JP2016160344A - 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、良好な塗布作業性、初期接着力を維持しつつ、かつ発泡抑制効果を付与した湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供する。【解決手段】 イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)と、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)と片末端アルコール(C)を含むことが特徴の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物。【選択図】 なし
Description
本発明は、湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物に関するもので、特に発泡抑制効果に優れる湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物に関する。
ホットメルト型接着剤は無溶剤型の接着剤であるため環境や人体への負荷が少なく、短時間接着が可能なので生産性向上に適した接着剤である。
ホットメルト型接着剤は、主成分が熱可塑性樹脂または反応性樹脂の2つに大別できる。
主成分を反応性樹脂としたホットメルト接着剤としては、主にイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーが利用されている。ウレタンプレポリマーを主成分とする反応性ホットメルト接着剤は、接着後、接着剤自体の冷却固化により、短時間である程度の接着強さを発現する。その後、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が空気中や被着体表面の水分と反応することにより高分子量化、架橋を生じる。これらの高分子量化、架橋により接着剤層を形成して耐熱性が発現し、加熱時でも良好な接着強さを示す。また、初期接着強度を向上させた、ポリウレタンプレポリマーと熱可塑性樹脂と粘着付与剤とからなる反応性ホットメルト接着剤組成物が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ホットメルト型接着剤は、主成分が熱可塑性樹脂または反応性樹脂の2つに大別できる。
主成分を反応性樹脂としたホットメルト接着剤としては、主にイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーが利用されている。ウレタンプレポリマーを主成分とする反応性ホットメルト接着剤は、接着後、接着剤自体の冷却固化により、短時間である程度の接着強さを発現する。その後、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が空気中や被着体表面の水分と反応することにより高分子量化、架橋を生じる。これらの高分子量化、架橋により接着剤層を形成して耐熱性が発現し、加熱時でも良好な接着強さを示す。また、初期接着強度を向上させた、ポリウレタンプレポリマーと熱可塑性樹脂と粘着付与剤とからなる反応性ホットメルト接着剤組成物が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
反応性ホットメルト接着剤は、水分と反応して硬化する際に二酸化炭素(炭酸ガス)を発生するが、この二酸化炭素による発泡で接着性能が低下する課題を有する。
発泡の問題を解決すべく、ウレタンプレポリマー末端の活性イソシアネート基を、分子内に活性水素基を1個だけ備える化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーを含んだホットメルト接着剤が開示されている。しかしながら、まだ耐接着性に改善を有する状態である。(例えば、特許文献4参照)。
本発明の目的は、良好な塗布作業性、初期接着力を維持しつつ、かつ発泡抑制効果を付与した湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することにある。
(1)イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)と、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)、片末端アルコール(C)とを含む湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
また、(2)イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の含有量が1.00〜1.62質量部であることを特徴とする(1)に記載の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
さらに、(3)イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、片末端アルコール(C)の含有量が3〜6質量部であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
また、(2)イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の含有量が1.00〜1.62質量部であることを特徴とする(1)に記載の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
さらに、(3)イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、片末端アルコール(C)の含有量が3〜6質量部であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供するものである。
本発明により、良好な塗布作業性、初期接着力を維持しつつ、かつ発泡抑制効果を付与した湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することが可能になる。
本発明の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物(以下、接着剤組成物と略す場合もある。)は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)と、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)、片末端アルコール(C)とを含むことを特徴としている。
なお、一般的に、湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物とは、空気中や被着体表面の水分と反応することにより高分子量化し、接着性等を発現するものである。
なお、一般的に、湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物とは、空気中や被着体表面の水分と反応することにより高分子量化し、接着性等を発現するものである。
本発明に用いる、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)は、通常、ポリオールにポリイソシアネート化合物を反応させて得られる。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ロジン変性ポリオール、ポリエチレンブチレンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等を用いることができる。
なお、反応させるポリイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等を用いることができる。
なお、反応させるポリイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等を用いることができる。
従って、本発明の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物中において、ポリイソシアネート化合物とポリオールとを混合し、ウレタンプレポリマー(A)としてもよく、また、予めポリイソシアネート化合物とポリオールからウレタンプレポリマー(A)を合成し、これを本発明の接着剤組成物に添加してもよい。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を合成する場合の、本発明におけるポリイソシアネート化合物とポリオールとの混合割合は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)当量/ポリオールの水酸基(OH)当量が1.6〜3.0であり、好ましくは1.8〜2.5の範囲である。NCO/OH比が1.6未満では、得られるプレポリマー(A)の粘度が高くなり作業性の低下を招く。一方、NCO/OH比が3.0を超えると湿気硬化反応の際に発泡を生じやすくなり、接着性を低下させるおそれがある。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を合成する場合の、本発明におけるポリイソシアネート化合物とポリオールとの混合割合は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)当量/ポリオールの水酸基(OH)当量が1.6〜3.0であり、好ましくは1.8〜2.5の範囲である。NCO/OH比が1.6未満では、得られるプレポリマー(A)の粘度が高くなり作業性の低下を招く。一方、NCO/OH比が3.0を超えると湿気硬化反応の際に発泡を生じやすくなり、接着性を低下させるおそれがある。
本発明の接着剤組成物中の分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の添加量は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して1.00〜1.62質量部である。好ましくは1.00〜1.20質量部、特に好ましくは1.06質量部である。イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して1.00質量部未満の場合、湿気硬化反応の際に発泡が生じやすくなる恐れがある。一方、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して1.62質量部を越える場合、接着剤組成物の粘度が高くなり過ぎるため作業性の低下を招くおそれがある。
本発明に用いる分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物としては、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン等が挙げられる。その中でも3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンが好ましく、水分除去剤として知られている。
本発明に用いる分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物としては、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン、2−(1−メチルブチル)−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン等が挙げられる。その中でも3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンが好ましく、水分除去剤として知られている。
本発明の接着剤組成物中の片末端アルコール(C)の添加量は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して3〜6質量部である。好ましくは4〜6質量部、より好ましくは4質量部である。イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して3質量部未満の場合、湿気硬化反応の際に発泡が生じやすくなる。一方、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して6質量部を超える場合、接着剤組成生物のウレタン結合数が低下し、接着力の低下を招く。
本発明に使用される片末端アルコール(C)は、炭素数が1〜22、直鎖状あるいは分岐鎖状または芳香族、飽和あるいは不飽和のモノアルコールを包含する。なお、直鎖状飽和アルコールであって、炭素数が2〜12のものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、2−ヒドロキシメチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明に使用される片末端アルコール(C)は、炭素数が1〜22、直鎖状あるいは分岐鎖状または芳香族、飽和あるいは不飽和のモノアルコールを包含する。なお、直鎖状飽和アルコールであって、炭素数が2〜12のものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、2−ヒドロキシメチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物では、必要に応じて、熱可塑性ポリマー(ポリウレタン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体等の各種ゴム系)、粘着付与樹脂(ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等の各種樹脂系)、更に触媒(ジブチルチンジラウレート、ジブチルチオンオクテート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリオクチルアミン等)、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、充填剤等を適量配合しても良い。
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特にことわりのない限り、部は質量部である。
(実施例11〜14、21〜24、比較例11〜12、21〜24)
予め真空乾燥機により脱水処理したアジピン酸と1,6ヘキサンジオールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量5000)20部と、アジピン酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量2000)30部と、イソフタル酸とネオペンチルグリコールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量2000)20部と、アゼライン酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量8000)5部と、ポリプロピレングリコール(水酸基数:2、数平均分子量2000、旭硝子株式会社製の商品名:EXENOL2020)25部と、ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート基数:2、日本ポリウレタン工業製の商品名:ミリオネートMT)20部とを混合し、さらに発泡抑制剤として分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン(アンガス社製の商品名:ZOLDINE MS−PLUS)と、片末端アルコール(C)(伊藤製油株式会社製の商品名:URIC H−31)を所定量加え均一に混合した後、110℃で2時間反応させ、更に110℃で2時間減圧脱泡攪拌し、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含む、湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。調整した各接着剤の配合を表1および3に示す。
予め真空乾燥機により脱水処理したアジピン酸と1,6ヘキサンジオールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量5000)20部と、アジピン酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量2000)30部と、イソフタル酸とネオペンチルグリコールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量2000)20部と、アゼライン酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量8000)5部と、ポリプロピレングリコール(水酸基数:2、数平均分子量2000、旭硝子株式会社製の商品名:EXENOL2020)25部と、ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート基数:2、日本ポリウレタン工業製の商品名:ミリオネートMT)20部とを混合し、さらに発泡抑制剤として分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジン(アンガス社製の商品名:ZOLDINE MS−PLUS)と、片末端アルコール(C)(伊藤製油株式会社製の商品名:URIC H−31)を所定量加え均一に混合した後、110℃で2時間反応させ、更に110℃で2時間減圧脱泡攪拌し、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含む、湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。調整した各接着剤の配合を表1および3に示す。
作製した湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物(実施例11〜14、21〜24および比較例11〜12、21〜24)の試験方法・評価方法を以下に説明する。
初期粘度(溶融粘度)は、BH−HH型少量回転粘度計(東機産業株式会社製)を用いて下記条件にて測定した。
ロータ:4号ロータ
試料量:15g
回転数:50rpm
温度:120℃
ロータ:4号ロータ
試料量:15g
回転数:50rpm
温度:120℃
発泡抑制性は、温度25℃、湿度50%の環境下で、直径20cm×厚さ300μmの皮膜を作成した。その後、35℃、80%の環境下に24時間放置したところで、目視観察により皮膜内部に発泡があるものを×、無いものを○で表記した。
初期接着力は、温度25℃、湿度50%の環境下で、ポリカーボネート板上に、縦15mm×横40mm×厚さ100μmの接着剤層の皮膜を作成後、縦250mm×横25mm×厚さ100μmのポリカーボネートフィルムを圧着し、1時間経過後に90°ピール試験(ピール速度:10mm/分)を行い、接着強度を測定した。
表1に示す配合、表2の結果は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100部に対して片末端アルコール(C)の添加量を6部で固定し、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の配合量を検討したものである(実施例11〜14と比較例11〜12)。
1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の添加量がイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し0.80部と少ない比較例11は、皮膜中に気泡が見られ発泡抑制性が劣っている。
一方、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の添加量をイソシアネート基が有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し1.70部と多くした比較例12は粘度が増加しゲル化してしまい、接着剤を合成することができなかった。
これに対し、実施例11〜14の各試料では、皮膜中の気泡は見られず、すなわち発泡抑制性に優れると共に、初期接着力も良好である。
1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の添加量がイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し0.80部と少ない比較例11は、皮膜中に気泡が見られ発泡抑制性が劣っている。
一方、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の添加量をイソシアネート基が有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し1.70部と多くした比較例12は粘度が増加しゲル化してしまい、接着剤を合成することができなかった。
これに対し、実施例11〜14の各試料では、皮膜中の気泡は見られず、すなわち発泡抑制性に優れると共に、初期接着力も良好である。
次に、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に対する片末端アルコール(C)の配合量の影響を説明する。
片末端アルコール(C)の添加量を検討した実施例11、12、21〜24と比較例21〜24の配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
片末端アルコール(C)の添加量を検討した実施例11、12、21〜24と比較例21〜24の配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
表4に示したように、片末端アルコール(C)の添加量がイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し2部と少ない比較例21は皮膜中に気泡が見られ発泡抑制性に劣る。
一方、片末端アルコール(C)の添加量がイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し7部と多い比較例22は、発泡抑制性は良好であるが、初期接着力が劣る。
また、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)と片末端アルコール(C)ともにイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に対し少量添加した比較例23は、発泡抑制性および初期接着力ともに劣る。
加えて、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)と片末端アルコール(C)ともにイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に対し多量に添加した比較例24は、粘度が増加しゲル化してしまい、合成することができなかった。
これらに対し、実施例21〜24(実施例11、12も含む)の各試料は皮膜中の気泡は見られず、すなわち発泡抑制性に優れると共に、初期接着力も良好である。
一方、片末端アルコール(C)の添加量がイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100部に対し7部と多い比較例22は、発泡抑制性は良好であるが、初期接着力が劣る。
また、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)と片末端アルコール(C)ともにイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に対し少量添加した比較例23は、発泡抑制性および初期接着力ともに劣る。
加えて、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)と片末端アルコール(C)ともにイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に対し多量に添加した比較例24は、粘度が増加しゲル化してしまい、合成することができなかった。
これらに対し、実施例21〜24(実施例11、12も含む)の各試料は皮膜中の気泡は見られず、すなわち発泡抑制性に優れると共に、初期接着力も良好である。
以上の結果から、実施例11〜14、21〜24から得た湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物は、120℃における初期粘度が小さく、塗布作業性が良好であり、接着物性の他にも皮膜中に気泡も見られない、すなわち発泡抑制においても優れた特徴を有することが分かる。その中でも特に、1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)をイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して1.06質量部、片末端アルコール(C)をイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して4質量部添加した試料である実施例22が全ての特性において、最も優れている。
Claims (3)
- イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)と、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)と片末端アルコール(C)を含むことが特徴の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物。
- イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、分子中に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物(B)の含有量が1.00〜1.62質量部であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物。
- イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、片末端アルコール(C)の含有量が3〜6質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物。
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