JP2009138841A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動変速機の制御回路の電源回路に簡単なフェールセーフ回路を付加して、電源電圧が過電圧となる異常時に、自動変速機のシフト位置を安全側に制御する。
【解決手段】車両に搭載された自動変速機5の変速制御を複数の油圧回路4の切り換えで行うものにおいて、マイコン1で車両の運転状態に応じた自動変速機の最適なシフト位置を演算し、IPD2A〜2Cによりマイコン1の出力に応じて複数の油圧回路4から自動変速機への供給油圧をオンオフし、電源電圧+Bが過電圧となった時には、マイコン1からIPD2A〜2Cへの出力状態に係らず、IPD2A〜2Cにより油圧回路4から自動変速機5への油圧の供給を遮断させ、自動変速機のシフト位置を車両の安全走行位置である3速に設定する制御装置である。
【選択図】図4
【解決手段】車両に搭載された自動変速機5の変速制御を複数の油圧回路4の切り換えで行うものにおいて、マイコン1で車両の運転状態に応じた自動変速機の最適なシフト位置を演算し、IPD2A〜2Cによりマイコン1の出力に応じて複数の油圧回路4から自動変速機への供給油圧をオンオフし、電源電圧+Bが過電圧となった時には、マイコン1からIPD2A〜2Cへの出力状態に係らず、IPD2A〜2Cにより油圧回路4から自動変速機5への油圧の供給を遮断させ、自動変速機のシフト位置を車両の安全走行位置である3速に設定する制御装置である。
【選択図】図4
Description
本発明は自動変速機の制御装置に関し、特に、自動変速機の変速制御をマイクロコンピュータの出力で油圧制御回路を駆動して行う車両において、バッテリ電圧が過度に上昇した場合には、自動変速機をフェールセーフ側のシフト位置に制御することができる自動変速機の制御装置に関する。
従来、自動車にはエンジンと変速機とが搭載されており、エンジンの回転数は変速機で適切に変速されて駆動輪に伝えられるようになっている。変速機は、従来の手動変速機に代わって、今ではシフト位置が自動的に制御される自動変速機が主流となっている。自動変速機には有段式の自動変速機(A/T)や無段変速機(CVT)等があるが、いずれも油圧によって変速制御が行われるようになっている。
また、近年の自動変速機は、マイクロコンピュータによって適切なシフト位置(A/Tの場合で、CVTではベルトで連結された2つのプーリの巻き掛け半径比)が演算され、マイクロコンピュータの出力で油圧制御回路を駆動して自動変速機に適切な油圧を与えてシフト位置(巻き掛け半径比)を変更するようになっている。
図1は従来の自動変速機(A/T)5の制御装置の構成を示すものである。
自動変速機5は図示しないエンジンの出力を変速して、図示しない車軸に伝達するものであり、シフト位置は、例えば、1速から4速の4段である。自動変速機5のシフト位置は、自動変速機5に複数の油圧回路4、この例では油圧回路4から枝分かれした3本の油圧回路4A,4B,4Cから供給される油圧の切り換えで決まるようになっている。
自動変速機5は図示しないエンジンの出力を変速して、図示しない車軸に伝達するものであり、シフト位置は、例えば、1速から4速の4段である。自動変速機5のシフト位置は、自動変速機5に複数の油圧回路4、この例では油圧回路4から枝分かれした3本の油圧回路4A,4B,4Cから供給される油圧の切り換えで決まるようになっている。
油圧回路4への油圧は、車両に搭載されたオイルタンク6に蓄えられたオイル9を、ストレーナ(濾過器)7を介してオイルポンプ8で吸い上げて供給するようになっている。また、3本の油圧回路4A,4B,4Cには、それぞれ電磁制御弁3A,3B,3Cが設けられている。電磁制御弁3A,3B,3Cには遮断バルブVA,VB,VCと、遮断バルブVA,VB,VCを開閉するソレノイドSA,SB,SCがそれぞれ設けられている。遮断バルブVA,VB,VCは、例えば、ソレノイドSA,SB,SCが通電された時に油圧回路4A,4B,4Cを開き(オンし)、通電がなくなった時に油圧回路4A,4B,4Cを閉じる(オフする)。
車両の運転状態を示すパラメータがマイクロコンピュータ1(以後マイコン1と記す)に入力されており、マイコン1は運転状態パラメータによって、エンジンの運転状態に応じた最適のシフト位置(1速〜4速)を演算する。演算したシフト位置の指令は、IPD(Intelligent Power Device)2A、2B,2Cを通じて電磁制御弁3A,3B,3CのソレノイドSA,SB,SCに入力される。IPD2A、2B,2Cは、マイコン1からの出力を増幅して電磁制御弁3A,3B,3Cを駆動する1チップ化されたパワー素子であり、パワーMOSFETで構成される。IPD2A、2B,2Cは自己保護と故障検出機能を備えた高機能パワーMOSFETであり、複合プロセス構成をとっているが、汎用の単機能パワーMOSFETと自己保護と故障検出機能とを実現するカスタムICの組み合わせで置き換えることも可能である。
IPD2A、2B,2Cには電源回路BAが接続されており、電源回路BAの電源+Bは車両に搭載された図示しないバッテリから供給される。電源回路BAには2つのトランジスタT1,T2と抵抗Rがある。マイコン1から抵抗Rを通じて信号が出力されると、トランジスタT1,T2が共にオンし、電源+Bから電源電圧がIPD2A、2B,2Cに印加される。
図2は、図1のIPD2A、2B,2Cの出力の組み合わせ、即ちオン/オフの組み合わせと自動変速機5のシフト位置の関係を示すテーブルである。
マイコン1が車両の運転状態パラメータから、自動変速機5のシフト位置を演算すると、マイコン1からIPD2A、2B,2Cに対して以下のような指令が出力される。
マイコン1が車両の運転状態パラメータから、自動変速機5のシフト位置を演算すると、マイコン1からIPD2A、2B,2Cに対して以下のような指令が出力される。
(1)自動変速機5の1速が最適であると判断した場合
IPD2Aに対してソレノイドSAをオフする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオンする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオンする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が1速になる。
IPD2Aに対してソレノイドSAをオフする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオンする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオンする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が1速になる。
(2)自動変速機5の2速が最適であると判断した場合
IPD2Aに対してソレノイドSAをオフする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオンする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオフする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が2速になる。
IPD2Aに対してソレノイドSAをオフする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオンする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオフする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が2速になる。
(3)自動変速機5の3速が最適であると判断した場合
IPD2Aに対してソレノイドSAをオフする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオフする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオフする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が3速になる。
IPD2Aに対してソレノイドSAをオフする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオフする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオフする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が3速になる。
(4)自動変速機5の4速が最適であると判断した場合
IPD2Aに対してソレノイドSAをオンする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオンする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオンする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が4速になる。
IPD2Aに対してソレノイドSAをオンする信号を出力し、IPD2Bに対してソレノイドSBをオンする信号を出力し、IPD2Cに対してソレノイド2Cをオンする信号を出力する。この結果、自動変速機5のシフト位置が4速になる。
ところで、図1に示したIPD2A、2B,2Cの電源電圧+Bは、通常は車両に搭載された図示しないバッテリの電圧である12Vである。そして、バッテリは同じく車両に搭載された発電機によって発生した電圧によって充電されるようになっている。ところが、IPD2A、2B,2Cの電源電圧+Bにはロードダンプと呼ばれる過電圧が印加される場合がある。ロードダンプは、発電機の負荷が急に無くなった時に起こる正のスパイク電圧であり、発電機が高回転、高負荷で回転している時にバッテリ端子が外れると、最も大きな値となることが知られている。
IPD2A、2B,2Cには過電圧検知機能が備えられており、過電圧時には自己保護が働き、出力がオフするようになっている。従って、IPD2A、2B,2Cに過電圧が印加された場合は、通常であれば、図2のテーブルに示すようにIPD2A、2B,2Cの出力は全てオフになるので、自動変速機5のシフト位置が3速になる。自動変速機5のシフト位置の3速は安全側のシフト位置であり、エンジン回転の高低に係らず、車両の走行が何とか行えるシフト位置である。
ところが、IPD2A、2B,2Cには製品個々のバラツキがあることがあり、各IPD2A、2B,2Cが過電圧を判定する電圧値が異なることがある。すると、過電圧の電圧値のレベルによっては全てのIPD2A、2B,2Cがオフしない状態が存在することになり、場合によっては車両の高速走行時にシフトされない方が良い1速にシフトされてしまう虞があった。これを図3を用いて説明する。
図3は、図1に示したIPD2A、2B,2Cの電源電圧(図3にはBAT電圧と記載されている)が過上昇した時の、各IPD2A、2B,2Cの電源電圧と出力電圧の関係及び自動変速機5のシフト位置の推移を時間と共に示すものである。なお、ここでは、IPD2B,2Cの過電圧閾値がIPD2Aの過電圧閾値よりも高い場合を考える。
今、自動変速機5のシフト位置が4速の時に、ロードダンプにより、電源電圧が全てのIPD2A、2B,2Cの過電圧閾値を超える電圧まで上昇すると、IPD2A、2B,2Cの電源電圧が高くなり、前述の自己保護が働いて全ての出力がオフとなる。すると、自動変速機5のシフト位置が3速になる。ロードダンプによる過電圧が過渡的であった場合は、電源電圧が次第に低下する。すると、過電圧がIPD2B,2Cの過電圧閾値を下回った時点で、IPD2B,2Cの出力がオンになり、自動変速機5のシフト位置が1速になる。この状態は好ましくないという問題点がある。なお、この後、電源電圧がIPD2Aの過電圧閾値以下になれば、自動変速機5のシフト位置が4速に戻る。
このように、従来の自動変速機5の制御装置には、IPD2A、2B,2Cの電源電圧が高くなった時の制御に問題点がある。このような問題点に対して、バッテリ電圧を常時検出し、バッテリ電圧の高電圧/低電圧状態をシフト制御用のマイコンが検出すると、この時のエンジン回転数が一定値以上である場合に、シフトソレノイドを強制的に全てオフする電子制御式自動変速機のフェールセーフ制御装置が特許文献1に記載されている。
ところが、特許文献1に記載の電子制御式自動変速機のフェールセーフ制御装置は、バッテリ電圧を常時検出し、バッテリ電圧の高電圧/低電圧状態をシフト制御用のマイコンが検出すると、この時のエンジン回転数が一定値以上である場合に、シフトソレノイドを強制的に全てオフするという複雑な制御を行うものであった。
そこで本発明は、バッテリの電圧が過電圧になった時に、このような複雑な制御を行うことなく、自動変速機の制御回路の電源回路に簡単なフェールセーフ回路を付加するだけで、電源電圧が過電圧となる異常時に、自動変速機のシフト位置を安全側の3速位置に制御することができる自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
そこで本発明は、バッテリの電圧が過電圧になった時に、このような複雑な制御を行うことなく、自動変速機の制御回路の電源回路に簡単なフェールセーフ回路を付加するだけで、電源電圧が過電圧となる異常時に、自動変速機のシフト位置を安全側の3速位置に制御することができる自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明の自動変速機の制御装置は、車両に搭載された自動変速機の変速制御を、自動変速機に油圧を供給する複数の油圧回路の切り換えで行う自動変速機の制御装置であって、車両の運転状態に応じた自動変速機の最適なシフト位置を演算する演算手段と、演算手段からの出力によって駆動され、複数の油圧回路から自動変速機への供給油圧をこの出力に応じてオンオフする複数の油圧回路駆動手段と、電源電圧が所定電圧値を超えた時に、演算手段から複数の油圧回路駆動手段への出力を無効とし、複数の油圧回路駆動手段に対して、油圧回路から自動変速機への供給油圧のオンオフの組み合わせを、自動変速機のシフト位置を車両の安全走行位置に設定するフェールセーフ指令を出力するフェールセーフ回路とを設けたことを特徴としている。
本発明によれば、自動変速機の制御回路の電源回路に構成が簡単なフェールセーフ回路を付加するだけで、電源電圧が過電圧となる異常時に、自動変速機のシフト位置を安全側の3速位置に制御することができる。
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、図1で説明した従来の自動変速機5の制御装置と同じ構成部材については、同じ符号を付して説明する。
図4は、本発明のマイコン1を用いた自動変速機5の制御回路の第1の実施例の構成を示すブロック回路図である。この実施例でも自動変速機5は4速の自動変速機である。また、自動変速機5のシフト位置は、自動変速機5に3本の油圧回路4A,4B,4Cから供給される油圧の切り換えで決まる。油圧回路4への油圧の供給も従来と同じであり、オイルタンク6内のオイル9がストレーナ7を介してオイルポンプ8で吸い上げられて供給される。
3本の油圧回路4A,4B,4Cにそれぞれ電磁制御弁3A,3B,3Cが設けられている点も同じであり、VA,VB,VCは遮断バルブ、SA,SB,SCは遮断バルブVA,VB,VCを開閉するソレノイドである。ソレノイドSA,SB,SCが通電された時に、油圧回路4A,4B,4Cから自動変速機5に油圧が供給される。マイコン1は運転状態パラメータによって、エンジンの運転状態に応じた最適のシフト位置(1速〜4速)を演算し、演算したシフト位置の指令は、IPD2A、2B,2Cを通じてソレノイドSA,SB,SCに入力される。
IPD2A、2B,2Cの電源回路BAは、2つのトランジスタT1,T2と抵抗Rから構成されている。トランジスタT2のエミッタが電源+Bに接続しており、コレクタはIPD2A、2B,2Cの電源端子にそれぞれ接続している。トランジスタT1のコレクタはトランジスタT2のベースに接続しており、エミッタは接地されている。また、トランジスタT1のベースは抵抗Rを介してマイコン1に接続されている。マイコン1から抵抗Rを通じて信号が出力されると、トランジスタT1,T2が共にオンしている時に、電源電圧がIPD2A、2B,2Cに印加される。
以上のように構成された自動変速機5の電源回路BAに、第1の実施例では、2つの抵抗R1,R2,トランジスタT0,及びコンデンサCからなるフェールセーフ回路FAを接続する。抵抗R1と抵抗R2は直列接続されており、抵抗R1の他方の端子が電源+Bに接続され、抵抗R2の他方の端子が接地されている。トランジスタT0は、そのベースが抵抗R1,R2の接続点に接続され、コレクタは電源回路BAのトランジスタT1のベースに接続されると共にマイコン1にも接続され、エミッタが接地されている。また、トランジスタT0のコレクタとグランドとの間にはコンデンサCが接続されている。
ここで、電源回路BAの電源電圧+Bが、ロードダンプによってバッテリ電圧の12Vより上昇した場合を考える。また、このとき、IPD2A、2B,2Cに製品個々のバラツキがあり、従来と同様にIPD2B,2Cの過電圧閾値がIPD2Aの過電圧閾値よりも高いとする。この場合の、電源回路BAの電源電圧+Bが過上昇した時の、フェールセーフ回路のトランジスタと電源回路のトランジスタの動作、各IPD2A、2B,2Cの電源電圧、出力電圧の関係、及び自動変速機5のシフト位置の推移を図5を用いて説明する。
今、自動変速機5のシフト位置が4速の時に、ロードダンプにより、電源電圧+Bが上昇して、全てのIPD2A、2B,2Cの電源カットの閾値を超えたとする。電源電圧+BがIPD2A、2B,2Cの電源カットの閾値を超えると、図4に示したフェールセーフ回路FAの抵抗R1,R2で分圧された電圧値が、トランジスタT0のオン電圧を超える。
すると、トランジスタT0がオンするので、トランジスタT1,T2が共にオフする。この結果、全てのIPD2A、2B,2Cの電源電圧がオフするので、IPD2A、2B,2Cは、その過電圧閾値の値に係らずオフする。すると、自動変速機5のシフト位置が3速になる。ロードダンプによる過電圧が過渡的であった場合は、電源電圧が次第に低下し、過電圧が全てのIPD2A、2B,2Cの電源カットの閾値を下回った時点でトランジスタT0がオフするので、トランジスタT1,T2が共にオンする。すると、自動変速機5のシフト位置が4速に戻る。
このように、第1の実施例では、自動変速機5のシフト位置が4速の時に、ロードダンプにより、電源電圧+Bが上昇して、全てのIPD2A、2B,2Cの電源カットの閾値を超えると、マイコン1からIPD2A、2B,2Cへの指令がどのようなものであろうと、フェールセーフ回路FAのトランジスタT0の動作により、自動変速機5のシフト位置が安全走行シフト位置である3速になる。
図6は、本発明のマイコン1を用いた自動変速機5の制御回路の第2の実施例の構成を示すブロック回路図である。この実施例の構成は、図1で説明した従来の自動変速機5の制御回路の構成と殆ど同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
第2の実施例の自動変速機5の制御回路が従来の自動変速機5の制御回路と異なる点は、電源回路BAのトランジスタT2のコレクタと各IPD2A、2B,2Cの間に、それぞれフェールセーフ回路10A,10B,10Cを設けた点である。フェールセーフ回路10A,10B,10Cの構成は全て同じであるので、図7にフェールセーフ回路10Aのみの構成を示す。
フェールセーフ回路10Aは、過電圧検出回路11と電源遮断回路12とから構成されている。過電圧検出回路11は、フェールセーフ回路10B,10Cに共通に用いることができる。電圧検出回路11には2つのトランジスタTR1,TR2と3つの抵抗RA。RB,RC及びコンデンサCAがある。また、電源遮断回路コイルと接点とを備えたリレーLがある。トランジスタTR1のベースは,電源+Bに接続する直列抵抗RB,RCからなる分圧回路の中点に接続されており、エミッタは接地されている。電源電圧+Bが所定値以上の過電圧になり、分圧回路の中点の電圧がトランジスタTR1の閾値を超えると、トランジスタTR1はオンするようになっている。
トランジスタTR1のコレクタは、一端が電源+Bに接続されている抵抗RAと一端が接地されたコンデンサCAとの接続点Qに接続されている。トランジスタTR2のエミッタは接地され、コレクタはリレーLのコイルを通じて電源+Bに接続されている。更に、リレーLの接点は、コイルに電流が流れる時にオン(実線で示す)してIPD2Aを電源+Bに接続し、コイルに電流が流れない時にオフ(破線で示す)して、IPD2Aを電源+Bから切り離すようになっている。
ここで、電源回路BAの電源電圧+Bが、ロードダンプによってバッテリ電圧の12Vより大きく上昇した場合の、フェールセーフ回路10Aの動作を図8を用いて説明する。今、ロードダンプにより、電源電圧+Bが急激に上昇して、トランジスタTR1をオンさせる閾値を超えたとする。実際には、電源電圧+Bが上昇して、抵抗RB,RCによる分圧回路の中点の電圧がトランジスタTR1をオンさせる閾値を超えるのであるが、図8にはトランジスタTR1の閾値と記載してある。電源電圧+Bが上昇してトランジスタTR1をオンさせる閾値を超えると、トランジスタTR1がオンする。トランジスタTR1がオンすると、点Qの電圧が低下するのでトランジスタTR2がオフする。
この結果、リレーLのコイルに電流が流れず、リレー接点が破線で示すようにオフするので、IPD2Aの電源が遮断される。IPD2Aの電源が遮断されると、図6に示すように、IPD2Aから電磁制御弁3AのソレノイドSAへの出力がなくなり、電子制御弁3Aから自動変速機5への油圧供給がなくなる。遮断回路10B,10Cも同様の動作をするので、電子制御弁3B,3Cからの自動変速機5への油圧供給もなくなり、自動変速機5のシフト位置が3速になる。
この後、電源電圧+Bが下降して、抵抗RB,RCによる分圧回路の中点の電圧がトランジスタTR1をオンさせる閾値を下回ると、トランジスタTR1がオフする。トランジスタTR1がオフすると、抵抗RAを通じてコンデンサCAが充電され、トランジスタTR2のベースが接続する点Qの電圧は次第に上昇する。この後、点Qの電圧がトランジスタTR2がオンする閾値を上回ると、トランジスタTR2がオンしてリレーLに電流が流れ、リレー接点が実線で示すようにオンする。よって、第2の実施例では、電源電圧+Bがバッテリ電圧の12Vより所定電圧以上に上昇した場合、トランジスタTR2がオフしている間だけ、IPD2A、2B,2Cの電源が遮断され、この間に自動変速機5のシフト位置が3速になる。
このように、第2の実施例でも、自動変速機5のシフト位置が4速の時に、ロードダンプにより、電源電圧+Bが過電圧になった場合に、フェールセーフ回路10A、10B,10CのトランジスタTR1、TR2の動作により、自動変速機5のシフト位置が安全走行シフト位置である3速になる。
なお、本発明では、実施例において有段式の自動変速機の制御について説明したが、本発明の制御装置は、無段変速機の制御装置における、電源電圧の過上昇時のフェールセーフ制御にも有効に適用することができる。
1 マイクロコンピュータ(マイコン)
2A〜2C IPD
3A〜3C 油圧回路遮断弁
4 油圧回路
5 自動変速機(A/T)
6 オイルタンク
8 オイルポンプ
9 オイル
10A〜10C、FA フェールセーフ回路
BA 電源回路
SA ソレノイド
VA バルブ
2A〜2C IPD
3A〜3C 油圧回路遮断弁
4 油圧回路
5 自動変速機(A/T)
6 オイルタンク
8 オイルポンプ
9 オイル
10A〜10C、FA フェールセーフ回路
BA 電源回路
SA ソレノイド
VA バルブ
Claims (5)
- 車両に搭載された自動変速機の変速制御を、前記自動変速機に油圧を供給する複数の油圧回路の切り換えで行う自動変速機の制御装置であって、
車両の運転状態に応じた前記自動変速機の最適なシフト位置を演算する演算手段と、
前記演算手段からの出力によって駆動され、前記複数の油圧回路から前記自動変速機への供給油圧を前記出力に応じてオンオフする複数の油圧回路駆動手段と、
電源電圧が所定電圧値を超えた時に、前記演算手段から前記複数の油圧回路駆動手段への出力を無効とし、前記複数の油圧回路駆動手段に対して、前記油圧回路から前記自動変速機への供給油圧のオンオフの組み合わせを、前記自動変速機のシフト位置を車両の安全走行位置に設定するフェールセーフ指令を出力するフェールセーフ回路とを設けたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の制御装置であって、
前記フェールセーフ回路から前記油圧回路駆動手段への指令が、前記油圧回路から前記自動変速機への供給油圧を、全てオンか全てオフの何れか一方の論理にすることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項2に記載の自動変速機の制御装置であって、
前記油圧回路にはそれぞれ電磁制御弁が設けられており、
前記油圧回路駆動手段には、前記演算回路からの出力に応じて前記電磁制御弁に制御信号を出力するパワー素子が設けられており、
前記演算手段と前記パワー素子にはトランジスタ回路を通じて電源電圧が供給され、
前記電源電圧が所定電圧値を超えた時に、前記フェールセーフ回路は前記トランジスタ回路から前記パワー素子への電源供給を遮断し、
前記パワー素子は、電源供給が遮断されると前記電磁制御弁に前記油圧回路を遮断して、前記供給油圧をオフするように動作することを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項3に記載の自動変速機の制御装置であって、
前記トランジスタ回路から前記各パワー素子への電源供給回路の途中に、指令によって前記電源供給回路を遮断するリレーが設けられており、
前記フェールセーフ回路は、前記電源電圧が基準値以上になった時に動作するトランジスタを備えており、
前記トランジスタ回路が動作した時に、一時的に前記リレーへの指令を出力する時定数回路を備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の制御装置であって、
前記複数の油圧回路駆動手段は、それぞれ、供給されている電圧が所定電圧値を超えた場合に、供給油圧のオンオフ状態を、前記自動変速機のシフト位置が、車両の安全走行位置になる状態にするフェールセーフ機能を備えているものであり、
前記フェールセーフ回路がフェールセーフ指令を出力する所定電圧値は、前記複数の油圧回路駆動手段のそれぞれがフェールセーフ機能を作動させる全ての所定電圧値よりも低く設定されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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CN106838296A (zh) * | 2017-02-10 | 2017-06-13 | 中国第汽车股份有限公司 | 一种轿车机械式自动变速器电控单元安全监控系统 |
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2007
- 2007-12-05 JP JP2007314948A patent/JP2009138841A/ja not_active Withdrawn
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