JP2009132914A - ポリエステル樹脂成型物の製造方法、それに使用する結晶化誘起剤、マスターバッチおよびポリエステル樹脂成型物 - Google Patents

ポリエステル樹脂成型物の製造方法、それに使用する結晶化誘起剤、マスターバッチおよびポリエステル樹脂成型物 Download PDF

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Abstract

【課題】成型物に白濁をもたらす無機結晶核剤を使用しないことで、透明性を損なわない結晶化ポリエステル樹脂成型物の製造方法の提供。
【解決段】下記(a)または(b)の混合物(コンパウンド)を、金型内に溶融射出して金型内に保持し、その後冷却して成型物を構成しているポリエステル樹脂を、無機質結晶核剤を使用することなく結晶化させることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物の製造方法。
(a)架橋形成剤により少なくとも1部に架橋点が形成された結晶誘起性架橋ポリエステル樹脂Aと非架橋ポリエステル樹脂Cとの混合物。
(b)上記樹脂Aを多く含む該樹脂Aと非架橋ポリエステル樹脂Bとの混合物(結晶誘起性マスターバッチM)と非架橋ポリエステル樹脂Cとの混合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂成型物の製造方法、それに使用する結晶化誘起剤、マスターバッチおよびポリエステル樹脂成型物に関し、さらに詳しくは原料ポリエステル樹脂、特に脂肪族ポリエステル樹脂、中でも植物由来の原料を主成分とするポリエステル樹脂成型物の物性向上のための結晶化誘起剤として、架橋点が形成された結晶化誘起性ポリエステル樹脂を含むマスターバッチを使用し、かつ成型段階においてポリエステル樹脂の結晶形成条件を保持し、ポリエステル樹脂の結晶化を進めることによって得られる、物性が向上されたポリエステル樹脂成型物の製造方法、該方法に用いる結晶化誘起剤、そのマスターバッチおよびポリエステル樹脂成型物に関する。
近年、化石資源の枯渇問題や環境への影響から石油由来の高分子材料に代わって、再生可能な高分子材料として植物由来の原料を使用した高分子材料、いわゆるバイオマスプラスチックが、環境負荷低減可能な材料として注目されてきている。その代表的なものはポリ乳酸であるが、該ポリ乳酸は、それ自身結晶性高分子であるにもかかわらず、その成型物の耐熱性が50℃〜55℃と低く、該成型物が、この温度を超えて加熱されると、当該成型品が変形してしまうという欠陥を有していた。
上記の理由は、溶融成型後のポリ乳酸の結晶化速度が極めて遅いためであり、成型機中で溶融されたポリ乳酸が成型後に脱型された状態では、該ポリ乳酸成型物の結晶化が殆ど進行していないためであった。その改良方法として、タルクなどの無機物質微粉を結晶核剤としてポリ乳酸に添加し、ポリ乳酸の成型・脱型後のポリ乳酸の結晶化を促進させる方法が行われている(特許文献1、2、3、4)。しかしながら、これらの結晶核剤は無機物質であるため、ポリ乳酸成型物の透明性を低下させるなどの欠陥を有していた。
特許第3,410,075号明細書 特開2003−301097号公報 特開2004−269588号公報 特開2004−352908号公報
本発明の目的は、成型加工時に結晶化の遅いポリ乳酸などのポリエステル樹脂に対して、成型物に白濁をもたらす無機結晶核剤を使用しないことで、透明性を損なわない結晶化ポリエステル樹脂成型物の製造方法、それに使用される相溶性に優れたポリエステル樹脂の結晶化誘起剤、そのマスターバッチおよびポリエステル樹脂成型物を提供することである。
本発明者らは、上記本発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、架橋したポリエステル樹脂(樹脂A)、あるいはそのマスターバッチMを結晶化誘起剤として原料ポリエステル樹脂と混練し、成型時に特定の結晶化条件を保持することで、該原料ポリエステル樹脂を含めた樹脂組成物全体の結晶化が顕著に進行されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(a)または(b)の混合物(コンパウンド)を、金型内に溶融射出して金型内に保持し、その後冷却して成型物を構成しているポリエステル樹脂を、無機質結晶核剤を使用することなく結晶化させることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物の製造方法を提供する。
(a)架橋形成剤により少なくとも1部に架橋点が形成された結晶誘起性架橋ポリエステル樹脂A(以下単に「樹脂A」または「結晶誘起剤」という場合がある)と非架橋ポリエステル樹脂C(以下単に「樹脂C」という場合がある)との混合物。ここで樹脂Cは成形物を構成する主成分である。
(b)上記樹脂Aを多く含む、該樹脂Aと非架橋ポリエステル樹脂B(以下単に「樹脂B」という場合がある)との混合物(結晶誘起性マスターバッチM)(以下単に「マスターバッチM」という場合がある)と樹脂Cとの混合物。ここで樹脂BはマスターバッチMの担体樹脂である。
本発明において、「結晶誘起性架橋ポリエステル樹脂A」、「結晶誘起性マスターバッチM」あるいは「成型物用組成物またはコンパウンド」の表現は、樹脂A、マスターバッチM、コンパウンドを押出機などの混練加工機から、例えば、ストランドとして水中に吐出され、切断されたペレットの状態などでは上記樹脂Aなどが全て完全に結晶していることを必ずしも意味するものではない。上記樹脂A、マスターバッチMあるいはコンパウンドの保有する機能として、それぞれの段階により原料である非架橋ポリエステル樹脂Cと配合され、射出成型機中の最終的な成型加工段階において、適切な金型温度や金型中に保持される時間などの成型条件で成型されることによって、樹脂Cに結晶化を誘起させ、成型物全体の結晶化を達成させ得る機能を有する樹脂A、マスターバッチ、コンパウンドを意味する。
前記本発明においては、前記樹脂Aの架橋前の樹脂A’、前記樹脂Bおよび前記樹脂Cは、それぞれ同一でも異なっても、またはそれらの混合物であってもよく;前記樹脂A’、BまたはCが、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸の重縮合物;少なくとも1種のラクトンの開環重合物;または少なくとも1種の脂肪族ポリカルボン酸、脂環式ポリカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸と、少なくとも1種の脂肪族ポリオール、脂環式ポリオールまたは芳香族ポリオールとの重縮合物;あるいはそれらのランダム共縮重合、ブロック共縮重合および/またはグラフト共縮重合ポリエステル樹脂であることが好ましい。
上記本発明においては、前記ヒドロキシ脂肪族カルボン酸の炭素数が1〜18であり、前記脂肪族ラクトンの炭素数が3〜6であり、前記脂肪族ポリカルボン酸の炭素数が2〜10であり、脂環式ポリカルボン酸の炭素数が4〜10であり、前記芳香族ポリカルボン酸の炭素数が6〜12であり、前記脂肪族ポリオールの炭素数が2〜6であり、前記脂環式ポリオールの炭素数が4〜10であり、芳香族ポリオールの炭素数が6〜12であること;前記樹脂A’、BまたはCが、乳酸、コハク酸、ヒドロキシ酪酸および/またはヒドロキシヘキサン酸を構成成分とするポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、上記本発明においては、前記架橋形成剤が、ラジカル発生剤および/または多官能性架橋剤であること;前記ラジカル発生剤が、パーオキシカーボネート系、パーオキシエステル系、ジアシルパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、パーオキシケタール系およびハイドロパーオキサイド系から選ばれた少なくとも1種の過酸化物であること;前記ラジカル発生剤が、1,1’−アゾビスシクロアルカンカルボニトリル、2−(カルバモイルアゾ)アルキルニトリル、2−フェニルアゾ−4−アルコキシ−2,4−ジアルキルアルキルニトリルから選ばれた少なくとも1種のアゾ系ラジカル発生剤であること;前記多官能性架橋剤が、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリメチロール化合物およびポリカルボジイミド化合物から選ばれた少なくとも1種の多官能性化合物であることが好ましい。
また、上記本発明においては、前記樹脂Aと前記樹脂Bとの混合割合が、樹脂A1質量部当たり樹脂B0.05〜10質量部であり、前記マスターバッチMと前記樹脂Cとの混合割合が、マスターバッチM1質量部当たり樹脂C1〜100質量部であること;前記樹脂Aと前記樹脂Cとの混合割合が、樹脂A1質量部当たり樹脂C3〜100質量部であることが好ましい。
また、上記本発明においては、前記成型時における金型温度が、溶融樹脂の結晶化温度Tc±30℃であり、金型内における樹脂の保持時間が5〜240秒であることが好ましい。
また、上記本発明においては、前記樹脂Aの調製工程、前記マスターバッチMの調製工程、前記混合物(aまたはb)の調製工程および混合物(またはb)の成型工程の何れかにおいて、着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、付加重合性単量体および鎖長延長剤から選ばれた少なくとも1種の添加剤を添加することができる。
また、本発明は、樹脂A’に、架橋形成剤を作用させることによって、少なくともその1部に架橋点が形成されたことを特徴とする結晶化誘起剤A(樹脂A);該結晶化誘起剤Aを、樹脂B中に拡散してなることを特徴とするポリエステル樹脂用結晶誘起性マスターバッチMを提供する。
また、本発明は、前記マスターバッチMと、樹脂Cとを混練させてなることを特徴とするポリエステル樹脂成型物用コンパウンド(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く);前記樹脂Aを、結晶化誘起剤として樹脂Cに配合してなることを特徴とするポリエステル樹脂成型物用コンパウンド(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く);前記マスターバッチMを、樹脂Cに配合して成型してなることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物D(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く);前記樹脂Aを、樹脂Cに配合して成型してなることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物E(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く)を提供する。
上記本発明においては、上記成型物に、着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、付加重合性単量体および鎖長延長剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有させることができる。
本発明によれば、成型加工時に結晶化が遅いポリエステル樹脂、特に植物由来のバイオマスプラスチックであるポリ乳酸などのポリエステル樹脂に対して、架橋点が形成されたポリエステル樹脂(樹脂A)をポリエステル樹脂の結晶化を誘起させる結晶化誘起剤、あるいは該結晶化誘起剤をマスターバッチに加工し、成型物の白濁をもたらす無機結晶核剤を使用しないことで、成型後の成型物の透明性を損なわない、原料ポリエステル樹脂(樹脂C)に対して相溶性に優れた結晶化誘起剤(樹脂A)およびそのマスターバッチMを提供することができる。
また、成型加工時に上記樹脂AあるいはマスターバッチMを、樹脂Cに添加して溶融混練し、成型段階において特定の結晶形成条件に保持することにより、樹脂Aにより樹脂Cの一部の結晶化が誘起され、該結晶化が、さらに樹脂C全体に伝播して樹脂C全体が結晶化され、耐熱性などの樹脂物性に優れ、樹脂本来の透明性が損なわれないポリエステル樹脂成型物DまたはEを提供することができる。
本発明の樹脂Aを樹脂Cと混練し、成型加工条件として特定の温度および特定の時間を保持して樹脂Cの結晶化を進めることで、樹脂Cの結晶化が誘起され、結晶化が樹脂C全体に伝播する機構は、熱分析やX線回折の結果などから以下のように想定される。
まず、樹脂A’と架橋形成剤とが、押出成型機中において溶融混練されることで、樹脂A’の分子に架橋形成剤が作用し、樹脂A’中の少なくとも一部の分子間に点架橋による架橋構造が形成されて樹脂Aとなる。しかし、押出機中の樹脂Aは全体としてはスクリューの回転方向に流動しておりシェアが掛かっている。その流動する樹脂Aの張力(テンション)によって、まず架橋した樹脂A分子は架橋点を結節点として折曲がり、さらに折れ曲がった樹脂A分子は流れ方向に引っ張られて伸びきり、結果的に樹脂A分子は互いに重なりあって、樹脂A分子に特有の分子配列を形成するのでないかと推察される。さらに上記樹脂Aが結晶化形成温度に保持されることによって、まず重なりあった樹脂Aの分子配列自身が結晶化し、さらにそれが鋳型(テンプレート)となって順次近隣の樹脂A分子の結晶化を誘起していき、樹脂A全体が結晶配列に移行するものと推察される。
さらに、本発明において樹脂Aを用いて、結晶ポリエステル樹脂成型物(D、E)を調製する工程での結晶形成のメカニズムも、上記と同様に樹脂Aが樹脂Cの結晶化誘起剤として機能し、射出成型機中で、樹脂AやそのマスターバッチMと樹脂Cとの溶融混練物が、樹脂成型段階で結晶形成の特定の温度および時間を保持されることで、結晶を形成している樹脂A分子が順に隣の樹脂C分子の鋳型となって結晶化が伝播していき、成型物全体が結晶配列状態を移行するものと推察される。
上記した樹脂Aを樹脂Cの結晶化誘起剤として使用するにあたり、樹脂Aをそのまま樹脂Cに混練して成型物を形成させる方法よりも、上記樹脂Aが、架橋形成剤によって樹脂A’中の少なくとも一部に点架橋による架橋構造を有する樹脂であることから、樹脂Aを予め樹脂Bと加熱混練して樹脂Aを樹脂B中に均一に拡散および希釈したマスターバッチMとして使用する方法の方が、樹脂Cの結晶化誘起および結晶化の伝播効果をより均一に発揮させるうえで好ましい。また、樹脂Aをマスターバッチ化せずに直接使用する場合においても、同様にして、樹脂Aと樹脂Cとを押出機で充分混練し、樹脂コンパウンドにしてから、該コンパウンドを成型機で成型する方法が好ましい。
前記した特許文献に記載のような、従来公知のタルクなどの固体状の無機物質の微粉末を結晶核剤として使用する樹脂Cの結晶化のメカニズムは、溶融した樹脂Cが徐冷されて準安定の結晶化状態になり、該樹脂C中に存在させた結晶核剤などが種(たね)となって樹脂Cの結晶を形成させるものと推定される。したがって上記した本発明の結晶誘起性樹脂AまたはマスターバッチMによる樹脂Cの結晶化の機構は、上記無機物質結晶核剤によるものと全く異なる結晶化機構によるものと考えられる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に使用されるポリエステル樹脂を、その加工工程毎で区別し、ポリエステル樹脂A’、ポリエステル樹脂Bまたはポリエステル樹脂Cとしたが、これらの各樹脂は、その構造中に多数のエステル結合を有し、さらに熱可塑性を有する従来公知のポリエステル樹脂である。好ましい樹脂として、特に結晶化速度が極めて遅い脂肪族ポリエステル樹脂、中でも植物由来の原料を主成分とするポリエステル樹脂が挙げられる。また、上記樹脂A’、樹脂B、樹脂Cはそれぞれ同一でも異なってもよいし、またはそれらの混合物でもよい。また、原料としての樹脂A、B、Cのペレットとしては、製造条件により非晶質状態、半結晶状態、あるいは結晶状態で供給される場合があるが、いずれも樹脂原料として押出し機や成型機などの加工機械中で溶融されて非晶質状態になる。以下、これら樹脂原料(ポリエステル樹脂A’、ポリエステル樹脂B、ポリエステル樹脂C)を総称して単に「原料樹脂」と称する場合がある。
上記の原料樹脂としては、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸の重縮合物;少なくとも1種のラクトンの開環重合物;または少なくとも1種の脂肪族ポリカルボン酸、脂環式ポリカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸と、少なくとも1種の脂肪族ポリオール、脂環式ポリオールまたは芳香族ポリオールとの重縮合物;あるいはそれらのランダム共縮重合、ブロック共縮重合および/またはグラフト共縮重合ポリエステル樹脂などが挙げられる。
上記原料樹脂をさらに説明すると、上記ヒドロキシ脂肪族カルボン酸としては、炭素数が1〜18のヒドロキシカルボン酸、例えば、乳酸、ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸の共重合物など;上記脂肪族ラクトンとしては炭素数が3〜6の脂肪族ラクトン、例えば、ブチロラクトン、カプロラクトンなど;脂肪族ポリカルボン酸としては炭素数が2〜10の脂肪族ポリカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの飽和ジカルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;脂環式ポリカルボン酸としては炭素数が4〜10の脂環式ポリカルボン酸、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物などが挙げられる。
また、芳香族ポリカルボン酸としては炭素数が6〜12の芳香族ポリカルボン酸、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など;脂肪族ポリオールとしては炭素数が2〜6の脂肪族ポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなど;脂環式ポリオールとしては炭素数が4〜10の脂環式ポリオール、例えば、シクロヘキセングリコールなど;芳香族ポリオールとしては炭素数が6〜12、例えば、ベンゼンジメタノール、フェニレンジプロパノール、ビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、ビスフェノールA−ビス(ヒドロキシプロピルエーテル)などが挙げられる。
特に好ましくは、原料樹脂として植物由来のヒドロキシカルボン酸、ラクトン、ポリカルボン酸、ポリオールなどの原料を主成分として縮重合または開環重合反応して得られるポリエステル樹脂が挙げられる。例えば、乳酸、乳酸オリゴマー、ラクチドを主成分として重合したポリ乳酸や乳酸共重合物などのポリ乳酸系樹脂、コハク酸、無水コハク酸を使用したポリコハク酸系樹脂、さらにそれらにヒドロキシ酪酸、ヒドロキシヘキサン酸などを原料として含む共縮合ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また、脂肪族のポリエステルと芳香族ポリエステルとの二元、三元ブロック共重合樹脂あるいは相互のグラフト共重合樹脂が挙げられる。例えば、ポリ乳酸−ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸−ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート−ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート−ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート−1,4−シクロヘキシレンジメチルアジペートなどの二元、三元ブロック共重合樹脂あるいは相互のグラフト共重合樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル鎖を末端に有する二元、三元ブロック共重合樹脂あるいはグラフト鎖として有するグラフト共重合樹脂が相溶性の点で好ましい。
また、本発明において樹脂A’に架橋構造を形成させるために使用される架橋形成剤としては、熱分解してフリーラジカルを形成させ、樹脂A’をラジカルカップリング反応あるいは付加重合性単量体とで付加重合させる公知のラジカル発生剤や樹脂の反応性基と架橋反応を起こす公知の官能性架橋剤が使用される。
樹脂A’に架橋形成剤を作用させ、架橋点が形成された樹脂Aを形成するに際して、樹脂A’と架橋形成剤の反応は溶液あるいは樹脂分散液の状態でも行われるが、最も好ましい方法は溶融状態で樹脂A’中に架橋を形成させる方法である。この方法で、樹脂A’を押出し機で混練して架橋させる場合には、混練温度において分解するラジカル発生剤や架橋反応を起こす多官能性架橋剤を使用することが好ましい。ラジカル発生剤の選定は、押出し機内での樹脂A’の混練温度の設定にもより、一概に規定はできないが、例えば、樹脂A’の混練温度がほぼ190℃ないし210℃である場合には、目安として1分間の半減期を得る分解温度が130℃〜210℃位にあるラジカル発生剤が好ましい。
具体的には、有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシカーボネート系、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル系、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド系、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド系、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール系、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド系の過酸化物などから選ばれた少なくとも1種の有機過酸化物が挙げられる。
また、アゾ系ラジカル発生剤としては、1,1’−アゾビスシクロアルカンカルボニトリル、2−(カルバモイルアゾ)アルキルニトリル、2−フェニルアゾ−4−アルコキシ−2,4−ジアルキルアルキルニトリルから選ばれた少なくとも1種のアゾ系ラジカル発生剤が挙げられる。
さらに、多官能性架橋剤としては、樹脂A’の有する反応性基、例えば、カルボキシル基または水酸基と反応し得る反応性基を分子中に二個以上有する化合物であり、公知のポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリメチロール化合物、ポリカルボジイミド化合物から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
ポリエポキシ化合物としては、グリセリル(ジ、トリ)グリシジルエーテル、ペンタエリスリトール(トリ、テトラ)グリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、スチレン−グリシジルメタクリレート(モル比;1:1)共重合体など;ポリイソシアネート化合物としては、トリメチロールプロパン−イソホロンジイソシアネートアダクト、トリメチロールプロパン−ヘキサメチレンジイソシアネートアダクトなど;ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(ヘキサメチレンカルボジイミド)−ビス(ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルウレタン)、ポリ(ヘキサメチレンカルボジイミド)−ビス(オレイルウレタン)などが挙げられる。
樹脂A’に対する架橋形成剤の使用量は、樹脂A’のポリマー分子間に架橋点が形成されることによって、混練機中での熔融状態における架橋ポリマー鎖の分子配列が形成され、かつ樹脂Aのマスターバッチ化工程および成型物を成型工程においては、樹脂Aが樹脂Bの熔融物中に混練されて均一に拡散することができ、結晶化誘起剤として充分機能するように、使用されることが必要である。後述するように、樹脂A中の架橋点が少ない場合には樹脂Aは結晶化誘起剤としての機能が発現しない。また、樹脂A中の架橋点が多い場合には架橋が過度に進み、ゲル状の重合体(樹脂A)が多く生成し、樹脂Aの熔融性、流動性、添加剤の混和性などを低下させ、また、最終的に得られるポリエステル樹脂成型物D、Eの外観、物性などを阻害する。
表1に、実施例1と同様な方法で、ポリL−乳酸(樹脂A’)に対して過酸化物としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(純度95%)の添加量を変えて得られた樹脂Aの示差走査熱量分析で測定された降温時のピーク温度を4行目に記載した。樹脂A’100gに過酸化物0.4g(0.0022モル)を反応させたA−1ペレットは実施例1(1)で得られており、このA−1ペレットの示差走査熱量(DSC)分析チャートを図1に示した。示差走査熱量分析で測定された降温時の発熱ピーク温度は今回の測定条件(昇温速度が10℃/分、冷却速度が10℃/分)における樹脂サンプルの示す結晶化温度を示している。また、得られたA−1ペレットから成型したプレートのX線回折図を図2に示した。回折角2θが17.2゜に回折強度の大きい、鋭いピークを有し、プレート全体が結晶化していることを示している。
架橋形成剤の使用量は、架橋されるべき樹脂A’の種類、分子構造、分子量や分子量分布など、架橋形成剤の種類、反応性、反応条件、反応率などによっても変わり一概に決められるものではないが、樹脂A’100gあたりの使用量の目安として、凡そ0.0015モル以上が好ましく、また、上限は、樹脂A’の過剰の架橋形成による樹脂Aの原料である樹脂A’中における樹脂Aの拡散を阻害しない範囲であり、樹脂A’100gあたり凡そ0.04モル以下、特に0.02モル以下が好ましい。
この場合、過酸化物やアゾ系ラジカル発生剤の分解によるフリーラジカルにより樹脂A’の架橋を効果的に行なうために、前記したように樹脂A’の合成時に付加重合性の原料、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの付加重合性ジカルボン酸、それらの無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステルなどの反応性誘導体を使用し、樹脂A’に付加重合性を挿入してもよい。また、樹脂A’にラジカル発生剤とともに、従来公知の付加重合性単量体や付加重合性オリゴマーなどの架橋助成成分を添加してもよい。上記架橋助成成分としては、例えば、ポリアルキレン(炭素数2〜6)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレートなどの多官能性単量体やジアルキル(炭素数1〜7)イタコネートなどの単官能性単量体などが挙げられる。
本発明における結晶誘起性樹脂組成物であるマスターバッチMの調製工程における樹脂Aと樹脂Bとの混合割合は、樹脂A:1質量部当たり樹脂B:0.05〜10質量部であり、樹脂B:0.5〜5質量部が好ましい。この際に樹脂Bの使用量が0.05質量部未満であると、樹脂Aが充分に希釈拡散されたマスターバッチMが得られず、また、加熱溶融性の面でもマスターバッチMが樹脂Aとほぼ変わらず好ましくない。また、樹脂Bの使用量が10質量部を超えると、得られるマスターバッチMの加熱溶融性は良好であるものの、高濃度希釈樹脂組成物としてのマスターバッチMの目的にそぐわない。
実施例1(2)で樹脂Aと樹脂Bとの質量対比が1:1でマスターバッチM−1を調製した。図3がマスターバッチM−1の示差走査熱量分析(DSC)チャートで、126℃に結晶化温度を示した。図4がM−1ペレットから成型したプレートのX線回折図で、17.1゜に回折強度の大きい、鋭いピークを示した。
また、最終製品である成型物Dの調製において、マスターバッチMを樹脂C中に希釈する際の混合割合は、マスターバッチM:1質量部当たり樹脂C:1〜100質量部で調製されるが、後述するように、樹脂A:1質量部当たりの樹脂Cの合算量(マスターバッチ中の樹脂Bも含む)が100質量部以下になるようにすることが好ましい。
本発明においては、樹脂A、マスターバッチMあるいは成型物Dを成型するに使用されるコンパウンド(ペレット)は、成型物Dの成型工程において樹脂Cの結晶化を誘発する機能を有していることが必要であって、それ以前のペレット自体では必ずしも完全に結晶化していることは必要ではない。例えば、上記した樹脂A、マスターバッチMあるいは成型物D用のコンパウンドを製造する工程において、押出機から吐出された溶融樹脂のストランドが通常の冷却条件で水中カットされ、樹脂の結晶化が不完全な状態で固化したペレットも潜在的に結晶化誘発機能を有しており、本発明において使用される。
成型物Dの成型工程において樹脂Cの結晶化を完全に行なうためには、マスターバッチMと樹脂Cとを混合し、射出成型機で成型するにあたり、成型条件として樹脂Cの結晶化に適切な金型温度と金型内保持時間を設定することが必要である。金型温度としては樹脂Cの結晶化温度および溶融温度は樹脂の融点以上の温度に設定される。
実施例1でポリ乳酸A−1(樹脂A)を非晶質のポリ乳酸(樹脂C)と1:1で混合し、25mm二軸押出機でシリンダー温度を200℃に設定し、混練してマスターバッチM−1ペレットを得た。得られたマスターバッチM−1ペレットとポリ乳酸ペレット(樹脂C)を2:8の質量比で混合し、2oz射出成型機を使用し、金型の温度と成型板の冷却条件を変えて成型試験を行った。
それぞれの冷却条件による成型板の結晶化度の違いを表2に示した。成型板は、設定した金型内保持時間のそれぞれの秒数で金型から取り出し、直ちに水中で急冷して余熱による結晶化の進行を停止させて調製した。樹脂成型板の結晶化度は、DSC昇温時の結晶化カロリーより計算して得られた結晶化進行率の数値を基準にして評価し、さらに実用的な観点より成型板の結晶化に起因する曇り(ヘーズ)の程度および耐熱性の向上の程度から評価し、下記の4段階の記号で示した。
金型温度は、ポリ乳酸ではTcである110℃〜120℃が好ましい。表2で示したように、金型内での成型物の結晶化を進行させるためには、金型温度に合わせて充分な金型内保持時間が大切である。金型温度の設定によって変わるが、金型内保持時間は凡そ10秒〜240秒が必要である。ポリエステル樹脂全般的には、金型温度が凡そ結晶化温度(Tc)を中心に上下30℃の範囲(Tc±30℃)で、金型内保持時間が凡そ5〜240秒の範囲で成型することが好ましい。要望としては、結晶化が完全に行くことを前提に、省エネルギーと短時間成型による生産性の向上が課題となっている。したがって、これらは予め予備試作を行なって最適条件を決めることが望ましい。
さらに、成型物Dを製造するにあたり、マスターバッチMとポリ乳酸Cの希釈比の検討を行なった。上記の成型条件に準じて、前記マスターバッチM−1とポリ乳酸を4水準の比率で配合し、射出成型機でシリンダー温度を190℃にて混練した樹脂組成物をさらに2種類の成型条件による結晶の形成の差異を表3に示した。表3では、成型板の示差走査熱量測定による結晶化温度およびX線回折図を示した。また、樹脂成型板の結晶化進行率を表2と同様の基準で評価した。試験片の熱変形温度(Heat Distortion Temperature、荷重0.46MPa)を測定した。これは3点はりの曲げ強度試験で一定加重下、オイルバス一定昇温状態で行い、一定変形までの耐熱性を評価する実使用上の耐熱変形温度を示す。なお、非晶質のポリ乳酸成型板の熱変形温度は53℃であった。
上記の表3の結果として、成型物Dを得るために、樹脂Cの結晶化を誘起させるためにマスターバッチMの形で添加される樹脂Aの含有量の範囲は、対象とする樹脂Cの性状、例えば、樹脂Cの面で分子構造、平均分子量、分子量分布など、物性面で融点、熔融粘度など、さらに添加剤の種類や量あるいは成型加工条件などの要因によって一概に決められるものではないが、成型条件が適切であれば、凡そ樹脂Aを樹脂Cの1質量%以上使用することで樹脂Cの結晶化を誘起し、樹脂C全体を結晶化することができるという驚くべきことが示された。
樹脂A−1の調製に際し、過酸化物の使用量はポリ乳酸(樹脂A’)100gあたり0.4g(0.0022モル)であり、得られた樹脂Aを樹脂Cの1質量%使用してポリ乳酸(樹脂C)全体を結晶化することができた。樹脂A中には、勿論過酸化物は分解して存在していないが、その作用効果として過酸化物の使用量を求めると、成型物100gあたり0.004g(0.000022モル)に相当する過酸化物量となる。前記表1で示したように過酸化物による架橋樹脂が、過酸化物の使用量が0.1g(0.0005モル)ですら、結晶化温度を示さなかったことと比べ、架橋樹脂Aの結晶化を誘起する機能として驚くべきことである。
さらに、本発明の樹脂Aと樹脂Cとからなる組成物(コンパウンド)においては、前記したように樹脂Aが実質的に非常に少ない量で樹脂Cの結晶化が達成されるため、上記コンパウンドの溶融時の流動特性は、樹脂Cの溶融時の流動特性と大きく変わらず、上記コンパウンドの成型加工、さらには成型物の使用後の回収、再使用および再生加工などの2次的加工が容易にできるという優れた特長を有する。
次に、マスターバッチMを使用しないで樹脂Aを結晶化誘起剤として樹脂Cを結晶化させて成型物Eとする方法について述べる。前記したように、樹脂Aと樹脂Cとを押出機で充分混練し、樹脂コンパウンドにしてから成型機で成型し、成型物Eにする方法が好ましい。その際のコンパウンドの混合割合は、樹脂A1質量部当たり樹脂C3〜100質量部である。このコンパウンドおよび成型物の性状、物性などは前記マスターバッチMを使用して製造された成型物Dの性状および物性などと同様である。
また、本発明の成型物D、Eには、その目的に応じて少なくとも1種の添加剤を配合することも好ましい。添加剤としては、例えば、着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、付加重合性単量体および鎖長延長剤からから選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
上記した添加剤などは、添加の目的、添加剤の機能に応じて、例えば、成型物D、Eを形成する工程において樹脂Cの付加価値を向上させるもの、樹脂Cとの反応に関与し、あるいは物理的な作用で樹脂Cの物性を向上させるものなど、それぞれの添加剤の目的に応じて適切な工程で添加される。例えば、樹脂Aの調製工程、マスターバッチMの調製工程、成形物D、E用のコンパウンド調製工程、成型物DあるいはEの成型工程のいずれかの工程で、それぞれの樹脂A’、A、B、Cまたはコンパウンドに配合され、混練機により溶融、混練し、成型物D、E中に均一に分散される。
使用される着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料、カーボンブラック顔料および体質顔料など公知の顔料から選ばれた色素、体質顔料である。有機顔料、無機顔料、体質顔料としては、従来公知の有彩色、黒色または白色の顔料、体質顔料が挙げられ、例えば、アゾ系、ポリ縮合アゾ系、アゾメチン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系、ペリノン・ペリレン系、ジピロロピロール系、インジゴ・チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、キノフタロン系などの顔料および酸化鉄系顔料、カーボンブラック系顔料、酸化チタン系顔料、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられる。
本発明において、樹脂Aの調製工程、マスターバッチM、各コンパウンドの調製工程で使用される混練機としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機などの押出機や三本ロール、二本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、オープン型二軸連続混練機などが挙げられ、特に押出機が好ましい。また、成型物D、Eの成型工程においては、スクリュー式の単軸押出成型機、同方向あるいは異方向回転二軸押出成型機、多軸押出成型機、射出成型機あるいはローター式の混練機、あるいは単軸、多軸の連続式混練機などが使用される。
これらの混練機、成型機は樹脂混練、樹脂成型の常法に従って単独にあるいは組み合わせて使用される。これらの混練機は、混練の目的、材料の種類、配合に応じてスクリュー、ニーディングディスク、ローターなどの各種セグメントを自由に組み替えることができる。また、押出機などのシリンダーの長さや形状を自由に組み替えてもよい。また、目的に応じて材料の供給量、スクリューあるいはローターの回転数、混練機械の温度などの混練条件を適切に設定することも、架橋形成反応、結晶化誘起剤の均一な混練、添加剤の均一な分散効果などをもたらすために重要なことである。特に射出成型機などの成型機においては成型条件として、成型物の結晶化のための金型温度、金型内保持時間の設定が必要である。
ポリ乳酸などの生分解性樹脂は、剛直な分子構造であることから耐衝撃性の劣り、脆い欠点を有している。そこで樹脂改質材を用い柔軟性を付与する手段にラジカル発生剤による架橋結合を利用する方法が提案されている。国際公開第03/066733号パンフレットは、ポリ乳酸と樹脂改質材の一方または双方に不飽和結合を導入し、ラジカル発生剤により樹脂改質材鎖とポリ乳酸鎖を架橋結合させることによって相溶性を向上させ、ポリ乳酸に柔軟性と透明性を付与している。
特開2001−64379号公報は、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルとをラジカル発生剤により架橋反応させることにより相溶化させ、透明性が高く、優れた機械特性を付与している。特開2003−171544号公報は、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルとを有機過酸化物により変性させることによって溶融張力が上昇し、歪み硬化性が発現し、良好な成型性を付与するとしている。
これらの特許文献は、ポリ乳酸への架橋結合の導入を提案はしているが、本発明のような樹脂Aがポリ乳酸などのポリエステル樹脂の結晶化を促進させる作用は記載されていず、また、示唆される記載もない。
また、特開2005−220171号公報には、ポリ乳酸中に架橋構造を有するポリ乳酸を含有させることで、ポリ乳酸組成物の結晶化速度を速めることができ、その結果、より高い耐熱性の成型物を得ることができる旨の記載があるが、ポリ乳酸の結晶化は公知の結晶核剤であるタルクの作用によっており、架橋構造を有する乳酸(樹脂A)が原料ポリ乳酸の結晶化に寄与するような効果の記載はない。
したがって、本特許文献には、本発明の、無機物質結晶核剤を使用することなく、架橋点が形成された樹脂Aあるいはそれを均一に拡散したマスターバッチMを結晶化誘起剤として樹脂Cを結晶化させ、結晶化ポリエステル樹脂成型物を得ることは何等記載されておらず、また、示唆される記載もない。
本発明の結晶化ポリエステル樹脂成型物は、耐熱性などの物性が向上し、しかも無機物質などを含まないことから成型物の透明性が比較的保持される。その結果、従来耐熱性が低いことから使用できなかった用途を含め、従来のポリエステル樹脂成型物の用途に広く使用することができる。例えば、シート類、フィルム類、ネット類;容器類、トレイ類;発泡材料類;食品包装容器類;水産物・農産物用箱類、包装用箱類、輸送用箱類;電気製品・精密機器などの緩衝材;建築用・道路用の防音・断熱材など広範な用途で使用される。
次に具体的な実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、文中、「部」および「%」とあるのは特に断らない限り質量基準である。
実施例1
(1)樹脂A−1(結晶化誘起剤)の調製
ポリL−乳酸(樹脂A’)(以下、「ポリ乳酸」と称する)の粉末100gにラジカル架橋形成剤として、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(純度95%)0.4g(0.0022モル)を添加し、十分に混合した後、25mm二軸押出し機(L/D=42、混練温度200℃)にて混練し、ストランド状に水中に吐出して冷却し、ペレタイザーでカッティングして樹脂A−1ペレットを調製した。
上記で得られた樹脂A−1ペレットの示差走査熱量測定を連続して2回行なった。図1に、樹脂A−1ペレットのチャートを示した。1回目は昇温時に樹脂A−1ペレットの融解を示す169℃にピークのあるシャープな吸熱を示し、降温時に樹脂A−1ペレットの結晶化を示す125℃のシャープな発熱ピークを示した。2回目は、昇温時には同様に168℃にシャープな吸熱を示し、降温時には同様に124℃がピークの結晶化による発熱を示した。結晶化温度は、1回目の測定で125℃、2回目で124℃を示し、樹脂A−1の結晶化の優れた再現性を示した。図2は、得られた樹脂A−1ペレットから成型したプレートのX線回折図を示す。回折角2θが17.2゜に回折強度の大きい、鋭いピークを有し、プレート全体が結晶化していることを示している。
(2)マスターバッチM−1の調製
ポリ乳酸(樹脂B)のペレット50部に上記樹脂A−1ペレット50部を混合した後、二軸押出し機にて混練し、ストランド状に水中に吐出して冷却し、ペレタイザーでカッティングしてマスターバッチM−1のペレットを調製した。
上記(1)と同様にして、上記ペレットM−1の示差走査熱量測定を行なった。図3に測定チャートを示した。降温時にペレットM−1の結晶化を示す126℃のシャープな発熱ピークを示した。引続いて2回目の測定も降温時に同様にペレットM−1の結晶化を示す125℃がピークのシャープな発熱を示した。1回目と2回目は1℃の違いで、優れた結晶再現性を示した。図4は、上記で得られたマスターバッチM−1を射出成型機にて成型したプレートのX線回折図を示す。2θが17.1゜に回折強度の大きい、鋭いピークを有し、マスターバッチM−1から成型したプレート全体が結晶化していることを示している。
(3)成型品D−1の調製
ポリ乳酸(樹脂C)のペレット48部に上記(2)で得られたマスターバッチM−1の2部を混合し、射出成型機でシリンダー温度を190℃に設定し、金型温度120℃、金型内保持時間90秒の成型条件で成型し、成型プレートD−1を得た。成型プレートD−1は樹脂の結晶に起因する半透明を示し、厚みの薄いフィルム状ではほぼ透明を示した。
上記(1)と同様にして、図10に上記で得られたプレートD−1のX線回折図を示す。2θが17.1゜に回折強度の大きい、鋭いピークを有し、プレートD−1全体が結晶していることを示している。また、図11に、上記プレートD−1の示差走査熱量測定を行なった測定チャートを示した。降温時にプレートの結晶化を示す119℃のシャープな発熱ピークを示した。引続いて2回目の測定も降温時に同様にプレートD−1の結晶化を示す119℃がピークのシャープな発熱を示した。1回目と2回目は同温度で、優れた結晶再現性を示した。
実施例2〜4
実施例1(3)と同様にして、表4に示すポリ乳酸(樹脂C)のペレットに、マスターバッチM−1のペレットを混合し、射出成型機にて成型し、ポリ乳酸の成型プレートD−2〜D−4を得た。得られた成型プレートの示差走査熱量測定およびX線回析を行なった。表4に降温時の発熱ピーク温度、およびX線回析図の2θのピークの角度を示した。
比較例1(樹脂Cのみの成型物)
ポリ乳酸(樹脂C)の樹脂粉のみを二軸押出し機(混練温度200℃)にて混練し、樹脂ペレットを形成させ、該ペレットの熱分析を行なった。図14に、上記ペレットの示差走査熱量測定チャートを示した。昇温時にペレットの融解を示す172℃がピークのシャープな吸熱を示したが、実施例1、2、3で示した降温時の結晶化に起因する発熱現象を示さずに冷却された。引続いて再度昇降温を行なったが、同様にペレットの融解を示す吸熱を示すのみであった。図15に、上記ペレットのX線回折図を示す。回折図にはピークはなく、ペレットがアモルファス(無定形)状態であることを示している。
比較例2(無機結晶核剤による樹脂の結晶化)
ポリ乳酸(樹脂C)の樹脂粉100部に、無機結晶核剤としてタルク11部および炭酸カルシウム1部を添加し、十分に混合した後、二軸押出し機(混練温度200℃)にて混練し、ストランド状に水中に吐出、冷却してペレタイザーでカッティングして結晶核剤を含む樹脂ペレットを調製した。当該ペレットを射出成型機にてシリンダー温度190℃、金型温度105℃、冷却時間150秒にて成型し、白色のプレートを得た。該プレートの白色は添加した無機結晶核剤によるものである。
図16に、上記プレートの示差走査熱量測定チャートを示した。プレートの結晶化を示すピーク温度は110℃であった。図17はX線回折図で、2θが10.1゜、17.1゜および29.2゜に鋭いピーク(相対強度の対比は75:100:73)を示した。タルクおよび炭酸カルシウムのX線回折は10.1゜と29.2゜であり、17.1゜がポリ乳酸の結晶化による回折を示している。
実施例5
ポリ乳酸のペレット97部と実施例1(2)のマスターバッチM−1のペレット2部とフタロシアニン青色顔料を10%含有する顔料ポリ乳酸マスターバッチ1部とを混合し、二軸押出し機(L/D=52、混練温度200℃)にて混練し、樹脂ペレットを形成させた。次いで、得られたペレットを射出成型機にて金型温度115〜117℃、冷却時間120秒の条件で成型し、充分に結晶した淡青色の成型プレートを得た。成型プレートは優れた耐熱性を示した。
実施例6
(1)ポリ乳酸−ポリブチレンテレフタレート(PBT)ブロック共重合ポリエステル樹脂(PBTセグメントの平均分子量約3000、含有率:約20質量%、樹脂A’)粉末を準備し、その100部に、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.4部を添加し、十分に混合して後、同様にして二軸押出機にて混練し、樹脂A−2のペレットを調製した。
(2)次いで、ポリ乳酸(樹脂B)のペレット50部に、上記樹脂A−2のペレット50部を十分に混合して後、同様にして二軸押出機にて混練し、マスターバッチM−2のペレットを調製した。
(3)次いで、同様にしてマスターバッチM−2のペレットとポリ乳酸(樹脂C)のペレットを実施例1(3)、実施例2〜4の希釈比で混合し、射出成型機にて成型し、それぞれポリ乳酸の成型プレートDを得た。いずれの成型プレートDも同様に優れた結晶性を示した。
実施例7〜9
(1)マスターバッチMの調製
実施例1に準じて、下記の表5の第1欄に記載のポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)およびポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)を樹脂A’として使用し、過酸化物として同様にt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(過酸化物−1)を使用して樹脂A−3〜A−5のペレットを調製した。
(2)マスターバッチMの調製と成型物Dの調製
次いで、PBS、PBSAおよびPCLの樹脂ペレット50部に上記樹脂A−3〜A−5のペレット50部をそれぞれ添加し、十分に混合して後、同様にして二軸押出機にて混練し、マスターバッチM−3〜M−5のペレットを調製した。(3)次いで、同様にしてマスターバッチM−3〜M−5のペレットをそれぞれPBS、PBSAおよびPCLのペレットと実施例1(3)、実施例2〜4の希釈比で混合し、射出成型機にて成型し、それぞれのポリエステル成型プレートDを得た。いずれの成型プレートも同様に優れた結晶性を示した。
実施例10
実施例1(1)で得られた樹脂A−1のペレット1部をポリ乳酸A(樹脂C)のペレットの19部、49部および99部にそれぞれ混合した後、それぞれ二軸押出し機(L/D=52、混練温度200℃)にて混練し、ストランド状に水中に吐出して冷却し、ペレタイザーでカッティングして樹脂ペレットを形成させた。次いで、得られたペレットをそれぞれ射出成型機にて金型温度115〜117℃、冷却時間120秒の条件で成型し、成型プレートE−1〜3を得た。いずれの成型プレートも優れた耐熱性を示した。
実施例11
樹脂A−1のペレット1部と、フタロシアニン青色顔料を10%含有する顔料ポリ乳酸マスターバッチ1部とをポリ乳酸(樹脂C)のペレットの18部、48部および98部にそれぞれ混合した後、それぞれ二軸押出し機(L/D=52、混練温度200℃)にて混練し、ストランド状に水中に吐出して冷却し、ペレタイザーでカッティングして樹脂ペレットを形成させた。次いで、得られたペレットをそれぞれ射出成型機にて金型温度115〜117℃、冷却時間120秒の条件で成型し、成型プレートE−4〜6を得た。いずれの成型プレートも優れた耐熱性を示した。
近年、バイオマスプラスチックの代表例であるポリ乳酸などの成型品の結晶性が非常に遅く、耐熱性が低い欠点を有していた。結晶核剤として従来公知のタルクなどの無機物質微粉を用いて樹脂を結晶化させると、成形物が白濁不透明にする欠点があった。
本発明では、架橋形成剤の作用でポリマー分子間に点架橋を形成させたポリエステル樹脂Aが、非晶質ポリエステル樹脂Cの結晶化誘起剤として効果的に作用することを見出し、成型加工に際し、その結晶誘起性を効果的に作用させるために、予め該樹脂Aを樹脂B中に高濃度に、かつ充分に希釈、拡散させたマスターバッチMを調製し、それを非晶質ポリエステル樹脂Cに添加、混練し、結晶形成の温度、時間を保持して成型樹脂全体を結晶化させることによって、耐熱性などの物性が向上し、優れた成型加工物品Dを提供することができる。
同様に樹脂Aをポリエステル樹脂Cと押出機などで充分混練して後、成型機にて成型して成型加工物品Eを提供することができる。しかも該成型物は無機物質などを含まないことから、成型物の透明性が比較的保持される。その結果本発明による成型品は、従来耐熱性が低いことから使用できなかった用途を含め、例えば、シート、フィルム類、ネット類;容器、トレイ類;発泡材料類;食品包装容器類;水産物・農産物用箱、包装用箱、輸送用箱類;電気製品・精密機器などの緩衝材;建築用・道路用の防音・断熱材など広範な用途で使用される。
実施例1(1)で得られた樹脂A−1のペレットの示差走査熱量測定チャート 実施例1(1)で得られた樹脂A−1のプレートのX線回折チャート 実施例1(2)で得られた希釈比(樹脂A:樹脂B)1:1のマスターバッチM−1のペレットの示差走査熱量測定チャート 実施例1(2)で得られた希釈比(樹脂A:樹脂B)1:1のマスターバッチM−1のプレートのX線回折チャート M−1:樹脂Bが2:8で、成型条件が40℃、30秒でのプレートのX線回折チャート 実施例2のM−1:樹脂Cが2:8で、成型条件が110℃、120秒でのプレートD−2のX線回折チャート M−1:樹脂Cが2:18で、成型条件が40℃、30秒でのプレートのX線回折チャート 実施例3のM−1:樹脂Cが2:18で、成型条件が110℃、120秒でのプレートD−3のX線回折チャート M−1:樹脂Cが2:48で、成型条件が40℃、30秒でのプレートのX線回折チャート 実施例1(3)のM−1:樹脂Cが2:48で、成型条件が110℃、120秒でのプレートD−1のX線回折チャート 実施例1(3)のM−1:樹脂Cが2:48で、成型条件が110℃、120秒でのプレートD−1の示差走査熱量測定チャート M−1:樹脂Cが2:98で、成型条件が40℃、30秒でのプレートのX線回折チャート 実施例4のM−1:樹脂Cが2:98で、成型条件が110℃、120秒でのプレートD−4のX線回折チャート 比較例1で得られた樹脂ペレットの示差走査熱量測定チャート 比較例1で得られた樹脂成型プレートのX線回折チャート 比較例2で得られた樹脂ペレットの示差走査熱量測定チャート 比較例2で得られた成型プレートのX線回折チャート

Claims (20)

  1. 下記(a)または(b)の混合物(コンパウンド)を、金型内に溶融射出して金型内に保持し、その後冷却して成型物を構成しているポリエステル樹脂を、無機質結晶核剤を使用することなく結晶化させることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物の製造方法。
    (a)架橋形成剤により少なくとも1部に架橋点が形成された結晶誘起性架橋ポリエステル樹脂Aと非架橋ポリエステル樹脂Cとの混合物。
    (b)上記樹脂Aを多く含む該樹脂Aと非架橋ポリエステル樹脂Bとの混合物(結晶誘起性マスターバッチM)と非架橋ポリエステル樹脂Cとの混合物。
  2. 前記樹脂Aの架橋前の樹脂A’、前記樹脂Bおよび前記樹脂Cは、それぞれ同一でも異なっても、またはそれらの混合物であってもよい請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記樹脂A’、BまたはCが、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸の重縮合物;少なくとも1種のラクトンの開環重合物;または少なくとも1種の脂肪族ポリカルボン酸、脂環式ポリカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸と、少なくとも1種の脂肪族ポリオール、脂環式ポリオールまたは芳香族ポリオールとの重縮合物;あるいはそれらのランダム共縮重合、ブロック共縮重合および/またはグラフト共縮重合ポリエステル樹脂である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ヒドロキシ脂肪族カルボン酸の炭素数が1〜18であり、前記脂肪族ラクトンの炭素数が3〜6であり、前記脂肪族ポリカルボン酸の炭素数が2〜10であり、脂環式ポリカルボン酸の炭素数が4〜10であり、前記芳香族ポリカルボン酸の炭素数が6〜12であり、前記脂肪族ポリオールの炭素数が2〜6であり、前記脂環式ポリオールの炭素数が4〜10であり、芳香族ポリオールの炭素数が6〜12である請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記樹脂A’、BまたはCが、乳酸、コハク酸、ヒドロキシ酪酸および/またはヒドロキシヘキサン酸を構成成分とするポリエステル樹脂である請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記架橋形成剤が、ラジカル発生剤および/または多官能性架橋剤である請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記ラジカル発生剤が、パーオキシカーボネート系、パーオキシエステル系、ジアシルパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、パーオキシケタール系およびハイドロパーオキサイド系から選ばれた少なくとも1種の過酸化物である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記ラジカル発生剤が、1,1’−アゾビスシクロアルカンカルボニトリル、2−(カルバモイルアゾ)アルキルニトリル、2−フェニルアゾ−4−アルコキシ−2,4−ジアルキルアルキルニトリルから選ばれた少なくとも1種のアゾ系ラジカル発生剤である請求項6に記載の製造方法。
  9. 前記多官能性架橋剤が、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリメチロール化合物およびポリカルボジイミド化合物から選ばれた少なくとも1種の多官能性化合物である請求項6に記載の製造方法。
  10. 前記樹脂Aと前記樹脂Bとの混合割合が、樹脂A1質量部当たり樹脂B0.05〜10質量部であり、前記マスターバッチMと前記樹脂Cとの混合割合が、マスターバッチM1質量部当たり樹脂C1〜100質量部である請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記樹脂Aと前記樹脂Cとの混合割合が、樹脂A1質量部当たり樹脂C3〜100質量部である請求項1に記載の製造方法。
  12. 前記成型時における金型温度が、溶融樹脂の結晶化温度Tc±30℃であり、金型内における樹脂の保持時間が5〜240秒である請求項1に記載の製造方法。
  13. 前記樹脂Aの調製工程、前記マスターバッチMの調製工程、前記混合物(aまたはb)の調製工程および混合物(またはb)の成型工程の何れかにおいて、着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、付加重合性単量体および鎖長延長剤から選ばれた少なくとも1種の添加剤を添加する請求項1に記載の製造方法。
  14. 樹脂A’に、架橋形成剤を作用させることによって、少なくともその1部に架橋点が形成されたことを特徴とする非晶質ポリエステル樹脂の結晶化誘起剤A(樹脂A)。
  15. 請求項14に記載の結晶化誘起剤Aを、樹脂B中に拡散してなることを特徴とするポリエステル樹脂用結晶誘起性マスターバッチM。
  16. 前記マスターバッチMと、樹脂Cとを混練させてなることを特徴とするポリエステル樹脂成型物用コンパウンド(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く)。
  17. 前記樹脂Aを、結晶化誘起剤として樹脂Cに配合してなることを特徴とするポリエステル樹脂成型物用コンパウンド(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く)。
  18. 前記マスターバッチMを、樹脂Cに配合して成型してなることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物D(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く)。
  19. 前記樹脂Aを、樹脂Cに配合して成型してなることを特徴とする結晶化ポリエステル樹脂成型物E(但し無機質結晶核剤を含む場合を除く)。
  20. 着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、付加重合性単量体および鎖長延長剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項18または19に記載の結晶化ポリエステル樹脂成型物DまたはE。
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