JP2009130958A - 回転電機 - Google Patents

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昭 橋本
Hitoshi Ota
斉 太田
Shinichiro Yoshida
真一郎 吉田
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諭 山代
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Abstract

【課題】回転電機においてステータのコイルの冷却性能を向上させる。
【解決手段】ステータ鉄心21の磁極ティース23にインシュレータ24を介して集中巻きされたコイル25のコイルエンド部25aとの対向箇所において、インシュレータ24と磁極ティース23間に金属部材からなる伝熱プレート26を介在させる。この伝熱プレート26は、ステータ周方向に沿う幅Wpが磁極ティース23の周方向の幅Wcよりも小さく(Wp<Wc)なるように形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、回転電機に係り、特にはステータ鉄心の磁極ティースに集中巻きされているコイルの冷却技術に関する。
回転電機は、ステータやロータが電流や磁界の作用によって発熱する。特に、ステータに着目すると、ステータ鉄心の周方向に沿って形成された各磁極ティースの周りにコイルが集中巻きされているものでは、コイルが銅損によって発熱する。このようなコイルの発熱を放置しておくと、回転電機の効率が低下し、所要の特性が得られなくなる。そこで、従来技術では、コイルの発熱を効率良く冷却して高効率化を実現するために様々な試みが行われている。
そのための従来技術として、例えば、ステータのコイルが磁極ティースから軸方向外方において露出したコイルエンド部の外側の面に、断面が波型のアルミニウム製や銅製のリング状の伝熱スペーサを樹脂モールドで固定し、コイルからの発熱をこの伝熱スペーサと樹脂モールドを介してハウジングや回転子を支持するブラケットに伝熱して冷却効果を高めるようにしたものが提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
また、他の従来技術では、ステータのコイルエンド部とベアリングを介して回転子を支持するブラケットとの間にドーナッツ状のシリコンゴム等からなる高熱伝導絶縁体を密着して設け、これによって、コイルからの発熱を高熱伝導絶縁体を介してブラケットに伝熱することにより放熱性を高めるようにしたものが提案されている(例えば、下記の特許文献2参照)。
特開平10−290543号公報 特開2000−116063号公報
しかしながら、上記の特許文献1記載の従来技術では、コイルエンド部の外側の面に弾性を有する伝熱スペーサをモールド樹脂で固定しているため、その構造が複雑であり、しかも、弾性を有する伝熱スペーサをモールドする必要があるので製作が困難である。また、特許文献2記載の従来技術では、ハンドリングした際に大きく変形するドーナッツ状のシリコンゴムを搬送、位置決めする必要があるために生産性が悪い。また、特許文献1,2のいずれの従来技術においても、使用されているモールド樹脂やシリコンゴムといった合成樹脂の熱伝導率は、鉄等の金属製のものと比べると一桁以上小さいので伝熱部材としての伝熱特性が不十分である。
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、生産性を損なうことなく、ステータの磁極ティースに巻回されたコイルのコイルエンド部から効率的に放熱を行える回転電機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ハウジング内にはステータが取り付けられるとともに、このステータの内周にロータが回転自在に設けられ、上記ステータは、ステータ鉄心の周方向に沿って複数の磁極ティースが形成され、各磁極ティースの周りには絶縁材からなるインシュレータが被着されるとともに、このインシュレータの上にコイルが集中巻きされている回転電機において、次の構成を採用している。
すなわち、本発明では、上記コイルが上記磁極ティースから軸方向外方において露出したコイルエンド部の位置には、上記磁極ティースとインシュレータとの間に金属部材からなる伝熱プレートが両者に密着して介在され、この伝熱プレートは、そのステータ周方向に沿う幅Wpが上記磁極ティースの周方向の幅Wcよりも小さく(Wp<Wc)なるように形成されていることを特徴としている。
本発明の回転電機によれば、磁極ティースとインシュレータとの間に金属部材からなる伝熱プレートを密着して介在し、かつ、伝熱プレートのステータ周方向に沿う幅Wpが磁極ティースの周方向の幅Wcよりも小さく(Wp<Wc)なるように形成されているので、インシュレータのコイルエンド部側の肉厚を薄くすることができる。このため、コイルエンド部からの発熱をインシュレータを介してステータ鉄心の磁極ティースに効率良く伝熱することができ、回転電機の放熱性を高めることが可能となる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における回転電機の縦断面図、図2は図1のX−X線に沿う断面図、図3は図1のフレームとステータ部とを示す断面図、図4は図3の側面図、図5は図4のY−Y線に沿う断面図である。
この実施の形態1の回転電機は、ハウジング1内にステータ2が取り付けられるとともに、このステータ2の内方にロータ3が設けられている。上記のハウジング1は、略円筒状のフレーム4を有し、このフレーム4の両端にそれぞれブラケット5,6が固定され、各ブラケット5,6にベアリング7,8が取り付けられている。また、ロータ3は、シャフト9とこのシャフト9の外周に一体的に固定された永久磁石10とからなり、シャフト9が前後の両ベアリング7,8に回転自在に支持されている。
一方、上記のステータ2は、電磁鋼板をプレス積層したステータ鉄心21を有し、このステータ鉄心21の周方向に沿って複数のスロット22が順次形成され、各スロット22間に磁極ティース23が設けられている。そして、各磁極ティース23の周りには樹脂等で成型された絶縁材からなるインシュレータ24が被着されるとともに、このインシュレータ24の上にコイル25が集中巻きされている。
さらに、この実施の形態1の特徴として、コイル25が磁極ティース23から軸方向外方において露出したコイルエンド部25aの対向位置には、磁極ティース23とインシュレータ24との間に鉄材等の金属部材からなる伝熱プレート26が介在されている。
この伝熱プレート26は、ステータ軸心方向から見た場合の形状は、平面視で略長方形をしている。そして、この伝熱プレート26は、そのステータ径方向に沿う長さが磁極ティース23の径方向厚さよりも若干長くなるように形成され、また、図5に示すように、伝熱プレート26のステータ周方向に沿う幅Wpは、磁極ティース23の周方向の幅Wcよりも幾分小さく(Wp<Wc)なるように形成されている。さらに、伝熱プレート26の厚さtpは、ステータ鉄心21を構成する積層電磁鋼板の厚さtcよりも大きく(tp>tc)なるように設定されている。このように設定することによって、インシュレータ24のコイルエンド部25a側の厚みteを薄くすることができる。
すなわち、従来は、図6に示すように、コイル25を磁極ティース23に巻き付ける際、コイル25の角部が膨らまないようにインシュレータ24の角部に曲面Rを形成しているので、曲面Rに合わせて厚みtiを大きく設定する必要がある。これに対して、この実施の形態1では図5に示したように、伝熱プレート26のステータ周方向に沿う幅Wpを小さくすることによってインシュレータ24の曲面Rの大きさに関係なく、コイルエンド部25aと対面する箇所のインシュレータ24の厚みteを小さく形成することができる。つまり、ti=tp+teとすれば、伝熱プレート26の厚みtpを確保することでインシュレータ24の厚みteを小さくすることができる。
以上のように、従来では、コイルエンド部25aからの発熱が磁極ティース23に伝熱するのをインシュレータ24の厚さtiが厚いために阻害されていたのに対して、この実施の形態1では、伝熱プレート26を設けることによってインシュレータ24の厚さteを薄くできるので、コイルエンド部25aからの発熱は、インシュレータ24を介して伝熱プレート26に効率良く伝熱され、さらにステータ鉄心21からフレーム4に伝熱されて空気中に放熱される。これにより、コイルを効果的に冷却することができ、回転電機の放熱効率を高めることが可能となる。
また、この実施の形態1のように、伝熱プレート26の厚さtpを積層されている電磁鋼板の厚さtcよりも厚くすると、より一層無理なくインシュレータ24のコイルエンド部側の厚さteを薄くできるので、回転電機の放熱効率を高める上で有効である。
実施の形態2.
図7は本発明の実施の形態2における回転電機のフレームとステータとを示す断面図、図8は図7の側面図、図9はこの実施の形態2の伝熱プレートを示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。なお、上記の実施の形態1と同一もしくは同等の構成部分には同一符号を用いて説明を省略する。
この実施の形態2における回転電の特徴は、伝熱プレート26がコイルエンド部25aと対面する巻線部26aと、この巻線部26aの一端から延長された受熱部26bとを有し、両者26a,26bによってその側面が略L字状をしている。
そして、巻線部26aは、実施の形態1の場合と同様に、磁極ティース23とインシュレータ24との間に介在され、これによってコイルエンド部25aに対面する箇所のインシュレータ24の肉厚teが必要最小限になるようにしている。
また、受熱部26bは、コイルエンド部25aの形状に沿うように、巻線部26aの一端からステータ軸心方向に向けて延長されるとともに、ステータ周方向に沿ってコイルエンド部25aの周方向の幅と同程度に左右に張り出し形成されている。そして、この受熱部26bは、ステータ外周側に位置するように配置されており、これによって受熱部26bは、コイルエンド部25aの外周部分にインシュレータ24を介して当接している。
以上のように、この実施の形態2では、コイルエンド部25aの発熱を伝熱プレート26の巻線部26aと受熱部26bの二面で受けるので、コイルエンド部25aの発熱を効率的に伝熱プレート26からステータ鉄心21を介してフレーム4に伝熱することができ、回転電機の放熱効率を一層高めることができる。
実施の形態3.
図10は本発明の実施の形態3における回転電機のフレームとステータを示す断面図、図11は図10の側面図、図12はこの実施の形態3の伝熱プレートを示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。なお、上記の実施の形態1と同一もしくは同等の構成部分には同一符号を用いて説明を省略する。
この実施の形態3における回転電機の特徴は、伝熱プレート26において、実施の形態2の場合と同様、巻線部26aの一端からステータ軸心方向に向けて受熱部26bが延長され、さらに、この受熱部26bからは、逆L字状にフレーム当接部26cが延設されている。そして、巻線部26aが磁極ティース23とインシュレータ24との間に介在され、また、受熱部26bがコイルエンド部25aの外周部分にインシュレータ24を介して当接し、さらにフレーム当接部26cがハウジング1の内周面に当接している。
以上のように、この実施の形態3では、コイルエンド部25aの発熱を伝熱プレート26の巻線部26aと受熱部26bの二面で受け、これをフレーム当接部26cからフレーム4に直接に伝熱できるように構成されているので、コイルエンド部25aの発熱をさらに効率的に伝熱プレート26を介してフレーム4に伝熱することができ、回転電機の放熱効率を一層高めることができる。
実施の形態4.
図13は本発明の実施の形態4における回転電機のフレームとステータを示す断面図、図14は図13の側面図、図15はこの実施の形態4の伝熱プレートを示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。なお、上記の実施の形態1と同一もしくは同等の構成部分には同一符号を用いて説明を省略する。
この実施の形態4における回転電機の特徴は、伝熱プレート26において、実施の形態2の場合と同様、巻線部26aの一端からステータ軸心方向に向けて受熱部26bが延長され、さらに、この受熱部26bのステータ外周側の端部が延設されてフィン部26dが形成されている。そして、このフィン部26dがフレーム4の外周に形成された貫通穴4aを通してフレーム4の外周面よりも外方に突出されている。
以上のように、この実施の形態4では、コイルエンド部25aの発熱を伝熱プレート26の巻線部26aと受熱部26bの二面で受け、これをフィン部26dからフレーム4の外部である外気中に直接放熱することができるので、コイルエンド部25aの発熱を効率的に冷却でき、回転電機の放熱効率を一層高めることができる。
なお、実施の形態1〜4において、インシュレータ24に伝熱プレート26を例えばインサートモールド等の手法で一体成型することによって、生産性を向上させることができる。また、伝熱プレート26の材料として鉄材を用いれば、高い伝熱性を維持するとともに、伝熱プレート26をステータ鉄心21の磁路の一部として利用することが可能となり、回転電機のトルク特性等を向上させることができる。また、伝熱プレート26の材料としてアルミ材または銅材を用いれば、伝熱性を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における回転電機の縦断面図である。 図1のX−X線に沿う断面図である。 図1のフレームとステータとを示す断面図である。 図3の側面図である。 図4のY−Y線に沿う断面図である。 図5に対応する従来のコイルエンド部近傍の断面図である。 本発明の実施の形態2における回転電機のフレームとステータとを示す断面図である。 図7の側面図である。 本発明の実施の形態2における回転電機の伝熱プレートを示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。 本発明の実施の形態3における回転電機のフレームとステータとを示す断面図である。 図10の側面図である。 本発明の実施の形態2における回転電機の伝熱プレートを示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。 本発明の実施の形態4における回転電機のフレームとステータとを示す断面図である。 図13の側面図である。 本発明の実施の形態4における回転電機の伝熱プレートを示し、同図(a)は側面図、同図(b)は正面図である。
符号の説明
1 ハウジング、2 ステータ、3 ロータ、5,6 ブラケット、
7,8 ベアリング、9 シャフト、10 永久磁石、21 ステータ鉄心、
22 スロット、23 磁極ティース、24 インシュレータ、25 コイル、
25a コイルエンド部、26 伝熱プレート、26a 巻線部、26b 受熱部、
26c フレーム当接部、26d フィン部。

Claims (6)

  1. ハウジング内に取り付けられたステータと、上記ステータの内周に回転自在に設けられたロータを備え、上記ステータは、ステータ鉄心の周方向に沿って複数の磁極ティースが形成され、各磁極ティースの周りには絶縁材からなるインシュレータが被着されるとともに、このインシュレータの上にコイルが集中巻きされている回転電機において、
    上記コイルが上記磁極ティースから軸方向外方において露出したコイルエンド部の位置には、上記磁極ティースとインシュレータとの間に金属部材からなる伝熱プレートが両者に密着して介在され、この伝熱プレートは、ステータ周方向に沿う幅Wpが上記磁極ティースの周方向の幅Wcよりも小さく(Wp<Wc)なるように形成されていることを特徴とする回転電機。
  2. 上記伝熱プレートは、上記磁極ティースとインシュレータとの間に介在される巻線部と、この巻線部のステータ外周側の位置から軸心方向に向けて上記コイルエンド部の形状に沿って延長された受熱部とを有することを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 上記伝熱プレートは、そのステータ外周側の端部が延設されて上記ハウジングの内周面に当接されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 上記伝熱プレートは、そのステータ外周側の端部が延設されて上記ハウジングの外周面よりも外方に突出されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  5. 上記ステータ鉄心は厚さtcの電磁鋼板を積層したものであって、上記伝熱プレートの巻線部の厚さtpはtp>tcになるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4項のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 上記伝熱プレートは、鉄材、アルミ材、銅材の内のいずれか一つの素材からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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