JP2009127518A - ピストン機関及びスターリングエンジン - Google Patents

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崇司 笹嶋
Daisaku Sawada
大作 澤田
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Abstract

【課題】ピストンとシリンダとが接触するおそれを低減すること。
【解決手段】ピストン20の側周部20Sであって、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部へ向かって所定の距離L3の範囲には、ピストン側クリアランス徐変部20Jが設けられる。ピストン側クリアランス徐変部20Jは、ピストン側段差部Kpを起点Vsとし、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部20Btへ向かって所定の距離L3の位置を終点Vfとする。ピストン側クリアランス徐変部20Jは、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部へ向かって、ピストン20の直径が徐々に小さくなるように形成される。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ピストンリングや潤滑油を使用しないでシリンダ内をピストンが往復運動するピストン機関及びスターリングエンジンに関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、理論熱効率に優れたスターリングエンジンが注目されてきている。特許文献1には、高温側ピストンの頂面側の直径を、スカート側の直径よりも小さくすることにより、高温側ピストンの頂面側に段差部を設けたスターリングエンジンが開示されている。
特開2005−106012号公報
しかし、特許文献1に開示されたスターリングエンジンでは、段差部においてピストンとシリンダとのクリアランスが急激に狭くなっており、この段差部の熱膨張によって、段差部でピストンとシリンダとが接触するおそれがある。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ピストンの頂面側でピストンとシリンダとの間のクリアランスを拡大することにより、ピストンの熱膨張によるピストンとシリンダとの接触を回避する構成において、ピストンとシリンダとの間のクリアランスが拡大する部分の段差部でピストンとシリンダとが接触するおそれを低減することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係るピストン機関は、シリンダ内を往復運動するピストンの頂面側の側周部と、上死点で前記ピストンの頂面側の側周部が対向する前記シリンダの内周部と、の少なくとも一方に設けられて、前記ピストンの頂面から前記ピストンの頂面反対側端部側の所定位置までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスを、前記所定位置よりも前記ピストンの頂面反対側端部までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスよりも大きくする段差部と、少なくとも前記ピストンの側周部に設けられて、前記段差部から前記ピストンの頂面反対側端部に向かって所定距離の範囲は、前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスが徐々に小さくなるように形成されるクリアランス徐変部と、を含むことを特徴とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係るピストン機関は、シリンダ内を往復運動するピストンの頂面側の側周部と、上死点での前記ピストンの頂面側の側周部と対向する前記シリンダの内周部と、の少なくとも一方に設けられて、前記ピストンの頂面から前記ピストンの頂面反対側端部側の所定位置までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスを、前記所定位置よりも前記ピストンの頂面反対側端部までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスよりも大きくする段差部と、前記所定位置から前記ピストンの頂面反対側端部までにおいて、前記シリンダと前記ピストンとの間に形成されるクリアランスに介在する気体軸受と、少なくとも前記ピストンの側周部に設けられて、前記段差部から前記ピストンの頂面反対側端部に向かって所定距離の範囲は、前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスが徐々に小さくなるように形成されるクリアランス徐変部と、を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記段差部は、前記ピストンの側周部に設けられ、前記ピストンの頂面から前記段差部までにおける前記ピストンの直径は、段差部から前記頂面反対側端部までにおける前記ピストンの直径よりも小さく形成されるとともに、前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記ピストンの直径が小さくなるテーパー形状に形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記ピストンの中心軸と、テーパー形状に形成される前記クリアランス徐変部とのなす角度のうち鋭角の方であるテーパー角度は、0.1度以上0.3度以下であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記ピストンの中心軸と平行かつ前記ピストンの中心軸を含む平面で前記ピストンを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の形状は、曲線で構成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記ピストンの中心軸と平行かつ前記ピストンの中心軸を含む平面で前記ピストンを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の形状は、単一の直線、又は複数の直線を組み合わせて構成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記ピストンの中心軸と平行かつ前記ピストンの中心軸を含む平面で前記ピストンを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部は、前記ピストンが熱膨張したときにおける、前記段差部よりも前記ピストンの頂面反対側端部側における側周部の形状と、前記ピストンが熱膨張する前における前記ピストンの側周部の延長線に対して線対称となるように形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記段差部は、前記シリンダの内周部に設けられ、前記シリンダの頂部側端部から段差部までにおける前記シリンダの内径は、前記段差部から前記頂部反対側端部までの内径よりも大きく形成されるとともに、前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記シリンダの内径が大きくなるテーパー形状に形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記シリンダ中心軸と、前記クリアランス徐変部とのなす角度のうち鋭角の方であるテーパー角度は、0.1度以上0.3度以下であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記シリンダの中心軸と平行かつ前記シリンダの中心軸を含む平面で前記シリンダを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の外形は、曲線で構成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ピストン機関において、前記シリンダの中心軸と平行かつ前記シリンダの中心軸を含む平面で前記シリンダを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の外形は、単一の直線、又は複数の直線を組み合わせて構成されることが望ましい。
上述の目的を達成するために、本発明に係るスターリングエンジンは、作動流体を加熱するヒータと、前記ヒータと接続されるとともに前記作動流体が通過する再生器と、前記再生器に接続されるとともに前記作動流体を冷却するクーラーとを含んで構成される熱交換器と、前記熱交換器を通過した作動流体が流入し、流出するシリンダと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記ピストンの頂面側の側周部と、上死点での前記ピストンの頂面側の側周部と対向する前記シリンダの内周部と、の少なくとも一方に設けられて、前記ピストンの頂面から前記ピストンの頂面反対側端部側の所定位置までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスを、前記所定位置よりも前記ピストンの頂面反対側端部までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスよりも大きくする段差部と、前記所定位置から前記ピストンの頂面反対側端部までにおいて、前記シリンダと前記ピストンとの間に形成されるクリアランスに介在する気体軸受と、少なくとも前記ピストンの側周部に設けられて、前記段差部から前記ピストンの頂面反対側端部に向かって所定距離の範囲は、前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスが徐々に小さくなるように形成されるクリアランス徐変部と、を含むことを特徴とする。
本発明の好ましい態様としては、前記スターリングエンジンにおいて、前記段差部は、前記ピストンの側周部に設けられ、前記ピストンの頂面から前記段差部までにおける前記ピストンの直径は、段差部から前記頂面反対側端部までにおける前記ピストンの直径よりも小さく形成されるとともに、前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記ピストンの直径が小さくなるテーパー形状に形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記スターリングエンジンにおいて、前記段差部は、前記シリンダの内周部に設けられ、前記シリンダの頂部側端部から段差部までにおける前記シリンダの内径は、前記段差部から前記頂部反対側端部までの内径よりも大きく形成されるとともに、前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記シリンダの内径が大きくなるテーパー形状に形成されることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記スターリングエンジンにおいて、前記ピストンは、近似直線機構によって支持されることが望ましい。
本発明は、ピストンの頂面側でピストンとシリンダとの間のクリアランスを拡大することにより、ピストンの熱膨張によるピストンとシリンダとの接触を回避する構成において、ピストンとシリンダとの間のクリアランスが拡大する部分の段差部でピストンとシリンダとが接触するおそれを低減できる。
ピストンあるいはシリンダに設けた段差部で、ピストンとシリンダとのクリアランスが急激に狭くなることに起因して、ピストンの側周部の表面温度が急激に上昇することが見出された。そして、ピストンの側周部の表面温度が急激に上昇することにより、ピストンの径方向における熱膨張が他の部分よりも大きくなり、これによってピストンとシリンダとが接触するおそれがあることが見出された。本発明は、かかる点に着目して完成されたものである。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
なお、以下においては、ピストン機関の一例としてスターリングエンジンを取り上げるが、ピストン機関はこれに限定されるものではない。また、ピストン機関であるスターリングエンジンを用いて、車両等に搭載される内燃機関の排熱を回収する例を説明するが、排熱の回収対象は内燃機関に限られない。例えば工場やプラント、あるいは発電施設の排熱を回収する場合にも本発明は適用できる。
本実施形態は、ピストンの熱膨張によるピストンとシリンダとの接触を回避するため、ピストンの頂面側においてピストン−シリンダ間のクリアランスを拡大する構成を備えるピストン機関に適用される。そして、本実施形態は、前記クリアランスを拡大することによりピストンとシリンダとの少なくとも一方に形成される段差部からピストンの下死点の方向(ピストンの頂面とは反対側の端部の方向)に向かって所定の範囲を、ピストンとシリンダとのクリアランスが徐々に狭くなるテーパー形状に形成する点に特徴がある。ここで、テーパー形状に形成される部分は、少なくともピストンに設けられる。
図1は、本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジンの構成を示す断面図である。図2は、本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジンが備える気体軸受の構成例、及びピストンの支持構造を示す説明図である。本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジン100は、いわゆるα型の直列2気筒スターリングエンジンである。本実施形態において、スターリングエンジン100は、内燃機関の排ガスExを通過させる通路として機能するヒータケース3に熱交換器108を配置して、内燃機関の排ガスExから熱エネルギーを回収する、排熱回収装置として用いられる。
スターリングエンジン100は、高温側シリンダ30H内に収められた高温側ピストン20Hと、低温側シリンダ30L内に収められた低温側ピストン20Lとが直列に配置されている。なお、以下において、高温側シリンダ30Hと低温側シリンダ30Lとを区別しない場合にはシリンダ30といい、高温側ピストン20Hと低温側ピストン20Lとを区別しない場合にはピストン20という。
高温側シリンダ30Hと低温側シリンダ30Lとは、基準体である基板111に、直接又は間接的に支持、固定されている。スターリングエンジン100においては、この基板111が、スターリングエンジン100の各構成要素の位置基準となる。このように構成することで、前記各構成要素の相対的な位置精度を確保できる。また、後述するように、本実施形態に係るスターリングエンジン100は、高温側シリンダ30Hと高温側ピストン20Hとの間、及び低温側シリンダ30Lと低温側ピストン20Lとの間に気体軸受GBを介在させる。
スターリングエンジン100は、基準体である基板111に、高温側シリンダ30Hと低温側シリンダ30Lとを直接又は間接的に取り付けることにより、ピストン20とシリンダ30とのクリアランスを精度よく保持することができる。これによって、気体軸受GBの機能を十分に発揮させることができる。さらに、スターリングエンジン100の組み立ても容易になる。
高温側シリンダ30Hと低温側シリンダ30Lとの間には、略U字形状のヒータ(加熱器)105と再生器106とクーラー107とで構成される熱交換器108が設けられる。このように、ヒータ105を略U字形状にすることによって、内燃機関の排気通路内のような比較的狭い空間にも、ヒータ105を容易に配置できる。また、このスターリングエンジン100のように、高温側シリンダ30Hと低温側シリンダ30Lとを直列に配置することにより、内燃機関の排ガス通路のような筒状の空間にもヒータ105を比較的容易に配置することができる。
ヒータ105の一方の端部は高温側シリンダ30H側に配置され、他方の端部は再生器106側に配置される。ヒータ105は、作動流体(本実施形態では空気)を加熱する。再生器106は、一方の端部がヒータ105側に配置され他方の端部はクーラー107側に配置されて、ヒータ105又はクーラー107から流入する作動流体が通過する。クーラー107の一方の端部は再生器106側に配置され、他方の端部は低温側シリンダ30L側に配置される。クーラー107は、作動流体を冷却する。高温側シリンダ30H及び低温側シリンダ30Lは、熱交換器108を通過した作動流体が流入し、流出する。
高温側シリンダ30H、低温側シリンダ30L及び熱交換器108内には作動流体が封入されており、ヒータ105から供給される熱によってスターリングサイクルを構成し、スターリングエンジン100を駆動する。ここで、例えば、ヒータ105、クーラー107は、熱伝導率が高く耐熱性に優れた材料のチューブを複数束ねて構成することができる。クーラー107は空冷としてもよいし、水冷としてもよい。また、再生器106は、例えば、多孔質の蓄熱体で構成する。なお、ヒータ105、クーラー107及び再生器106の構成は、この例に限られるものではなく、排熱回収対象の熱条件やスターリングエンジン100の仕様等によって、好適な構成を選択できる。
高温側ピストン20Hと低温側ピストン20Lとは、高温側シリンダ30Hと低温側シリンダ30L内に気体軸受GBを介して支持されている。すなわち、ピストンリングを介さず、潤滑油を用いないで、ピストン20をシリンダ30内に支持する構造である。これによって、ピストン20とシリンダ30との間の摩擦を低減して、スターリングエンジン100の効率を向上させることができる。また、ピストン20とシリンダ30との摩擦を低減することにより、例えば、内燃機関の排熱回収のような低熱源、低温度差の運転条件下でスターリングエンジン100を使用する場合でも、スターリングエンジン100により排熱から熱エネルギーを回収できる。
気体軸受GBを構成するため、図2に示すように、ピストン20(高温側ピストン20H、低温側ピストン20L)とシリンダ30(高温側シリンダ30H、低温側シリンダ30L)との間には、所定のクリアランスtcを設ける。クリアランスtcは、ピストン20の全周にわたって数μm〜数10μmとする。高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lの往復運動は、コネクティングロッド61によって出力軸であるクランク軸110に伝達され、ここで回転運動に変換される。
ここで、気体軸受GBは、ピストン20の直径方向(横方向、スラスト方向)の力に耐える能力(負荷能力)が低いため、ピストン20のサイドフォースFsを実質的にゼロにすることが好ましい。このため、シリンダ30の軸線(中心軸)に対するピストン20の直線運動精度を高くする必要がある。これを実現するため、本実施形態において、高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lは、図2に示す近似直線機構(例えばグラスホッパ機構)60によって支持される。本実施形態では、例えば、近似直線機構60によってサイドフォースFsの大部分を支持し、ピストン20の往復運動が近似直線運動から外れる際に発生する分のサイドフォースFsを気体軸受GBによって支持する。本実施形態では、近似直線機構60にグラスホッパ機構を用いる。以下、近似直線機構60をグラスホッパ機構60という。
グラスホッパ機構60は、一端部がスターリングエンジン100の筐体100Cへ回動可能に取り付けられる第1腕62と、同じく一端部がスターリングエンジン100の筐体100Cへ回動可能に取り付けられる第2腕63と、一端部がコネクティングロッド61の端部と回動可能に連結され、他端部が第2腕63の他端部と回動可能に連結される第3腕64とで構成される。コネクティングロッド61は、クランク軸110と回動可能に取り付けられる端部とは異なる端部が、第3腕64の端部と回動可能に連結される。また、第1腕62の他端部は、第3腕63の両端部の間に、回動可能に連結される。
このようなグラスホッパ機構60を用いれば、高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lを略直線状に往復運動させることができる。その結果、ピストン20のサイドフォースFsがほとんど0になるので、負荷能力の小さい気体軸受GBによっても十分にピストン20を支持できる。なお、ピストン20を支持する近似直線機構はグラスホッパ機構60に限られるものではなく、ワットリンク等を用いてもよい。
ここで、グラスホッパ機構60は、他の直線近似機構に比べて、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の寸法が小さくて済むため、スターリングエンジン100全体がコンパクトになるという利点がある。特に、スターリングエンジン100を車両に搭載される内燃機関の排熱回収に用い、内燃機関の排ガスの通路に熱交換器108を配置するというような、限られたスペースにスターリングエンジン100を設置する場合、スターリングエンジン100の全体がコンパクトである方が設置の自由度は向上する。また、グラスホッパ機構60は、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の質量が他の機構よりも軽量で済むため、熱効率を向上させる点で有利である。さらに、グラスホッパ機構60は、機構の構成が比較的簡単であるため、製造・組み立てが容易であり、また製造コストも低減できるという利点もある。
図1に示すように、スターリングエンジン100を構成する高温側シリンダ30H、高温側ピストン20H、コネクティングロッド61、クランク軸110等の構成要素は、筺体100Cに格納される。スターリングエンジン100の筺体100Cは、クランクケース114Aと、シリンダブロック114Bとを含んで構成される。筺体100C内には気体が充填される。本実施形態において、前記気体は、スターリングエンジン100の作動流体と同一である。筺体100C内に充填される気体は、圧力調整手段であるポンプ115により加圧される。ポンプ115は、例えば、スターリングエンジン100の排熱回収対象である内燃機関によって駆動してもよいし、例えば電動機のような駆動手段を用いて駆動してもよい。
スターリングエンジン100は、ヒータ105とクーラー107との温度差が同じ場合、作動流体の平均圧力が高い程、高温側と低温側との圧力差が大きくなるので、より高い出力が得られる。スターリングエンジン100は、筺体100C内に充填される気体を加圧することにより、作動空間MS内の作動流体を高圧に保持して、スターリングエンジン100からより多くの出力を取り出すように構成してある。これによって、排熱回収のように低質な熱源しか用いることができない場合でも、より多くの出力をスターリングエンジン100から取り出すことができる。ここで、スターリングエンジン100の出力は、筺体100C内に充填される気体の圧力に略比例して大きくなる。
スターリングエンジン100は、筺体100Cにシール軸受116が取り付けられており、クランク軸110はシール軸受116により支持される。スターリングエンジン100は、筺体100C内に充填される気体を加圧するが、シール軸受116により、筺体100C内に充填される気体の漏れを最小限に抑えることができる。クランク軸110の出力は、例えば、オルダムカップリングのようなフレキシブルカップリング119を介して筺体100Cの外部へ取り出される。
図1、図2に示すように、本実施形態においては、高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lの側周部に設けた給気口HEから気体(本実施形態では作動流体と同じ空気)Aを吹き出して、気体軸受GBを形成する。図1、図2に示すように、高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lの内部には、それぞれ高温側ピストン内空間20HI及び低温側ピストン内空間20LIが形成される。両者を区別しない場合には、単にピストン内空間20Iという。
高温側ピストン20Hには、高温側ピストン内空間20HIへ気体Aを供給するための気体導入口HIが設けられており、低温側ピストン20Lには、低温側ピストン内空間20LIへ気体Aを供給するための気体導入口HIが設けられている。それぞれの気体導入口HIには、気体供給管118が接続されている。気体供給管118の一端は、気体軸受用ポンプ117に接続されており、気体軸受用ポンプ117から吐出される気体Aを高温側ピストン内空間20HI及び低温側ピストン内空間20LIへ導く。
高温側ピストン内空間20HI及び低温側ピストン内空間20LIへ導入された気体Aは、高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lの側周部に設けた給気口HEから流出して、気体軸受GBを形成する。なお、この気体軸受GBは、静圧気体軸受であるが、本実施形態において、気体軸受GBの構造はこれに限定されるものではなく、動圧気体軸受であってもよい。
また、高温側ピストン20H及び低温側ピストン20Lの頂面に気体取り込み孔を設けて、この気体取り込み孔から高温側ピストン内空間20HI及び低温側ピストン内空間20LIへ作動流体である気体Aを取り込み、給気口HEから流出させて気体軸受GBを構成してもよい。なお、本実施形態の気体軸受GBは静圧気体軸受であるが、動圧気体軸受を用いてもよい。
図3は、本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジンが備えるピストン及びシリンダの構成を示す拡大図である。図4−1は、本実施形態に係るピストンの構成を示す模式図である。図4−2は、本実施形態に係るシリンダの構成を示す模式図である。図3、図4−1、図4−2は、図1に示すスターリングエンジン100の高温側ピストン20H及び高温側シリンダ30Hであるが、次の説明では、便宜上単にピストン20、シリンダ30という。本実施形態に係るピストン及びシリンダの構成は、特に高温側ピストン20H及び高温側シリンダ30Hに適用することが好ましいが、図1に示す低温側ピストン20L及び低温側シリンダ30Lに適用してもよい。
ピストン20はシリンダ30内を往復運動する。ピストン20は、頂面20Ttと、頂面20Ttに接続する側周部20Sと、を含んで構成される。ピストン20の頂面20Ttは、ピストン20が作動流体と接する面である。また、ピストン20の頂面20Ttと反対側の端部が、ピストン20の頂面反対側端部20Btとなる。
シリンダ30の頂部側端部30Ttには、図1に示す熱交換器108のヒータ105の一端部が接続されている。シリンダ30の頂部側端部30Ttは、シリンダ30の二つの端部のうち、ピストン20が上死点にきたときに、ピストン20の頂面20Ttと最も近接する端部である。シリンダ30の頂部側端部30Ttと反対側の端部は、シリンダ30の頂部反対側端部30Btである。また、ピストン20の側周部20Sと対向するシリンダ30の面は、内周部30Sとなる。
ピストン20の頂面20Tt側の側周部20Sには、段差部(ピストン側段差部)Kpが設けられる。ピストン20の頂面20Ttからピストン側段差部Kpまでの距離は、L1である。ピストン20の頂面20Ttからピストン側段差部Kpまでにおけるピストン20の直径はDp1であり、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部20Btまでにおけるピストン20の直径はDp2である。
また、本実施形態において、上死点でのピストン20の頂面20Tt側の側周部20Sに対向するシリンダ30の内周部30Sには、段差部(シリンダ側段差部)Ksが設けられる。シリンダ30の頂部側端部30Ttからシリンダ側段差部Ksまでの距離はL2であり、L1<L2となる。また、シリンダ30の頂部側端部30Ttからシリンダ側段差部Ksまでにおけるシリンダ30の内径はDs1であり、シリンダ側段差部Ksからシリンダ30の頂部反対側端部30Btまでにおけるシリンダ30の内径はDs2である。
ピストン側段差部Kpは、ピストン20の頂面20Ttからピストン20の頂面反対側端部20Btに向かった所定位置に設けられる。これによって、ピストン側段差部Kpは、ピストン20の頂面20Ttからピストン20の頂面反対側端部20Btに向かって所定距離L1の位置までの部分におけるピストン20とシリンダ30との間に形成されるクリアランスtceを、所定距離L1の位置から頂面反対側端部20Btまでにおけるピストン20とシリンダ30との間に形成されるクリアランスtcよりも大きくする。ここで、所定距離L1の位置から頂面反対側端部20Btまでにおいてピストン20とシリンダ30との間に形成されるクリアランスtcには、気体軸受GBが介在する。なお、クリアランスtceは(Ds1−Dp1)/2であり、クリアランスtcは(Ds2−Dp2)/2である。
シリンダ側段差部Ksは、上死点でピストン20の頂面20Tt側の側周部20Sが対向するシリンダ30の内周部30Sに設けられる。これによって、シリンダ側段差部Ksは、ピストン20の頂面20Ttからピストン20の頂面反対側端部20Btに向かって所定距離L1の位置までの部分におけるピストン20とシリンダ30との間に形成されるクリアランスtceを、前記所定距離L1の位置から頂面反対側端部20Btまでにおけるピストン20とシリンダ30との間に形成されるクリアランスtcよりも大きくする。なお、ピストン側段差部Kpとシリンダ側段差部Ksとは、少なくとも一方をスターリングエンジン100に設ければよい。
図1に示す高温側ピストン20Hの頂面は、ヒータ105で加熱された高温の作動流体と接触するので熱膨張する。図1に示すスターリングエンジン100は、ピストン20とシリンダ30との間に気体軸受GBを形成するため、両者のクリアランスtcは数μm〜数10μmと小さく設定されている。このため、ピストン20が径方向に熱膨張すると、ピストン20とシリンダ30とが接触するおそれがある。そこで、本実施形態のように、ピストン側段差部Kp、あるいはシリンダ側段差部Ksを設けて、ピストン20が径方向へ熱膨張することによるピストン20とシリンダ30との接触を回避する。
図5は、スターリングエンジンの運転中におけるピストンの表面温度及び熱膨張を示す説明図である。図5は、スターリングエンジン(例えば図1に示すようなα型のスターリングエンジン)のピストン(高温側のピストン)200の表面温度(ピストン表面温度)Tp、ピストン200及びシリンダ(高温側のシリンダ)300の径方向における熱膨張のシミュレーション結果を示している。
図5の中央は、ピストン200の表面温度(ピストン表面温度)Tpを示しており、ピストン200の頂面200Ttに近づくにしたがってピストン表面温度Tpは上昇する。また、Tp_Kは、ピストン側段差部Kpでのピストン表面温度である。図5の左側は、スターリングエンジンを運転する前におけるピストン200及びシリンダ300の熱膨張の状態を示す。また、図5の右側は、スターリングエンジンの運転中におけるピストン200及びシリンダ300の熱膨張の状態を示す。図5の左側及び右側におけるRは、ピストンの中心軸(シリンダの中心軸と同じ)からの距離を示す。
スターリングエンジンの運転中においては、作動流体がピストン200の頂面200Ttへ定常的に熱を与えることにより、頂面200Ttから側周部200Sに向かう熱の流れが発生し、図5の中央に示すようなピストン表面温度Tpの温度勾配が形成される。ここで、ピストン側段差部Kpにおいては、ピストン200とシリンダ300とのクリアランスが急激に変化する。具体的には、ピストン側段差部Kpで、ピストン側段差部Kpよりも頂面反対側端部200Bt側でピストン200とシリンダ300とのクリアランスが急激に縮小する。これに起因して、図5の中央に示すように、ピストン側段差部Kpでは頂面200Ttへ向かってピストン表面温度Tpは急激に上昇する。
その結果、スターリングエンジンの運転中においては、図5の右側に示すように、ピストン200の径方向に向かうピストン側段差部Kpの熱膨張が他の部分よりも大きくなる。その結果、ピストン側段差部Kpで、ピストン200とシリンダ300とが接触してしまう。
そこで、本実施形態では、ピストン側段差部Kpから頂面反対側端部20Btへ向かう所定距離の範囲は、ピストン20とシリンダ30とのクリアランスが徐々に小さくなるように形成する。本実施形態では、ピストン20の側周部20Sに形成されるピストン側段差部Kpから頂面反対側端部20Btへ向かう所定距離の範囲を、ピストン側段差部Kpから頂面反対側端部20Btへ向かって徐々にピストン20の直径が大きくなるテーパー形状に形成する。このテーパー形状に形成されたピストン20の所定の範囲を、クリアランス徐変部(ピストン側クリアランス徐変部20J、図4−1)という。
ピストン側クリアランス徐変部20Jは、ピストン20の径方向に対する熱膨張の大きさに対応して、ピストン20の直径が徐々に変化する。より具体的には、ピストン側クリアランス徐変部20Jでは、径方向への熱膨張が最も大きいピストン側段差部Kp(図5参照)の直径を最も小さくする。そして、頂面反対側端部20Btへ向かって径方向への熱膨張は徐々に小さくなるので、ピストン側クリアランス徐変部20Jでは、これに対応させてピストン側段差部Kpから頂面反対側端部20Btへ向かって徐々にピストン20の直径が大きくなるようにピストン20の直径を徐々に変化させる。すなわち、ピストン側クリアランス徐変部20Jでは、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部20Btに向かってピストン20とシリンダ30とのクリアランスが徐々に小さくなる。
このとき、ピストン側段差部Kpにおける側周部20Sとシリンダ30の内周部30Sとのクリアランスを、ピストン側段差部Kpにおけるピストン20の径方向に向かう熱膨張が発生しても、ピストン20とシリンダ30とが接触しない程度の大きさとする。これによって、ピストン側段差部Kpにおけるピストン20の径方向に向かう熱膨張が発生しても、ピストン20とシリンダ30との接触を回避できる。
なお、ピストン側クリアランス徐変部20Jを設けた上で、シリンダ30の内周部30Sにもクリアランス徐変部を設けてもよい(図4−2のシリンダ側クリアランス徐変部30J)。すなわち、クリアランス徐変部は、少なくともピストン20の側周部20Sに設ける。シリンダ側クリアランス徐変部30Jを設ける場合、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、シリンダ30の内周部30Sに形成されるシリンダ側段差部Ksに設けられる。より具体的には、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、シリンダ側段差部Ksからシリンダ30の頂部反対側端部30Btに向かう所定距離の範囲に設けられる。これによって、シリンダ側クリアランス徐変部30Jでは、ピストン20が上死点にきたとき、ピストン20の側周部20Sとシリンダ30の内周部30Sとのクリアランスは、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部20Btに向かって徐々に小さくなる。次に、クリアランス徐変部についてより詳細に説明する。
図6、図7は、ピストンに設けたクリアランス徐変部の拡大図である。図6、図7は、ピストン中心軸Zpと平行かつピストン中心軸Zpを含む平面でピストン20を切ったときにおけるピストン20の断面(子午断面という)、及びシリンダ中心軸Zsと平行かつシリンダ中心軸Zsを含む平面でシリンダ30を切ったときにおけるシリンダ30の断面(子午断面という)を示している。
図6に示すように、ピストン側クリアランス徐変部20Jは、ピストン20の側周部20Sであって、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部20Bt(図4−1参照)へ向かって所定の距離L3の範囲に設けられる。ピストン側クリアランス徐変部20Jはピストン側段差部Kpを起点Vsとし、ピストン側段差部Kpからピストン20の頂面反対側端部20Bt(図4−1参照)へ向かって所定の距離L3の位置を終点Vfとする。ここで、距離L3を、クリアランス徐変部長さという。
図6に示すように、起点Vsにおけるピストン20の直径はDp3である。また、終点Vfにおけるピストン20の直径はDp2である。図7に示すように、本実施形態において、ピストン側クリアランス徐変部20Jは、起点Vs、すなわちピストン側段差部Kpにおけるピストン20の直径Dp3が最も小さい。すなわち、起点Vsにおいて、ピストン側クリアランス徐変部20Jとシリンダ30の内周部30Sとの距離(クリアランス徐変部最大寸法)δcが最も大きくなる。クリアランス徐変部最大寸法δcは、(Dp2−Dp3)/2で求めることができる。
図7に示すように、ピストン側クリアランス徐変部20Jの起点Vsと終点Vfとを結んだ直線Lsと、ピストン中心軸Zpとのなす角度のうち鋭角の方をテーパー角度θという。ここで、図7においては、説明の便宜上、ピストン中心軸Zpと平行な直線Lpをピストン中心軸Zpとみなしている。テーパー角度θは、クリアランス徐変部長さL3と、クリアランス徐変部最大寸法δcとを用いて、式(1)で求めることができる。
θ=tan−1(δc/L3)・・・(1)
ピストン20の径方向に向かう熱膨張によって、ピストン20とシリンダ30とが接触することを回避するためには、テーパー角度θを0.1度以上とすることが好ましい。また、テーパー角度θを大きくしすぎると、ピストン側クリアランス徐変部20Jでピストン20とシリンダ30とのクリアランスが急拡大することになる。その結果、気体軸受GBによる荷重支持領域が影響を受け、気体軸受GBの機能が十分に発揮されないおそれがある。かかる観点から、テーパー角度θは0.3度以下とすることが好ましい。
また、ピストン20の頂面20Ttから側周部20Sへ熱が逃げる領域が小さい場合(例えば、ピストン20の側周部20Sが薄い金属で構成される、ピストン中心軸Zpの方向における側周部20Sの寸法が短い等)、ピストン20の熱膨張は大きくなるので、この場合にはテーパー角度θを0.3度までの範囲で大きくする。本実施形態では、例えば、δcを20μm、L3を6mmとし、このときのテーパー角度θが約0.2度であるので、ピストン20とシリンダ30との接触を確実に回避できるとともに、気体軸受GBの機能も十分に発揮させることができる。
図7に示す直線Lpは、ピストン20の子午断面において、ピストン20の側周部20Sの延長線である。直線Lpは、側周部20Sに平行な直線であり、ピストン20の中心軸と平行な直線である。図7の一点鎖線は、図1に示すスターリングエンジン100の運転中において熱膨張したピストン20の、ピストン側段差部Kpよりも頂面反対側端部20Bt側の側周部を示している。これを熱膨張後側周部20S1という。
図7に示すように、本実施形態において、ピストン側クリアランス徐変部20Jは、ピストン20の子午断面において、起点Vsと終点Vfとを曲線で結んだ形状である。すなわち、ピストン側クリアランス徐変部20Jは、凸状の曲面でピストン20の側周部20Sに形成される。この場合、ピストン側クリアランス徐変部20Jの形状は、ピストン20の径方向に対する熱膨張を考慮して、前記熱膨張と相反する形状とすることが好ましい。
例えば、ピストン20の子午断面におけるピストン側クリアランス徐変部20Jは、直線Lpに対して熱膨張後側周部20S1の形状と線対称となる形状とすることが好ましい。すなわち、ピストン20の子午断面におけるピストン側クリアランス徐変部20Jの形状は、ピストン20の熱膨張後における形状と直線Lpで軸対称となることが好ましい。直線Lpは、ピストン20の子午断面において、熱膨張する前におけるピストン20の側周部20Sと平行(すなわちピストン中心軸Zpと平行)なので、図1に示すスターリングエンジン100の運転中においては、ピストン側クリアランス徐変部20Jが側周部20Sと略平行になる。その結果、ピストン20とシリンダ30との接触を回避できる。また、ピストン側クリアランス徐変部20Jにおけるピストン20とシリンダ30とのクリアランスは、気体軸受GBが形成される領域における前記クリアランスと同程度になるので、気体軸受GBによる荷重負荷領域が増加する。これによって、ピストン20は気体軸受GBによってより確実に支持されて、スターリングエンジン100が安定して運転される。
図8、図9は、ピストンに設けたクリアランス徐変部の変形例を示す拡大図である。図8に示すピストン20aのピストン側クリアランス徐変部20Jaは、ピストン20aの子午断面において、起点Vsと終点Vfとを複数(この例では3本)の直線l1〜l3で結んだ凸状の形状である。また、図9に示すピストン20bのピストン側クリアランス徐変部20Jbは、ピストン20bの子午断面において、起点Vsと終点Vfとを1本の直線l4で結んだ形状に形成される。
このように、ピストン20a、20bの子午断面において、ピストン側クリアランス徐変部20Ja、20Jbを直線、又は複数の直線を組み合わせて構成することにより、ピストン側クリアランス徐変部20Ja、20Jbを容易に形成できる。なお、いずれの場合でも、テーパー角度θは0.1度以上0.3度以下とすることが好ましい。これによって、図1に示すスターリングエンジン100の運転中においては、ピストン20とシリンダ30との接触を回避しつつ、気体軸受GBの機能を確実に発揮させることができる。
図10、図11は、シリンダに設けたクリアランス徐変部の拡大図である。図10、図11も、図6、図7と同様に、ピストン20の子午断面、及びシリンダ30の子午断面を示している。シリンダ30にもクリアランス徐変部を設ける場合、図10に示すように、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、シリンダ30の内周部30Sであって、シリンダ側段差部Ksからシリンダ30の頂部反対側端部30Bt(図4−2参照)へ向かって所定の距離L3の範囲に設けられる。シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、シリンダ側段差部Ksを起点Vsとし、シリンダ側段差部Ksからシリンダ30の頂部反対側端部30Bt(図4−2参照)へ向かって所定の距離L3の位置を終点Vfとする。上述したように、距離L3は、クリアランス徐変部長さである。
図10に示すように、起点Vsにおけるシリンダ30の内径はDs3である。また、終点Vfにおけるシリンダ30の内径はDs2である。図11に示すように、本実施形態において、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、起点Vs、すなわちシリンダ側段差部Ksにおけるシリンダ30の内径Ds3が最も大きい。すなわち、起点Vsにおいて、シリンダ側クリアランス徐変部30Jとピストン20の側周部20Sとの距離(クリアランス徐変部最大寸法)δcが最も大きくなる。クリアランス徐変部最大寸法δcは、(Ds3−Dp2)/2で求めることができる。
図11に示すように、シリンダ側クリアランス徐変部30Jの起点Vsと終点Vfとを結んだ直線Lsと、シリンダ中心軸Zsとのなす角度のうち鋭角の方をテーパー角度θという。ここで、図11においては、説明の便宜上、シリンダ中心軸Zsと平行な直線Lcをシリンダ中心軸Zsとみなしている。テーパー角度θは、クリアランス徐変部長さL3と、クリアランス徐変部最大寸法δcとを用いて、上述した式(1)で求めることができる。テーパー角度θは、0.1度以上0.3度以下とすることが好ましい。この理由は上述した通りである。これによって、ピストン20とシリンダ30との接触を確実に回避できるとともに、気体軸受GBの機能も十分に発揮させることができる。
図11に示す直線Lcは、シリンダ30の子午断面において、シリンダ30の内周部30Sの延長線である。直線Lcは、内周部30Sに平行な直線であり、シリンダ中心軸Zsと平行な直線である。図11に示すように、本実施形態において、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、シリンダ30の子午断面において、起点Vsと終点Vfとを曲線で結んだ形状である。すなわち、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、凸状の曲面でシリンダ30の内周部30Sに形成される。この場合、シリンダ側クリアランス徐変部30Jの形状は、ピストン20の径方向に対する熱膨張を考慮して、前記熱膨張に合わせた形状とすることが好ましい。
例えば、シリンダ30の子午断面におけるシリンダ側クリアランス徐変部30Jは、直線Lsに対して、図11、図7に示すピストン20の熱膨張後側周部20S1に沿った形状とすることが好ましい。これによって、図1に示すスターリングエンジン100の運転中においてピストン20が径方向へ熱膨張しても、ピストン20とシリンダ30との接触を回避できる。なお、シリンダ側クリアランス徐変部30Jは、上述したようなシリンダ30の子午断面において、起点Vsと終点Vfとを曲線で結んだ形状とされるものではない。例えば、図8、図9に示すように、シリンダ30の子午断面において、起点Vsと終点Vfとを単数又は複数の直線で結んだ形状としてもよい。
図12は、本実施形態に係るスターリングエンジンの運転中におけるピストンの表面温度及び熱膨張を示す説明図である。図12は、図1に示すスターリングエンジン100が備える高温側ピストン20Hのピストン表面温度Tp、高温側ピストン20H及び高温側シリンダ30Hの径方向における熱膨張のシミュレーション結果を示している。ここで、図12は、図4−1、図6、図7に示すピストン側クリアランス徐変部20Jのみを設けた高温側ピストン20Hでの結果である。なお、図12は、図1に示すスターリングエンジン100の高温側ピストン20H及び高温側シリンダ30Hについてのものであるが、次においては、説明の便宜上、単にピストン20、シリンダ30という。
図12の中央は、ピストン20の表面温度(ピストン表面温度)Tpを示している。図12の左側は、図1に示すスターリングエンジン100を運転する前におけるピストン20及びシリンダ30の熱膨張の状態を示す。また、図12の右側は、図1に示すスターリングエンジン100の運転中におけるピストン20及びシリンダ30の熱膨張の状態を示す。図5の左側及び右側におけるRは、図3に示すピストン中心軸Zp(シリンダ中心軸Zsと同じ)からの距離を示す。
図1に示すスターリングエンジン100の運転中においては、作動流体がピストン20の頂面20Ttへ定常的に熱を与えることにより、頂面20Ttから側周部20Sに向かう熱の流れが発生し、図12の中央に示すようなピストン表面温度Tpの温度勾配が形成される。この場合、ピストン側段差部Kpにおいては、ピストン20とシリンダ30とのクリアランスが急激に変化することに起因して、図12の中央に示すように、ピストン側段差部Kpでは頂面20Ttへ向かってピストン表面温度Tpは急激に上昇する。
図4−1、図6、図7に示すピストン側クリアランス徐変部20Jが設けられたピストン20では、ピストン側クリアランス徐変部20Jの部分におけるピストン20とシリンダ30とのクリアランスは気体軸受GBが形成される部分のクリアランスよりも大きい。このため、図1に示すスターリングエンジン100の運転中に、ピストン20の径方向に向かうピストン側段差部Kpの熱膨張が発生しても、ピストン側段差部Kpにおけるピストン20とシリンダ30との接触を回避できる。その結果、スターリングエンジン100が安定して運転される。
図13は、本実施形態に係るスターリングエンジンを内燃機関の排熱回収に用いる場合の構成例を示す模式図である。本実施形態では、スターリングエンジン100の出力を、スターリングエンジン用変速機5を介して内燃機関用変速機4へ入力し、内燃機関1の出力と合成して取り出す。
本実施形態において、内燃機関1は、例えば、乗用車やトラック等の車両に搭載されて、前記車両の動力源となる。内燃機関1は、前記車両の走行中においては主たる動力源として出力を発生する。一方、スターリングエンジン100は、排ガスExの温度がある程度の温度にならないと、必要最低限の出力を生み出すことができない。したがって、本実施形態において、スターリングエンジン100は、内燃機関1の排出する排ガスExの温度が所定温度を超えたら内燃機関1の排ガスExから熱エネルギーを回収して出力を発生し、内燃機関1とともに前記車両を駆動する。このように、スターリングエンジン100は、前記車両の従たる動力源となる。
スターリングエンジン100が備えるヒータ105は、内燃機関1の排気通路2内に配置される。なお、排気通路2内には、スターリングエンジン100の再生器(図1参照)106を配置してもよい。スターリングエンジン100が備えるヒータ105は、排気通路2に設けられる中空のヒータケース3内に設けられる。
本実施形態において、スターリングエンジン100を用いて回収した排ガスExの熱エネルギーは、スターリングエンジン100で運動エネルギーに変換される。スターリングエンジン100の出力軸であるクランク軸110には、動力断続手段であるクラッチ6が取り付けられており、スターリングエンジン100の出力は、クラッチ6を介してスターリングエンジン用変速機5に伝達される。
内燃機関1の出力は、内燃機関1の出力軸1sを介して内燃機関用変速機4に入力される。そして、内燃機関用変速機4は、内燃機関1の出力と、スターリングエンジン用変速機5から出力されるスターリングエンジン100の出力とを合成して、変速機出力軸9に出力し、デファレンシャルギヤ10を介して駆動輪11を駆動する。
ここで、動力断続手段であるクラッチ6は、内燃機関用変速機4とスターリングエンジン100との間に設けられる。本実施形態では、スターリングエンジン用変速機5の入力軸5sとスターリングエンジン100のクランク軸110との間に設けられる。クラッチ6は、係合、解放することによって、スターリングエンジン100のクランク軸110と、スターリングエンジン用変速機5の入力軸5sとの機械的な接続を断続する。ここで、クラッチ6は、機関ECU50によって制御される。
クラッチ6を係合すると、スターリングエンジン100のクランク軸110と内燃機関1の出力軸1sとは、スターリングエンジン用変速機5及び内燃機関用変速機4を介して直結される。これによって、スターリングエンジン100の発生する出力と内燃機関1の発生する出力とは、内燃機関用変速機4で合成され、変速機出力軸9から取り出される。一方、クラッチ6を開放すると、内燃機関1の出力軸1sはスターリングエンジン100のクランク軸110と切り離されて回転する。
図13に示すスターリングエンジン100が備えるピストン(少なくとも高温側ピストン)は、上述した構成を備える。これによって、高温の作動流体から定常的に熱を受けて径方向へ熱膨張しても、ピストン、シリンダの少なくとも一方に設けられる段差部におけるピストンとシリンダとのクリアランスの急激な減少を抑制して、ピストンとシリンダとの接触を回避できる。その結果、車両に搭載されるスターリングエンジン100が振動を受けてピストンとシリンダとのクリアランスが変化したとしても、ピストンの径方向に向かう熱膨張に起因して発生する、前記段差部におけるピストンとシリンダとのクリアランスの急激な減少の影響が低減される。
これによって、車両の走行中にスターリングエンジン100を運転している場合には、ピストンとシリンダとが接触するおそれを低減できるので、スターリングエンジン100を安定して運転できるとともに、ピストンやシリンダの耐久性低下を抑制できる。このように、本実施形態に係るスターリングエンジン100を、車両に搭載された内燃機関1の排熱回収に用いる場合には、安定して排熱を回収できるとともに、十分な耐久性を確保できる。
以上、本実施形態では、ピストンの頂面側でピストン−シリンダ間のクリアランスを拡大する構成において、ピストンとシリンダとの少なくとも一方に形成される段差部からピストンの下死点の方向(すなわちピストンの頂面とは反対側の端部の方向)に向かって所定の範囲を、ピストンとシリンダとのクリアランスが徐々に狭くなるテーパー形状に形成する。ここで、テーパー形状に形成される部分は、少なくともピストンに設けられる。これによって、段差部でピストンの径方向に向かう大きな熱膨張が発生した場合に、ピストンとシリンダとが接触するおそれを抑制して、安定してピストン機関を運転できる。特に、ピストンとシリンダとの間に気体軸受を介在させる構成においては、ピストンとシリンダとのクリアランスが非常に小さいため、ピストンの熱膨張によってピストンとシリンダとが接触しやすい。しかし、本実施形態によれば、ピストンとシリンダとが接触するおそれを抑制して、確実に気体軸受の機能を発揮させることができるので好ましい。
以上のように、本発明に係るピストン機関及びスターリングエンジンは、ピストンリングを用いないで気体軸受によってピストンをシリンダ内に支持するピストン機関に有用であり、特に、ピストンとシリンダとの接触を回避することに適している。
本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジンの構成を示す断面図である。 本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジンが備える気体軸受の構成例、及びピストンの支持構造を示す説明図である。 本実施形態に係るピストン機関であるスターリングエンジンが備えるピストン及びシリンダの構成を示す拡大図である。 本実施形態に係るピストンの構成を示す模式図である。 本実施形態に係るシリンダの構成を示す模式図である。 スターリングエンジンの運転中におけるピストンの表面温度及び熱膨張を示す説明図である。 ピストンに設けたクリアランス徐変部の拡大図である。 ピストンに設けたクリアランス徐変部の拡大図である。 ピストンに設けたクリアランス徐変部の変形例を示す拡大図である。 ピストンに設けたクリアランス徐変部の変形例を示す拡大図である。 シリンダに設けたクリアランス徐変部の拡大図である。 シリンダに設けたクリアランス徐変部の拡大図である。 本実施形態に係るスターリングエンジンの運転中におけるピストンの表面温度及び熱膨張を示す説明図である。 本実施形態に係るスターリングエンジンを内燃機関の排熱回収に用いる場合の構成例を示す模式図である。
符号の説明
20、20a、20b ピストン
20Bt 頂面反対側端部
20H 高温側ピストン
20J、20Ja、20Jb ピストン側クリアランス徐変部
20L 低温側ピストン
20S 側周部
20S1 熱膨張後側周部
20Tt 頂面
30 シリンダ
30Bt 頂部反対側端部
30H 高温側シリンダ
30J シリンダ側クリアランス徐変部
30L 低温側シリンダ
30S 内周部
30Tt 頂部側端部
60 グラスホッパ機構(近似直線機構)
100 スターリングエンジン
108 熱交換器
Kp ピストン側段差部
Ks シリンダ側段差部

Claims (15)

  1. シリンダ内を往復運動するピストンの頂面側の側周部と、上死点で前記ピストンの頂面側の側周部が対向する前記シリンダの内周部と、の少なくとも一方に設けられて、前記ピストンの頂面から前記ピストンの頂面反対側端部側の所定位置までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスを、前記所定位置よりも前記ピストンの頂面反対側端部までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスよりも大きくする段差部と、
    少なくとも前記ピストンの側周部に設けられて、前記段差部から前記ピストンの頂面反対側端部に向かって所定距離の範囲は、前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスが徐々に小さくなるように形成されるクリアランス徐変部と、
    を含むことを特徴とするピストン機関。
  2. シリンダ内を往復運動するピストンの頂面側の側周部と、上死点での前記ピストンの頂面側の側周部と対向する前記シリンダの内周部と、の少なくとも一方に設けられて、前記ピストンの頂面から前記ピストンの頂面反対側端部側の所定位置までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスを、前記所定位置よりも前記ピストンの頂面反対側端部までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスよりも大きくする段差部と、
    前記所定位置から前記ピストンの頂面反対側端部までにおいて、前記シリンダと前記ピストンとの間に形成されるクリアランスに介在する気体軸受と、
    少なくとも前記ピストンの側周部に設けられて、前記段差部から前記ピストンの頂面反対側端部に向かって所定距離の範囲は、前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスが徐々に小さくなるように形成されるクリアランス徐変部と、
    を含むことを特徴とするピストン機関。
  3. 前記段差部は、前記ピストンの側周部に設けられ、前記ピストンの頂面から前記段差部までにおける前記ピストンの直径は、段差部から前記頂面反対側端部までにおける前記ピストンの直径よりも小さく形成されるとともに、
    前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記ピストンの直径が小さくなるテーパー形状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のピストン機関。
  4. 前記ピストンの中心軸と、テーパー形状に形成される前記クリアランス徐変部とのなす角度のうち鋭角の方であるテーパー角度は、0.1度以上0.3度以下であることを特徴とする請求項3に記載のピストン機関。
  5. 前記ピストンの中心軸と平行かつ前記ピストンの中心軸を含む平面で前記ピストンを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の形状は、曲線で構成されることを特徴とする請求項3に記載のピストン機関。
  6. 前記ピストンの中心軸と平行かつ前記ピストンの中心軸を含む平面で前記ピストンを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の形状は、単一の直線、又は複数の直線を組み合わせて構成されることを特徴とする請求項3に記載のピストン機関。
  7. 前記ピストンの中心軸と平行かつ前記ピストンの中心軸を含む平面で前記ピストンを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部は、前記ピストンが熱膨張したときにおける、前記段差部よりも前記ピストンの頂面反対側端部側における側周部の形状と、前記ピストンが熱膨張する前における前記ピストンの側周部の延長線に対して線対称となるように形成されることを特徴とする請求項3に記載のピストン機関。
  8. 前記段差部は、前記シリンダの内周部に設けられ、前記シリンダの頂部側端部から段差部までにおける前記シリンダの内径は、前記段差部から前記頂部反対側端部までの内径よりも大きく形成されるとともに、
    前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記シリンダの内径が大きくなるテーパー形状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のピストン機関。
  9. 前記シリンダ中心軸と、前記クリアランス徐変部とのなす角度のうち鋭角の方であるテーパー角度は、0.1度以上0.3度以下であることを特徴とする請求項8に記載のピストン機関。
  10. 前記シリンダの中心軸と平行かつ前記シリンダの中心軸を含む平面で前記シリンダを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の外形は、曲線で構成されることを特徴とする請求項8に記載のピストン機関。
  11. 前記シリンダの中心軸と平行かつ前記シリンダの中心軸を含む平面で前記シリンダを切ったときの断面における前記クリアランス徐変部の外形は、単一の直線、又は複数の直線を組み合わせて構成されることを特徴とする請求項8に記載のピストン機関。
  12. 作動流体を加熱するヒータと、前記ヒータと接続されるとともに前記作動流体が通過する再生器と、前記再生器に接続されるとともに前記作動流体を冷却するクーラーとを含んで構成される熱交換器と、
    前記熱交換器を通過した作動流体が流入し、流出するシリンダと、
    前記シリンダ内を往復運動するピストンと、
    前記ピストンの頂面側の側周部と、上死点での前記ピストンの頂面側の側周部と対向する前記シリンダの内周部と、の少なくとも一方に設けられて、前記ピストンの頂面から前記ピストンの頂面反対側端部側の所定位置までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスを、前記所定位置よりも前記ピストンの頂面反対側端部までにおける前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスよりも大きくする段差部と、
    前記所定位置から前記ピストンの頂面反対側端部までにおいて、前記シリンダと前記ピストンとの間に形成されるクリアランスに介在する気体軸受と、
    少なくとも前記ピストンの側周部に設けられて、前記段差部から前記ピストンの頂面反対側端部に向かって所定距離の範囲は、前記ピストンと前記シリンダとのクリアランスが徐々に小さくなるように形成されるクリアランス徐変部と、
    を含むことを特徴とするスターリングエンジン。
  13. 前記段差部は、前記ピストンの側周部に設けられ、前記ピストンの頂面から前記段差部までにおける前記ピストンの直径は、段差部から前記頂面反対側端部までにおける前記ピストンの直径よりも小さく形成されるとともに、
    前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記ピストンの直径が小さくなるテーパー形状に形成されることを特徴とする請求項12に記載のスターリングエンジン。
  14. 前記段差部は、前記シリンダの内周部に設けられ、前記シリンダの頂部側端部から段差部までにおける前記シリンダの内径は、前記段差部から前記頂部反対側端部までの内径よりも大きく形成されるとともに、
    前記クリアランス徐変部は、前記段差部に向かうにしたがって前記シリンダの内径が大きくなるテーパー形状に形成されることを特徴とする請求項12に記載のスターリングエンジン。
  15. 前記ピストンは、近似直線機構によって支持されることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のスターリングエンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012172672A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Toyota Motor Corp スターリングエンジンの気体導入構造
JP2015503700A (ja) * 2011-12-29 2015-02-02 エタジェン, インコーポレイテッド ピストン機関の隙間を管理する方法およびシステム

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