JP2009127664A - アキュムレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】外ガスタイプのアキュムレータにおいて、ゼロダウン時に液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張したときに発生する圧力差を低減させる機構を備え、もってベローズ内外の圧力差を低減させて、ベローズが異常変形するのを抑制する。
【解決手段】ゼロダウン時に液室11に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張したときに発生する圧力差を低減させる圧力差調整機構21を有する。調整機構21は、ベローズ遊動端7bの内周側にシール板22を配置し、シール板22に弾性変形可能な薄板23を接合し、薄板23の外周部をベローズ遊動端7bに接合してなる。定常作動時、シール板22はシール13から離間しており、ゼロダウン時、シール板22はシール13に接触し、液体および封入ガスの熱膨張時には、シール板22はシール13に接触したままで薄板23が液体圧とガス圧が釣り合う状態まで弾性変形する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄圧装置または脈圧減衰装置等として用いられるアキュムレータに関するものである。本発明のアキュムレータは例えば、自動車等車両における油圧配管等に用いられる。
従来から、圧力配管に接続されるオイルポートを備えたアキュムレータハウジングの内部にベローズを配置して前記ハウジングの内部空間を高圧ガスを封入するガス室とポート穴に連通する液室とに仕切るようにしたアキュムレータが知られており、このアキュムレータにはそのタイプとして、図8に示すように一端(遊動端)51aにベローズキャップ52を取り付けたベローズ51の他端(固定端)51bをハウジング53上部のエンドカバー54に固定することによりベローズ51の内周側をガス室55、外周側を液室56とするタイプ(ベローズ51の内周側にガス室55が設定されるので「内ガスタイプ」と称される、特許文献1参照)と、図9に示すように一端(遊動端)51aにベローズキャップ52を取り付けたベローズ51の他端(固定端)51bをハウジング53下部のオイルポート57に固定することによりベローズ51の外周側をガス室55、内周側を液室56とするタイプ(ベローズ51の外周側にガス室55が設定されるので「外ガスタイプ」と称される、特許文献2または3参照)とがある。
ここで、機器の圧力配管に接続されたアキュムレータでは、機器の運転が停止すると液体(油)がポート穴58から徐々に排出され、上記図9の外ガスタイプのアキュムレータでは、これに伴って封入ガス圧によりベローズ51が徐々に収縮し、ベローズキャップ52下面に設けたシール59が相手材60に接触して所謂ゼロダウン状態となる。そしてこのゼロダウン状態では、シール59により液室56(ベローズ51およびシール59間の空間)内に一部の液体が閉じ込められ、この閉じ込められた液体の圧力とガス室55のガス圧力とがバランスするので、ベローズ51に過大な応力が作用して異常変形が発生するのが抑制される構成とされている。
しかしながら、このような運転停止によるゼロダウンが低温で行なわれ、その状態で温度が上昇した場合、液室56に閉じ込められた液体および封入ガスはそれぞれ熱膨張し、それぞれ圧力が上昇する。この場合、液体は、封入ガスに比べて圧力の上昇度合いが大きいが、ベローズキャップ52における受圧面積が封入ガスに比べて小さく設定されているので、液体圧がガス圧よりもかなり大きくならないとベローズキャップ52は移動しない。したがってベローズ51内外の液体圧とガス圧とに数MPa程度にも及ぶ大きな圧力差が発生することがあり、このように大きな圧力差が発生するとベローズ51が異常変形したり、シール59が損傷したりする虞がある。
特開2005−315429号公報 特開2001−336502号公報 特開2007−187229号公報
また、図10に示すアキュムレータは、上記図9のアキュムレータと同様に外ガスタイプのアキュムレータであるとともに、ベローズ51の内周側に補助液体室71を設け、この補助液体室71にピストンシール73付きのピストン72をストローク可能に内挿すると云う特異な構成を有しているために、以下の不都合が指摘される(特許文献4参照)。
(イ)補助液体室71の容積分しかベローズ51の伸長を行なうことができない(補助液体室71の容積を増やすとベローズ51の収縮が制限され、同室71を小さくするとベローズ51を伸長させるための液量が少なくなり、伸長量を増やすことができない)。
(ロ)ピストンシール73でピストン72を密封した状態でストロークさせるので、シール面圧による滑り抵抗が大きく、その損失分だけベローズ51の動きが鈍化する(アキュムレータとしての機能が低下する)。
特開2003−278702号公報
更にまた、下記特許文献5に、ベローズキャップに二次ベローズを介して二次ピストンを連結した構造のアキュムレータが開示されているが、この従来技術には以下の不都合が指摘される。
(ハ)ゼロダウン時に二次ベローズが伸長した状態でベローズの収縮が生じ、二次ピストンが最下面に到達した段階でベローズの収縮が止まるので、十分なベローズの伸縮ストロークを確保することができない。
特表2005−500487号公報
本発明は以上の点に鑑みて、外ガスタイプのアキュムレータにおいて、ゼロダウン時に液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張したときに発生する圧力差を低減させる機構を備え、もってベローズ内外の圧力差を低減させて、ベローズが異常変形するのを抑制することができるアキュムレータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のアキュムレータは、圧力配管に接続されるオイルポートを備えたアキュムレータハウジングと、前記ハウジングの内部に配置されて前記ハウジングの内部空間を高圧ガスを封入するガス室およびポート穴に連通する液室に仕切るベローズとを有し、前記ベローズはその固定端を前記オイルポートに固定することにより前記ベローズの外周側をガス室、内周側を液室とし、更に前記オイルポートの内面にはゼロダウン時に液室を閉塞して前記液室に一部の液体を閉じ込めるシールが設けられているアキュムレータにおいて、ゼロダウン時に前記液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張したときに発生する圧力差を低減させる圧力差調整機構を有し、前記調整機構は、前記ベローズの遊動端の内周側にシール板を配置し、前記シール板のガス室側の面に弾性変形可能な薄板を接合し、前記薄板の外周部を前記ベローズ遊動端に接合し、前記シール板および前記ベローズ遊動端を前記薄板が弾性変形する範囲でベローズ伸縮方向に相対変位可能とし、ゼロダウン時前記シール板が前記シールに接触した状態における前記シール板の外周縁部からシール接触部までの径方向距離よりも前記シール板の外周縁部から薄板接合部までの径方向距離のほうを大きく設定した構造を有し、定常作動時、前記シール板は前記ベローズおよび薄板に保持された状態で前記シールから離間しており、ゼロダウン時、前記シール板は前記シールに接触し、前記液体および封入ガスの熱膨張時には、前記シール板は前記シールに接触したままで前記薄板が液体圧とガス圧が釣り合う状態まで弾性変形することを特徴とするものである。
上記構成を有する本発明では、ベローズの固定端がオイルポートに固定されてベローズの外周側をガス室、内周側を液室としているので、本発明のアキュムレータは外ガスタイプのアキュムレータである。またベローズの遊動端には従来のベローズキャップに代えて、圧力差調整機構を構成する薄板およびシール板が取り付けられている。
本発明のアキュムレータは、以下のように作動する。
定常作動時・・・
シール板がベローズおよび薄板に保持された状態でシールから離間しているので、ポート穴と液室(ベローズおよびシール間の空間)は連通している。したがってポート穴から液室へそのときどきの圧力を備えた液体が随時導入されるので、薄板およびシール板がベローズを伸縮させながら液体圧とガス圧が釣り合うように移動する。
ゼロダウン時・・・
機器の運転が停止すると液室内の液体がポート穴から徐々に排出され、薄板およびシール板がベローズ収縮方向へ移動し、シール板がシールに接触する。シール板がシールに接触すると液室(ベローズおよびシール間の空間)が閉塞されてこの液室に一部の液体が閉じ込められるので、更なる圧力低下は発生しなくなり、よってベローズ内外で液体圧とガス圧が釣り合うことになる。
ゼロダウン状態における熱膨張時・・・
ゼロダウン状態すなわちシール板がシールに接触した状態で雰囲気温度の上昇等により液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張すると、液体のほうがガスよりも圧力の上昇度合いが大きいので、圧力差が発生する。ここで本発明では圧力差調整機構が作動し、すなわち薄板が液体圧とガス圧が釣り合う状態まで弾性変形するので、圧力差が低減される。したがってベローズ内外に大きな圧力差が発生するのが抑制されることから、ベローズに圧力差による異常変形が発生するのを防止することが可能となる。
尚、この熱膨張時、シール板は、シールに接触した状態におけるシール板の外周縁部からシール接触部までの径方向距離よりもシール板の外周縁部から薄板接合部までの径方向距離のほうが大きく設定されているため、シールに接触したままでシールから離れることがない。これはシール板の外周縁部からシール接触部までの径方向距離によるベローズ伸長方向の受圧面積よりもシール板の外周縁部から薄板接合部までの径方向距離によるベローズ収縮方向の受圧面積のほうが大きく設定されているからである。したがってシール板はシールに接触したまま移動せず、薄板のみが弾性変形する。薄板が弾性変形するとこれに伴ってベローズ遊動端がベローズ伸長方向へ移動することもある。シール板はゼロダウンの解消時に受圧面積の変動や薄板の弾性等によりシールから離間する。
したがって、以上のように作動する本発明のアキュムレータによれば、外ガスタイプのアキュムレータにおいて、ゼロダウン時に液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張したときに発生する圧力差を低減させることが可能とされているために、ベローズ内外の圧力差を低減させ、ベローズが異常変形するのを防止することができる。したがって、ベローズ延いてはアキュムレータの耐久性を向上させることができる。また、上記補助液体室や二次ベローズを有していないために、上記(イ)(ロ)(ハ)の不都合も解消される。
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
シールと接触する円板(シール板)は、ベローズ端部(遊動端)と接合された薄板円板(薄板)と軸中心部で接合されており、液体圧が印加されている状態(通常作動)ではオイルポートから浮き上がり、オイルポートに設けられたシールとは接触しない。ゼロダウン時、円板はシールと接触してオイルポートに押し付けられた状態になるが、ベローズ内部の液体が熱膨張した場合には、薄板円板が変形して液体の膨張体積分を吸収するため、ベローズの過度の変形が生じない。薄板円板をより変形し易くし、かつ、円板との接合部に作用する応力を減らすために、薄板円板の円周上に屈曲部を設けても良い。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1ないし図3は、本発明の実施例に係るアキュムレータ1の要部断面を示している。図1は定常作動時、図2はゼロダウン時、図3はゼロダウン状態における熱膨張時の状態をそれぞれ示している。
当該実施例に係るアキュムレータ1は、ベローズ7として金属ベローズを用いる金属ベローズ型アキュムレータであって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、図示しない圧力配管に接続されるオイルポート4を備えたアキュムレータハウジング2が設けられており、このハウジング2の内部にベローズ7が配置されてハウジング2の内部空間が高圧ガスを封入するガス室10と、オイルポート4のポート穴5に連通する液室11とに仕切られている。ハウジング2としては、有底円筒状のシェル3と、このシェル3の開口部に固定されたオイルポート4との組み合わせよりなるものが描かれているが、このハウジング2の部品割り構造は特に限定されるものではなく、例えばシェル3の底部はシェルと別体のエンドカバーであっても良く、何れにしてもシェル3の底部またはこれに相当する部品には、ガス室10にガスを注入するためのガス注入口(図示せず)が設けられている。
ベローズ7は、その固定端7aをハウジング2のポート側内面であるオイルポート4のフランジ部内面に固定しており、よって当該アキュムレータ1はベローズ7の外周側にガス室10を配置するとともにベローズ7の内周側に液室11を配置する外ガスタイプのアキュムレータとされている。またベローズ遊動端7bの外周部には、ハウジング2の内面に対するベローズ7の接触を防止するために制振リング9が取り付けられている。
ポート穴5の内側すなわちオイルポート4の内面(図では上面)には、環状のストッパ突起(着座面)4aの内周側に位置して環状の第一および第二段部4b,4cが順次形成され、第一段部4bにシール13が嵌着されて、第二段部4cに嵌着したシールホルダ14により抜け止め保持されている。シール13は、当該アキュムレータ1のゼロダウン時に液室11(ベローズ7およびシール13間の空間)を閉塞してこの液室11に一部の液体を閉じ込めるものであって、この機能を十分に発揮するよう外向きのシールリップを備えたゴム状弾性体製パッキンにより形成されている。尚、シール13としては、十分なシール性能が得られるものであればOリングやXリングなどを用いても良く、本発明は特にシール13の形状を制限するものではない。
また当該アキュムレータ1には、ゼロダウン時に液室11に閉じ込められた液体および封入ガスがそれぞれ熱膨張したときに発生する圧力差を低減させる圧力差調整機構21が設けられている。
この圧力差調整機構21は、以下のように構成されている。
すなわち、ベローズ遊動端7bの内周側にシール板(可動板とも称する)22がベローズ遊動端7bに接触しないよう配置され、シール板22のガス室10側の面(図では上面)に弾性変形可能な薄板(薄板状キャップとも称する)23が接合され、薄板23はその外径寸法をシール板22の外径寸法よりも大きく設定されて、その外周部をベローズ遊動端7bに全周に亙って接合されている。シール板22とベローズ7は互いに干渉しないので、両者7,22は薄板23が弾性変形する範囲内でベローズ伸縮方向(図では上下方向)に相対変位可能とされている。
シール板22は、金属等剛材により円板状に形成されている。薄板23は、薄板状の金属、樹脂またはゴム状弾性体により円板状に形成され、上記したようにその外径寸法をシール板22の外径寸法よりも大きく設定されている。またこの薄板23はシール板22のガス室10側の面に接合されているが、その接合部23aは平面上中心部のみとされ、接合部23aよりも外周側の部位はシール板22に対して接合されていない非接合部23bとされている。またこれに伴って図2に示すゼロダウン時、シール板22がシール13に接触した状態において、シール板22の外周縁部から薄板接合部22aまでの径方向距離dはシール板22の外周縁部からシール接触部22bまでの径方向距離dよりも大きく設定されている(d>d)。
また、シール板22のガス室10側の面において、その平面上中心部には凸部22cが設けられるとともに、この凸部22cに対応して薄板23の平面上中央部に凹部23cが設けられ、この凸部22cと凹部23cが係合することにより両者22,23の径方向の位置決めが容易化されている。また薄板23およびシール板22の接合は溶接や接着等の接合手段によるが、溶接の場合、図4に示すようにシール板22に溶接用突起22dを設け、これを薄板23に設けた穴部23dに差し込んで溶接を行なうと、両者22,23の接合を強化することが可能となる。
上記構成のアキュムレータ1は、ベローズ固定端7aがハウジング2のポート側内面であるオイルポート4のフランジ部内面に固定されているので、外ガスタイプの範疇に属し、また上記構成により以下のように作動する。
定常作動時・・・
すなわち、図1は当該アキュムレータ1の定常作動時の状態を示している。オイルポート4は図示しない機器の圧力配管に接続される。この定常状態では、シール板22が薄板23およびベローズ7に保持された状態でシール13から離れているので、ポート穴5と液室11は連通している。したがって、ポート穴5から液室11へそのときどきの圧力を備えた液体が導入されるので、薄板23およびシール板22がベローズ7を伸縮させながら液体圧とガス圧とが釣り合うように移動する。
ゼロダウン時・・・
図1の状態から機器の運転が停止すると、液室11内の液体がポート穴5から徐々に排出され、これに伴って封入ガス圧によりベローズ7が徐々に収縮し、薄板23およびシール板22がベローズ収縮方向(図では下方)へ徐々に移動し、シール板22がシール13に接触する。図2に示すようにシール板22はストッパ突起4aに当接することにより停止する。このようにシール板22がシール13およびストッパ突起4aに接触・当接すると液室(ベローズ7およびシール13間の空間)11が閉塞されてこの液室11に一部の液体が閉じ込められることになるので、この液室11において更なる圧力低下は発生しなくなり、よってベローズ7内外で液体圧とガス圧とが釣り合うことになる。したがって、ゼロダウンによるベローズ7の異常変形を抑制することが可能とされている。
ゼロダウン状態における熱膨張時・・・
図2のゼロダウン状態すなわちシール板22がシール13およびストッパ突起4aに接触した状態で雰囲気温度の上昇等により液室11に閉じ込められた液体および封入ガスがそれぞれ熱膨張すると、液体のほうがガスよりも圧力の上場度合いが大きいので、圧力差が発生する。しかしながら当該アキュムレータ1では、弾性変形可能な薄板23が液室11の隔壁の一部を構成しているので、圧力差が発生すると、図3に示すように薄板23が液室11の容積を拡大させるように弾性変形し、ベローズ遊動端7bもベローズ伸長方向へ移動し(ベローズ7が伸長し)、液体圧とガス圧とが釣り合う位置で停止する。したがって、ベローズ7内外に大きな圧力差が発生するのが抑制されることから、ベローズ7に圧力差による異常変形が発生するのを防止することができる。
尚、このとき、シール板22は、上記したようにシール板22の外周縁部から薄板接合部22aまでの径方向距離dがシール板22の外周縁部からシール接触部22bまでの径方向距離dよりも大きく設定されている(d>d)ことから上下受圧面積の格差により、液室11内部の圧力によってシール13およびストッパ突起4aに押し付けられたままであり、よってゼロダウン状態が解消してしまうことはない。
したがって、上記アキュムレータ1によれば、外ガスタイプのアキュムレータにおいて、ゼロダウン時に液室11に閉じ込められた液体および封入ガスがそれぞれ熱膨張したときに発生する圧力差を低減させることが可能とされているために、ベローズ7内外の圧力差を低減させ、ベローズ7に異常変形が発生するのを防止することができる。したがって、ベローズ7延いてはアキュムレータ1の耐久性を向上させることができる。
尚、上記実施例において、薄板23は、平面中央の接合部23a以外の部位は平板状に成形されているが、図5に示すように接合部23aの外周側の部位に環状の屈曲部23eを設けることが考えられ、このように屈曲部23eを設けると薄板23が弾性変形しやすくなることから、薄板23の変形量が増大させることが可能となる。また薄板23が弾性変形したときに変形による負荷が接合部23aへ伝わりにくくなることから、接合部23aが剥がれにくくなると云う効果もある。屈曲部23eは断面U字状に形成され、これを収めるための溝状凹部22eがシール板22に設けられている。
また、図2に示したゼロダウン状態において、シール板22がストッパ突起4aに当接すると、シール板22、ストッパ突起4aおよびシール13に囲まれる空間11aが密閉されることがあり、この密閉された空間11a内の液体が熱膨張すると、高圧を受けてシール13が損傷することが懸念される。そこでこれを防止するには、図6に示すように貫通穴状の連通路24をシール板22に設けたり、あるいは図7に示すように切欠状の連通路25をシール板22の外周部に設けたりして、空間11aと液室11(ベローズ7、オイルポート4、シール板22および薄板23に囲まれる空間11b)と連通させるのが好適である。
本発明の実施例に係るアキュムレータの定常作動時の状態を示す要部断面図 同アキュムレータのゼロダウン時の状態を示す要部断面図 同アキュムレータのゼロダウン状態における熱膨張時の状態を示す要部断面図 シール板と薄板の溶接構造を示す断面図 本発明の他の実施例に係るアキュムレータの要部断面図 本発明の他の実施例に係るアキュムレータの要部断面図 本発明の他の実施例に係るアキュムレータの要部断面図 従来例に係るアキュムレータの断面図 他の従来例に係るアキュムレータの断面図 他の従来例に係るアキュムレータの断面図
符号の説明
1 アキュムレータ
2 ハウジング
3 シェル
4 オイルポート
4a ストッパ突起
4b,4c 段部
5 ポート穴
7 ベローズ
7a ベローズ固定端
7b ベローズ遊動端
9 制振リング
10 ガス室
11 液室
11a,11b 空間
13 シール
14 シールホルダ
21 圧力差調整機構
22 シール板
22a 薄板接合部
22b シール接触部
22c 凸部
22d 溶接用突起
22e 溝状凹部
23 薄板
23a 接合部
23b 非接合部
23c 凹部
23d 穴部
23e 屈曲部
24,25 連通路

Claims (1)

  1. 圧力配管に接続されるオイルポートを備えたアキュムレータハウジングと、前記ハウジングの内部に配置されて前記ハウジングの内部空間を高圧ガスを封入するガス室およびポート穴に連通する液室に仕切るベローズとを有し、前記ベローズはその固定端を前記オイルポートに固定することにより前記ベローズの外周側をガス室、内周側を液室とし、更に前記オイルポートの内面にはゼロダウン時に液室を閉塞して前記液室に一部の液体を閉じ込めるシールが設けられているアキュムレータにおいて、
    ゼロダウン時に前記液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張したときに発生する圧力差を低減させる圧力差調整機構を有し、
    前記調整機構は、前記ベローズの遊動端の内周側にシール板を配置し、前記シール板のガス室側の面に弾性変形可能な薄板を接合し、前記薄板の外周部を前記ベローズ遊動端に接合し、前記シール板および前記ベローズ遊動端を前記薄板が弾性変形する範囲でベローズ伸縮方向に相対変位可能とし、ゼロダウン時前記シール板が前記シールに接触した状態における前記シール板の外周縁部からシール接触部までの径方向距離よりも前記シール板の外周縁部から薄板接合部までの径方向距離のほうを大きく設定した構造を有し、
    定常作動時、前記シール板は前記ベローズおよび薄板に保持された状態で前記シールから離間しており、ゼロダウン時、前記シール板は前記シールに接触し、前記液体および封入ガスの熱膨張時には、前記シール板は前記シールに接触したままで前記薄板が液体圧とガス圧が釣り合う状態まで弾性変形することを特徴とするアキュムレータ。
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