JP2009123928A - テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な柔軟性や高い絶縁信頼性や優れた耐熱性を有しながら且つパッケージ全体として高い放熱性を得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を提供する。
【解決手段】厚さ5〜75μmの絶縁フィルム1の表面に形成された配線パターン3の少なくとも一部を保護するための厚さが3〜50μmの絶縁保護層9を備え、(1)絶縁フィルム1の熱伝導率が0.1〜3.0W/mKであり、(2)絶縁保護層9が、フィルムとして25℃での弾性率が50〜1500MPa、破断伸度が10〜200%であり、且つ熱伝導率が15〜500W/mK、熱水抽出でアルカリ金属イオンとハロゲンイオンの合計が400μg/g以下、数平均粒径が0.1〜10μmの電気絶縁性の無機微粒子を25〜45体積%の割合で含有する硬化樹脂組成物によって構成されているテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
【選択図】図1

Description

本発明はテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板及びテープキャリアパッケージに関する。特に、絶縁保護層に特定の無機微粒子を含有することによって放熱性が改良された、高密度化電子部品や高機能化電子部品の実装に好適なテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板に関する。
このテープキャリアパッケージ用配線板は、十分な柔軟性や高い絶縁信頼性や優れた耐熱性を有しながら且つパッケージ全体として高い放熱性を得ることができるので、動作温度が高い高密度電子部品や高機能電子部品を実装したテープキャリアパッケージとして好適に使用することができる。
テープキャリアパッケージは、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板に、半導体チップなどの電子部品を、例えばTAB(Tape Automated Bonding)やCOF(Chip On Film)などの方式によって搭載したパッケージである。このテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、絶縁フィルムの表面に配線パターンが形成され、さらに配線パターン表面がインナーリードやアウターリードなどの接続部を除いて電気絶縁性の絶縁保護層によって保護されている。
テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の絶縁保護層は、十分な柔軟性や高い絶縁信頼性や優れた耐熱性等の諸特性が求められ、ポリウレタン樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂組成物、ポリイミド系樹脂組成物などの熱硬化性或いは光硬化性樹脂組成物からなる塗膜を硬化することによって形成されている。特許文献1、特許文献2にポリウレタン樹脂組成物が、特許文献3にポリアミドイミド樹脂組成物が、特許文献4にポリイミドシロキサン樹脂組成物が、特許文献5に変性ポリイミド樹脂組成物が絶縁保護層用組成物として開示されている。
特許文献6には、酸化アルミニウム粒子を60容量%以上含有するプリント配線板用絶縁性硬化性樹脂組成物が提案されている。ここで開示されているのはエポキシ系樹脂組成物などであり、パッケージ基板用絶縁層や表面実装型発光ダイオードの樹脂絶縁層などのリジッドな部品に適用されるものであった。
特開平11−61037号公報 特開2007−39673号公報 特開平11−12500号公報 特開2004−211064号公報 特開2006−307183号公報 特開2007−49064号公報
近年、配線板に実装される電子部品の高密度化や高機能化が急速に進んでおり半導体チップなどの電子部品の動作温度は上昇傾向にある。テープキャリアパッケージに実装される電子部品も同様に高密度化や高機能化が進んでいる。このため、動作温度が高い高密度電子部品や高機能電子部品を実装した場合に、テープキャリアパッケージの放熱性はより重要になってくると考えられる。
しかしながら、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板の絶縁保護層に特定の無機微粒子を含有することによって放熱性が改良された高密度化電子部品、高機能化電子部品の実装に好適なテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板およびテープキャリアパッケージは従来知られていなかった。
したがって、本発明の目的は、動作温度が高い高密度電子部品や高機能電子部品を実装した場合でも、発熱による問題が生じない放熱性が改良されたテープキャリアパッケージを容易に得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板、すなわち、十分な柔軟性や高い絶縁信頼性や優れた耐熱性を有しながら且つパッケージ全体として高い放熱性を得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を提供することである。
本発明は、以下の事項に関する。
1. 少なくとも、厚さ5〜75μmの絶縁フィルムと、前記絶縁フィルム表面に形成された金属箔からなる配線パターンと、前記配線パターンの少なくとも一部を保護するための厚さが3〜50μmの絶縁保護層とを備えたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板であって、
(1)前記絶縁フィルムの熱伝導率が0.1〜3.0W/mKであり、
(2)前記絶縁保護層が、
(a)熱伝導率が15〜500W/mK、熱水抽出でアルカリ金属イオンとハロゲンイオンの合計が400μg/g以下、数平均粒径が0.1〜10μmの電気絶縁性の無機微粒子を25〜45体積%、および(b)硬化樹脂成分を含有し、且つフィルムとして25℃での弾性率が50〜1500MPa、破断伸度が10〜200%である硬化樹脂組成物によって構成されていること
を特徴とする放熱性が改良され且つ電気絶縁性が良好なテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
2. 無機微粒子が、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機微粒子であることを特徴とする上記1記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
3. 無機微粒子が、不純物の酸化ナトリウムの含有率が0.01重量%以下のアルミナであることを特徴とする上記1または2記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
4. 絶縁膜保護層を構成する硬化樹脂成分が、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂組成物およびポリイミドシロキサン樹脂組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂組成物であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
5. 上記1〜4のいずれかのテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を用いて形成されたことを特徴とするテープキャリアパッケージ。
6. 硬化性樹脂成分中に、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の、数平均粒径が0.1〜10μmの無機微粒子であって、熱水抽出でアルカリ金属イオンとハロゲンイオンの合計が400μg/g以下の無機微粒子を固形成分中25〜45体積%になるように含んだ硬化性樹脂組成物であって、硬化後の硬化樹脂組成物の熱伝導率が0.6〜10W/mKであることを特徴とする絶縁保護層用硬化性樹脂組成物。
7. 無機微粒子が、不純物の酸化ナトリウムの含有率が0.01重量%以下のアルミナであることを特徴とする上記6記載の絶縁保護層用硬化性樹脂組成物。
8. 前記硬化性樹脂成分が、変性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリイミドシロキサン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする上記6または7記載の絶縁保護層用硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、動作温度が高い高密度電子部品や高機能電子部品を実装した場合でも、発熱による問題が生じない放熱性が改良されたテープキャリアパッケージを容易に得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板、すなわち、十分な柔軟性や高い絶縁信頼性や優れた耐熱性を有しながら且つパッケージ全体として高い放熱性を得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を提供することができる。
テープキャリアパッケージに実装された電子部品は金属箔などからなる配線パターンに接続されている。したがって、電子部品で発生した熱は配線パターンを介して放熱することが可能である。本発明者らはこの点に着目して種々検討した結果、テープキャリアパッケージにおいては、配線パターンの表面を保護している絶縁保護層に特定の無機微粒子を含有することによって放熱性を改良すれば、テープキャリアパッケージ全体としての放熱性が大幅に改良できることを見出して本発明に到達した。
尚、本明細書において、一般に、用語「硬化樹脂」及び「硬化樹脂成分」は、硬化した後の状態(cured product)を表し、用語「硬化性樹脂」及び「硬化性樹脂成分」における「硬化性」は硬化可能な状態(curable)を表す。
まず、図面を参照して、本発明の柔軟性配線板の構造について説明する。図1は本発明のテープキャリアパッケージの代表的な一例を部分的に示す概略の平面図であり、図2は、図1のA−A’線における部分的な断面図である。絶縁フィルム1の表面に接着剤層2によって配線パターン3が接着されている。配線パターン3は、デバイスホール4においてインナーリード3aが形成され、折り曲げスリット5を横切っており、端部では他の部品と接続するためのアウターリード3bが形成されている。インナーリード3aには、バンプ6によって半導体チップ7が接続されている。折り曲げスリット5を横切っている配線パターン3の片方の表面には、それを保護するためのフレックス樹脂層8が形成されており、さらに配線パターン3が形成された領域の、前記のインナーリード3aやアウターリード3bが形成された領域を除いた主たる表面には、絶縁保護層(ソルダーレジスト、オーバーコート層)9が形成されて配線パターンが保護されている。またインナーリード3aと接続された半導体チップ7は、半導体封止樹脂10によって封止されて保護されている。パッケージ端には、パーフォレーションホール(スプロケットホール)11、テストパッド(配線パターン)3cが設けられている。
なお、本発明のテープキャリアパッケージは図1、2に示した具体例に限定されるものではない。図1、2では、折り曲げスリットが2ケ所に形成された例を示したが、折り曲げスリットは1ケ所でも複数ケ所でも構わない。また、形成されていなくても構わない。また、折り曲げスリットを横切った配線パターンの片方表面(裏面)だけがフレックス樹脂層で覆われているが、片側表面だけでなく両面ともフレックス樹脂層で覆われていても構わない。
図3は、COF技術によるテープキャリアパッケージの代表的構造を示す概略の平面図であり、図4は、図3のB−B’線における概略の断面図である。絶縁フィルム12の表面に配線パターン13が接着されている。配線パターン13には、半導体チップを接続するためのインナーリード13a、他の部品と接続するためのアウターリード13bが形成されている。インナーリード13aは、バンプ14によって半導体チップ15が接続されている。配線パターン13が形成された領域の、前記のインナーリード13aやアウターリード13bが形成された領域を除いた主たる表面には、絶縁保護層(ソルダーレジスト、オーバーコート層)16が形成されて配線パターンが保護されている。またインナーリード13aと接続された半導体チップ15は、アンダーフィル材17によって封止されて保護されている。パッケージ端には、パーフォレーションホール(スプロケットホール)18、テストパッド(配線パターン)13cが設けられている。
本発明において、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板とは、テープキャリアパケージのうち、半導体チップなどの電子部品やそれらを保護するための封止樹脂などを除いた(およびそれらが形成される前の)、絶縁フィルムの表面に配線パターンが形成され、前記配線パターンのうちインナーリードやアウターリードなどの接続部を除いた、配線パターンが形成された領域の少なくとも一部が電気絶縁性のオーバーコート層によって保護された柔軟性を有する配線板をいう。即ち、テープキャリアパケージ中に存在するものと、テープキャリアパケージ用に提供されるものの両方を意味する。テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、必要に応じて接着剤層やフレックス樹脂層などを含んで形成されている。
通常、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、両端部に配列された一対のパーフォレーションホール(スプロケットホール)を有する長尺の絶縁フィルム上に形成されている。実装工程では、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板はしばしばリール巻きから連続的に取り出されて、半導体チップなどの電子部品の実装、封止樹脂による封止、必要に応じてハンダ処理などがされてテープキャリアパケージが形成される。実装工程では、供給するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板のみならず、実装工程を経て形成されたテープキャリアパケージもリール巻きで巻き取られる、リールツーリール方式が採用されることもある。
本発明で使用される絶縁フィルムは、耐熱性の絶縁フィルムであって、絶縁破壊強さが大きく且つ誘電正接が小さく、耐熱性が高く、可撓性があり且つ適度な剛性を有し、耐薬品性があり、熱収縮率が小さく且つ吸湿に対する寸法安定性に優れた耐熱性ポリマーからなるフィルムが好ましい。好ましくは芳香族ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドイミドフィルム、芳香族ポリエステルフィルムであり、特に芳香族ポリイミドフィルムである。具体的には、宇部興産株式会社製のユーピレックスやデュポン社製のカプトンなどを好適に例示することができる。通常は5〜75μm厚のものが好適に用いられる。これらのポリイミドフィルムの熱伝導率は0.1〜0.3程度である。
配線パターンは導電性の金属箔によって形成される。金属箔としては銅箔やアルミ箔などが好適である。銅箔は圧延銅箔でも電解銅箔でも構わない。配線パターンの厚みは2〜100μmのものが好適に用いられる。また配線パターンは、線幅が1〜500μm特に5〜300μm程度、線間隔が1〜500μm特に5〜400μm程度のものが好適に用いられる。
絶縁フィルムと配線パターンとは直接積層される場合もあるが、接着剤層を介して積層される場合もある。接着剤層は、接着力、絶縁信頼性、耐熱性および耐薬品性が優れ、又硬化後の反りが小さく、平面性に優れたエポキシ系接着剤又はフェノール系接着剤を好適に用いることができる。特に可撓性に優れる変性エポキシ樹脂接着剤が好適であり、具体的には、東レ株式会社製の接着剤フィルムである#7100、#8200、#8600などを好適挙げることができる。接着剤層は1〜30μm特に2〜20μm程度の厚さで好適に用いられる。
また、TAB方式のテープキャリアパッケージ用配線板では、絶縁フィルムに折り曲げスリットが形成される。折り曲げスリット部は配線パターンが横切っているので、その配線パターンを保護するためにフレックス樹脂層が設けられる。フレックス樹脂層は、折り曲げスリット部に印刷などの方法によって容易に塗布が可能であって、基材との密着性が良好で、硬化後の絶縁信頼性、密着性、耐熱性及び耐薬品性が良好であり、反りが小さくて平面性に優れ、折り曲げスリット部を折り曲げても、剥離や破断を生じないで十分用いることができる柔軟性や可撓性を有する硬化性樹脂組成物によって好適に形成される。具体的には、例えばポリウレタン樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂組成物、又はポリイミドシロキサン樹脂組成物の硬化物、中でも特にポリイミドシロキサン樹脂組成物の硬化物が好適に用いられる。具体的には、宇部興産株式会社製のポリイミドシロキサン樹脂組成物からなるユピコートFS−100Lを好適に挙げることができる。なお、フレックス樹脂層は折り曲げスリットを横切った配線パターンの厚さの0.2〜5倍程度の厚さであることが好ましく、0.5〜200μm特に1〜100μm更に5〜50μm程度の厚さで好適に用いられる。
絶縁保護層は、配線パターンの表面と配線パターン間のスペースとを含む配線パターン領域の表面を覆った保護膜である。絶縁保護層は、印刷などの方法によって塗布され、次いで乾燥及び加熱或いは光照射などによって硬化する硬化性樹脂組成物によって好適に形成される。絶縁保護層には、反りが小さくて平面性に優れ、絶縁フィルムや配線パターンとの密着性が良好であり、優れた電気絶縁信頼性、耐熱性、耐メッキ性、耐スズ潜り性、耐薬品性、耐溶剤性(例えば、アセトンに対する耐溶剤性)、耐屈曲性(折り曲げても剥離や白化を生じない)、封止樹脂(アンダーフィルなども含む)との良好な密着性などの諸特性が要求される。
すなわち、本発明において、絶縁保護層は、フィルムとして25℃での弾性率が50〜1500MPa、破断伸度が10〜200%である。この範囲から外れると、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板として求められる反りや平面性などの特性を達成できなくなる。
絶縁保護層の厚さは、好ましくは3〜50μmである(材料については後述する。)。
また、封止樹脂やアンダーフィル材は半導体チップを実装した後で半導体チップを保護する目的で用いられるものであり、特に限定されないが通常はエポキシ系樹脂組成物が用いられる。
本発明において、絶縁保護層を構成する硬化樹脂組成物は、少なくとも(b)硬化樹脂成分と共に、(a)硬化樹脂組成物の全体に対して25〜45体積%の割合で、熱伝導率が15〜500W/mKで平均粒径(レーザー回折散乱法で測定した数平均粒径)が0.1〜10μmの電気絶縁性の無機微粒子とを含有する。
この無機微粒子は、絶縁保護層の熱伝導率を改良する役割を有する。無機微粒子の熱伝導率が15W/mK未満であったり、無機微粒子の含有量が25体積%未満であったりした場合には、テープキャリアパッケージとして十分な放熱性の改良を達成できない。無機微粒子の平均粒径は10μmを越えると配線パターン間の電気絶縁性に悪影響があって絶縁信頼性が低下することがあり、0.1μm未満では硬化性樹脂組成物にするときに分散性が低下するし絶縁保護層を形成する際に反りを生じやすくするので好ましくない。また、無機微粒子の平均粒径が10μmを越えたり、無機微粒子の含有量が45体積%を越えたりした場合には、折り曲げた際に絶縁保護層にクラックが入り易くなって、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板として求められる平面性や耐屈曲性などの特性を達成できなくなる。熱伝導率が15〜500W/mKで平均粒径が0.1〜10μmの無機微粒子が絶縁保護層の25体積%以上になるとテープキャリアパッケージとして放熱性が大幅に改良される。
電気絶縁性の無機微粒子の添加は、絶縁保護層の絶縁信頼性に良好な影響が期待できるはずであるが、本発明で用いる無機微粒子は、さらに熱水抽出した場合のアルカリ金属イオンとハロゲンイオンとの合計量が400μg/g以下であることが必須である。熱水抽出した場合のアルカリ金属イオンとハロゲンイオンとの合計量が400μg/gを越える無機微粒子を用いると、絶縁保護層の絶縁信頼性が低下するので信頼性が高いテープキャリアパッケージを得ることができなくなる。アルカリ金属イオンとハロゲンイオンとの合計量は、好ましくは200μg/g以下、より好ましくは150μg/g以下、さらに好ましくは100μg/g以下、特に50μg/g以下、最も好ましくは10μg/g以下である。
本発明において、無機微粒子は前記の特性を有するものであれば特に限定されない。このような無機微粒子として、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、ベリリア(酸化ベリリウム)、マグネシア(酸化マグネシウム)、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、膨張性黒鉛、カーボンナノチューブが挙げられる。分散性や着色性から、好ましくは、アルミナ(酸化アルミニウム)、マグネシア(酸化マグネシウム)、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が好適である。これらは、1種のみ使用しても良く、または2種以上を混合して用いても良い。
前記の無機微粒子の中で、アルミナ(酸化アルミニウム)は、絶縁保護層に25〜45体積%含んだ場合に、柔軟性(低弾性率)、低反り性、折り曲げ性、耐溶剤性が良好であるために好適である。さらに、酸化ナトリウムの含有率が0.01重量%以下のアルミナが特に好適である。アルミナ中に酸化ナトリウムが含まれると、高湿度雰囲気下で高い塩基性を示し、絶縁保護層の加水分解を促進したり、絶縁保護層でナトリウムイオンを発生したりして絶縁信頼性を低下させる。また、アルミナ中の鉄分も0.01重量%以下であることがより好ましい。
前記のアルミナとしては、例えば電気化学工業株式会社製球状アルミナDAW03、ASFP20、ASFP30、日本軽金属株式会社製高純度アルミナ、住友化学株式会社高純度アルミナなどを好適に挙げることができる。
無機微粒子の形状については特に限定はない。例えば球状、板状、鱗片状、針状、立方体状などが挙げられる。球状の場合は、硬化性樹脂組成物の流動性や絶縁保護層の弾性率を好適に制御できるので好ましい。
また、無機微粒子は、その表面がシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されたものも好適に用いることができる。
絶縁保護層の無機微粒子の含有量(体積%)は、無機微粒子を除く絶縁保護層硬化樹脂組成物の体積Vと、無機微粒子の添加後の体積Vから、以下のように求めた。
無機微粒子量(体積%)=(V−V)/V×100
(尚、一般に樹脂、アルミナ、溶融シリカの比重は、1.0、4.0、2.2である。)
本発明において、絶縁保護層を構成する硬化樹脂組成物に含有される(b)硬化樹脂成分は、上記無機微粒子を所定量だけ含有して前記の特性を満たすものであれば特に限定されるものではない。テープキャリアパッケージの絶縁保護層(ソルダーレジスト、オーバーコート層)用に通常使用されている硬化性樹脂組成物を用いて好適に形成することができる。この硬化性樹脂組成物は、熱硬化性でも光硬化性でもよく、熱硬化性と光硬化性とを併せ有した樹脂組成物であってもよい。熱硬化性樹脂組成物としては、出典明示して本明細書の一部とみなす特許文献1〜5に記載されているポリウレタン樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂組成物、ポリイミドシロキサン樹脂組成物、或いは変性ポリイミド樹脂組成物などを好適に挙げることができる。これらの樹脂組成物では、熱硬化させるためのエポキシ樹脂や多価イソシアネートが硬化成分として好適に含有されている。光硬化性樹脂組成物では、樹脂成分にアクリレートやメタクリレートなどの感光性基が導入されている。
本発明の絶縁保護層を形成するために好適に用いることができる硬化性樹脂組成物は、スクリーン印刷などの方法によって薄い膜厚の塗膜を形成して硬化させるものであり、通常は溶液組成物である。
本発明では、固形分濃度が20〜95質量%程度の溶液組成物が好適に用いられ、その溶液粘度は、特に限定するものではないが、室温(25℃)での溶液粘度が5〜1000Pa・s特に10〜100Pa・s更に10〜60Pa・sであることがスクリーン印刷などの作業性や溶液物性、得られる硬化絶縁層の特性などから適当である。
溶液組成物の溶媒としては、好適には、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど;含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど;含酸素溶媒、例えばフェノール系溶媒のクレゾール、フェノール、キシレノールなど;ジグライム系溶媒のジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラグライムなど;ケトン系溶媒のアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、シクロヘキサノン、イソホロン;、エーテル系溶剤のエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど;ラクトン系溶媒のγ−ブチロラクトンなど、を挙げることができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどを好適に使用することができる。
また、硬化性樹脂組成物は、通常の絶縁保護層(ソルダーレジスト、オーバーコート)用硬化性樹脂組成と同様に熱伝導率15W/mK未満の無機微粒子(シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウムなど)、硬化触媒、有機着色顔料、無機着色顔料などの顔料、消泡剤やレベリング剤、防錆剤、イオン交換体や難燃剤などを含有してもよい。
絶縁保護層は、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷などの方法によって配線パタ−ンを有する絶縁フィルムのパタ−ン面に、乾燥膜の厚さが0.5〜200μm程度特に3〜50μm程度の厚さになるようにスクリ−ン印刷などによって印刷して塗布し、次いで80〜210℃程度好適には100〜200℃で0.1〜120分間好適には1〜60分間程度で加熱処理するか或いは光照射し必要に応じて加熱による後硬化を行うことによって硬化させて形成される。加熱処理はヒーターによる加熱のほかに遠赤外線などを用いた加熱も採用される。
絶縁保護層は、配線パターン間のスペースを良好に埋め込み、25℃での初期弾性率が50〜1500MPa程度の柔軟性を有し、十分なレベルの電気絶縁信頼性、低反り性、ボンディング耐熱、耐溶剤性(例えばアセトン)及び折り曲げ性を有する。さらに好ましくは、基材及び封止樹脂(アンダーフィルなども含む)との密着性、耐メッキ性、スズ潜りなどの諸特性が良好であることが好適である。本発明のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板では、絶縁保護層が前記のような良好な諸特性を有しながら且つ熱伝導率を向上ができる。
本発明のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、特に好ましくは、絶縁保護層が、アルミナを含有したポリウレタン樹脂組成物、特にポリブタジエンジオール及び/又はポリカーボネートジオールとイソシアネート化合物との組合せからなるポリウレタン樹脂組成、ポリアミドイミド樹脂組成物、ポリイミドシロキサン樹脂組成物、ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂組成物、或いはブタジエン変性ポリイミド樹脂組成物で形成されたものである。その結果、熱伝導率を向上でき且つ絶縁保護層として要求される諸特性が良好なものである。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例において測定、評価は次の方法で行った。
〔無機微粒子中のアルカリ金属イオン、ハロゲンイオン量〕
無機微粒子1.00gに超純水50.0gを加え、プレッシャークッカー(アルプ株式会社製高温蒸気滅菌器 CL−32S)を用い、121℃、100%RHの環境下で24時間抽出した。この抽出液をろ過後、イオンクロマトグラフ(ダイオネクス株式会社製 DX−500、DX−300)を用い、アルカリ金属イオン、ハロゲンイオンを定量した。無機微粒子に含まれるアルカリ金属イオン、ハロゲンイオン量を表1に示す。
〔熱伝導率〕
80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理して、厚さがおよそ100μmになるように硬化させたシート状試料を作成した。この熱拡散率(α)を周期加熱法熱拡散率測定装置(ULVAC理工株式会社製FTC−1)を用い測定した。また、シート状試料の密度(ρ)をアルキメデス法にて測定し、比熱(c)を示差走査熱量測定装置(株式会社パーキンエルマージャパン製Diamond DSC)を用い測定した。
熱伝導率は下記の式から計算した。
熱伝導率(λ)=熱拡散率(α)×密度(ρ)×比熱(c)
〔弾性率、破断伸度、破断強度〕
80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理して、厚さがおよそ100μmになるように硬化させたシート状試料を、幅1cm、長さ7cmに切り出して試験に用いた。温度25℃、湿度50%RH、クロスヘット速度50mm/分、チャック間距離5cmで測定した。
〔絶縁信頼性〕
フレキシブル積層板(住友金属鉱山株式会社製2層めっき基板(商品名:S’PERFLEX US)をエッチングした絶縁信頼性評価用櫛形基板(銅配線幅/銅配線間幅=15μm/15μm)に、絶縁保護層用組成物を塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間熱硬化し、絶縁層が厚さ10μmに塗布された基板を得た。その基板を120℃、相対湿度85%の雰囲気下において100Vのバイアス電圧を印加し、以下の基準で絶縁信頼性を評価した。
○:100時間以上マイグレーション、抵抗値の低下ともになし。
×:100時間以内にマイグレーションまたは抵抗値の低下(<10Ω)あり。
〔低反り性〕
宇部興産製ポリイミドフィルム(ユーピレックス35SGA)に絶縁保護層用組成物を塗布し、80℃で30分間次いで120℃で90分間加熱処理し、約10μm厚の絶縁層を形成した。このポリイミド上硬化絶縁層を5cm×5cmにカットし、4角の高さの平均を求め、以下の基準で低そり性を評価した。
○:4角の高さの平均が0.5mm未満。
×:4角の高さの平均が0.5mm以上。
〔ボンディング耐熱性〕
フレキシブル積層板(住友金属鉱山株式会社製2層めっき基板(商品名:S’PERFLEX US)をエッチングした基板(銅配線幅/銅配線間幅=50μm/50μm)に、21mm×3mmの空白部(IC実装部)を除き、絶縁保護層用組成物を塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間熱硬化し、絶縁層が厚さ10μmに塗布された基板を得た。この基板の絶縁保護層用組成物が塗布されていない空白部に450℃に設定されたボンディングツール(日本アビオニクス株式会社製精密パルスヒートユニットNA−62D、20mm×2mm、荷重3kg)を2秒間押し当てた後、顕微鏡で観察し、以下の基準でボンディング耐熱性を評価した。
○:膨れ、黒色化等の異常なし。
×:膨れまたは黒色化あり。
〔耐溶剤性〕
厚さ35μmの電解銅箔の光沢面に絶縁保護層用組成物を塗布し、80℃で30分間次いで120℃で60分間加熱処理し、厚さ10μmの絶縁層を形成した。この絶縁層をアセトンに30分間浸漬した後、アセトンをつけた綿棒で10回ラビング(荷重約300g)し、以下の基準で外観を評価した。
○:異常なし。
×:剥がれまたは膨潤あり。
〔折り曲げ性〕
フレキシブル積層板(住友金属鉱山株式会社製2層めっき基板(商品名:S’PERFLEX US)をエッチングした基板(九十九折型パターン、サンプルサイズ20mm×10mm、銅配線幅/銅配線間幅=30μm/30μm)に、絶縁保護層用組成物を塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間熱硬化し、絶縁層が厚さ10μmに塗布された基板を得た。この基板をMIT試験機(株式会社 東洋精機製作所製MIT−DA、折り曲げ径R0.38mm、振り角135°、荷重300g)を用い、配線に微弱電流をながし断線するまでの回数を記録した。
○:30回以上、断線なし。
×:30回未満で断線。
以下の各例で使用した化合物、硬化剤、硬化触媒、無機微粒子、フレキシブル積層板について説明する。
〔テトラカルボン酸〕
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
〔有機溶剤〕
γ―ブチロラクトン
エタノール
〔ジアミン化合物〕
イソホロンジアミン
〔アルコール性水酸基を1個有するモノアミン〕
3−アミノプロパノール
〔ポリカーボネートジオール〕
クラレポリオールC−2015N(株式会社クラレ製、平均分子量1958)
クラレポリオールC−2090R(株式会社クラレ製、平均分子量1970)
〔ジイソシアネート化合物〕
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
〔反応性極性基含有ジオール〕
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸
〔エポキシ樹脂〕
エポリード2021P(ダイセル化学工業株式会社製、エポキシ当量:128〜145)
〔ブロックイソシアネート〕
タケネートB830(三井武田ケミカル株式会社製、NCO(wt%):7.0、固形分55%)
〔硬化触媒〕
DBU(アルドリッチ株式会社製、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン)
キュアゾール2E4MZ(四国化成工業株式会社製、2−エチル−4−メチルイミダゾール)
〔フェノール樹脂〕
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂H−1(明和化成株式会社製)
〔無機微粒子(アルミナ)〕
球状アルミナ DAW03(電気化学工業株式会社製 比表面積(BET法):11.2m/g 平均粒径4.2μm)
球状アルミナ ASFP30(電気化学工業株式会社製 比表面積(BET法):6.4m/g 平均粒径1.7μm)
ローソーダアルミナ LS−242(日本軽金属株式会社製 比表面積(BET法):6.4m/g 平均粒径1.7μm)
〔無機微粒子(シリカ)〕
アエロジル R972(日本アエロジル株式会社製 比表面積(BET法):110m/g 平均粒径 <0.1μm)
球状シリカ FB−3SDC(電気化学工業株式会社製 比表面積(BET法):3.4m/g 平均粒径3.4μm)
〔フレキシブル積層板〕
住友金属鉱山株式会社製2層めっき基板 商品名:S’PERFLEX US(銅箔の厚さ8μm、絶縁フィルムの厚さ35μm、熱伝導率0.29W/mK)
〔参考例1〕アルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液の製造
窒素導入管、ディーンスタークレシバー、冷却管を備えた容量5リットルのガラス製セパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1471g(5モル)、エタノール507g(11モル)及びγ−ブチロラクトン2092gを仕込み、窒素雰囲気下、90℃で1時間撹拌した。次いで、3−アミノプロパノール376g(5モル)、イソホロンジアミン426g(2.5モル)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃で2時間、180℃2時間加熱し、イミド化反応により生じた水を反応液中に窒素を吹き込むことで除去した。このアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液は、固形分50.3%であった。
〔参考例2〕ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂溶液の製造
窒素導入管を備えた容量2リットルのガラス製フラスコに、クラレポリオールC−2090R 492.50g(0.25モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 148.52g(0.594モル)及びγ−ブチロラクトン492.50gを仕込み、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。次いで、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチル)プロピオン酸33.53g(0.25モル)、参考例1で合成したアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液 208.05g(0.125モル)、γ−ブチロラクトン356.37gを加え、80℃で10時間撹拌した。得られた変性ポリイミド樹脂溶液は、ポリマ−固形分濃度45.2重量%、粘度46.4Pa・sの溶液であった。(対数粘度ηinhは0.330)
〔参考例3〕ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂溶液の製造
窒素導入管を備えた容量2リットルのガラス製フラスコに、クラレポリオールC−2090R 689.50g(0.35モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 153.28g(0.613モル)及びγ−ブチロラクトン 689.50gを仕込み、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。次いで、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチル)プロピオン酸 46.95g(0.35モル)、参考例1で合成したアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液 58.26g(0.035モル)、γ−ブチロラクトン 404.78gを加え、80℃で10時間撹拌した。得られた変性ポリイミド樹脂溶液は、ポリマ−固形分濃度45.0重量%、粘度24.1Pa・sの溶液であった。(対数粘度ηinhは0.262)
〔参考例4〕ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂溶液の製造
窒素導入管を備えた容量2リットルのガラス製フラスコに、クラレポリオールC−2090R 591.00g(0.30モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 160.29g(0.641モル)及びγ−ブチロラクトン 591.00gを仕込み、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。次いで、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチル)プロピオン酸 40.24g(0.30モル)、参考例1で合成したアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液 124.83g(0.075モル)、γ−ブチロラクトン 391.07gを加え、80℃で10時間撹拌した。得られた変性ポリイミド樹脂溶液は、ポリマ−固形分濃度45.2重量%、粘度171.4Pa・sの溶液であった。(対数粘度ηinhは0.310)
〔参考例5〕ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂溶液の製造
窒素導入管を備えた容量2リットルのガラス製フラスコに、クラレポリオールC−2015N 587.40g(0.30モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 187.69g(0.75モル)及びγ−ブチロラクトン 611.75gを仕込み、窒素雰囲気下、60℃で3時間撹拌した。次いで、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチル)プロピオン酸 40.24g(0.30モル)、参考例1で合成したアルコール性水酸基末端イミドオリゴマー溶液 449.84g(0.30モル)、γ−ブチロラクトン 20.00gを加え、80℃で10時間撹拌した。得られた変性ポリイミド樹脂溶液は、ポリマ−固形分濃度55.5重量%、粘度164.6Pa・sの溶液であった。(対数粘度ηinhは0.231)さらに、γ−ブチロラクトンを加え、ポリマ−固形分濃度45重量%とした。
〔実施例1〕
参考例2で得たポリカーボネート変性ポリイミド樹脂溶液に、ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂(不揮発分)100重量部に対して、エポキシ樹脂2021Pを15重量部、ブロックイソシアネートB830を10重量部、フェノール樹脂H−1を2.5部、硬化触媒DBUを0.5重量部、2E4MZを0.5部、消泡剤OX−881を5重量部及び顔料 1重量部を加え、均一に撹拌・混合した。更に無機微粒子としてアルミナ DAW03を200重量部加え混合した後、3本ロールを用い混練し、絶縁保護層用組成物を得た。この組成物の熱硬化により得た絶縁保護層について、熱伝導率、弾性率、破断伸度、破断強度、絶縁信頼性、低反り性、ボンディング耐熱性、耐溶剤性及び折り曲げ性について評価した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例2〜4〕
ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂及び無機微粒子として、表1に記載した変性ポリイミド樹脂、無機微粒子を添加する以外は実施例1と同様にして絶縁保護層用組成物を得た。この絶縁保護層用組成物について、実施例1と同様にして評価した。それらの結果を表1に示す。
〔比較例1〜7〕
ポリカーボネート変性ポリイミド樹脂及び無機微粒子として、表1に記載した変性ポリイミド樹脂、無機微粒子を添加した以外は実施例1と同様にして絶縁保護層用組成物を得た。この絶縁保護層用組成物について、実施例1と同様にして評価した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2009123928
本発明によれば、動作温度が高い高密度電子部品や高機能電子部品を実装した場合でも、発熱による問題が生じない放熱性が改良されたテープキャリアパッケージを容易に得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板、すなわち、十分な柔軟性や高い絶縁信頼性や優れた耐熱性を有しながら且つパッケージ全体として高い放熱性を得ることができるテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を提供することができる。
この結果、発熱の大きい高密度化された半導体チップが実装可能となり、テープキャリアパッケージの高機能化、高性能化が可能となる。
本発明のテープキャリアパッケージの代表的な一例を部分的に示す概略の平面図である。 図1のA−A’線における部分的な断面図である。 本発明のテープキャリアパッケージの他の代表的な一例を部分的に示す概略の平面図である。 図3のB−B’線における部分的な断面図である。
符号の説明
1 絶縁フィルム
2 接着剤層
3 配線パターン
3a インナーリード(配線パターン)
3b アウターリード(配線パターン)
3c テストパッド(配線パターン)
4 デバイスホール
5 折り曲げスリット
6 バンプ
7 半導体チップ
8 フレックス樹脂層
9 絶縁保護層(オーバーコート、オーバーコート層)
10 半導体封止樹脂
11 パーフォレーションホール(スプロケットホール)
12 絶縁フィルム
13 配線パターン
13a インナーリード(配線パターン)
13b アウターリード(配線パターン)
13c テストパッド(配線パターン)
14 バンプ
15 半導体チップ
16 絶縁保護層(オーバーコート、オーバーコート層)
17 アンダーフィル剤
18 パーフォレーションホール(スプロケットホール)

Claims (8)

  1. 少なくとも、厚さ5〜75μmの絶縁フィルムと、前記絶縁フィルム表面に形成された金属箔からなる配線パターンと、前記配線パターンの少なくとも一部を保護するための厚さが3〜50μmの絶縁保護層とを備えたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板であって、
    (1)前記絶縁フィルムの熱伝導率が0.1〜3.0W/mKであり、
    (2)前記絶縁保護層が、
    (a)熱伝導率が15〜500W/mK、熱水抽出でアルカリ金属イオンとハロゲンイオンの合計が400μg/g以下、数平均粒径が0.1〜10μmの電気絶縁性の無機微粒子を25〜45体積%、および(b)硬化樹脂成分を含有し、且つフィルムとして25℃での弾性率が50〜1500MPa、破断伸度が10〜200%である硬化樹脂組成物によって構成されていること
    を特徴とする放熱性が改良され且つ電気絶縁性が良好なテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
  2. 無機微粒子が、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機微粒子であることを特徴とする請求項1記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
  3. 無機微粒子が、不純物の酸化ナトリウムの含有率が0.01重量%以下のアルミナであることを特徴とする請求項1または2記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
  4. 絶縁膜保護層を構成する硬化樹脂成分が、変性ポリイミド樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂組成物およびポリイミドシロキサン樹脂組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
  5. 請求項1〜4のいずれかのテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を用いて形成されたことを特徴とするテープキャリアパッケージ。
  6. 硬化性樹脂成分中に、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種の、数平均粒径が0.1〜10μmの無機微粒子であって、熱水抽出でアルカリ金属イオンとハロゲンイオンの合計が400μg/g以下の無機微粒子を固形成分中25〜45体積%になるように含んだ硬化性樹脂組成物であって、硬化後の硬化樹脂組成物の熱伝導率が0.6〜10W/mKであることを特徴とする絶縁保護層用硬化性樹脂組成物。
  7. 無機微粒子が、不純物の酸化ナトリウムの含有率が0.01重量%以下のアルミナであることを特徴とする請求項6記載の絶縁保護層用硬化性樹脂組成物。
  8. 前記硬化性樹脂成分が、変性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミドイミド樹脂およびポリイミドシロキサン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項6または7記載の絶縁保護層用硬化性樹脂組成物。
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