JP5224323B2 - アキュムレータ - Google Patents
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Description
(イ)補助液体室71の容積分しかベローズ51の伸長を行なうことができない(補助液体室71の容積を増やすとベローズ51の収縮が制限され、同室71を小さくするとベローズ51を伸長させるための液量が少なくなり、伸長量を増やすことができない)。
(ロ)ピストンシール73でピストン72を密封した状態でストロークさせるので、シール面圧による滑り抵抗が大きく、その損失分だけベローズ51の動きが鈍化する(アキュムレータとしての機能が低下する)。
(ハ)ゼロダウン時に二次ベローズが伸長した状態でベローズの収縮が生じ、二次ピストンが最下面に到達した段階でベローズの収縮が止まるので、十分なベローズの伸縮ストロークを確保することができない。
前記ハウジングに備えられるとともに圧力配管に接続されるポート穴を設けたオイルポートと、
前記ハウジングの内部に配置されるとともに固定端を前記オイルポートに固定したベローズと、
前記ベローズの遊動端に固定されたベローズキャップと、
前記ベローズの外周側に設けられるとともに高圧ガスを封入するガス室と、
前記ベローズの内周側に設けられるとともに前記ポート穴に連通する液室と、
前記ベローズキャップのオイルポート側に板バネまたはコイルスプリングを介して支持された可動プレートと、
前記オイルポートのベローズキャップ側内面に設けられるとともに前記可動プレートが接離可能に接触するシールと、
を有し、
定常作動時、前記可動プレートは前記板バネまたはコイルスプリングに支持された状態で前記ベローズキャップとともに移動し、
前記液室の液体が前記ポート穴から排出され前記可動プレートが前記シールに接触することで前記液室が閉塞されてこの液室に一部の液体が閉じ込められるゼロダウン時、前記可動プレートは前記ベローズキャップとともに移動して前記シールに接触し、
前記液体および封入ガスの熱膨張時には、前記可動プレートは前記シールに接触したままで前記ベローズキャップが液体圧とガス圧が釣り合う位置まで前記板バネまたはコイルスプリングを伸長させながら移動し、
更に、前記可動プレートおよびベローズキャップ間にスペーサーとして作用する突起を設け、前記突起は複数が前記可動プレートの円周方向に所定の間隔をあけて並んで設けられていることを特徴とするものである。
可動プレートが板バネまたはコイルスプリングに支持された状態でベローズキャップとともに移動することによりシールから離れているので、ポート穴と液室(ベローズおよびシール間の空間)は連通している。したがってポート穴から液室へそのときどきの圧力を備えた液体が随時導入されるので、ベローズキャップが可動プレートとともに液体圧とガス圧が釣り合うように移動する。
機器の運転が停止すると液室内の液体がポート穴から徐々に排出され、これに伴って封入ガス圧によりベローズが収縮し、ベローズキャップがベローズ収縮方向へ移動する。可動プレートはベローズキャップのオイルポート側に配置されているので、この可動プレートがシールに接触する。可動プレートがシールに接触すると液室(ベローズおよびシール間の空間)が閉塞されてこの液室に一部の液体が閉じ込められるので、更なる圧力低下は発生しなくなり、よってベローズ内外で液体圧とガス圧とが釣り合うことになる。尚、シールに接触するのは可動プレートであってベローズキャップはシールに接触しないので、ベローズキャップの受圧面積はシールにより制限されることがない。したがってベローズキャップの受圧面積は一面のガス室側と反対面の液室側とで等しく設定されている。
ゼロダウン状態すなわち可動プレートがシールに接触した状態で雰囲気温度の上昇等により液室に閉じ込められた液体および封入ガスが熱膨張すると、液体のほうがガスよりも圧力の上昇度合いが大きいので、圧力差が発生する。ここで本発明では上記したようにベローズキャップの受圧面積がガス室側と液室側とで等しく設定されているので、圧力差が発生するとベローズキャップが板バネまたはコイルスプリングを伸長させながら直ちに移動して圧力差を低減させる。したがってベローズ内外に大きな圧力差が発生するのが抑制されることから、ベローズに圧力差による異常変形が発生するのを防止することが可能となる。板バネまたはコイルスプリングは圧力低下時にベローズキャップを復帰動させるために設けられている。
(1)ベローズの外部に高圧ガスを封入し、ポート穴からベローズの内部に液体を出入りさせる。ベローズキャップのオイルポート側に、バネで支持された円板(可動プレート)を設ける。この円板がゼロダウン時に、オイルポートに設けられたシールと接触し、ベローズ内部の液体の流出を防止する。
(2)ゼロダウン時に円板によってシールされるため、ベローズキャップにおけるガス圧とベローズ内部の液体圧の受圧面積は等しくなる。円板とベローズキャップはバネによって繋がっているため、円板がオイルポート上に押し付けられた状態であっても、ベローズキャップはある範囲で自由に上下動できる。ベローズ内部の液体が熱膨張した場合には、円板はオイルポートに押し付けられたままの状態で、ベローズキャップはガス圧と液体圧が釣り合う位置まで移動できるため、ベローズ内外の差圧が発生せず、ベローズの変形が生じない。
(3)上記バネは、板バネであり、またコイルスプリングである。板バネおよびコイルスプリングを総じて金属バネと称する。金属バネを使用する場合は、バネの部分を通じて油が円板とベローズキャップ間に流入するので、連通孔は不要である。
(4)シール失効時の過密着を避けるため、および液体の受圧面積を確保するために、円板とベローズキャップはべた当たりしない構造とするのが好適である。
すなわち、図1は当該アキュムレータ1の定常作動時の状態を示している。オイルポート4は図示しない機器の圧力配管に接続される。この定常状態では、可動プレート22が板バネ23に支持された状態でベローズキャップ8とともに移動することによりシール13から離れているので、ポート穴5と液室11(ベローズ7およびシール13間の空間)は連通している。したがって、ポート穴5から液室11へそのときどきの圧力を備えた液体が導入されるので、ベローズキャップ8が可動プレート22とともに液体圧とガス圧とが釣り合うように移動する。
図1の状態から機器の運転が停止すると、液室11内の液体がポート穴5から徐々に排出され、これに伴って封入ガス圧によりベローズ7が徐々に収縮し、ベローズキャップ8がベローズ収縮方向へ徐々に移動する。ベローズキャップ8のオイルポート4側には可動プレート22が配置されているので、ベローズキャップ8が移動すると可動プレート22がシール13に接触する。図2に示すように可動プレート22はストッパ突起4aに当接することにより停止し、ベローズキャップ8も停止する。このように可動プレート22がシール13およびストッパ突起4aに接触すると液室11(ベローズ7およびシール13間の空間)が閉塞されてこの液室に一部の液体が閉じ込められることになるので、この液室11において更なる圧力低下は発生しなくなり、よってベローズ7内外で液体圧とガス圧とが釣り合うことになる。したがって、ゼロダウンによるベローズ7の異常変形を抑制することが可能とされている。尚、このゼロダウン時、シール13に対しては可動プレート22が接触しベローズキャップ8は接触しないので、ベローズキャップ8の受圧面積は上記従来技術のようにシール13により制限されることがない。したがって、ベローズキャップ8の受圧面積は一面のガス室10側と反対面の液室11側とで等しく設定されている。図2ではベローズキャップ8は可動プレート22に接触していないが、板バネ23を圧縮して可動プレート22に接触する構造であっても良く、更に可動プレート22をストッパ突起4aに押し付ける構造であっても良い。
図2のゼロダウン状態すなわち可動プレート22がシール13およびストッパ突起4aに接触した状態で雰囲気温度の上昇等により液室11に閉じ込められた液体および封入ガスがそれぞれ熱膨張すると、液体のほうがガスよりも圧力の上昇度合いが大きいので、圧力差が発生する。しかしながら当該アキュムレータ1ではベローズキャップ8の受圧面積がガス室10側と液室11側とで等しく設定されているので、圧力差が発生すると、図3に示すようにベローズキャップ8が板バネ23を伸長させながら可動プレート22から離れる方向へ直ちに移動を開始し、液体圧とガス圧が釣り合う位置で停止する。したがって、ベローズ7内外に大きな圧力差が発生するのが抑制されることから、ベローズ7に圧力差による異常変形が発生するのを防止することができる。このとき可動プレート22は、上下両面の受圧面積の差により図示したようにシール13に接触したままであるので、ゼロダウン状態が解消してしまうことはない。またベローズ7の内周側に存在する液体は、可動プレート22の外周側を通過し、更に円周方向に並んだ複数の板バネ23間の隙間を通過して、ベローズキャップ8および可動プレート22間の間隙に流入する。
2 ハウジング
3 シェル
4 オイルポート
4a ストッパ突起
4b,4c 段部
5 ポート穴
7 ベローズ
7a 固定端
7b 遊動端
8 ベローズキャップ
9 制振リング
10 ガス室
11 液室
13 シール
14 シールホルダ
21 圧力差調整機構
22 可動プレート
22a 突起
23 板バネ
Claims (1)
- アキュムレータハウジングと、
前記ハウジングに備えられるとともに圧力配管に接続されるポート穴を設けたオイルポートと、
前記ハウジングの内部に配置されるとともに固定端を前記オイルポートに固定したベローズと、
前記ベローズの遊動端に固定されたベローズキャップと、
前記ベローズの外周側に設けられるとともに高圧ガスを封入するガス室と、
前記ベローズの内周側に設けられるとともに前記ポート穴に連通する液室と、
前記ベローズキャップのオイルポート側に板バネまたはコイルスプリングを介して支持された可動プレートと、
前記オイルポートのベローズキャップ側内面に設けられるとともに前記可動プレートが接離可能に接触するシールと、
を有し、
定常作動時、前記可動プレートは前記板バネまたはコイルスプリングに支持された状態で前記ベローズキャップとともに移動し、
前記液室の液体が前記ポート穴から排出され前記可動プレートが前記シールに接触することで前記液室が閉塞されてこの液室に一部の液体が閉じ込められるゼロダウン時、前記可動プレートは前記ベローズキャップとともに移動して前記シールに接触し、
前記液体および封入ガスの熱膨張時には、前記可動プレートは前記シールに接触したままで前記ベローズキャップが液体圧とガス圧が釣り合う位置まで前記板バネまたはコイルスプリングを伸長させながら移動し、
更に、前記可動プレートおよびベローズキャップ間にスペーサーとして作用する突起を設け、前記突起は複数が前記可動プレートの円周方向に所定の間隔をあけて並んで設けられていることを特徴とするアキュムレータ。
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