JP2009114258A - 反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物、及び該組成物を用いた二液反応硬化型ポリウレタン接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 特定の触媒を選択して用い、また、有機ポリイソシアネートとして一定以上の酸度を有するポリメリックMDIを選択して用い、かつ、該有機ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基とヒマシ油系ポリオール(A)における水酸基との当量比を特定することにより、解決する。
【選択図】 なし
Description
触媒(D)が分子内に錫を含有するウレタン化触媒であり、
有機ポリイソシアネート(F)が、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(fd)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(fp)が80〜20質量%(但し、(fd)+(fp)=イソシアネート基含有成分(f)として100質量%)である、0.03質量%以上の酸度を含有するポリメリックMDI(f)であり、かつ、
有機ポリイソシアネート(F)におけるイソシアネート基とヒマシ油系ポリオール(A)における水酸基との当量比が、イソシアネート基/水酸基=1.0以上
であることを特徴とする、反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
触媒(D)が分子内に錫を含有するウレタン化触媒であり、
有機ポリイソシアネート(F)が、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(fd)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(fp)が80〜20質量%(但し、(fd)+(fp)=イソシアネート基含有成分(f)として100質量%)である、0.03質量%以上の酸度を含有するポリメリックMDI(f)であり、かつ、
有機ポリイソシアネート(F)におけるイソシアネート基とヒマシ油系ポリオール(A)における水酸基との当量比が、イソシアネート基/水酸基=1.0以上
であることを特徴とする、二液反応硬化型ポリウレタン接着剤。
本発明の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成するヒマシ油系ポリオール(A)としては、ヒマシ油(ヒマシ油脂肪酸のトリグリセライド);ヒマシ油脂肪酸(水添ヒマシ油脂肪酸を含める)とポリオール(上記低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオール)との反応により得られる線状または分岐状ポリエステル、例えばヒマシ油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールアルカンとのモノ、ジ、またはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸とポリプロピレングリコールとのモノ、ジ、またはトリエステル等が挙げられる。
本発明では、反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する充填材(B)として、接着剤として供される場合に不具合となる発泡現象が抑えることが可能であるとの観点から、炭酸カルシウム(b1)を選択して用いるのが好ましい。
本発明では、反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する抑泡材(C)として、0.5×10−10m〜6.0×10−10m(=0.5〜6.0Å(オングストローム))の細孔径を有する合成ゼオライト(c1)及び/または活性アルミナ(c2)を選択して用いるのが好ましい。
前記の充填材(B)並びに抑泡材(C)の導入質量比は、充填材(B)を1とした場合、抑泡材(C)が0.05以上であるのが好ましい。
本発明では、反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する触媒(D)として、反応性の面で経時変化を起こさない(経時とともに反応性が遅延化しない)ものである必要があるとの観点から、分子内に錫を含有するウレタン化触媒(例えばジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等)を選択して用いる。これらの触媒は、1種または2種以上併用して用いることができる。
本発明の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する増粘剤(E)としては、無機系の増粘剤として、重曹、硼硝、球状微粉末シリカ(アエロジル)等、高分子系の増粘剤として、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、脂肪酸アマイド、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。
本発明では、反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する有機ポリイソシアネート(F)として、本発明の樹脂組成物が接着剤として供された場合、所望される十分な反応硬化性と接着強度の双方を併せ持つことが可能であるとの観点から、MDI(fd)が20〜80質量%、MDI系多核縮合体(fp)が80〜20質量%からなる混合物であるポリメリックMDI(f)を用いる。該ポリメリックMDI(f)は、別称として「ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート」または「クルードMDI」とも称される場合がある。なお、MDI(fd)とMDI系多核縮合体(fp)との合計は、ポリメリックMDI(f)として100質量%である。
本発明の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物を構成する有機ポリイソシアネート(F)としては、前記のポリメリックMDI(f)が必須とされるが、必要に応じて、この必須であるポリメリックMDI(f)以外のイソシアネート基含有化合物(以下「その他のイソシアネート化合物」と略記。)が含有されていてもよい。
本発明の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物には、前記の(A)〜(F)以外に、本発明の所望する効果が損なわれない範囲内において、各種の任意成分が含有されていてもよい。かかる任意成分としては、反応硬化型ポリウレタン樹脂として供される従来公知の物質(添加剤など)を全て使用することができる。
本発明の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物においては、接着剤として用いた場合における反応硬化性、接着強度、並びに不要な発泡の抑制のいずれにも優れるとの観点から、R値〔有機ポリイソシアネート(F)における全イソシアネート基のモル数/ヒマシ油系ポリオール(A)における全水酸基のモル数〕は1.0以上(1.0を含める)とされるが、前記の一連の効果により優れるとの観点から、1.1〜5.0の範囲内であるのが好ましく、中でも、とりわけ、接着強度と不要な発泡の抑制の双方に極めて優れるとの観点から、1.5〜2.0の範囲内であるのが特に好ましい。R値が1.0未満の場合、接着強度が低下するといった不具合を生じる。なお、R値が5.0を超える場合、接着剤として用いた場合に不要な発泡が生じる可能性が高くなる。
本発明の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、前記の(A)〜(E)より構成される「主剤」と、前記の(F)より構成される「硬化剤」からなる、二液反応硬化型のポリウレタン接着剤として好適に用いることができる。
下記の表1〜表4に示す配合処方に従って、各成分を均一混合することにより、主剤として「OH−1」〜「OH−24」を調製した。
(評価基準)
「○」:結晶析出や充填材等の沈降の発生等といった液の相分離は見られない。
「×」:結晶析出や充填材等の沈降の発生等といった液の相分離、またはこれらの前兆と思われる現象が見られる。
なお、測定開始時における上記の主剤「OH−1」〜「OH−24」は、各々全て「○」と判断されている。
(A−1):
ヒマシ油系ポリオール、公称水酸基価=162、公称官能基数=2.7、商品名「ヒマシ油LAV(伊藤製油(株)製)」
(B−1):
炭酸カルシウム、水分含有量=0.2質量%、平均粒径=1.8μm、商品名「ソフトン1200(備北粉化工業(株)製)」
(C−1):
A型の結晶構造を有する合成ゼオライト、強熱減量=1.5%、平均粒径=5μm、細孔径=3×10−10m(=3Å(オングストローム))、商品名「ゼオラムA−3(東ソー(株)製)」
(C−2):
活性アルミナ、水分含有量=0.1質量%、平均粒径=14.3μm、商品名「水硬性アルミナ(住友化学(株)製)」
(D−1):
ジオクチル錫ジラウレート、商品名「ニッカオクチックス錫(日本化学産業(株)製)」
(D−2):
1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、商品名「NC−IM(三共エアプロダクツ(株)製)」
(E−1):
脂肪酸アマイドと水添ヒマシ油との混合物、商品名「ディスパロン4300(楠本化学(株)製)」
前記の一連の主剤と併せ用いるための硬化剤として「NCO−1」〜「NCO−3」を用意した。
「NCO−1」:
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=46%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=87%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=31.6%
(iv)粘度(25℃)=161mPa・s
(v)酸度=0.04%
「NCO−2」:
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=40%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=30.5%
(iv)粘度(25℃)=259mPa・s
(v)酸度=0.14%
「NCO−3」:
(i)GPCによるMDIのピーク面積比=40%(ポリメリックMDI)
(ii)MDI中の4,4’−MDIの割合=99%(GCによる測定)
(iii)イソシアネート含量=31.1%
(iv)粘度(25℃)=163mPa・s
(v)酸度=0.01%
実施例1〜12、比較例1〜12
主剤として調製後25℃雰囲気下にて1日間静置した前記の「OH−1」〜「OH−24」を、また、硬化剤として前記の「NCO−1」〜「NCO−3」をそれぞれ用意し、各々液温を25℃に調整した。これらを下記の表5〜表8に示す組合せに従い、主剤/硬化剤=3/1(質量比)にて、合計100gになるようにステンレス製容器に仕込み、卓上ボール盤(リョービ販売(株)製)を用いて、回転速度300rpmにて10秒間攪拌・均一混合することにより、混合物(本発明の組成物/比較用の組成物)を得た。
得られた各混合物について、B型粘度計ピスメトロン(芝浦システム(株)製)を用いて、液温25℃、回転速度30rpmにおける初期粘度の測定を行った。測定結果を表5〜表8に併せて示す。
得られた各混合物について、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、液温30℃で250,000mPa・sに到達する時間をポットライフ時間として、ポットライフの測定を行った。結果を表5〜表8に併せて示す。
なお、他の成分組成を変更せず、触媒(D)のみ0.03質量部ずつ導入量を増減した各実施例並びに各比較例について、ポットライフの時間差を算出した。結果を表5〜表8に併せて示す。
得られた各混合物について、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、液温80℃で250,000mPa・sに到達する時間をポットライフ時間として、ポットライフの測定を行った。結果を表5〜表8に併せて示す。
得られた各混合物について、2mm厚の亜鉛鋼板に混合物を50μmになるように塗布し、その上に2mm厚のPET板を0.25MPaで圧着して貼り合わせた。その後、25℃雰囲気下で24時間静置した。静置後、下記の基準に基づいて、発泡の有無の目視確認を行った。結果を表5〜表8に併せて示す。
(評価基準)
「○」:硬化し終えた樹脂中において、泡の巻き込みは見られない。
「△」:硬化し終えた樹脂中において、僅かながら泡の巻き込みが見受けられる。
「×」:硬化し終えた樹脂中において、泡の巻き込みが明確に見受けられる。
得られた各混合物について、2mm厚の亜鉛鋼板に混合物を50μmになるように塗布し、その上に2mm厚の亜鉛鋼板を貼り合わせた。25℃雰囲気下で24時間エージング(静置)した。エージング後、25℃雰囲気下でテンシロンを用いて、クロスヘッドスピード5mm/min.による引張せん断接着力の測定を行った。結果を表5〜表8に併せて示す。
実施例1〜12、比較例1〜12
主剤を調製後50℃雰囲気下にて14日間静置した前記の「OH−1」〜「OH−24」を用いて、前記の主剤調製1日後における場合と同様の手法により、硬化剤としての前記の「NCO−1」〜「NCO−3」とからなる混合物(本発明の組成物/比較用の組成物)を改めて得た。
Claims (4)
- ヒマシ油系ポリオール(A)、充填材(B)、抑泡材(C)、触媒(D)、増粘剤(E)、及び有機ポリイソシアネート(F)より構成される反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、
触媒(D)が分子内に錫を含有するウレタン化触媒であり、
有機ポリイソシアネート(F)が、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(fd)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(fp)が80〜20質量%(但し、(fd)+(fp)=イソシアネート基含有成分(f)として100質量%)である、0.03質量%以上の酸度を含有するポリメリックMDI(f)であり、かつ、
有機ポリイソシアネート(F)におけるイソシアネート基とヒマシ油系ポリオール(A)における水酸基との当量比が、イソシアネート基/水酸基=1.0以上
であることを特徴とする、反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物。 - 前記の充填材(B)が炭酸カルシウムであり、かつ、前記の抑泡材(C)が0.5×10−10m〜6.0×10−10mの細孔径を有する合成ゼオライト(c1)及び/または活性アルミナ(c2)であることを特徴とする、請求項1に記載の反応硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
- ヒマシ油系ポリオール(A)、充填材(B)、抑泡材(C)、触媒(D)、並びに増粘剤(E)より構成される主剤と、及び有機ポリイソシアネート(F)より構成される硬化剤からなる二液反応硬化型ポリウレタン接着剤であって、
触媒(D)が分子内に錫を含有するウレタン化触媒であり、
有機ポリイソシアネート(F)が、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物(fd)を20〜80質量%、3核体以上のジフェニルメタンジイソシアネート系多核縮合体(fp)が80〜20質量%(但し、(fd)+(fp)=イソシアネート基含有成分(f)として100質量%)である、0.03質量%以上の酸度を含有するポリメリックMDI(f)であり、かつ、
有機ポリイソシアネート(F)におけるイソシアネート基とヒマシ油系ポリオール(A)における水酸基との当量比が、イソシアネート基/水酸基=1.0以上
であることを特徴とする、二液反応硬化型ポリウレタン接着剤。 - 前記の充填材(B)が炭酸カルシウムであり、かつ、前記の抑泡材(C)が0.5×10−10m〜6.0×10−10mの細孔径を有する合成ゼオライト(c1)及び/または活性アルミナ(c2)であることを特徴とする、請求項3に記載の二液反応硬化型ポリウレタン接着剤。
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