JP2009133353A - 作業車両 - Google Patents

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【課題】静油圧式変速装置(HST)に一定以上の過大な負荷が掛かっても、エンジンがエンストすることがない作業車両を提供すること。
【解決手段】エンジンの動力をアクセルペダルの操作量に対応させて電子制御により変速制御する油圧閉回路7dを備えたHST7を含む動力伝達機構を設けている。HST7の油圧閉回路7dの出力側に設けられる油圧モータ7bの近傍の油路の油圧を圧力センサ70a,70bで測定し、その値が所定値以上になると、制御装置はHST7の出力を減速側に変速制御してエンストを防止する。
【選択図】図6

Description

本発明は、走行性に優れた作業車両に関する。
農業用、建築用、運搬用等の作業車両は、左右の走行車軸と、この走行車軸の駆動力を変速する変速装置を備えており、この種の変速装置としては、エンジン動力の入切りを行う主クラッチとエンジン動力を変速する主変速装置と副変速装置、静油圧式変速装置を含む動力伝達機構を設けた構成が知られている。
特開2005−343187号公報
前記特許文献1の構成において、静油圧式変速装置(HST)に一定以上の過大な負荷が掛かるとエンストすることがあり、特に傾斜地では油圧クラッチでエンジン動力を車輪で伝達する構成では、エンジンブレーキが効かずに下り傾斜面に沿って車両が降下するおそれがあった。
そこで、本発明の課題は、静油圧式変速装置(HST)に一定以上の過大な負荷が掛かるとエンストすることがない作業車両を提供することである。
本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、エンジン(3)と、該エンジン(3)の動力を電子制御により変速制御する油圧閉回路(7d)を備えた静油圧式変速装置(7)を含む動力伝達機構と、該静油圧式変速装置(7)の出力を手動操作量に対応させて制御する走行速度調節手段(9)と、静油圧式変速装置(7)の油圧閉回路(7d)の出力側に設けられる油圧モータ(7b)部の油圧を測定する圧力検出手段(70a,70b)と、該圧力検出手段(70a,70b)による圧力検出値が所定値以上になると、静油圧式変速装置(7)の出力を減速側に変速制御する制御装置(100)とを備えたことを特徴とする作業車両である。
請求項1記載の発明によれば、走行速度調節手段(9)の手動操作量に対応させて静油圧式変速装置(7)の変速制御を行っている場合に、該静油圧式変速装置(7)の油圧モータ(7b)部分での油圧閉回路(7d)での圧力検出値が所定値以上になると静油圧式変速装置(7)の変速出力を減速側に動かしてエンストを防止する。
本発明の実施の形態について以下図面と共に説明する。
図1(a)は作業車両の一例である多目的作業を行う作業車両の左側面図、図1(b)はブレーキペダル8、アクセルペダル9及び前後進レバー10の配置を示す斜視図を示す。
乗用四輪駆動の走行形態を有する作業車両の車体は、ステアリングハンドル1で前輪2を操舵しながら運転するか、前後輪2、6を操舵して運転する。機体の後部にディーゼルエンジン3を搭載し、このディーゼルエンジン3の前側にミッションケース14等を一体的に連結し、このミッションケース14の最後部にリヤアクスルハウジング(図示せず)を設けて、左右両側部に後輪6を軸装する。また、アクセルペダル9の踏み込み量に応じて図2に示す静油圧式無段変速装置(HST)7の出力軸27の回転数が変速される。図2は本実施例の作業車両のトランスミッション内の動力伝動系統図、図3は図2の動力伝動系統図の部分拡大図を示す。
ミッションケース14は、前ケース15、繋ぎケース16、中間ケース17(図2)及び後ケース18(図3)の4つの中空ケースを連結した構成であり、後ケース18に軸支した入力軸19(図3)にエンジン3の動力が入力され、この入力軸19の回転がインプットケース20内の増速ギヤ21、22で第一中継軸23へ伝動し、更に第一中継軸23上のギヤ24から増速ギヤ25で増速され、該ギヤ25に静油圧式無段変速装置(HST)7の可変容量油圧ポンプ7aの油圧入力軸7cをスプライン係合している。
上記インプットケース20は、ディーゼルエンジン3の出力回転を増速して高速走行を可能にするために設けてあり、従来の作業車両のミッションケースを利用して、その内部に取り付けている。このように、インプットケース20で増速する構成としているので、高速走行時にエンジン回転数を上昇させて対応する必要がなくなり、これにより従来の伝動装置より騒音低減、燃費向上が図れる。
また、アクセルペダル9に連動している可変容量油圧ポンプ7aの斜板(トラニオン軸)により定容量油圧モータ7bの出力軸27の回転数が変速される。
一方、PTO駆動軸26は、HST7の可変容量油圧ポンプ7aの内部で前記油圧入力軸7cと直結しているので、一定回転数、すなわちHST可変容量油圧ポンプ7aの油圧入力軸7cと同じ回転数で回転する。
PTO駆動軸26はギヤ29を備えた駆動軸28と直結しており、該ギヤ29に噛合するギヤ31の動力はPTO後カウンタ軸32上のカウンタギヤ33に伝達され、次いでPTOクラッチ34を介してPTO前カウンタ軸35に伝達され、該PTO前カウンタ軸35は前ケース15を貫通し、PTO前カウンタ軸35と一体化された図示しないPTOカウンタ軸とPTOカウンタギヤに伝動し、該カウンタギヤから図示しないPTO出力軸上のPTO入切ギヤに動力が出力される。
また、HST7の走行出力軸27の駆動力は、ギア噛合式の主変速装置を構成する伝動軸40のギヤ40aからギヤ40b及びギヤ40cを順次経由して、主変速軸41上の大ギヤ42と中ギヤ43にそれぞれ伝達可能な構成である。さらに主変速軸41上の中ギヤ43の隣接位置には副変速高速用小ギヤ44aと副変速低速用大ギヤ44bが設けられ、さらに主変速軸41上の副変速低速用ギヤ44bの隣接位置には前輪駆動ギヤ37が設けられている。
主変速軸41に並行して設けられたクラッチ軸45上には、前記大ギヤ42と中ギヤ43にそれぞれ常時噛合している変速クラッチギヤ46とギヤ47が設けられ、該ギヤ46とギヤ47の間のクラッチ軸45上に油圧クラッチ51と油圧クラッチ52が設けられており、さらにクラッチ軸45の出力側には差動装置53が連結しており、該差動装置53から前輪出力軸(図示せず)に動力が伝達され、前輪2が駆動する。
油圧クラッチソレノイド49と油圧クラッチソレノイド50により、それぞれ高速側油圧クラッチ51と低速側油圧クラッチ52を接続させるには図4に示す副変速レバー12の頂部に設けた主変速スイッチ62aと62bをそれぞれ押すことで行われる。
また、主変速スイッチ62a(「+」符号側)と主変速スイッチ62b(「−」符号側)がそれぞれ押されると図5に示す高速用ソレノイド69と低速用ソレノイド68がそれぞれ作動して油圧クラッチ51と油圧クラッチ52がそれぞれ接続される。
なお、図4に示すようにレバーガイド64内の高速側又は低速側に副変速レバー12が操作されると、それぞれ高速側の副変速レバーセンサ65Hと低速側の副変速レバーセンサ65Lとが副変速レバー12のシフト位置を検知することができる。
エンジン3が始動するときには、前後進レバー10または副変速レバー12のいずれか一方、または両方を中立位置にする。中立位置以外では始動(スタータが回転)しない。なお、前後進レバー10の前進側と後進側の切り換えは前後進切換スイッチ73で検出する。
前進走行時(1速と2速)には、まず前後進レバー10を前進側にする。ついで、1速(作業速低速)と2速(作業速高速)を選択することができる。1速は、特に除雪機を付けての除雪作業に使用する。しかし、その他の作業でも使用することができる。また2速で除雪作業を行うこともある。2速は特に芝刈り機を付けての芝刈り作業に適しているが、その他の作業でも使用でき、また1速で芝刈り作業を行うこともある。また、路上清掃機(回転ブラシ)を装着しての作業も1速又は2速で行うこともある。
副変速レバー12を低速側にすると、副変速ギヤ48bがギヤ44bに噛み合って動力伝達の準備ができる。
1速の場合は、スイッチ62bを入りにして、主変速の油圧クラッチ52を接続させ、ギヤ43からギヤ47への動力伝達の準備ができる。2速の場合は、スイッチ62aを入りにして主変速の油圧クラッチ51を接続させ、ギヤ42からギヤ46への駆動力の伝達準備ができる。このスイッチ62b,62aは副変速レバー12が中立であっても機能するので、先にスイッチ62b又は62aを入り状態にしておいて、後で副変速レバー12を低速又は高速に操作することもある。
また、アクセルペダル9を踏むことで走行を開始する。アクセルペダル9の踏み込み量(ポジションセンサ71で検出)に対応して油圧式無段変速装置(HST)7の可変油圧ポンプ7aのトラニオン軸をモータ66で回動させる。
トラニオン軸が回動することで、エンジン3の回転動力は油圧式無段変速装置(HST)7の定容量油圧モータ7bの出力軸27から出力され、得られた動力は出力軸27、伝動軸40、ギヤ40a、ギヤ40b、ギヤ40cおよび主変速軸41へと伝達されていく。
主変速軸41の動力は、油圧クラッチ52が接続していると1速が出力され、ギヤ43、ギヤ47、油圧クラッチ52、軸45に順次動力が伝達されていく。油圧クラッチ51が接続される2速の場合はギヤ42、ギヤ46、油圧クラッチ51、軸45に順に動力伝達されていく。
軸45の動力は、ギヤ48b、ギヤ44b、ギヤ37、ギヤ56へと順に伝達される。そして、差動装置53を通過して左右の前輪2が回転する。
また、HST7の可変油圧ポンプ7aのPTO駆動軸26は、アクセルペダル9の踏み込みの有無にかかわらず、エンジン3が回転することで常時回転する(エンジン回転数に対応する)。PTO駆動軸26の動力はギヤ29、ギヤ31、ギヤ33、軸32と伝達される。軸32までは常時回転している。
PTO油圧クラッチ34を接続すると、軸32の動力は軸35に伝達されて作業機を駆動する。一方、四輪駆動を選択する場合は、四輪駆動レバー(図示せず)を操作して、ギヤ60をギヤ58に噛み合わせる。すると、前記ギヤ56の動力がギヤ57、ギヤ58、ギヤ60、軸61と伝達され、さらに差動装置53を通過して後輪6を駆動する。
前記副変速レバー12による変速はギヤスライド式であるため、走行しながらの変速はできない。ただし、ギヤスライド式であってもシンクロが構成されていると走行しながらの変速も可能である。
前記主変速装置の出力は油圧クラッチ52,51による接続で行われるため、走行しながらの変速が可能である。そこで、作業走行中において、スイッチ62b,62aを交互に入り切りすると、1速(作業低速)と2速(作業高速)の切換えができる。
また、後進走行時には、前後進レバー10を後進側に切り換え、アクセルペダル9を踏むことで後進走行を開始する。ただし、前進中でアクセルペダル9を踏んでいる状態で前後進レバー10を後進操作しても問題なく後進走行できる。これは、後進レバー10を後進側に操作するとトラニオン軸が逆方向に回転するので機体は減速停止して、その後、後進走行する。このときの後進速度はアクセルペダル9の踏み込み量により調整される。すなわち、アクセルペダル9の踏み込み量(ポジションセンサ71で検出)に対応して油圧式無段変速装置(HST)7の可変油圧ポンプ7aのトラニオン軸を前進とは逆方向に回動し、エンジン3の回転動力は油圧式無段変速装置(HST)7の定量油圧モータ7bの出力軸27から前進時とは逆回転で出力される。
ブレーキペダル8のみを踏むと、前輪2と後輪6のディスクブレーキ(図示せず)が作動し、さらにトラニオン軸が中立になる。ブレーキペダル8とアクセルペダル9の両方を踏むと、ブレーキペダル8の機能が作動し、CPU100はアクセルペダル9からの信号を無視する。また、前後進レバー10が中立位置のときにアクセルペダル9を踏んでも、トラニオン軸は動かさない制御にしている。これは無駄な動力や電力を使用しないためである。
前進走行時(3速と4速)が選択されると、次のような走行制御が行われる。
すなわち3速(低速走行)と4速(高速走行)は、いずれも走行時の低速と高速であり、基本的には作業機を用いる作業はしないが、条件によっては3速で作業機を用いる作業を行う場合もある。副変速レバー12を高速側にすると、副変速装置のギヤ48aがギヤ44aに噛み合って動力伝達の準備ができる。
3速の場合はスイッチ62bを入りにすると、主変速装置の油圧クラッチ52が接続して、ギヤ43からギヤ47への動力伝達の準備がなされる。4速の場合はスイッチ62aを入りにする。すると、主変速装置の油圧クラッチ51が接続して、ギヤ42からギヤ46への動力伝達の準備がなされる。
本実施例はアクセルペダル9の踏み込み量に応じてHST7のトラニオン軸の回動量が変化する構成である。これは図5のHST制御ブロック図に示すように、アクセルペダル9の踏み込み量に対応してアクセルペダルポジションセンサ71の検出値が変化し、該変化量に応じてパルス的に正転切換リレーR1(踏み込み時)又は逆転切換リレーR2(戻し時)が作動し、モータ駆動回路を経由して電動モータ66によりトラニオン軸の回動角を調整する方式である。また、前後進レバー10を後進側にして、アクセルペダル9を踏み込むと、逆転切換リレーR2が作動し、アクセルペダル9を戻すと、正転切換リレーR1が作動する。
このとき、副変速レバー12の操作を検出する副変速レバーセンサ65が低速(L)側位置にあるときには副変速レバー12が高速(H)側位置にある時に比べて、高速側切換スイッチ62aと低速側切換スイッチ62bのいずれが押されても、高速側油圧クラッチ51又は低速側油圧クラッチ52の接続に要する時間を長くする。
また、副変速レバー12が低速側選択時又は高速側選択時のいずれであっても、車速センサ74により検出した車速が一定以下であれば、高速側切換スイッチ62aと低速側切換スイッチ62bのいずれが押されても、油圧クラッチ51,52の接続に要する時間を最も短くする構成とする。この場合、前記油圧クラッチ51,52の接続に要する時間は、少なくとも副変速レバー12が高速側にある時と略同じ時間とするか、または副変速レバー12が高速側にある時よりも早くする。
こうして、高速側油圧クラッチ51又は低速側油圧クラッチ52の切り換えがショックなくスムーズに行え、また、登り坂でシフトダウンするときに短期間で切り換えができるので、その切換時に機体の後退を最小限に抑えることができる。
なお、作業車両の前後進の切換は、図1(b)に示す前後進レバー10の操作によりHST7のトラニオン軸(図示せず)の回転方向を切り換えて行う。また図示しないPTO出力軸には路上清掃機を付けて路上清掃を行ったり、雪掻き機を付けて除雪を行うなどの作業を行うことができる。
また、足元のアクセルペダル9の操作に対応してHSTトラニオン軸をモータ66で駆動するが、図6に示す可変容量型油圧ポンプ7aと定容量型油圧モータ7bからなるHST油圧閉回路7dの内の油圧モータ7bの両側の油路内の圧力を第1HST圧力センサ76aと第2HST圧力センサ76bによりそれぞれ検出し、各検出圧力が一定値以上になるとトラニオン軸を減速側に動かし、エンストを防止する構成とする。
これは、HST油圧閉回路7d内に一定油圧以上の過大な負荷が掛かるとエンジン3がエンストすることがあり、特に傾斜地では油圧クラッチ51,52からなる油圧クラッチ構成の場合にエンジンブレーキが効かず傾斜地に沿って車両が降下するおそれがある。そこで本実施例では上記油圧モータ7bの両側の油圧回路7d内の油圧が一定値以上になるとトラニオン軸を減速側に動かしエンストを防止して、傾斜地での車両の降下を回避することができる。
また、車両に前後傾斜センサ77を設け、走行中の傾斜地の傾斜角度が一定値以上の場合にのみトラニオン軸を減速側に動かす構成としても良い。これは、平地ではエンストしても車両が動く心配はないので、できるだけ車速を落とさないようにして作業効率を上げることができるようにしておきながら前後傾斜地を走行中は安全のために、前後傾斜地が一定値以上の傾斜角度である時にだけ走行速度を減速させるものである。
また、図7のタイミングチャートに示すように車両に前後傾斜センサ77が走行中の傾斜地の傾斜角度が一定値以上であるとことを検出している場合にブレーキペダル8を踏まずにキースイッチ67をオフにして、(エンジン停止)させた場合、ブザー80を鳴らしてブレーキペダル8を踏むよう促す構成とすることが望ましい。また同時に操作パネル画面にブレーキペダル8を踏むよう促すメッセージを表示しても良い。このとき、図8のタイミングチャートに示すように、ブレーキペダル8を踏んでないのにキースイッチ67をオフしてもエンジンが停止しない構成にすると、万一、キースイッチ67をオフしても車両が坂道を降下するおそれがなくなる。
さらに、傾斜地の傾斜角度が一定値以上であると、図9のタイミングチャートに示すように前後進レバー10が中立位置にあってもブレーキが踏まれるまでの間は油圧クラッチ51,52を切らないようにすると、車両が坂道を降下するおそれがなくなる。
また本実施例作業車両は次のような制御を行うこともできる。
図10に示すように、ハンドル切れ角センサ78がハンドル1の切れ角が一定値以上であることを検出すると、高速で旋回することを防ぐためにトラニオン軸を車両速度の減速側に移動させる構成にしてもよい。
また、旋回時に減速させるトラニオン軸の位置よりアクセルペダル9の操作によるトラニオン位置のほうが低速側にある場合にはアクセルペダル9の操作により求めたトラニオン軸の位置に位置付けすることで、オペレータの車両の操作に矛盾しない制御が達成できる。
さらに、オートクルーズスイッチ81を入れて、該スイッチ81を入れた時の車両の走行状態を保つオートクルーズ中に車速センサ74で検出される車両速度が一定値以上であれば、一定値以下の車速になるよう減速する構成とする。このとき、高速での旋回を防ぎながら旋回後半でハンドル1の切れ角が一定値以内になれば再びトラニオン軸をオートクルーズ位置に位置付ける構成とすることでオートクルージングが続行できる。
また、従来ブレーキペダル8の踏み込みの検出はスイッチで行っていた。そのためブレーキペダル8を踏んだことを検出してトラニオン軸を中立に戻すとき、軽くペダル8を踏んでいるのに急停車するとか、一杯にペダル8を踏んでいるのに停車が遅い等の問題があった。そこで、図11のタイミングチャートに示すように、ブレーキペダル8のペダル位置を検出するポジションセンサ79の検出値によりブレーキペダル8の踏み量を求め、該ブレーキペダル8の踏み量に応じてトラニオン軸の中立位置への戻し速度を変更する。例えば、ブレーキペダル8の踏み量が大きいときは戻し速度を速くして素早く車両を停止させることができる。
また、ブレーキペダル8の踏み位置だけでなく、該ペダル8の踏み込み速度も考慮してトラニオン軸の動作速度を決定する構成としても良い。
本発明は、油圧式無段変速装置を搭載した作業車両に利用可能である。
本発明の実施例の作業車両の左側面図である。 図1の作業車両のトランスミッション内の動力伝動系統図である。 図2の動力伝動系統図の部分拡大図である。 図1の作業車両の副変速レバーの操作部の斜視図である。 図1の作業車両のHST制御ブロック図である。 図1の作業車両の静油圧式無段変速装置(HST)の油圧閉回路図である。 図1の作業車両の傾斜地での安全走行用タイミングチャートである。 図1の作業車両の傾斜地での安全走行用タイミングチャートである。 図1の作業車両の傾斜地での安全走行用タイミングチャートである。 図1の作業車両の旋回時の安全走行用タイミングチャートである。 図1の作業車両のブレーキペダル踏み込速度に対応させた車両停止タイミングチャートである。
符号の説明
1 ステアリングハンドル 2 前輪
3 ディーゼルエンジン 6 後輪
7 静油圧式無段変速装置 7a 可変容量型油圧ポンプ
7b 定容量型油圧モータ 7c 油圧入力軸
7d 油圧閉回路 8 ブレーキペダル
9 アクセルペダル 10 前後進レバー
12 副変速レバー 14 ミッションケース
15 前ケース 16 繋ぎケース
17 中間ケース 18 後ケース
19 入力軸 20 インプットケース
21、22、24、25 ギヤ
23 第一中継軸 26 PTO駆動軸
27 出力軸 28 駆動軸
29、31 ギヤ 32 PTO後カウンタ軸
33 カウンタギヤ 34 PTOクラッチ
35 PTO前カウンタ軸 37 前輪駆動ギヤ
40 伝動軸 40a、40b、40c ギヤ
41 主変速軸(クラッチ軸) 42 大ギヤ
43 中ギヤ 44a 副変速高速用小ギヤ
44b 副変速低速用大ギヤ 45 クラッチ軸
46、47 変速クラッチギヤ
48a 副変速高速用大ギヤ 48b 副変速低速用小ギヤ
49 高速側油圧クラッチソレノイド
50 低速側油圧クラッチソレノイド
51 高速側油圧クラッチ 52 低速側油圧クラッチ
53 差動装置 56 後輪駆動ギヤ
57 カウンタギヤ 58 ギヤ
60 後輪出力ギヤ 61 後輪駆動軸
62a,62b 主変速(高・低切換)スイッチ
64 レバーガイド 65H、65L 副変速レバーセンサ
66 電動モータ 67 キースイッチ
68 低速用ソレノイド 69 高速用ソレノイド
70 トラニオン軸ポジションセンサ
71 アクセルペダルポジションセンサ
73 前後進切換用スイッチ 74 車速センサ
75 HST出力軸回転センサ 76a 第1圧力センサ
76b 第2圧力センサ 77 傾斜センサ
78 ハンドル切れ角センサ
79 ブレーキポジションセンサ
80 ブザー 81 オートクルーズスイッチ
100 コントローラ R1 正転切換リレー
R2 逆転切換リレー

Claims (1)

  1. エンジン(3)と、
    該エンジン(3)の動力を電子制御により変速制御する油圧閉回路(7d)を備えた静油圧式変速装置(7)を含む動力伝達機構と、
    該静油圧式変速装置(7)の出力を手動操作量に対応させて制御する走行速度調節手段(9)と、
    静油圧式変速装置(7)の油圧閉回路(7d)の出力側に設けられる油圧モータ(7b)部の油圧を測定する圧力検出手段(70a,70b)と、
    該圧力検出手段(70a,70b)による圧力検出値が所定値以上になると、静油圧式変速装置(7)の出力を減速側に変速制御する制御装置(100)と
    を備えたことを特徴とする作業車両。
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