JP2009138083A - フォトレジスト用樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本フォトレジスト用樹脂の製造方法は、溶剤の存在下で重合性化合物を重合させることによりフォトレジスト用樹脂を製造する方法であって、(1)フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、(2)再沈殿により精製する精製工程と、(3)精製後のフォトレジスト用樹脂を含有するスラリー溶液を冷却する冷却工程と、(4)冷却された前記スラリー溶液を濾過することによりフォトレジスト用樹脂を分離する濾過工程と、を備える。
【選択図】なし
Description
そして、このような放射線による照射に適した、レジスト形成用の感放射線性樹脂組成物、多層レジストにおける上層膜や下層膜(反射防止膜等)を形成するための樹脂組成物等のフォトリソグラフィーに使用される樹脂組成物が数多く提案されている。
従って、前記樹脂を製造する際には、これらの不純物を除去する精製工程が必要であり、従来より、再沈殿による樹脂の精製工程を備える樹脂の製造方法や精製方法が各種知られている(例えば、特許文献1〜3等参照)。
[1]溶剤の存在下で重合性化合物を重合させることにより、フォトレジスト用樹脂を製造するフォトレジスト用樹脂の製造方法であって、(1)フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、(2)再沈殿により精製する精製工程と、(3)精製後のフォトレジスト用樹脂を含有するスラリー溶液を冷却する冷却工程と、(4)冷却された前記スラリー溶液を濾過することにより、フォトレジスト用樹脂を分離する濾過工程と、を備えることを特徴とするフォトレジスト用樹脂の製造方法。
[2]前記冷却工程における前記スラリー溶液の冷却前後の温度差が、5〜20℃である前記[1]に記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
[3]前記冷却工程における前記スラリー溶液の冷却後の温度が、−10〜30℃である前記[1]又は[2]に記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
[4]前記精製工程において用いられる貧溶媒が、アルコール系溶媒及び炭化水素系溶媒のうちの少なくとも一方である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法は、溶剤の存在下で重合性化合物を重合させることにより、フォトレジスト用樹脂を製造する方法であって、(1)フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、(2)再沈殿により精製する精製工程と、(3)精製後のフォトレジスト用樹脂を含有するスラリー溶液を冷却する冷却工程と、(4)冷却された前記スラリー溶液を濾過することにより、フォトレジスト用樹脂を分離する濾過工程と、を備えることを特徴とする。
前記樹脂溶液調製工程では、重合性化合物を溶剤の存在下で重合させることによりフォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液が調製される。
前記重合性化合物としては、通常、レジスト形成用の感放射線性樹脂組成物、多層レジストにおける上層膜や下層膜(反射防止膜等)を形成するための樹脂組成物等のフォトリソグラフィーに使用される樹脂組成物に含まれるフォトレジスト用樹脂の製造に用いられるエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(単量体)を挙げることができる。
また、ラクトン構造以外の極性基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基等のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
また、前記カルボン酸にエステル置換する酸安定性非極性置換基の例としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、2−アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基等が挙げられる。
レジスト形成用のポジ型感放射線性樹脂組成物に含まれる樹脂中の各繰り返し単位の組成比は、レジストとしての基本性能を損なわない範囲で選択することができる。即ち、一般に、繰り返し単位(1)は10〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜60モル%である。また、繰り返し単位(2)の組成比は30〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは40〜90モル%であるが、同一の極性基を有する単量体単位については、70モル%以下とすることが好ましい。更に、繰り返し単位(3)の組成比は、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは40モル%以下である。
前記フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液は、例えば、重合開始剤を使用し、更には必要に応じて連鎖移動剤を使用し、前述の重合性化合物(即ち、重合性不飽和単量体)を適当な溶媒中で重合させることにより得ることができる。
一般に、樹脂の重量平均分子量が高すぎると、塗膜形成時に使用される溶媒やアルカリ現像液への溶解性が低くなる傾向にある。一方、重量平均分子量が低すぎると、塗膜性能が悪くなる傾向にある。そのため、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)は、2000〜40000の範囲になるよう調整することが好ましく、より好ましくは3000〜30000である。
前記精製工程では、再沈殿により、不純物(特に、残存モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー等の低分子成分)が除去されて、共重合体(フォトレジスト用樹脂)の精製が行われる。尚、前記低分子成分の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行うことができる。
前記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。これらのアルコール系溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記炭化水素系溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素系溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記冷却工程では、精製処理されたフォトレジスト用樹脂を含有するスラリー溶液が冷却される。
この冷却工程においては、前記スラリー溶液の冷却前後の温度差が5〜20℃(より好ましくは8〜15℃、更に好ましくは10〜15℃)となるように冷却することが好ましい。この冷却前後の温度差が5〜20℃である場合には、後述の濾過工程における濾過速度を十分に向上させることができる。尚、この温度差が5℃未満の場合には、濾過速度を十分に向上させることができないおそれがある。一方、20℃を超える場合には、冷却に要する時間が長くなり工程時間短縮を達成できないおそれがある。更に、精製工程において分離した不純物が析出することにより、精製が不十分になるおそれがある。
尚、前記スラリー溶液を冷却するための冷却手段は特に限定されないが、例えば、容器の外部及び/又は内部に、温度制御用ジャケット等の温度制御が可能な設備が配設された容器等を用いたり、外部の冷却装置にスラリー溶液を送り、循環させることにより、スラリー溶液を冷却することができる。
前記濾過工程では、冷却処理されたスラリー溶液が濾過され、フォトレジスト用樹脂が分離される。
この濾過工程における濾過方法は特に限定されず、従来の樹脂の製造方法において、樹脂を含有するスラリー溶液を固液分離する際に用いられている濾過装置等により濾過を行うことができる。尚、この濾過工程は、大気圧下で行ってもよいし、窒素ガス等を用いて加圧下若しくは減圧下で行ってもよい。
500mLのジムロート管のある三口フラスコに、重合溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)86.5gをいれて十分に窒素置換した後、スリーワンモーターで攪拌しながら80℃まで昇温した。その後、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(NLM)35.5g、及び2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(MAdMA)47gをMEK168gに溶かした溶液と、アゾビスイソブチロニトリル1.48gをMEK7.4gに溶かした溶液と、をそれぞれ滴下漏斗により3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間熟成した後、室温まで冷却して樹脂溶液を調製した。尚、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果、モノマーの転化率は90%であり、樹脂100質量%に対する残存モノマー量は約11質量%であった。また、得られた樹脂について、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した結果、分子量分布(分散度Mw/Mn)は1.73であった。
次いで、得られたスラリー溶液を、温度制御可能なタンクに移し、溶液温度が15℃となるまで冷却した。
その後、容器底部にテフロン製のろ布(通気量;3.0cm3/cm2・sec、濾過面積:9.62cm2)を張った加圧濾過器を用い、0.2MPaで窒素加圧された条件にて、冷却されたスラリー溶液(600g)を濾過することで白色固体を得た。尚、この際の濾過時間は12分であった。
次いで、得られた白色固体を100gのメタノールを用いて洗浄する作業を2回繰り返すことで樹脂溶液の更なる精製を行った。そして、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100質量%に対する残存モノマー量は0.08質量%であった。更に、分子量分布は1.47であった。
東ソー(株)製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
実施例1と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約25質量%)を調製し、得られた樹脂溶液100gを25℃に設定された500gのメタノール液中に12.5g/minの滴下速度で滴下し、再沈殿を実施することにより白色のスラリー溶液(溶液温度;25.5℃)を得た。
次いで、得られたスラリー溶液を、温度制御可能なタンクに移し、溶液温度が15℃となるまで冷却した。
その後、容器底部にテフロン製のろ布(通気量;1.0cm3/cm2・sec、濾過面積:9.62cm2)を張った加圧濾過器を用い、0.2MPaで窒素加圧された条件にて、冷却されたスラリー溶液(600g)を濾過することで白色固体を得た。尚、この際の濾過時間は13分であった。
次いで、得られた白色固体を100gのメタノールを用いて洗浄する作業を2回繰り返すことで樹脂溶液の更なる精製を行った。そして、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100質量%に対する残存モノマー量は0.09質量%であった。更に、分子量分布は1.49であった。
実施例1と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約25質量%)を調製し、得られた樹脂溶液100gを25℃に設定された500gのメタノール液中に12.5g/minの滴下速度で滴下し、再沈殿を実施することにより白色のスラリー溶液(溶液温度;25.3℃)を得た。
その後、得られたスラリー溶液(600g)を冷却せず、容器底部にテフロン製のろ布(通気量;3.0cm3/cm2・sec、濾過面積:9.62cm2)を張った加圧濾過器を用い、0.2MPaで窒素加圧された条件にて濾過することで白色固体を得た。尚、この際の濾過時間は30分であった。
次いで、得られた白色固体を100gのメタノールを用いて洗浄する作業を2回繰り返すことで樹脂溶液の更なる精製を行った。そして、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100質量%に対する残存モノマー量は0.08質量%であった。更に、分子量分布は1.48であった。
実施例1と同様にして樹脂溶液(樹脂濃度;約25質量%)を調製し、得られた樹脂溶液100gを25℃に設定された500gのメタノール液中に12.5g/minの滴下速度で滴下し、再沈殿を実施することにより白色のスラリー溶液(溶液温度;25.6℃)を得た。
その後、得られたスラリー溶液(600g)を冷却せず、容器底部にテフロン製のろ布(通気量;1.0cm3/cm2・sec、濾過面積:9.62cm2)を張った加圧濾過器を用い、0.2MPaで窒素加圧された条件にて濾過することで白色固体を得た。尚、この際の濾過時間は32分であった。
次いで、得られた白色固体を100gのメタノールを用いて洗浄する作業を2回繰り返すことで樹脂溶液の更なる精製を行った。そして、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果、樹脂100質量%に対する残存モノマー量は0.09質量%であった。更に、分子量分布は1.49であった。
Claims (4)
- 溶剤の存在下で重合性化合物を重合させることにより、フォトレジスト用樹脂を製造するフォトレジスト用樹脂の製造方法であって、
(1)フォトレジスト用樹脂を含有する樹脂溶液を調製する樹脂溶液調製工程と、
(2)再沈殿により精製する精製工程と、
(3)精製後のフォトレジスト用樹脂を含有するスラリー溶液を冷却する冷却工程と、
(4)冷却された前記スラリー溶液を濾過することにより、フォトレジスト用樹脂を分離する濾過工程と、を備えることを特徴とするフォトレジスト用樹脂の製造方法。 - 前記冷却工程における前記スラリー溶液の冷却前後の温度差が、5〜20℃である請求項1に記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
- 前記冷却工程における前記スラリー溶液の冷却後の温度が、−10〜30℃である請求項1又は2に記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
- 前記精製工程において用いられる貧溶媒が、アルコール系溶媒及び炭化水素系溶媒のうちの少なくとも一方である請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
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