JP2009136186A - 発泡性アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料の一部として麦芽及びホップを使用せず、発酵促進物質として発芽豆類を使用しながら、凍結混濁の発生を効果的に防止できる発泡性アルコール飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】原料の一部に発芽豆類を使用して発酵前液を調製する発酵前工程10と、前記発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う発酵工程20とを含み、更に耐熱性α−アミラーゼを添加する発酵前液を調製する工程を含む発泡性アルコール飲料の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、発泡性アルコール飲料及びその製造方法に関し、特に、凍結混濁の防止に関する。
ビールを凍結させた場合に生じる混濁は、凍結混濁と呼ばれる。従来、このビールにおける凍結混濁は、例えば、特許文献1に記載されているように、当該ビールに含まれるβ−グルカンが不溶化することによって生じることが知られていた。
特開2000−2700号公報
一方、本発明の発明者らは、原料の一部として発芽豆類を使用することで、当該発芽豆類の使用に特有の香味等、従来にない特性を備えた発泡性アルコール飲料を独自に開発している。
そして、発明者らは、その開発の過程において、原料の一部として発芽豆類を使用して製造した発泡性アルコール飲料は、β−グルカン含有量がビールに比べて顕著に低いにもかかわらず、凍結混濁が生じるという課題に直面した。
本発明は、このような発芽豆類の使用に特有の課題を解決するために為されたものであって、原料の一部として発芽豆類を使用しながら、凍結混濁の発生を効果的に防止できる発泡性アルコール飲料及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、原料の一部に発芽豆類を使用して発酵前液を調製する発酵前工程と、前記発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行わせる発酵工程と、を含み、α−アミラーゼを添加することを特徴とする。本発明によれば、原料の一部として発芽豆類を使用しながら、凍結混濁の発生を効果的に防止できる発泡性アルコール飲料の製造方法を提供することができる。また、この発泡性アルコール飲料の製造方法がろ過工程を含む場合には、当該ろ過工程におけるろ過抵抗を効果的に低減することもできる。
ここで、本発明でいうアルコール飲料とは、例えば、エタノールを1体積%以上の濃度で含有する飲料である。そして、本発明でいう発泡性アルコール飲料とは、ビール、発泡酒、その他の炭酸ガスを含有するアルコール飲料であって、例えば、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡もち特性と、を有するアルコール飲料であり、具体的には、EBC(European Brewery Convention:欧州醸造協会)法によるNIBEM値(泡もち特性を表す単位)で50以上を示すアルコール飲料である。
また、前記発酵前工程において、前記原料の一部として、麦芽を使用することなく、前記発芽豆類を使用して前記発酵前液を調製することを特徴とする。こうすれば、発芽豆類の使用に由来する香味等、従来にない特性をより一層際立たせつつ、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。また、前記発酵前工程において、前記発芽豆類を、前記原料に対して0.01重量%〜0.35重量%の範囲内で使用して前記発酵前液を調製することを特徴とする。こうすれば、発芽豆類の使用に特有の香味等のバランスを特に優れたものとしつつ、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。また、前記発酵前工程において、前記α−アミラーゼを添加して、加熱された前記発酵前液中で前記α−アミラーゼによる酵素反応を行わせることを特徴とする。こうすれば、α−アミラーゼによる酵素反応を効率よく行うことにより、製造に要する時間及びコストを低減しつつ、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。また、前記α−アミラーゼとして、至適温度が80℃以上のα−アミラーゼを使用し、80℃以上に加熱された前記発酵前液中で前記酵素反応を行わせることを特徴とする。こうすれば、発酵前液中における発芽豆類からの成分溶出や他の原料の溶解を効率よく行うと同時に、α−アミラーゼによる酵素反応を効率よく行うことにより、製造に要する時間及びコストを低減しつつ、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。また、前記発芽豆類として、発芽エンドウ、発芽緑豆、発芽ウズラ豆、発芽小豆からなる群より選択される少なくとも1つを使用することを特徴とする。こうすれば、凍結混濁を生じさせやすい発芽エンドウ、発芽緑豆、発芽ウズラ豆、又は発芽小豆を使用しながら、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料は、上述したいずれかの製造方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、原料の一部として発芽豆類を使用しながら、凍結混濁の発生が効果的に防止された発泡性アルコール飲料を提供することができる。特に、この発泡性アルコール飲料が、原料の一部として麦芽を使用することなく製造された場合には、発芽豆類の使用に特有の香味等、従来にない特性をより一層際立たせることができる。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。
まず、本実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法(以下、「本方法」という。)について、その概要を説明する。
本方法において特徴的なことの一つは、原料の一部として発芽豆類を使用する点である。すなわち、原料の一部として発芽豆類を使用することにより、当該発芽豆類の使用に特有の香味等、従来にない特性を備えた発泡性アルコール飲料を製造することができる。
具体的に、例えば、本方法において、原料の一部として、発芽エンドウを使用した場合には、該発芽エンドウの使用に由来する華やかなエステル香味を備え、すっきりとして飲みやすい発泡性アルコール飲料を製造することができる。
一方、本発明の発明者らは、このようにして製造された発泡性アルコール飲料において、発芽豆類の使用に特有の凍結混濁が生じ得ることを独自に見出した。発明者らが検討を行ったところ、この凍結混濁は、従来ビールで知られていた凍結混濁とは異質のものであった。すなわち、この凍結混濁は、従来ビールにおける凍結混濁の原因となる成分として知られていたβ−グルカンによるものではなく、発芽豆類に由来する他の成分によるものであることが確認された。
また、本発明の発明者らは、この発泡性アルコール飲料の製造過程でろ過を行う場合には、例えば、ビールに比べて、そのろ過性が低い、すなわちろ過抵抗が大きいこともまた独自に見出した。
これに対し、本方法において特徴的なことの他の一つは、αーアミラーゼ(すなわち、デンプンのα−1,4グリコシド結合をランダムに切断するエンド型のアミラーゼ)を添加する点である。すなわち、本方法においては、発芽豆類の使用に特有の凍結混濁やろ過性の低下を防止するために、製造工程のうち少なくとも一部の工程でαーアミラーゼを添加する。
このα−アミラーゼの添加によって、本方法により製造される発泡性アルコール飲料において、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。また、このα−アミラーゼの添加によって、本方法におけるろ過性を改善することもできる。このように、本方法は、原料の一部として発芽豆類を使用する場合において、凍結混濁防止剤或いはろ過性改善剤として、又は凍結混濁防止とろ過性改善とを同時に達成する助剤として、α−アミラーゼを、使用することの有効性を見出したことに基づくものであるということもできる。
本実施形態に係る発泡性アルコール飲料(以下、「本飲料」という。)は、このような本方法によって製造される。したがって、本飲料は、発芽豆類の使用に特有の香味等、従来にない優れた特性を備えながら、当該発芽豆類の使用に特有の凍結混濁の発生が確実に防止された、新規な発泡性アルコール飲料とすることができる。
次に、本方法の詳細について説明する。図1は、本方法に含まれる主な工程を示す説明図である。図1に示すように、本方法は、発酵前工程10、発酵工程20、発酵後工程30を含んでいる。
発酵前工程10においては、原料の一部に発芽豆類を使用して発酵前液を調製する。ここで、発芽豆類は、発芽していない豆類(以下、「生豆類」という。)を所定の湿潤状態で所定時間維持する発芽処理を行うことにより準備することができる。
具体的に、例えば、生豆類を所定温度の水に所定時間浸すこと(浸豆処理)により発芽豆類を得ることができる。この浸豆処理に使用する水の温度や浸豆時間(豆類を水に浸し始めてからの経過時間)等の処理条件は、使用する豆類の種類や量、本飲料に付与すべき特性等の条件に応じて適宜設定することができる。例えば、水の温度は、0℃〜40℃の範囲内とすることができ、好ましくは10℃〜20℃の範囲内とすることができる。また、浸豆時間は、例えば、1時間〜48時間の範囲内とすることができ、好ましくは6時間〜30時間の範囲内とすることができる。このような浸豆後の豆類を発芽豆類として使用することができる。
また、例えば、発芽していない豆類に上述のような浸豆処理を施すとともに、さらに所定温度の湿潤空気に所定時間曝す処理を施すことにより発芽豆類を得ることもできる。すなわち、この場合、例えば、浸豆後の豆類を網状の床面に置いて、当該床面の下方から所定温度の湿度100%の空気を送りこむ。この湿潤空気の温度や送風時間(湿潤空気の送風を開始してからの経過時間)等の条件は、使用する豆類の種類や量、本飲料に付与すべき特性等の条件に応じて適宜設定することができる。例えば、湿潤空気の温度は、0℃〜40℃の範囲内とすることができ、好ましくは、5℃〜20℃の範囲内とすることができ、特に好ましくは12℃前後とすることができる。また、送風時間は、例えば、1時間〜12日とすることができ、好ましくは12時間〜9日とすることができ、さらに好ましくは1日〜6日とすることができる。送風時間を1時間〜12日とすることにより、発芽豆類の使用に由来する香味等の優れた特性を本飲料に十分に付与することができ、12時間〜9日とした場合には、当該特性をさらに向上させることができ、1日〜6日とした場合には、当該特性を特に好ましいものとすることができる。このような浸豆及び湿潤空気送風を施した豆類を発芽豆類として使用することができる。
また、例えば、さらに焙燥した発芽豆類を準備することもできる。この場合、上述のようにして得られた発芽豆類を乾燥させ、焙燥する。すなわち、発芽豆類の温度を、発芽処理時の温度程度から50℃〜90℃に徐々に昇温させるよう、当該発芽豆類に対する乾燥空気の送風温度を徐々に上昇させる。これにより、発芽豆類の水分を十分に蒸発させるとともに、さらに加熱して、50℃〜90℃で所定時間保持する焙燥を行うことができる。また、この焙燥においては、発芽豆類を煮沸させて当該発芽豆類に含まれるデンプンのアルファ化等を行った後、当該煮沸後の発芽豆類を乾燥させることもできる。なお、このようにして得られた発芽豆類は、粉砕したものを好ましく使用することができる。
発芽させる豆類の種類は、発芽させて発酵前液の原料の一部として使用することで、発芽させた当該豆類に特有の香味等の特性を本飲料に付与できるものであれば特に限られない。
すなわち、例えば、エンドウ、緑豆、ウズラ豆、小豆、大豆、黒豆、大正金時、トラ豆、ヒヨコ豆、ソラ豆、ハナ豆、ヒラ豆、ヒタシ豆からなる群より選択される少なくとも1つを使用することができ、好ましくはエンドウ、緑豆、ウズラ豆、小豆、大豆、黒豆、大正金時を使用することができ、より好ましくエンドウ、緑豆、ウズラ豆、小豆を使用することができる。
なお、発芽豆類のなかには、本方法で使用する条件(発芽日数や添加量等)によって、凍結混濁やろ過性の低下を生じさせないものもある。ただし、本方法による凍結混濁の防止やろ過性の改善といった効果が、どのような発芽豆類を使用した場合に特に顕著となるかについては、検討の対象となる発芽豆類を使用して発酵前液や発泡性アルコール飲料を製造し、その凍結混濁やろ過性を評価することによって容易に確認することができる。
そして、例えば、上述のような、β−グルカン以外の成分に起因する凍結混濁を生じさせるような発芽豆類を使用する場合には、本方法による効果が特に顕著となる。ここで、凍結混濁がβ−グルカン以外の成分に起因するものであるかどうかは、例えば、発酵前液や発泡性アルコール飲料に含まれるβ−グルカンの量とビールに含まれるβ−グルカンの量と比較し、又は当該発酵前液や発泡性アルコール飲料にβ−グルカナーゼを添加することによって凍結混濁を防止できるかどうかを検討することによって容易に確認することができる。
この点、上述した発芽豆類のうち、発芽エンドウ、発芽緑豆、発芽ウズラ豆、発芽小豆を使用した場合には、特に凍結混濁が生じやすいため、本方法による効果が特に顕著なものとなる。
さらに、発芽エンドウを使用した場合には、本飲料は、発芽させていないエンドウを使用した場合の豆臭、粉臭、不純な香りが消失するとともに、酵母発酵に特有の香味成分と発芽エンドウに特有の香味成分との相乗効果による良好なエステル香を有し、適度な酸味と甘みをも有し、その味わいはすっきりしたスムーズなものとなり、さらに泡もちが向上し、切れやのどごしも良好になるという、発芽エンドウに特有の極めて優れた特性を備えることができる。
また、発芽緑豆を使用した場合には、本飲料は、発芽させていない緑豆を使用した場合に比べて雑味やエグ味が低減され、酸味と甘味とが適度に増加するとともに、泡もちが良好で、発芽緑豆に特有のすっきりした味わいを有するという、発芽緑豆に特有の優れた特性を備えることができる。
また、発芽豆として発芽ウズラ豆を使用した場合には、本飲料は、発芽処理を施していない生ウズラ豆を使用した場合に比べて味に厚みが付与され、水っぽさが解消され、エステル香が高まるとともに、泡もちが良好で、発芽ウズラ豆に特有のマイルドな味わいを有するという、発芽ウズラ豆に特有の優れた特性を備えることができる。
また、発芽豆として発芽小豆を使用した場合には、本飲料は、発芽処理を施していない生小豆を使用した場合に比べて渋味や比較的強い酸味が低減され、切れが増し、エステル香が高まるとともに、泡もちが良好で、発芽小豆に特有の良好な味わいを有するという、発芽小豆に特有の優れた特性を備えることができる。
また、発酵前工程10においては、原料の一部として、麦芽を使用することなく、発芽豆を使用して発酵前液を調製することもできる。すなわち、例えば、原料の一部として、麦芽を使用することなく、発芽豆類及びホップを使用して発酵前液を調製することができる。また、発酵前工程10においては、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽豆類を使用して発酵前液を調製することもできる。
麦芽を使用しない場合には、発酵前液中に当該麦芽に由来するα−アミラーゼが含まれないこととなるため、発芽豆類の使用に特有の凍結混濁が生じやすくなる。したがって、この場合には、本方法における外部からのα−アミラーゼの添加による効果がより顕著なものとなる。また、麦芽を使用せず、又は麦芽及びホップのいずれも使用しない場合には、特に、発芽豆類の使用に由来する特有の香味が際立った本飲料を製造することができる。
また、発酵前液の原料としては、発芽豆類以外にも、酵母の栄養源を使用する。すなわち、例えば、酵母が資化できる炭素源と窒素源とを使用する。
炭素源としては、後述の発酵工程20において使用される酵母がアルコール発酵に利用できるものであれば特に限られず任意のものを選択して使用することができる。すなわち、例えば、穀物から抽出されたデンプンを分解酵素や酸による加水分解によって分解して得られた、酵母が利用可能な発酵性糖を使用することができる。
具体的には、トウモロコシ、馬鈴薯、米、小麦、大麦等から抽出されたデンプンを、アミラーゼ等の分解酵素を用いて低分子化することにより得られた精製糖類(例えば、グルコースやフルクトース等の単糖類や、マルトースやシュクロース等の二糖類を含む液状又は粉状の糖類)を使用することができ、好ましくは、トウモロコシ由来の液糖を使用することができる。
窒素源としては、酵母がアルコール発酵に利用できるものであれば特に限られず任意のものを選択して使用することができる。すなわち、例えば、穀物から抽出されたタンパク質やペプチド、これらを分解酵素や酸による加水分解によって分解して得られた含窒素化合物を使用することができる。
また、エンドウ、緑豆、ウズラ豆、大豆、小豆、黒豆、大正金時、トラ豆、ヒヨコ豆、ソラ豆、ハナ豆、ヒラ豆、ヒタシ豆等の豆類から抽出されたタンパク質をプロテアーゼ等の分解酵素によって低分子化して得られたアミノ酸やペプチドを使用することもでき、好ましくは、エンドウ由来タンパク質の酵素分解物を使用することができる。
また、発酵前液の原料の一部としては、必要に応じて、着色、香味の付与、泡もちの向上、発酵効率の向上等、本飲料に所望の特性を付与し、又は本方法の生産性を向上させるために有効な他の原料をさらに使用することができる。
すなわち、例えば、本飲料にビール様の外観や、香ばしさを付与するためにカラメル色素を使用することができ、本飲料の泡もちを向上させるために好ましいタンパク質を使用することができ、発酵効率を向上させるために硫酸アンモニウムや酵母エキスを使用することができる。
なお、原料の一部として発芽豆類を用いることにより、当該原料は、当該発芽豆類に由来する、酵母がアルコール発酵に利用可能な炭素源や、タンパク質、ペプチド、アミノ酸等の窒素源、泡もちを向上させるタンパク質等を含むこともできる。このため、本方法においては、原料の一部として必ずしも麦芽を使用する必要がない。すなわち、本飲料は、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく製造することができる。この場合、発芽豆類由来の特性を効果的に引き出すことができる。
発酵前工程10においては、上述のようにして準備した発芽豆類、炭素源、窒素源、及び水を少なくとも使用して、発酵前液を調製する。すなわち、例えば、発芽豆類、炭素源、窒素源を所定の比率で所定温度の湯に溶解して、発酵工程20における酵母の添加に適した無菌状態の発酵前液を調製する。
ここで、原料中に占める発芽豆類の使用比率は、本飲料に付与すべき特性に応じて任意に決定することができ、例えば、従来のビール等の製造における麦芽の使用比率に比べて顕著に少ない比率とすることができる。
具体的に、例えば、発芽豆類の使用比率は、原料のうち、0.01重量%〜0.35重量%の範囲内とすることができ、好ましくは、0.05重量%〜0.30重量%の範囲内とすることができ、特に好ましくは、0.10重量%〜0.15重量%の範囲内とすることができる。
発芽豆類の使用比率が0.35重量%より大きい場合、及び0.01重量%より小さい場合のいずれの場合にも、当該発芽豆類に特有の特性を本飲料に付与することができないことがある。これに対し、発芽豆類の使用比率を0.01重量%〜0.35重量%の範囲内とすることにより、当該発芽豆類に特有の香味等の特性を本飲料に効果的に付与することができる。さらに、発芽豆類の使用比率を0.05重量%〜0.30重量%の範囲内とした場合には、例えば、発芽豆類に特有のエステル香等に基づく香味バランスに優れ、切れや泡もちがより向上した本飲料を製造することができる。
また、特に、0.10重量%〜0.15重量%の範囲内とした場合には、例えば、発芽豆類に特有の香味バランスが一層優れたものとなり、切れや泡もちが一層向上し、すっきりしたスムーズな味わいを有する本飲料を製造することができる。
また、発芽豆類以外の炭素源及び窒素源は、予め互いに独立に調製されたものを使用することもできる。すなわち、例えば、発酵前工程10においては、酵母が利用可能な状態になるように、互いに独立に精製された炭素源と窒素源とをそれぞれ準備し、当該精製炭素源と精製窒素源とを湯に溶解して発酵前液を調製することができる。この場合、発酵前工程10においては、ビールの醸造等で行われている糖化処理を行うことなく発酵前液を調製することができる。
また、原料の一部としてカラメル色素を用いた場合には、本飲料は、ビールに類似した色度を有するのみならず、カラメル色素に由来する特有の香ばしさ(焙煎香)を有することができ、視覚的及び味覚的にもより好ましいビール様の発泡性アルコール飲料とすることができる。
発酵前工程10においては、さらに、発酵工程20に先立って、発酵前液に除菌処理を施すことができる。すなわち、例えば、原料を湯に溶解して発酵前液を調製した後、当該発酵前液を加熱して煮沸することにより、当該発酵前液を熱殺菌する。
ここで、原料の一部としてホップを使用することなく発酵前液を調製する場合には、ビールの製造過程において発酵前に行う麦汁の煮沸のようにホップに含まれる成分を抽出する必要がない。したがって、発酵前工程10の煮沸処理においては、原料の添加後、発酵前液の温度を沸騰温度まで速やかに上昇させることができる。
具体的に、この発酵前液の煮沸処理においては、発芽豆類、炭素源、窒素源を含む原料を所定温度の湯に添加した後、当該発酵前液の加熱を速やかに開始し、当該発酵前液の温度を、当初の当該所定温度付近から速やかに上昇させ、原料の添加から短時間のうちに当該発酵前液の煮沸を開始することができる。このため、本方法においては、従来のビール等の製造方法に比べて簡略化及び効率化を図ることができる。
さらに、発酵前液の煮沸条件は、発酵前液を殺菌するために最低限必要な条件とすることができる。すなわち、例えば、発酵前液の煮沸時間(例えば、煮沸が開始してから加熱を停止するまでの時間)は、除菌効果が得られる最低限の時間とすることができる。具体的に、この煮沸時間は、用いられる容器のスケール、発酵前液の量や組成等の条件によって適宜調整することができ、例えば、1分〜60分の範囲内とすることができ、好ましくは、5分〜20分の範囲内とすることができる。
このように、本方法においては、従来のビール等の製造方法に比べて、発酵前液の加熱時間及び煮沸時間を大幅に短縮することができる。このため、本方法においては、製造工程に要するエネルギーコストの低減化や工程時間の短縮化を図ることができる。また、本方法においては、発酵前液の煮沸条件を、従来のビール等の製造方法に比べて大幅に緩和することにより、発芽豆類に含まれる香味成分やタンパク質等を効果的に抽出できるという煮沸の利点を活かしつつ、煮沸が長引くことにより起こり得る、香味成分やタンパク質等の損失や変質といった問題を効果的に回避することもできる。
なお、発酵前液の除菌処理は、上述の煮沸処理に限られるものではなく、例えば、発酵前液に対する紫外線の照射や、除菌フィルターを使用した発酵前液の濾過等を行うこともできる。このように、発酵工程10において煮沸処理を省略することができる場合には、従来のビール等の製造方法に比べて、製造設備において煮沸釜を省略し、エネルギーコストを削減し、さらには環境への負荷を軽減することもできる。また、無菌的な炭素源や窒素源を使用する等、原料を無菌的に準備することにより発酵前液を無菌的に調製した場合には、発酵前工程10において発酵前液の除菌処理を省略することもできる。
そして、発酵前工程10においては、無菌状態の発酵前液の温度を、酵母の添加に適した範囲内(例えば、0℃〜40℃の範囲)に調整する。このようにして調整された発酵前液は、発酵工程20に供される。
発酵前工程10に続く発酵工程20においては、当該発酵前工程10で調製された発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う。すなわち、まず、予め適切な範囲の温度に調整された発酵前液に酵母を添加して発酵液を調製する。その後、酵母を含む発酵液を所定の温度で所定の時間だけ維持することによって前発酵を行う。この前発酵において、酵母は、発酵前液に含まれる炭素源や窒素源等の栄養源を消費しながらアルコール発酵等の代謝活動を行い、エタノール、炭酸ガス、香味成分等を生成する。
酵母としては、アルコール発酵を行うことができるものであれば特に限られず、任意のものを選択して使用することができる。すなわち、例えば、下面発酵酵母や上面発酵酵母等のビール酵母を使用することができ、好ましくは下面発酵酵母を使用することができる。
前発酵は、発酵前工程10において酵母が利用可能な十分な量の炭素源及び窒素源を含む発酵前液を調製した場合には、糖化を伴わない、いわゆる単発酵とすることができる。すなわち、例えば、原料の一部として、発芽豆類と、互いに独立に準備された精製炭素源及び精製窒素源と、を使用して、酵母がアルコール発酵を行うために必要とする量の炭素源及び窒素源が含まれた発酵前液を調製した場合には、発酵工程20において、ビール醸造で行われるような糖化処理を行う必要がない。
また、発酵工程20においては、前発酵に続いて後発酵(以下、「貯酒」という)を行う。すなわち、例えば、下面発酵酵母を用いた場合には、前発酵を終えて酵母が沈降した発酵液の上澄みを回収して、回収された上澄みをさらにマイナス5℃〜30℃の範囲内の温度で、1日〜60日の範囲内の時間だけ維持する。この貯酒により、発酵液中の不溶物を沈殿させて濁りを取り、また、熟成により香味を向上させることができる。また、この貯酒において発酵液中に炭酸ガスをさらに溶解させることもできる。
このようにして、発酵工程20においては、酵母によって生成されたエタノールや香味成分等を含む発酵後液を得ることができる。この貯酒後の発酵後液に含まれるエタノールの濃度は、例えば、1%〜20%の範囲内とすることができ、好ましくは、1%〜10%とすることができ、より好ましくは、3%〜10%とすることができ、特に好ましくは4%〜6%とすることができる。
発酵工程20に続く発酵後工程30においては、発酵工程20で前発酵及び貯酒を終えた発酵後液に所定の処理を施すことにより、最終的に本飲料を得る。すなわち、この発酵後工程30においては、例えば、発酵後液に残存する生きた酵母を除去する。具体的に、例えば、珪藻土等を用いて、発酵後液をろ過することにより、当該発酵後液に含まれる酵母を除去する。また、例えば、発酵後液を60℃以上の温度で1分以上保持する低温殺菌や、発酵後液をより高温で短時間保持する高温殺菌により、当該発酵後液に含まれる酵母を死滅させる。また、この発酵後工程30においては、発酵後液に炭酸ガスを吹き込むことにより、その発泡性をさらに向上させることもできる。
そして、本方法においては、上述したような工程のうち少なくとも一部の工程において、凍結混濁防止用にα−アミラーゼを添加する。
この添加したα−アミラーゼによる酵素反応を行わせるタイミングは、発芽豆類が添加された後であれば特に限られず、例えば、発酵前工程10において当該酵素反応を行わせることができる。
すなわち、この場合、例えば、発酵前工程10において、α−アミラーゼを添加して、加熱された発酵前液中で当該α−アミラーゼによる酵素反応を行わせる。具体的に、例えば、発芽豆類、炭素源、窒素源、及びα−アミラーゼをお湯に溶解して発酵前液を調製するとともに、当該発酵前液を加熱して、当該α−アミラーゼが作用し得る所定温度とする。そして、発酵前液を、この所定温度で所定時間維持することにより、当該発酵前液中でα−アミラーゼによる酵素反応を進行させる。
また、発酵前工程10において発酵前液の煮沸を行う場合には、当該煮沸に先立って、所定温度の発酵前液中でα−アミラーゼによる酵素反応を行い、その後、当該発酵前液を加熱してその温度を上昇させ、煮沸させる。
図2は、この場合に、本方法の発酵前工程10に含まれる主な工程を示す説明図である。すなわち、図2に示す発酵前工程10においては、まず、原料の一部として、発芽豆類、α−アミラーゼ、及び水を使用して、発酵前液を調製する(S11)。次いで、この発酵前液を所定温度で所定時間保持する(S12)。α−アミラーゼによる酵素反応は、主にこの所定温度で所定時間保持された発酵前液中で進行する。そして、所定時間経過後に、発酵前液を加熱して煮沸させる(S13)。この煮沸後の発酵前液は冷却されて、発酵工程20に供される。
α−アミラーゼによる酵素反応を行う際の発酵前液の温度は、当該酵素反応を継続できる温度であれば特に限られず、例えば、α−アミラーゼの至適温度又は当該至適温度付近の温度とすることができる。
また、例えば、至適温度が80℃以上のα−アミラーゼを使用し、80℃以上に加熱された発酵前液中で、当該α−アミラーゼによる酵素反応を行わせることもできる。すなわち、この場合、発酵前液の温度を、ビールの製造における糖化温度よりも高い温度まで上昇させて、添加したα−アミラーゼによる酵素反応を行う。
具体的に、例えば、発芽豆類、炭素源、窒素源、及び至適温度が80℃以上のα−アミラーゼをお湯に溶解して発酵前液を調製するとともに、当該発酵前液の温度を80℃以上であって、当該α−アミラーゼが失活しない所定温度とする。なお、このとき、発芽豆類、炭素源、窒素源、及びα−アミラーゼの溶解に80℃以上のお湯を使用することができ、又は80℃未満のお湯を使用して発酵前液を調製した後、当該発酵前液を加熱して、その温度を80℃以上とすることもできる。
そして、発酵前液を、80℃以上の所定温度で所定時間維持することにより、当該発酵前液中でα−アミラーゼによる酵素反応を進行させる。この80℃で維持する時間は適宜設定することができるが、例えば、0分〜120分の範囲内とすることができ、好ましくは10分〜60分の範囲内とすることができる。80℃の発酵前液をこのような範囲内の時間維持することによって、凍結混濁の発生やろ過性の低下を防止するために十分なα−アミラーゼによる酵素反応を行うことができる。なお、発酵前液を80℃で維持する時間が「0分」である場合とは、例えば、加熱により当該発酵前液の温度を1分間に1℃以上の速度で80℃から時々刻々と上昇させる過程で酵素反応を行わせる場合である。
80℃以上で酵素反応を行わせる場合には、発酵前液中における発芽豆類からの成分溶出や他の原料の溶解を効率よく行うと同時に、α−アミラーゼによる酵素反応を効率よく行うことができる。すなわち、例えば、原料の一部として、液糖やカラメル色素を使用する場合には、80℃以上の温度において当該液糖やカラメル色素の溶解を促進できるとともに、これに並行して、当該温度でα−アミラーゼによる酵素反応を効率よく行うこともできる。したがって、本方法において、本飲料の製造に要する時間及びコストを低減しつつ、本飲料の凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。
また、上述のように所定温度で所定時間維持することに代えて、又は所定温度で所定時間維持することに加えて、発酵前液の温度を上昇させながらα−アミラーゼによる酵素反応を行わせることもできる。すなわち、この場合、例えば、発酵前液が沸騰するまで、その温度を徐々に上昇させる過程において酵素反応を行わせることができる。
また、添加したα−アミラーゼによる酵素反応を行わせるタイミングは、上述の例に限られず、発酵前工程10における他のタイミング、又は発酵工程10以外の工程とすることもできる。
また、使用するα−アミラーゼの種類は、酵素反応を行わせる温度に応じて選択することができる。また、使用するα−アミラーゼの種類に応じて、酵素反応を行わせる温度を決定することもできる。また、α−アミラーゼを添加するタイミングは、酵素反応を行わせる前であって、当該α−アミラーゼが失活しないタイミングであれば、特に限られない。
α−アミラーゼの添加量は、本飲料における凍結混濁を防止できる範囲であれば特に限られず、例えば、コストや、本飲料の香味等の特性に与える影響等を考慮して適宜決定することができる。すなわち、例えば、α−アミラーゼは、発芽豆類に対して0.001重量%〜10重量%の範囲内で添加することができ、好ましくは0.01重量%〜2.5重量%の範囲内で添加することができ、さらに好ましくは0.05重量%〜1.0重量%の範囲内で添加することができる。α−アミラーゼの濃度が0.001重量%未満の場合には、凍結混濁の発生やろ過性の低下を防止する効果が十分に得られないことがある。また、α−アミラーゼの濃度が10重量%を超える場合には、当該α−アミラーゼそのものが発泡性アルコール飲料の香味を変化させてしまうことがある。そして、α−アミラーゼの濃度範囲の下限値を上げるとともに上限値を下げることによって、当該α−アミラーゼによる効果をより確実なものとしつつ、当該α−アミラーゼの香味に対する影響をより確実に低減することができるようになる。
したがって、例えば、発芽豆類の使用比率が、原料のうち、0.01重量%〜0.35重量%の範囲内である場合には、α−アミラーゼは、発酵前液に対して0.00001重量%〜3.5重量%の範囲内で添加することができ、好ましくは0.0001重量%〜0.875重量%の範囲内で添加することができ、さらに好ましくは0.0005重量%〜0.35重量%の範囲内で添加することができる。また、発芽豆類の使用比率が、原料のうち、0.05重量%〜0.30重量%の範囲内である場合には、α−アミラーゼは、発酵前液に対して0.00005重量%〜3.0重量%の範囲内で添加することができ、好ましくは0.0005重量%〜0.75重量%の範囲内で添加することができ、さらに好ましくは0.0025重量%〜0.30重量%の範囲内で添加することができる。また、発芽豆類の使用比率が、原料のうち、0.10重量%〜0.15重量%の範囲内である場合には、α−アミラーゼは、発芽豆類に対して0.0001重量%〜1.5重量%の範囲内で添加することができ、好ましくは0.001重量%〜0.375重量%の範囲内で添加することができ、さらに好ましくは0.005重量%〜0.15重量%の範囲内で添加することができる。
本方法において、外部からのα−アミラーゼの添加は、ビール等の製造における糖化の促進(溶けの促進)を目的としたものではなく、凍結混濁防止剤或いはろ過性改善剤、又は凍結混濁防止とろ過性改善とを同時に達成する助剤としての使用であるため、当該α−アミラーゼの添加濃度を、このような低い範囲とすることができる。特に、発芽豆類の使用比率を上述のような所定の範囲とする場合には、最終製品(すなわち、本方法により製造される発泡性アルコール飲料)に対するα−アミラーゼの添加濃度を十分に低減することができるため、当該α−アミラーゼが当該最終製品の香味に与える影響を確実に回避しつつ、凍結混濁の発生及びろ過性の低下を効果的に防止することができる。
したがって、このような濃度範囲でα−アミラーゼを添加する場合、当該α−アミラーゼの添加が本飲料の香味や味に与える影響を効果的に低減しつつ、低コストで、本飲料における凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。この場合、原料の一部として、麦芽を使用しない場合には、さらに発芽豆類の使用に由来する香味等の従来にない特性を際立たることもできる。また、発芽豆類の使用比率が、原料のうち、0.01重量%〜0.35重量%の範囲内である場合には、発芽豆類の使用に特有の香味等のバランスを特に優れたものとしつつ、凍結混濁の発生を効果的に防止することができる。また、α−アミラーゼによる酵素反応を上述のように加熱された発酵前液で行う場合には、低濃度で添加されたα−アミラーゼによる当該酵素反応を効率よく行うことができ、発泡性アルコール飲料の製造に要する時間及びコストを効果的に低減することもできる。
このような本方法によって製造される本飲料は、酵母が発芽豆類を含む原料を効果的に資化して生成した香味成分等、醸造酒特有の香味成分を豊富に含む。具体的に、本飲料は、酢酸エチル、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、フェネチルアセテート、カプリル酸、カプリン酸等を含み、例えば、酢酸エチルを10.0mg/L以上、酢酸イソアミルを0.5mg/L以上含むことができ、好ましくは、酢酸エチルを15.0mg/L以上、酢酸イソアミルを0.7mg/L以上含むことができる。
さらに、本飲料は、これら発酵由来の香味成分に加えて、発芽豆類に特有の成分をも含むことができる。すなわち、本飲料は、例えば、発芽豆類由来の香味成分や、味に厚みを付与する成分を含むことにより、香味のトータルバランスに優れ、味に厚みのある、発芽豆類の使用に特有の特性を備えた発泡性アルコール飲料とすることができる。
特に、原料の一部として、麦芽を使用せず、又は麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽豆類を使用する場合には、ビールのように当該ホップに特有の強い苦味は有しない一方で、味に厚みがあり、また、豊富なエステル成分に由来すると思われる適度な甘味を有し、喉の通りがよいすっきり感をも得ることのできる、従来にない特性を有する本飲料を製造することができる。
また、本方法においては、発芽豆に含まれるタンパク質を有効に利用することができるため、本飲料の泡もち特性を効果的に向上させることができるとともに、従来、原料の一部として使用されていた精製タンパク質等の泡もち向上物質の添加量を低減し、又は当該泡もち向上物質の添加を省略することができる。このため、本方法においては、発酵前液の濾過効率を向上させることができ、その結果、エキス収得率や、本飲料の酒質の純粋性を向上させることもできる。
また、本方法において、ホップを使用しない場合には、ホップを使用する従来のビール等の製造方法に比べて、発酵前液や最終的に得られる本飲料のpHを高く維持することができるため、例えば、メイラード反応やカラメル色素の添加による着色を効率よく行うことができ、また、香味の劣化を効果的に抑制することもできる。
また、ホップを使用して製造される発泡性アルコール飲料には、ホップ由来のポリフェノールが含まれることとなるが、このポリフェノールは、渋味を付与し、また、高分子タンパク質と結合して沈殿物を生じることにより泡もち特性を低下させるといった側面も有する。
したがって、本方法においてホップを使用しない場合には、発芽豆類の使用に由来するバランスのよい香味を有し、味に厚みがあり、泡もちが良好といった、発芽豆類に特有の優れた特性を十分に活かした本飲料を製造することができる。
また、本方法において、ホップを使用しない場合には、当然ながら、本飲料は、日光に晒された場合であっても、ホップ由来成分の変質に伴う日光臭を発生することがない。したがって、本飲料は、従来のホップを使用して製造される発泡性アルコール飲料で問題となっていた保管や輸送に伴う品質の劣化を効果的に回避することができ、発芽豆類に特有の特性を安定して維持することができる。
なお、上述の説明において、「発芽豆類」を「発芽雑穀」に置き換えても、同様に、凍結混濁を効果的に防止できる発泡性アルコール飲料の製造方法及び凍結混濁が効果的に防止された発泡性アルコール飲料を提供することができる。
すなわち、本発明の発明者らは、原料の一部として発芽雑穀を使用して製造された発泡性アルコール飲料においても、当該発芽雑穀の使用に特有の凍結混濁が生じ得ること、及び当該凍結混濁の防止にα−アミラーゼの添加が有効であることを独自に見出した。
発芽させる雑穀としては、例えば、あわ、ひえ、そば、きび、玄米、キヌアからなる群より選択される少なくとも1つを使用することができ、好ましくは、あわ、ひえ、そば、きびを使用することができる。
なお、発芽雑穀のなかには、使用する条件(発芽日数や添加量等)によって、凍結混濁やろ過性の低下を生じさせないものもある。ただし、α−アミラーゼの添加による凍結混濁の防止やろ過性の改善といった効果が、どのような発芽雑穀を使用した場合に特に顕著となるかについては、上述の発芽豆類の場合と同様に、検討の対象となる発芽雑穀を使用して発酵前液や発泡性アルコール飲料を製造し、その凍結混濁やろ過性を評価することによって容易に確認することができる。
この点、上述した発芽雑穀のうち、あわ、ひえ、そば、又はきびを使用した場合には、特に凍結混濁が生じやすいため、α−アミラーゼの添加による効果が特に顕著なものとなる。
さらに、発芽雑穀として発芽あわを使用した場合には、発芽させていない生あわを使用した場合に比べて酸味、渋味、雑味が低減され、切れが顕著に向上し、エステル香が顕著に高まるとともに甘味も増加する一方で、発芽あわに特有のマイルドでスムースな味わいを有し、泡もちも良好な発泡性アルコール飲料を製造することができる。
また、発芽雑穀として発芽ひえを使用した場合には、発芽させていない生ひえを使用した場合に比べて酸味、渋味、雑味が低減され、切れが顕著に向上し、エステル香が顕著に高まるとともに甘味も増加し、発芽ひえに特有のマイルドな味わいを有し、泡もちも良好な発泡性アルコール飲料を製造することができる。
また、発芽雑穀として発芽そばを使用した場合には、発芽させていない生そばを使用した場合に比べて酸味、雑味が低減され、切れが顕著に向上し、甘味も増加し、発芽そばに特有の非常にすっきりした味わいを有し、泡もちも良好な発泡性アルコール飲料を製造することができる。
また、発芽雑穀として発芽きびを使用した場合には、発芽させていない生きびを使用した場合に比べて平板さが低減され、切れが向上し、エステル香が高まるとともに香ばしさや甘味も増加し、発芽きびに特有のスムースな味わいを有し、泡もちも良好な発泡性アルコール飲料を製造することができる。
次に、本発明に関連した具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1では、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽豆類として発芽エンドウを使用し、且つα−アミラーゼを添加しないで発酵前液を調製した。
すなわち、まず、発芽処理を施していない生エンドウを15℃の水に24時間浸し、次いで12℃の湿潤空気を3日間送風することにより発芽させた。さらに、この発芽エンドウを室温から84℃に昇温させた環境で3時間焙燥した。そして、焙燥後の発芽エンドウを、粉砕装置(モルトミル、ジャーティンアセソン&カンパニー社製)を使用して粉砕することにより粉砕発芽エンドウを準備した。
また、原料の他の一部として、精製された炭素源及び窒素源を準備した。すなわち、主な炭素源及び窒素源として、トウモロコシ由来の液糖(コーンシラップS75、日本コーンスターチ株式会社製)及び発芽させていないエンドウから抽出したタンパク質の酵素分解物(エンドウ蛋白PP−CS、パーハイムフーズ社製)をそれぞれ準備した。
そして、2種類の発酵前液を調製した。すなわち、まず、容量3.9Lの仕込タンクに、80℃の湯1Lと、3.9gの粉砕発芽エンドウと、600gの液糖と、46gのエンドウタンパク分解物と、1.9gのカラメル色素(粉末カラメルSF、池田糖化工業株式会社製)と、を添加して、これらの原料を混合した。その後、この混合液にさらに80℃の湯を追加することにより、エキス濃度が約12%の第一の発酵前液を3.9L調製した。一方、容量4.5kLの仕込タンクに、80℃の湯3kLと、6.75kgの粉砕発芽エンドウと、690kgの液糖と、53kgのエンドウタンパク分解物と、2.2kgのカラメル色素と、を添加して、これらの原料を混合した。その後、この混合液にさらに80℃の湯を追加することにより、エキス濃度が約12%の第二の発酵前液を4.5kL調製した。
第一の発酵前液中の粉砕発芽エンドウの濃度は1000ppm(parts per million)(すなわち、1g/L、0.10重量%)であり、第二の発酵前液中の粉砕発芽エンドウの濃度は1500ppm(すなわち、1.5g/L、0.15重量%)であった。
次に、仕込タンクに備えられた加熱装置によって、当該仕込タンク内の発酵前液を加熱して沸騰させた。発酵前液の煮沸を開始した後、20分が経過した時点で加熱装置による加熱を停止した。そして、煮沸後の発酵前液に水を加えて、エキス濃度を11.8%に調整することにより、上述のとおり発芽エンドウの使用量が異なる2種類の発酵前液を調製した。そして、各発酵前液を3日間凍結した後、解凍して、凍結混濁の程度を肉眼で確認した。
その結果、いずれの発酵前液においても凍結混濁が生じていた。また、発芽エンドウの添加濃度が小さい第一の発酵前液よりも添加濃度の大きい第二の発酵前液において、凍結混濁が顕著であった。すなわち、発芽エンドウの使用量を増加させると、凍結混濁の程度も増加することが確認された。したがって、発芽エンドウ由来の成分が凍結混濁の原因物質であると考えられた。
次に、発芽エンドウを1000ppmの濃度で使用して、上述の例と同様の条件で発酵前液を調製し、当該発酵前液に含まれるβ−グルカンの量をβ−グルカンアナライザー(株式会社島津製作所製)を用いた蛍光検出法により測定した。すなわち、β−グルカンに特異的に結合する蛍光試薬(カルコフロール)を使用し、発酵前液の蛍光強度を測定した。この蛍光検出法においてβ−グルカンの濃度と蛍光強度との間には一定の相関関係があることは予め確認した。その結果、発酵前液のβ−グルカン含有量は検出限界以下であった。
したがって、この凍結混濁の原因物質は、従来ビールにおける凍結混濁として知られているβ−グルカンではないと考えられた。すなわち、この凍結混濁は、発芽豆類を使用した場合特有に生ずる凍結混濁であると考えられた。
また、発芽エンドウ自体の成分を分析したところ、その主成分は炭水化物であり、無水エキス量、最終発酵度(エキス全体に対する発酵性糖類の割合)は、麦芽のそれに比べて相当に低かった。したがって、発芽エンドウに含まれるアミラーゼの量は、麦芽に比べて相当に低いと推測された。
また、同様に調製した発酵前液と、当該発酵前液に酵母を入れて発酵、貯酒を行い、さらに珪藻土によるろ過を施したろ過後液と、について、凍結混濁の有無とヨード反応試験を行った。凍結混濁の有無は、これらの液を3日間凍結した後解凍することで確認した。ヨード反応試験は、これらの液に50分の1規定のヨウ素液を添加することにより行った。
その結果、発酵前液及びろ過後液のいずれにおいても、凍結混濁が生じた。一方、ヨード反応試験において、発酵前液は陽性であったが、ろ過後液は陰性であった。すなわち、発芽エンドウに由来する、デンプン以外の成分が凍結混濁の原因であると考えられた。
これらの結果より、原料の一部として発芽エンドウを使用した場合に生じる凍結混濁の原因となる成分は、従来ビールで知られているβ−グルカンでもなく、デンプンでもない、これら以外の成分であると考えられた。
[実施例2]
実施例2では、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽エンドウを使用し、さらに、α−アミラーゼを添加して、発酵前液を調製した。
発芽エンドウは、上述の実施例1と同様の方法で準備した。α−アミラーゼとしては、至適温度が90℃、至適pHが6.0の耐熱性α−アミラーゼ(クライスターゼYC15S、大和化成株式会社製)を使用した。また、上述の実施例1で使用されたものと同じ液糖、エンドウタンパク分解物、カラメル色素を準備した。
そして、容量3.9Lの仕込タンクに、80℃の湯1Lと、3.9gの粉砕発芽エンドウと、600gの液糖と、46gのエンドウタンパク分解物と、1.9gのカラメル色素と、当該発芽エンドウに対して0.25重量%、0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%、又は3.0重量%のα−アミラーゼと、を添加して、これらの原料を混合した。その後、この混合液にさらに80℃の湯を追加することにより、エキス濃度が約12%であって、α−アミラーゼの添加濃度が互いに異なる5種類の発酵前液を3.9L調製した。なお、各発酵前液において原料に対する粉砕発芽エンドウの使用比率は0.10重量%であった。
さらに、各発酵前液を80℃で30分間維持することにより、当該各発酵前液中において、α−アミラーゼによる酵素反応を行わせた。また、この30分の間に、各発酵前液における液糖やカラメル色素の溶解を効率よく行うこともできた。
その後、仕込タンクに備えられた加熱装置によって、当該仕込タンク内の発酵前液を加熱して、当該発酵前液の温度を80℃から上昇させ、最終的に沸騰させた。発酵前液の煮沸を開始した後、20分が経過した時点で加熱装置による加熱を停止した。そして、煮沸後の発酵前液に水を加えて、エキス濃度を11.8%に調整することにより、最終的に5種類の発酵前液を調製した。
すなわち、α−アミラーゼの添加濃度が0.25重量%である「発酵前液#1」、0.5重量%である「発酵前液#2」、1.0重量%である「発酵前液#3」、2.0重量%である「発酵前液#4」、及び3.0重量%である「発酵前液#5」を調製した。
また、同様にして、発芽エンドウの濃度が0.15重量%であって、当該発芽エンドウに対するα−アミラーゼの添加濃度が1.0重量%である「発酵前液#6」、及び発芽エンドウの濃度が0.20重量%であって、当該発芽エンドウに対するα−アミラーゼの添加濃度が1.0重量%である「発酵前液#7」も調製した。また、同様にして、発芽エンドウの濃度が0.10重量%であって、α−アミラーゼを添加しない「発酵前液#0」も調製した。
さらに、発芽エンドウの濃度が0.10重量%、当該発芽エンドウに対するα−アミラーゼの添加濃度が1.0重量%であって、80℃で30分間維持するステップを省略し、α−アミラーゼを含む原料を混合後速やかに加熱して煮沸することにより「発酵前液#8」も調製した。具体的に、この場合、酵素反応は、80℃〜100℃の範囲で、毎分1℃ずつ昇温させる20分の間に行われた。
このようにして調製した各発酵前液を3日間凍結した後、解凍した。そして、解凍後の各発酵前液の波長700nmにおける吸光度を分光光度計(株式会社日立製作所製)により測定した。
この吸光度の測定結果を図3に示す。図3に示すように、α−アミラーゼを添加していない「発酵前液#0」の吸光度は0.060であり、顕著な凍結混濁が生じていた。
これに対し、α−アミラーゼが添加された「発酵前液#1」、「発酵前液#2」、「発酵前液#3」、「発酵前液#4」、及び「発酵前液#5」の吸光度はいずれも0.010〜0.011の範囲であり、凍結混濁の発生は全く見られなかった。すなわち、α−アミラーゼの添加によって、発酵前液の凍結混濁を確実に防止できることが確認された。また、発芽エンドウの濃度を増加させた「発酵前液#6」、「発酵前液#7」については、わずかに吸光度が増加する傾向が推測されたものの、凍結混濁の発生は全く見られず、十分な透明度が維持されていた。また、80℃から100℃までの速やかな昇温過程で酵素反応を行った「発酵前液#8」においても、凍結混濁の発生は全く見られず、十分な透明度が維持されていた。
なお、原料の一部として、麦芽及び発芽エンドウのいずれも使用することなく、ホップ、糖類、エンドウたんぱく、カラメル色素を使用し、α−アミラーゼを添加することなく調製された発酵前液についても同様の凍結混濁試験を行ったが、解凍後の吸光度は0.012であり、凍結混濁は生じなかった。
また、上述の至適温度が90℃のα−アミラーゼに代えて、至適温度が75℃、至適pHが6.0であるα−アミラーゼ(スピターゼCP−40FG、ナガセケムテックス株式会社製)を添加して、発酵前液を80℃で30分保持した場合には、凍結混濁を十分に防止することができなかった。
したがって、発酵前液の温度を80℃以上として酵素反応を行う場合には、至適温度が80℃以上のα−アミラーゼを使用することが好ましいと考えられた。
なお、もちろん、80℃未満の所定温度で酵素反応を行わせる場合には、至適温度が当該所定温度付近であるα−アミラーゼを適宜選択して使用することで、凍結混濁を防止することができる。
[実施例3]
実施例3では、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、種々の発芽豆類を使用し、さらに、α−アミラーゼを添加して、発酵前液を調製した。
発芽豆類としては、発芽エンドウ、発芽緑豆、発芽ウズラ豆、発芽小豆、発芽大豆、発芽黒豆、発芽大正金時、発芽ヒタシ豆のいずれか一種類を使用した。各発芽豆類は、上述の実施例1と同様の方法で準備した。α−アミラーゼとしては、至適温度が90℃、至適pHが6.0の耐熱性α−アミラーゼ(クライスターゼYC15S、大和化成株式会社製)を準備した。また、上述の実施例1で使用されたものと同じ液糖、エンドウタンパク分解物、カラメル色素を準備した。
そして、容量3.9Lの仕込タンクに、80℃の湯1Lと、3.9gの粉砕発芽豆類と、600gの液糖と、46gのエンドウタンパク分解物と、1.9gのカラメル色素と、当該発芽豆類に対して0.25重量%のα−アミラーゼと、を添加して、これらの原料を混合した。その後、この混合液にさらに80℃の湯を追加することにより、エキス濃度が約12%であって、使用された発芽豆類の種類が互いに異なる8種類の発酵前液を3.9L調製した。なお、各発酵前液において原料に対する各粉砕発芽豆類の使用比率は0.10重量%であった。
さらに、各発酵前液を80℃で30分間維持することにより、当該各発酵前液中において、α−アミラーゼによる酵素反応を行わせた。その後、仕込タンクに備えられた加熱装置によって、当該仕込タンク内の発酵前液を加熱して、当該発酵前液の温度を80℃から上昇させ、最終的に沸騰させた。発酵前液の煮沸を開始した後、20分が経過した時点で加熱装置による加熱を停止した。そして、煮沸後の発酵前液に水を加えて、エキス濃度を11.8%に調整することにより、最終的に8種類の発酵前液を調製した。また、α−アミラーゼを添加しない点以外は同様の条件で、原料の一部として各発芽豆類を使用した8種類の発酵前液も調製した。
このようにして調製した16種類の発酵前液の各々を3日間凍結した後、解凍した。そして、上述の実施例2と同様に、解凍後の各発酵前液の波長700nmにおける吸光度を測定した。
この吸光度の測定結果を図4に示す。図4に示すように、発芽豆類として、発芽エンドウ、発芽緑豆、発芽ウズラ豆、又は発芽小豆を使用した発酵前液については、α−アミラーゼを添加しない場合には凍結混濁が生じたのに対し、α−アミラーゼを添加した場合には凍結混濁の発生を効果的に防止することができた。
一方、発芽豆類として、発芽大豆、発芽黒豆、発芽大正金時、又は発芽ヒタシ豆を使用した発酵前液については、α−アミラーゼを添加しない場合であっても顕著な凍結混濁は生じなかった。
このように、本方法によれば、原料の一部として、凍結混濁を生じさせ得る発芽豆類を使用しつつ、α−アミラーゼを添加することにより、凍結混濁を確実に防止できることが確認された。
なお、このようにα−アミラーゼを添加した場合と、添加しない場合と、について凍結混濁の発生の有無や程度を比較することにより、使用された発芽豆類が凍結混濁を生じさせるものであるかどうかを評価することもできる。
[実施例4]
実施例4では、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、種々の発芽雑穀を使用し、さらに、α−アミラーゼを添加して、発酵前液を調製した。
発芽雑穀としては、発芽あわ、発芽ひえ、発芽そば、発芽きび、発芽玄米、発芽キヌアのいずれか一種類を使用した。各発芽雑穀は、上述の実施例1と同様の方法で準備した。α−アミラーゼとしては、至適温度が90℃、至適pHが6.0の耐熱性α−アミラーゼ(クライスターゼYC15S、大和化成株式会社製)を準備した。また、上述の実施例1で使用されたものと同じ液糖、エンドウタンパク分解物、カラメル色素を準備した。
そして、容量3.9Lの仕込タンクに、80℃の湯1Lと、3.9gの粉砕発芽雑穀と、600gの液糖と、46gのエンドウタンパク分解物と、1.9gのカラメル色素と、当該発芽雑穀に対して0.25重量%のα−アミラーゼと、を添加して、これらの原料を混合した。その後、この混合液にさらに80℃の湯を追加することにより、エキス濃度が約12%であって、使用された発芽雑穀の種類が互いに異なる6種類の発酵前液を3.9L調製した。なお、各発酵前液において原料に対する各粉砕発芽雑穀の使用比率は0.10重量%であった。
さらに、各発酵前液を80℃で30分間維持することにより、当該各発酵前液中において、α−アミラーゼによる酵素反応を行わせた。その後、仕込タンクに備えられた加熱装置によって、当該仕込タンク内の発酵前液を加熱して、当該発酵前液の温度を80℃から上昇させ、最終的に沸騰させた。発酵前液の煮沸を開始した後、20分が経過した時点で加熱装置による加熱を停止した。そして、煮沸後の発酵前液に水を加えて、エキス濃度を11.8%に調整することにより、最終的に6種類の発酵前液を調製した。また、α−アミラーゼを添加しない点以外は同様の条件で、原料の一部として各発芽雑穀を使用した6種類の発酵前液も調製した。
このようにして調製した12種類の発酵前液の各々を3日間凍結した後、解凍した。そして、上述の実施例3と同様に、解凍後の各発酵前液の波長700nmにおける吸光度を測定した。
この吸光度の測定結果を図5に示す。図5に示すように、発芽雑穀として、発芽あわ、発芽ひえ、発芽そば、又は発芽きびを使用した発酵前液については、α−アミラーゼを添加しない場合には凍結混濁が生じたのに対し、α−アミラーゼを添加した場合には凍結混濁の発生を効果的に防止することができた。一方、発芽雑穀として、発芽玄米、又は発芽キヌアを使用した発酵前液については、α−アミラーゼを添加しない場合であっても顕著な凍結混濁は生じなかった。
このように、本方法によれば、原料の一部として、凍結混濁を生じさせ得る発芽雑穀を使用しつつ、α−アミラーゼを添加することにより、凍結混濁を確実に防止できることが確認された。
なお、このようにα−アミラーゼを添加した場合と、添加しない場合と、について凍結混濁の発生の有無や程度を比較することにより、使用された発芽雑穀が凍結混濁を生じさせるものであるかどうかを評価することもできる。
[実施例5]
実施例5では、まず、上述の実施例3と同様の条件で、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽エンドウを使用し、さらに、α−アミラーゼを添加して、発酵前液を調製した。
また、上述の実施例3と同様の条件で、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽エンドウを使用し、α−アミラーゼを添加することなく、発酵前液を調製した。
また、原料の一部として、麦芽及び発芽エンドウのいずれも使用することなく、ホップ、糖類、エンドウたんぱく、カラメル色素を使用し、α−アミラーゼを添加しないする点を除いて、上述の実施例3と同様の条件で、発酵前液を調製した。
そして、各発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵及び貯酒を行い、貯酒後の各発泡性アルコール飲料について、ろ過性を評価した。すなわち、発芽エンドウの使用量、α−アミラーゼの添加の有無、α−アミラーゼの添加量、さらにろ過助剤の添加量を変えて、上述のようにして醸造された各発泡性アルコール飲料のろ過に要する圧力を比較した。
具体的に、ろ過助剤としては、ラジオライト(昭和化学工業株式会社製)、及びパーライト(東興パーライト工業株式会社製)を使用した。また、所定量の各発泡性アルコール飲料をヘイシンモーノポンプ(兵神装備株式会社製)で圧送してポーラスメタルフィルターを通過させるろ過操作を行い、当該ろ過操作の開始時に当該フィルターにかかる圧力と、当該ろ過操作の終了時の圧力と、をそれぞれ測定した。そして、これら開始時の圧力値と終了時に当該フィルターにかかる圧力値との差分を圧力上昇値として評価した。この圧力上昇値が大きいほど、ろ過により大きな圧力を要し、ろ過性が低いということになる。
図6には、ろ過性に関する測定の結果を示す。図6において、左端欄の記号「X1」〜「X6」は、発芽エンドウを使用して、α−アミラーゼを添加することなく製造された異なるロットの発泡性アルコール飲料(以下、「無添加飲料」という。)を示し、記号「Y1」〜「Y5」は、発芽エンドウを使用するとともに、α−アミラーゼを添加して製造された異なるロットの発泡性アルコール飲料(以下、「添加飲料」という。)を示し、記号「Z1」、「Z2」は、発芽エンドウを使用せず、α−アミラーゼを添加することなく製造された異なるロットの発泡性アルコール飲料(以下、「参考飲料」という。)を示している。
図6に示すように、参考飲料Z1,Z2は、いずれもα−アミラーゼを添加することなく、少量のろ過助剤を添加することで、圧力上昇値を低く抑えることができた。一方、発芽エンドウを原料に対して0.10重量%使用した一部の無添加飲料X4、及び0.15重量%又は0.20重量%使用した無添加飲料X2,X3,X4,X5については、参照飲料Z1,Z2の3倍量添加したにもかかわらず、圧力上昇値は当該参照飲料Z1,Z2のそれに比べて高かった。
これに対し、α−アミラーゼを添加した添加飲料Y1〜Y5については、いずれもろ過助剤の添加量が無添加飲料X1〜X6の三分の一でありながら、圧力上昇値は無添加飲料X2,X3,X4,X5のそれよりも低く、当該参照飲料Z1,Z2のそれと同程度又はより低くすることができた。
このように、上述したような凍結混濁防止剤として使用される場合と同様の態様で、αアミラーゼを添加することにより、発芽豆類を使用することに伴うろ過性の低下をも効果的に防止できた。すなわち、ろ過性改善剤としてα−アミラーゼを添加することもまた有用であることが確認された。
[実施例6]
実施例6では、実施例1と同様に、原料の一部として、麦芽及びホップのいずれも使用することなく、発芽豆類として発芽エンドウを8種類の濃度で使用し、且つα−アミラーゼを添加しないで発酵前液を調製した。
すなわち、原料中に占める発芽エンドウの使用比率を、0ppm(0.000重量%、すなわち発芽エンドウは不使用)、50ppm(0.005重量%)、100ppm(0.010重量%)、500ppm(0.050重量%)、1000ppm(0.100重量%)、3000ppm(0.300重量%)、3500ppm(0.350重量%)、又は4000ppm(0.400重量%)とした8種類の発酵前液を調製した。
そして、各発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵及び貯酒を行い、8種類の発泡性アルコール飲料を製造した。各発泡性アルコール飲料について、熟練したパネリスト5人による官能検査を行った。その結果、発芽エンドウを使用していない場合(使用比率が0ppmの場合)、及び発芽エンドウの使用比率が50ppmであった場合に得られた発泡性アルコール飲料は、硫黄臭や硫化物臭が強く、味については渋味やエグ味があり、後味については切れに劣るものであった。一方、発芽エンドウの使用比率が4000ppmの場合に得られた発泡性アルコール飲料は、発芽エンドウの使用に由来するエステル香を僅かに有するものの、エグ味や雑味を有し、後味は切れに劣るものであった。
これに対し、発芽エンドウの使用比率が100ppm〜3500ppm(0.010重量%〜0.350重量%)の範囲内の場合に得られた発泡性アルコール飲料は、発芽エンドウに特有の好ましい特性を備えていた。すなわち、発芽エンドウの使用比率が100ppmの場合に得られた発泡性アルコール飲料は、僅かに硫黄臭があるものの、適度な酸味と甘味を有し、切れも良好であった。発芽エンドウの使用比率が500ppmの場合に得られた発泡性アルコール飲料は、発芽エンドウの使用に由来するエステル香を有し、適度な酸味と甘味を有し、切れも良好であった。発芽エンドウの使用比率が1000ppmの場合に得られた発泡性アルコール飲料は、発芽エンドウの使用に由来する特有のエステル香が顕著であり、適度な甘味を有し、切れも極めて良好で、後味がすっきりしていた。発芽エンドウの使用比率が3000ppmの場合に得られた発泡性アルコール飲料は、ややエグ味があるものの、発芽エンドウの使用に由来する特有のエステル香を有し、切れも良好であった。発芽エンドウの使用比率が3500ppmの場合に得られた発泡性アルコール飲料は、エグ味、雑味、渋味を有し、切れが劣るものの、発芽エンドウの使用に由来する特有のエステル香を有していた。
さらに、この官能検査において、各発泡性アルコール飲料について、A、B、Cの3段階(Aが最も優れた評価)の総合評価を行った結果、発芽エンドウの使用比率が0ppm、50ppm、4000ppmの場合には、A評価をつけたパネリストはいなかった。また、発芽エンドウの使用比率が100ppm及び3500ppmの場合には、それぞれA評価が1人及び2人であった一方で、C評価もまた1人及び2人であり、A評価とC評価が同数であった。
これに対し、発芽エンドウの使用比率が500ppm、1000ppm、3000ppmの場合には、C評価をつけたパネリストはいなかった。そして、この場合、A評価をつけた人数は、3000ppmの場合には1人、500ppmの場合には2人であり、1000ppmの場合には、5人のパネリスト全員がA評価をつけた。
本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法に含まれる主な工程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る発泡性アルコール飲料の製造方法の発酵前工程に含まれる主な工程を示すフロー図である。 原料の一部として発芽エンドウを使用した発酵前液における凍結混濁の発生を評価した結果の一例を示す説明図である。 原料の一部として発芽豆類を使用した発酵前液における凍結混濁の発生を評価した結果の一例を示す説明図である。 原料の一部として発芽雑穀を使用した発酵前液における凍結混濁の発生を評価した結果の一例を示す説明図である。 原料の一部として発芽エンドウを使用した発泡性アルコール飲料のろ過性を評価した結果の一例を示す説明図である。
符号の説明
10 発酵前工程、20 発酵工程、30 発酵後工程。

Claims (7)

  1. 原料の一部に発芽豆類を使用して発酵前液を調製する発酵前工程と、
    前記発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う発酵工程と、
    を含み、
    α−アミラーゼを添加する
    ことを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
  2. 前記発酵前工程において、前記原料の一部として、麦芽を使用することなく、前記発芽豆類を使用して前記発酵前液を調製する
    ことを特徴とする請求項1に記載された発泡性アルコール飲料の製造方法。
  3. 前記発酵前工程において、前記発芽豆類を、前記原料に対して0.01重量%〜0.35重量%の範囲内で使用して前記発酵前液を調製する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載された発泡性アルコール飲料の製造方法。
  4. 前記発酵前工程において、前記α−アミラーゼを添加して、加熱された前記発酵前液中で前記α−アミラーゼによる酵素反応を行わせる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された発泡性アルコール飲料の製造方法。
  5. 前記α−アミラーゼとして、至適温度が80℃以上のα−アミラーゼを使用し、
    80℃以上に加熱された前記発酵前液中で前記酵素反応を行わせる
    ことを特徴とする請求項4に記載された発泡性アルコール飲料の製造方法。
  6. 前記発芽豆類として、発芽エンドウ、発芽緑豆、発芽ウズラ豆、発芽小豆からなる群より選択される少なくとも1つを使用する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載された発泡性アルコール飲料の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された製造方法により製造された
    ことを特徴とする発泡性アルコール飲料。
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