JP2006274248A - 半導体装置用接着剤付きテープおよびその製造方法、それを用いたパターン加工テープ - Google Patents

半導体装置用接着剤付きテープおよびその製造方法、それを用いたパターン加工テープ Download PDF

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Abstract

【課題】インナーリードボンディング時の銅箔の切れを防止し、半導体装置の生産性を向上させることができる半導体装置用接着剤付きテープを提供すること。
【解決手段】少なくとも有機絶縁フィルムと接着剤層を有する半導体装置用接着剤付きテープにおいて、該有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱した場合の幅方向の寸法変化率A(%)が−0.15%≦A≦0.02%であることを特徴とする半導体装置用接着剤付きテープ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体装置用接着剤付きテープに関する。さらに詳しくは、半導体集積回路を実装する際に用いられる、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターン加工テープ、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポーザー等の半導体接続用基板、リードフレーム固定テープ、LOC固定テープ、フリップチップ接続用接着剤、フィルム状ソルダーレジスト等を作製するために適した接着剤テープに関する。
半導体集積回路(IC)を実装する方式としては、金属製のリードフレームを用いた方式がもっとも多く用いられているが、近年ではガラスエポキシやポリイミド等の有機絶縁性フィルム上にIC接続用の導体パターンを形成した、インターポーザーと称する半導体接続用基板を介した方式が増加している。代表的なものとして、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式によるテープキャリアパッケージ(TCP)が挙げられる。
TCPの接続用基板(パターンテープ)には、TAB用接着剤付きテープ(以下TAB用テープと称する)が使用されるのが一般的である。通常のTAB用テープは、ポリイミドフィルム等の可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、未硬化状態の接着剤層および離型性を有するポリエステルフィルム等の保護フィルム層を積層した3層構造により構成されている。
TAB用テープは、(1)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、(2)銅箔との熱ラミネートおよび接着剤の加熱硬化、(3)パターン形成(レジスト塗布、エッチング、レジスト除去)、(4)スズまたは金メッキ処理などの加工工程を経て、接続用基板であるTABテープ(パターンテープ)に加工される。パターンテープのインナーリード部を、半導体集積回路の金バンプに熱圧着(インナーリードボンディング)し、半導体集積回路を搭載する。次いで、封止樹脂による樹脂封止工程を経て半導体装置が作製される。最後に、TCP型半導体装置は、他の部品を搭載した回路基板等とアウターリードを介して接続され、電子機器への実装がなされる。
電子機器の小型化、高密度化が進行するに伴い、これらの半導体接続用基板に使用される接着剤付きテープはいずれも最終的にパッケージ内に残留することが多いため、絶縁性、耐熱性、接着性および寸法安定性等の諸特性を満たすことが要求される。特に寸法安定性は、電子機器の小型化、高密度化を達成する上で欠くことのできない重要な特性である。
これまでに、300℃/3分間加熱した場合における耐熱性ベースフィルムの幅方向の加熱寸法変化率が0.15%以下である半導体装置用接着テープが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、加熱収縮性の改良されたポリイミドフィルムとして、実質的に無張力下で加熱された後、冷却する処理を施されてなるポリイミドフィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、最近の狭ピッチ化により、これらの技術を用いてもなおインナーリードボンディング時に銅箔が切れ、歩留まりが低下するという課題があった。特に、近年のインナーリードボンディングの狭ピッチ化に伴い、従来より薄い銅箔を使用し、インナーリード幅を細くする場合において、銅箔切れが歩留まりを著しく低下させるという課題があった。
特許第2668576号公報(特許請求の範囲) 特開昭62−41024号公報(特許請求の範囲)
本発明は、このような課題を解決し、インナーリードボンディング時の銅箔の切れを低減し、半導体装置の生産性を向上させることができる半導体装置用接着剤付きテープを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、少なくとも有機絶縁フィルムと接着剤層を有する半導体装置用接着剤付きテープにおいて、有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱した場合の幅方向の寸法変化率A(%)が−0.15%≦A≦0.02%であることを特徴とする半導体装置用接着剤付きテープである。
本発明によれば、インナーリードを細くした場合であってもボンディング時の銅箔の切れを低減でき、半導体装置の歩留まりを高くできる半導体装置用接着剤テープを提供できる。
インナーリードボンディングは、通常500〜600℃の高温下で0.1〜2秒間加熱することにより行われるが、このような高温、短時間の熱履歴に対して有機絶縁性フィルム、接着剤および銅箔に実際にかかる熱量や応力を再現、定量化することは非常に難しい。
そこで本発明者らは、インナーリードボンディング時の応力の発生状況およびその緩和方法について鋭意検討を行った結果、有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱する条件で、インナーリードボンディング時の挙動を再現できることを見いだした。そして、少なくとも有機絶縁フィルムと接着剤層を有する半導体装置用接着剤付きテープにおいて、該有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱した場合の幅方向の寸法変化率A(%)が−0.15%≦A≦0.02%であることを特徴とする半導体装置用接着剤付きテープを用いることで、インナーリードボンディング時の銅箔の切れを低減し、半導体装置の生産性を向上させることができることを見いだしたものである。以下、本発明の半導体装置用接着剤付きテープについて詳述する。
本発明の半導体装置用接着剤付きテープは、少なくとも有機絶縁フィルムと接着剤層を有する。
本発明に用いられる有機絶縁フィルムは、300℃で2時間加熱した場合の幅方向の寸法変化率A(%)が−0.15%≦A≦0.02%である。本発明における幅方向とは、テープの巻出し/巻取りに対して垂直方向を指す。最終的に枚葉にカットしたサンプルにおいても、元のテープ状態における幅方向を指す。本発明における寸法変化率とは、次の方法で算出するものをいう。有機絶縁フィルムを23℃/55%RHで4〜5日調湿し、幅方向または長さ方向に1対以上のパンチ穴をあけ、この穴間距離をT0とする。次に、パンチ穴をあけた有機絶縁フィルムを熱風オーブンに入れ、300℃まで5℃/分で昇温し、300℃で2時間熱処理し、23℃まで5℃/分で降温し、再び23℃/55%RHで4〜5日調湿する。調湿後の穴間距離をT1とし、寸法変化率(%)=((T0−T1)/T0)×100により算出する。幅方向の寸法変化率Aが0.02%を越える場合、すなわち0.02%を越えて収縮する場合、収縮に伴い銅箔パターンが引っ張られ、銅箔の切れが発生するため、半導体装置の歩留まりが低下する。また、幅方向の寸法変化率Aが−0.15%未満である場合、すなわち0.15%を越えて膨張する場合、インナーリードボンディング時に銅箔が過度に曲がってしまい、この場合も銅箔の切れが発生する。幅方向の寸法変化率Aは0%未満であることが好ましい。有機絶縁フィルムが膨張することにより、インナーリードボンディング時の銅箔パターンにかかる応力が緩和され、銅箔の切れを低減することができる。
近年、半導体集積回路の小型化に伴い、幅方向のフライングリードの本数が長さ方向に比べて少ない長方形の半導体集積回路が使用されることが多い。この場合、銅箔の切れは幅方向において顕著となる。このような長方形の半導体集積回路に対しては、インナーリードボンディング時に幅方向と長さ方向にかかる応力のバランスを考慮すると、有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱した場合の幅方向の寸法変化率A(%)と、長さ方向の寸法変化率B(%)との差は、0.04%≦B−A≦0.20%であることが好ましい。本発明における長さ方向とは、テープの巻出し/巻取りに対して平行方向を指す。最終的に枚葉にカットしたサンプルにおいても、元のテープ状態における長さ方向を指す。
上記の寸法変化率を有する有機絶縁フィルムを得る方法としては、例えば、有機絶縁フィルムをあらかじめ熱処理することが挙げられる。加熱による寸法安定化を妨げないために、張力をかけない状態で熱処理することが好ましい。実質的に無張力下で熱処理することにより、幅方向の寸法変化率Aを−0.15%≦A≦0.02%にすることができる。実質的に無張力下で熱処理する方法としては、例えば有機絶縁フィルムを軟巻き状態にした後、バッチ式オーブンで熱処理する方法が挙げられる。
軟巻きの方法は特に限定されないが、例えばロールからロールへ巻き取る際に巻出しの張力に比べて巻き取りの張力を小さくする方法や、最表層を緩めた後、芯側をほぐす方向に回転させる方法がある。空隙率は特に限定されないが、10〜90%が好ましい。空隙率を10%以上にすることで、加熱時の膨張に伴う張力の発生を防止することができ、90%以下にすることでロールの巨大化に伴う作業性の低下を防止することができる。ここで言う空隙率とは、軟巻きしたロールの断面積をP、フィルムの長さをQ、フィルムの厚みをRとした時、次式により算出される。
空隙率%=100×(P−Q×R)/P
熱処理は、酸化を防ぐため、窒素など不活性ガス中で行うことが好ましい。具体的には、酸素濃度15%以下で熱処理を行うことが好ましく、より好ましくは10%以下である。酸素濃度を低くすることにより、熱処理時にフィルム表面の劣化を押さえることができ、フィルムと接着剤の界面接着力の低下などの問題が起こりにくくなる。
熱処理は、280〜380℃で0.5時間以上5時間以下行うことが好ましい。280℃以上で熱処理を行うことにより、有機絶縁フィルムの幅方向の寸法変化率を−0.15%≦A≦0.02%の範囲に容易に調整することができる。また、380℃以下で処理することにより有機絶縁フィルムの表面品位を保ち、高い信頼性を得ることができる。0.5時間以上であれば有機絶縁フィルム全体を均一に処理できるため好ましい。また、熱処理時間を過剰にするとコスト高となるため、5時間以下で行うことが好ましい。280〜380℃で熱処理した後は、200℃まで2℃/分以下で降温することが好ましい。2℃/分以下で降温することにより、有機絶縁フィルム内の応力の残留を防止し、より銅箔が切れにくくなる。
熱処理する有機絶縁フィルムの幅は、後工程で使用される幅に合わせて選択すればよい。この場合、予め後工程で使用される所定の幅にスリットした後に熱処理をする方法と、広幅で熱処理を行い後にスリットする方法が挙げられる。広幅で熱処理を行う方が生産性および幅の安定性が良好となり好ましい。スリットした後に熱処理する場合は、熱処理による収縮を考慮したスリット幅の調整が必要な場合がある。
有機絶縁フィルムは300℃における弾性率が1GPa以上であることが好ましい。これにより銅箔の保持性が高くなり、寸法安定性が向上する。
有機絶縁フィルムの厚みは特に限定されないが、5〜200μmが好ましく、より好ましくは10〜150μmである。5μm以上にすることにより必要な膜強度が得られ、200μm以下にすることにより不要な原料コストを抑えることができる。
本発明に用いられる有機絶縁フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム等が挙げられるが、耐熱性や難燃性の点からポリイミドフィルムが好ましく用いられる。
ポリイミドフィルムを構成するポリイミドとしては、特に制限はなく、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとから得られる任意の芳香族ポリイミドが使用できる。これらの一部を脂環族テトラカルボン酸二無水物あるいは脂肪族ジアミンで置き換えたものも使用できる。また、これらの一部を4−アミノフタル酸、4−アミノ−5−メチルフタル酸、4−(3,3’−ジメチル−4−アニリノ)フタル酸などのアミノジカルボン酸で置き換えて反応させたものであってもよい。
前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下単にs−BPDAと略記することもある。)、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物(オキシジフタル酸二無水物)などが挙げられる。前記の芳香族ジアミンとしては、例えばパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルが挙げられる。その一部を4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環を有する柔軟な芳香族ジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミン、キシレンジアミンなどのジアミンによって置き換えてもよい。
これらの中でも、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン(PPDと略記することもある)とから得られるポリイミド、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物またはベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸成分と、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADEと略記することもある)などの芳香族ジアミン成分とから得られるポリイミドは、熱線膨張係数が低い(通常50〜250℃の範囲で、1×10−5〜3×10−5cm/cm/℃である)ため好適に使用される。
中でも、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとから得られるポリイミドを有機絶縁フィルム中の30重量%以上含んでいると、寸法安定性がより向上するため好ましい。
ポリイミドは、単独重合、ランダム重合、ブロック重合、あるいはあらかじめ2種類以上のポリアミック酸を合成しておきポリアミック酸溶液を混合し反応を完了させる、いずれの方法によっても達成される。
合成ポリイミドフィルムは、例えば、前記各成分を使用し、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の略等モル量を、有機溶媒中で反応させてポリアミック酸の溶液(均一な溶液状態が保たれていれば一部がイミド化されていてもよい)とし、該ポリアミック酸の溶液を支持体にキャスティングした後加熱乾燥した後支持体から剥離した乾燥フィルム、あるいはポリアミック酸溶液から得られた自己支持性フィルムを乾燥して得られた乾燥フィルムを、420℃以上、好ましくは430〜520℃の温度で、好適には2〜20分間程度加熱してイミド化を完了させて厚み25〜125μm、特に45〜125μm程度のポリイミドフィルムを得ることができる。2分以上加熱することにより硬化度を確保することができ、インナーリードボンディング時に後硬化による寸法変化を抑制できる。また20分以下にすることにより、製膜時後硬化による品質の劣化や、インナーリードボンディング時の膨張側の寸法変化を防止することができる。
前記のポリアミック酸製造に使用する有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタムなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記のイミド化促進の目的で、溶液中に塩基性有機化合物を含有させることができる。例えば、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、トリエチルアミン等をポリアミック酸重合時に固形分濃度に対して0.1〜10重量%の割合で使用することができる。
市販のポリイミドフィルムとしては、宇部興産製”ユーピレックス”、東レ・デュポン製”カプトン”、カネカ製”アピカル”等が挙げられるが、TAB用途としては寸法安定性に優れた”ユーピレックス”が好ましく用いられる。
本発明に使用する有機絶縁フィルムは、必要に応じてコロナ放電処理、低温プラズマ処理、易接着コーティング等の表面処理を施して用いることもできる。
次に、本発明における接着剤層について説明する。接着剤層は、硬化後の300℃における弾性率が10MPa〜50MPaであることが好ましい。本発明において硬化後とは、接着剤層を70℃で3時間保持し、一定昇温で4時間かけて160℃に昇温し、160℃で4時間保持した後自然降温したものをいう。弾性率を10MPa以上にすることで、銅箔の保持性が向上して寸法安定性が良くなり、弾性率を50MPa以下にすることで、ボンディング時に接着剤層から銅箔にかかる応力を小さくでき、銅箔が切れにくくなる。このような弾性率を有する接着剤層は、接着剤層に含まれる熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の比率を調整することで達成することができる。
また、接着剤層は、硬化後の23℃における弾性率は1000MPa〜2000MPaであることが好ましい。弾性率を1000MPa以上にすることで、有機絶縁フィルムの加熱後の寸法変化に伴う応力を緩和し、銅箔パターンの寸法安定性を良くすることができる。また2000MPa以下にすることで収縮時に銅箔パターンにかかる応力を小さくでき、銅箔がより切れにくくなる。このような弾性率を有する接着剤層は、接着剤層に含まれる熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の比率を調整することで得ることができる。なお、接着剤層の弾性率は、例えばセイコーインスツルメンツ社製DMS6100を用いて、−50〜350℃の温度範囲で昇温速度5℃/分で測定することができる。
接着剤層の硬化後の300℃での加熱収縮率は小さいことが望ましい。銅箔パターンは接着剤層上に存在するものであるから、接着剤層の加熱収縮率を押さえることは、インナーリードボンディング時の銅箔パターンにかかる応力を緩和するために重要である。ここでいう加熱収縮率は圧縮TMA法で25℃から300℃まで昇温後、25℃まで降温させたときの収縮率である。5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下である。
接着剤層の硬化後の300℃における残存発熱量は10J/g〜30J/gであることが好ましい。接着剤と銅箔の間には、接着剤硬化時にひずみなどによる潜在応力を持っているが、残存発熱量を10J/g以上にすることで、高温時にひずみによる応力が緩和されるためより好ましい。また30J/g以下にすることで発熱量による接着剤の収縮が押さえられるためより好ましい。このような残存発熱量を有する接着剤層は、接着剤層の硬化条件を調整することで得ることができる。
接着剤層の厚みは、接着性など接着剤としての特性を考慮して適切に選ばれる。好ましくは3〜50μmであり、より好ましくは5〜30μmであり、さらに好ましくは7〜20μmである。50μm以下にすることで接着剤の加熱収縮の影響を小さくでき、銅箔が切れにくくなるため好ましい。また3μm以上にすることで接着性を確保することができる。
本発明の接着剤層は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ1種類以上含むことが好ましく、その種類は特に限定されない。熱可塑性樹脂は接着性、可とう性、熱応力の緩和、低吸水性による絶縁性の向上等の機能を有し、熱硬化性樹脂は耐熱性、高温での絶縁性、耐薬品性、接着剤層の強度等の物性のバランスを実現するために必要である。
熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム/スチレン樹脂(ABS)、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン/エチレン樹脂(SEBS)、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂(アクリルゴム)、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド等公知のものが例示される。また、これらの熱可塑性樹脂は後述の熱硬化性樹脂との反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等である。これらの官能基により熱硬化性樹脂との結合が強固になり、耐熱性が向上するので好ましい。熱可塑性樹脂として被着体との接着性、可撓性、熱応力の緩和効果の点から、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基を有するアクリロニトリル/ブタジエン共重合体(NBR)、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステルを有する共重合体、ダイマー酸ポリアミド、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の可とう性成分を有するポリエステル、シリコーンジアミンを成分とするポリイミドまたはポリアミドイミドが好ましい。さらに、これらの熱可塑性樹脂を複数混合または共重合して用いても好適である。
熱可塑性樹脂の含有量は、接着剤層の好ましくは30〜65重量%、より好ましくは40〜60重量%である。熱可塑性樹脂を30重量%以上にすることで適正な接着性を出すことができ、65重量%以下にすることで絶縁性を維持することができる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂等公知のものが例示される。特に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂は絶縁性に優れるので好適である。
フェノール樹脂を含有することにより、絶縁性、耐薬品性、接着剤層の強度を向上させることができ、フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。たとえば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン、アラルキル、ビフェニルアラルキル等の骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂が挙げられる。中でも、レゾール型フェノール樹脂は絶縁抵抗低下時間を向上させる効果があるのでより好適である。
フェノール樹脂の含有量は接着剤層の好ましくは3〜80重量%、より好ましくは4〜70重量%、さらに好ましくは5〜60重量%である。3重量%以上あれば絶縁性が良好であるため好ましい。80重量%以下であれば接着力を保つことができる。特に、接着剤層がレゾール型フェノール樹脂を、5〜60重量%含有することが好ましい。
接着剤層に公知のエポキシ樹脂を含有すると、接着力の向上および適切な弾性率の発現が図れるので好ましい。エポキシ樹脂は1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール、ジシクロペンタジエンジキシレノール等のジグリシジルエーテル、ナフタレン、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、トリスフェニルメタン型エポキシ、テトラフェニルエタン型エポキシ、エポキシ化メタキシレンジアミン、脂環式エポキシ等が挙げられる。この中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂は、接着性、熱可塑性樹脂との相溶性などの点で好ましい。特にナフタレン型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂を含有することで、接着剤の弾性率、加熱収縮率および残存発熱量などの特性を好ましい範囲にすることができる。エポキシ樹脂の含有量は接着剤層の好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%である。
本発明の接着剤層にエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の硬化剤および硬化促進剤を含有することは何等制限されない。たとえば、芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミド、トリフェニルフォスフィン、ジアザビシクロウンデセン等公知のものが使用できる。含有量は接着剤層の0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%であるとより好ましい。
本発明において、耐リフロー性、打ち抜き性等の加工性、熱伝導性、絶縁性、難燃性等を向上させる目的で、接着剤層に無機質充填剤を含有することができる。無機質充填剤は接着剤の特性を損なうものでなければ特に限定されないが、微粒子状の無機成分としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金属水酸化物、球状シリカ、破砕シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の無機塩、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄等の金属微粒子、あるいはカーボンブラック、ガラスが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いても良い。微粒子状の無機成分の重量平均粒子径は、分散安定性を考慮すると、0.1〜5μmが好ましい。なお、ここでいう重量平均粒子径とはレーザー回折式粒度分布計で測定したメジアン径の値を指す。また、含有量は接着剤層全体の2〜50重量%が適当である。
以上の成分以外に、接着剤層の特性を損なわない範囲でイオン捕捉剤、酸化防止剤などの有機、無機成分を含有することは何ら制限されるものではない。
イオン補足剤は、加水分解の原因となるイオンの挙動を抑制するために有効である。イオン補足剤は有機物、無機物いずれも適用できるが、アンチモン、ビスマス、鉛、アルミニウム、マグネシウム等の酸化物からなる無機イオン補足剤は分散系として少量で効果があるので好ましい。イオン補足剤の含有量は、イオン補足剤以外の接着剤層100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部であるとよい。0.01重量部以上であれば効果が得られ、10重量部以下にすることで接着性、反応性を保つことができる。
酸化防止剤は、高温時の酸化劣化による接着力低下を抑制できるので好ましい。酸化防止剤の種類は特に制限されず、フェノール系、アミン系等種々のものが使用できる。含有量は、酸化防止剤以外の接着剤層100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部であるとよい。0.01重量部以上であれば効果が得られ、10重量部以下にすることで接着性、反応性を保つことができる。
本発明の半導体装置用接着剤付きテープには、接着剤層を保護するためのフィルムを接着剤層上に設けることができる。その場合、接着剤シートを銅箔、金属板、絶縁性フィルム等の被着体にラミネートする前に接着剤面から接着剤シートの形態を損なうことなく剥離できることが好ましい。また、保護フィルムが付いた状態で視認性がよいことが好ましく、たとえばシリコーンあるいはフッ素化合物のコーティング処理を施したポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、これらをラミネートした紙、ハロゲン化ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
本発明の半導体装置用接着剤付きテープは、少なくとも1層の接着剤層と少なくとも1層の有機絶縁フィルムを有するものであればよい。したがって、複数の接着剤層および有機絶縁フィルムを有していてもよい。さらに、接着剤層間に接着性を持たないフィルム層を有していてもよい。
半導体装置用接着剤付きテープの製造方法としては、支持体フィルムに、接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を塗布、乾燥する。接着剤層の膜厚は3〜50μmとなるように塗布することが好ましい。乾燥条件は、100〜200℃、1〜5分である。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶剤で、いずれも乾燥に適度な沸点を有するものが好適である。このようにして得られたフィルムを使用形態に応じ、任意の幅にスリットする。本発明を構成する有機絶縁フィルムも同様にスリットし、接着剤と有機絶縁フィルムとをラミネートすることで半導体装置用接着剤付きテープを得ることができる。また、有機絶縁フィルムに接着剤組成物を直接塗布、乾燥し、任意の幅にスリットすることでも半導体装置用接着剤付きテープを得ることができる。
パターン加工テープの製造方法としては、所定の打ち抜き孔を打ち抜いた上記接着剤付きテープに銅箔を熱ラミネートした後、キュアにより接着剤を硬化させ、次いでフォトレジスト法によりパターン形成し、スズメッキを施してパターン加工テープを得る方法が挙げられる。ここで、半導体がボンディングされる部分がインナーリードである。インナーリードのピッチは、この半導体と接続される部分のピッチを指す。接着剤の硬化条件は、接着剤の組成やキュア後の特性に応じて適切に選ばれるが、最終ステップで130℃〜180℃で1〜8時間加熱すると、残存発熱量を好ましい範囲に容易に調整することができるため好ましい。
半導体装置の製造方法としては、上記パターン加工テープに半導体をインナーリードボンディングにより所定の箇所にボンディングし、必要に応じて樹脂封止し、半導体装置を得る方法が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に評価方法について述べる。
評価方法
(1)評価用サンプル作製方法
(a)接着剤シートの作製
表1に示す組成比の各接着剤組成物をモノクロルベンゼン/エタノール=2/1重量比の溶剤に、濃度25重量%となるように30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。これらの接着剤溶液を乾燥後に12μm厚の接着剤層となるように、シリコーン処理を施した離型性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)上に、リバースロールコーティングし、120℃で1分間および170℃で1分間乾燥した。これをフィルムの長さ方向に平行に幅30mmにカットして、接着剤シート(1)〜(15)を作製した。
Figure 2006274248
(b)有機絶縁フィルムの作製
ポリイミドフィルム形成用ドープの合成例攪拌機、窒素導入管および還流管を備えた3000mlガラス製反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミド1830gおよび1.0gのリン酸化合物(セパ−ル365−100 中京油脂株式会社製)を加え、攪拌した。窒素流通下、パラフェニレンジアミン108.1g(1.0モル)を添加し、50℃に保温し完全に溶解させた。この溶液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物292.3g(1.0モル)を発熱に注意しながら除々に添加し、添加終了後50℃に保ったまま5時間攪拌した。この後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二水和物2.38g(0.0065モル)を溶解させ、ポリアミック酸溶液(i)を得た。25℃における溶液粘度は約15000Pa・sであった。
また、上記反応容器に4、4’−ジアミノジフェニルエーテル100gに対し、ピロメリット酸二無水物240gをN,N−ジメチルアセトアミド溶液2170g中にて混合し、この溶液にβ−ピコリン132g、無水酢酸53gを添加してポリアミック酸溶液(ii)を得た。
ポリアミック酸溶液(i)を、シリコーン処理を施した離型性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)上にスリットダイコーティングし、乾燥炉中150℃で10分間乾燥した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥がして硬化炉に投入し、表2に示す各条件で熱処理し、最後に幅35mmにスリットして厚み75μmのポリイミドフィルムA〜Dを得た。
一方、ポリアミック酸溶液(i)と(ii)を表3に示す組成比で混合したポリアミック酸溶液を、シリコーン処理を施した離型性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(25μm)上にスリットダイコーティングし、乾燥炉中150℃で10分間乾燥した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥がして硬化炉に投入し、200℃で3分間、300℃で3分間、480℃で3分間の順に連続的に熱処理し、最後に幅35mmにスリットして、各々厚み75μmのポリイミドフィルムI、JおよびKを得た。
Figure 2006274248
Figure 2006274248
(c)市販の有機絶縁フィルムの熱処理
宇部興産(株)製”ユーピレックス”75Sについて、軟巻き後、窒素気流下で表4および表5に示す条件で熱処理を施した。
Figure 2006274248
Figure 2006274248
(d)接着剤付きテープの作製
上記(a)で作製した接着剤シートを、上記(b)で作製したポリイミドフィルムまたは(c)の熱処理を施した市販のポリイミドフィルムに、130℃、10N/cm、5m/分の条件で熱ロールラミネートし、35mm幅の接着剤付きテープを作製した。
(e)パターン加工テープの作製
上記(d)で作製した接着剤付きテープに、所定のスプロケットホールおよびデバイスホールを打ち抜いた。次いで、ポリエチレンテレフタレートの保護フィルムを剥離した後、厚さ18μmの電解銅箔を、140℃、30N/cm、1m/分の条件で熱ロールラミネートした。続いて熱風オーブン中で、以下のI〜IVのいずれかに示す条件で順次加熱硬化処理を行い、銅箔付きの半導体用接着剤付きテープを作製した。
I:70℃で3時間加熱後、120℃まで4時間で一定昇温、ついで120℃で4時間加熱
II:70℃で3時間加熱後、140℃まで4時間で一定昇温、ついで140℃で4時間加熱
III:70℃で3時間加熱後、160℃まで4時間で一定昇温、ついで160℃で4時間加熱
IV:70℃で3時間加熱後、200℃まで4時間で一定昇温、ついで200℃で4時間加熱
得られた銅箔付きの半導体用接着剤付きテープの銅箔面に、スピンコーターを用いてレジスト液(東京応化(株)製PMER P−RH30 PM)をコーティングし、100℃で1時間乾燥して厚さ5μmのフォトレジスト膜を形成した。次にインナーリードピッチ30,35,40,45,50,55,60,65,70μmの所定のパターン(ライン/スペースは等間隔)を形成したフォトマスクを介して水銀ランプで20秒露光した。次にレジスト現像液(東京応化(株)製PMER現像液 P−1S、4倍希釈)に2.5分浸漬して不要部分のレジスト膜を除去した。次に銅のエッチングをシャワー法で行い、銅箔を所定のパターンに加工した。次にアセトンに2分浸漬してレジスト膜を除去した。最後に、メッキ液(シプレイ・ファーイースト(株)製 スズメッキ液 TINPOSIT LT−34)を用いて70℃、4分間無電解スズメッキを行い、パターン加工テープを作製した。
(2)評価用半導体装置の作製
上記(1)(e)で得られたパターン加工テープのインナーリード部分に評価用の半導体集積回路を540℃、0.5秒でインナーリードボンディングし、評価用半導体装置を得た。
(3)不良率(F50)の評価
上記(2)の方法で得た評価用半導体装置100個について、インナーリード部を顕微鏡で100倍に拡大して銅箔の切れをチェックした。1カ所以上切れている物を不良とし、100個中の不良数をカウントした。インナーリードピッチに対して不良個数をグラフにプロットし、回帰線から不良個数50個に対応するインナーリードピッチ幅(F50)を算出した。F50が40μm以下のものを合格とした。
(4)信頼性評価
上記(2)で得られた評価用半導体装置のうち、(3)の不良率F50が合格のものについて、インナーリードピッチ40μmで銅箔の切れの無いサンプル5個について、回路接続し、100V印可して125℃で放置し、回路が断線するまでの時間を測定した。5個の平均を取り、500時間以上のものを合格とした。
(5)接着剤硬化単膜の作製
上記(1)(a)で得た接着剤シートからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、窒素雰囲気下で70℃で3時間、160℃まで4時間で一定昇温、ついで160℃で4時間の順次加熱硬化処理を行い、接着剤硬化単膜を得た。
(6)有機絶縁フィルムの寸法変化率
上記(1)(b)および(c)の方法で得た有機絶縁フィルムを23℃/55%RHで4〜5日調湿した。幅方向または長さ方向に1対以上のパンチ穴を開け、この時の穴間距離をT0とする。パンチ穴をあけた有機絶縁フィルムを熱風オーブンに入れ、300℃まで5℃/分で昇温し、300℃で2時間熱処理し、23℃まで5℃/分で降温し、再び23℃/55%RHで4〜5日調湿した。この時の穴間距離をT1とする。寸法変化率(%)は((T0−T1)/T0)×100で算出した。
(7)接着剤の加熱収縮率
上記(5)の方法で得た接着剤硬化単膜を、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6600を用い、25〜300℃まで5℃/分で昇温、降温し、処理前後の変化量から加熱収縮率を求めた。
(8)弾性率
上記(5)の方法で得た接着剤硬化単膜を、セイコーインスツルメンツ社製DMS6100を用い、−50〜350℃までの弾性率を昇温速度5℃/分で測定した。
実施例1〜28、比較例1〜14
表6〜10に示す有機絶縁フィルム、接着剤シートを用いて、先に述べた方法で評価用サンプルを作製した。得られたサンプルの不良率(F50)および信頼性を評価した結果を表6〜10に示す。
Figure 2006274248
Figure 2006274248
Figure 2006274248
Figure 2006274248
Figure 2006274248
実施例および比較例の結果より、本発明により得られる半導体装置用接着剤組成物を用いた半導体接続用基板は、細いパターンにおいてもインナーリードボンディング時の銅箔の切れを低減できることが明らかとなった。

Claims (14)

  1. 少なくとも有機絶縁フィルムと接着剤層を有する半導体装置用接着剤付きテープにおいて、該有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱した場合の幅方向の寸法変化率A(%)が−0.15%≦A≦0.02%であることを特徴とする半導体装置用接着剤付きテープ。
  2. 有機絶縁フィルムを300℃で2時間加熱した場合の長さ方向の寸法変化率B(%)と幅方向の寸法変化率A(%)との差が0.04%≦B−A≦0.20%であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  3. 接着剤層の硬化後の300℃における弾性率が10MPa〜50MPaであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  4. 接着剤層の硬化後の23℃における弾性率が1000MPa〜2000MPaであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  5. 接着剤層の硬化後の25℃〜300℃における加熱収縮率が5%以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  6. 接着剤層の硬化後の300℃における残存発熱量が10J/g〜30J/gであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  7. 接着剤層が少なくともポリアミド樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  8. 接着剤層がトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂を2重量%以上含むことを特徴とする請求項7記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  9. 接着剤層がナフタレン型エポキシ樹脂を2重量%以上含むことを特徴とする請求項7記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  10. 有機絶縁フィルムが3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとから得られるポリイミドを30重量%以上含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置用接着剤付きテープ。
  11. 少なくとも有機絶縁フィルムと接着剤層を有する半導体装置用接着剤付きテープの製造方法において、有機絶縁フィルムを280〜380℃で0.5〜5時間加熱した後、200℃まで2℃/分以下で降温する熱処理を施すことを特徴とする半導体装置用接着剤付きテープの製造方法。
  12. 請求項1〜10いずれかに記載の半導体装置用接着剤付きテープを用いたテープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターン加工テープ。
  13. インナーリードのピッチが50μm以下であることを特徴とする請求項12記載のパターン加工テープ。
  14. 請求項12または13のパターン加工テープを用いた半導体装置。
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