JP2009024288A - 防湿紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低塗工量の防湿層でも高い防湿性を発現し、かつ生産効率の優れた防湿紙の製造方法を提供する。
【解決手段】 紙支持体の少なくとも片面に、顔料とバインダーを含むアンダーコート塗料を塗工してアンダーコート層を形成し、該アンダーコート層が乾燥する前に、無機層状化合物と合成樹脂エマルジョンを含む防湿塗料をカーテン塗工方式で塗工して防湿層を形成することを特徴とする防湿紙の製造方法。アンダーコート塗料の顔料がカオリン、クレー、タルク、二酸化珪素、二酸化チタン、雲母からなる群より選ばれた1以上の物質であることを特徴とする前記防湿紙の製造方法。防湿塗料に含窒素化合物が含まれることを特徴とする前記防湿紙の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材紙に防湿塗料を塗工してなる防湿紙の製造方法に関する。
従来、上質紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、各種の塗工紙などの巻取及び上質紙や塗工紙の平判紙の包装には、製品の吸湿を防ぐために、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の高分子化合物を紙に塗工、ラミネート又は内部添加した耐湿性、耐水性を有する包装紙をロール状に巻き取った包装紙ロールをそのままの形状で、あるいは望みの大きさにカットして使用している。また、セメント袋、樹脂袋、塩袋、砂糖袋、飼料袋、肥料袋、ゴミ袋などの重袋用原紙では、製袋して袋詰めした後に、中身の吸湿、吸水を防止しながら重量物を搬送するために防湿性と強度が要求され、ポリエチレン、ポリプロピレンなどをクラフト紙にラミネートしたポリオレフィンラミネート紙(以下ポリラミ紙と称す)とクラフト紙を重ねたものが使用されている。さらには段ボール用のライナ原紙に防湿層を形成させたもので段ボールを耐水化、防湿化することも行われているが、このようなライナもポリラミ紙の場合が多い。
しかしながら、これらポリラミ紙は、使用後に古紙として再使用するため回収しても水に十分に離解せず、古紙として再使用できないので問題となっている。また、使用済みポリラミ紙は廃棄するにしても、処分としては焼却や埋め立てによるしかないため環境汚染となる懸念があり多くの問題を抱えており、これらに代わる防湿紙がいくつか提案されている。
例えば、ワックスを含んだホットメルト樹脂塗工あるいはワックスエマルジョン塗工などにより防湿層を形成する技術がある。しかし、ワックスを使用すると古紙として使用した時に再生された紙が滑りすぎるなどの問題があり、ワックスを使用しない防湿紙が求められていた。
ワックスを用いない防湿紙としては、本発明者等が紙支持体上に無機層状化合物と合成樹脂ラテックスと防湿性向上剤からなる塗料を塗工して防湿層を形成した防湿積層体を提案した(特許文献1参照)。この発明においては、それ自体は水蒸気を通さない顔料、例えば白雲母のような無機層状化合物を合成樹脂ラテックスなどの重合体と混合して防湿層を形成させるものである。その防湿メカニズムは、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなること、また厚み方向では無機層状化合物が防湿層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこの無機層状化合物を迂回しながら透過することから(曲路効果)、水蒸気の透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能が向上するものである。
さらに本発明者等は、低塗工量の防湿層でも防湿性を発現させるため、アルカリ金属イオン量が層全体の固形分に対して0.01〜5重量%であるアンカー層(アンダーコート層)を設け、その上に合成樹脂と無機層状化合物を含む防湿層を設けた防湿積層体製造技術を特許文献2で提案している。
しかしながら、アンカー層の上に防湿層を設けるには、バー塗工やエアナイフ塗工、ブレード塗工などの従来の塗工方式では、アンカー層に対してコーターヘッドが接触するため、アンカー層塗工後、すなわち防湿層塗工前に乾燥する必要があり、設備の増設、余分なエネルギーの消費など、製造コストが上昇する欠点があった。
一方、防湿層を形成する場合、従来はバー塗工やエアナイフ塗工、ブレード塗工が適していると考えられていた。しかしながら、基材が凹凸の大きい紙支持体であるため、塗工量ムラによる防湿層の薄い部位が発生し、防湿層塗工量10g/m未満、特には8g/m未満といった低塗工量では、防湿性の発現が難しい。
そこで、カーテン塗工方式のように原紙の表面性に沿って塗工(輪郭塗工)した方が、より少ない塗工量で同等の防湿性を発揮することが期待できる。
紙基材へのカーテン塗工技術としては、ブレード塗工におけるストリーク傷など欠陥や塗工ムラをなくした印刷用紙を製造する事を目的として、粘度700〜4000cpsの塗布液を飽和水蒸気圧以下の真空度でシェアをかけて脱泡をした後、自由落下カーテンを形成させ、ブレード塗工またはロール塗工により下塗層を設けた紙支持体に衝突させる事によるカーテン塗工を行う事が提案されている(特許文献3参照)。
また、カーテン塗工による印刷用紙において、高速塗工での微小未塗工部の発生を防ぎ、白紙品質、印刷品質を向上させるため、微粒顔料を含みかつ平滑な下塗層上に、静的表面張力40mN/m以下の上塗り塗料のカーテン塗工を行う事が提案されている(特許文献4参照)。
また、感熱紙において、発色ムラを抑え、地肌部のカブリ濃度を抑えながら、印画適性を向上させるため、ブレード塗布法により塗布形成された下塗り層上に、軽質炭酸カルシウム、非晶質シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機顔料を含む感熱記録層と、カオリン、非晶質シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機顔料と水溶性高分子を含む保護層が、同時塗布によるカーテン塗布法により塗布形成することが提案されている(特許文献5参照)。
また、インクジェット用紙などの画像記録材料において、塗工ムラを抑制し、優れた光沢性、平滑性を発現させるため、原紙面に接する塗布層が、顔料の含有量が50質量%以上であり、ブレードコーターにより塗設され、表面の塗布層が顔料の含有量が40質量%以下であり、カーテンコーターまたはスプレーコーターにより塗設することが提案されている(特許文献6参照)。
ただしこれらは、いずれも防湿塗料とは異なり、炭酸カルシウムやカオリン、あるいはシリカなど、本発明の防湿層に用いる無機層状化合物に比較すると粒子径が大きい顔料系塗料についての技術であり、また、包装材料への応用もなされていない。
特開平9−21096号公報 特開2002−337298号公報 特開平4−361696号公報 特開2006−83474号公報 特許3579392号公報 特開2006−45694号公報
本発明の目的は、低塗工量の防湿層でも高い防湿性を発現し、かつ生産効率の優れた防湿紙の製造方法を提供するものである。
本発明の第1は、紙支持体の少なくとも片面に、顔料とバインダーを含むアンダーコート塗料を塗工してアンダーコート層を形成し、該アンダーコート層が乾燥する前に、無機層状化合物と合成樹脂エマルジョンを含む防湿塗料をカーテン塗工方式で塗工して防湿層を形成する防湿紙の製造方法である。
本発明の第2は、アンダーコート塗料の顔料がカオリン、クレー、タルク、二酸化珪素、二酸化チタン、雲母からなる群より選ばれた1以上の物質である本発明の第1に記載の防湿紙の製造方法である。
本発明の第3は、防湿塗料に含窒素化合物が含まれる本発明の第1〜2のいずれかに記載の防湿紙の製造方法である。
本発明により、低塗工量の防湿層でも高い防湿性を発現し、かつ生産効率の優れた防湿紙の製造が可能となった。
以下に本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明者らは、少ない塗工量で高い防湿性能発現する防湿紙を製造するには、基材の平滑性を向上させるとともに、塗料の基材への浸透を抑制するため防湿層の下にアンダーコート層が必要である事を確認し、原紙上にアンダーコート層を塗工、乾燥の後、防湿層をバーコーターにて塗工する方法を検討した。例えば、未晒クラフト紙(坪量65g/m、厚さ100μm)の片面に、アンダーコート塗料を固形分塗工量3.0g/mとなるようにブレード方式(ベベルタイプ)にて塗工、160℃で乾燥後、防湿塗料を固形分塗工量が4.0g/mとなるようにバー方式にて塗工し、160℃で乾燥して防湿紙を得た。しかし、このようにして得られた防湿紙は、40℃90%における透湿度が、100g/m・24hと、十分な防湿性を得られなかった。これは防湿層の乾燥時において、既に乾燥したアンダーコート層により基材の通気性が減少し、裏面からの防湿塗料の水分の放出が難しくなり、塗工表面へ気泡となって現れ、火ぶくれ状の塗工欠陥(ブリスター)が生じるためである。また、製造方法において乾燥の工程が2回存在するため、生産コストは大きく上昇した。また、乾燥機は広いスペースが必要なため、機械のレイアウト上も困難な場合があった。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、紙支持体上にアンダーコート塗料を塗工してアンダーコート層を形成し、該アンダーコート層が乾燥する前に、防湿層をカーテン塗工方式により塗工して防湿層を形成する防湿紙の製造方法を見出した。
この方法により、防湿層を均一の厚みで塗工する事ができるため塗工ムラが発生せず、その結果、少ない塗工量であっても塗工量の少ない部位からの水蒸気の進入を防ぎ、透湿度が改善された。また、アンダーコート層の乾燥工程が不要になり、乾燥工程が1回のみとなるため、生産コストも大幅に下げる事が可能となった。
本発明におけるアンダーコート層は、顔料とバインダーを含むアンダーコート塗料を塗工したものである。アンダーコート層自身には防湿性は要求されない。しかし、防湿塗料が簡単に染み込んで基材まで防湿塗料成分が到達するようなピンホールや孔がない方が好ましい。また、紙支持体の孔や凹凸をカバーリングできるような塗料が好ましい。更に、上から防湿塗料を塗工した時にハジキや凝集が生じないものが好ましい。
アンダーコート層に用いられる顔料には特に制限はないが、アンダーコート層の厚さと防湿層の厚さを合計した厚さ以下の粒子径である顔料が好ましい。アンダーコート層と防湿層の厚さの合計より大きい粒子径の顔料の場合、顔料がアンダーコート層から突き出てしまい、かつ、防湿層を顔料が貫通してしまう。この場合、顔料自身や顔料の界面を水蒸気が透過して防湿性が低下する可能性があるため好ましくない。顔料粒子径の大きさとしては20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。粒子の形状には特に制限はなく、球状、板状、キュービック状、紡錘状、繊維状、コンペイ糖状などあらゆる形状の顔料が使用できるが、塗工後の平滑性を向上させるため、カオリン、雲母などの平板状のものが好ましい。顔料の具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素(シリカ、コロイダルシリカ)、カオリン、クレー、雲母、スメクタイト粘土、タルク、酸化亜鉛、サチンホワイト、などの顔料やスチレン粒子や、アクリルエステル系粒子、ポリオレフィン系粒子などの有機顔料が挙げられる。
また、アンダーコート塗料のバインダーとしては、水溶性および/または水分散性の高分子化合物を用いることができ、例えばカチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成高分子化合物等が例示でき、上記の中から目的に応じて1種以上を適宜選択して使用することができる。
本発明で使用するアンダーコート塗料には、前述した顔料、樹脂の他に、必要とあらば各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、保水剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、防腐剤、香料等を、本発明の所望の効果を失わないように、必要に応じて適宜使用することも可能である。
本発明で使用するアンダーコート塗料、及び防湿塗量は、アルカリ金属イオン量が、塗工層固形分に対して0.01〜5質量%であることが好適である。アルカリ金属イオン量は0.02〜4質量%が更に好ましく、より好ましくは0.03〜3質量%、最も好ましくは0.03〜1質量%である。アルカリ金属イオン量が0.01質量%未満になると防湿性に対する効果が頭打ちとなる。また、アルカリ金属イオン量が5質量%を超えて大きくなると防湿性が悪くなる。
アンダーコート層中のアルカリ金属イオンは、防湿層に浸透してその防湿性を損なう可能性がある。従って一定量以下に制御することが望ましい。
アルカリ金属イオン量は、塗料に使用する顔料に影響される。例えば、アンダーコート塗料の顔料として軽質炭酸カルシウムを使用する場合に、水酸化カルシウムの含有量が多いものを使用すると、カルシウムイオンが塗料中に多く溶出するため、防湿紙の防湿性を損なう場合がある。
従って、本発明においてアンダーコート層に使用する顔料としては、アルカリ金属イオンを溶出させにくいものを使用することが望ましい。本発明においては、カオリン、クレー、タルク、二酸化珪素、二酸化チタン、雲母からなる群より選ばれた1以上の物質を用いることが好ましく、カオリンが最も好適に用いられる。
なお、重質炭酸カルシウムは少量であれば使用することが可能である。
上記アルカリ金属イオン量の定量方法として、原子吸光法やイオンクロマト法が一般的であるが、本発明においては、イオンクロマト法で定量した値である。
具体的な定量方法は以下の通りである。
<塗工層中のアルカリ金属イオン量の定量方法>
塗工層表面を、防湿層がなくまるまでカミソリ刃を用いて削り出す。防湿層と亜bbダーコート(UC)層との界面は、防湿層の塗工量あるいは防湿層厚さと、削り取った防湿層重量から推定する。防湿層とUC層ではカミソリ刃で削る時の感覚(削りやすさ、固さ)や削り取られた粉末の状態が異なるため、それによっても判断可能である。UC層に到達する直前までのものを防湿層のサンプルとする。防湿層をすべて削り取り、UC層まで到達したら、UC層のサンプルを採取する。UC層のサンプルは、UC層の厚さの半分程度、深さにして界面から約5μm迄の部分から削り取った部分は使用せず、それ以上の深さの部分から削り取ったものを使用する。これは、防湿層とUC層の界面に近い部分(界面から数μm以内)のUC層は、UC層に含まれているアルカリ金属イオンが既に防湿層中に流出していると考えられ、正確なアルカリ金属イオン量が定量できないからである。なお、UC層をどこまで削り取ったかは、削り取っていない防湿積層体のUC層と防湿層の断面の電子顕微鏡写真とアンカー層を削り取った後の断面写真を比較して確認した。削り出した防湿層、UC層の各サンプルは、各々10mg前後を、0.1mg単位で測り取り、ソックスレー抽出装置の抽出管に入れて、純水100mlを入れたフラスコを下方に、還流冷却器を上方に連結する。フラスコ部をオイルバスに浸し、フラスコ内の純水を沸騰・蒸発させ12hrs抽出を行う。この抽出液をメンブランフィルターにてろ過し、室温まで冷却した後、正確に体積を測定した。この抽出液を純水にて100倍希釈してイオンクロマトグラフ(Dionex DX−120)で分析し、アルカリ金属イオン量を求めた。なお、サンプル濃度が検出限界を超えている場合は適宜希釈を行って測定した。
なお、イオンクロマトグラフの条件は以下の通りである。
カラム:Ion Pac CG3、Ion Pac CS3
溶離液:10mM塩酸、0.2mMジアミノプロピオン酸 流量:1.0ml/min
除去液:0.04M水酸化テトラメチルアンモニウム 流量:3ml/min
カラム温度:室温
検出器:電気伝導度検出器(10μS/cmF.S) 試料注入量:50μl
本発明におけるアンダーコート層の塗工量は、0.1〜20g/m、好ましくは0.5〜10g/m、より好ましくは1.0〜5.0g/mが好適な範囲である。防湿層塗工量が0.1g/m未満であると、紙支持体を十分に被覆することができず好ましくない。また塗工量が20g/mを越えると、紙支持体への被覆性が頭打ちとなるため不経済であり、アンダーコート層の中で材破が発生するなど、表面強度も低下する。
本発明においては、前述のように設けられたアンダーコート層が乾燥する前に、無機層状化合物と合成樹脂エマルジョンを含む防湿塗料をカーテン塗工方式により塗工して防湿層を設ける。
前記防湿塗料の合成樹脂エマルジョンに用いられる合成樹脂の単独被膜の防湿性は、厚さ20μm換算で透湿度が800g/m・24hr以下、好ましくは600g/m・24hr以下、より好ましくは400g/m・24hr以下である。具体的な測定方法は、上記耐水性の指標と同様に合成樹脂被膜を形成し、JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)で透湿度を測定し、該合成樹脂被膜の厚さを測定し、20μm換算の透湿度を求める。この時、透湿度は厚さに反比例すると仮定する。
防湿層を構成する合成樹脂は、水性エマルジョン(ラテックス、乳化物、マイクロエマルジョン、分散物などもエマルジョンに含まれるとする)、あるいはアルカリ水に溶解させたものが好ましい。水溶性あるいは熱水可溶性(水あるいは熱水に対する溶解度が5%以上)の合成樹脂は防湿性が上述した透湿度よりはるかに大きいため好ましくない。例えばポリビニルアルコール(PVA)は水に対する溶解度が5〜30%の範囲にあるが(溶解度は分子量あるいはケン化度に依存する)、その単独被膜(20μm)の透湿度は上述した条件化で1000g/m・24hrを越えるため、本発明では使用できない。
また、合成樹脂としては、芳香族ビニル系単量体、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体、不飽和脂肪酸系単量体、αオレフィン系単量体及びその他の共重合可能な単量体の中から1種又は2種以上を乳化重合したものが挙げられる。具体的には、芳香族ビニル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるメチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体(MBR)、芳香族ビニル系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−アクリル系共重合体、αオレフィン系単量体と不飽和脂肪酸系単量体の乳化重合から得られるエチレン−アクリル酸系共重合体、1種類あるいは2種類以上のエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の乳化重合から得られるアクリルエステル系重合体などが挙げられる。これら共重合体は、他の単量体と共重合させて使用してもかまわない。
次に単量体について詳述する。芳香族ビニル系単量体は合成樹脂に耐水性と適度な硬さを付与させるもので、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどがあり、スチレンが好適に使用される。
脂肪族共役ジエン系単量体は合成樹脂に柔軟性を付与させるもので、具体的には、ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好適に使用される。
エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体は合成樹脂に耐水性を付与させるとともに、合成樹脂の硬さやガラス転移温度(Tg)、最低造膜温度(MFT)を調整させるもので、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体などが挙げられる。
不飽和脂肪酸単量体は、合成樹脂の成膜性を向上させるとともに、共重合体の水中でのコロイドとしての安定性を高めるもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステルなどの、少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステル;アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、メタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩などの不飽和スルホン酸及びその塩が挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸が好適に使用される。
αオレフィン系単量体は合成樹脂に耐水性と柔軟性を付与させるもので具体的にはエチレン、プロピレンなどが挙げられる。
上述した単量体と共重合可能な他の単量体は、合成樹脂の耐水性を高めたり、カチオン基を導入して接着性を高めたり、架橋性の官能基を導入して強度を高めたりするもので、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル;アクリル酸β-ヒドロキシエチル、アクリル酸β-ヒドロキシプロピル及びメタクリル酸β-ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド及びその誘導体; アクリル酸グリシジル及びメタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;アクロレイン及びアリルアルコール等のビニル化合物などが挙げられる。
合成樹脂の水性エマルジョンは、上記した各単量体を用いて公知の乳化重合法により製造することができる。即ち、所望の単量体を混合し、これに乳化剤、重合開始剤等を加えて水系で乳化重合を行えばよく、一括して仕込み重合する方法、各成分を連続供給しながら重合する方法などの各種の方法が適用できる。
乳化重合用の乳化剤としてはアルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルアリルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤などが例示される。乳化剤の使用量はエマルジョンに対して要求される性質に応じて変わりうるが、一般に重合安定性を向上させる目的やエマルジョンの機械的、化学的安定性を良好にする目的には乳化剤の使用量は多いことが望ましく、乾燥皮膜の耐水性を向上させるためには逆に使用量が少ない方が望ましく、通常は単量体の合計量100質量部に対して0.1〜5質量部程度の範囲内から目的に応じて使用量が決められる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩等の水溶性タイプ、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性タイプなどが用いられる。またさらに必要に応じ、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、L-アスコルビン酸、糖類、アミン類などの還元剤を併用したレドックス系も使用することができる。それらの使用量は単量体の合計量100質量部に対して0.01〜3質量部程度とすればよい。重合反応は通常35〜90℃程度で行えばよく、反応時間は通常3〜10時間程度とすればよい。
なお、乳化重合の開始時あるいは終了後に塩基性物質を加えてpHを調整することにより、エマルジョンの重合安定性、凍結安定性、機械的安定性、化学的安定性等を向上させることができる。特に膨潤性無機層状化合物との配合安定性を得るためには、得られるエマルジョンのpHが5以上となるように調整することが好ましい。膨潤性無機層状化合物の水分散液は通常アルカリ性(pH7〜11)を示すため、混和性の面から合成樹脂のエマルジョンはアルカリ性(pH7以上)がより好ましい。塩基性物質としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用することができる。特にアンモニアが防湿性の面で好ましい。
合成樹脂水性分散体の粒子径は一般に100〜300nmであるが、粒子径150nm以下、特に60〜100nm程度の小さい粒子径の水性分散体を使用すると成膜性が向上し欠陥の少ない膜ができるため好ましい。
また、合成樹脂としてはポリエステル系樹脂、生分解性樹脂(ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリカプロラクタムなど、また、天然系生分解性樹脂も含まれる)、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂なども使用することができる。
合成樹脂のガラス転移温度(Tg)、最低増膜温度(MFT)、ゲル分率(トルエンに対する不溶分)などには特に制限はないが、Tgは−30℃〜60℃、より好ましくは−20℃〜50℃、更に好ましくは−10℃〜40℃である。MFTは70℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下が好ましい。ゲル分率は20%〜99%が好ましく、より好ましくは30%〜95%、更に好ましくは40%〜90%である。
Tgが−30℃より小さいと防湿面の粘着性が強くブロッキングを生じやすくなり、Tgが60℃を越えて大きくなると成膜性が低下して防湿性が悪くなる。MFTが70℃より大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。ゲル分率が20%未満になるとブロッキングを生じやすくなり、また、99%を越えて大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
また、本発明の合成樹脂はエマルジョンあるいはラテックスの形態で使用されるが、合成樹脂のエマルジョンあるいはラテックスはアニオン性のものが好ましい。アニオン性にするためにはカルボン酸やスルホン酸基を有するモノマーを共重合させた合成樹脂を使用することが好ましい。合成樹脂がアニオン性を示すと、無機層状化合物に吸着した含窒素化合物と強い総合作用、含窒素化合物中のアミノ基やアミド基と合成樹脂中のカルボン酸基やスルホン酸基が強いイオン結合あるいは、乾燥過程で脱水反応を起こし共有結合を形成し、耐水性が向上し、その結果防湿性が向上する。
本発明で使用できる無機層状化合物の第1としては、フィロケイ酸塩化合物が挙げられる。フィロケイ酸塩化合物に属するものは板状又は薄片状で明瞭な劈開性を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土系鉱物などがある。これらの中でも産出される時の粒子が大きく産出量が多い化合物、例えば雲母族や粘土系好物が好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母、合成マイカ)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母、カリ四ケイ素雲母、ナトリウム四ケイ素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどが挙げられる。合成マイカ、合成スメクタイトなどの合成品も本発明のフィロケイ酸塩化合物に含むものとする。
本発明に使用できる無機層状化合物の第2としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物を挙げることができる。
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質であり、ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
「カルコゲン化物」とは、IV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)及び/又はVI族(Mo,W)元素のジカルコゲン化物であって、式MX(Mは上記元素、Xはカルコゲン(S,Se,Te)を示す。)で表わされるものをいう。
粘土系鉱物(雲母類を含む)は、一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から挟んでなる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
より具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。また、白水晴雄著、「粘土鉱物学」、1988年、(株)朝倉書店などの文献を参照することができる。特にスメクタイトが好ましく、スメクタイトにはモンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどを挙げることができる。
天然品以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)の粘土が使用でき、合成スメクタイトとしては、式Na0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.09.0〜10.6(OH及び/又はF)1.5〜2.5で示されるものが挙げられる。合成スメクタイトや合成マイカの製造方法には、水熱反応法(特開平6−345419号公報)、固相反応法、熔融法(特開平5−270815号公報参照)の3つの合成方法がある。
水熱反応法は、珪酸塩、マグネシウム塩、アルカリ金属イオン、アルカリ金属塩、フッ素イオンなど各種原料を含んだ水溶液あるいは水性スラリーをオートクレーブやパイプリアクターの中で100〜400℃の高温、高圧化のもとで反応させ合成させる方法である。水熱反応法では、結晶の成長が遅いため一般に大きな粒子のものが得られなく、一般に粒子径が10〜100nmのものがほとんどである。もちろん、水熱反応においても、低濃度、低温、長時間の条件で合成すれば粒子径が1μm以上の大きな粒子を製造することは可能だが、製造コストが極端に高くなるといった問題がある。
固相反応法はタルクと珪フッ化アルカリと他の原料とともに400℃〜1000℃の範囲で数時間反応させ、合成マイカを製造する方法である。固相反応は原料のタルクの構造を残したまま元素移動を起こしマイカが生成する(トポタキシー)ため、得られる合成マイカの品質が原料のタルク物性やその不純物に依存したり、元素移動を完全にコントロールできないため合成マイカの純度や結晶化度が低いといった問題がある。
熔融法は、無水珪酸、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、珪フッ化カリウム、炭酸カリウム、その他の原料をマイカの熔融点(例えば1500℃)以上で熔融後、徐冷結晶化し、合成マイカや合成スメクタイトを製造する方法である。また、加熱方法の違いにより、外熱式熔融法と内熱式熔融法がある。外熱式熔融法は原料を入れたるつぼを熔融点以上の温度の室に入れて昇温後、熔融点以下の温度の室に移動させて製造する方法であるがるつぼの費用が高いといった問題点がある。内熱式熔融法は黒鉛(炭素)電極や金属電極を備えた容器中で通電により原料を加熱熔融させた後、冷却させる方法であり、熔融合成法においては内熱式熔融法が一般的である。熔融合成法は冷却結晶化した塊を粉砕、分級することにより粒子径をコントロールした合成品を製造することができる。熔融合成法は原料として純度が高い原料を使用することができ、熔融化するため原料が均一に混合できるため、結晶化度が高く、粒子径が大きく、純度の高い合成マイカや合成スメクタイトを製造することができるといった利点がある。

合成無機層状化合物としては、フッ素金雲母(KMgAlSi10F、熔融法又は固相反応法)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウム四ケイ素雲母(NaMg2.5Si10、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMgLiSi10、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMgLiSi10、熔融法)などの合成マイカ、ナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH)、水熱反応法)などの合成スメクタイトが挙げられる。
無機層状化合物の市販品としては、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(天然モンモリロナイト、クニミネ工業製)、スメクトン(水熱反応法合成スメクタイト、クニミネ工業社製)、ビーガム(商品名,バンダービルト社製)、ラポナイト(商品名,ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts、NTO−5(商品名,熔融法、ナトリウム四珪素雲母、トピー工業製)、ベンゲル(商品名,豊順洋行社製)、ソマシフME−100(商品名,固相反応法合成マイカ、コープケミカル製)等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。
これらの中でも、粒子径、アスペクト比、結晶性の面から熔融合成法で製造されたナトリウム四珪素雲母(トピー工業製、DMA350)等が特に好適に使用できる。
本発明において、最も好適に使用される無機層状化合物は、水中で容易に膨潤、壁開及び分散する膨潤性無機層状化合物である。膨潤性無機層状化合物の溶媒への「膨潤・へき開」性の程度は、以下の「膨潤・へき開」試験により評価することができる。該膨潤性無機層状化合物の膨潤性は、下記膨潤性試験において約5mL以上(より好ましくは約20mL以上)であることが好ましい。膨潤性の具体的なものとしては、上記クニピア(膨潤力:65mL/2g以上)、スメクトン(膨潤力:60mL/2g以上)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(膨潤力:30mL/2g以上)、ME−100(商品名,コープケミカル社製、膨潤力:20mL/2g以上)及びベンゲル(膨潤力:38mL/2g以上)等である。
一方、該膨潤性無機層状化合物のへき開性は、下記へき開性試験において約5mL以上(より好ましくは約20mL以上)の程度であることが好ましい。これらの場合、溶媒としては、膨潤性無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒を用いる。該溶媒としては、水を用いることが好ましい。
膨潤性試験を詳述する。膨潤性無機層状化合物2gを溶媒100mLにゆっくり加える(100mLメスシリンダーを容器とする)。静置後、23℃、24hr後の膨潤性無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から前者(膨潤性無機層状化合物分散層)の体積を読む。この数値が大きい程、膨潤性が高い。
へき開性試験を詳述する。膨潤性無機層状化合物30gを溶媒1500mLにゆっくり加え、分散機(浅田鉄工(株)製、デスパーMH−L、羽根径52mm、回転数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散した後(23℃)、分散液100mLをとりメスシリンダーに入れ60分静置後、上澄みとの界面から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。
また、本発明で使用するのに好ましい無機層状化合物としては、陽イオン交換容量が100g当り、30〜300meq、より好ましくは50〜250meq、特に好ましくは60〜200meqである。陽イオン交換容量が30meq/100g未満だと含窒素化合物との効果が小さくなり防湿性に優れない。また、300meq/100gを越えて大きいと塗料が凝集しやすくなり好ましくない。一般に、天然及び合成スクメタイトは85〜130meq/100gの陽イオン交換容量を有するものが本発明において特に好ましいものである。
陽イオン交換容量の測定は一般にアルコール洗浄法(Schollenberger法あるいはその改良法、和田光史(1981)粘土科学21,160−163参照)と呼ばれる測定方法で行う。無機層状化合物の粉末0.2〜1.0gあるいは約1〜3%水分散液を約10〜30mlを100ml容量の遠心分離管に採取する。1Nの酢酸アンモニウム(CHCOONH)液(pH7)を加えて約80mlとして、十分に振とうした後、遠心沈降させ上澄みを捨てる(遠沈洗浄)。遠沈洗浄を4回繰り返した後、遠心分離管に残っている余剰の塩を取り除くため80%エタノール水溶液(pH7)で遠沈洗浄を3回行う。次に10%のNaCl水溶液を用いて遠沈洗浄を4回繰り返し、遠心管の上澄み液をすべて集めて抽出液とする。抽出液のNH4を蒸留法で定量し、試料の乾燥質量(100g)当りのミリグラム当量数(meq)を陽イオン交換容量(cation exchange capacity,CEC)の値とする。なお測定は23℃の環境下で行う。また、測定は7点行い、最大値と最小値を除いた5点の平均を測定値とした。
本発明で使用する無機層状化合物としては、アスペクト比が50〜5000のものが好ましい。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは無機層状化合物の水中での平均粒子径(レーザー回折法で測定。堀場製作所LA−910.屈折率1.3、体積分布50%のメジアン径)である。aは無機層状化合物の厚さであり、厚さは、溶媒で膨潤させた無機層状化合物と水溶性高分子(PVA)の混合物(無機層状化合物と水溶性高分子の固形分の質量比は10/100が好ましい)から得られる塗工膜(フィルム上に厚さ20μ程度の厚さを形成)の断面をSEMやTEMによる写真観察によって求めることができる。断面写真は少なくとも塗工膜の5箇所から作成し、一つの断面部分から5箇所以上の断面写真を撮影し、25枚以上の断面写真画像を得る。得られた画像を画像解析ソフトで解析し平均の厚さを求める。厚さを測定する無機層状化合物の個数は500個以上が好ましく、1000個以上が特に好ましい。個数が500個未満になると測定厚さのバラツキが多くなる。
無機層状化合物の平均粒子径は0.1μm〜100μmが好ましく、とりわけ0.5μm〜50μmが好ましい。粒子径が0.1μm未満になるとアスペクト比が小さくなる上、塗工膜中で基材表面に対して平行に並びにくくなり、バリア性向上効果が不十分になる。粒子径が100μmを越えて大きくなると塗工膜から無機層状化合物が突き出てしまうことがあり好ましくない。
なお、本発明に使用する無機層状化合物は、必要に応じて、ボールミル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕分級し、所望の粒子径とした後、本発明に使用することができる。
無機層状化合物の厚さは0.5nm〜1μmが好ましく、1nm〜100nmがさらに好ましく、1nm〜10nmが特に好ましい。厚さが薄いほどアスペクト比が大きくなり、バリア性向上の効果が大きい。 防湿層における合成樹脂と無機層状化合物の配合量は、質量換算で99/1〜30/70が好ましく、より好ましくは93/7〜35/65、特に好ましくは95/5〜40/60である。無機層状化合物の配合量が1%未満になると、防湿性向上効果及び離解性向上効果が小さくなる。無機層状化合物が70%を越えて大きくなると、無機層状化合物の間を埋める樹脂が不足して、空隙やピンホールの増大を招き防湿性が悪化する。
なお、防湿層には、前述の合成樹脂、無機層状化合物に加えて、防湿性向上のために含窒素化合物が含まれた方が好ましい。
本発明で使用できる含窒素化合物は、水溶液中でカチオン性を示す化合物であれば特に制限はないが、カチオン化度が0.1〜10meq/gのものが好ましく、0.2〜7meq/gが更に好ましく、0.5〜5meq/gが特に好ましい。カチオン化度が0.1meq/g未満だと、カチオン性が弱く、無機層状化合物への吸着力が弱くなるため防湿性が悪くなり、9meq/gを越えて大きいと、塗料が凝集しやすくなり取扱いが困難となるばかりでなく、防湿性も悪化する。
含窒素化合物を具体的に挙げると、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミド化合物、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、及びポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、アミノ変性アクリルアミド系化合物、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンなどがある。また、含窒素化合物は特開平9−291499号公報に記載の含窒素化合物も使用できる。
更に、含窒素化合物としてはイミン化合物やアミン化合物と称せられるものが代表である。これらのうちイミン化合物としてはポリアルキレンイミンが代表であり、ポリエチレンイミン、アルキルあるいはシクロペンチル変性ポリエチレンイミン、エチレン尿素のイミン付加物、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、又は、これらのアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、もしくは、脂肪族環状炭化水素変性体、ポリアミドイミド、ポリイミドワニス、からなる群より選ばれたポリイミン系化合物がある。
また、アミン化合物としてはポリアルキレンポリアミンがある。例えばポリエチレンポリアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの化合物である。また同様の効果を示すものとしては、ポリアミドのポリエチレンイミド付加物などの化合物などのポリアミド、ヒドラジン化合物、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物(炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂)などのポリアミンアミド化合物、4級窒素含有アクリルポリマー、4級窒素含有ベンジルポリマー、ウレタン、カルボン酸アミン塩基を有する化合物、メチロール化メラミン、カチオン性ポリウレタンなどの化合物などの含窒素4級塩化合物がある。また、カチオン変性ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、第3級窒素含有アクリル系樹脂等などのカチオン樹脂が挙げられる(カチオン樹脂については特開平8−90898号公報、特開昭63−162275号公報、特開昭62−148292号公報を参照されたい)。更に、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などの尿素化合物やジシアンジアミド誘導体なども本発明の範疇である。
また、含窒素化合物はカチオン性を示すために、無機層状化合物のアニオン部分やアニオン性の合成樹脂エマルジョンと混合した時にショック(塗料凝集)を起こすことがある。このようなショックを防止するために塩基性物質を含窒素化合物、無機層状化合物の水溶液や合成樹脂エマルジョン中に加えてアルカリ側(pH7〜10が好ましい)に調整した方が好ましい。特に含窒素化合物に塩基性化合物を添加する方法がショック防止の効果が大きい。塩基性物質としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用することができる。特にアンモニアが防湿性の面で好ましい。
カーテン塗工機にて、落下中の防湿塗料の液膜を安定して形成させるために、塗料の表面張力を60mN/m以下とすることが好ましい。さらに好ましくは46mN/m以下、最も好ましくは42mN/m以下である。表面張力が低い方が液膜が安定して形成され均一な塗工面が得られるため好ましい。一方で表面張力が60mN/mを超えるとカーテン膜が割れやすくなり、塗工できなくなる場合がある。防湿塗料の表面張力の調整のために、アセチレン系化合物や、ポリカルボン酸塩などの濡れ剤を添加してもよい。
同じくカーテン塗工機液膜安定化のために、塗工液の粘度を10〜2500cpsとすることが好ましい。さらに好ましくは30〜2000cps、最も好ましくは50〜1000cpsである。粘度が10cps未満だと、カーテン膜が基材に着弾した時にカーテン膜が基材の進行方向と逆向きに向かってしまい、塗工欠陥(ヒール現象)となるおそれがある。粘度が2500cpsを超えると、カーテン膜が基材に着弾した時に空気を巻き込み欠陥を生じる(空気同伴現象)おそれがある。防湿塗料の粘度の調整のために、澱粉やカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、あるいはポリエーテル樹脂や、アクリル系樹脂などのアルカリ膨潤型の合成保水剤などの合成増粘剤を添加してもよい。
本発明における防湿層の塗工量は、0.1〜20g/mが好ましい。さらに好ましくは0.5〜15g/m、最も好ましくは3.0〜12.0g/mである。塗工量が0.1g/m未満の場合は、十分な防湿性を得ることができないおそれがある。また塗工量が20g/mを越えると、防湿性が頭打ちとなるため不経済であり、また防湿層の割合が大きくなることで古紙としての価値が低下する。
なお、本発明の防湿層を形成する防湿塗料には、必要に応じて、ポリカルボン酸などの分散剤、シリコーン系などの消泡剤、保水剤、色合い調整剤、無機層状化合物以外の顔料(炭酸カルシウム、クレー、カオリン、マイカ)などを添加することが可能である。
また本発明に用いられる紙基材は、パルプを主成分とするものであれば特に制限はないが、一般的に用いられている晒クラフト紙または未晒クラフト紙、又は段ボール用、建材用、白ボ−ル用、チップボ−ル用などに用いられる板紙などが好適である。更に好ましくは、ヤンキ−ドライヤ−などで強制乾燥がなされた片ツヤ紙、又は、カレンダー処理が施されたクラフト紙などである。また、本発明において、さらに印刷適性を向上させるために、防湿層を形成後、さらにカレンダー処理を施して、表面平滑性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例により詳説する。
<調整例1(アンダーコート塗料A)>
水30部に分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(固形分50%、分子量2000、商標:アロンA−210、東亞合成製)を0.07部加え攪拌し、顔料としてカオリン(平均粒子径0.3μm、商品名:Huber HG90、ヒューバー社:米国)70部を攪拌しながら加え、次に、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合ラテックス(固形分50%、商品名:OJ1000、ジェイエスアール社製)60部を攪拌しながら添加しアンダーコート塗料A(固形分62%)を得た。
<調整例2(アンダーコート塗料B)>
顔料としてカオリン(平均粒子径0.8μm、商品名:コンツアー1160、イメリス社製)63部、重質炭酸カルシウム(平均粒子径1.0μm、商品名:ハイドロカーブ60、備北粉化工業社製)7部の混合顔料を用いたこと以外は実施例1と同様にアンダーコート塗料B(固形分54%)を得た。
<調整例3(アンダーコート塗料C)>
バインダーとして、酸化澱粉(商品名:エースB、王子コーンスターチ社製)の25%水溶液40部と、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ1000)50部を用いたこと以外は実施例1と同様にアンダーコート塗料C(固形分54%)を得た。
<調整例4(アンダーコート塗料D)>
顔料としてカオリン(平均粒子径0.8μm、商品名:コンツアー1160、イメリス社製)40部、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径(1次粒子径)0.15μm、商品名:Brilliant−15、白石工業製)30部を用いたこと以外は実施例1と同様にアンダーコート塗料D(固形分54%)を得た。
<調整例5(アンダーコート塗料E)>
顔料として、軽質炭酸カルシウム(平均粒子径(1次粒子径)0.15μm、商品名:Brilliant−15、白石工業製)70部を用いたこと以外は実施例1と同様にアンダーコート塗料E(固形分54%)を得た。
<調整例6(防湿塗料A)>
水36部に25%アンモニア水溶液を0.40部加え攪拌し、含窒素化合物として変性ポリアミド系樹脂(カチオン化度2.5meq/g、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学製)4.5部を攪拌しながら加えた。
更に、攪拌しながら合成樹脂としてSBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47部、ブタジエン単量体38部、メタクリル酸15部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン製)100部を加え攪拌した。
これに無機層状化合物として膨潤性合成マイカ(ナトリウム四ケイ素雲母、NaMg2.5Si10、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)50部を攪拌しながら添加して、防湿塗料(固形分32%)を得た。
<調整例7(防湿塗料B)>
水の添加後に、ポリエーテル系粘弾性調整剤(商品名:SNシックナー601、サンノプコ社製)を0.5部加えること以外は調整例5と同様に、防湿塗料B(固形分32%)を得た。
<調整例8(防湿塗料C)>
防湿塗料Aに、アセチレン系濡れ剤(商品名:オルフィンWE003、日信化学工業社製)0.01部を加え、防湿塗料Cを得た。
<実施例1>
未晒クラフト紙(坪量70g/m、厚さ100μm)の片面に、アンダーコート塗料Aをウェット塗工量が4.8g/m(固形分塗工量3.0g/m)となるようにブレード方式(ベベルタイプ)にて塗工し、未乾燥のままアンダーコート層上に防湿塗料Aをウェット塗工量が12.5g/m(固形分塗工量4.0g/m)となるようにカーテン方式にて塗工し、160℃で乾燥して防湿紙を得た。なお塗工条件は、紙幅は800mm、塗工速度500m/分で塗工した。
ブレード塗工の条件を表1、カーテン塗工の条件を表2に示す。
Figure 2009024288
Figure 2009024288
<実施例2>
アンダーコート塗料Aの代わりにアンダーコート塗料Bを用いた事以外は、実施例1と同様にして防湿紙を得た。
<実施例3>
アンダーコート塗料Aの代わりにアンダーコート塗料Cを用いた事以外は、実施例1と同様にして防湿紙を得た。
<実施例4>
アンダーコート塗料Aの代わりにアンダーコート塗料Dを用いた事以外は、実施例1と同様にして防湿紙を得た。
<実施例5>
アンダーコート塗料Aの代わりにアンダーコート塗料Eを用いた事以外は、実施例1と同様にして防湿紙を得た。
<実施例6>
防湿塗料Aの代わり防湿塗料Bを用いた事以外は、実施例1と同様にして防湿紙を得た。
<実施例7>
防湿塗料Aの代わり防湿塗料Cを用いた事以外は、実施例1と同様にして防湿紙を得た。
<比較例1>
未晒クラフト紙(坪量65g/m、厚さ100μm)に、防湿塗料Aをウェット塗工量が12.5g/m(固形分塗工量4.0g/m)となるようにカーテン方式にて塗工し、160℃で乾燥して防湿紙を得た。
<比較例2>
未晒クラフト紙(坪量65g/m、厚さ100μm)の片面に、アンダーコート塗料Aをウェット塗工量が4.8g/m(固形分塗工量3.0g/m)となるようにブレード方式(ベベルタイプ)にて塗工し160℃で乾燥させた後、アンダーコート層上に防湿塗料Aをウェット塗工量が12.5g/m(固形分塗工量4.0g/m)となるようにエアナイフ方式にて塗工し、160℃で乾燥して防湿紙を得た。
防湿層にはブリスターが発生した。
<試験方法>
1)透湿度の測定
JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)に準じて、防湿紙の塗工面が上側にくるように測定した。
なお、透湿度の基準としては、100g/m・24hr以下であれば防湿紙として実用性がある。好ましくは、60g/m・24hr以下であり、さらに好ましくは、45g/m・24hr以下である。
2)超高湿条件の透湿度の測定
JIS−Z−0208(カップ法)B法に準じて、防湿紙の塗工面が上側にくるように測定した。ただし、測定条件は、40℃100%RHとした。
なお、超高湿条件の透湿度の基準としては、200g/m・24hr以下であれば防湿紙として実用性がある。好ましくは、120g/m・24hr以下であり、さらに好ましくは、90g/m・24hr以下である。
3)塗料の表面張力透湿度の測定
Wilhelmy法(プレート法)により、表面張力計(商品名:CVBP−Z、協和界面科学社製)を用いて測定した。
Figure 2009024288

Claims (3)

  1. 紙支持体の少なくとも片面に、顔料とバインダーを含むアンダーコート塗料を塗工してアンダーコート層を形成し、該アンダーコート層が乾燥する前に、無機層状化合物と合成樹脂エマルジョンを含む防湿塗料をカーテン塗工方式で塗工して防湿層を形成することを特徴とする防湿紙の製造方法。
  2. アンダーコート塗料の顔料がカオリン、クレー、タルク、二酸化珪素、二酸化チタン、雲母からなる群より選ばれた1以上の物質であることを特徴とする請求項1記載の防湿紙の製造方法。
  3. 防湿塗料に含窒素化合物が含まれることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の防湿紙の製造方法。
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