JP2009129607A - 電極、透明導電膜、及びそれらの製造方法 - Google Patents

電極、透明導電膜、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光透過性、電気伝導度、機械的特性などの性能において優れた電極、透明導電膜、及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】線径が0.1〜200nmである導電線材のネットワーク構造を有する電極であって、前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜100倍である。また、前記導電線材の面密度が1〜1000本/μm2であり、かつ前記導電線材の結合箇所の数が1〜1000個/μm2であることを特徴とする電極。線材として利用可能な材料の具体例としては金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、導電性高分子、このほか、導電性を示し、かつ概ね一次元的な構造を形成できる物質であれば、どのようなものであっても適用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細な導電線材のネットワーク構造により形成された電極に関し、特に複数の微細な導電線材間の接点が電気的に良く接続されたネットワーク構造型電極に関する。
また当該電極を積層して形成される透明導電膜する。更には、当該前記電極と透明導電膜の製造方法に関する。
透明導電膜は、乾式または湿式のいずれかの方法によって電気絶縁性透明基板上に形成されるのが一般的である。
乾式法では、PVD(Physical Vapor Deposition:物理的蒸着法;スパッタリング、イオンプレーティング、および真空蒸着を含む。)によるコーティングまたはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的蒸着法)によるコーティングが、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(FZO)などの金属酸化物型の透明導電フィルムの形成に使用される。
当該乾式法では、優れた透明性と優れた導電性の両方を有するフィルムが得られる。しかしながら、乾式方法は減圧システムを有する複雑な装置が必要であり、生産性が低いという問題がある。乾式法のもう1つの問題は、連続的または大型の基板への適用が困難なことである。更に乾式法によって形成された金属酸化物を主とする透明導電膜は、折り曲げによって割れやすく脆い性質を有しており、連続的基板への適用を困難とするもう一つの理由となっている。また、非特許文献1などに示されたように折り曲げに弱い性質は、近い将来に大きな発展が期待されるエレクトロニクス分野への応用、すなわちフレキシブルなディスプレイ装置、照明器具、太陽電池などの、いわゆる光電素子に関する産業分野では致命的な欠陥となりうる。
一方、湿式法では、比較的単純な装置が利用でき、生産性も高く、連続的または大型の基板への適用も容易である。当該湿式法では、上記混合酸化物などの導電性粉末とバインダーとを使用して、導電性コーティング組成物が調製される。可視光を吸収せず、可視光を制御して散乱させるために、湿式法で使用される導電性粉末は、可視光の最短波長の1/2である200nm以下の平均一次粒径を有する。
当該湿式法では、乾式法で用いる材料と同じ化学組成の金属酸化物微粒子の分散液のほかに導電性ポリマーなども用いられる。
導電性ポリマーの開発は1970年代後半から始まっている。これらの成果として、ポリチオフェン、ポリピロール、およびポリアニリンなどのポリマーを主成分とする導電性材料が得られている。特にポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレン(PEDOT:PSS)は、ITO代替可能な透明性と導電性を有していると考えられており、有機EL素子などの透明電極としての応用が試みられている(例えば非特許文献2参照)。
しかし、導電性ポリマーは化学的安定性や、光電素子に応用した時の素子特性の経時劣化などに問題を抱えており、透明性と導電性もITOに比して十分とは言えない。
導電性材料分野における非常に有意義な発見は、カーボンナノチューブの発見である(例えば非特許文献3参照)。これは実質的に単層のグラファイトが管状に巻いたものであり、単層ナノチューブ(SWNT)、または二層ナノチューブ(DWNT)、または同心の複数の層が巻かれた多層ナノチューブ(MWNT)のいずれかである。
カーボンナノチューブを用いた電極構造、特にカーボンナノチューブを有する透明導電膜は、特許文献1および特許文献2に開示されている。しかし、これらに開示されている電極等の電導度は極めて低く、多くのエレクトロニクス分野への応用には不適であった。
この分野での大きな発展は、非特許文献4に開示されており、乾式法のITO透明導電膜に迫る透明性と導電性を実現する可能性が示された。更に、フレキシブルな透明導電膜としての可能性の高さも注目を集めている。
最近、多くの研究者によりカーボンナノチューブ透明導電膜の更なる改良が試みられており、化学的修飾による導電性改良技術などが開示されている(例えば特許文献3、非特許文献5および6参照)。しかし、これらの導電性改良技術も、多くのエレクトロニクス分野、特に高い透明性と高い電気伝導度(低い電気抵抗)が必要とされるディスプレイ装置、照明機器、太陽電池などの応用に関して十分な性能が得られていない。
カーボンナノチューブ電極に類似した別の技術として、金属ナノワイヤーのネットワーク構造を有した透明導電膜も研究が進められている(特許文献4参照)。しかし、上述したカーボンナノチューブ電極と同様に高い透明性と高い電気伝導度は十分に達成できていない。
(微細な導電線材のネットワークを有する電極)
微細な導電線材、特にカーボンナノチューブのネットワークが透明電極として研究されてきた。ナノチューブ(以下、「NT」と略すこともある。)のネットワーク電極内部における電気伝導の理論が非特許文献7において提案されている。以下の考察は、いくつかの例外を除き概ね微細導電線材全般に適用できると考えられる。
この理論によれば、ネットワークによる電気伝導を実現するために、いわゆるパーコレーション閾値以上のナノチューブ密度でネットワークを形成する必要がある。少なくとも電極の対向する部分の間に一つ以上の内部接続されたキャリア(電子または正孔)の経路が必要である。ネットワークの電気的特性はナノチューブ密度に依存する。ある基板の単位表面がナノチューブで100%被覆された時には、ナノチューブネットワーク膜はナノチューブ線径と同じ平均厚さになる。100%以上、または100%以下の被覆率のネットワークも許容されるが、ナノチューブネットワークの光透過率はナノチューブネットワークの膜厚に依存するので、高い光透過率を得るためには膜厚はなるべく薄いほうが良い。
ナノチューブネットワーク膜の直流伝導度(σdc)は、ナノチューブ密度とは独立の変数である。直流伝導度には様々な要因が寄与し、キャリア数(電子または正孔)、単位体積あたりのNT−NT間接続数、NT−NT接触抵抗、非金属性ナノチューブに対する金属性ナノチューブの比率などが挙げられる。
実際にはカーボンナノチューブネットワークの直流伝導度はNT−NT接触抵抗に制限され、ある測定例ではNT−NT接触抵抗値はおよそ100MΩであり、カーボンナノチューブ自体の抵抗である100kΩより4桁も大きい。したがってNT−NT接触抵抗を低減させれば直流伝導度を向上できる。しかし、NT−NT接触抵抗を改良する技術は従来知られていない。
または、ネットワークの単位面積中のNT−NT接続数を減らせば、電気抵抗を下げることが出来る。あたかもコピー機で拡大するような方法で、長さ1のナノチューブを二倍にするように幾何学的構造を保ったままで、ネットワークの長さスケールを因子Xで増加させると仮定する。この操作を行っても、シート抵抗はNT−NT接続の数に依存するので、ネットワークの表面抵抗は不変である。しかし、ナノチューブ密度はX2の因子で減少する。光透過率はナノチューブ密度に大きく依存するので、光透過率X2の因子で減少する。
同じような結論がパーコレーション閾値についても得られ、ナノチューブ長さとNT−NT接続数が議論できる。長さlのロッドからできたネットワークのモデルでは、パーコレーション閾値における単位面積当たりのNT−NT接続数すなわちNcは、次式(1)で与えられる。
l×(πNc)1/2=4.236 (1)
同じ関係がパーコレーション閾値以上のNT密度で保たれる。表面抵抗がX2に反比例(同様に同じ膜厚の場合の伝導度はX2に比例)するので、例えばナノチューブが3の因子で長くなれば表面抵抗は9の因子で減少し、直流伝導度(σdc)は同様に9の因子で増加する。
以上の考察は一般的なパーコレーション理論に基づき成されたものであるから、カーボンナノチューブ以外の導電線材についても概ね適用できる。
非特許文献8において、およそ1μmの長さのカーボンナノチューブから形成されたネットワークが報告されている。直流伝導度は2000(S/cm)しかなく、多くの応用では許容できない。特許文献3には、少なくとも5μmのナノチューブで、少なくとも3000(S/cm)の直流伝導度が記載されている。
また、従来考慮されることが少なかった電極の特性として、電極の表面粗さが極めて少なく平滑な表面を有することが要求される。これらは特にカーボンナノチューブや金属ナノワイヤーなどの導電性線材を用いた電極では、光電素子に応用する上で潜在的な大きな課題である。
特許第3665969号明細書 特許第3903159号明細書 米国特許出願公開第2007/0153353号明細書 国際公開第2007/022226号パンフレット R.Paetzold,et.al.,Applied Physics Letters誌82巻,2003,p.3342 K.Fehse,et.al.,Advanced Material誌19巻,2007,p.441 S.Iijima,Nature誌354巻,1991,p.51 Z.Wu,et al.,Science誌305巻,2004,p.1273 B.B.Parekh,et al.,Applied Physics Letters誌90巻,2007,p.121913 D.Zhang,et.al.,NanoLetters誌6巻,2006,p.1880 L.Hu,et.al.,Nanoletters誌4巻,2004,p.2513 C.Lu,et.al.,Nano Letters誌4巻,2004,p.623 光電素子用の透明電極に要求される特性をまとめて列挙すると、高い光透過性と高い電気伝導度の両立はもとより、フレキシブル性などの機械的特性、化学的安定性、長期間安定性、低コスト・高スループットな製造方法への適応性、異なる基板材料への適応性、更に表面形状の均一性、伝導度の面内分布の均一性が求められている。
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、光透過性、電気伝導度、機械的特性などの性能において優れた電極、透明導電膜、及びそれらの製造方法を提供すことである。
すなわち、電極、特に透明導電膜において、高い光透過性と高い電気伝導度の両立、およびフレキシブル性などの機械的特性、化学的安定性、長期間安定性、低コスト・高スループットな製造方法への適応性、異なる基板材料への適応性、更に表面形状の均一性を満たす電極及び透明導電膜を提供すことである。また、前記の各種性能を満たす電極および透明導電膜の製造方法を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.線径が0.1〜200nmである導電線材のネットワーク構造を有する電極であって、前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜100倍であることを特徴とする電極。
2.前記1に記載の電極であって、前記線径が0.5〜50nmであり、かつ前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜10倍であることを特徴とする電極。
3.前記1または2に記載の電極であって、前記導電線材の面密度が1〜1000本/μm2であり、かつ前記導電線材の結合箇所の数が1〜1000個/μm2であることを特徴とする電極。
4.前記1〜3いずれか一項に記載の電極であって、前記導電線材が金属ナノワイヤーを含有していることを特徴とする電極。
5.前記1〜3いずれか一項に記載の電極であって、前記導電線材がカーボンナノチューブを含有していることを特徴とする電極。
6.透明基板上に前記1〜5いずれか一項に記載の電極を積層して形成されたことを特徴とする透明導電膜。
7.前記6に記載の透明導電膜であって、透明基板が透明高分子フィルムであることを特徴とする透明導電膜。
8.前記1〜5いずれか一項に記載の電極の製造方法であって、光照射工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
9.前記8に記載の電極の製造方法であって、前記光照射工程における光照射エネルギー密度が0.1〜100(mJ/cm2)であることを特徴とする電極の製造方法。
10.前記6または7に記載の透明導電膜の製造方法であって、下記の工程を経ることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
(1)導電線材分散液を透明基板上に塗布後、溶媒を除去し、導電線材のネットワーク構造を形成する工程
(2)前記導電線材のネットワーク構造に光照射する工程
本発明の上記手段により、光透過性、電気伝導度、機械的特性などの性能において優れた電極、透明導電膜、及びそれらの製造方法を提供すことができる。
すなわち、本発明の上記手段により、電極、特に透明導電膜において、高い光透過性と高い電気伝導度の両立、およびフレキシブル性などの機械的特性、化学的安定性、長期間安定性、低コスト・高スループットな製造方法への適応性、異なる基板材料への適応性、更に表面形状の均一性を満たすことができる。また、当該電極および透明導電膜の製造方法を提供することができる。
本発明の電極は、線径が0.1〜200nmである導電線材のネットワーク構造を有する電極であって、前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜100倍であることを特徴とする。この特徴は、請求項1〜10に係る発明に共通する技術的特徴である。
以下、本発明とその構成要素、および本発明を実施するための最良の形態・態様等について詳細な説明をする。
(電極)
本発明の電極は、線径が0.1〜200nmである導電線材のネットワーク構造を有する電極であって、前記導電線材結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜100倍であることを特徴とする。
なお、「導電線材の結合箇所」とは、異なる2本の導電線材が互いに交差する箇所であり、また、2本の導電線材が化学結合する箇所であり、少なくとも荷電キャリア(電子または正孔)が2本の導電線材間を越えて移動可能、つまり電気伝導が可能な箇所である。導電線材結合箇所以外では導電線材間の電気伝導はほとんど発生しない。
本発明の電極の好ましい態様としては、前記線径が0.5〜50nmであり、かつ前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜10倍である態様である。
また、前記導電線材の面密度が、1〜1000本/μm2であり、かつ前記導電線材の結合箇所の数が1〜1000個/μm2であることが好ましい。更に、前記導電線材が金属ナノワイヤーまたはカーボンナノチューブを含有していることが好ましい。
なお、本発明の電極の製造方法としては、後述するように、光照射工程を含む製造方法であって、当該光照射工程における光照射エネルギー密度が0.1〜100(mJ/cm2)である態様の製造方法であることが好ましい。
(導電線材)
本願において、「導電線材」とは、導電性を有し、かつ概ね1次元的な形状を有する材料であれば良い。概ね1次元的な形状は、直線状、任意の曲線形状などであり、またループした部分、枝分かれした部分などを含んでいても良い。導電線材の断面形状は、中空のチューブ状、ワイヤー状、これらの集合したファイバー状などである。
更に具体的な形状は以下のものが好ましい。線径は、透光性や光散乱性の観点から、可視光の波長の1/2以下である200nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。多くの導電線材で線径は小さければ小さいほど良いが、0.5nm以下の線径を得ることは困難であり、0.1nm以下の線径を得ることは著しく困難なため実用上好ましくない。
なお、本願において、「線径」とは、導電線材の長さ方向に対し垂直な断面をとり、断面積と同面積の円の直径(外径)として定義する。したがって、断面の形状は円、楕円、多角形、あるいはこれらの中間形状のどれであっても良い。線材の断面位置によって異なる形状や異なる断面積であっても良く、この場合は十分な数の断面の平均値として線径が定義される。断面がチューブ状で中空の場合には、最外縁が囲む部分の面積を用いる。断面がファイバー状の場合も同様に、束の最外縁が囲む部分の面積を用いる。
線材として利用可能な材料の具体例として、以下が挙げられる。
金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ(SWNT、MWNT等)、導電性高分子(PANi,PPy,PT,PEDOT:PSS等)
このほか、導電性を示し、かつ概ね一次元的な構造を形成できる物質であれば、どのようなものであっても本発明に適用できる。また、上記の導電線材を二種類、あるいはそれ以上組み合わせて用いても良い。上記の中でも金属ワイヤーとカーボンナノチューブは高い導電性、フレキシブル性、化学的安定性を併せて有しており好ましい。
また導電性高分子は導電線材に限らず、他の導電性線材の透明バインダ、透明平滑化材等としても用いることもできる。さらに導電性を示す材料のナノ粒子を混合して用いても良く、この場合に好ましい粒径の範囲は導電線材の線径と同程度で200nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。導電線材に対する他の導電材料の含有率は、質量比で導電線材以下であることが好ましい。
〈金属ナノワイヤーの製造〉
本願において、「金属ナノワイヤー」とは、線径が200nm以下、好ましくは50nm以下であるワイヤー状金属(繊維)であって、金属元素、合金、金属酸化物を含む金属化合物等を原料として形成されたものをいう。なお、ここで、「線径」は、前記の定義と同義である。
金属ナノワイヤーは、少なくとも銀、金、銅、ニッケル、アルミニウム、コバルトの何れかを含むことが好ましく、その他如何なる金属を含んでも良い。金属ナノワイヤーは公知の技術から製造できる。特にAgナノワイヤーは、エチレングリコールやポリビニルピロリドンなどのポリオール中で、硝酸銀などの銀塩を還元する液相法により合成できる。
形状の揃ったAgナノワイヤーを大量に合成する方法は、例えばXia.Y,et.al.,Chem.Mater.誌14巻,2002,p.4736−4745や、Xia.Y,et.al.,Nanoletters誌3巻,2003,p.955−960に記載されている。
好ましい実施形態の一つは、DNAなどの生物学的物質上に種物質層を最初に核生成し、その後種物質層上に金属前駆体を設置し、金属に変換する方法である。例えば、核生成を引き起こす物質や、金属前駆体溶液からの金属ナノワイヤーの成長を引き起こす物質に基づいて、種物質が選択できる。より詳細には、パラジウムを含む種物質層は銅や金の成長に利用できる。別の例では、銅を生成するためには、種物質としてパラジウムのほかにパラジウム含有分子、金、金含有分子が利用できる。他の種物質の例として、ニッケル、銅、Co、Pt、Ru、銀、Co合金およびニッケル合金が挙げられる。更にDNAなどのアニオン性生物学的物質を鋳型として、金属イオンを配列させ、還元剤により金属を析出させ金属ナノワイヤーを形成する方法も利用できる。また、鋳型としてポリスチレンスルホン酸などの一般のポリカルボン酸を用いることもできる。ナノワイヤー成長に使える金属は、銅、金、銀、ニッケル、パラジウム、Co、Pt、Ru、W、Cr、Mo、Ag、CoPtなどのCo合金、Ni合金、FePtなどのFe合金、酸化チタン、酸化コバルト、酸化銅、酸化ハフニウム、ZnO、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、ITO、酸化ニッケル、酸化錫、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウムなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
金属ナノワイヤーの線径が大きくなると、光吸収は大きくなるが抵抗は低下する。結晶粒界と表面散乱による電気抵抗の影響は、線径10nm以下では劇的に減少する。全体として電気抵抗は10nmから100nmまでは線径が大きくなるのにつれて減少する。
本発明に係る金属ナノワイヤーは、上記の方法以外に、例えば、N.R.Jana,L.Gearheart and C.J.Murphyによる方法(Chm.Commun.,2001,p617−p618)や、C.Ducamp−Sanguesa,R.Herrera−Urbina, and M.Figlarz等の方法(J.Solid State Chem.,100.1992,p272〜p280)、及び特開2002−266007号、特開2004−269987号、特開2005−335054号、特開2007−239055号公報等に開示されている方法によって製造することもできる。なお、金属ナノワイヤーの製造はこれらの方法に限らない。
〈カーボンナノチューブの製造〉
「カーボンナノチューブ(Carbon nanotube、略称「CNT」)」とは、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になった物質をいう。単層のものをシングルウォールナノチューブ(SWNT)、複層のものをマルチウォールナノチューブ(MWNT)という。特に二層のものはダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれる〔例えば、R.サイトウ(Saito),G.ドレッセルハウス(Dresselhaus),M.S.ドレッセルハウス(Dresselhaus)著、「カーボンナノチューブの物理的性質」(Physical Properties of Carbon Nanotubes),インペリアル・カレッジ・プレス(Imperial College Press),英国、ロンドン,1998 を参照〕。
好ましい実施形態の一つにおいて、本発明に係るカーボンナノチューブは、直線および湾曲多層ナノチューブ(MWNT)、直線および湾曲二層ナノチューブ(DWNT)、および直線および湾曲単層ナノチューブ(SWNT)、ならびにこれらのカーボンナノチューブ形態の種々の組成物、ならびに、米国特許第6,333,016号明細書および国際公開第01/92381号パンフレットに記載されるようなカーボンナノチューブ製造中に含まれる一般的な副産物を含む。
好ましい実施形態の一つでは、カーボンナノチューブは単層炭素系SWNT含有材料を含む。SWNTは、炭素ターゲットのレーザーアブレーション、炭化水素の分解、2つのグラファイト電極間でのアークの発生などの多数の方法によって生成可能である。
例えば米国特許第5,424,054号明細書には、炭素蒸気をコバルト触媒と接触させることによる単層カーボンナノチューブの生成方法が記載されている。炭素蒸気は、非晶質炭素、グラファイト、活性炭、脱色炭、またはそれらの混合物であってよい固体炭素の電気アーク加熱によって発生する。
炭素の別の加熱方法としては、例えば、レーザー加熱、電子ビーム加熱、および高周波誘導加熱が挙げられる。
Chem.Phys.Lett.243:1−12(1995)には、高温レーザーでグラファイト棒と遷移金属を同時に気化させることによる単層カーボンナノチューブの生成方法が記載されている。
Science,273:483−487(1996)には、少量の遷移金属を含有するグラファイト棒を約1200℃のオーブン中レーザーで気化することによる単層カーボンナノチューブの生成方法が記載されている。単層ナノチューブは、70%を超える収率で生成すると報告されている。
さらに生産性の高い製造法として、高圧で一酸化炭素を加熱して単層カーボンナノチューブを得る、いわゆるHiPCo法が知られている(例えば、M.J.Bronikowski,et.al.,Jounal of Vacuum Science and Technology A誌19巻,2001,p.1800 を参照)。
《精製》
従来知られている製造法により得られるカーボンナノチューブ、特に単層カーボンナノチューブは、上述のように多くの不純物を含んでいるため、これら不純物を除去し所望の性能を得るために精製を行なうことが好ましい。精製法としては、高温下で硝酸などの強酸により長時間処理を行う方法、大気中で単色光の連続照射により精製を行なう方法などが知られている。
強酸法では、1〜10Mの硝酸、硫酸、塩酸などが好ましく、処理温度は室温から150℃、処理時間は30分〜50時間が好ましい。
(導電線材ネットワークの形成)
本発明では様々な方法により製造された導電線材を用いて導電線材ネットワーク構造を作製できる。
なお本願において、「導電線材ネットワーク構造」とは、複数の導電線材が二次元的若しくは三次元的に重なりあって、導電線材間の接点を介して電気伝導を可能とする構造物を意味する。
本発明では、導電線材ネットワーク構造の形成過程の途中、あるいは導電線材ネットワーク構造を形成した後に、物理的なエネルギーを導電線材あるいは導電線材ネットワーク構造に付与し、前記導電線材間の接点の結合を物理的に強化することが必要である。この物理的エネルギー付与工程を経ることによって、導電線材間接点の接触抵抗が改良できる。
以下において、まず導電線材ネットワーク形成工程について述べるが、具体的な導電線材ネットワークの製造方法としては、CVD、エアロゾルデポジション、プラズマ溶射などの乾式法、湿式法としては溶液からのドロップキャスティング、スプレー塗布、スピンコート、LB法、ディップキャスティング、印刷法、真空ろ過法、真空ろ過からの転写法などが挙げられる。
湿式法の中でも特に真空ろ過法は、導電線材ネットワーク単体の電極を製造可能な方法であり、ネットワーク電極単体を形成する場合には有利である。他の製造法はネットワークを形成するための基板が必要であり、本発明では、特に可視光領域で透明な基板上に導電線材ネットワーク電極を積層して形成した膜を透明導電膜と称する。
なお、本願において、真空ろ過法で製造した単独の導電線材ネットワークは、転写法と組み合わせることにより基板との積層化が可能であり、透明導電膜としても使用できる。
<真空ろ過法による導電線材ネットワーク電極形成>
本発明では、前記工程で調製した導電線材分散液を用いて、次のような方法により導電線材ネットワーク電極を形成することができる。
多孔質アルミナろ過膜に、導電線材分散液を滴下し、ただちに(数秒以内に)真空ろ過を実施する。溶媒がポアから滴下し、導電線材は、ろ過膜の表面に保持される。導電線材分散液の希釈による濃度調節により、ネットワークの密度(単位面積あたりの導電線材数)は精密に制御できる。この方法は、迅速に真空ろ過を行なうことにより導電線材の再凝集を妨げ、光学的に均一な膜を作ることができる。また、導電線材単独のネットワーク電極が得られる。ただしこの状態のネットワーク電極では、導電線材間の結合はvan der waals力を主とした極めて弱いものしかないために、実用上利用可能な膜強度は得られない。
<転写(スタンプ)法による透明導電膜の製造>
真空ろ過法によって作製した導電線材ネットワーク電極は、ろ過膜によって制限されるので、透明導電膜として応用する場合には平坦な基板に転写することが好ましい。
転写法(以下、スタンプ法と記す場合もある。)は、様々な基板上に均質な導電線材ネットワーク電極を、高導電性を維持したまま大面積で制御して転写成膜できる方法として好ましい。スタンプ法では、真空ろ過法で作製した導電線材ネットワーク電極を、一旦スタンプ基材に転写した後、所望の基板材料に再度転写する。所望の基板上に転写した導電線材ネットワーク電極は、十分な電極膜強度を得るために、基板に圧力や熱で陥入させたり、バインダ樹脂を添加しても良い。
本発明において透明導電膜に必要な透明度は、波長400〜800nmの可視光領域の全てにおいて80%以上であり、好ましくは90%以上である。理想的には透明度の上限は100%であるが、この値の実現が困難なことは言うまでもない。
なお、本願において、「透明度」とは、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率をいう。
本発明における全ての湿式法では、導電線材を何らかの溶媒に分散・可溶化した導電線材分散液をあらかじめ作製する。
導電線材として金属ナノワイヤーを用いる場合には、好ましい金属ナノワイヤーの製造方法が液相で行なわれるために、ネットワーク形成用分散液として調製することは容易である。
導電線材としてカーボンナノチューブを用いる場合は、好ましいカーボンナノチューブ製造方法の多くは気相中で行なわれるため、カーボンナノチューブの分散・可溶化が必要である。
本発明の実施形態の一つとして、以下に例示する分散液の調製方法が使用できる。
これらの方法は好ましい分散液調製方法の一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
<カーボンナノチューブの分散液調製方法:1>
精製したカーボンナノチューブを有機溶媒に添加し、少なくとも10分以上超音波分散する。この工程により原料であるカーボンナノチューブの束状構造がほぐれて、分散液が製造できる。
好ましいナノチューブの添加量は、0.01〜1.0mg/lである。1.0mg/l以上の添加量では十分な分散ができず、0.01mg/l以下の添加量は不必要な量の有機溶媒を使用するため好ましくない。
好ましい有機溶媒はクロロホルムまたはジクロロメタンである。超音波分散時間は、束状構造をほぐすため、及び生産性等の観点から、10分以上60分以内が好ましく、更に好ましくは20から40分である。
<カーボンナノチューブの分散液調製方法:2>
多糖類の水溶液にカーボンナノチューブを加えて、8から24時間の超音波分散を行ない、10から60分間の遠心分離で上澄みを取り出すことにより、良く分散されたカーボンナノチューブ分散液を得ることができる。この調製方法では、長時間の超音波分散が必要であるが、水分散液として得られるため環境適性やコストの面では好ましい。多糖類としては水溶性キシラン、Xantan gum、Fucoidan、CMC、Poly Gal、Arabic gumなどが好ましく利用できる。特に好ましい多糖類は水溶性キシランである。多糖類の濃度は0.1〜10mg/lが好ましく、カーボンナノチューブの添加量は多糖類に対して質量比で2〜8倍が好ましく、特に好ましい質量比は4倍である。
分散剤として、ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Doecyl Sulfate:SDS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの活性剤を溶解した活性剤水溶液に、カーボンナノチューブを加えて8から24時間の超音波分散を行ない、10から60分間の遠心分離で上澄みを取り出すことにより、良く分散されたカーボンナノチューブ分散液を得ることができる。この調製方法も、長時間の超音波分散が必要であるが、水分散液として得られるため環境適性やコストの面で好ましい。また、この方法で調製したカーボンナノチューブ分散液から真空ろ過法によりカーボンナノチューブ・ネットワーク電極を作製する場合、真空ろ過による成膜後に、純水による洗浄を十分繰り返せば、ほぼ全ての活性剤を電極から除去できる。この調製方法における好ましい活性剤の濃度はナノチューブの濃度によって調整され、例えば0.2mg/lのNTに対して0.01から5mg/lのSDS添加量が好ましい。
<金属ナノワイヤーの分散液調製方法>
「金属ナノワイヤーの製造」の項に記載された金属ナノワイヤーを分散液の原料として用いることができる。好ましい金属ナノワイヤーは、Agナノワイヤー、Ag合金ナノワイヤーである。分散液中の金属ナノワイヤー量は、0.01〜5.0%質量/体積の範囲が好ましい。溶媒には水、水溶性溶媒を用いることができる。カーボンナノチューブの場合と同様に、活性剤、少量のバインダ樹脂を用いることもできる。
上記調製方法により得られた分散液は、単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。また各種添加剤や溶媒も、それぞれの方法で組み合わせて用いることもできる。さらに導電線材分散液には、溶媒として水、アルコール、アセトン、エーテルのいずれか、または二種類以上を加えても良い。
またポリマー材料をさらに加えても良い。ポリマー材料は、広範囲の天然または合成のポリマー樹脂から選択することができる。個別のポリマーは、所望の用途における強度、構造、および設計の必要性に応じて選択することができる。好ましい実施形態では、ポリマー材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性ポリマー、エラストマー、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む。別の好ましい実施形態では、ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、セルロース、ゼラチン、キチン、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチド、およびそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む。別の好ましい実施形態では、ポリマー材料は、セラミック複合ポリマー、ホスフィンオキシド、およびカルコゲニドからなる群より選択される材料を含む。
真空ろ過法でネットワークを形成する場合には、ネットワーク形成後に残留して何らかの機能を発揮する添加剤以外は、後で述べる洗浄工程で除去可能であることが好ましい。洗浄工程で微小量が残留したままであっても、ネットワーク電極の性能に影響を及ぼさない限りにおいては許容される。
(真空ろ過法による導電線材ネットワーク電極形成の例)
真空ろ過法の一例は以下のような工程により行なわれる。まず、導電線材として精製したカーボンナノチューブ(線径2nm、平均線長2μm)を0.2mg/lの濃度でクロロホルムに添加、30分間超音波分散し、ナノチューブ束を解し溶液化する。この溶液をポーラスアルミナろ過膜(ポア径20nm、膜厚60μm)に滴下し、直ちに(数秒以内に)真空ろ過する。溶媒が、ろ膜から滴下し、アルミナろ過膜上にカーボンナノチューブが保持され、カーボンナノチューブが相互に接続したネットワーク構造が形成される。ネットワークの密度(単位面積あたりのナノチューブ本数)は、滴下時のナノチューブ溶液を希釈することで制御できる(非特許文献7参照)。
《ネットワーク強化の方法》
本発明においては、導電線材ネットワーク構造を形成した後、または導電線材ネットワーク構造の形成中に、物理的なエネルギーを導電線材あるいは導電線材ネットワーク構造に付与し、前記導電線材間接点の結合を物理的に強化することが必要である。この物理的エネルギーの付与工程を経ることによって導電線材間接点の電気的な接触抵抗が改良できる。物理的なエネルギーの付与は、局所的に短時間で実施することが好ましい。
物理的エネルギーの照射方法としては、局所的に短時間で導電線材ネットワークに適用できる物理的なエネルギーの照射手段であればいかなるものも利用できる。照射面積は10-1〜108μm2が好ましく、照射時間は前記単位照射面積に対し10-15〜102sが好ましい。局所的に短時間にエネルギーを投射することで、ネットワーク接点にエネルギーが集中し、選択的に結合が強化される。具体的なエネルギー照射方法としては、光、可視光領域以外の電磁波、超音波、電子線、高エネルギー放射線などが挙げられ、特に好ましい方法はレーザー照射である。
導電線材ネットワークにレーザーを照射する場合、レーザーの波長は1μm〜200nmの範囲であればよく、半導体、Nd:YAG、CO2、Arイオン、エキシマーレーザー等が好ましく利用できる。更に450から800nmの紫外域を除いた可視領域を用いれば、導電線材への光吸収が選択的に起こるので効率よくネットワーク接点の強化ができる。
好ましいエネルギー密度は、本発明の目的効果の観点から、0.1〜100(mJ/cm2)である。
レーザー照射は連続光を用いる時には、前記照射面積、照射時間とエネルギー密度の範囲となるように、走査光学系などの手段を用いて照射することが好ましい。パルス発振の場合も同様に照射条件を設定することが好ましい。
レーザー照射条件を比較的弱いエネルギー密度に設定して、ネットワーク電極の同一箇所に繰り返しレーザー照射を行なっても良い。この場合には好ましいエネルギー密度の範囲は繰り返し照射の周期に依存し、直前の照射の影響が次の照射まで残留する程度によって積分エネルギー密度が0.1から100(mJ/cm2)を超える値になっても良い。
また、照射光は直線偏光で照射しても良く、繰り返し照射時に毎回直線偏光面を回転させれば、一本毎の導電線材を更に選択的に照射できる。
フェムト秒、ピコ秒などの超短パルスレーザーを用いても良い。例えばApplied Physic Letters誌,81巻,p.1137に記載されている方法のように、超短パルス二光波同時照射の干渉効果により、ネットワーク電極上にミクロな回折格子パターンを形成するようにレーザー照射し、面内で均一な空間周期を持ったエネルギー密度分布を形成しても良い。
照射時の雰囲気は、空気中常圧、真空、不活性雰囲気などが利用できる。生産性やコストの観点からは空気中常圧が好ましい。真空中では低分子量不純物成分のアブレーションによる除去が期待できる。光照射時の化学的な安定性が懸念される導電線材を用いる場合などには不活性雰囲気が好ましい。
以上、レーザー照射について本発明の構成を記載したが、フェムト秒パルスなどのレーザーに限定する構成を除けば一般の光源を用いても達成できる。一般の光源の例としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオードなどの工業的に利用可能な全ての光源が挙げられる。
別の物理的エネルギー照射方法として、マイクロ波を照射する方法も利用できる。マイクロ波は周波数300MHz〜30GHzの電磁波であるが、利用可能な周波数は限定され、0.93392,2.45,5.8,13.56(GHz)などに限られる。特に2.45(GHz)は産業上広く利用されている周波数である。マイクロ波は、照射される線材物質の損失係数(=誘電率ε×誘電損tanδ)が大きい場合には良く吸収されるので適している。照射される線材が金属の場合にはほとんど反射されてしまうが、局所的に線材以外の不純物等で強く吸収され分解・精製が進む場合はありうる。マイクロ波照射の特徴は、光照射の特徴と類似しているが、物質の内部吸収による加熱であり高速な加熱および冷却が可能であること、温度制御が容易であること、均一に加熱できること、また非熱的な効果、例えばマイクロ波電界による化学反応速度の増加などの寄与によっても線材間の接続強化が期待できること、などが挙げられる。
マイクロ波源としては、マグネトロン、半導体マイクロ波源などがあり、マイクロ波導波管で構成されたマイクロ波回路と照射チャンバーからなるマイクロ波照射装置により、導電線材ネットワーク電極へのマイクロ波照射が可能である。具体的な実験室スケールでのマイクロ波照射装置として、IDX社製グリーンモチーフII、マイルストーン社製Start、CEM社製Discover、バイオタージュ社製Intiatorなどが利用できる。これらの装置により10□程度のサイズの導電線材ネットワーク電極試料に対し、最大100W程度の出力で、室温程度に温度制御された環境下でマイクロ波を照射できる。
また、電磁波以外のエネルギー照射方法として、超音波が利用できる。
超音波の照射方法としては、超音波融着装置のように、導電線材ネットワーク電極を有する基板に対して垂直方法に振動を付与する方法が好ましい。超音波源には圧電セラミクスや磁歪振動子などが利用できる。超音波によるネットワーク強化の機構としては、超音波振動による線材間の摩擦や、線材自体がうける圧縮の繰り返しにより接点近傍が発熱、超音波の衝撃力により接点近傍が軟化・溶融して融着することなどが考えられる。この時、超音波の伝達を補助するために、グリスなどを添加しても良い。グリスなどの添加剤は、超音波照射工程の後で可能な限り除去したほうが良い。別の超音波照射方法として、多量の液体媒質を介して超音波を伝達する方法も利用できる。このときには、液体媒質のキャビテーションによる発熱、振動加速度による力、直線流の寄与などが考えられる。ただし、多量の液体媒質を用いる場合には、一旦形成された導電線材ネットワーク電極構造の解離が生じてしまうことがありうる。
(電気抵抗測定)
導電線材として、ナノチューブ一本毎の伝導度を直接測定した結果は数多く報告されている。例えば、あらかじめ形成した金属電極ナノ構造間にナノチューブを成長させて作製した素子の特性を測定した結果などが知られている(例えば、M.S.Fuhler,et.al.,Science誌288巻,2000,p.494 を参照)。
これらの研究結果から、例えば単層カーボンナノチューブの一本毎の伝導率が極めて高いことや、単層カーボンナノチューブ間の接触抵抗が著しく高いことが明らかになってきた。しかし、本発明の効果を実際の導電線材ネットワークにおいて検証する手段としては適していない。
本発明では、好ましい伝導度評価法の一つとして、四探針STM(Scanning Tunneling Microscope:走査型トンネル顕微鏡)法による導電線材一本づつ、及び、導電線材の結合箇所の電気抵抗測定を例示する。
導電線材一本の四探針STM法による電気抵抗測定結果について報告されている。例えば、カーボンナノチューブにPtIr合金を被覆したチップを4本用いた独立探針STMを用いて、CoSi2ナノワイヤーの抵抗を数(Ω/μm)の精度で測定した結果がある。ここでプローブ間隔(図1におけるチップ2〔Tip2〕とチップ3〔Tip3〕の距離)は30±20nm、チップ先端とナノワイヤーの距離は10nmである(例えば、S.Yamamoto,et.al.,Nanoletters誌7巻,2007,p.956−959 を参照)。
このように四探針STM法は、本発明の導電線材一本毎の電気抵抗測定にも十分な精度を持っている。本発明の実施形態の一例として、導電線材ネットワークの構成要素としての単層カーボンナノチューブは、一本毎の電気抵抗と結合箇所の抵抗が4桁以上も異なるため、本発明の効果を実際に検証するためには、悪くても絶対値でkΩオーダーの測定値が得られれば十分であり、一本毎と結合箇所の相対値が1桁の精度で評価できれば十分である。
導電線材の結合箇所の電気抵抗測定は次の手順で行なうことができる(図1参照)。
i)高分解能SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)により、二本の導電線材が交差する部分を検出する。
ii)SEMにより位置をモニターしながらチップ1とチップ2を導電線材1に対して接近させ、チップ3とチップ4を導電線材2に対して接近させる。
iii)導電線材一本の場合と同様に、チップ1とチップ4に一定電流を流しながらチップ2とチップ3のI−V特性を測定し、電気抵抗を得る。
ある一定の条件で製造された、導電性ネットワークの構成要素である導電線材一本毎の伝導度評価、および接点を含む導電線材間の伝導度評価を、高頻度で比較的簡便に行なうためには、二端針STM法を用いても良い(例えば、O.Kubo,et.al.,Applied Physics Letters誌88巻,2006,p.254101 を参照)。
四探針、二探針STM法のいずれの場合も、好ましい測定条件は以下の通りである。真空度10-5Pa以下更に好ましくは10-8Pa以下、測定温度は室温で良く、探針間距離は導電線材の伝導度によって異なるが30nmから10μm、探針先端と導電線材の距離は100nm以下で、測定に支障が無ければ探針先端と導電線材は接触しても良い。
また、これらのほかにも近接場光を利用した測定法などが微細な導電線材ネットワークの伝導度評価法として好ましく利用できる。近接場光は大気中で用いることができる点が好ましい。ただし導電線材の光学特性と電気特性を解析するのが煩雑である。
一本毎が単独で存在する導電線材試料は、導電線材ネットワークの製造と同じ方法を用いることが両者を相対的に比較するために好ましい。一本毎が単独で存在する導電線材試料は、先に述べた導電線材分散液を極めて薄く希釈した後に、導電線材ネットワークの製造と同様にして得ることができる。STMの測定を行なう場合には、先に述べた真空ろ過法により作製した導電線材ネットワークを測定試料に用いることが好ましい。ろ過フィルターをそのまま基板として用い、フィルター下から調節した差圧を付与することで、導電線材を単独で保持させることが容易になる。
(透明導電膜の製造)
本発明に係る透明導電膜は、透明基板上に本発明の電極を積層して形成されたことを特徴とする。すなわち、本願においては、可視光領域で透明な基板上に導電線材ネットワーク電極を積層した膜を「透明導電膜」と称する。
当該透明導電膜の製造方法としては、下記の工程を経ることを特徴とする透明導電膜の製造方法が好ましい。
(1)導電線材分散液を透明基板上に塗布後、溶媒を除去し、導電線材のネットワーク構造を形成する工程、(2)前記導電線材のネットワーク構造に光照射する工程
なお、上記各工程の実施は、前述の方法に準拠して行う。
〈基板〉
透明な基板として利用可能なものは、可視光に対し透明な材料であり、具体的には、ガラス、石英ガラス、サファイア、透明高分子フィルムなどである。特に透明高分子フィルムはフレキシブルな基板として好ましい。
透明高分子フィルムとしては、ポリエステル(PET)、トリアセテート(TAC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ノルボルネン系樹脂、変性ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン共重合体(COC)、脂環式アクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン、非晶性フッ素樹脂、ポリメチルペンテン−1、非晶性コポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、塩化ビニル(PVC)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン(PE)などが例示できる。また、これらの透明高分子フィルムは、単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いることもできる。
透明高分子フィルムは目的に応じて、可塑剤、酸化防止剤などの安定剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料や顔料などの着色剤などの添加物を含んでいても良い。
更にこれらの透明高分子フィルムを構成する透明高分子材料は、導電線材ネットワークを保持する媒体として、導電線材ネットワーク内部に含まれても良い。透明高分子材料を添加する工程は、導電線材ネットワークの形成前、形成中、形成後のいずれであってもよい。
<真空ろ過−転写法による透明導電膜製造の例>
「真空ろ過法による導電線材ネットワーク電極形成の例」で記した例で作製された導電線材ネットワーク電極は、転写(スタンプ)法との組み合わせにより、透明導電膜として実用上の利用により適した形態に作製できる。
真空ろ過法によって作製した導電線材ネットワーク電極は、ろ過膜によって制限されるので、透明導電膜として応用する場合には平坦な基板に転写することが好ましい。
スタンプ法は、様々な基板上に均質な導電線材ネットワーク電極を、高導電性を維持したまま大面積で制御して転写成膜できる方法として好ましい。スタンプ法では、真空ろ過法で作製した導電線材ネットワーク電極を、一旦スタンプ基材に転写した後、所望の基板材料に再度転写する。スタンプ基材としては、光エッチングによる加工が可能で、表面エネルギーが30(mJ/m2)より低い樹脂が好ましい。特に表面エネルギーが19.8(mJ/m2)であるポリジメチルシロキサン(PDMS)が好ましい。平坦な基板として「基板」の項目に記載した各種基板で、スタンプ基材よりも表面エネルギーが大きいものが利用できる。例えば、ガラス、PET、PMMAなどは全て表面エネルギーが40(mJ/m2)であり、好ましく利用できる。
所望の基板上に転写した導電線材ネットワーク電極は、十分な電極膜強度を得るために、基板に圧力や熱で陥入させたり、バインダ樹脂を添加しても良い。導電線材ネットワーク電極の転写が満足に行なわれる限りにおいては、転写に先立って基板を熱したり、あらかじめバインダ樹脂を塗布しておいても良い。
<スピンコートによる透明導電膜製造の例>
スピンコート法は、導電線材分散液を基板上に塗布後、当該基板を回転させて導電線材分散液を基板上に薄く広げて、基盤上に導電線材ネットワーク電極を成膜し透明導電膜を得る方法である。この方法では、基板の回転によって生じる遠心力によって導電線材が基板と平行に配向しやすい特徴があり、分散液中の導電線材濃度と基板回転数の組み合わせにより所望の膜厚・導電線材密度の導電線材ネットワーク電極を形成できる。スピンコート用の導電線材分散液の例としては、「カーボンナノチューブ分散液の製造例」の各項目、「金属ナノワイヤーの製造例」などに示した分散液が利用できる。分散液は適当な濃度に希釈しても良い。好ましい基板回転数の例は100〜10000rpm、回転時間は10秒〜1時間であり、任意のステップで回転数と時間を組み合わせても良い。一般に、10秒以下100rpm以下の回転塗布はスピンコート装置の動作が安定しない。回転数が高いほうが薄膜が得られるが、分散液の収率は低下する。
スピンコート塗布後に、適当な雰囲気下で分散媒を加熱除去し、透明導電膜が得られる。乾燥雰囲気は、大気下、低真空、高真空、不活性雰囲気下などが利用できる。加熱方法としては、一般的な電気炉などによる乾燥や基板の加熱などが好ましい。
本発明に係る透明導電膜製造法はこれらに限定されるものではなく、基板上に導電線材ネットワーク電極を形成する方法としては、一般的な微粒子分散液の塗布方法が利用できる。塗布方法の例としては、スプレー塗布、LB法、ディップキャスティング、印刷法などである。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<製造例:導電線材分散液101>
クロロホルムに単層カーボンナノチューブ(HiPco法;Carbon Nanotechnologies Inc.,製、精製品)を0.2mg/l添加し、1時間超音波分散し、分散液101を得た。
<製造例:導電線材分散液102>
製造例1と同様に分散液101を作製した後に、NO2BF4を0.75g/l添加して撹拌し、分散液102を得た。
<製造例:導電線材分散液151>
Y.Sun,B.Gates,B.Mayers,Y.Xia,Nanoletters誌2巻,p.165などに記載されたポリオール法にもとづいて、PVP存在下のエチレングリコールに溶解した硝酸銀を還元し、Agナノワイヤー(線径35nm、長さ2μm)を作製した。エチレングリコールとPVPの添加により分散質濃度を調整し、Agナノワイヤーを0.2質量%、PVPを1質量%として、分散液151を得た。
<製造例:導電線材ネットワーク電極201>
分散液101を製造後、直ちに多孔質アルミナろ過膜(Whatman社製、ポア径20nm、膜厚60μm、直径47mm)に7ml滴下し、真空ろ過を行なった。1時間の吸引ろ過を行ない、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極201を得た。
<製造例:導電線材ネットワーク電極202>
分散液102を製造後、導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極202を得た。
<製造例:導電線材ネットワーク電極301(本発明)>
分散液101を製造後、導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極を得た。
その後、大気中において、Nd:YAGレーザーの第二高調波、波長532nm、パルス周期10Hzで、減光フィルターと光学系によりエネルギー密度を(0.2mJ/cm2)、半値幅により決まるビーム径を40mmφとして10秒間照射し、改良された導電線材ネットワーク電極301を得た。
<製造例:導電線材ネットワーク電極311(本発明)>
分散液101を製造後、導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極を得た。
導電線材ネットワーク電極を載せたままのアルミナろ過膜を、マイクロ波照射装置、IDX社製グリーンモチーフIIに設置した。マイクロ波出力100W、25℃の条件で、30分間マイクロ波照射を行ない、導電線材ネットワーク電極311を取り出した。
<製造例:導電線材ネットワーク電極321(本発明)>
分散液101を製造後、導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極を得た。
導電線材ネットワーク電極を載せたままのアルミナろ過膜を超音波溶接機に設置した。グリセリンペーストを介して超音波溶接機のホーン部(40φ)を導電線材ネットワークに接し、38kHz、50Wの超音波照射を1min行なった。その後、導電線材ネットワーク電極を載せたアルミナろ過膜を0.1%SDS水溶液で10分間真空ろ過・洗浄し、単層カーボンナノチューブ以外の分散媒および添加剤の大半を除去。導電線材ネットワーク電極321を得た。
なお、導電線材ネットワーク電極321に残留した単層カーボンナノチューブ以外の成分は、導電線材ネットワーク電極201との比較から1質量%以下と見積もった。
<製造例:導電線材ネットワーク電極251>
分散液151を製造後、導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に導電線材ネットワーク電極を形成した。更に純水と真空ろ過を行ない、導電線材ネットワーク電極からPVPを除去し、導電線材ネットワーク電極251を得た。
<製造例:導電線材ネットワーク電極351(本発明)>
分散液151を製造後、導電線材ネットワーク電極251の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極を得た。
大気中において、Nd:YAGレーザーの第二高調波、波長532nm、パルス周期10Hzで、減光フィルターと光学系によりエネルギー密度を(0.2mJ/cm2)、半値幅により決まるビーム径を40mmφとして10秒間照射し、改良された導電線材ネットワーク電極351を得た。
<製造例:比較用導電線材単独分散試料、111、112、161>
分散液101、102を、それぞれクロロホルムにて100倍に希釈し、各々の分散液7mlを直ちに多孔質アルミナろ過膜(Whatman社製、ポア径20nm、膜厚60μm、直径47mm)に滴下し、真空ろ過を行なった。各々、ネットワーク電極との比較用導電線材単独分散試料111、112を得た。
分散液151を水で100倍に希釈し、分散液7mlを直ちに多孔質アルミナろ過膜に滴下し、真空ろ過を行なった。更に0.1%SDS水溶液を用いて2時間洗浄を行ない、Agナノワイヤー以外の分散媒および添加剤を除去した。さらに乾燥を行ない、ネットワーク電極との比較用導電線材単独分散試料161を得た。
<導電線材接合箇所抵抗の評価:電極201、202、251、301、311、321、351>
四端針STM法を用いて、比較用導電線材単独分散試料111、112、161において、導電線材の電気抵抗を測定した。図1上のように、導電線材に対しチップ1、2とチップ3、4を配置した。4本のチップ間の間隔は100nmとした。各チップ先端と導電線材との距離は、20nmとした。各々の比較用導電線材単独分散試料について、異なる5本の導電線の抵抗を測定し平均化した。
さらに、比較例の導電線材ネットワーク電極201、202、251および、本発明の導電線材ネットワーク電極301、311、321、351において、導電線材接合箇所の抵抗を測定した。図1下のように、導電線材結合箇所をまたぐように、かつ、チップ1、2とチップ3、4が互いに異なる導電線に位置するように4本のチップを配置した。4本のチップ間の間隔は100nmとした。各チップ先端と導電線材との距離は、20nmとした。異なる10個の導電線材結合箇所で抵抗を測定し平均化した。
各々の導電線材単独の抵抗値と、各導電線材ネットワークの接合箇所抵抗値の比を計算した(表1及び2参照)。
<導電線材密度と接点数密度の評価:電極201、202、251、301、311、321、351>
各電極について、SEMによる複数視野の観察結果から、導電線材密度と接点数密度を見積もった(表1及び2参照)。
<表面抵抗:電極201、202、251、301、311、321、351>
三菱化学製の抵抗率計ロレスタGPを用いて、導電線材ネットワーク電極201、202、251、本発明の導電線材ネットワーク電極301、311、321、351の表面抵抗を測定した(表1及び2参照)。
以上、導電線材ネットワーク電極201、202、本発明の導電線材ネットワーク電極301、311、321、351の製造例および、表1及び2に記した導電線材と結合箇所の抵抗比、導電線材密度、結合箇所密度、導電線材ネットワークの表面抵抗の測定結果から、本発明(電極301、311、321、351)の効果を確認した。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜401の製造>
導電線材ネットワーク電極201を作製した後、以下に詳細を記すスタンプ法によりPETフィルム上に転写し、透明導電膜401を作製した。
転写用のPDMSスタンプには、ダウコーニング社製のSYLGARD184シリコーンエラストマー・キットを用いた。シリコンウェファをマスター型として、MicroChem社製のSU−8−25レジストにより、標準的な光リソグラフィー法で30mmφのスタンプパターンを形成した。真空ろ過法で、ろ膜上に導電線材ネットワーク電極を形成した後に、スタンプを密着させた。直ちにスタンプを持ち上げると、導電線材ネットワーク電極がスタンプ上に転写された。
受け取り基板としてPETフィルム(膜厚150μm)を用意し、導電線材ネットワーク電極を保持したスタンプを圧着させ、80℃で10分間加熱すると、全ての導電線材ネットワークはPETフィルム上に転写され、透明導電膜401が作製できた。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜402の製造>
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極202を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜402を作製した。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜501(本発明)の製造>
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極301を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜501を作製した。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜511(本発明)の製造>
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極311を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜511を作製した。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜521(本発明)の製造>
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極321を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜521を作製した。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜451の製造>
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極251を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜451を作製した。
<製造例:スタンプ法による透明導電膜551(本発明)の製造>
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極351を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜551を作製した。
<製造例:導電線材分散液103、導電線材ネットワーク303(本発明)、透明導電膜503(本発明)の製造>
水溶性キシラン1mg/lの水溶液に、単層カーボンナノチューブ(HiPco法;Carbon Nanotechnologies Inc.,製、精製品)を4mg/l添加し、1時間超音波分散した後、遠心分離を行ない、上澄みから分散液103を得た。
分散液103を製造後、導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極303を得た。
導電線材ネットワーク電極301に変えて、導電線材ネットワーク電極303を用いたほかは、透明導電膜501の製造例と同様にして、透明導電膜503を作製した。
<製造例:導電線材分散液104、導電線材ネットワーク304(本発明)、透明導電膜504(本発明)の製造>
クロロホルムに単層カーボンナノチューブ(レーザーアブレーション法;Carbon Nanotechnologies Inc.,製、精製品)を0.2mg/l添加し、1時間超音波分散し、分散液104を得た。
分散液104を製造後、導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極304を得た。
導電線材ネットワーク電極301に変えて、導電線材ネットワーク電極304を用いたほかは、透明導電膜501の製造例と同様にして、透明導電膜504を作製した。
<製造例:導電線材分散液105、導電線材ネットワーク305(本発明)、透明導電膜505(本発明)の製造>
クロロホルムに多層カーボンナノチューブを0.2mg/l添加し、1時間超音波分散し、分散液105を得た。
分散液105を製造後、導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極305を得た。
導電線材ネットワーク電極301に変えて、導電線材ネットワーク電極305を用いたほかは、透明導電膜501の製造例と同様にして、透明導電膜505を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク243、透明導電膜433の製造>
分散液101を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用いたほかは導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極243を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極243を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜433を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク234、透明導電膜434の製造>
分散液102を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用いたほかは導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極234を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極234を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜434を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク336(本発明)、透明導電膜536(本発明)の製造>
分散液101を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用いたほかは導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極316を得た。
導電線材ネットワーク電極301に変えて、導電線材ネットワーク電極316を用いたほかは、透明導電膜501の製造例と同様にして、透明導電膜536を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク337(本発明)、透明導電膜537(本発明)の製造>
分散液101を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用いたほかは、導電線材ネットワーク電極201の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極を得た。
Nd:YAGレーザーの第二高調波、波長532nm、パルス周期10Hzを光源とし、減光フィルターと高倍率対物レンズを用いた光学系によりエネルギー密度を(80mJ/cm2)、半値幅により決まるビーム径を2μmφに調節した。実効可動範囲20mm×20mmで制御可能なX−Yステージに対して、成形・調節したレーザーパルスが垂直に照射されるように光学系を組み上げた。
導電線材ネットワーク電極を載せたままのアルミナろ膜を、前記X−Yステージに設置し、導電線材ネットワーク電極に対し10μm/sの速度でX−Yステージの稼動範囲全てにビームスポットを移動させ、導電線材ネットワーク電極に光照射した。有効光照射量は、電極の全面で、8mJ/(パルス・cm2)×2パルス=16(mJ/cm2)程度と見積もった。
以上のようにして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極337を得た。
導電線材ネットワーク電極301に変えて、導電線材ネットワーク電極337を用いたほかは、透明導電膜501の製造例と同様にして、透明導電膜537を作製した。
<製造例:導電線材分散液106、導電線材ネットワーク338(本発明)、透明導電膜538(本発明)の製造>
クロロホルムに単層カーボンナノチューブ(レーザーアブレーション法、精製品、平均径3nm、平均長さ0.8μm)を0.2mg/l添加し、1時間超音波分散し、分散液106を得た。
分散液106を製造後、導電線材ネットワーク電極337の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極338を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極338を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜538を作製した。
<製造例:導電線材分散液107、導電線材ネットワーク339(本発明)、透明導電膜539(本発明)の製造>
クロロホルムに単層カーボンナノチューブ(レーザーアブレーション法、精製品、平均径3nm、平均長さ0.04μm)を0.2mg/l添加し、1時間超音波分散し、分散液107を得た。
分散液107を製造後、導電線材ネットワーク電極337の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極339を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極319を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜539を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク241、透明導電膜441の製造>
分散液101を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用い、されにレーザー光強度を0.05mJ/cm2に変えたほかは導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極241を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極241を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜441を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク342(本発明)、透明導電膜542(本発明)の製造>
分散液101を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用い、されにレーザー光強度を80mJ/cm2に変えたほかは導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極342を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極342を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜542を作製した。
<製造例:導電線材ネットワーク243、透明導電膜443の製造>
分散液101を製造後、クロロホルムで2倍に希釈した。この分散液を用い、されにレーザー光強度を200mJ/cm2に変えたほかは導電線材ネットワーク電極301の製造例と同様にして、アルミナろ過膜上に形成された導電線材ネットワーク電極243を得た。
導電線材ネットワーク電極201に変えて、導電線材ネットワーク電極243を用いたほかは、透明導電膜401の製造例と同様にして、透明導電膜443を作製した。
<スピンコートによる透明導電膜601の作製>
分散液101をPETフィルム上にスピンコートし、透明導電膜を作製した。
スピンコートの回転数は、分散液101の滴下後に、8000rpm、30秒とした。分散液101を塗布したPETフィルムを、オーブンにより大気中80℃で30分間乾燥し、更に120℃で2時間乾燥し、透明導電膜601を作製した。
<スピンコートによる透明導電膜702(本発明)の作製>
透明導電膜601の作製例と同様にして透明導電膜を作製した後に、大気中において、Nd:YAGレーザーの第二高調波、波長532nm、パルス周期10Hzで、減光フィルターと光学系によりエネルギー密度を(0.2mJ/cm2)、半値幅により決まるビーム径を40mmφとして10秒間照射し、改良された透明導電膜702を得た。
<スピンコートによる透明導電膜603の作製>
分散液101をPETフィルム上にスピンコートし、透明導電膜を作製した。
スピンコートの回転数は、分散液101の滴下後に、8000rpm、30秒とした。分散液101を塗布したPETフィルムを、オーブンにより大気中80℃で30分間乾燥した。更にスピンコート8000rpm、30秒で1%PVP水溶液を重ねて塗布した後に、120℃で2時間乾燥し、透明導電膜603を作製した。
<スピンコートによる透明導電膜704(本発明)の作製>
分散液101をPETフィルム上にスピンコートし、透明導電膜を作製した。
スピンコートの回転数は、分散液101の滴下後に、8000rpm、30秒とした。分散液101を塗布したPETフィルムを、オーブンにより大気中80℃で30分間乾燥した。
その後、大気中において、Nd:YAGレーザーの第二高調波、波長532nm、パルス周期10Hzで、減光フィルターと光学系によりエネルギー密度を(0.2mJ/cm2)、半値幅により決まるビーム径を40mmφとして10秒間照射した。
更にスピンコート8000rpm、30秒で1%PVP水溶液を塗布した後に、120℃で2時間乾燥し、透明導電膜704を作製した。
<スピンコートによる透明導電膜605の作製>
分散液151をPETフィルム上にスピンコートし、透明導電膜を作製した。
スピンコートの回転数は、分散液151の滴下後に、8000rpm、30秒とした。分散液151を塗布したPETフィルムを、オーブンにより大気中120℃で2時間乾燥し、透明導電膜605を作製した。
<スピンコートによる透明導電膜706(本発明)の作製>
分散液151をPETフィルム上にスピンコートし、透明導電膜を作製した。
スピンコートの回転数は、分散液151の滴下後に、8000rpm、30秒とした。分散液151を塗布したPETフィルムを、オーブンにより大気中120℃で2時間乾燥した。
その後、大気中において、Nd:YAGレーザーの第二高調波、波長532nm、パルス周期10Hzで、減光フィルターと光学系によりエネルギー密度を(0.2mJ/cm2)、半値幅により決まるビーム径を40mmφとして10秒間照射し、透明導電膜706を作製した。
(透明導電膜501〜706の評価)
透明導電膜の製造例において作製した透明導電膜を以下の方法により評価した。結果を表1及び2にまとめた。
<全光線透過率>
日本電色工業製濁度計NDH2000を用いて、透明導電膜の全光線透過率を測定した。
<平均表面粗さ>
原子間力顕微鏡により透明導電膜の平均表面粗さ、Raを測定した。
<フレキシブル試験>
各透明導電膜についてφ4mmのステンレス製バーを用いて、500回の90°折り曲げを行なった。三菱化学製抵抗計ロレスタGPの四探針ASPプローブを用いて、中央の2探針(5mm間隔)が折り曲げ部をまたがるようにして、折り曲げ後の表面抵抗を測定し、折り曲げ前の表面抵抗値からの増加率を見積もった。
<耐環境試験>
各透明導電膜について相対湿度80%、80℃の空気中で500時間の耐環境加速試験を行なった後に三菱化学製抵抗計ロレスタGPで表面抵抗を測定し、加速試験の表面抵抗値からの増加率を見積もった。
上記各種評価の結果をまとめて表1及び表2に示す。
Figure 2009129607
Figure 2009129607
表1及び表2に示した結果から明らかなように、本発明により、電極、特に透明導電膜において、高い光透過性と高い電気伝導度の両立、及びフレキシブル性などの機械的特性、化学的安定性、長期間安定性、低コスト・高スループットな製造方法への適応性、異なる基板材料への適応性、更に表面形状の均一性を満たすことができる。また、当該電極および透明導電膜の製造方法を提供することができる。
電気抵抗測定方法を示す概念図

Claims (10)

  1. 線径が0.1〜200nmである導電線材のネットワーク構造を有する電極であって、前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜100倍であることを特徴とする電極。
  2. 請求項1に記載の電極であって、前記線径が0.5〜50nmであり、かつ前記導電線材の結合箇所の電気抵抗が、前記導電線材の電気抵抗の1〜10倍であることを特徴とする電極。
  3. 請求項1または2に記載の電極であって、前記導電線材の面密度が1〜1000本/μm2であり、かつ前記導電線材の結合箇所の数が1〜1000個/μm2であることを特徴とする電極。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の電極であって、前記導電線材が金属ナノワイヤーを含有していることを特徴とする電極。
  5. 請求項1〜3いずれか一項に記載の電極であって、前記導電線材がカーボンナノチューブを含有していることを特徴とする電極。
  6. 透明基板上に請求項1〜5いずれか一項に記載の電極を積層して形成されたことを特徴とする透明導電膜。
  7. 請求項6に記載の透明導電膜であって、透明基板が透明高分子フィルムであることを特徴とする透明導電膜。
  8. 請求項1〜5いずれか一項に記載の電極の製造方法であって、光照射工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電極の製造方法であって、前記光照射工程における光照射エネルギー密度が0.1〜100(mJ/cm2)であることを特徴とする電極の製造方法。
  10. 請求項6または7に記載の透明導電膜の製造方法であって、下記の工程を経ることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
    (1)導電線材分散液を透明基板上に塗布後、溶媒を除去し、導電線材のネットワーク構造を形成する工程
    (2)前記導電線材のネットワーク構造に光照射する工程
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