JP2009121444A - 燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システム - Google Patents

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Abstract

【課題】メイン噴射の着火時期の変化量に基づいて適正なパイロット噴射量を学習する燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システムを提供する。
【解決手段】メイン噴射に先行してパイロット噴射を実施する場合、メイン噴射の着火時期はパイロット噴射量の増減および燃料セタン価の高低に応じて変化する。実線310に示す燃料セタン価が高い場合も、点線320に示す燃料セタン価が低い場合も、パイロット噴射量が増加するにしたがい着火時期の変化量は小さくなり、パイロット噴射量が減少するにしたがい着火時期の変化量は大きくなる。黒点312、322は、燃料セタン価の高低に関わらず、パイロット噴射量が多すぎず、かつ少なすぎず、パイロット噴射量を増減したときの着火時期または着火遅れ時間の変化量が所定の範囲内になる境界の最適なパイロット噴射量である。
【選択図】図3

Description

本発明は、1燃焼サイクル中にメイン噴射とメイン噴射に先行してパイロット噴射を実施する燃料噴射弁の燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システムに関する。
従来、メイン噴射とメイン噴射に先行するパイロット噴射とを1燃焼サイクル中に実施する燃料噴射弁において、メイン噴射の着火時期を検出し、検出した着火時期に基づいてパイロット噴射量を制御する燃料噴射制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1ではパイロット噴射が指令されているにも関わらずパイロット噴射が実施された場合よりもメイン噴射の着火時期が遅れている場合、燃料噴射弁のばらつき等によりパイロット噴射が実施されていないと判断し、パイロット噴射量を増量するように指令する。
パイロット噴射は、メイン噴射に先行してなされるものであり、パイロット噴射を実施することによりメイン噴射による燃料の着火時期を早め、メイン噴射の急激な燃焼を抑制する。これにより、NOxおよび燃焼騒音を低減することができる。
ここで、可能であれば、メイン噴射の着火時期に基づいてパイロット噴射量を制御するのではなく、パイロット噴射の燃焼部分の波形を直接解析してパイロット噴射量を制御することが考えられる。
しかしながら、パイロット噴射量は微少量であるため、パイロット噴射による燃焼部分を示すセンサ信号の変化量は小さい。その結果、パイロット噴射による燃焼部分のセンサ信号がノイズに埋もれるので、パイロット噴射の燃焼状態を誤検出するおそれがある。そのため、特許文献1のように、センサ信号の変化量が大きいメイン噴射の燃焼を解析し、メイン噴射の着火時期に基づいてパイロット噴射量の増量を指令する方式が採用されている。
特開平11−82121号公報
ところで、メイン噴射による着火時期は、燃料噴射弁の機差、経時変化による噴射特性の変化に加え、燃料セタン価等の燃料性状によっても変化する。例えば、燃料セタン価が異なると、同じパイロット噴射量であっても単位時間における燃焼量等の燃焼状態が異なる。その結果、同じパイロット噴射量で比較した場合、燃料セタン価が低下するとメイン噴射の着火時期は遅れ、燃料セタン価が上昇するとメイン噴射の着火時期は進む。したがって、特許文献1のようにメイン噴射の着火時期の遅れを検出してパイロット噴射量を増量すると、メイン噴射の着火時期を進めることはできるが、適正なパイロット噴射量を設定することはできない。
パイロット噴射量が適正値ではなく多すぎるとパイロット噴射による燃焼音が大きくなるとともに、スモークが発生する。また、パイロット噴射量が少なすぎるとメイン噴射の着火時期が遅れるので、エミッションが悪化するとともに急激なメイン噴射による燃焼のために燃焼音が大きくなる。
この問題は、着火時期に代えて、例えばメイン噴射の噴射開始の指令時期に対する着火時期の着火遅れ時間に着目した場合も同様に発生する。着火時期が変化すると着火遅れ時間も変化するので、パイロット噴射が実施された場合よりも着火遅れ時間が長い場合にパイロット噴射量を増量すると、着火遅れ時間を減少し短くすることはできるが、適正なパイロット噴射量を設定することはできない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、メイン噴射の着火時期の変化量に基づいて適正なパイロット噴射量を学習する燃料噴射制御装置およびそれを用いた燃料噴射システムを提供することを目的とする。
本発明者は、燃料噴射弁の機差、経時変化または燃料セタン価等によってメイン噴射の着火時期または着火遅れ時間は変化するものの、パイロット噴射量が増加するにしたがいパイロット噴射量を増減したときの着火時期または着火遅れ時間の変化量は小さくなり、パイロット噴射量が減少するにしたがいパイロット噴射量を増減したときの着火時期または着火遅れ時間の変化量は大きくなることを見いだした。
そして本発明者は、燃料噴射弁の機差、経時変化または燃料性状に関わらず、パイロット噴射量が多すぎず、かつ少なすぎず、パイロット噴射量を増減したときの着火時期または着火遅れ時間の変化量が所定の範囲内になる境界のパイロット噴射量が最適なパイロット噴射量であることを見いだした。
そこで請求項1から6に記載の発明では、内燃機関が定常状態であるときにパイロット噴射量を増減したときに、メイン噴射により噴射された燃料の着火時期の変化量に基づいてパイロット噴射量を学習する。
これにより、パイロット噴射量が多すぎず、かつ少なすぎず、パイロット噴射量を増減したときの着火時期が所定の変化量の範囲内になる最適なパイロット噴射量を学習することができる。
ここで、着火時期の変化量とは、パイロット噴射量の増減によるメイン噴射の着火時期の進み量および遅れ量だけではなく、パイロット噴射量の増減によるメイン噴射の着火遅れ時間の減少量および増加量も表している。着火時期が進むと着火遅れ時間が減少し、着火時期が遅れると着火遅れ時間が増加するので、着火時期の進み量および遅れ量と、着火遅れ時間の減少量および増加量とは実質的に同じ内容を表している。
請求項2に記載の発明では、パイロット噴射量の中心値を増減しながら中心値を基準としてパイロット噴射量を増減し、中心値における着火時期(着火遅れ時間)に対し、中心値を基準としてパイロット噴射量を増加したときの着火時期の進み量(着火遅れ時間の減少量)、ならびに中心値を基準としてパイロット噴射量を減少したときの着火時期の遅れ量(着火遅れ時間の増加量)がそれぞれ所定の変化量の範囲内であれば、そのときの中心値をパイロット噴射量の学習値とする。
このように、パイロット噴射量の中心値を増減し、増減したパイロット噴射量の中心値を基準としてパイロット噴射量を増減することにより、着火時期の進み量および遅れ量(着火遅れ時間の減少量および増加量)が所定の変化量の範囲内になる最適なパイロット噴射量を高精度に学習できる。
請求項3に記載の発明では、内燃機関の運転状態を複数の所定範囲に規定し、規定した所定範囲毎にパイロット噴射量を学習する。これにより、運転状態の所定範囲毎に、最適なパイロット噴射量を学習できる。
請求項4に記載の発明では、着火時期検出手段が検出したメイン噴射の実着火時期とメイン噴射の目標着火時期との差に基づきメイン噴射の噴射時期をフィードバック制御する。
これにより、学習したパイロット噴射量でパイロット噴射を実施し、メイン噴射の噴射時期を適切にフィードバック制御できる。
請求項5に記載の発明では、噴射時期フィードバック手段は、パイロット噴射量の学習中においてフィードバック制御を停止する。
これにより、噴射時期フィードバック手段による噴射時期のフィードバック制御の影響を排除し、噴射量学習手段は最適なパイロット噴射量を学習できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム20)
本実施形態の蓄圧式の燃料噴射システム20は、高圧ポンプ32、コモンレール34、燃料噴射弁40、筒内圧センサ(Combustion Pressure Sensor:CPS)42、電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)50等から構成されている。
燃料噴射システム20が燃料を供給するディーゼルエンジン10は4気筒の内燃機関である。コンプレッサ2で圧縮された吸気は、インタークーラ4を通り、吸気絞り弁6で流量を調整され、ディーゼルエンジン10の各気筒に吸入される。吸気絞り弁6は、軽負荷領域ではEGRをより多く入れるために絞られるが、高負荷領域では吸気量増大やポンピングロスの低減等のために、ほぼ全開状態に保持される。ディーゼルエンジン10に吸入される吸気の圧力は、吸気圧センサ8で検出される。
EGR(Exhaust Gas Recirculation)弁12は、EGRクーラ14で冷却されたディーゼルエンジン10の排気を吸気側に環流する流量を調整する。
高圧ポンプ32は、カムシャフトのカムの回転にともないプランジャが往復移動することにより、燃料タンク30から加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。ECU50が高圧ポンプ32の図示しない調量弁に供給する電流値を制御することにより、高圧ポンプ32が吸入行程で吸入する燃料吸入量が調量される。そして、燃料吸入量が調量されることにより、高圧ポンプ32の燃料吐出量が調量される。
コモンレール34は、高圧ポンプ32が圧送する燃料を蓄圧しエンジン運転状態に応じた所定の高圧に燃料圧力を保持する。コモンレール34の圧力(以下、「コモンレール圧」とも記載する。)は、高圧ポンプ32の吐出量およびコモンレール34に設置された図示しない減圧弁により制御される。
燃料噴射弁40は、ディーゼルエンジン10の各気筒に設置され、コモンレール34が蓄圧している燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁40は、ディーゼルエンジン10の1回の燃焼行程においてパイロット噴射、メイン噴射およびポスト噴射等を含む多段噴射を行う。燃料噴射弁40は、ノズルニードルに閉弁方向に燃料圧力を加える制御室の圧力を制御することにより燃料噴射量を制御する公知の電磁駆動式の弁である。
CPS42は、ディーゼルエンジン10の気筒内の圧力を検出する圧力センサである。CPS42は、図1の実線および点線のCPS42に示されるように4気筒のすべてに設置されてもよいし、実線のCPS42が示すように1気筒だけに設置されてもよい。NEセンサ44は、ディーゼルエンジン10の回転数を検出する。
燃料噴射制御装置としてのECU50は、ディーゼルエンジン10を最適な運転状態に制御するために、吸気圧センサ8、CPS42、NEセンサ44等の各種センサから取得したエンジン運転状態に基づいて高圧ポンプ32、コモンレール34の調量弁および燃料噴射弁40への通電を制御する。
ECU50は、各種センサから得たエンジン運転状態に基づいて燃料噴射弁40の噴射時期および噴射量を制御する。ECU50は、燃料噴射弁40の噴射時期および噴射量を制御する噴射指令信号として噴射パルス信号を出力する。噴射パルス信号のパルス幅が長くなると、燃料噴射弁40の制御室が低圧側に開放される時間が長くなるので、噴射量が増加する。ECU50は、噴射パルス信号のパルス幅と噴射量との関係を表す噴射量特性を、噴射圧であるコモンレール圧毎にマップとしてROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に記憶している。
(メイン着火時期)
図2に示すように、メイン噴射とメイン噴射に先行してパイロット噴射を実施するときのメイン噴射の着火時期について説明する。
図2の上段に示すように、ECU50は、パイロット噴射およびメイン噴射に対して噴射時期および噴射量を指令する噴射パルス信号200を出力する。図2の中段のノズルリフト202が示すように、燃料噴射弁40の開弁時期および閉弁時期は噴射パルス信号に対して遅れる。ECU50は、燃料噴射弁40の開弁遅れ時間および閉弁遅れ時間を記憶装置に記憶しており、これらデータを考慮して噴射パルス信号の立ち上がり時期およびパルス幅を調整する。
ECU50は、燃料噴射弁40の開弁遅れ時間を考慮し、エンジン運転状態からメイン噴射の噴射指令時期および目標着火時期を算出して噴射パルス信号を出力する。そして、実際の実着火時期と目標着火時期との差に基づき、噴射指令時期をフィードバック制御する。
ここで、メイン噴射の実着火時期を次式(1)から熱発生率を算出することにより検出する。
熱発生率=(V・dP+κ・P・dV)/(κ−1) ・・・(1)
式(1)において、Vは気筒内容積を、PはCPS42が検出した筒内圧を、κは比熱比をそれぞれ示している。そして、メイン噴射による燃料の着火により熱発生率が上昇し予め設定してある閾値を超える時期をメイン噴射の着火時期とする。図2では、熱発生率の20を閾値としている。
メイン噴射に対する噴射指令時期である噴射パルス信号の立ち上がり時期から実着火時期までの着火遅れ時間は、燃料噴射弁40の機差、経時変化、EGR弁12の経時変化または燃料セタン価等によって変化する。そして、メイン噴射の着火時期は、パイロット噴射量Qpによって図3に示すように変化する。図3の実線310は燃料セタン価が高いときの特性を示し、点線320は燃料セタン価が低いときの特性を示している。
そして、燃料セタン価の高低に関わらず、パイロット噴射量が減少すると着火時期が遅れ(「着火遅れ時間が増加する」ともいう。)、パイロット噴射量が増加すると着火時期が進む(「着火遅れ時間が減少する」ともいう。)。パイロット噴射量がある程度以上増加すると、パイロット噴射量の増減に対して着火時期の変化量は小さくなる。また、燃料セタン価が高くなると、同じパイロット噴射量に対して着火時期が進むことが分かる。
パイロット噴射量が減少することにより着火時期が遅れ、着火遅れ時間が増加すると、エミッションの悪化およびメイン噴射による燃焼騒音の増加が発生する。一方、パイロット噴射量が増加することにより着火時期が進み、着火遅れ時間が減少すると、スモークおよびパイロット噴射による燃焼騒音の増加が発生する。
ここで、本発明者は、パイロット噴射量を増減したときに、着火時期の変化量、つまり着火時期の進み量および遅れ量がともに所定の変化量の範囲内になる境界点において、パイロット噴射量が最適になることを見いだした。図3では、黒点312、322がこの境界点を示している。燃料セタン価により、最適となるパイロット噴射量、つまり黒点312、322の位置は異なっている。
(ECU50の各手段)
次に、最適なパイロット噴射量を学習するためにECU50に設けた各手段を説明する。ECU50は、ROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されている制御プログラムにより以下の各手段として機能する。
(1)着火時期検出手段
ECU50は、CPS42の検出信号に基づいて前述した式(1)から熱発生率を算出する。そして、ECU50は、メイン噴射による燃料が着火し、熱発生率が上昇して所定の閾値を超える時期をメイン噴射の着火時期として検出する。
(2)運転状態検出手段
ECU50は、パイロット噴射量を学習するときの学習条件を検出するために、各種センサからエンジン運転状態を検出する。
(3)定常状態判定手段
ECU50は、エンジン運転状態がパイロット噴射量の学習条件として設定した定常状態にあるかを判定する。学習条件としては、アイドル運転時のような特定の運転域か、例えばエンジン回転数とトルクとの関係を示すエンジン運転状態の全域を複数に区切った所定範囲のいずれかでもよい。特定の運転域で学習する場合は、検出した着火時期を変換して他の運転状態に適用すればよい。
(4)噴射量増減手段
ECU50は、燃料噴射弁40に対して噴射パルス信号のパルス幅を調整してパイロット噴射量の増減を指令する。
(5)着火変化量検出手段
ECU50は、パイロット噴射量の中心値Qpにおける着火時期に対し、中心値Qpから所定量ΔQ増減したときの着火時期の進み量および遅れ量、あるいは中心値Qpにおける着火遅れ時間に対し、中心値Qpから所定量ΔQ増減したときの着火遅れ時間の減少量および増加量を検出する。
(6)噴射量学習手段
ECU50は、パイロット噴射量の中心値Qpを増減しながら中心値Qpを基準としてパイロット噴射量を増減し、着火時期の進み量および遅れ量、または着火遅れ時間の減少量および増加量が所定の変化量の範囲内になるパイロット噴射量の最適値を学習する。
(7)規定手段
ECU50は、メイン噴射の着火時期をエンジン運転状態の複数の所定範囲毎に検出し、検出した着火時期の変化量に基づいてパイロット噴射量を学習する場合、エンジン運転状態を区切る所定範囲を規定する。ECU50は、各所定範囲において学習したパイロット噴射量を所定範囲のエンジン運転状態に適用する。つまり、エンジン運転状態を区切る所定範囲は、パイロット噴射量を学習する場合にECU50として同じエンジン運転状態とみなせる範囲である。
(8)噴射時期フィードバック手段
ECU50は、噴射量学習手段で最適なパイロット噴射量の学習が終了すると、エンジン運転状態から基準となるベース噴射時期を設定し、ベース噴射時期から目標着火時期を設定する。そして、着火時期検出手段で検出した実着火時期を目標着火時期に近づけるように、実着火時期と目標着火時期との差に基づいて噴射時期のフィードバック量を算出する。
(パイロット噴射量学習)
次に、燃料噴射システム20におけるパイロット噴射量の学習について、図4から図11に基づいて説明する。各図に示すルーチンは、ECU50のROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されており、常時実行される。また、各図において「S」はステップを表している。
(フィードバックルーチン)
まず、図4に示す燃料噴射弁40の噴射時期のフィードバックルーチンについて説明する。フィードバックルーチンで噴射されるパイロット噴射量は、後述するパイロット噴射量学習ルーチンで学習した最適な値である。
S400においてECU50は、パイロット噴射量の学習中ではないかを判定する。この判定は、後述する学習中フラグのオンまたはオフで判定する。
パイロット噴射量の学習中であれば(S400:No)、S402においてECU50は、噴射時期のフィードバック制御を行わず、前回のフィードバック制御で算出した噴射時期を保持してそのまま使用する。
パイロット噴射量の学習中ではない場合(S400:Yes)、S404においてECU50は、エンジン運転状態からベース噴射時期を設定し、S406において目標着火時期を設定する。
S408においてECU50は、検出されているメイン噴射の実着火時期を記憶装置から読み出し、S410において実着火時期を目標着火時期に一致させるように、実着火時期と目標着火時期との差から噴射時期のフィードバック量を算出する。
S412においてECU50は、S410において算出したフィードバック量でベース噴射時期を補正し、本ルーチンを終了する。ECU50は、本ルーチンで算出した噴射時期または前回の噴射時期で燃料噴射弁40に指令する。噴射時期をフィードバック制御する場合、ECU50は、パイロット噴射とメイン噴射とのインターバル時間は変更せず、パイロット噴射およびメイン噴射の噴射時期をともに変更する。
(着火時期検出ルーチン)
図5、6、7に着火時期検出ルーチンを示す。
図5のS420においてECU50は、CPS42の検出信号をサンプリングする気筒と、サンプリング区間を設定する。サンプリング区間は、例えば所定のクランク角度の範囲で設定される。CPS42を1気筒だけに設置している場合は、サンプリング区間だけを設定する。
S422においてECU50は、サンプリング気筒のクランク角度がサンプリング区間に達したかを判定する。サンプリング区間に達していない場合(S422:No)、ECU50は本ルーチンを終了する。
サンプリング区間に達している場合(S422:Yes)、S424においてECU50は、CPS42の検出信号をクランク角度またはクロック時間に同期してAD変換し、RAMまたはフラッシュメモリに記憶し保存する。
S426においてECU50は、サンプリング区間が終了したかを判定する。ECU50は、サンプリング区間が終了していない場合(S426:No)、S424に処理を戻し、サンプリング区間が終了した場合(S426:Yes)、本ルーチンを終了する。
図6のS430においてECU50は、図5のS424においてAD変換され保存されたCPS42の検出信号を、サンプリング箇所の中間値を平均により算出するなどしてスムージングする。
S432においてECU50は、スムージングしたCPS42の検出信号(筒内圧)の値を前述した式(1)に代入し、熱発生率を算出する。そして、S434においてECU50は、式(1)からサンプリング区間内のクランク角度毎に算出した熱発生率を記憶装置に記憶して保存し、本ルーチンを終了する。
図7のS440においてECU50は、メイン噴射の着火時期を検出するときの熱発生率の閾値と、着火時期の検出区間とを設定する。
S442においてECU50は、図6のS434で保存した熱発生率データを読み出す。そして、S444においてECU50は、メイン噴射による燃料が着火して図2に示す熱発生率が上昇し、熱発生率の閾値(図2では熱発生率の20)を通過する時のクランク角度位置をメイン噴射の着火時期として記憶する。
S446においてECU50は、燃料噴射弁40に指令した噴射パルス信号の立ち上がり時期とメイン噴射の着火時期との差を着火遅れ時間として算出し(図2参照)、記憶する。
(学習要請設定ルーチン)
図8に、パイロット噴射量の学習要請ルーチンを示す。図8に示すパイロット学習要請フラグは、セットされていればパイロット噴射量の学習が必要であることを示し、リセットされていればパイロット噴射量の学習を禁止することを示す。
S450においてECU50は、前回のパイロット学習が終了してから所定距離以上走行したかを判定する。パイロット噴射量は出荷時に一度学習されている。
前回のパイロット学習が終了してから所定距離走行している場合(S450:Yes)、S452においてECU50は、パイロット学習要請フラグをセットし、本ルーチンを終了する。前回のパイロット学習が終了してから所定距離以上走行している場合、燃料噴射弁40等の経時変化によりメイン噴射の着火時期が変化している可能性があるので、ECU50はパイロット学習の実施を要請する。
前回のパイロット学習が終了してから所定距離以上走行していない場合(S450:No)、S454においてECU50は、図7のS446において算出した現在のメイン噴射の着火遅れ時間が、前回の学習完了時の値よりも所定値以上変化したかを判定する。
メイン噴射の着火遅れ時間が所定値以上変化している場合(S454:Yes)、前回のパイロット学習が終了してから所定距離以上走行していなくても、燃料セタン価等の燃料性状が変化した可能性があるので、S452においてECU50は、パイロット学習要請フラグをセットし、本ルーチンを終了する。
メイン噴射の着火遅れ時間が所定値以上変化していない場合(S454:No)、S456においてECU50は、パイロット学習要請フラグをリセットし、本ルーチンを終了する。
(学習条件判定ルーチン)
図9に、パイロット噴射量の学習条件が成立しているかを判定する学習条件判定ルーチンを示す。
S460においてECU50は、パイロット学習要請フラグがセットされているかを判定する。パイロット学習要請フラグがセットされていない場合(S460:No)、ECU50は本ルーチンを終了する。
パイロット学習要請フラグがセットされている場合(S460:Yes)、S462においてECU50は、エンジン運転状態が予め設定した所定の運転状態であるかを判定する。
エンジン運転状態が所定の運転状態である場合(S462:Yes)、S464においてECU50は、エンジン運転状態が設定した運転状態から外れておらず、ほぼ定常状態であるかを判定する。
エンジン運転状態が設定した運転状態から外れておらず、ほぼ定常状態である場合(S464:Yes)、S466においてECU50は、CPS42が正常であるかを判定する。例えば、CPS42の出力信号がロー側またはハイ側に固定され変化しない場合には、ECU50はCPS42の異常であると判定する。
CPS42が正常であれば、ECU50はパイロット噴射量の学習条件が成立していると判断し、S468において学習中フラグをセットし、本ルーチンを終了する。
S462、S464またはS466において判定結果がNoであれば、S470においてECU50は、学習中フラグをリセットする。
そしてS472においてECU50は、パイロット噴射量の学習が終了しているかを判定する。学習が終了している場合(S472:No)、ECU50は本ルーチンを終了する。学習が終了していない場合(S472:Yes)、ECU50はS474に処理を移行する。
S472の判定は、後述するルーチンで設定される学習値取得完了フラグのオンまたはオフで判定する。S462、S464、S466において学習条件が成立しなくなっても、学習値取得完了フラグがオンであれば、所定のパイロット噴射量Qpにおいて、中心値のQpにおける着火時期と、Qpを中心値として所定の変化量ΔQを増加および減少させたときの中心値Qpからの着火時期の変化量の学習は終了していることを示す。
S474においてECU50は、パイロット噴射Qpと、Qpを中心値として所定の変化量ΔQを増加および減少させた(Qp±ΔQ)とにおけるデータ取得済フラグをリセットし、本ルーチンを終了する。
(着火遅れ時間検出ルーチン)
図10に、着火遅れ時間検出ルーチンを示す。
S480においてECU50は、パイロット学習が未完了かを判定する。この判定は、パイロット学習要請フラグと学習値取得完了フラグとがセットされているか否かで判定される。ECU50は、パイロット学習要請フラグおよび学習値取得完了フラグがともにセットされていれば、パイロット噴射量の学習が要請されているとともに、パイロット噴射量の中心値Qpにおける着火遅れ時間のデータと、中心値Qpから所定のΔQ増減したときの着火遅れ時間のデータとを取得済みであり、パイロット学習が完了していると判定する。また、ECU50は、パイロット学習要請フラグおよび学習値取得完了フラグの少なくとも一方がリセットされていると、パイロット学習は未完了であると判定する。
パイロット学習が完了している場合(S480:No)、ECU50は本ルーチンを終了する。パイロット学習が未完了の場合(S480:Yes)、S482においてECU50は、学習中フラグがセットされているかを判定する。
学習中フラグがリセットされ学習中ではない場合(S482:No)、ECU50は本ルーチンを終了する。
学習中フラグがセットされ学習中である場合(S482:Yes)、S484においてECU50は、中心値であるパイロット噴射量Qpにおいてメイン噴射の着火遅れ時間を未取得であるかを判定する。
未取得であれば(S484:Yes)、S486においてECU50は、パイロット噴射量Qpにおいて着火遅れ時間Td_baseを検出する。そして、S488においてECU50は、パイロット噴射量Qpでのデータ取得済フラグをセットし、本ルーチンを終了する。
パイロット噴射量Qpにおいてメイン噴射の着火遅れ時間を取得している場合(S484:No)、S490においてECU50は、中心値QpからΔQ減量したパイロット噴射量(Qp−ΔQ)においてメイン噴射の着火遅れ時間を未取得であるかを判定する。
パイロット噴射量(Qp−ΔQ)においてメイン噴射の着火遅れ時間を未取得である場合(S490:Yes)、S492においてECU50は、パイロット噴射量(Qp−ΔQ)において着火遅れ時間Td_downを検出する。そして、S494においてECU50は、パイロット噴射量(Qp−ΔQ)でのデータ取得済フラグをセットし、本ルーチンを終了する。
パイロット噴射量(Qp−ΔQ)においてメイン噴射の着火遅れ時間を取得している場合(S490:No)、S496においてECU50は、パイロット噴射量(Qp+ΔQ)において着火遅れ時間Td_upを検出する。そして、ECU50は、S498においてメイン噴射の着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)を算出し、S500においてメイン噴射の着火遅れ時間の減少量(Td_base−Td_up)を算出する。
そして、S502においてECU50は、学習値取得完了フラグをセットし、本ルーチンを終了する。
(最適値学習ルーチン)
図11に、パイロット噴射量の最適値学習ルーチンを示す。
S510においてECU50は、学習値取得完了フラグがオンであるかを判定する。学習値取得完了フラグがオフであれば(S510:No)、ECU50は本ルーチンを終了する。
学習値取得完了フラグがオンであれば(S510:Yes)、S512においてECU50は、図10のS498で算出した、中心値QpからΔQ減少させたときのメイン噴射の着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量aを超えているかを判定する。
中心値QpからΔQ減少させたときの着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量aを超えている場合(S512:Yes)、ECU50は、パイロット噴射量の中心値Qpが最適値(図3の黒点312、322)よりも減少側であると判断し、S514において中心値Qpを(Qp+ΔQ)に増加設定する。
そして、S516においてECU50は、パイロット噴射量Qp、(Qp−ΔQ)でのデータ取得済フラグをリセットし、本ルーチンを終了する。
中心値QpからΔQ減少させたときの着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量aを超えていない場合(S512:No)、ECU50は、パイロット噴射量の中心値Qpが少なくとも最適値よりも減少側ではないと判断する。
そして、S518においてECU50は、中心値QpからΔQ減少させたときの着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量bより小さいかを判定する。所定量bは次のS522で使用する所定量cよりも小さい値である。
中心値QpからΔQ減少させたときの着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量bよりも小さい場合(S518:Yes)、ECU50は、パイロット噴射量の中心値Qpが最適値よりも大き過ぎると判断し、S520おいて中心値Qpを(Qp−ΔQ)に減少設定し、S516に処理を移行する。
中心値QpからΔQ減少させたときの着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量b以上の場合(S518:No)、S522においてECU50は、図10のS500で算出した中心値QpからΔQ増加させたときのメイン噴射の着火遅れ時間の減少量(Td_base−Td_up)が所定量cよりも小さいかを判定する。
中心値QpからΔQ減少させたときのメイン噴射の着火遅れ時間の増加量(Td_down−Td_base)が所定量b以上であり(S518:No)、中心値QpからΔQ増加させたときのメイン噴射の着火遅れ時間の減少量(Td_base−Td_up)が所定量bよりも大きい所定量c以上の場合(S522:No)、図3の特性から判断して着火時期の検出結果が正常であればこのような判定結果にはならない。
そこで、着火遅れ時間の減少量(Td_base−Td_up)が所定量c以上の場合(S522:No)、ECU50は着火時期の検出結果が異常であると判断し、S516に処理を移行し、着火時期の検出をやり直す。
中心値QpからΔQ増加させたときの着火遅れ時間の減少量(Td_base−Td_up)が所定量cよりも小さい場合(S522:Yes)、ECU50は、中心値のパイロット噴射QpからΔQ増減させたときのメイン噴射の着火遅れ時間が所定の変化量の範囲内にあると判断する。そして、S524においてECU50は、パイロット学習要請フラグ、パイロット噴射量Qp、(Qp−ΔQ)でのデータ取得済フラグをリセットする。
S526においてECU50は、メイン噴射の着火遅れ時間をRAMに記憶し、本ルーチンを終了する。
ECU50は、このように学習したパイロット噴射量の最適値によりパイロット噴射を実行し、前述した図4のフィードバックルーチンでメイン噴射の着火時期を目標着火時期に一致させる。
以上説明したように、パイロット噴射量を増減したときの着火時期の変化量が所定範囲内になる最適値を学習することにより、燃料噴射弁40の機差、経時変化、EGR弁12の経時変化、または燃料セタン価等の燃料性状の変化によりメイン噴射の着火時期が変動しても、学習したパイロット噴射量に基づいて、エンジン運転状態に適したメイン噴射の着火時期になるように噴射時期をフィードバック制御できる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、パイロット噴射量の中心値を増減しながら、中心値を基準としてパイロット噴射量を増減し、中心値における着火遅れ時間に対し、中心値を基準としてパイロット噴射量を増減したときの着火遅れ時間が所定の変化量の範囲内であれば、中心値をパイロット噴射量の学習値とした。これに対し、中心値に相当するパイロット噴射量を増減しながら、中心値における着火時期または着火遅れ時間の変化量を中心値同士で比較し、着火時期または着火遅れ時間が所定の変化量の範囲内になる中心値をパイロット噴射量の学習値としてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本実施形態による燃料噴射システムを示すブロック図。 パイロット噴射およびメイン噴射における噴射パルス信号、ノズルリフト、熱発生率の変化を示すタイムチャート。 燃料セタン価の高低におけるパイロット噴射量と着火時期との関係を示す特性図。 フィードバックルーチンを示すフローチャート。 着火時期検出ルーチンを示すフローチャート。 着火時期検出ルーチンを示すフローチャート。 着火時期検出ルーチンを示すフローチャート。 学習要請設定ルーチンを示すフローチャート。 学習条件判定ルーチンを示すフローチャート。 着火遅れ時間検出ルーチンを示すフローチャート。 最適値学習ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
10:ディーゼルエンジン(内燃機関)、20:燃料噴射システム、32:高圧ポンプ(燃料供給ポンプ)、34:コモンレール、40:燃料噴射弁、42:CPS、50:ECU(燃料噴射制御装置、着火時期検出手段、運転状態検出手段、定常状態判定手段、噴射量増減手段、着火変化量検出手段、噴射量学習手段、規定手段、噴射時期フィードバック手段)

Claims (6)

  1. 圧縮着火式の内燃機関の気筒内にメイン噴射と前記メイン噴射に先行するパイロット噴射とを1燃焼サイクル中に実施する燃料噴射弁の燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置において、
    前記メイン噴射により噴射された燃料の着火時期を検出する着火時期検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態が所定の定常状態であるかを判定する定常状態判定手段と、
    前記内燃機関が前記定常状態であるときに前記パイロット噴射のパイロット噴射量を増減する噴射量増減手段と、
    前記パイロット噴射量の増減による前記着火時期の変化量を検出する着火変化量検出手段と、
    前記パイロット噴射量の増減による前記着火時期の前記変化量に基づいて前記パイロット噴射量を学習する噴射量学習手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記噴射量増減手段は、前記パイロット噴射量の中心値を増減しながら前記中心値を基準として前記パイロット噴射量を増減し、
    前記噴射量学習手段は、前記中心値における前記着火時期に対し、前記噴射量増減手段が前記中心値を基準として前記パイロット噴射量を増加したときの前記着火時期の進み量、ならびに前記噴射量増減手段が前記中心値を基準として前記パイロット噴射量を減少したときの前記着火時期の遅れ量がそれぞれ所定の変化量の範囲内であれば、前記中心値を前記パイロット噴射量の学習値とすることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記運転状態を複数の所定範囲に規定する規定手段を備え、
    前記噴射量増減手段は前記所定範囲毎に前記パイロット噴射量を増減し、
    前記着火変化量検出手段は前記所定範囲毎に前記パイロット噴射量の増減による前記着火時期の前記変化量を検出し、
    前記噴射量学習手段は前記パイロット噴射量の増減による前記着火時期の前記変化量に基づいて前記所定範囲毎に前記パイロット噴射量を学習する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記着火時期検出手段が検出した前記メイン噴射の実着火時期と前記メイン噴射の目標着火時期との差に基づき前記メイン噴射の噴射時期をフィードバック制御する噴射時期フィードバック手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記噴射時期フィードバック手段は、前記パイロット噴射量の学習中において前記フィードバック制御を停止することを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 燃料を加圧し圧送する燃料供給ポンプと、
    前記燃料供給ポンプが圧送する燃料を蓄圧するコモンレールと、
    前記コモンレールが蓄圧している燃料を内燃機関の気筒に噴射する燃料噴射弁と、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射システム。
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