JP2009131231A - 糯米加工品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィリング用練り込み素材に好適な糯米加工品の製造方法を提供する。
【解決手段】糯米粉100重量部に対し、糖質10〜80重量部、アルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸0.3〜3.0重量部、ならびに、水への溶解度が3.0g//水100g以下のカルシウム塩0.3〜3.0重量部を配合してなる粉体を、加水加熱条件下でα化度が10〜60%となるまで造粒した後、乾燥させることを特徴とする糯米加工品の製造方法、この製法で得られる糯米加工品、およびこの糯米加工品を用いたフィリング。
【選択図】なし

Description

本発明は、糯米加工品の製造方法に関し、より詳細には、餡などのフィリングへ練り込んで餅食感を付与するのに好適な糯米加工品の製造方法に関する。
餡などのフィリングに切り餅を入れて従来と異なる食感をもたせる複合食品が所望されている。しかし、通常の切り餅をフィリングへ入れて加熱すると、切り餅がフィリング中へ溶出して小さくなってしまう。また、フィリング自体も増粘し、フィリングの商品価値が低減するという問題がある。
ぜんざい、雑煮などの餅入りレトルト食品での餅の加熱耐性(型くずれ防止)を改良する従来技術として、特公平4−40979号公報(餅入りレトルト食品、特許文献2)には、糖入りの餅が外液で包まれてレトルト殺菌されてなる餅入りレトルト食品において、餅がLMペクチンおよび/またはアルギン酸ナトリウムを含むとともに外液がCa塩を含み、餅と外液の浸透圧がほぼ等しくなっている餅入りレトルト食品が記載されている。この餅入りレトルト食品によれば、レトルト殺菌時の加熱にさらされても餅の保型性が維持される。
しかし、特許文献1の発明では、レトルト殺菌時の餅の型くずれは改善されるものの、通常の餅のような弾力のある食感が得られない。
上記従来技術をさらに改良する目的で、特許第3650202号公報(餅様食品及びその製造方法、特許文献2)の発明は、化工澱粉に可溶化させたアルギン酸と共にカルシウム塩を配合し、加水加熱して凝固させることを特徴とする餅様食品の製造方法であって、化工澱粉の含有量を10〜40%とする前記製造方法を提案している。得られる餅様食品は、保型性に優れ、レトルト殺菌時やその後の加熱によっても型くずれが少なく、老化も少なく、餅様の柔らかさを保ってしかもベトつかない優れた食感となる。
特公平4−40979 特許第3650202
しかし、特許文献2の製造方法は、化工澱粉を原料の主原料とした餅様食品の製造方法であって、糯米由来の通常の餅からなる餅食品の製造方法ではない。すなわち、特許文献2は、糯米からなる餅の加熱耐性の改善や食感を発現するという課題に対処していない。
そこで、本発明の目的は、糯米からなる餅をフィリングへ練り込み、加熱した時に、加熱耐性に優れるとともに、餅本来の食感を発現する糯米加工品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、糯米粉を主成分とする特定の組成物を加水加熱条件下で、α化度を制御しながら造粒し、乾燥することによって、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、糯米粉100重量部に対し、糖質10〜80重量部、アルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸0.3〜3.0重量部、ならびに、水への溶解度が3.0g//水100g以下のカルシウム塩0.3〜3.0重量部を配合してなる粉体を、加水加熱条件下でα化度が10〜60%となるまで造粒した後、乾燥させることを特徴とする、糯米加工品の製造方法に関する。
前記乾燥は、水分が20%以下になるまで行うことが好ましい。
前記造粒は、エクストルーダーで行うことが好ましい。
本発明はまた、上記製造方法により得られた糯米加工品を提供する。
得られた糯米加工品は、一旦、水に浸漬されると、アルギン酸とカルシウムイオンが反応してゲル化する。その後の加熱操作で、ゲル化したアルギン酸が糯米澱粉の溶出を有効に防止するとともに、糯米澱粉のα化が促進され、餅本来の食感が発現される。したがって、本発明は、上記糯米加工品を水に浸漬し、吸水した糯米加工品をフィリングに添加して加熱することにより製造された糯米加工品入りフィリングもまた提供する。
特許文献1の餅入りレトルト食品は、アルギン酸ナトリウムを配合した餅であるのに対し、本製法の糯米加工品は、糯米粉を主成分とするα化度10〜60%の餅への中間素材である点で異なる。
特許文献2は、澱粉質を完全にα化させた餅様食品の製造方法である。一方、本発明は、α化度を10〜60%にとどめた餅中間素材の製造方法である点で、特許文献2の発明と異なる。
本発明の糯米加工品の製造方法によれば、加熱工程での澱粉質の溶出を抑制可能な糯米加工品を容易に製造することができる。すなわち、本発明の糯米加工品を水に浸漬したものは、フィリング中で加熱されても、従来のような粒形状減少や型崩れを起こすことがない。
本発明の糯米加工品は、乾物であるため、保存に優れる。しかも、糯米加工品は、水を吸って約2.5倍の重量となるものであり、流通コスト面でも優位性がある。
以下に、本発明の糯米加工品の製造方法をより詳細に説明する。本発明の製造方法で原料は、糯米粉、糖質、アルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸、ならびに難溶性カルシウム塩を配合することが必要である。
前記糯米の品種や粒度は、特に限定されず、従来のものを使用することができる。
前記糖質の例としては、ブドウ糖、マルトース、トレハロース、水あめ・デキストリン、ハイマルトテトラオース、イソマルトオリゴ糖、環状デキストリン、分枝環状デキストリン、カップリングシュガー、ショ糖(砂糖)、乳糖、異性化糖、果糖、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、還元麦芽糖、還元水あめ、フラクトオリゴ糖、パラチノース、パラチニット、乳果オリゴ糖、異性化乳糖、還元乳糖、転移ガラクトオリゴ糖、キシロース、キシロオリゴ糖、キシリトール、大豆オリゴ糖などが挙げられる。糖質は、これらの一種単独でも二種以上の併用でもよい。中でも、ショ糖(砂糖)およびトレハロースが好ましい。
前記糖質の配合量は、糯米粉100重量部に対して、10〜80重量部であり、好ましくは20〜75重量部である。糖質は一般に水に溶けやすいため、調製した糯米加工品の浸漬工程での吸水量と吸水速度に影響を与える。糖質が10重量部未満であると、吸水速度が極端に遅くなり、長時間浸漬させても中心まで水が浸透しないことがある。逆に、糖質が80重量部を超えると、粒の固形分含量が少ないため、粒の強度が弱くなり、その後の加熱攪拌時に澱粉質が粒から溶出してしまう。
原料にアルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸を配合しておくと、調製した糯米加工品を水に浸漬した際に、アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩とが反応し、アルギン酸がゲル化する。このアルギン酸ゲルは、熱依存性ゲルではなく、金属塩によってゲル化したものであり、耐熱性が非常に優れる。このことから、調製された糯米加工品を水浸漬後に加熱しても澱粉質が溶出しなくなる。また、アルギン酸ゲルは、付着性が弱く、非常に滑らかな表面構造をとるため、攪拌しても粒が壊れ難いという利点も有する。
アルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸の配合量は、糯米粉100重量部に対して、0.3〜3.0重量部であり、好ましくは1.0〜2.5重量部である。アルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸の配合量が0.3重量部より少ないと、浸漬中のゲル化が弱く、後の加熱工程で澱粉質が溶出してしまい、逆に3.0重量部より多いと、ゲル強度が強くなり、餅感が損なわれる。
前記アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムは、カルシウムイオンと反応してゲル化するため、カルシウム塩の水への溶解度がゲル強度に多大な影響を与える。そこで、カルシウム塩の種類及び添加方法を検討したところ、溶解度が低い難溶性カルシウム塩を他原料と共に造粒することで、調製された糯米加工品の加熱工程における澱粉質溶出を防止することができることが判明した。
具体的には、前記カルシウム塩の溶解度は、3.0g/水100g以下である必要があり、好ましくは1.0g/水100g以下、より好ましくは0.5g/水100g以下である。このようなカルシウム塩の例としては、リン酸水素カルシウム(溶解度1.8g/水100g)、硫酸カルシウム(0.298g/水100gおよび炭酸カルシウム(1.5mg/水100g)が挙げられる。
前記難溶性カルシウム塩の配合量は、糯米粉100重量部に対して、0.3〜3.0重量部であり、好ましくは1.0〜2.5重量部である。難溶性カルシウム塩が0.3重量部よりも少ないと、糯米加工品を水に浸漬した時のゲル強度が弱くなる。逆に、3.0重量部より多いと、カルシウム塩のざらつきが舌に残り、食材として好ましくない。
上記原料には、上記必須成分のほかに、副原料を本発明の糯米加工品の効果を阻害しない範囲で添加してもよい。そのような副原料の例としては、澱粉、化工澱粉、乳化剤、油脂類、タンパク質、ビタミン、ミネラル、抗菌剤、防腐剤、香料および着色剤が挙げられる。上記澱粉の原料には、例えば馬鈴薯、トウモロコシ、タピオカ、小麦、豆類、甘藷などが挙げられる。また、化工澱粉には、上記澱粉をエステル化処理、エーテル化処理、架橋処理、酸処理、酸化処理、湿熱処理、α化処理、または、これらを複数の組み合わせにより得られるものが挙げられる。
上記の配合物を、加水加熱条件下でα化度が10〜60%、好ましくは
20〜50%、特に好ましくは30〜40%になるまで造粒する。α化度が60%よりも高いと、調製した糯米加工品中の澱粉が水浸漬によって水を大量に吸ってしまい、造粒品の形状を保つことが難しく、また、粒の外側がふやけてしまうのに中心は水が進入せずに芯が残るなどの問題を生じる。逆に、α化度が10%より低くても、調製した糯米加工品を水へ浸漬した際の澱粉質の接着力が弱いため、造粒品が割れたり、崩れたりしてしまう。
加水加熱条件下における原料の水分は、通常、5〜50%でよく、好ましくは
10〜20%に制御される。また、加熱温度は、通常、60〜100℃でよく、好ましくは70〜90℃である。
造粒は、例えばエクストルーダー(1軸および2軸)、流動層造粒機、ブリケッティングマシーン、コンパクティングマシーンで行うことができる。粒度調整は、エクストルーダーの場合、出口ダイの形状とカットスピードにより調整可能である。
造粒された原料は、乾燥工程にかける。乾燥の程度は、通常、水分20%以下、好ましくは12%以下まで行う。乾物は、黴、微生物の汚染リスクが軽減するため、常温での流通が可能になる利点を有する。乾燥には、エクストルーダー、赤外線、通風、熱風乾燥、赤外線加熱、電磁波加熱などが用いることができる。したがって、エクストルーダーは、押出成形による造粒と乾燥を兼ねることができる。
こうして得られる糯米加工品の平均粒径は、用途にも依存するが、通常、2〜15mm、好ましくは4〜10mmである。
本発明の製造方法により調製される糯米加工品の使用方法を、以下に説明する。まず、調製された糯米加工品は、常温の水に、通常、3〜12時間、浸漬される。冷水であれば、浸漬時間をさらに延長してもよい。水浸漬により、糯米加工品は、1.0〜2.0倍の水を吸収する。同時に、アルギン酸および/またはアルギン酸ナトリウムと難溶性カルシウム塩とが反応してゲル化する。ゲルの強度は、テクスチャーアナライザーで測定して、通常、20〜70gとなる。
吸水させた糯米加工品は、その後、フィリングに添加されて加熱される。糯米加工品は、アルギン酸ゲルの強度によって耐熱性と攪拌耐性を有しているので、粒の形状は容易に維持される。そして、加熱により、糯米澱粉のα化が促進され、弾力に富んだ餅食感が現われる。
上記フィリングの例には、小豆の餡、パイ・タルト・クレープなどの詰め物などが挙げられる。本発明の糯米加工品のフィリングへの使用量は、用途に応じて適宜変わる。これらのフィリングを用いた食品には、餅入りあんパン、餅入りどら焼き、餅入りパイなどの菓子パン類、餅入り大福、餅入りタルト、餅入りクレープなどの菓子類、カスタードクリーム、チーズクリーム、ゴマペースト、カレーペースト、餃子餡、イチゴなどを用いた果物ジャム、野菜ペーストなどが挙げられる。食パン、フランスパン、バンズなどを作るためのドウの中に本発明の糯米加工品を添加してもよい。
以下に、実施例と比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜3、比較例1〜10〕
表1に示す組成からなる原料を、エクストルーダー(製品名:KEI−45型、株式会社幸和工業製)に投入し、表1に示すα化度になるまで、造粒および乾燥処理を行った。エクストルーダー条件は、以下のとおりである。
フィード:14kg/hr
加水量:2.0kg/hr
バレル加熱温度:80℃
軸長:750mm
スクリュー径:45mm
スクリュー回転数:100rpm
α化度の測定方法は、BAP法により行った。
上記エクストルーダー処理後の造粒品の平均粒径は、5mmであり、水分は約8%であった。
(糯米加工品の浸漬耐性試験)
上記で得られた糯米加工品60gを水90gに10時間浸漬した。浸漬耐性(浸漬後の保型性)を、以下の基準:
◎ : 粒の形状を保つ
○ : ややくずれる
△ : 一部形を保つ
× : 完全にくずれる
によって評価した。評価結果を表1に示す。
(糯米加工品の浸漬後のゲル強度測定試験)
また、上記で得られた糯米加工品60gを水90gに10時間浸漬し、ゲル強度をテクスチャーアナライザー(製品名:TA−XT2、Stable Micro Systems製)を用いて、以下の測定条件:
プランジャー:20mm円形
圧縮率:50%
テストスピード:5.0mm/sec
で測定した。測定結果を表1に示す。
(糯米加工品の浸漬後の耐熱性試験)
10時間吸水させたもち加工品150重量部を、漉し餡(製品名:こしあん、伊勢製餡所製)200重量部、水100重量部とともに手鍋に投入し、焦げないようヘラで攪拌しながら、90℃で25分間加熱した。加熱時の耐熱性(粒からの澱粉溶出量)を以下の基準:
◎ : 粒の形状を保つ
○ : ややくずれる
△ : 一部形を保つ
× : 完全にくずれる
で評価した。評価結果を表1に示す。
(糯米加工品の浸漬、加熱後の食感試験)
耐熱性評価試験に使用した糯米加工品の食感を以下の基準:
◎ : 弾力強い
○ : 弾力あり
△ : 弾力弱い
× : 弾力なし
で官能評価した。結果を表1に示す。
表1から、本発明に従う実施例1〜3では、アルギン酸ナトリウム、難溶解性カルシウム塩である硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウムまたは炭酸カルシウムを所定量配合したので、浸漬耐性、ゲル強度、耐熱性、食感のいずれも優れた糯米加工品を調製することができたことが分かる。
一方、水への溶解性の高い塩化カルシウム(溶解度74.5g/100g)または乳酸カルシウム(溶解度5g/100g)を使用した比較例1および2では、糯米加工品を水に浸漬した際に、浸漬耐性が低く、粒形状を保てなかった。これは、カルシウム塩の溶解性が高いために、エクストルーダーによる造粒処理中にアルギン酸が瞬時にゲル化し、その後、乾燥されることでアルギン酸のゲル化能が失われたためと考えられる。
また、アルギン酸ナトリウムおよびカルシウム塩を含まない比較例3〜4では、浸漬耐性が悪化し、浸漬後に形状を保つことができなかった。
糖質を含んでいない比較例5では、水の浸透速度が遅く、10時間浸漬しても粒の中心まで水が浸透しなかった。逆に、糖質を多量に配合した比較例6では、ゲル強度が弱くなり、後続の加熱工程で澱粉質が溶出した。
カルシウム塩の配合量が所定量を下回る比較例7では、アルギン酸ナトリウムのゲル強度が弱く、その後の加熱で澱粉質が溶出した。一方、カルシウム塩の配合量が所定量を超える比較例8では、浸漬耐性、加熱耐性ともに良好で、弾力という食感もあった。しかし、炭酸カルシウムのざらつきが舌に残り、食材として好ましくなかった。
アルギン酸ナトリウムの配合量が所定量を下回る比較例9では、ゲル強度が極めて弱く、その後の加熱で澱粉質が溶出した。逆に、アルギン酸ナトリウムの配合量が所定量を超える比較例10では、硬いゲルを形成し、餅様の食感ではなくなった。
〔実施例4〜6、比較例11〜12〕
砂糖の代わりにトレハロースを使用した以外は実施例1で用いたのと同じ組成の原料を用い、さらにエクストルーダー条件を表2のように変えることでα化度の異なる糯米加工品を調製した。得られた糯米加工品について、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
α化度が低すぎる比較例11では、糯米加工品を水に浸漬時したときに、形状を保つことはできるが、ややくずれ易かった。また、澱粉質同士の接着力が弱いため、耐熱性評価の加熱途中に粒が壊れた。逆に、α化度が高すぎる比較例12では、水に浸漬したときに、α化した澱粉質が吸水し易く、粒が膨潤して生地強度が極めて弱くなった。さらに、生地強度が弱く、耐熱性評価の加熱途中に澱粉質が溶出した。
〔比較例13〜17〕
特公平4−40979に記載の「餅入りレトルト食品」と対比するために、カルシウム塩の添加を原料ではなく浸漬水に入れるように変更した比較例を実施した。
まず、糯米粉100重量部、砂糖40重量部およびアルギン酸1.5重量部を、実施例1と同一の条件でエクストルーダー処理し、α化度35%の糯米粉加工品を調製した。
次に、カルシウム塩濃度が0.4%となるように水にカルシウム塩を溶解または分散させた浸漬水を調製後、上記糯米加工品を10時間浸漬させた。浸漬後の糯米加工品の浸漬耐性、ゲル強度、耐熱性および食感の評価を実施例1と同様の手順で行った。評価結果を表3に示す。
溶解度の高いカルシウム塩を使用した比較例13および14では、水で浸漬したときに粒の形状を保つことができ、耐熱性にも優れた。しかし、アルギン酸のゲル強度が強すぎ、糯米からなる餅特有の弾力がなかった。
溶解度がやや低い硫酸カルシウムを使用した比較例15では、やや弾力があるものの、餅感が非常に弱くなった。
溶解度が低いリン酸水素およびカルシウム炭酸カルシウムを使用した比較例16および17では、浸漬すると粒が崩れてしまった。
以上の通り、浸漬水にカルシウム塩を入れた場合には、浸漬耐性、耐熱性および食感の全てを満たす糯米加工品は存在しなかった。これにより、難溶解性カルシウム塩を原料に配合する優位性を確認できた。

Claims (5)

  1. 糯米粉100重量部に対し、糖質10〜80重量部、アルギン酸ナトリウムおよび/またはアルギン酸0.3〜3.0重量部、ならびに、水への溶解度が3.0g//水100g以下のカルシウム塩0.3〜3.0重量部を配合してなる粉体を、加水加熱条件下でα化度が10〜60%となるまで造粒した後、乾燥させることを特徴とする、糯米加工品の製造方法。
  2. 前記乾燥は、水分が20%以下になるまで行うことを特徴とする、請求項1に記載の糯米加工品の製造方法。
  3. 前記造粒は、エクストルーダーで行うことを特徴とする請求項1または2に記載の糯米加工品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの製造方法により製造された糯米加工品。
  5. 請求項4の糯米加工品を水に浸漬し、吸水した糯米加工品をフィリングに添加して加熱することにより製造された糯米加工品入りフィリング。
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