿層/酢ビ系エマルジョン/クラフト紙)を得た。
水36部に25%アンモニア水溶液を0.40部加え攪拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学(株)製)4.5部を攪拌しながら加えた。
更に、攪拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47部、ブタジエン単量体38部、メタクリル酸15部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン(株)製)100部を加え攪拌した。
これに平板状顔料として膨潤性合成マイカ(ナトリウム四ケイ素雲母、NaMg2.5Si4O10F2、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業(株)製)50部を攪拌しながら添加して防湿塗料とした。
得られた防湿塗料を坪量600g/m2の白板紙(厚さ650μm)の非塗工面に防湿層の塗工量が固形分で12g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥して防湿紙を得た。
該防湿紙の防湿面に接着剤として酢酸ビニル系エマルジョン(SE8001、固形分60%、 昭和高分子(株)製)を固形分で5g/m2になるように塗布し、塗布後すぐに未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)と貼合し、熱風乾燥機を用いて110℃、1分間乾燥して、貼合された防湿積層体(白板紙/防湿層/酢ビ系エマルジョン/クラフト紙)を得た。
<比較例2>
白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に、低密度ポリエチレン樹脂(商標:LC522、日本ポリエチレン製)を厚さ20μmになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/ポリオレフィン層20μm/クラフト紙)を得た。
白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に、低密度ポリエチレン樹脂(商標:LC522、日本ポリエチレン製)を厚さ20μmになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/ポリオレフィン層20μm/クラフト紙)を得た。
<比較例3>
白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に、低密度ポリエチレン樹脂(商標:LC522、日本ポリエチレン製)を厚さ30μmになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/ポリオレフィン層30μm/クラフト紙)を得た。
<比較例4>
白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に、低密度ポリエチレン樹脂(商標:LC522、日本ポリエチレン製)を厚さ40μになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/ポリオレフィン層40μm/クラフト紙)を得ようとしたが、ポリエチレン樹脂が積層体の両端からはみ出てしまい、製造できなかった。
白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に、低密度ポリエチレン樹脂(商標:LC522、日本ポリエチレン製)を厚さ30μmになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/ポリオレフィン層30μm/クラフト紙)を得た。
<比較例4>
白板紙(坪量500g/m2、厚さ550μm)の非塗工面に、低密度ポリエチレン樹脂(商標:LC522、日本ポリエチレン製)を厚さ40μになるように溶融押出すると同時に、未晒クラフト紙(坪量75g/m2、厚さ100μm)を貼合させて、防湿積層体(白板紙/ポリオレフィン層40μm/クラフト紙)を得ようとしたが、ポリエチレン樹脂が積層体の両端からはみ出てしまい、製造できなかった。
<試験方法>
1)透湿度
JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)に準じて、白板紙の塗工面が上側にくるように測定した。
2)洗剤吸湿量の測定および洗剤の染み判別
JIS−Z−0208(カップ法)B法に準じて、塩化カルシウムの代わりに市販の粉末洗剤を使用した。また、白板紙の塗工面が上側にくるように測定した。洗剤と防湿積層体が接触するようにカップを逆にして、カップの重量増加を測定をした。湿度条件は40℃90%RHとした。測定期間は2ヶ月毎に測定した。
3)ケーキング発生の有無
洗剤吸湿量の測定したカップからサンプルを取り出し、カップ内にある洗剤のケーキングの有無を調べた。
4)洗剤の染み
測定期間3ヶ月のカップからサンプルを取り出し、耐油層表面についていた洗剤を除去した後、洗剤により染みがあるかどうか目視判定した。
なお、本発明中で、評価に使用する市販の粉末洗剤としては、現在代表的な市販品(K社)のものを使用した。
1)透湿度
JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)に準じて、白板紙の塗工面が上側にくるように測定した。
2)洗剤吸湿量の測定および洗剤の染み判別
JIS−Z−0208(カップ法)B法に準じて、塩化カルシウムの代わりに市販の粉末洗剤を使用した。また、白板紙の塗工面が上側にくるように測定した。洗剤と防湿積層体が接触するようにカップを逆にして、カップの重量増加を測定をした。湿度条件は40℃90%RHとした。測定期間は2ヶ月毎に測定した。
3)ケーキング発生の有無
洗剤吸湿量の測定したカップからサンプルを取り出し、カップ内にある洗剤のケーキングの有無を調べた。
4)洗剤の染み
測定期間3ヶ月のカップからサンプルを取り出し、耐油層表面についていた洗剤を除去した後、洗剤により染みがあるかどうか目視判定した。
なお、本発明中で、評価に使用する市販の粉末洗剤としては、現在代表的な市販品(K社)のものを使用した。
Claims (4)
- 無機層状化合物と合成樹脂を含む防湿層、及びポリオレフィン層を有する積層紙から構成された包装容器であり、ポリオレフィン層を防湿層より内側に形成したことを特徴とする粉末洗剤用包装容器。
- 防湿層上にポリオレフィン層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の粉末洗剤用包装容器。
- ポリオレフィン層が、ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも一種により形成されることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の粉末洗剤用包装容器。
- 白色顔料塗工層を最内側層に形成したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の粉末洗剤用包装容器。
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