JP2009114280A - 顔料分散液、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高分子分散剤、顔料、および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤が、疎水性ユニットと親水性ユニットからなり、該親水性ユニットが少なくともアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体であり、上記顔料が特定の顔料であることを特徴とする顔料分散液。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、高分子分散剤、顔料、および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤が、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットからなり、該疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、該親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体であり、上記顔料が、C.I.ピグメントイエロー3、74、93、95、109、120、128、138、151、175、183、184;C.I.ピグメントレッド12、122、184、202;C.I.ピグメントバイオレット19、32;C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16;C.I.ピグメントグリーン7;およびC.I.ピグメントブラック1、7、10、31、32からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする顔料分散液を提供する。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、nは1から10である。)
(式中、R2は水素原子またはメチル基を、Yは−R3、−OR3または−COOR3を表す。ここでR3は炭素数1から18のアルキル基を表す。)
親水性ユニットが、アニオン性の親水基を有するセグメントを有していること;親水性ユニットが、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部とアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部とを有していること;高分子分散剤が、前記一般式(2)の繰り返し単位構造からなるブロック部、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部およびアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部の順番で少なくとも構成されていること;およびカルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンを含み、これらのイオンが総量(A)で、前記高分子分散剤(B)に対してA:Bが1:100000以上1:100以下の質量比の範囲で含有されていることが好ましい。
本発明者らは、高分子分散剤、顔料、および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤として、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットとからなり、該疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、該親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体を使用し、上記顔料として、C.I.ピグメントイエロー3、74、93、95、109、120、128、138、151、175、183、184;C.I.ピグメントレッド12、122、184、202;C.I.ピグメントバイオレット19、32;C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16;C.I.ピグメントグリーン7;およびC.I.ピグメントブラック1、7、10、31、32からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することで、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも安定して記録することが可能なインクとすることができる顔料分散液が提供されることを見出した。
(式中、R1、X、nは前記定義の通りである。)
(高分子分散剤)
本発明に使用する高分子分散剤は、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットとからなるものであり、疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体である。
上記一般式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を、好ましくは水素原子またはメチル基を表し、nは1から10、好ましくは1から6である。
上記モノマー構造の繰り返し単位数としては、10から200、好ましくは20から150、より好ましくは20から100であると、カプセル化顔料粒子の分散安定性と被記録材上でのインクの定着性がより向上するため望ましい。
上記一般式(2)におけるR2は水素原子またはメチル基であるのが好ましく、Yは−R3、−OR3または−COOR3であるのが好ましい。ここでR3は炭素数1から18のアルキル基であるのが好ましい。このようなモノマーとしては、例えば、1−メチル−4−ビニルベンゼン、1−エチル−4−(プロペン−2−イル)ベンゼン、1−ブチル−4−(プロペン−2−イル)ベンゼン、1−ドデシル−4−(プロペン−2−イル)ベンゼン、4−メトキシ−ビニルベンゼン、4−ブトキシ−ビニルベンゼン、メチル−4−ビニルベンゾエート、ブチル−4−ビニルベンゾエート、ドデシル−4−ビニルベンゾエート、ヘキサデシル−4−ビニルベンゾエート、オクタデシル−4−ビニルベンゾエートなどが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
本発明に使用する顔料は、C.I.ピグメントイエロー3、74、93、95、109、120、128、138、151、175、183、184;C.I.ピグメントレッド12、122、184、202;C.I.ピグメントバイオレット19、32;C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16;C.I.ピグメントグリーン7;およびC.I.ピグメントブラック1、7、10、31、32からなる群から選ばれる少なくとも1種が使用される。これらの顔料は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用することもできる。また、これらの顔料以外に、他の顔料を全顔料の総質量に対して5%以下の範囲内で添加することも可能である。
以上が本発明の顔料分散液を主として構成する材料であるが、これらに加えて水溶性有機溶媒も使用するのが好ましい。本発明の顔料分散液に使用する水溶性有機溶媒としては、水溶性の有機溶媒であればいずれも使用することができ、2種以上の水溶性有機溶媒の混合溶媒としても使用できる。
本発明の顔料分散液は、従来公知の顔料分散技術により、水中に前記高分子分散剤を用いて顔料を分散させることで得られる。好ましい製造方法としては、前記高分子分散剤を好ましくはメチルエチルケントン、アセトン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶剤に溶解して溶液(濃度1〜30質量%)とし、該溶液と前記顔料とを前記の固形分比率で十分に混練して顔料を分散させるとともに、顔料粒子を高分子分散剤で被覆し、その後溶剤を留去する。得られた混合物をフレーク、シート、粉体などの形状とし、これを適当量のアルカリ物質を含む適当量の水に加えて攪拌することによって本発明の顔料分散液が得られる。
図1は、ヘッドにインク供給チューブ104を介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ100の一例を示す図である。101は供給用インクを収納したインク袋であり、その先端には塩素化ブチルゴム製の栓102が設けられている。この栓102に針103を挿入することにより、インク袋101中のインクを記録ヘッド(303から306)に供給できる。また、インクカートリッジ内に廃インクを受容するインク吸収体を設けてもよい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごとき記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが一体になったものも好適に用いられる。
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図5に示す。
また、高分子分散剤の同定には、核磁気共鳴吸収測定装置(H1−NMR、日本電子社製ECA400、溶媒;テトラヒドロフラン−d8を使用)およびGPC(東ソー(株)製HLC8220、カラム;TSK−GEL4000HXL、TSK−GEL3000HXL、TSK−GEL2000HXLを使用し、カラムオーブン温度40.0℃)を用いて行った。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部とペンタメチルジエチレントリアミン0.5部を仕込み、次いで疎水性ユニットの疎水性モノマーとして1−メチル−4−ビニルベンゼン36ミリモルと開始剤としてのクロロエチルベンゼン1ミリモルを添加し、攪拌しながら加熱した。系内温度が80℃に達したところで塩化第一銅0.2部を加え重合を開始し、疎水性ユニットの疎水性モノマーからなるブロック部(A成分)を合成した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分の重合が完了した後、次いで前記一般式(1)のアクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてのN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)アクリルアミド(B成分)36ミリモルを添加し重合を続行した。同様にGPCで分子量をモニタリングし、B成分の重合が完了した後、アニオン性の親水基を有するセグメントを形成し得るモノマーとしてメタクリル酸のカルボキシル基をブチル基でエステル化したブチルメタクリレート20ミリモル(C成分)を添加して合成を行った。重合を停止させた後、エステル化させたカルボキシル基は水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させ、ABCトリブロック共重合体(高分子分散剤A)を得た。化合物の同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=1.1×104、Mw/Mn[重量平均分子量/数平均分子量]=1.2)。なお、得られた高分子分散剤の酸価を測定したところ80mgKOH/gであった。
高分子分散剤Aにおけると同様の方法で、疎水性ユニットと親水性ユニットのモノマー種と添加量を変更することで、表1に記載の高分子分散剤B〜Gを作製した。なお、高分子分散剤EとFにおいては、BモノマーとCモノマーを混合して添加することで、高分子分散剤GについてはCモノマーを添加せずに合成を行うことでそれぞれ作製した。
(顔料分散液1の作製)
前記高分子分散剤Aのメチルエチルケトン溶液と市販の顔料としてC.I.ピグメントブラック7を2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶媒を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と中和剤として水酸化ナトリウムを高分子分散剤のアニオン性基の1当量に相当する量を加えて、さらに0.2%塩化カルシウム水溶液を添加して攪拌し、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液1を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液2の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Bに、顔料をC.I.ピグメントブラック1に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度20%、高分子分散剤濃度4%の顔料分散液2を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:20000であった。
(顔料分散液3の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Cに、顔料をC.I.ピグメントブラック10に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度1%、高分子分散剤濃度2%の顔料分散液3を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:200であった。
(顔料分散液4の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Dに、顔料をC.I.ピグメントブラック31に、塩化カルシウムを塩化マグネシウムに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度30%、高分子分散剤濃度3%の顔料分散液4を得た。得られた顔料分散液中のマグネシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、マグネシウムイオン:高分子分散剤=1:100000であった。
(顔料分散液5の作製)
実施例1の高分子分散剤を高分子分散剤Eに、顔料をC.I.ピグメントブラック32に、塩化カルシウムを塩化カルシウムと塩化マグネシウムの混合物(モル比1:1)に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度0.5%、高分子分散剤濃度1.5%の顔料分散液5を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量と高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量:高分子分散剤=1:100であった。
(顔料分散液6の作製)
実施例1で使用したC.I.ピグメントブラック7を使用し、高分子分散剤としてスチレン−2−ヒドロキシプロピルアクリレート−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10000、酸価160mgKOH/g、スチレンのセグメント数/2−ヒドロキシプロピルアクリレートのセグメント数=11)を使用した以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液6を得た。
(顔料分散液7の作製)
実施例1で使用したC.I.ピグメントブラック7を使用し、高分子分散剤としてオクタデシルメタクリレート−N,N−ジメチルアクリルアミドブロック共重合体(数平均分子量17000、オクタデシルメタクリレートのセグメント数/N,N−ジメチルアクリルアミドのセグメント数=0.07)を使用した以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液7を得た。
(顔料分散液8の作製)
実施例1で使用したC.I.ピグメントブラック7を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例1と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液8を得た。
実施例1〜5と比較例1〜3の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌して、それぞれインクを作製した。
・顔料分散液 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 50.0部
各顔料分散液を密閉状態で80℃2週間保存した後、試験前後の粒子径を測定し、下式で粒子径増加率(%)を求め分散安定性の尺度とした。粒子径の測定には動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システムFPAR−1000;大塚電子(株)社製)を用いた。評価基準は下記の通りとした。
◎:粒子径増加率(%)が5%未満である。
○:粒子径増加率(%)が5%以上10%未満である。
△:粒子径増加率(%)が10%以上30%未満である。
×:粒子径増加率(%)が30%以上である。
各インクを70℃で2週間保管した後、15℃で湿度が10%の環境下において、100%ベタ画像を印字し3分間休止した後、再度100%ベタ画像を印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:白スジが全く無く、正常に印字されている。
○:印字の最初の部分に僅かに白スジがみられる。
△:画像全体に白スジがみられる。
×:画像がほとんど印字されていない。
ハガキサイズのグラデーションパターンを1000枚連続印字し、1000枚目の画像のヨレ、不吐の吐出特性を下記の基準で評価した。
◎:ヨレ、不吐が無く、正常に印字されている。
○:不吐は発生していないが、一部にヨレが見られる。
△:不吐が一部発生し、画像全体にヨレが見られる。
×:不吐が多く発生し、画像全体にヨレが見られる。
70℃2週間保管した各インクで画像を印字し、その画像を下記評価基準で評価した。
◎:画像の滲みがなく、彩度が高い。
○:画像の滲みはないが、若干彩度が低い。
△:画像の滲みが若干みられる。
×:画像の滲みが多く、彩度も低い。
70℃2週間保管した各インクで100%ベタ画像を印字し、印字1分後に印字部を2×104N/m2の荷重を掛けてシルボン紙で擦り、その画像を下記評価基準で評価した。
◎:画像の擦れがなく、シルボン紙への付着がない。
○:画像の擦れがないが、シルボン紙への付着が見られる。
△:画像の擦れが若干みられる。
×:画像の擦れが多い。
各インクを密閉状態で70℃2週間保存した後、試験前後の粒子径を測定し、下式で粒子径増加率(%)を求め保存安定性の尺度とした。粒子径の測定には動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システムFPAR−1000;大塚電子(株)社製)を用いた。評価基準は下記の通りとした。
◎:粒子径増加率(%)が5%未満である。
○:粒子径増加率(%)が5%以上10%未満である。
△:粒子径増加率(%)が10%以上30%未満である。
×:粒子径増加率(%)が30%以上である。
(顔料分散液9の作製)
前記高分子分散剤Aのメチルエチルケトン溶液と市販の顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶媒を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と中和剤として水酸化カリウムを高分子分散剤のアニオン性基の1当量に相当する量を加えて、さらに0.2%塩化カルシウム水溶液を添加して攪拌し、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液9を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液10の作製)
実施例6の顔料をC.I.ピグメントイエロー3に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液10を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液11の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Bに、顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液11を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液12の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Bに、顔料をC.I.ピグメントイエロー93に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液12を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液13の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Cに、顔料をC.I.ピグメントイエロー95に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液13を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液14の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Cに、顔料をC.I.ピグメントイエロー109に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液14を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液15の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Dに、顔料をC.I.ピグメントイエロー120に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液15を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液16の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Dに、顔料をC.I.ピグメントイエロー138に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液16を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液17の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Eに、顔料をC.I.ピグメントイエロー151に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度20%、高分子分散剤濃度4%の顔料分散液17を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:20000であった。
(顔料分散液18の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Eに、顔料をC.I.ピグメントイエロー175に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度1%、高分子分散剤濃度2%の顔料分散液18を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:200であった。
(顔料分散液19の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Fに、顔料をC.I.ピグメントイエロー183に、塩化カルシウムを塩化マグネシウムに変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度30%、高分子分散剤濃度3%の顔料分散液19を得た。得られた顔料分散液中のマグネシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、マグネシウムイオン:高分子分散剤=1:100000であった。
(顔料分散液20の作製)
実施例6の高分子分散剤を高分子分散剤Gに、顔料をC.I.ピグメントイエロー184に、塩化カルシウムを塩化カルシウムと塩化マグネシウムの混合物(モル比1:1)に変更し、実施例6と同様にして、顔料濃度0.5%、高分子分散剤濃度1.5%の顔料分散液20を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量と高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量:高分子分散剤=1:100であった。
(顔料分散液21の作製)
実施例6で使用したC.I.ピグメントイエロー128を使用し、高分子分散剤としてスチレン−2−ヒドロキシプロピルアクリレート−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10000、酸価160mgKOH/g、スチレンのセグメント数/2−ヒドロキシプロピルアクリレートのセグメント数=11)を使用した以外は実施例6と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液21を得た。
(顔料分散液22の作製)
実施例6で使用したC.I.ピグメントイエロー128を使用し、高分子分散剤としてオクタデシルメタクリレート−N,N−ジメチルアクリルアミドブロック共重合体(数平均分子量17000、オクタデシルメタクリレートのセグメント数/N,N−ジメチルアクリルアミドのセグメント数=0.07)を使用した以外は実施例6と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液22を得た。
(顔料分散液23の作製)
実施例6で使用したC.I.ピグメントイエロー128を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例6と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液23を得た。
実施例6〜17と比較例4〜6の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌して、それぞれインクを作製した。
・顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 20.0部
・イオン交換水 40.0部
(顔料分散液24の作製)
前記高分子分散剤Aのメチルエチルケトン溶液と市販の顔料としてC.I.ピグメントレッド122を2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶媒を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と中和剤として水酸化ナトリウムを高分子分散剤のアニオン性基の1当量に相当する量を加えて、さらに0.2%塩化カルシウム水溶液を添加して攪拌し、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液24を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液25の作製)
実施例18の高分子分散剤を高分子分散剤Bに、顔料をC.I.ピグメントレッド12に変更し、実施例18と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液25を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液26の作製)
実施例18の高分子分散剤を高分子分散剤Cに、顔料をC.I.ピグメントレッド184に変更し、実施例18と同様にして、顔料濃度20%、高分子分散剤濃度4%の顔料分散液26を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:20000であった。
(顔料分散液27の作製)
実施例18の高分子分散剤を高分子分散剤Dに、顔料をC.I.ピグメントレッド202に変更し、実施例18と同様にして、顔料濃度1%、高分子分散剤濃度2%の顔料分散液27を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:200であった。
(顔料分散液28の作製)
実施例18の高分子分散剤を高分子分散剤Eに、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19に、塩化カルシウムを塩化マグネシウムに変更し、実施例18と同様にして、顔料濃度30%、高分子分散剤濃度3%の顔料分散液28を得た。得られた顔料分散液中のマグネシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、マグネシウムイオン:高分子分散剤=1:100000であった。
(顔料分散液29の作製)
実施例18の高分子分散剤を高分子分散剤Fに、顔料をC.I.ピグメントバイオレット32に、塩化カルシウムを塩化カルシウムと塩化マグネシウムの混合物(モル比1:1)に変更し、実施例18と同様にして、顔料濃度0.5%、高分子分散剤濃度1.5%の顔料分散液29を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量と高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量:高分子分散剤=1:100であった。
(顔料分散液30の作製)
実施例18で使用したC.I.ピグメントレッド122を使用し、高分子分散剤としてスチレン−2−ヒドロキシプロピルアクリレート−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10000、酸価160mgKOH/g、スチレンのセグメント数/2−ヒドロキシプロピルアクリレートのセグメント数=11)を使用した以外は実施例18と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液30を得た。
(顔料分散液31の作製)
実施例18で使用したC.I.ピグメントレッド122を使用し、高分子分散剤としてオクタデシルメタクリレート−N,N−ジメチルアクリルアミドブロック共重合体(数平均分子量17000、オクタデシルメタクリレートのセグメント数/N,N−ジメチルアクリルアミドのセグメント数=0.07)を使用した以外は実施例18と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液31を得た。
(顔料分散液32の作製)
実施例18で使用したC.I.ピグメントレッド122を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例18と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液32を得た。
実施例18〜23と比較例7〜9の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌して、それぞれインクを作製した。
・顔料分散液 40.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・1,2−ブタンジオール 5.0部
・ポリエチレングリコール600 5.0部
・2−ピロリドン 5.0部
・イオン交換水 35.0部
(顔料分散液33の作製)
前記高分子分散剤Aのメチルエチルケトン溶液と市販の顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶媒を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と中和剤として水酸化カリウムを高分子分散剤のアニオン性基の1当量に相当する量を加えて、さらに0.2%硝酸カルシウム水溶液を添加して攪拌し、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液33を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液34の作製)
実施例24の高分子分散剤を高分子分散剤Bに、顔料をC.I.ピグメントブルー15:1に変更し、実施例24と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液34を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウム:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液35の作製)
実施例24の高分子分散剤を高分子分散剤Cに、顔料をC.I.ピグメントブルー15:2に変更し、実施例24と同様にして、顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液35を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウム:高分子分散剤=1:5800であった。
(顔料分散液36の作製)
実施例24の高分子分散剤を高分子分散剤Dに、顔料をC.I.ピグメントブルー15:4に変更し、実施例24と同様にして、顔料濃度20%、高分子分散剤濃度4%の顔料分散液36を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:20000であった。
(顔料分散液37の作製)
実施例24の高分子分散剤を高分子分散剤Eに、顔料をC.I.ピグメントブルー15:6に変更し、実施例24と同様にして、顔料濃度1%、高分子分散剤濃度2%の顔料分散液37を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオン:高分子分散剤=1:200であった。
(顔料分散液38の作製)
実施例24の高分子分散剤を高分子分散剤Fに、顔料をC.I.ピグメントブルー16に、硝酸カルシウムを硝酸マグネシウムに変更し、実施例24と同様にして、顔料濃度30%、高分子分散剤濃度3%の顔料分散液38を得た。得られた顔料分散液中のマグネシウムイオンと高分子分散剤の質量比を測定したところ、マグネシウムイオン:高分子分散剤=1:100000であった。
(顔料分散液39の作製)
実施例24の高分子分散剤を高分子分散剤Gに、顔料をC.I.ピグメントグリーン7に、硝酸カルシウムを塩化カルシウムと硝酸マグネシウムの混合物(モル比1:1)に変更し、実施例24と同様にして、顔料濃度0.5%、高分子分散剤濃度1.5%の顔料分散液39を得た。得られた顔料分散液中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量と高分子分散剤の質量比を測定したところ、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量:高分子分散剤=1:100であった。
(顔料分散液40の作製)
実施例24で使用したC.I.ピグメントブルー15:3を使用し、高分子分散剤としてスチレン−2−ヒドロキシプロピルアクリレート−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10000、酸価160mgKOH/g、スチレンのセグメント数/2−ヒドロキシプロピルアクリレートのセグメント数=11)を使用した以外は実施例24と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液40を得た。
(顔料分散液41の作製)
実施例24で使用したC.I.ピグメントブルー15:3を使用し、高分子分散剤としてオクタデシルメタクリレート−N,N−ジメチルアクリルアミドブロック共重合体(数平均分子量17000、オクタデシルメタクリレートのセグメント数/N,N−ジメチルアクリルアミドのセグメント数=0.07)を使用した以外は実施例24と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液41を得た。
(顔料分散液42の作製)
実施例24で使用したC.I.ピグメントブルー15:3を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例24と同様にして顔料濃度15%、高分子分散剤濃度10%の顔料分散液42を得た。
実施例24〜30と比較例10〜12の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌して、それぞれインクを作製した。
・顔料分散液 50.0部
・エチレングリコール 10.0部
・トリメチロールプロパン 5.0部
・テトラエチレングリコール 5.0部
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル 5.0部
・イオン交換水 25.0部
101:インク袋
102:ゴム栓
103:針
104:チューブ
201:ベースプレート
202:インクノズル(吐出口)
203:隔壁
204:ノズルヒータ
205:共通液室
206:基板
207:天板
300:記録装置
301:ロール供給ユニット
302:被記録媒体(ロール紙)
303:記録ヘッド(ブラック)
304:記録ヘッド(シアン)
305:記録ヘッド(マゼンタ)
306:記録ヘッド(イエロー)
307:インクカートリッジ(ブラック)
308:インクカートリッジ(シアン)
309:インクカートリッジ(マゼンタ)
310:インクカートリッジ(イエロー)
311:キャップ機構
312:搬送モータ
313:搬送ベルト
400:キャップ
401:サブタンク
402:加圧ポンプ
403:吸引ポンプ
404a:供給弁
404b:回復弁
404c:大気開放弁
404d:リサイクル弁
405:フィルター
406:フェース(ノズル)面
80:インク流路
81:オリフィスプレート
82:振動板
83:圧電素子
84:基板
85:吐出口
Claims (11)
- 高分子分散剤、顔料、および水から主としてなる顔料分散液において、上記高分子分散剤が、少なくとも疎水性ユニットと親水性ユニットからなり、該疎水性ユニットが少なくとも1種の疎水性モノマーからなるブロック部を有し、該親水性ユニットが少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミド構造の繰り返し単位構造を有する共重合体であり、上記顔料が、C.I.ピグメントイエロー3、74、93、95、109、120、128、138、151、175、183、184;C.I.ピグメントレッド12、122、184、202;C.I.ピグメントバイオレット19、32;C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16;C.I.ピグメントグリーン7;およびC.I.ピグメントブラック1、7、10、31、32からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする顔料分散液。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、nは1から10である。) - 親水性ユニットが、アニオン性の親水基を有するセグメントを有している請求項1または2に記載の顔料分散液。
- 親水性ユニットが、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部とアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部とを有している請求項3に記載の顔料分散液。
- 高分子分散剤が、前記一般式(2)の繰り返し単位構造からなるブロック部、前記一般式(1)の繰り返し単位構造からなるブロック部およびアニオン性の親水基を有するセグメントのブロック部の順番で少なくとも構成されている請求項4に記載の顔料分散液。
- カルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンを含み、これらのイオンが総量(A)で、前記高分子分散剤(B)に対してA:Bが1:100000以上1:100以下の質量比の範囲で含有されている請求項1に記載の顔料分散液。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の顔料分散液と、少なくとも水溶性有機溶剤とを混合させてなることを特徴とするインクジェット記録用インク。
- インクにエネルギーを与えて、該インクを飛翔させて被記録材に付与して行うインクジェット記録方法において、上記インクが、請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
- エネルギーが、熱エネルギーである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
- インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、該インクが請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジと、該インクを吐出させるためのヘッド部とを備えたインクジェット記録装置において、該インクが請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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