JP2009113986A - 被覆材除去装置及び被覆材除去方法 - Google Patents

被覆材除去装置及び被覆材除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業者が安全、且つ簡単に、エレベータの昇降路内の壁面または鉄骨に付着させられた被覆材の除去作業を行うことができる被覆材除去装置を提供する。
【解決手段】エレベータ100の昇降路102内の壁面Wに付着させられている被覆材Tを除去するための被覆材除去装置1は、かご104上に組まれた1階分の高さの作業域を有するフレーム2と、透明材料で構成され、壁面Wから所定距離を隔てた位置で1階分の高さの壁面Wを覆うとともにフレーム2に固定され、壁面Wとの間に空間S1を形成するシート状のカバー部16と、カバー部16に取り付けられ、その開口端がカバー部16に形成された開口に接続され、カバー部16からカバー部16で覆われた空間S1に向かって突出するように配置された袋状の作業部20と、カバー部16に接続され、壁面Wから除去された被覆材T’を内部に収納する袋状の収納部22と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被覆材除去装置及び被覆材除去方法に関し、特に、エレベータの昇降路内の壁面や鉄骨に付着させられた被覆材を除去するための被覆材除去装置及び被覆材除去方法に関する。
建物の壁面や、梁等に使用される鉄骨の表面に被覆材を付着させ、壁面または鉄骨の耐熱性(耐火性)等を向上させることが行われている。
このような被覆材は、アスベストのように建物の完成後に人体に有害であることが判明すると、周囲への粉塵の発散を防止しつつ被覆材を鉄骨等から除去しなければならない事態を生じさせることになる。
このような事態に対処するために、被覆材の飛散防止のため現場全体をビニールシート等で隔離した状態で被覆材を壁面や鉄骨から剥がして廃棄するという手法が採られている(特許文献1)。
特許文献1 特開2004−305904号公報(段落番号0014)
ところで、建物に設置されたエレベータの昇降路内の壁面や鉄骨の表面にも、被覆材が付着させられていることがある。このような箇所の被覆材を除去する場合に、前述のような従来の被覆材の除去方法では、昇降路内の空間全体を隔離する必要がある。したがって、全階にわたって被覆材除去作業を終了するまでは、エレベータを使用することができなくなる。このため、使用中の建物に設置されたエレベータの昇降路内で被覆材の除去作業を行う場合には、長期間エレベータの使用を中止しなくてはならず、特に不便である。
また、従来の被覆材の除去方法では、昇降路内の空間全体を隔離した後、作業者が上方階の作業も行うことができるように、相当な高さの足場を組まなくてはならない。また、そのような高さの作業現場で作業者が安全に作業できるように、安全性の確保を厳重にする必要がある。したがって、現場での作業場の設置工事が大がかりとなり、設置作業が煩雑となる。また、そのような足場に上っての上方階での除去作業は、作業者にとって相当な重労働となる。
さらに、エレベータ内には、かご昇降用のガイドレールやロープなどの構造部品や、様々なセンサ類が設けられている。このため、昇降路内の全体を隔離する従来の方法では、被覆材の飛散を防止するために噴霧する飛散抑制剤及び被覆材が、これらの構造部品やセンサ類に付着するのを防止するための保護作業を厳重に行う必要があり、保護作業が繁雑で注意を要する。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、作業者が安全、且つ簡単に、エレベータの昇降路内の壁面または鉄骨に付着させられた被覆材の除去作業を行うことができる被覆材除去装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述したような被覆材除去装置を使用して、エレベータの昇降路内の壁面または鉄骨から被覆材を除去する被覆材除去方法を提供することも目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の被覆材除去装置は、建物のエレベータの昇降路内の壁面に付着させられている被覆材を除去するための被覆材除去装置であって、エレベータのかご上に取り付けられた建物の1階分の高さの作業域を有するフレームと、透明材料で構成され、フレームの壁面側でフレームに固定され、且つ壁面から所定距離を隔てた位置で1階分の高さの壁面を覆って、壁面との間に空間を形成するシート状のカバー部と、カバー部に取り付けられ、その開口端がカバーに形成された開口に接続され、カバー部からカバーで部覆われた空間に向かって突出するように配置された袋状の作業部と、カバー部に接続され、壁面から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明では、シート状のカバー部が、エレベータの昇降路内の1階分の高さの壁面を覆うので、昇降路内の一部のみを隔離することができる。したがって、昇降路内の空間全体を隔離していた従来の方法に比べて、簡単な隔離作業で、被覆材の除去作業を行うことができる。また、1階分毎に被覆材の除去作業を行うことが可能となるので、昇降路内の空間を階ごとに分けて、複数回にわたって被覆材の除去作業を行うことも可能となる。これにより、除去作業1回当たりのエレベータの使用中止時間が短くなるから、例えば使用中の建物に設置されたエレベータの昇降路内の被覆材を除去する場合でも、建物の使用者に不便を強いることなく、被覆材の除去を行うことができる。
また、かご上に1階分の高さのフレームを組むので、作業者はかご上に立ち、あるいはフレームを足場として使用しながら、被覆材除去作業を行うことができる。上方階の作業を行う場合には、かごを作業階の1階下の位置に停止させればよい。したがって、従来のような、上方階まで達する高い足場を組む必要がなく、現場の準備作業を簡単にすることができる。そして、作業者は、かご上で、1階分の範囲での作業を行えばよいから、被覆材の除去作業の作業性を確保することができ、また、作業の安全性も確保することができる。
さらに、カバー部によって、昇降路内の1階分の高さの壁面を隔離可能なので、エレベータ内部の構成部品やセンサ類をカバー部で覆われた空間の外側に配置することが可能となる。したがって、構成部品やセンサ類を厳重に保護して被覆材及び被覆材の飛散抑制剤が付着するのを防止する必要がなく、現場での準備作業が簡単になるとともに、構成部品やセンサ類の故障の発生を防止することができる。
本発明においては、好ましくは、カバー部の上端部及び下端部は、飛散抑制剤によって被覆材が固着された壁面の固着部位に、取り付けられる。
このように構成された本発明では、壁面には飛散抑制剤によって被覆材が壁面に固着された固着部位が形成され、その固着部位にカバー部の上端部及び下端部が取り付けられるので、カバー部を壁面に取り付けて壁面を隔離する際に、壁面の被覆材が飛散するのを防止することができる。
本発明においては、好ましくは、固着部位は、壁面のほぼ全幅にわたって形成され、カバー部の上端部は、固着部位に部分的に接触し、カバー部の下端は、固着部位のほぼ全幅にわたって接触する。
このように構成された本発明では、カバー部の下端部が全幅にわたって固着部位が形成された壁面に接触しているので、壁面から除去された被覆材が落下すると、カバー部の下方部が除去された被覆材を支持する。したがって、被覆材がカバー部の外部に漏れて下に落ちるのを防止することができる。また、カバー部の上端部は、固着部位に部分的に接触しているので、例えば吸引装置等によってカバー部で覆われた空間の空気を吸引する場合では、カバー部の上端部の、壁面に接触していない箇所から外部の空気を空間内に吸引することができる。したがって、カバー部で覆われた空間内を負圧に保つことができ、被覆材が空間外部へ漏れるのを防止することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の被覆材除去装置は、建物のエレベータの昇降路内の鉄骨に付着させられている被覆材を除去するための被覆材除去装置であって、エレベータのかご上に取り付けられた建物の1階分の高さの作業域を有するフレームと、透明材料で構成され、1階分の高さの鉄骨の周囲を覆うとともにフレームに固定されることにより鉄骨の周囲に空間を形成するカバー部と、カバー部に取り付けられ、その開口端がカバー部に形成された開口に接続され、カバー部からカバー部で覆われた空間に向かって突出するように配置された袋状の作業部と、カバー部に接続され、鉄骨から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、を備えた、ことを特徴としている。
このように構成された本発明では、カバー部が、エレベータの昇降路内の1階分の高さの鉄骨の周囲を覆うので、昇降路内の一部のみを隔離することができる。したがって、昇降路内の空間全体を隔離していた従来の方法に比べて、簡単な隔離作業で、被覆材の除去作業を行うことができる。また、1階分毎に被覆材の除去作業を行うことが可能となるので、昇降路内の空間を階ごとに分けて、複数回にわたって被覆材の除去作業を行うことも可能となる。これにより、除去作業1回当たりのエレベータの使用中止時間が短くなるから、例えば使用中の建物に設置されたエレベータの昇降路内の被覆材を除去する場合でも、建物の使用者に不便を強いることなく、被覆材の除去を行うことができる。
また、かご上に1階分の高さのフレームを組むので、作業者はかご上に立ち、あるいはフレームを足場として使用しながら、被覆材除去作業を行うことができる。上方階の作業を行う場合には、かごを作業階の1階下の位置に停止させればよい。したがって、従来のような、上方階まで達する高い足場を組む必要がなく、現場の準備作業を簡単にすることができる。そして、作業者は、かご上で、1階分の範囲での作業を行えばよいから、被覆材の除去作業の作業性を確保することができ、また、作業の安全性も確保することができる。
さらに、カバー部によって、昇降路内の1階分の高さの鉄骨の周囲を隔離可能なので、エレベータ内部の構成部品やセンサ類をカバー部で覆われた空間の外側に配置することが可能となる。したがって、構成部品やセンサ類を厳重に保護して被覆材及び被覆材の飛散抑制剤が付着するのを防止する必要がなく、現場での準備作業が簡単になるとともに、構成部品やセンサ類の故障の発生を防止することができる。
本発明においては、好ましくは、カバー部は、互いに連結された複数の鉄骨の周囲を覆う。
このように構成された本発明では、カバー部が複数の鉄骨の周囲を覆うので、一度の作業で複数の鉄骨に付着させられた被覆材を除去することができるから、効率よく除去作業を行うことができる。また、鉄骨が互いに組み合わさった構造であっても、建物の1階分の高さの鉄骨を覆うことができるので、様々な鉄骨の配置構造にも対応することができる。
本発明においては、好ましくは、作業部は、カバー部と別体に作られ、カバー部に取付可能に構成される。
このように構成された本発明においては、作業部がカバー部と別体に作られ、カバー部に取付可能に構成されるので、カバー部で壁面または鉄骨を覆った後に、壁面または鉄骨の形状や被覆材の被覆状態等に応じて、カバー部の所望の位置に作業部を取り付けることができる。したがって、様々な作業現場の状況に応じて作業部を配置することができるカバーを提供することができる。よって、異なる状況の作業現場であっても、カバー部の外部から壁面または鉄骨に手の届く位置に作業部を配置することができ、被覆材の除去作業が容易になる。
本発明においては、好ましくは、エレベータ内の壁面に沿って延びるガイドレールにフレームを支持させるための支持ブラケットを更に有する。
このように構成された本発明においては、支持ブラケットを更に有するので、支持ブラケットを用いてフレームをガイドレールで支持させることができる。したがって、フレームの荷重及びフレームに乗る作業者の荷重がエレベータかごにかからない。よって、エレベータかごの上面への負荷を除去することができ、エレベータかごの損傷を防止することができる。
本発明において、好ましくは、支持ブラケットは、ガイドレールに沿って取り付けられる取付部と、取付部に対して直角に延び、上面にフレームを載置して固定するフレーム載置部とを備える。
このように構成された本発明においては、支持ブラケットが、取付部を備えているので、エレベータの壁面に沿って延びるガイドレールに確実に取り付けることができる。また、フレームをフレーム載置部に乗せることにより、フレームを下方から支持することができ、フレームを確実に支持してフレームの落下を防止することができる。
本発明においては、好ましくは、前述の被覆材除去装置を用いて、エレベータの昇降路内の壁面または鉄骨に付着させられている被覆材を除去する被覆材除去方法であって、エレベータのかご上に、1階分の高さの作業域を有するフレームを組むステップと、壁面または鉄骨をカバー部で覆うステップと、カバー部をフレームに固定するステップと、カバー部によって覆われた空間に負圧を発生させるステップと、作業部から作業者が腕を挿入して、壁面または鉄骨に付着させられている被覆材をカバー部の外側から除去するステップと、除去した被覆材を収納部に収納するステップと、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明では、カバー部が、エレベータの昇降路内の1階分の高さの壁面又は鉄骨の周囲を覆うので、昇降路内の一部のみを隔離することができる。したがって、昇降路内の空間全体を隔離していた従来の方法に比べて、簡単な隔離作業で、被覆材の除去作業を行うことができる。また、1階分毎に被覆材の除去作業を行うことが可能となるので、昇降路内の空間を階ごとに分けて、複数回にわたって被覆材の除去作業を行うことも可能となる。これにより、除去作業1回当たりのエレベータの使用中止時間が短くなるから、例えば使用中の建物に設置されたエレベータの昇降路内の被覆材を除去する場合でも、建物の使用者に不便を強いることなく、被覆材の除去を行うことができる。
また、かご上に1階分の高さのフレームを組むので、作業者はかご上に立ち、あるいはフレームを足場として使用しながら、被覆材除去作業を行うことができる。上方階の作業を行う場合には、かごを作業階の1階下の位置に停止させればよい。したがって、従来のような、上方階まで達する高い足場を組む必要がなく、現場の準備作業を簡単にすることができる。そして、作業者は、かご上で、1階分の範囲での作業を行えばよいから、被覆材の除去作業の作業性を確保することができ、また、作業の安全性も確保することができる。
さらに、カバー部によって、昇降路内の1階分の高さの壁面または鉄骨の周囲を隔離可能なので、エレベータ内部の構成部品やセンサ類をカバー部で覆われた空間の外側に配置することが可能となる。したがって、構成部品やセンサ類を厳重に保護して被覆材及び被覆材の飛散抑制剤が付着するのを防止する必要がなく、現場での準備作業が簡単になるとともに、構成部品やセンサ類の故障の発生を防止することができる。
本発明においては、好ましくは、作業域の上下端の被覆材に飛散抑制剤を含浸させて、被覆材が固着された固着部位を形成するステップと、カバー部の端部を固着部位に取り付けるステップと、を更に備えている。
このように構成された本発明では、飛散抑制剤によって被覆材が壁面または鉄骨に固着された固着部位が形成され、その固着部位にカバー部の端部が取り付けられるので、カバー部を取り付ける際に、カバー部と接触した被覆材が飛散するのを防止することができる。
本発明においては、好ましくは、壁面または鉄骨をカバー部で覆うステップの後、カバー部の外面に作業部を取り付け、作業部の開口端に対応するカバー部の位置に開口を形成し、作業部を開口からカバー部内部に挿入することにより、作業部を空間に向かって突出させるステップを更に備えている。
このように構成された本発明においては、壁面または鉄骨をカバー部で覆った後、作業部をカバー部に取り付け、作業部の開口端に対応する位置において、カバー部に開口を形成する。すると袋状の作業部の内部とカバー部の内部の空間とが開口によって連通する。
その後、作業部を開口からカバー部内部に挿入して裏返し、空間に向かって突出させることによって作業部を形成する。
カバー部で壁面または鉄骨を覆った後に作業部を取り付けるので、壁面または鉄骨の形状や被覆材の被覆状態等に応じて、カバー部の所望の位置に作業部を取り付けることができる。したがって、様々な作業現場の状況に応じて作業部を配置することができる。よって、異なる状況の作業現場であっても、カバー部の外部から壁面または鉄骨に手の届く位置に作業部を配置することができ、被覆材の除去作業が容易になる。
本発明においては、好ましくは、フレームを組むステップは、エレベータ内の壁面に沿って延びるガイドレールに、フレームを支持するための支持ブラケットの取付部を取り付けるステップと、支持ブラケットの取付部に対して直角に延びるフレーム載置部に、フレームを載置して固定することにより、フレームをガイドレールで支持するステップと、を含む。
このように構成された本発明においては、支持ブラケットの取付部をガイドレールに取り付け、支持ブラケットのフレーム載置部にフレームを載置して固定することにより、フレームをガイドレールで支持するので、フレームの荷重及びフレームに乗る作業者の荷重がエレベータかごにかからない。したがって、フレームの荷重及びフレームに乗る作業者の荷重がエレベータかごにかからない。よって、エレベータかごの上面への負荷を除去することができ、エレベータかごの損傷を防止することができる。
本発明においては、作業域を変更する時には、取付部をガイドレールから取り外すと共に、フレームをエレベータのかご上面で支持し、エレベータのかごをフレームと共に上下移動させる。
このように構成された本発明においては、作業域を変更する際には、フレームをエレベータのかご上面で支持するので、エレベータかごの上でフレームを解体することなく、エレベータを移動させるだけで作業域を変更することができる。したがって、短時間で被覆材の除去作業をすることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降では、第1実施形態と同様の構成には、図面に第1実施形態と同一符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による被覆材除去装置及び被覆材除去方法について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による被覆材除去装置1の全体を示す概略斜視図である。本実施形態の被覆材除去装置1は、エレベータ100の昇降路102内の壁面W2,W3に付着させられている被覆材Tを除去するための装置である。昇降路102は、1機のエレベータ100用であり、4方の壁面W1,W2,W2,W3のうち、1つの壁面W1にはエレベータ100のドア103(図2)が設置され、被覆材Tは、その他の3方の壁面W2,W2,W3に付着されている。
なお、昇降路102内には、エレベータのかご104の他、かご104を吊り上げるロープや、ウェイト、巻き上げ機、ガイドレール等の構成部品が設置されている。また、図示しないが、エレベータ100の動作を検知するためのセンサ類も設置されている。かご104は、被覆材Tの除去作業を行う階の1つ下の階に停止され、かご104の上面が、作業を行う階のフロアF(図2)の高さとほぼ一致する位置にある。
図2は、本発明の第1実施形態による被覆材除去装置1の側面図である。また、図3は、被覆材除去装置1の平面図である。
被覆材除去装置1は、かご104の上に設置されるフレーム2と、昇降路102内の3方の壁面W2,W3を覆うカバー4と、を備えている。
フレーム2は、かご104の上面の4隅に垂直に立てられた縦枠12と、隣接する縦枠12を連結するように、上下方向に所定間隔を隔てて配置された複数の横枠14と、を備えている。
縦枠12の高さは、建物の約1階分の高さに設定されている。横枠14は、その長さが調節可能に構成され、隣接する縦枠12間の距離に応じて長さが調節される。また、上下方向に隣接する横枠14の間隔は、作業者が横枠14に足をかけてフレーム2に上ることができる程度の寸法に設定されている。また、最も下方に位置する4つの横枠14には、仮設床15が載置されている。このような構造により、フレーム2は、作業者が仮設床15の上に立ち、横枠14に足をかけて壁面W2,W3の被覆材Tの除去作業を行うことができる、足場としての機能を果たす。したがって、かご104の上にフレーム2を組み立てることにより、1階分の高さの作業域が形成される。
カバー4は、壁面W2,W3を覆うシート状のカバー部16と、このカバー部16に形成され、被覆材除去用の工具H(図4)をカバー部16の内部に導入可能な工具導入部18と、カバー部16に取り付けられ、カバー部16の外側から手を挿入して被覆材Tの除去を行うための作業部20と、カバー部16の下方に接続され、壁面W2,W3から除去された被覆材Tを内部に収納するための収納部22と、を備えている。
カバー部16は、壁面W2,W3を連続して覆う略矩形のシート状部材で、壁面W2,W3の幅方向に分割された複数のカバー部ユニットを互いに接合することにより構成されている。カバー部16は、フレーム2の高さ、即ち1階分の高さよりも多少長い上下方向寸法を有する。
なお、カバー部16は、複数のカバー部ユニットを接合して構成されるものの他、予め壁面W2,W3を全幅にわたって覆うことができる幅寸法を有する1枚のシート状部材で構成されていてもよい。ただし、現場の設置作業の面からは、複数のカバー部ユニットから構成されるものの方が、作業が容易である。
また、カバー部16の上端には、フレーム2の上方を覆う上カバー26が連続して形成されている。この上カバー26は、カバー部16の壁面W3に配置される部分の上端に、カバー部16と同材料の略矩形のシート状材料をテープ等で接合することによって形成されている。
ここで、カバー部16及び上カバー26は、透明部材で構成されている。カバー部16及び上カバー26の材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂系フィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、その他の合成樹脂系フィルム、塩化ビニル樹脂系をポリエステル繊維布にコーティングした材料、ポリオレフィン系樹脂をポリオレフィン繊維布にコーティングした材料等が挙げられる。
カバー部16の上端部16A及び下端部16Bは、壁面W2,W3に取り付けられている。
図4は、カバー部16の上端部16Aを示す部分側断面図である。また、図5は、カバー部16の下端部16Bを示す部分側断面図であり、図3のV-V線に沿った断面図である。そして、図6は、カバー部16の下端部16Bの一部を示す横断面図であり、図2のVI-VI線に沿った断面図である。図3乃至図6に示すように、カバー部16の上端部16A
及び下端部16Bは、フレーム2に取り付けられたジャッキ28によって、壁面W2,W3に取り付けられている。
なお、カバー部16の上端部16A及び下端部16Bが取り付けられる箇所における壁面W2,W3には、カバー部16が接触することによる被覆材Tの飛散が防止されるように、付着させられた被覆材Tに予め飛散抑制剤が含浸され、被覆材Tが固着された固着部位36が形成されている。固着部位36は、壁面W2,W3の全幅にわたって、所定高さの範囲で形成されている。
ジャッキ28は、3方の壁面W2,W3に平行に配置された横枠14に、直接にまたは延長ブラケット30,32を介して取り付けられている。具体的には、図3及び図5に示すように、ドア103が設けられた壁面W1に隣接する一対の壁面W2に平行に配置された複数の横枠14のうち、最も上方の横枠14及び最も下方の横枠14には、それぞれ壁面W2に向かって延びる複数のジャッキ28が直接取り付けられている。また、これら最上方及び最下方の横枠14は、縦枠12に取り付けられた延長ブラケット30によって壁面W1側に延長されている。これらの延長ブラケット30にも、壁面W2に向かって延びるジャッキ28が取り付けられている。
一方、壁面W1に対向する壁面W3には、いくつかの横枠14の高さと同じ高さ位置に、延長ブラケット32が取り付けられている。これらの延長ブラケット32は、それぞれ、縦枠12に固定され、壁面W3に向かって延びる2つの延長バー32Aと、これらの延長バー32Aの間に横方向に架け渡される支持バー32Bとを有する。これらの支持バー32Bのうち、最も上方に位置する支持バー32Bと、最も下方に位置する支持バー32Bには、壁面W3に向かって延びる複数のジャッキ28が取り付けられる。ここで、かご104と壁面W3との間には、ガイドレールやウェイト等の構成部品が配置されている。
延長バー32Aがこれらの構成部品を越えて壁面W3に近接して延びるので、支持バー32Bは、これらの構成部品よりも壁面W3に近い位置に配置される。
なお、各ジャッキ28は、先端に取付部28Aを有する。
カバー部16の上端部16Aは、図3及び図4に示すように、ジャッキ28の取付部28Aと壁面W2,W3との間に挟まれ、ジャッキ28によって壁面W2,W3に押し付けられることにより、壁面W2,W3に取り付けられている。ここで、カバー部16の上端部16Aは、取付部28Aで押し付けられている部分のみが壁面W2,W3と密着しているため、カバー部16の上端部16Aは、壁面W2,W3に部分的に接触している。したがって、カバー部16の上端部16Aは、図3に示すように、完全には密封されず、部分的に壁面W2,W3とカバー部16との間に隙間が生じる。
一方、カバー部16の下端部16Bは、図2、図5及び図6に示すように、ジャッキ28先端の取付部28Aに木片34が固定されており、木片34と壁面W2,W3の間にカバー部16の下端部16Bが挟持されることによって、壁面W2,W3に取り付けられている。木片34は、壁面W2,W3の近傍に配置された鉄骨などを避けながら壁面W2,W3に密着することができる長さを有し、その長さ方向が、壁面W2,W3の幅方向に沿って配置される。したがって、取付部28Aは、複数の木片34を壁面W2,W3に押し付けて、カバー部16の下端部16Bを、壁面W2,W3の全幅にわたって壁面W2,W3と接触させている。
また、壁面W2,W3にH鋼等が配置されている場合には、図6に示すように、カバー部16は、ジャッキ28に直交して取り付けられた子ジャッキ29を用いて固定される。
なお、木片34は、壁面W2,W3のそれぞれ全幅にわたる長さのものであってもよい。この場合には、複数の取付部28Aで木片34を複数箇所で壁面W2,W3に押し付ければよい。ただし、複数個に分割された木片34を用いる方が、鉄骨などを避けて木片34を配置しやすく、現場において扱いやすい。
また、カバー部16の下端部16Bの上方には、壁面W2,W3に面した面側(内面)に、カバー部16の全幅にわたって延びる帯状の封止部35が形成されている。封止部35の基端はカバー部16の内面に固定され、先端は自由端となっている。封止部35は、基端から先端に向かって壁面W2,W3に沿って上方に向くように配置され、ピン35Aで壁面W2,W3に留められている。これにより、封止部35が、壁面W2,W3とカバー部16との隙間を上方から覆っている。
ここで、ジャッキ28は、壁面W2,W3にカバー4を取り付けるとともに、3方の壁面W2,W3に対して突っ張ることにより、フレーム2をかご104上で壁面W2,W3に対してしっかり固定する役割も果たす。
カバー部16の上端部16Aと下端部16Bの間の中間部分には、その外面に複数のひも17が取り付けられている。カバー部16の壁面W2を覆う部分に設けられたひも17は、フレーム2の延長ブラケット30及び横枠14に縛り付けられている。また、カバー部16の壁面W3を覆う部分に設けられたひも17は、延長ブラケット32に縛り付けられている。
カバー部16は、上端部16A及び下端部16Bが壁面W2,W3に接触し、その中間部分は、ひも17によって壁面W2,W3から所定距離離れている。このような構造により、カバー部16と壁面W2,W3との間に、被覆材Tの除去作業が可能な空間S1が形成される。
図4に示すように、工具導入部18は、カバー部16に所定間隔をあけて複数設けられ、カバー部16の外側からカバー部16に覆われた空間S1の内部へ工具Hを導入することができるようになっている。工具導入部18は、気密性を有する透明な膜で作られ、一方の端面が開口となった袋状の有底円筒状部材から構成され、その一方の開口端面はカバー部16の内面に取り付けられ、カバー部16の膜材料によって閉鎖されている。工具導入部18の開口端面を覆うこのカバー部16の膜材料は、工具導入部18とカバー4の外部とを区切る外側導入口38を形成している。また、工具導入部18の他方の端面(先端面)は、空間S1内に配置され、工具導入部18とカバー4の内部の空間S1とを区切る内側導入口40を形成している。したがって、カバー4の初期状態では、外側導入口38及び内側導入口40は、いずれも、それぞれカバー部16の膜材料及び工具導入部18の膜材料によって閉鎖されている。また、工具導入部18は、外側導入口38から内側導入口40へ、空間S1内方に向かって突出している。そして、工具導入部18は、外側導入口38及び内側導入口40を有することにより、空間S1とカバー4の外部とを内外2つの導入口で区切る、二重構造となっている。
作業部20は、カバー部16と同様の透明なシート状材料で形成され、有底の筒状(袋状)形状を備えている。作業部20は、一方の開口端20Aが、カバー部16に形成された開口の縁に接合され、他方の端部(先端)20Bは閉じられ、カバー部16内面から空間S1内に向かって内方に突出(侵入)して配置される。
作業部20は、カバー部16の外側から作業者が腕を差し込み、先端20Bに手を配置できるような寸法形状を有している。本実施形態では、作業部20の長さは、例えば、作業者が腕を肩付近まで入れることができる長さである約900mmに設定されている。また、本実施形態では、作業部20は、開口端20Aから閉じられた先端20Bに向かって先細りする形状とされている。
本実施形態では、作業部20は、幅方向及び上下方向に沿って複数設けられ、互いに所定間隔、例えばカバー4が覆う壁面W2,W3の上下方向に沿って約1m間隔、幅方向に約0.5m間隔で配置されている。隣接する作業部20の間隔は、ある作業部20に入れられた手から隣接する作業部20に入れられた手に空間S1内で工具Hを手渡しできる程度の距離に設定されているのが好ましい。
収納部22は、カバー部16の下部に配置され、袋状に形成されている。ここで、収納部22は、不透明材料で構成されており、例えば塩化ビニル系樹脂をポリエステル繊維布にコーティングした材料、ポリオレフィン樹脂をポリオレフィン繊維布にコーティングした材料、フッ素系樹脂をポリエステル繊維布にコーティングした材料、フッ素系樹脂をガラス繊維布にコーティングした材料、ガラス繊維等で構成できる。
この収納部22は、カバー部16の外面に形成された開口からカバー部16外側に突出する細長い円筒状のシュート42を介して、カバー部16に接続されている。これにより、収納部22の内部は、シュート42を介して空間S1と連通する。なお、収納部22は、壁面W2,W3の幅方向に沿って複数配置されている。また、これらの収納部22は、仮設床15の上に載置される。
カバー部16の上部には、空間S1と連通するホースを介して、空間S1内部の空気を吸引する吸引装置44(図2)が接続されている。吸引装置44は、かご104の外の、作業階のフロアF上に載置される。
次に、このような構造の被覆材除去装置1を用いて、昇降路102内の壁面Wに付着させられた被覆材Tを除去する方法について説明する。
まず、被覆材Tの除去作業を行う階の1つ下の階に、エレベータ100のかご104を停止させる。そして、かご104の上面に作業者が立ち、かご104の上方に、縦枠12及び横枠14を建て、仮設床15を設置することにより、フレーム2を組み立てる。
次に、壁面W2,W3の仮設床15の高さ近傍の位置、及びそこから約1階分の高さ分だけ上方の位置に、被覆材Tの飛散抑制剤を噴霧する。このとき、飛散抑制剤の噴霧と同時に周囲の空気を吸引して、飛散抑制剤の吹きつけによって被覆材Tが飛散するのを防止しながら行うのが好ましい。このようにして飛散抑制剤を被覆材Tに含浸させ、壁面W2,W3の上部及び下部に、その全幅にわたって帯状に、被覆材Tが固着された固着部位36を形成する。
フレーム2の縦枠12に、延長ブラケット30,32を取り付ける。このとき、壁面W3に向かって取り付ける延長バー32Aを、昇降路102内に配置された構造部品を回避するように取り付けるのがよい。特に、昇降路102の壁面W3とかご104との間には、ガイドレールやウェイト等の障害物が配置されている。そこで、延長バー32Aを、縦枠12からこれらの障害物を越えて壁面W3により近づく位置まで延ばし、その位置で横に延びる支持バー32Bを取り付ければよい。
次に、カバー部ユニットを壁面W2,W3に取り付ける。
まず、複数のカバー部ユニットの上端部を取付部28Aで外側から壁面W2,W3の固着部位36に押し付け、ジャッキ28で壁面W2,W3に固定する。そして、各カバー部ユニットの幅方向端部を互いにテープ等で留めて接合し、壁面W2,W3全面を覆うカバー部16を形成する。
なお、図3及び図6に示すように、壁面W2,W3上に鉄骨などが配置されている場合には、ジャッキ28及び子ジャッキ29を用いて、二方向からカバー部16を固定することが好ましい。
また、壁面W2,W3に近接して、被覆材Tが付着していない鉄骨等が配置されている場合には、極力その鉄骨がカバー部16の内側に配置されないように、鉄骨と壁面W2,W3との間にカバー部16を配置することが望ましい。なお、鉄骨が壁面W2,W3に近すぎてこれらの間にカバー部16を配置することができない場合には、図6に示すように、鉄骨の周囲を一般的なフィルムCで覆って保護した上で、空間S1内に配置すればよい。
カバー部16を形成した後、壁面W3に取り付けられた部分のカバー部16の上端部16Aに、上カバー26をテープ等を用いて接合する。上カバー26をフレーム2に上方から被せ、フレーム2内の作業空間を保護する。
次に、カバー部16の下端部16Bを壁面W2,W3に取り付ける。
ジャッキ28先端の取付部28Aに木片34を釘などで仮固定しておく。そして、木片34を、下端部16Bの、封止部35の基端のすぐ下方の部分に押し当て、ジャッキ28で壁面W2,W3に押し付けることにより、下端部16Bを固定する。次に、カバー部16の下部に配置された作業部20にカバー部16外側から腕を挿入し、封止部35の先端を壁面W2,W3に沿って上向きに配置し、封止部35をピン35Aで壁面W2,W3に留める。
カバー部16の下部から出ている収納部22を、仮設床15上に載置する。
次に、ひも17を横枠14及び延長ブラケット30,32に縛り付けて、カバー部16の中間部分を壁面W2,W3から所定距離離して配置する。その後、カバー4の上部に吸引装置44を接続し、空間S1内の空気を吸引する。空気は、上端部16Aの隙間から取り込まれ、空間S1内部は、負圧に維持される。このように吸引装置44によって空気を吸引し、空間S1を負圧に維持することにより、壁面W2,W3とカバー4との間に多少の隙間があいていても、被覆材Tがカバー4外部に飛散するのが防止される。
以上の手順により、1階分の高さの壁面W2,W3をカバー4で覆う作業が完了する。
次に、カバー4の外側から壁面W2,W3の被覆材Tを除去する作業について説明する。
まず、工具導入部18から柄の付いた工具Hを空間S1内に差し込む。
図7及び図8は、本発明の第1実施形態によるカバー4に工具Hを導入する作業を示す。まず、図7に示すように、外側導入口38をカッター19等で切断して外側導入口38に開口を形成する。そして、工具Hを、外側導入口38から、工具導入部18の内部、即ち、外側導入口38及び内側導入口40の間に導入する。このとき、外側導入口38を切断したカッター19も工具導入部18の内部に導入する。次に、図8に示すように、外側導入口38をテープ38A等で閉じた後、作業部20から手を挿入し、内部に導入された工具Hまたは工具Hとともに外側導入口38と内側導入口40の間に残されたカッター19等を作業部20越しに工具導入部18の外側から掴み、内側導入口40を切断して開口を形成する。そして工具Hを内側導入口40から空間S1に導入する。
なお、このとき、空間S1は吸引装置44によって負圧になっているので、仮に外側導入口38及び内側導入口40の両方が開口しても、空気は外側導入口38から空間S1に向かってのみ移動するため、被覆材Tが外部に漏れることがない。
次に、図4に示すように、作業部20に腕を挿入し、カバー4の外側から工具Hを掴む。このとき、作業部20は、先細りの筒形状となっているので、先端20Bで作業部20が過剰に余らず、工具Hを把持しやすい。そして、掴んだ工具Hで壁面W2,W3の表面に付着させられている被覆材Tを掻き取り、掻き取った被覆材T’を空間S1の下部に落とす。なお、作業部20は複数設けられているので、除去すべき被覆材Tの位置に最も近い作業部20から手を挿入して作業する。なお、作業位置を移動する場合には、隣接する作業部20に挿入したもう一方の手に空間S1の内部で工具Hを受け渡せばよい。
落下した被覆材T’は、木片34及び封止部35で封止されたカバー部16の下部に溜まる。その後、空間S1の下部に落下した被覆材T’を、シュート42を介して収納部22に収納する。
壁面W2,W3からの被覆材Tの掻き落とし作業が終了すると、図9に示すように、シュート42を2箇所で縛ってシュート42を閉鎖し、これらの閉鎖部の間の位置(図9に一点鎖線で示す)でシュート42を切り離す事によって、収納部22をカバー部16から切り離す。このとき、切り離し作業の前に、2つの閉鎖部の間にシリコンを充填して、切り離し時の被覆材T’の飛散を防止するのが好ましい。収納部22を切り離した状態では、一方の閉鎖部によってカバー部16が封止され、他方の閉鎖部によって収納部22が封止される。収納部22を切り離した後、カバー部16も壁面W2,W3から取り外し、収納部22及びカバー部16を適切な方法でそれぞれ廃棄する。
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
カバー4が、1階分の高さの壁面W2,W3を覆うので、昇降路102内部の空間全体を隔離していた従来の方法とは異なり、壁面W2,W3の一部のみを隔離することができる。したがって、作業空間の隔離作業を大幅に簡略化することができる。また、1度の作業で1階分の高さの壁面W2,W3の作業を行うことができるので、1度の工事にかかる時間を大幅に短縮することができる。したがって、例えば使用中の建物のエレベータについて作業を行う場合でも、1階分毎に作業を分割して行えば、長期間にわたって連続してエレベータの使用を中止する必要がないから、建物の使用者に不便を強いることなく、除去作業を進めることができる。
かご104の上にフレーム2を建てるので、作業者がかご104の上でフレーム2に上って作業することができる。したがって、昇降路102の全階にわたる、高い足場を組んでいた従来の方法に比べて、作業性及び安全性を格段に向上させることができる。また、かご104を、作業する階の1つ下の階に停止させるので、高層階の建物のエレベータで作業する場合でも、上方階での作業を、下方階での作業と同様の安全性及び作業性を確保しながら行うことができる。
カバー4によって1階分の高さの壁面W2,W3のみを覆うので、昇降路102内部の空間全体を隔離していた従来の方法とは異なり、エレベータ100の構成部品やセンサ類を被覆材Tの除去作業用の空間S1の外部に配置することができる。したがって、これらの構成部品やセンサ類に被覆材抑制剤や被覆材Tが付着するのを防止することができる。
よって、エレベータ100の故障の発生を防止することができる。
カバー部16の上端部16A及び下端部16Bが、壁面W2,W3の固着部位36に取り付けられているので、カバー部16が壁面W2,W3に接触したときに、被覆材Tが飛散するのを防止することができる。また、この固着部位36によって、上下方向に連続する壁面W2,W3に付着させられた被覆材Tを1階分の高さで分断し、被覆材Tの飛散を防止しながらカバー4を取り付けることができる。
カバー部16の下端部16Bが、木片34によって、壁面W2,W3の全幅にわたって壁面W2,W3に密着しているので、除去された被覆材T’が下方に落下したときに、カバー部16の下端部16Bから被覆材T’が漏れるのを防止することができる。また、下端部16Bに封止部35が設けられているので、カバー部16と壁面W2,W3との間の隙間を覆うことができるから、被覆材T’の漏れをより一層確実に防止することができる。
カバー部16の上端部16Aは、壁面W2,W3に対して取付部28Aによって押し付けられた部分のみが密着しているので、上端部16Aと壁面W2,W3との間の隙間から空気を吸引することができ、空間S1に適切な負圧を提供することができる。
また、このとき、カバー部16の中間部分が、横枠14に直接的または延長ブラケット30,32を介して固定されているので、吸引装置44によって空間S1が負圧に維持されても、カバー部16が壁面W2,W3に吸い付くのを防止することができる。これにより、カバー部16と壁面W2,W3との間に、被覆材Tの除去作業を行うスペースを確保することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による被覆材除去装置及び被覆材除去方法について説明する。図10は、本発明の第2実施形態による被覆材除去装置50が設置されるエレベータ200の横断面図である。本実施形態の被覆除去装置50は、複数のかご204が並んで設置されるエレベータ200の昇降路202において、隣接するかご204の間に配置された鉄骨Hに付着させられた被覆材Tを除去するためのものである。
図11は、本発明の第2実施形態による被覆材除去装置50の正面図である。昇降路202内には、上下に延びる一対の鉄骨H1と、鉄骨H1の間に水平に延びる鉄骨H2と、鉄骨H1及び鉄骨H2によって形成される矩形部分を対角線上に連結するように斜めに延びる鉄骨H3とが配置されている。これらの鉄骨H1,H2,H3のうち、鉄骨H2,H3には、被覆材Tが付着させられている。
被覆材除去装置50は、第1実施形態のフレーム2と同様の構成のフレーム2と、鉄骨Hの周囲を覆うカバー52と、を備える。
カバー52は、鉄骨H1,H2,H3を1階分の高さで覆う前面カバー部54及び後面カバー部56と、前面カバー部54及び後面カバー部56の下方に取り付けられた下カバー部58と、前面カバー部54に取り付けられた工具導入部60と、除去した被覆材T’を内部に収納する収納部62と、を有する。
前面カバー部54は、鉄骨H1,H2,H3のフレーム2に対向する側を覆うシート状部材であり、後面カバー部56は、その反対側を覆うシート状部材である。これらの前面カバー部54及び後面カバー部56は、上端及び両側端が、テープ等によって互いに接合されている。また、前面カバー部54は、第1実施形態のカバー部16と同様に、その中間部分が、ひも(図示せず)によってフレーム2に縛り付けられている。したがって、前面カバー部54の中間部分は、鉄骨H1,H2,H3から所定距離離れて配置される。このように、前面カバー部54及び後面カバー部56によって覆われることにより、これらの内部に空間S2が形成される。
鉄骨H3の上部には、被覆材Tに飛散抑制剤が含浸されて固着された固着部位59が形成されている。前面カバー部54及び後面カバー部56の上端部及び下端部は、固着部位59において、鉄骨H3の周りに縛り付けられることにより、鉄骨Hに固定され、密封されている。
下カバー部58は、前面カバー部54及び後面カバー部56と同じ材料で構成されたシート状部材であり、その一端が前面カバー部54の下端に、他端が後面カバー部56の下端に接合されることにより、断面略U字形に形成される。下カバー部58は、鉄骨H3よりもフレーム2に近い側に配置される。前面カバー部54、後面カバー部56、及び下カバー部58によって、鉄骨H1,H2,H3が覆われ、内部にほぼ密閉された空間S2が形成される。
下カバー部58の下方には、シュート64を介して収納部62が複数接続されており、したがって、空間S2と収納部62の内部空間とは、シュート64を介して連通している。
工具導入部60は、前面カバー部54の適宜な箇所に複数個配置されている。工具導入部60の構成は、第1実施形態の工具導入部18の構成と同様である。なお、本実施形態では、工具導入部60を、工具を空間S2に入れるための入口として使用する他、空間S2内部の負圧を調整するためにも使用する。
カバー52には、作業者がカバー52の外側から腕を挿入して、被覆材Tの除去を行うための作業部66(図13)が設けられる。本実施形態では、作業部66は、前面カバー部54及び後面カバー部56を鉄骨H1,H2,H3の周囲に取り付けた後に、前面カバー部54の所望の位置に取り付けられる。
図12は、本発明の第2実施形態による被覆材除去装置50における作業部66の取付位置Aを示す図である。作業部66は、被覆材Tの除去作業がし易いように、被覆材Tが付着させられている鉄骨H2,H3の近くに、これらの鉄骨H2,H3に沿って配置される。
図13及び図14は、本発明の第2実施形態による作業部66の取付作業を示す。鉄骨H1,H2,H3の周囲にカバー部54,56を取り付けた後、作業部66の開口端66Aを、図13に示すように、前面カバー部54の作業部66の取付位置Aに、テープ等によって取り付け、作業部66の開口端66Aを前面カバー部54の外面に密着させる。このとき、作業部66の内部にカッター等の切断具68を入れておく。その後、この切断具68を作業部66の外部から掴み、作業部66の開口端66Aで囲まれた前面カバー部54の領域を切断し、図13に示すように、前面カバー部54に開口70を形成する。そして、図14に示すように、作業部66を開口70から空間S2内部に挿入しながら作業部66を裏返す。このようにして、作業部66を前面カバー部54の任意の位置に取り付ける。
このような構造のカバー52で鉄骨H1,H2,H3の周囲を覆い、カバー52の外側から工具Hを用いて鉄骨H2,H3の被覆材Tを除去する。このとき、図示しない吸引装置によって空間S2内部を吸引する。空間S2内部の負圧を調整するために、任意の数の工具導入部60に任意の大きさの孔を形成し、工具導入部60を、空間S2内部に空気を導入するための空気導入部として使用する。
除去された被覆材T’は下カバー部58に落下するので、作業者は、被覆材T’をシュート64に投入して収納部62に収納する。そして、第1実施形態と同様にシュート64を2箇所で閉鎖し、これらの閉鎖部の間でシュート64を切断することによって、収納部62を下カバー部58から切り離す。その後、収納部62及び鉄骨H1,H2,H3から外したカバー52を、適切な方法で廃棄する。
このような実施形態によれば、第1実施形態の効果と同様な効果が得られる他、次のような効果が得られる。
複数のかご204が配置された昇降路202を有するエレベータ200において、かご204の間に被覆材Tが付着させられた鉄骨Hを有する場合でも、1階分の高さの鉄骨H1,H2,H3の周囲をカバー52によって覆うことができるので、短い作業時間で簡単に被覆材Tの除去を行うことができる。
作業部66が、前面カバー部54に取付可能に構成されているので、前面カバー部54を鉄骨H1,H2,H3の周囲に取り付けた後、現場の作業領域の状況や被覆材Tの付着具合等に応じて、所望の位置に作業部66を取り付けることができる。したがって、様々な現場状況に対しても、被覆材Tの除去作業を容易に行うことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態による被覆材除去装置は、フレームをエレベータの壁面に沿って配置されたガイドレールで支持する点が、第1実施形態による被覆材除去装置と異なる他は、第1実施形態による被覆材除去装置とほぼ同様の構成を備える。
図15は、本発明の第3実施形態による被覆材除去装置の平面図であり、図16は、本発明の第3実施形態による被覆材除去装置の側面図である。なお、本実施形態では、フレームの支持構造を示すために、カバーの取付構造の図示を省略した。
これらの図15及び図16に示すように、本実施形態による被覆材除去装置80は、フレーム82をエレベータ300のかご302の上面304でなくエレベータ300の壁面Wに沿って延びるガイドレール306に取り付けるための支持ブラケット81を更に有する。
ガイドレール306は、エレベータ300の壁面Wに沿って上下方向に延び、本実施形態ではドア308と対向する壁面W5に2本、ドア308に隣接し、互いに対向する側面W6,W6に1本ずつ、計4本設けられている。なお、ガイドレール306の本数は、4本に限らず、エレベータ300内に任意の数設けられていてよく、また、エレベータ300内に設けられた複数のガイドレール306のうち、任意の数のガイドレール306を利用してフレーム82の固定を行ってもよい。
壁面W5のガイドレール306の間にはウェイト310が配置されている。これらのガイドレール306は、同じ断面形状を有する。具体的には、ガイドレール306は、ベース部312と、ベース部312の略中央から、ベース部312に略垂直に突出した案内部314とを有し、全体として断面略T字形に形成されている。ベース部312は、壁面W5に対して略垂直に配置され、したがって、2つのガイドレール306のベース部312は、ウェイト310の両側に対向して、互いに平行に配置されている。またこれにより、案内部314は、壁面W5に対して略平行に配置され、ウェイト310に向かって突出している。案内部314には、鏡面仕上げが施されており、ウェイト310の両側に設けられた案内ブラケット316が、案内部314に係合することにより、ウェイト310が上下移動する際、ウェイト310がガイドレール306に沿って案内される。なお、ベース部312には鏡面仕上げが施されていない。
壁面W6にそれぞれ配置されたガイドレール306は、壁面W5に設けられたガイドレール306と同じ断面形状を有する。具体的には、ガイドレール306は、ベース部312と、ベース部312の略中央から、ベース部312に略垂直に突出した案内部314とを有し、全体として断面略T字形に形成されている。ベース部312は、壁面W6に対して略平行に配置され、したがって、2つのガイドレール306のベース部312は、かご302の両側に、互いに平行に配置されている。またこれにより、案内部314は、壁面W6に対して略垂直に配置され、かご302に向かって突出している。案内部314には、鏡面仕上げが施されており、かご302の両側に設けられた案内ブラケット318が、案内部314に係合することにより、かご302が上下移動する際、かご302がガイドレール306に沿って案内され、かご302の上下移動時の横方向の揺れが抑制される。なお、ベース部312には鏡面仕上げが施されていない。
図17は、本発明の第3実施形態による支持ブラケット81の側面図を示し、図18は、支持ブラケット81の平面図を示す。これらの図に示すように、支持ブラケット81は、ガイドレール306に取付可能な取付部84と、フレーム82の横枠86を載置して固定するためのフレーム載置部88と、を有する。
取付部84は、ベース部90と、ベース部90に複数箇所(本実施形態では2箇所)設けられ、支持ブラケット81のベース部312を把持する把持部92とを有する。ベース部90は、断面略L字形に形成されている。把持部92は、ベース部90の長手方向に互いに間隔をあけて2箇所設けられ、ベース部90の面に固定される面と、この面から突出する、互いに対向した面とを有し、全体として断面略C字形に形成されている。把持部92の対向する面のうち一方は、支持ブラケット81のベース部312と接触するように平坦面となっている。把持部92の対向する面のうち、平坦面に対向する面には、ボルト93が螺合されており、ボルト93の先端部が、平坦面に近接離間可能となっている。
フレーム載置部88は、取付部84の一端から取付部84に対して直角に延び、断面略L字形に形成されている。フレーム載置部88の一面には、フレーム載置部88の面の長手方向に沿って長孔94が形成されている。
このような構造の被覆材除去装置80を使用して被覆材を除去する場合には、支持ブラケット81を、ガイドレール306に取り付ける。まず、把持部92の対向する面の間にガイドレール306のベース部312を配置し、ボルト93を締め付けることによって、ボルト93の先端と把持部92の一方の面との間でベース部312を把持する。これにより、支持ブラケット81が2箇所でガイドレール306に固定される。このようにして、4本のガイドレール306にそれぞれ1つずつ支持ブラケット81を取り付ける。
ガイドレール306に支持ブラケット81を取り付けた状態では、支持ブラケット81のベース部90は、壁面W5,W6に沿って上下方向に(本実施形態では鉛直方向に)配置されるので、フレーム載置部88の一面は、横方向に(本実施形態では、水平方向に)配置される。
次に、フレーム載置部88に、フレーム82の横枠86を載置して固定する。まず、フレーム載置部88の長孔94に、単管用のクランプ95(図18に点線で図示)をボルトで固定する。そして、壁面W5のガイドレール306に取り付けられた2つの支持ブラケット81のクランプ95で、横材86をフレーム載置部88に固定する。これにより、横材86は、2箇所で固定される。次に、この横材86の両端に、直交型のクランプ97を更に取り付け、この95と、壁面W6のガイドレール306に取り付けられた支持ブラケット81のクランプ95とに、横材86を載置して固定する。その後、壁面W6のガイドレール306に取り付けられた支持ブラケット81に支持された横材86端部の間に直交型のクランプ97によって横材86を載置して固定する。このような作業により、横材86を井形に組む。
このようにして横材86をかご302の上方に1段組み立てた後は、直交型のクランプ97を用いて横材86に縦材87を組む等してフレーム82を組立てる。なお、縦材87の下端には、図16に示すようにジャッキ部分87Aが形成されており、このジャッキ部分87Aを操作することにより、フレーム82の上下方向の位置を微調整することができる。図16において縦材87で囲まれた領域89が、作業者が足場として利用することができる足場領域となる。その後、第1実施形態の被覆材除去装置1と同様にして、壁面W5,W6をカバー(図示せず)で覆って被覆材の除去を行う。
次に、例えば1つ上の階または1つ下の階の壁面に付着した被覆材を除去する作業を行うために、被覆材除去作業の作業域を変更する場合には、一番下の段の横材86において、かご302の上方に対応する複数箇所(本実施形態では4箇所)の位置に、下方に突出するジャッキ96を取り付ける。カバーを取り外した後、ジャッキ96を降ろしてかご302の上面304に接触させる。そして、支持ブラケット81の把持部92によるガイドレール306の把持を解除して、ブラケット95に対してフレーム載置部88を長孔94に沿って移動させ、支持ブラケット81をガイドレール306から遠ざける。
上記の状態では、フレーム306は、支持ブラケット81での支持が解除され、かご302の上面に4箇所で支持される。この状態で、かご302を移動させると、かご302とともにフレーム306も移動する。
以上のような構造の被覆材除去装置80によれば、前述の実施形態による被覆材除去装置1,50の効果と同様な効果が得られる他、次のような効果が得られる。
フレーム306に支持ブラケット81を設けたので、フレーム306をガイドレール306で支持することができる。したがって、フレーム306の荷重及びフレーム306に乗る作業者の重量をガイドレール306で受けることができ、かご302への加重負担を除去することができる。
近年では、軽量化のためにかご302の壁面や天井をできるだけ薄く作る場合があり、その上にフレーム306を乗せ、更にフレーム306に作業員が乗ると、かご302に過剰に負担がかかり場合がある。本実施形態による被覆材除去装置80の支持ブラケット81を使用すれば、かご302に負荷をかけることなくフレーム306を取り付けることができ、かご302の損傷を防止することができる。
支持ブラケット81が取付部84とフレーム載置部88を有して全体として略L字形に形成されているので、壁面W5,W6に沿って上下方向に配置されたガイドレール306に取付部84を取り付けると、フレーム載置部88が横方向に配置される。したがって、このフレーム載置部88の上にフレーム306の横材86を載置して固定することができる。フレーム載置部88の上に横材86を載置することができるので、横材86にかかる荷重をその下方のフレーム載置部88で受けることができるから、フレーム306をより堅固に組み立てることができる。
フレーム載置部88が取付部84に対して略直角に形成されているので、上下に延びるガイドレール306に取付部84を取り付けると、フレーム載置部88がガイドレール306から略直角に突出する。したがって、フレーム306の横材86をフレーム載置部88に載置しやすくなり、フレーム306の組立作業が簡単になるとともに、フレーム306をより確実に固定することができる。
被覆材除去作業の作業機を変更する際に、支持ブラケット81のガイドレール306への取付を解除し、フレーム306をかご302の上面で支持させるので、フレーム306を解体することなくかご302と共に移動させることができる。したがって、複数階にわたって被覆材除去作業を行う場合でも、容易且つ迅速に作業を行うことができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、作業部は、第1実施形態では予めカバー部16に固定されており、第2実施形態では、前面カバー部54を鉄骨Hに取り付けた後に取り付けたが、これに限らない。即ち、例えば、第1実施形態において、カバー部16に作業部を所望の位置に取付可能に構成してもよいし、第2実施形態において、予め作業部を前面カバー部に固定しておいてもよい。
第2実施形態では、カバーは複数の鉄骨の周囲を覆っていたが、これに限らず、カバーは、エレベータの昇降路内の、被覆材が付着させられている任意の部材を覆うことができ、例えば1つの鉄骨の周囲を覆うものであってもよい。
第1実施形態では、カバー部16の上端部16Aは、壁面W2,W3との間に隙間を有し、空気がその隙間から空間S1に導入されていたが、このような構造に限らず、カバーは、吸引装置の吸引力によって、空間内に適当な負圧を維持することができる構造であればよい。したがって、例えば上端部も下端部と同様に壁面のほぼ全幅にわたって封止し、工具導入部に適当な大きさの開口を設けることによって空気導入部を形成してもよい。
工具導入部は、第1実施形態のように工具を導入するためのもの、第2実施形態のように工具及び空気を導入するものの他、例えばカバーで覆われた空間内に工具を導入し、工具から延びるワイヤ等を通すワイヤ貫通部として使用してもよい。
ガイドレールは、エレベータのウェイトの上下移動を案内するもの、エレベータのかごを案内するものに限らず、壁面に沿って上下に延び、エレベータの任意の構造を案内するものであればよい。
支持ブラケットは、取付部及びフレーム載置部を備えた略L字形に形成されるものに限らず、ガイドレールに取付可能で、フレームを載置して固定することができるものであればその形状は任意であり、例えば側面視でT字形やC字形等の任意の形状を採用することができる。
本発明の第1実施形態による被覆材除去装置の全体を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態による被覆材除去装置の側面図である。 本発明の第1実施形態による被覆材除去装置の横断面図である。 本発明の第1実施形態によるカバーのカバー部の上端部を示す部分側断面図である。 本発明の第1実施形態によるカバーのカバー部の下端部を示す部分側断面図である。 本発明の第1実施形態によるカバーのカバー部の下端部の一部を示す横断面図である。 本発明の第1実施形態によるカバーに工具を導入する作業を示す図である。 本発明の第1実施形態によるカバーに工具を導入する作業を示す図である。 本発明の第1実施形態による被覆材除去装置の収納部の閉鎖作業を示す図である。 本発明の第2実施形態による被覆材除去装置が設置されるエレベータの平面図である。 本発明の第2実施形態による被覆材除去装置の正面図である。 本発明の第2実施形態による被覆材除去装置における作業部の取付位置を示す図である。 本発明の第2実施形態による被覆材除去装置における作業部の取付作業を示す図である。 本発明の第2実施形態による被覆材除去装置における作業部の取付作業を示す図である。 本発明の第3実施形態による被覆材除去装置の平面図である。 本発明の第3実施形態による被覆材除去装置の側面図である。 本発明の第3実施形態による支持ブラケットを示す平面図である。 本発明の第3実施形態による支持ブラケットを示す側面図である。 本発明の第3実施形態による作業域の変更時の作業を示す側面図である。
符号の説明
1,50 被覆材除去装置
2 フレーム
4,52 カバー
20,66 作業部
22,62 収納部
32 固着部位
T 被覆材
W1,W2,W3 壁面
H,H1,H2,H3 鉄骨
100,200 エレベータ
102,202 昇降路
104,204 かご

Claims (13)

  1. 建物のエレベータの昇降路内の壁面に付着させられている被覆材を除去するための被覆材除去装置であって、
    前記エレベータのかご上に取付られた前記建物の1階分の高さの作業域を有するフレームと、
    透明材料で構成され、前記フレームの前記壁面側で前記フレームに固定され、且つ前記壁面から所定距離を隔てた位置で1階分の高さの前記壁面を覆って、前記壁面との間に空間を形成するシート状のカバー部と、
    前記カバー部に取り付けられ、その開口端が前記カバーに形成された開口に接続され、前記カバー部から前記カバー部で覆われた空間に向かって突出するように配置された袋状の作業部と、
    前記カバー部に接続され、前記壁面から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、を備えた
    ことを特徴とする被覆材除去装置。
  2. 前記カバー部の上端部及び下端部は、飛散抑制剤によって被覆材が固着された前記壁面の固着部位に、取り付けられる、
    請求項1又は請求項2に記載の被覆材除去装置。
  3. 前記固着部位は、前記壁面のほぼ全幅にわたって形成され、前記カバー部の上端部は、前記固着部位に部分的に接触し、前記カバー部の下端部は、前記固着部位のほぼ全幅にわたって接触する、
    請求項2に記載の被覆材除去装置。
  4. 建物のエレベータの昇降路内の鉄骨に付着させられている被覆材を除去するための被覆材除去装置であって、
    前記エレベータのかご上に取り付けられた前記建物の1階分の高さの作業域を有するフレームと、
    透明材料で構成され、1階分の高さの前記鉄骨の周囲を覆うとともに前記フレームに固定されることにより前記鉄骨の周囲に空間を形成するカバー部と、
    前記カバー部に取り付けられ、その開口端が前記カバー部に形成された開口に接続され、前記カバー部から前記カバー部で覆われた空間に向かって突出するように配置された袋状の作業部と、
    前記カバー部に接続され、前記鉄骨から除去された被覆材を内部に収納する袋状の収納部と、を備えた
    ことを特徴とする被覆材除去装置。
  5. 前記カバー部は、互いに連結された複数の鉄骨の周囲を覆う、
    請求項4に記載の被覆材除去装置。
  6. 前記作業部は、前記カバー部と別体に作られ、前記カバー部に取付可能に構成される、 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の被覆材除去装置。
  7. 前記エレベータ内の壁面に沿って延びるガイドレールに前記フレームを支持させるための支持ブラケットを更に有する、
    請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の被覆材除去装置。
  8. 前記支持ブラケットは、前記ガイドレールに沿って取り付けられる取付部と、前記取付部に対して直角に延び、上面に前記フレームを載置して固定するフレーム載置部とを備える、
    請求項7に記載の被覆材除去装置。
  9. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の被覆材除去装置を用いて、エレベータの昇降路内の壁面または鉄骨に付着させられている被覆材を除去する被覆材除去方法であって、
    前記エレベータのかご上に、1階分の高さの作業域を有するフレームを組むステップと、
    前記壁面または鉄骨を前記カバー部で覆うステップと、
    前記カバー部を前記フレームに固定するステップと、
    前記カバー部によって覆われた空間に負圧を発生させるステップと、
    前記作業部から作業者が腕を挿入して、前記壁面または鉄骨に付着させられている被覆材を前記カバー部の外側から除去するステップと、
    除去した被覆材を前記収納部に収納するステップと、を備えた
    ことを特徴とするエレベータ内の被覆材除去方法。
  10. 前記作業域の上下端の被覆材に飛散抑制剤を含浸させて、被覆材が固着された固着部位を形成するステップと、
    前記カバー部の端部を前記固着部位に取り付けるステップと、を更に備えている、
    請求項9に記載の被覆材除去方法。
  11. 前記壁面または鉄骨を前記カバー部で覆うステップの後、前記カバー部の外面に前記作業部を取り付け、前記作業部の開口端に対応する前記カバー部の位置に開口を形成し、前記作業部を前記開口から前記カバー部内部に挿入することにより、前記作業部を前記空間に向かって突出させるステップを更に備えている、
    請求項9または請求項10に記載の被覆材除去方法。
  12. フレームを組むステップは、前記エレベータ内の壁面に沿って延びるガイドレールに、前記フレームを支持するための支持ブラケットの取付部を取り付けるステップと、前記支持ブラケットの前記取付部に対して直角に延びるフレーム載置部に、前記フレームを載置して固定することにより、前記フレームを前記ガイドレールで支持するステップと、を含む、
    請求項9ないし請求項11の何れか1項に記載の被覆材除去方法。
  13. 前記作業域を変更する時には、前記取付部を前記ガイドレールから取り外すと共に、前記フレームを前記エレベータのかご上面で支持し、前記エレベータのかごを前記フレームと共に上下移動させる、
    請求項12に記載の被覆材除去方法。
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