JP2009130110A - Iii族窒化物系面発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】融着法による貼り合わせを行なうことなく製造することを可能としつつ、孔の形状を容易に制御し、かつ種々の構造の発光装置に適用可能なIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】III族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザ1は、GaNからなるn型基板10と、n型基板10の一方の主面10A上に形成され、底壁73Aを有する複数の孔73が周期的に形成されたフォトニック結晶層70とを備えている。底壁73Aは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層74で覆われており、孔73は、底壁73Aに対向するように形成された閉鎖層72により閉じられている。
【選択図】図1

Description

本発明はIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法に関し、より特定的には、フォトニック結晶層を備えたIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法に関する。
近年、2次元の屈折率分布を有するフォトニック結晶層を備えることにより、面発光するとともに、発光効率を向上させることが可能な2次元フォトニック結晶レーザなどの面発光素子の開発が進められている。フォトニック結晶層を備えた面発光素子は、たとえば基板上においてダブルヘテロ接合を形成するように配置されたn型層、発光層およびp型層と、2つの電極とを備えている。そして、フォトニック結晶層は、当該n型層またはp型層内に配置される。
このような面発光素子は、2つの電極間に適切な電圧が印加されると、正孔と電子とが発光層内に注入されて再結合することにより発光層内に光が発生する。そして、当該光はフォトニック結晶内に形成された周囲とは屈折率の異なる孔を格子点としてブラッグ反射を繰返し、定在波となる。その結果、当該面発光素子からレーザ光が発振される。
ここで、従来のフォトニック結晶層を備えた面発光素子は、たとえば以下のように製造されていた。すなわち、まず、第1の基板上にフォトニック結晶層が形成された第1の部材と、第2の基板上にn型層、発光層およびp型層が形成された第2の部材とが準備される。次に、第1の基板上に形成されたフォトニック結晶層と、第2の基板上に形成され、フォトニック結晶層と接触して配置されるべきp型層またはn型層とが融着法により貼り合わされる。その後、第1の基板または第2の基板のいずれか一方が除去されたあと、2つの電極が形成されて、フォトニック結晶層を備えた面発光素子が完成する(たとえば、非特許文献1参照)。
一方、近年、短波長の光を発生する発光装置の実用化が進められている。このような短波長の光を発生する発光装置に、上記フォトニック結晶層を備えた発光装置を適用するためには、バンドギャップの大きい半導体、たとえばIII族窒化物からなるフォトニック結晶層、p型層およびn型層を形成する必要がある。しかし、III族窒化物などのバンドギャップの大きい半導体は、表面の平坦性を向上させ、高い平坦性を確保することが難しいものも多く、表面の平坦性を管理することが必要な上述のような融着法による貼り合わせを用いた従来の製造方法では、フォトニック結晶層を備えた発光装置を効率よく生産することが困難であるという問題があった。
これに対し、マストランスポート法を用いてフォトニック結晶層を形成し、当該フォトニック結晶層上にp型層、発光層およびn型層を形成する発光装置の製造方法が提案されている。これにより、融着法による貼り合わせを用いた従来の製造方法の問題点を解消することができる(たとえば、特許文献1参照)。さらに、まず周期的な孔を有するエピタキシャル層を形成し、当該孔の底壁にSiO2(二酸化珪素)などの低屈折率材料を被覆した後、エピタキシャル成長層をさらに形成することにより当該孔を閉鎖してフォトニック結晶層を形成する工程を含む、発光装置の製造方法が提案されている。これによっても、融着法による貼り合わせを用いた従来の製造方法の問題点を解消することができる(たとえば、特許文献2参照)。
Masao Imada, et al., "Coherent two−dimensional lasing action in surface emitting laser with triangular−lattice photonic crystal", APPLIED PHYSICS LETTERS,75 (3) p.316−318, 19 July 1999 特開2004−111766号公報 国際公開第2006/062084号パンフレット
しかしながら、マストランスポート法を用いた特許文献1に記載の発光装置の製造方法では、フォトニック結晶層に形成される孔の断面形状が丸みを帯び、縦方向(フォトニック結晶層の厚み方向)に垂直な断面における孔の形状が、縦方向において変化する。そのため、縦方向において孔の断面形状を制御することが必ずしも容易ではないという問題点がある。また、特許文献2に開示された発光装置の製造方法では、被覆に用いる低屈折率材料によっては、孔を閉鎖する際に孔の形状が維持されず、孔の形状を制御することが困難となる場合がある。そのため、孔の形状の制御が難しいという問題が生じ得る。また、被覆に用いる低屈折率材料としてSiO2を採用した場合、SiO2に含まれるSi(珪素)原子がフォトニック結晶内に拡散してn型不純物として機能し、発光装置の特性を悪化させるおそれがある。そのため、発光装置内におけるフォトニック結晶層の位置が制限され、当該製造方法を適用可能な発光装置の構造が限られるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、融着法による貼り合わせを行なうことなく製造することを可能としつつ、孔の形状を容易に制御し、かつ種々の構造の発光装置に適用可能なIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法を提供することである。
本発明に従ったIII族窒化物系面発光素子は、少なくとも一方の主面がIII族窒化物からなる基板と、基板の当該少なくとも一方の主面上に形成され、底壁を有する複数の孔が周期的に形成されたフォトニック結晶層とを備えている。上記底壁は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層で覆われている。そして、上記孔は、底壁に対向するように形成されたエピタキシャル成長層により閉じられている。
本発明のIII族窒化物系面発光素子においては、フォトニック結晶層内に形成された孔の底壁がチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層で覆われている。そのため、孔の内部からのエピタキシャル成長を効果的に抑制しつつ、当該底壁に対向するようにエピタキシャル成長層を形成することにより、孔の形状を維持しながら当該孔を閉鎖可能な構造となっている。また、上記チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物を被覆層の素材として採用しているため、SiO2を採用した場合のように、発光装置の特性を悪化させる可能性のある不純物がフォトニック結晶層に拡散することが回避される。そのため、発光装置内におけるフォトニック結晶層の位置が被覆層の素材に起因して制限されず、種々の構造の発光装置に適用可能な構成となっている。
以上のように、本発明のIII族窒化物系面発光素子によれば、融着法による貼り合わせを行なうことなく製造することを可能としつつ、孔の形状を容易に制御し、かつ種々の構造の発光装置に適用可能なIII族窒化物系面発光素子を提供することができる。
上記III族窒化物系面発光素子において好ましくは、上記被覆層は、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化ハフニウムの少なくともいずれか1つから構成されている。
被覆層の素材に、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムを採用することにより、孔の内部からのエピタキシャル成長を特に効果的に抑制することが可能となる。そのため、上記構成によれば、孔の形状の制御が一層容易な構造を有するIII族窒化物系面発光素子を提供することができる。
上記III族窒化物系面発光素子において好ましくは、上記孔の側壁の一部または全部が、被覆層により覆われている。孔を閉鎖するためのエピタキシャル成長を実施する場合、孔の底壁だけでなく、孔の側壁からも結晶が成長する可能性がある。そのため、孔の底壁だけでなく、孔の側壁の一部または全部が被覆層に覆われていることにより、孔の形状の制御が一層容易となる。なお、孔の側壁からの結晶の成長は、底壁からの成長ほど容易には起こらないため、被覆層により覆われる孔の側壁は、必ずしも側壁全体である必要はなく、側壁の一部であっても、側壁からの結晶の成長を有効に抑制することができる。
上記III族窒化物系面発光素子において好ましくは、基板の上記少なくとも一方の主面上に形成された、導電型がp型であるp型積層構造と、基板の上記少なくとも一方の主面上に形成された、導電型がn型であるn型積層構造とを備えており、フォトニック結晶層は、p型積層構造に含まれている。
本発明のIII族窒化物系面発光素子では、被覆層の素材にチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物が採用されている。そのため、p型積層構造内にフォトニック結晶層を配置しても、たとえばSiOのように、被覆層を構成する元素がフォトニック結晶層内に拡散してn型不純物として機能し、発光装置の特性を悪化させることが回避されている。したがって、本発明のIII族窒化物系面発光素子は、フォトニック結晶層がp型積層構造内に配置される構造を有するIII族窒化物系面発光素子に、特に有効に適用することができる。
上記III族窒化物系面発光素子において好ましくは、上記基板は、窒化ガリウムから構成されている。上記基板を、たとえばサファイア基板と当該サファイア基板上に形成された半導体層からなる基板等ではなく、窒化ガリウムから構成される基板とすることにより、歪の小さい結晶からなる発光装置を構成することが可能となり、当該歪による発光効率の低下を抑制することができる。
本発明に従ったIII族窒化物系面発光素子の製造方法は、少なくとも一方の主面がIII族窒化物からなる基板を準備する工程と、基板の当該少なくとも一方の主面上に、底壁を有する複数の孔が周期的に形成されたフォトニック結晶層を形成する工程とを備えている。フォトニック結晶層を形成する工程は、上記基板の上記少なくとも一方の主面上に、フォトニック結晶層となるべきベース層を形成する工程と、ベース層に、底壁を有する複数の孔を周期的に形成する工程と、当該孔の底壁を覆うように、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層を形成する工程と、ベース層上にエピタキシャル成長層を形成することにより、上記孔を閉鎖する工程とを含んでいる。
本発明のIII族窒化物系面発光素子の製造方法では、フォトニック結晶層を形成する工程において、フォトニック結晶層となるべきベース層に形成された孔の底壁を覆うように、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層が形成され、孔の内部からのエピタキシャル成長が抑制される。そして、その後にエピタキシャル成長層を形成することにより、当該孔が閉鎖されるため、孔の形状の変化を抑制しつつ孔を閉鎖することができる。
また、上記チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物を被覆層の素材として採用しているため、SiO2を採用した場合のように、発光装置の特性を悪化させる可能性のある不純物がフォトニック結晶層に拡散することが回避される。そのため、発光装置内におけるフォトニック結晶層の位置が被覆層の素材に起因して制限されず、本発明のIII族窒化物系面発光素子の製造方法は種々の構造の発光装置に適用可能である。
以上のように、本発明のIII族窒化物系面発光素子の製造方法によれば、融着法による貼り合わせを行なうことなく、孔の形状を容易に制御し、かつ種々の構造の発光装置に適用可能なIII族窒化物系面発光素子の製造方法を提供することができる。
上記III族窒化物系面発光素子の製造方法において好ましくは、被覆層を形成する工程では、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化ハフニウムの少なくともいずれか1つから構成される被覆層が形成される。
被覆層の素材に、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムを採用することにより、孔の内部からのエピタキシャル成長を特に効果的に抑制することが可能となる。そのため、上記構成によれば、孔の形状の制御が一層容易となる。
上記III族窒化物系面発光素子の製造方法において好ましくは、被覆層を形成する工程では、上記孔の側壁の一部または全部を覆うように被覆層が形成される。
上記孔を閉鎖する工程においては、孔の底壁だけでなく、孔の側壁からも結晶が成長する可能性がある。そのため、被覆層を形成する工程において、孔の底壁だけでなく、孔の側壁の一部または全部を被覆層により覆うことにより、孔の形状の制御が一層容易となる。なお、孔の側壁からの結晶の成長は、底壁からの成長ほど容易には起こらないため、必ずしも側壁全体を覆う必要はなく、側壁の一部を覆うことによっても、側壁からの結晶の成長を有効に抑制することができる。
上記III族窒化物系面発光素子の製造方法において好ましくは、孔を閉鎖する工程では、雰囲気の圧力が60kPa以下の条件下で、エピタキシャル成長層が形成される。
雰囲気の圧力を60kPa以下にまで減圧した条件下でエピタキシャル成長層を形成することにより、孔を閉鎖する工程において、上記ベース上に形成されるエピタキシャル成長層が横方向(ベース層の上部表面に沿う方向)に成長しやすくなる。これにより、孔の形状が変形することを抑制しつつ、当該孔を閉鎖することができるため、孔の形状の制御が一層容易となる。なお、孔の形状の制御を一層容易にするためには、雰囲気の圧力が30kPa以下の条件下で、エピタキシャル成長層が形成されることが好ましい。一方、孔の側壁から横方向に結晶が成長することを抑制する観点から、上記雰囲気の圧力は1kPa以上であることが好ましい。
上記III族窒化物系面発光素子の製造方法において好ましくは、基板の上記少なくとも一方の主面上に導電型がp型であるp型積層構造を形成する工程と、基板の上記少なくとも一方の主面上に導電型がn型であるn型積層構造を形成する工程とを備えており、フォトニック結晶層を形成する工程は、p型積層構造を形成する工程に含まれる。
本発明のIII族窒化物系面発光素子の製造方法では、被覆層の素材にチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物が採用されている。そのため、p型積層構造内にフォトニック結晶層を配置しても、たとえばSiOのように、被覆層を構成する元素がフォトニック結晶層内に拡散してn型不純物として機能し、発光装置の特性を悪化させることが回避されている。したがって、本発明のIII族窒化物系面発光素子の製造方法は、フォトニック結晶層がp型積層構造内に配置される構造を有するIII族窒化物系面発光素子の製造方法に、特に有効に適用することができる。
上記III族窒化物系面発光素子の製造方法において好ましくは、基板を準備する工程では、窒化ガリウムから構成される基板が準備される。上記基板を窒化ガリウムから構成される基板とすることにより、歪の小さい結晶からなる発光装置を製造することが容易となり、当該歪による発光効率の低下を抑制することができる。
ここで、III族窒化物とは、III族元素と窒素とを含む化合物であって、たとえばGaN(窒化ガリウム)のほか、InN(窒化インジウム)、AlN(窒化アルミニウム)、InGaN、AlGaNなどが挙げられる。
以上の説明から明らかなように、本発明のIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法によれば、融着法による貼り合わせを行なうことなく製造することを可能としつつ、孔の形状を容易に制御し、かつ種々の構造の発光装置に適用可能なIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である実施の形態1におけるIII族窒化物系面発光素子としてのフォトニックレーザの構成を示す概略断面図である。図1を参照して、実施の形態1におけるフォトニックレーザの構成を説明する。
図1を参照して、実施の形態1におけるフォトニックレーザ1は、導電型が第1導電型としてのn型であるn型基板10と、n型基板10上に形成された導電型がn型であるn型クラッド層20と、n型クラッド層20上に形成された導電型がn型であるn型ガイド層30と、n型ガイド層30上に形成された量子井戸発光層である発光層40とを備えている。さらに、実施の形態1におけるフォトニックレーザ1は、発光層40上に形成されたアンドープの(キャリアとなる正孔や電子を生成させる不純物が添加されていない)ガイド層50と、ガイド層50上に形成された導電型が第2導電型としてのp型である電子ブロック層60と、電子ブロック層60上に形成されたフォトニック結晶層70と、フォトニック結晶層70上に形成された導電型がp型であるp型クラッド層80と、p型クラッド層80上に形成された導電型がp型であるp型コンタクト層90を備えている。
n型基板10は、たとえばIII族窒化物である窒化ガリウム(GaN)からなっていることにより、一方の主面10AがIII族窒化物からなっている。また、n型基板10は、たとえば30μm以上800μm以下程度の厚みを有しているとともに、n型不純物を含むことにより、導電型がn型となっている。そして、n型クラッド層20、n型ガイド層30、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90は、この一方の主面10A上に形成されている。
n型クラッド層20は、たとえば0.01μm以上5μm以下程度の厚みを有し、n型不純物を含む窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなっている。また、n型ガイド層30は、たとえば0.001μm以上3μm以下程度の厚みを有し、n型不純物を含むGaNからなっている。
さらに、発光層40は、たとえばInGaN/InGaN(窒化インジウムガリウム)からなる多重量子井戸(Multi Quantum Well;MQW)発光層である。また、ガイド層50は、たとえば0.001μm以上1μm以下程度の厚みを有し、キャリアとなる正孔や電子を生成させる不純物が添加されていないアンドープのGaNからなっている。さらに、電子ブロック層60は、たとえば0.001μm以上1μm以下程度の厚みを有し、p型不純物を含むAlGaNからなっている。
また、フォトニック結晶層70は、たとえば0.01μm以上1μm以下程度の厚みを有し、p型不純物を含むGaNからなっている。そして、フォトニック結晶層70には、当該フォトニック結晶層70内に底壁73Aを有する複数の孔73が形成されている。この底壁73Aは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層74で覆われている。さらに、この孔73は、底壁73Aに対向するように形成されたエピタキシャル成長層としての閉鎖層72により閉じられている。
別の観点から説明すると、フォトニック結晶層70は、n型基板10の側とは反対側に開口を有する孔73が周期的に形成されたベース層71と、ベース層71上に形成され、孔73の開口を閉鎖する閉鎖層72とを含んでいる。そして、孔73の開口から底壁73Aまでの距離である孔の深さは、たとえば1nm以上1000nm程度である。この孔73は、被覆層74により完全に充填されていてもよいが、本実施例では、被覆層74の厚みは、1nm以上100nm以下程度、たとえば10nm程度となっており、孔73の底壁73Aと、底壁73Aに対向する閉鎖層72との間には、空洞部75が形成されている。また、被覆層74は、たとえば酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および酸化ハフニウム(HfO)の少なくともいずれか1つから構成されていることが好ましい。
さらに、n型クラッド層20およびn型ガイド層30は、導電型がn型であるn型積層構造12を構成しており、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90は、導電型がp型であるp型積層構造11を構成している。そして、フォトニック結晶層70は、p型積層構造11に含まれている。
次に、実施の形態1におけるフォトニックレーザ1の動作について説明する。図1を参照して、n型基板10の一方の主面とは反対側の主面である他方の主面10B上に形成された図示しない電極と、p型コンタクト層90のn型基板10の側とは反対側の主面90B上に形成された図示しない電極との間に、所定に電圧が印加されると、n型基板10、n型クラッド層20およびn型ガイド層30を介してキャリアである電子が、p型コンタクト層90、p型クラッド層80、フォトニック結晶層70、電子ブロック層60およびガイド層50を介してキャリアである正孔が、発光層40に注入される。そして、注入された正孔および電子が発光層40内において再結合することにより、発光層40内に光が発生する。
一方、フォトニック結晶層70には、上述のように空洞部75を有する孔73が周期的に形成されている。このフォトニック結晶層70の孔73以外の領域と空洞部75とは屈折率が異なっている。そのため、上述のように発光層40内で発生した光は、孔73を格子点としてブラッグ反射を繰返し、定在波となる。その結果、コヒーレントな状態が形成され、フォトニックレーザ1からレーザ光が発振される。
上記実施の形態1におけるIII族窒化物系面発光素子としてのフォトニックレーザ1では、フォトニック結晶層70内に形成された孔73の底壁73Aがチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つ、たとえばTiO、ZrO、HfOの少なくともいずれか1つから構成されている被覆層74で覆われている。そのため、孔73の内部からのエピタキシャル成長を効果的に抑制しつつ、底壁73Aに対向するように閉鎖層72を形成することにより、孔73の形状を維持しながら当該孔73を閉鎖可能な構造となっている。
また、上記チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物を被覆層74の素材として採用しているため、SiO2を採用した場合のように、フォトニックレーザ1の特性を悪化させる可能性のある不純物がフォトニック結晶層70に拡散することが回避されている。そのため、フォトニックレーザ1内におけるフォトニック結晶層70の位置が被覆層74の素材に起因して制限されず、上述のようにフォトニック結晶層70が、p型積層構造11に含まれる構造を採用することが可能となっている。
以上のように、本実施の形態におけるフォトニックレーザ1は、融着法による貼り合わせを行なうことなく製造することが可能であり、孔73の形状を容易に制御し、かつフォトニック結晶層70がp型積層構造11に含まれる構造を採用しても、これに起因して発光特性が低下しないフォトニックレーザとなっている。
また、本実施の形態におけるフォトニックレーザ1においては、n型基板10が、GaNから構成されているため、n型基板10上に形成されるn型クラッド層20、n型ガイド層30と、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90、特に発光層40を構成する結晶の歪が小さくなっている。その結果、当該歪によるフォトニックレーザ1の発光効率の低下が抑制されている。
なお、上記実施の形態1におけるフォトニックレーザ1では、フォトニック結晶層70がベース層71と閉鎖層72とを含んでいる場合について説明したが、閉鎖層72は必ずしも必要ではない。すなわち、上記ベース層71上に直接エピタキシャル成長層としてのp型クラッド層80が形成されることにより、孔73が閉じられる構造を採用することもできる。
次に、本発明の一実施の形態である実施の形態1におけるIII族窒化物系面発光素子としてのフォトニックレーザの製造方法について説明する。以下に説明する製造方法により、上記フォトニックレーザ1を製造することができる。
図2は、実施の形態1におけるIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザの製造方法の概略を示すフローチャートである。また、図3は、実施の形態1におけるフォトニックレーザの製造方法を説明するための概略断面図である。また、図4は、図2におけるフォトニック結晶層形成工程の手順を示すフローチャートである。また、図5は、実施の形態1におけるフォトニック結晶層形成工程を説明するための概略断面図である。また、図6〜図10は、フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。
図2を参照して、実施の形態1におけるフォトニックレーザ1の製造方法においては、まず、工程(S10)として、基板準備工程が実施される。具体的には、図3を参照して、GaNからなり、n型不純物を含むことにより導電型がn型となっているn型基板10が準備される。
次に、図2を参照して、工程(S20)および工程(S30)として、n型クラッド層形成工程およびn型ガイド層形成工程がこの順に実施される。具体的には、図3を参照して、工程(S10)において準備されたn型基板10の一方の主面10A上に、n型不純物を含むことにより導電型がn型となっているAlGaNからなるn型クラッド層20を形成する工程(S20)と、工程(S20)において形成されたn型クラッド層20上に、n型不純物を含むことにより導電型がn型となっているGaNからなるn型ガイド層30を形成する工程(S30)とが順次実施される。これらの工程(S20)および工程(S30)は、図2に示すように導電型がn型であるn型積層構造を形成するn型積層構造形成工程を構成しており、たとえばOMVPE(organometallic vapor phase epitaxy;有機金属気相成長)法により実施することができる。
次に、図2を参照して、工程(S40)、工程(S50)および工程(S60)として、発光層形成工程、ガイド層形成工程および電子ブロック層形成工程がこの順に実施される。具体的には、図3を参照して、工程(S30)において形成されたn型ガイド層30上に、InGaN/InGaNからなる多重量子井戸発光層である発光層40を形成する工程(S40)と、工程(S40)において形成された発光層40上に、アンドープのGaNからなるガイド層50を形成する工程(S50)と、工程(S50)において形成されたガイド層50上にp型不純物を含むことにより導電型がp型となっているAlGaNからなる電子ブロック層60を形成する工程(S60)とが順次実施される。これらの工程(S40)〜(S60)も、たとえばOMVPE法により実施することができる。
次に、図2を参照して、工程(S70)として、フォトニック結晶層形成工程が実施される。具体的には、図1を参照して、工程(S60)において形成された電子ブロック層60上に、底壁73Aを有する複数の孔73が周期的に形成されたフォトニック結晶層70が形成される。この工程(S70)の詳細については、後述する。
次に、図2を参照して、工程(S80)および工程(S90)として、p型クラッド層形成工程およびp型コンタクト層形成工程がこの順に実施される。具体的には、図1を参照して、工程(S70)において形成されたフォトニック結晶層70上に、p型クラッド層80を形成する工程(S80)と、工程(S80)において形成されたp型クラッド層80上に、p型コンタクト層90を形成する工程(90)とが順次実施される。これらの工程(S80)および(S90)も、たとえばOMVPE法により実施することができる。なお、上記工程(S60)〜(S90)は、図2に示すように、導電型がp型であるp型積層構造を形成するp型積層構造形成工程を構成する。そして、フォトニック結晶層形成工程は、このp型積層構造形成工程に含まれている。
さらに、図2を参照して、工程(S100)として、電極形成工程が実施される。具体的には、図1を参照して、工程(S10)において準備されたn型基板10の上記一方の主面10Aとは反対側の主面である他方の主面10B上と、工程(S90)において形成されたp型コンタクト層90のn型基板10の側とは反対側の主面90B上とのそれぞれに、金(Au)などを含み、n型基板10およびp型コンタクト層90のそれぞれとオーミック接触するオーミック電極(図示しない)が形成される。これにより、本実施の形態におけるフォトニックレーザ1は完成する。
次に、上記フォトニック結晶層形成工程の詳細について説明する。工程(S70)であるフォトニック結晶層形成工程においては、図4を参照して、まず工程(S71)としてベース層形成工程が実施される。具体的には、図5を参照して、工程(S60)において形成された電子ブロック層60上に、p型不純物を含むことにより導電型がp型となっているGaNからなり、フォトニック結晶層70となるべきベース層71が形成される。この工程(S71)は、たとえばOMVPE法により実施することができる。
次に、図4を参照して、工程(S72)として、工程(S71)において形成されたベース層71に、当該ベース層71内に底壁を有する複数の孔を周期的に形成する孔形成工程が実施される。具体的には、まず、図6を参照して、ベース層71上にレジスト99が塗布された後、露光および現像が行なわれ、所望の孔73(図1参照)の形状および配置に応じた開口99Aを有するマスクパターンが形成される。上記露光は、たとえば電子ビーム露光装置を用いたEB(Electron Beam)露光法により実施することができる。また、露光および現像に代えて、ナノインプリント法により、マスクパターンが形成されてもよい。その後、図7を参照して、上記マスクパターンが形成されたレジスト99がマスクとして用いられて、たとえばICP―RIE(Inductive Coupled Plasma − Reactive Ion Etching;誘導結合プラズマ−反応性イオンエッチング)によりベース層71がエッチングされ、ベース層71内に底壁79Aを有する複数の孔79が周期的に形成される。
次に、図4を参照して、工程(S73)として、工程(S72)において形成された孔79の底壁79Aを覆うように、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層を形成する被覆層形成工程が実施される。具体的には、図8を参照して、まず、工程(S72)において形成された孔79の底壁79Aおよびレジスト上に、EB蒸着装置をもちいたEB蒸着法により、ZrO層78が形成される。このとき、孔79は、ZrO層78により完全には充填されず、その一部が充填される。その後、図8および図9を参照して、アセトンなどの有機溶剤により、レジスト99がレジスト99上のZrO層78とともに除去される(リフトオフ)。これにより、図9に示すように、ZrOからなり、孔79の底壁79Aを覆う被覆層74が形成される。
なお、レジスト99の除去をより確実に行なうために、レジスト99とベース層71との間にアルミニウム(Al)からなるAl層を形成してもよい。すなわち、工程(S72)においてレジスト99を塗布する前に、図5を参照して、まずベース層71上に、蒸着法によりAl膜を形成する。その後、図6を参照して、当該Al膜上にレジスト99を塗布し、上述の手順でレジスト99にマスクパターンを形成する。そして、当該マスクパターンが形成されたレジスト99をマスクとして用いて、たとえばICP―RIEによりAl膜とともにベース層71をエッチングする。さらに、工程(S73)において、上述の手順でリフトオフを行なった後、混酸などを用いてAl膜を除去する。これにより、レジスト99をより確実に除去することができる。
次に、図4を参照して、工程(S74)として、ベース層71上にエピタキシャル成長層を形成することにより、孔79を閉鎖する孔閉鎖工程が実施される。具体的には、図9および図10を参照して、孔79が形成されたベース層71上に、エピタキシャル成長層としての閉鎖層72を形成することにより、孔79が閉鎖される。これにより、空洞部75を有し、かつ底壁73Aが被覆層74により覆われた孔73が形成される。この閉鎖層72の形成は、たとえばOMVPE法により実施することができる。
ここで、図9および図10を参照して、閉鎖層72を成長させる際には、上述のように孔73の底壁73Aが被覆層74により覆われているため、閉鎖層72を構成する結晶は、孔73の内部ではほとんど成長せず、ベース層71の上部表面71A上において成長する。そして、ベース層71の上部表面71A上で成長する結晶が横方向(上部表面71Aに沿う方向)に成長して互いに結合することにより、孔73を閉鎖する閉鎖層72が形成される。また、この工程(S74)では、雰囲気の圧力が60kPa以下、たとえば20kPaの条件下で閉鎖層72が形成されることにより、横方向への結晶の成長が起こりやすくなり、工程(S74)を容易に実施することが可能となる。以上の工程(S71)〜(S74)により、複数の孔73が周期的に形成されたフォトニック結晶層70が形成される。
なお、上述のように、上記工程(S20)〜(S60)、(S80)〜(S90)、(S71)および(S74)は、いずれもOMVPE法により実施することができる。そのため、以下の手順で工程(S20)〜(S90)を実施することができる。すなわち、まず工程(S10)において準備したn型基板10をOMVPE炉に挿入し、工程(S20)〜(S71)までを連続的に実施して、n型基板10上にn型クラッド層20、n型ガイド層30、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60およびベース層71が形成された構造体(図5参照)を作製する。その後、当該構造体をOMVPE炉から取り出し、工程(S72)および(S73)を実施した上で、さらに当該構造体をOMVPE炉に再度挿入して工程(S74)、(S80)および(S90)を実施する。これにより、工程(S20)〜(S90)を効率的に実施することができる。
本実施の形態におけるフォトニックレーザ1の製造方法では、フォトニック結晶層を形成する工程(S70)において、フォトニック結晶層70となるべきベース層71に形成された孔79の底壁79Aを覆うように、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層74が形成され、孔79の内部からのエピタキシャル成長が抑制される。そして、その後にエピタキシャル成長層としての閉鎖層72を形成することにより、当該孔79が閉鎖されるため、孔79の形状の変化を抑制しつつ孔79を閉鎖することができる。
また、上記チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物を被覆層74の素材として採用しているため、SiO2を採用した場合のように、フォトニックレーザ1の特性を悪化させる可能性のある不純物がフォトニック結晶層70に拡散することが回避されている。そのため、フォトニックレーザ1内におけるフォトニック結晶層70の位置が被覆層74の素材に起因して制限されず、上述のようにフォトニック結晶層70が、p型積層構造11に含まれる構造のフォトニックレーザ1を製造することができる。
以上のように、本実施の形態におけるフォトニックレーザの製造方法によれば、融着法による貼り合わせを行なうことなく、孔79の形状を容易に制御し、かつフォトニック結晶層70がp型積層構造11に含まれる構造を採用しても、これに起因して発光特性が低下しないフォトニックレーザを製造することができる。
また、本実施の形態におけるフォトニックレーザ1の製造方法では、工程(S10)において準備されるn型基板10が、GaNから構成されているため、n型基板10上に形成されるn型クラッド層20、n型ガイド層30と、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90、特に発光層40を構成する結晶の歪を小さくすることができる。その結果、当該歪による発光効率の低下が抑制されたフォトニックレーザ1を製造することができる。
なお、図2および図4を参照して、上記実施の形態1におけるフォトニックレーザ1の製造方法では、工程(S72)においてベース層71に形成された孔79が、工程(S74)において形成される閉鎖層72により閉鎖されるプロセスについて説明したが、閉鎖層72を形成することなく、ベース層71上に直接エピタキシャル成長層としてのp型クラッド層80を形成することにより、孔79を閉鎖するプロセスが採用されてもよい。すなわち、工程(S74)を省略し、工程(S80)を工程(S73)の直後に実施するプロセスを採用することも可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の一実施の形態である実施の形態2におけるIII族窒化物系面発光素子としてのフォトニックレーザについて説明する。図11は、実施の形態2におけるフォトニックレーザの構成を示す概略断面図である。
図11を参照して、実施の形態2におけるフォトニックレーザ1と、図1に基づいて説明した実施の形態1におけるフォトニックレーザ1とは、基本的には同様の構成を有し、同様に動作するとともに同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2におけるフォトニックレーザ1は、フォトニック結晶層70の配置およびフォトニック結晶層70の孔73内に形成される被覆層74の配置において、図1のフォトニックレーザ1とは異なっている。
すなわち、図11を参照して、実施の形態1においては、電子ブロック層60とp型クラッド層80との間に配置されていたフォトニック結晶層70が、実施の形態2においては、n型クラッド層20とn型ガイド層30との間に配置されている。すなわち、実施の形態2においては、フォトニック結晶層70は導電型がn型であるn型積層構造12に含まれている。このように配置される場合でも、フォトニック結晶層70は実施の形態1の場合と同様に機能することができる。
また、図11を参照して、実施の形態2におけるフォトニックレーザ1では、フォトニック結晶層70に形成された孔73の底壁73Aだけでなく、側壁73Bも被覆層74により覆われている。孔73を閉鎖するためのエピタキシャル成長を実施する場合、孔73の底壁73Aだけでなく、孔73の側壁73Bからも結晶が成長する可能性がある。そのため、底壁73Aだけでなく側壁73Bが被覆層74に覆われていることにより、孔73の形状の制御が一層容易となっている。なお、側壁73Bからの結晶の成長は、底壁73Aからの成長ほど容易には起こらないため、被覆層74により覆われる孔73の側壁73Bは、必ずしも側壁73B全体である必要はなく、側壁73Bの一部であっても、側壁73Bからの結晶の成長を有効に抑制することができる。
次に、本発明の一実施の形態である実施の形態2におけるIII族窒化物系面発光素子としてのフォトニックレーザの製造方法について説明する。図12は、実施の形態2におけるIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザの製造方法の概略を示すフローチャートである。また、図13は、実施の形態2におけるフォトニックレーザの製造方法を説明するための概略断面図である。また、図14は、実施の形態2におけるフォトニック結晶層形成工程を説明するための概略断面図である。また、図15〜図17は、フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。
図12を参照して、実施の形態2におけるフォトニックレーザの製造方法と、図2に基づいて説明した実施の形態1におけるフォトニックレーザの製造方法とは、基本的には同様の手順で実施される。しかし、実施の形態2におけるフォトニックレーザの製造方法では、フォトニック結晶層形成工程が実施される順序およびフォトニック結晶層形成工程の実施手順において、実施の形態1の場合とは異なっている。
すなわち、図12を参照して、実施の形態1においては、工程(S60)である電子ブロック層形成工程と工程(S80)であるp型クラッド層形成工程との間で実施された工程(S70)であるフォトニック結晶層形成工程が、実施の形態2においては、工程(S20)であるn型クラッド層形成工程と工程(S30)であるn型ガイド層形成工程との間で実施される。つまり、実施の形態2においては、図12および図13を参照して、まず、工程(S10)および(S20)が実施の形態1の場合と同様に実施されることにより、n型基板10上にn型クラッド層20が形成される。その後、後述する工程(S70)が実施された上で、工程(S30)〜(S60)および工程(S80)〜(S100)が実施の形態1の場合と同様に順次実施され、図11に示す実施の形態2のフォトニックレーザ1が製造される。
すなわち、実施の形態2においては、フォトニック結晶層形成工程は、導電型がn型であるn型積層構造を形成するn型積層構造工程に含まれる。これにより、フォトニック結晶層70がn型積層構造12に含まれる実施の形態2におけるフォトニックレーザ1を製造することができる。
次に、実施の形態2におけるフォトニック結晶層形成工程の実施手順について説明する。図12を参照して、実施の形態2の工程(S70)であるフォトニック結晶層形成工程は、基本的には、図4に基づいて説明した実施の形態1の場合と同様に実施される。
図4および図14を参照して、実施の形態2においては、まず、工程(S20)において形成されたn型クラッド層20上に、実施の形態1と同様の方法により、ベース層71が形成されるベース層形成工程が工程(S71)として実施される。次に、図6および図7に基づいて説明した実施の形態1の場合と同様に、孔形成工程が工程(S72)として実施される。
その後、図4を参照して、工程(S73)として、被覆層形成工程が実施される。ここで、実施の形態2では実施の形態1の場合とは異なり、図15に示すように、孔79の底壁79Aだけでなく側壁79Bをも覆うようにZrO層78が形成される。なお、底壁79Aだけでなく側壁79Bをも覆うようにZrO層78を形成するためには、たとえば蒸着時の真空度を調整(抑制)してもよいし、側壁79Bの底壁79Aに対する角度が90°からわずかに傾く(たとえば80〜85°程度)ように(孔79の深さ方向に垂直な断面における断面積が孔79の入り口よりも底壁79Aにおいて小さくなるように)、孔79を形成してもよい。
そして、図15および図16を参照して、アセトンなどの有機溶剤により、レジスト99がレジスト99上のZrO層78とともに除去される(リフトオフ)。これにより、孔79の底壁79Aおよび側壁79BにZrOからなる被覆層74が形成される。さらに、図4および図17を参照して、工程(S74)として、実施の形態1と同様に、孔閉鎖工程が実施される。
ここで、図4、図16および図17を参照して、工程(S74)において閉鎖層72を成長させる際には、孔79の底壁79Aだけでなく、側壁79Bからも結晶が成長する可能性がある。これに対し、実施の形態2においては、上述のように工程(S73)において孔79の底壁79Aだけでなく側壁79Bが被覆層74により覆われている。そのため、工程(S74)において、孔79の底壁79Aからだけでなく、側壁79Bからの結晶の成長も抑制されている。その結果、図11を参照して、フォトニック結晶層70の孔73の形状を高い精度で制御することが可能となっている。
なお、図4および図17を参照して、工程(S74)において、孔79の側壁79Bからの結晶の成長は、底壁79Aからの成長ほど容易には起こらない。そのため、工程(S73)において、必ずしも側壁73B全体を被覆層74により覆う必要はなく、一部を覆うように工程(S73)が実施されても側壁73Bからの結晶の成長を有効に抑制することができる。
なお、上記実施の形態1においては、フォトニック結晶層70がp型積層領域11に含まれるように形成され、孔73の側壁73Bが被覆層74により覆われていない場合について説明し、実施の形態2においては、フォトニック結晶層70がn型積層領域12に含まれるように形成され、孔73の側壁73Bが被覆層74により覆われている場合について説明したが、本発明のフォトニック結晶層70の構成はこれに限られない。すなわち、フォトニック結晶層70がp型積層領域11に含まれるように形成され、孔73の側壁73Bが被覆層74により覆われていてもよいし、フォトニック結晶層70がn型積層領域12に含まれるように形成され、孔73の側壁73Bが被覆層74により覆われていなくてもよい。
以下、実施例1について説明する。本発明のIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザを実際に作製し、フォトニック結晶層の孔の形状および電気特性を確認する実験を行なった。実験の具体的手順は以下のとおりである。
まず、実験の対象となるフォトニックレーザの作製方法について説明する。本発明の実施例として、上記実施の形態1と同様の方法により、実施の形態1と同様の構成を有するフォトニックレーザを作製した。すなわち、まず、上記実施の形態1において説明した手順で図2の工程(S10)〜(S60)を実施した。次に、図2の工程(S70)に含まれる図4の工程(S71)を実施の形態1と同様に実施した後、図4の工程(S72)では、EB露光法を用いて直径70nmの開口が160nmピッチで形成されたレジストからなるマスクパターンを形成した。そして、当該マスクパターンが形成されたレジストをマスクとして、塩素(Cl)ガスを用いたICP−RIEにより、深さ70nmの孔を形成した。その後、図4の工程(S73)において、EB蒸着装置を用いて厚さ100ÅのZrO膜を形成し、リフトオフによりレジストおよびレジスト上のZrO膜を除去した。そして、図4の工程(S74)において、圧力20kPaの条件下で閉鎖層を形成した。
さらに、図2の工程(S80)〜(S100)までを上記実施の形態1において説明した手順で実施することにより、図1に示す本発明のIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザを完成させた。n型クラッド層20、n型ガイド層30と、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90の形成は、いずれもOMVPE法により実施した(実施例A)。
また、上記実施例Aと同様の製造方法において、ZrO膜に代えて酸化チタン(TiO)膜を採用したフォトニックレーザも作製した(実施例B)。
一方、比較のため、上述と同様の製造方法において、ZrO膜に代えてSiO膜、酸化セリウム(CeO)膜および酸化クロム(Cr)膜を採用した本発明の範囲外のフォトニックレーザもそれぞれ作製した(比較例A、BおよびC)。
さらに、本発明の実施例として、上記実施の形態2と同様の方法により、実施の形態2と同様の構成を有するフォトニックレーザを作製した。すなわち、まず、上記実施の形態2において説明した手順で図12の工程(S10)〜(S20)を実施した。次に、図12の工程(S70)に含まれる図4の工程(S71)を実施の形態2と同様に実施した後、図4の工程(S72)では、ナノインプリント法を用いて直径65nmの開口が150nmピッチで形成されたレジストからなるマスクパターンを形成した。そして、当該マスクパターンが形成されたレジストをマスクとして、塩素(Cl)ガスを用いたICP−RIEにより、深さ60nmの孔を形成した。その後、図4の工程(S73)において、EB蒸着装置を用いて厚さ100ÅのZrO膜を形成し、リフトオフによりレジストおよびレジスト上のZrO膜を除去した。そして、図4の工程(S74)において、圧力20kPaの条件下で閉鎖層を形成した。
そして、図12の工程(S40)〜(S100)までを上記実施の形態2において説明した手順で実施することにより、図11に示す本発明のIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザ1を完成させた。n型クラッド層20、n型ガイド層30と、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90の形成は、いずれもOMVPE法により実施した(実施例C)。
また、上記実施例Cと同様の製造方法において、ZrO膜に代えてSiO膜を採用した本発明の範囲外のフォトニックレーザも作製した(比較例D)。
そして、上記実施例A、Bおよび比較例A〜Cについて、フォトニックレーザを基板の主面に垂直な断面において切断し、フォトニック結晶層を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)にて観察することにより、フォトニック結晶層の孔の形状を確認した。また、実施例AおよびCと、比較例AおよびDとについて、順方向電圧を印加した場合の順方向電流を測定することにより、電気特性を調査した。
次に、実験結果について説明する。まず、フォトニック結晶層の孔の形状に関する実験結果は以下のとおりであった。
図18は、実施例Aにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。また、図19は、実施例Bにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。また、図20は、比較例Aにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。また、図21は、比較例Bにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。また、図22は、比較例Cにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。なお、図18〜図22において、写真右上部には、孔の形状の状態に関する評価が○、△、×の3段階で表示されている。○は孔の形状が良好であったことを示し、△は孔の形状が確認できたことを示し、×は孔の形状が確認できなかったことを示している。
図18を参照して、フォトニック結晶層の孔の底壁を覆う被覆層の素材にZrOを採用した実施例Aにおいては、ICP−RIEにより形成した孔の形状がほぼ維持されており、孔の形状が十分に制御可能であることが確認された。また、図19を参照して、フォトニック結晶層の孔の底壁を覆う被覆層の素材にTiOを採用した実施例Bにおいては、ICP−RIEにより形成した孔の形状が変形しているものの、孔の形状がある程度制御可能であるといえる。さらに、図20を参照して、フォトニック結晶層の孔の底壁を覆う被覆層の素材にSiOを採用した比較例Aにおいては、ICP−RIEにより形成した孔の形状がほぼ維持されており、孔の形状が十分に制御可能である。一方、図21および図22を参照して、フォトニック結晶層の孔の底壁を覆う被覆層の素材にそれぞれCeOおよびCrを採用した比較例BおよびCにおいては、ICP−RIEにより形成した孔がほぼ完全に消失している。これは、被覆層の素材にCeOやCrを採用した場合、ICP−RIEにより形成した孔を閉鎖する工程において、当該孔の内部においても結晶が成長したためであると考えられる。このことから、被覆層の素材にCeOやCrを採用した場合、所望のフォトニック結晶層を形成することができないことが分かった。
次に、電気特性に関する実験結果について説明する。図23は、実施例Aの電気特性を示す図である。また、図24は、比較例Aの電気特性を示す図である。また、図25は、実施例Cの電気特性を示す図である。また、図26は、比較例Dの電気特性を示す図である。図23〜図26において、横軸はフォトニックレーザに印加された順方向電圧の値、縦軸はフォトニックレーザに流れた順方向電流の値を示している。
被覆層の素材にZrOを採用し、p型積層構造内にフォトニック結晶層を配置した実施例Aのフォトニックレーザは、図23に示すように、3V付近から電流値が立ち上がる良好なダイオード特性を有していることが確認された。また、図25を参照して、被覆層の素材にZrOを採用し、n型積層構造内にフォトニック結晶層を配置した実施例Cのフォトニックレーザも、実施例Aと同様に、3V付近から電流値が立ち上がる良好なダイオード特性を有している。
これに対し、被覆層の素材にSiOを採用し、p型積層構造内にフォトニック結晶層を配置した比較例Aのフォトニックレーザは、図24に示すように、電流値の立ち上がり電圧が上昇するとともに、電流値の立ち上がり前に僅かな電流が流れる現象(電流リーク)が確認される。これは、p型積層構造内に配置されたフォトニック結晶層の孔の内部に被覆層としてSiOの層を形成した結果、Siが拡散してn型不純物としてはたらき、ダイオード特性を悪化させたものと考えられる。また、図26を参照して、被覆層の素材にSiOを採用し、n型積層構造内にフォトニック結晶層を配置した比較例Dのフォトニックレーザは、上記実施例AおよびBの場合と同様に、3V付近から電流値が立ち上がるダイオード特性を有している。
以上の実験結果より、フォトニック結晶層の孔の形状を制御する観点からは、上記被覆層の素材として、ZrO、TiOおよびSiOを採用することが好ましいものの、SiOはフォトニック結晶層をp型積層構造内に配置した場合、電気特性が低下するという問題点がある。そのため、上記被覆層の素材としては、ZrOおよびTiOが好ましく、孔の形状の制御が特に容易なZrOを採用することが特に好ましいことが確認された。
以下、実施例2について説明する。本発明のIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザを実際に作製し、発光を確認する実験を行なった。実験の具体的手順は以下のとおりである。
本発明の実施例として、上記実施の形態1と同様の方法により、実施の形態1と同様の構成を有するフォトニックレーザを作製した。すなわち、まず、上記実施の形態1において説明した手順で図2の工程(S10)〜(S60)を実施した。次に、図2の工程(S70)に含まれる図4の工程(S71)を実施の形態1と同様に実施した後、図4の工程(S72)では、レジストを塗布する前に、まずベース層上に、蒸着法によりAl膜を形成した。そして、EB露光法を用いて直径65nmの開口が150nmピッチで形成されたレジストからなるマスクパターンを形成した。さらに、当該マスクパターンが形成されたレジストをマスクとして、塩素(Cl)ガスを用いたICP−RIEにより、深さ100nmの孔をベース層に形成した。その後、図4の工程(S73)において、EB蒸着装置を用いて厚さ100ÅのZrO膜を形成し、リフトオフによりレジストおよびレジスト上のZrO膜を除去した。さらに、リン酸:硝酸:酢酸:水=16:1:2:1の混酸にてAl膜を除去した。そして、図4の工程(S74)において、圧力20kPaの条件下で閉鎖層を形成した。
さらに、図2の工程(S80)〜(S100)までを上記実施の形態1において説明した手順で実施することにより、図1に示す本発明のIII族窒化物系面発光素子であるフォトニックレーザを完成させた。n型クラッド層20、n型ガイド層30と、発光層40、ガイド層50、電子ブロック層60、フォトニック結晶層70、p型クラッド層80およびp型コンタクト層90の形成は、いずれもOMVPE法により実施した(実施例D)。
上述のように作製された本発明の実施例Dのフォトニックレーザに電圧を印加して通電したところ、遠視野がドーナツ状のレーザ光が観察された。このことから、本発明のIII族窒化物系面発光素子としてのフォトニックレーザは、良好な発光特性を有していることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法は、フォトニック結晶層を備えたIII族窒化物系面発光素子およびその製造方法に、特に有利に適用され得る。
実施の形態1におけるフォトニックレーザの構成を示す概略断面図である。 実施の形態1におけるフォトニックレーザの製造方法の概略を示すフローチャートである。 実施の形態1におけるフォトニックレーザの製造方法を説明するための概略断面図である。 図2におけるフォトニック結晶層形成工程の手順を示すフローチャートである。 実施の形態1におけるフォトニック結晶層形成工程を説明するための概略断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 実施の形態2におけるフォトニックレーザの構成を示す概略断面図である。 実施の形態2におけるフォトニックレーザの製造方法の概略を示すフローチャートである。 実施の形態2におけるフォトニックレーザの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施の形態2におけるフォトニック結晶層形成工程を説明するための概略断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 フォトニック結晶層形成工程を説明するための概略部分断面図である。 実施例Aにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。 実施例Bにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。 比較例Aにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。 比較例Bにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。 比較例Cにおけるフォトニック結晶層の孔のSEM写真である。 実施例Aの電気特性を示す図である。 比較例Aの電気特性を示す図である。 実施例Cの電気特性を示す図である。 比較例Dの電気特性を示す図である。
符号の説明
1 フォトニックレーザ、10A 一方の主面、10B 他方の主面、10 n型基板、11 p型積層構造、12 n型積層構造、20 n型クラッド層、30 n型ガイド層、40 発光層、50 ガイド層、60 電子ブロック層、70 フォトニック結晶層、71 ベース層、71A 上部表面、72 閉鎖層、73 孔、73A 底壁、73B 側壁、74 被覆層、75 空洞部、78 ZrO層、79 孔、79A 底壁、79B 側壁、80 p型クラッド層、90 p型コンタクト層、90B 主面、99 レジスト、99A 開口。

Claims (11)

  1. 少なくとも一方の主面がIII族窒化物からなる基板と、
    前記基板の前記少なくとも一方の主面上に形成され、底壁を有する複数の孔が周期的に形成されたフォトニック結晶層とを備え、
    前記底壁は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層で覆われており、
    前記孔は、前記底壁に対向するように形成されたエピタキシャル成長層により閉じられている、III族窒化物系面発光素子。
  2. 前記被覆層は、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化ハフニウムの少なくともいずれか1つから構成されている、請求項1に記載のIII族窒化物系面発光素子。
  3. 前記孔の側壁の一部または全部が、前記被覆層により覆われている、請求項1または2に記載のIII族窒化物系面発光素子。
  4. 前記基板の前記少なくとも一方の主面上に形成された、導電型がp型であるp型積層構造と、
    前記基板の前記少なくとも一方の主面上に形成された、導電型がn型であるn型積層構造とを備え、
    前記フォトニック結晶層は、前記p型積層構造に含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のIII族窒化物系面発光素子。
  5. 前記基板は、窒化ガリウムから構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のIII族窒化物系面発光素子。
  6. 少なくとも一方の主面がIII族窒化物からなる基板を準備する工程と、
    前記基板の前記少なくとも一方の主面上に、底壁を有する複数の孔が周期的に形成されたフォトニック結晶層を形成する工程とを備え、
    前記フォトニック結晶層を形成する工程は、
    前記基板の前記少なくとも一方の主面上に、前記フォトニック結晶層となるべきベース層を形成する工程と、
    前記ベース層に、底壁を有する複数の孔を周期的に形成する工程と、
    前記孔の前記底壁を覆うように、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物、窒化物、フッ化物、硼化物または炭化物からなる群から選択される少なくとも1つから構成される被覆層を形成する工程と、
    前記ベース層上にエピタキシャル成長層を形成することにより、前記孔を閉鎖する工程とを含む、III族窒化物系面発光素子の製造方法。
  7. 前記被覆層を形成する工程では、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化ハフニウムの少なくともいずれか1つから構成される前記被覆層が形成される、請求項6に記載のIII族窒化物系面発光素子の製造方法。
  8. 前記被覆層を形成する工程では、前記孔の側壁の一部または全部を覆うように前記被覆層が形成される、請求項6または7に記載のIII族窒化物系面発光素子の製造方法。
  9. 前記孔を閉鎖する工程では、雰囲気の圧力が60kPa以下の条件下で、前記エピタキシャル成長層が形成される、請求項6〜8のいずれか1項に記載のIII族窒化物系面発光素子の製造方法。
  10. 前記基板の前記少なくとも一方の主面上に導電型がp型であるp型積層構造を形成する工程と、
    前記基板の前記少なくとも一方の主面上に導電型がn型であるn型積層構造を形成する工程とを備え、
    前記フォトニック結晶層を形成する工程は、前記p型積層構造を形成する工程に含まれる、請求項6〜9のいずれか1項に記載のIII族窒化物系面発光素子の製造方法。
  11. 前記基板を準備する工程では、窒化ガリウムから構成される前記基板が準備される、請求項6〜10のいずれか1項に記載のIII族窒化物系面発光素子の製造方法。
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