JP2009109426A - 検体前処理液、ウイルス測定用キット及びウイルス検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】免疫測定法によりSARSウイルスのような検体中の存在量が非常に少ないウイルスを測定する際に、検出感度を向上させて正確に測定を行うために必要な検体前処理液、並びにこれを用いたウイルス測定用キット及びウイルス検出方法を提供する。
【解決手段】ウイルスに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するための検体の前処理液。前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含む。
【選択図】図1
【解決手段】ウイルスに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するための検体の前処理液。前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、検体前処理液、並びにこの検体前処理液を用いたウイルス測定用キット及びウイルス検出方法に関する。
SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)は、近年発見された感染症であり、コロナウイルス科に分類される新型のウイルス(SARSウイルス)が起因病原体であることが確認されている。SARSウイルスは呼吸器に感染するウイルスであり、SARSの初期症状は急な発熱、咳、息切れ、呼吸困難などインフルエンザ様の症状を示し、発熱が初めてみられてから約1週間後に一部の症例で呼吸困難の症状が現れ始める。また、同じ時期に多くの症例で他の人への感染力も強くなる。
一般に、インフルエンザ感染の診断では、鼻汁や痰などの検体を界面活性剤を含む前処理液で処理し、その後に当該検体に含まれるインフルエンザウイルス由来の抗原(タンパク質)を免疫測定法で測定することが行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
インフルエンザウイルスを測定する場合には、上述したような方法で十分測定することが可能である。しかしながら、SARSウイルスを測定する場合、SARS患者から採取した鼻汁や痰などの検体に含まれるSARSウイルスの量がインフルエンザウイルスの場合と比べて非常に少ないことから、上述したような方法ではSARSウイルスを正確に測定することが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、免疫測定法によりSARSウイルスのような鼻汁や痰などの検体に微量に含まれるウイルスを測定する際に、検出感度を向上させて正確に測定を行うために必要な検体前処理液、並びにこれを用いたウイルス測定用キット及びウイルス検出方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、インフルエンザ患者から採取された鼻汁検体1ml中に含まれるインフルエンザウイルスの量がngオーダーであるのに対し、SARS患者から採取された鼻汁検体1ml中に含まれるSARSウイルスの量がpgオーダーと非常に少ないことから、検体中の夾雑物質、特にタンパク質分解酵素がSARSウイルスに与える影響に着目して鋭意研究を重ねた。その結果、タンパク質分解酵素の阻害剤を検体前処理液に添加することで、検体中の微量のSARSウイルス検出能を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
検体前処理液に係る本発明は、ウイルスに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するための検体の前処理液であって、前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含むことを特徴としている。
本発明の検体前処理液によれば、前処理液に含まれるタンパク質分解酵素阻害剤が、ウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するため、測定前にウイルス由来のタンパク質が分解するのを防ぐことができ、これにより免疫測定法によりウイルスを測定する際に、その測定感度を向上させることができる。
なお、本発明の検体前処理液は、鼻汁や痰などの検体に微量に含まれるSARSウイルスの検出に利用することが特に好ましい。
本発明の検体前処理液によれば、前処理液に含まれるタンパク質分解酵素阻害剤が、ウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するため、測定前にウイルス由来のタンパク質が分解するのを防ぐことができ、これにより免疫測定法によりウイルスを測定する際に、その測定感度を向上させることができる。
なお、本発明の検体前処理液は、鼻汁や痰などの検体に微量に含まれるSARSウイルスの検出に利用することが特に好ましい。
上記検体前処理液で処理した検体を、免疫測定法によって測定するが、免疫測定法の中でも、感度が高く且つ安全で簡便な酵素反応を用いる酵素免疫測定法によって測定することが好ましく、酵素免疫測定法を用いる場合には、化学発光基質を利用することが好ましい。
酵素免疫測定法に化学発光基質を用いる場合、酵素と当該化学発光基質との反応で生成する化学発光を測定することにより酵素を検出するので、測定感度が非常に高く、より正確にウイルスを測定することが可能となる。
酵素免疫測定法に化学発光基質を用いる場合、酵素と当該化学発光基質との反応で生成する化学発光を測定することにより酵素を検出するので、測定感度が非常に高く、より正確にウイルスを測定することが可能となる。
上記検体前処理液において、前記タンパク質分解酵素阻害剤として、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。セリンプロテアーゼ阻害剤、としては、フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF;Phenylmethylsulfonyl fluoride、以下、PMSFという)が好ましい。
上記検体前処理液は、タンパク質分解酵素阻害剤の他に、当該タンパク質分解酵素阻害剤と同じく、タンパク質分解酵素の働きを抑制するためにキレート剤を含んでもよい。さらに、ウイルス膜を破壊してウイルス内のタンパク質を露出させる働きをする界面活性剤を含んでもよい。
また、ウイルスの核タンパク質であるヌクレオカプシドタンパク質は、比較的突然変異が起こりにくいといわれていることから、上記検体前処理液の抗体として、ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質(以下、NPという場合もある)に特異的に結合する抗体を用いることが好ましい。
上記検体前処理液は、タンパク質分解酵素阻害剤の他に、当該タンパク質分解酵素阻害剤と同じく、タンパク質分解酵素の働きを抑制するためにキレート剤を含んでもよい。さらに、ウイルス膜を破壊してウイルス内のタンパク質を露出させる働きをする界面活性剤を含んでもよい。
また、ウイルスの核タンパク質であるヌクレオカプシドタンパク質は、比較的突然変異が起こりにくいといわれていることから、上記検体前処理液の抗体として、ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質(以下、NPという場合もある)に特異的に結合する抗体を用いることが好ましい。
このような検体前処理液は、SARSウイルスのような検体中の存在量が非常に少ないウイルスの測定用キットに適用することができる。
ウイルス測定用キットに係る本発明は、免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するためのキットであって、前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含む検体前処理液、前記検体に含まれるウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及び前記検体に含まれるウイルスに特異的に結合する第二の抗体を含むことを特徴としている。
ウイルス測定用キットに係る本発明は、免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するためのキットであって、前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含む検体前処理液、前記検体に含まれるウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及び前記検体に含まれるウイルスに特異的に結合する第二の抗体を含むことを特徴としている。
本発明では、上記検体前処理液を用いて鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体を処理し、この処理検体中のウイルスに、ウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及びウイルスに特異的に結合する第二の抗体を作用させて、前記ウイルスと前記第一の抗体と前記第二の抗体とからなる複合体を形成させ、この複合体を検出することにより、検体に含まれるウイルスを検出することができる。
この検出方法においては検体前処理液を用いることから、上述した理由により、免疫測定法によりSARSウイルスのような検体中の存在量が非常に少ないウイルスを測定する際にその測定感度を向上させることができる。また、第一の抗体とウイルスと第二の抗体とでいわゆるサンドイッチ構造が構築されるので、検体中のウイルスをより高感度で測定することができる。
なお、上記のウイルス測定用キットはこの検出方法に使用することができる。
この検出方法においては検体前処理液を用いることから、上述した理由により、免疫測定法によりSARSウイルスのような検体中の存在量が非常に少ないウイルスを測定する際にその測定感度を向上させることができる。また、第一の抗体とウイルスと第二の抗体とでいわゆるサンドイッチ構造が構築されるので、検体中のウイルスをより高感度で測定することができる。
なお、上記のウイルス測定用キットはこの検出方法に使用することができる。
上記ウイルス測定用キットは、免疫測定法、その中でも酵素免疫測定法、好ましくは化学発光基質を利用する酵素免疫測定法より検体中のウイルスを測定する際に使用することができる。
上記ウイルス測定用キットの検体前処理液に含まれるタンパク質分解酵素阻害剤は、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から選択することができる。
上記ウイルス測定用キットの検体前処理液に含まれるタンパク質分解酵素阻害剤は、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から選択することができる。
上記ウイルス測定用キットに含まれる前記第一及び第二の抗体に、ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質(NP)に特異的に結合する抗体を使用することができるが、両抗体が、それぞれNPの異なる認識部位に特異的に結合する抗体であることが好ましい。第一及び第二の抗体の両方に、それぞれNPの異なる認識部位に特異的に結合する抗体を使用することにより、感度及び特異性が上がり、検出精度が向上するからである。
上記ウイルス測定用キットにおいて、さらに前記第一の抗体を固定化するための固相を含んでもよい。この場合、ウイルス測定用キットは、第一の抗体が含まれる第一の試薬、第二の抗体が含まれる第二の試薬とともに上記固相を含むことができるし、あるいは、第一の抗体を上記固相に固定化させたものを含むことも可能である。
このように上記ウイルス測定用キットが第一の抗体を固定化するための固相を含む場合には、前記複合体を形成している第一の抗体は固相に固定化されることになり、同じく複合体を形成している第二の抗体が標識物質により標識されていれば、この第二の抗体の標識物質を検出することにより複合体を検出することが可能となる。
このように上記ウイルス測定用キットが第一の抗体を固定化するための固相を含む場合には、前記複合体を形成している第一の抗体は固相に固定化されることになり、同じく複合体を形成している第二の抗体が標識物質により標識されていれば、この第二の抗体の標識物質を検出することにより複合体を検出することが可能となる。
免疫測定法により検体中のウイルスを測定する場合において、本発明の検体前処理液を用いて検体を前処理することにより、検出感度が向上し、SARSウイルスのような検体中の存在量が非常に少ないウイルスであってもより正確に測定することができる。
本実施形態において使用される検体は、生体から採取でき、SARSウイルスが含まれる可能性があるものであり、具体的には鼻汁及び痰の少なくとも一方を含むものである。検体を採取する方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、アスピレーターや綿棒などを用いて鼻汁又は痰を採取することができる。
本実施形態の検体前処理液は、タンパク質分解酵素阻害剤を含んでいる。このタンパク質分解酵素阻害剤は、検体に含まれるSARSウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するものであり、SARSウイルスが分解するのを防ぐ機能を有する。タンパク質分解酵素阻害剤として、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤及びその他のプロテアーゼ阻害剤等を使用することができる。
セリンプロテアーゼ阻害剤としては、アンチスロンビンIII、TLCK(p−トルエンスルホニル−L−リジンクロロメチルケトン)、TPCK(p−トルエンスルホニル−L−フェニルアラニンクロロメチルケトン)、ヘパリンコファクターII、アプロチニン、トリプシンインヒビター、AEBSF(4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオライド)、PMSF等が挙げられる。システインプロテアーゼ阻害剤としては、アンチパイン、E−64等が挙げられる。また、セリン及びシステインプロテアーゼの両方の阻害剤として、ロイペプチン、キモスタチン等が挙げられる。アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤として、ペプスタチンA等が挙げられる。その他のプロテアーゼ阻害剤として、アマスタチン、ベスタチン等が挙げられる。これらのうち、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物が好ましく用いられる。2種以上の混合物は、個別に購入した2種以上のタンパク質分解酵素阻害剤を適宜混合させて使用してもよいし、あるいは市販されている複数のタンパク質分解酵素阻害剤を混合した調製品を使用してもかまわない。
検体前処理液は、さらにキレート剤を含んでいることが好ましい。金属イオンが酵素の活性に必須な場合があり、キレート剤はこの金属イオンと結合してキレート化合物を形成することができることから、タンパク質分解酵素阻害剤と同じく、タンパク質分解酵素の働きを抑制することができる。キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩及びカリウム塩、1,3−プロパンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩及びカリウム塩、ニトリロ三酢酸等が挙げられる。
検体前処理液は、さらに界面活性剤を含んでいることが好ましい。界面活性剤は、ウイルス膜を破壊してウイルス内のタンパク質を露出させる働きを有する。界面活性剤として、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。用いる界面活性剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、アルキルピリジニウム塩、高級アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。
検体前処理液には、上記タンパク質分解酵素阻害剤、キレート剤及び界面活性剤のほか、一般に当業者が使用し得る成分を含ませることができる。具体的には、反応に好適なpHであるpH5〜9を保持する緩衝液を構成する成分や、その他の適切な有機酸等を含ませることができる。
検体の前処理は、通常の方法に従って行えばよく、例えば、検体前処理液と検体とを混和することにより行うことができる。同様に、鼻汁等の検体を採取した綿棒を検体前処理液に浸し、検体前処理液と検体とをよく混和することにより行うこともできる。本明細書では、検体を前処理液で処理したものを、便宜上「試料」という。
検体の前処理は、通常の方法に従って行えばよく、例えば、検体前処理液と検体とを混和することにより行うことができる。同様に、鼻汁等の検体を採取した綿棒を検体前処理液に浸し、検体前処理液と検体とをよく混和することにより行うこともできる。本明細書では、検体を前処理液で処理したものを、便宜上「試料」という。
検体前処理液で検体を処理して得られた試料について、従来の免疫測定法を用いた抗原抗体反応により、SARSウイルスを測定することが可能である。SARSウイルスは、SARSウイルスに属するものであれば、変異されたウイルス又は将来出現する変異ウイルスであってもよい。
免疫測定法は、抗体との結合能力を利用して物質を定量的に測定する方法であり、例えば、放射性免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA又はELISA)、蛍光免疫測定法(FIA)、蛍光偏光法、イムノクロマトグラフ法を用いることができる。
上記免疫測定法に用いる抗体は、SARSウイルスに特異的に結合する抗体であればよい。この抗体は、通常用いられる方法によって得ることができる。例えば、KohlerとMilstein(Kohler G, C. Milstein, Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity, Nature, 256:495-497. 1975)に従う細胞融合によるハイブリドーマの樹立法によってもよく、単に抗原を動物に免疫してその血清を精製したものであってもよい。また、免疫測定法において用いる抗体は、1種類でも2種類以上であってもよい。
この抗体は、そのフラグメント、及びそのキメラ抗体及びヒト化抗体等の改変抗体並びに変異抗体を含む。これらのフラグメント、改変抗体又は変異抗体もまた、元の抗体と同様のSARSウイルスに対する特異性を有するものである。これらも、当業者により既知の手段又は方法により製造され得る。
この抗体は、そのフラグメント、及びそのキメラ抗体及びヒト化抗体等の改変抗体並びに変異抗体を含む。これらのフラグメント、改変抗体又は変異抗体もまた、元の抗体と同様のSARSウイルスに対する特異性を有するものである。これらも、当業者により既知の手段又は方法により製造され得る。
また、測定方法に応じて、抗体を標識物質で標識したり、固相に固定化してもよい。
抗体を標識する標識物質は、測定方法に応じて適宜選択される。例えば、測定方法が放射性免疫測定法(RIA)であれば、標識物質には125I、14C、32P等の放射性同位元素が用いられる。酵素免疫測定法(EIA又はELISA)であれば、β−ガラクトシターゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素が用いられる。蛍光免疫測定法(FIA)又は蛍光偏光法であれば、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体等の蛍光色素が用いられる。イムノクロマトグラフ法であれば、不溶性粒状マーカー等を使用することができる。
抗体を標識する標識物質は、測定方法に応じて適宜選択される。例えば、測定方法が放射性免疫測定法(RIA)であれば、標識物質には125I、14C、32P等の放射性同位元素が用いられる。酵素免疫測定法(EIA又はELISA)であれば、β−ガラクトシターゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素が用いられる。蛍光免疫測定法(FIA)又は蛍光偏光法であれば、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体等の蛍光色素が用いられる。イムノクロマトグラフ法であれば、不溶性粒状マーカー等を使用することができる。
抗体を固定する固相の素材又は形状は、測定法に応じて適宜選択される。固相の素材は、抗体と結合性の高いものであれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリスチレン、スチレンン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレンン−無水マレイン酸共重合体、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン等の合成有機高分子化合物、デキストラン誘導体、アガロースゲル、セルロース等の多糖類、ガラス、シリカゲル、シリコーン等の無機高分子化合物が挙げられる。これらは、さらにアミノ基、アミノアシル基、カルキシル基、アシル基、水酸基、ニトロ基等の官能基が導入されたものであってもよい。固相の形状としては、例えば、マイクロプレート(ELISAプレート)、ディスク等の平板状、ビーズ等の粒子状、試験管、チューブ等の管状、繊維状、膜状等が挙げられ、測定方法に応じて適宜選択される。抗体を固相に固定化する方法は、物理的吸着法、イオン結合法、共有結合法、包括法等の公知の方法を用いることができる。
上述した免疫測定法の中でも、検体中にごく微量含まれるSARSウイルスを検出するために、酵素、蛍光又は放射性同位元素を用いる高感度の測定法を用いることが好ましく、その中でも安全で簡便な酵素反応を用いる酵素免疫測定法によって測定することがより好ましい。酵素免疫測定法を用いる場合には、酵素が作用する基質として化学発光基質を利用すれば、酵素と当該化学発光基質との反応で生成する化学発光を測定することにより酵素を検出するので、測定感度が非常に高く、より正確にSARSウイルスを測定することが可能となる。
検体前処理液は、免疫測定法によって検体に含まれるSARSウイルスを測定するためのSARS測定用キットに適用することができる。SARS測定用キットは、前述した検体前処理液に加えて、前記検体に含まれるSARSウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及び前記検体に含まれるSARSウイルスに特異的に結合する第二の抗体を含んでいる。
上記SARS測定用キットは、免疫測定法、好ましくは酵素免疫測定法、さらに好ましくは化学発光基質を利用する酵素免疫測定法によって検体に含まれるSARSウイルスを測定する際に使用される。
上記SARS測定用キットは、免疫測定法、好ましくは酵素免疫測定法、さらに好ましくは化学発光基質を利用する酵素免疫測定法によって検体に含まれるSARSウイルスを測定する際に使用される。
SARS測定用キットの検体前処理液は、上述のタンパク質分解酵素阻害剤を含んでおり、タンパク質分解酵素阻害剤として、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から少なくとも1種を選択して使用することが好ましい。
SARS測定用キットの検体前処理液には、タンパク質分解酵素阻害剤の他にも、上述したようなキレート剤、界面活性剤等を含ませることができる。
なお、検体前処理液としては、タンパク質分解酵素阻害剤とその他の成分とが、全て同じ容器に収容された1液型であってもよいが、これに限らない。
例えば、タンパク質分解酵素阻害剤の中には水溶液中で分解されやすいものがあるので、タンパク質分解酵素阻害剤の保存安定性の観点から、タンパク質分解酵素阻害剤を水溶性有機溶媒に溶解させた第一の溶液と、その他の成分を含有する第2の溶液とを別々の容器に収容しておき、測定時にこれらの溶液を混合して検体前処理液としてもよい。
水溶性有機溶媒としては、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトニトリル、2−プロパノールなどを使用することができる。これらのうち、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノールが好ましい。
例えば、タンパク質分解酵素阻害剤の中には水溶液中で分解されやすいものがあるので、タンパク質分解酵素阻害剤の保存安定性の観点から、タンパク質分解酵素阻害剤を水溶性有機溶媒に溶解させた第一の溶液と、その他の成分を含有する第2の溶液とを別々の容器に収容しておき、測定時にこれらの溶液を混合して検体前処理液としてもよい。
水溶性有機溶媒としては、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトニトリル、2−プロパノールなどを使用することができる。これらのうち、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノールが好ましい。
SARS測定用キットに含まれる第一及び第二の抗体のうちの少なくとも一方が、SARSウイルスのヌクレオカプシドタンパク質(SARS−NP)に特異的に結合する抗体であることが好ましい。SARS−NPは、比較的突然変異が起こりにくいからである。前記第一及び第二の抗体が、それぞれSARS−NPの異なる認識部位に特異的に結合する抗体であることが特に好ましい。第一及び第二の抗体の両方に、それぞれSARS−NPの異なる認識部位に特異的に結合する抗体を使用することにより、感度及び特異性が上がり、検出精度が向上するからである。
上記SARSウイルス測定用キットは、さらに第一の抗体を固定化するための固相を含んでもよい。この固相には、先に説明した固相と同様のものを使用することができる。SARSウイルス測定用キットに前記固相が含まれる場合、第一の抗体が含まれる第一の試薬、第二の抗体が含まれる第二の試薬とともに固相を含むことができる。あるいは、第一の抗体を固定化した固相(例えばマイクロプレート)として上記キットに含ませることも可能である。
SARSウイルス測定用キットには、これら以外にも、例えば、マイクロプレートのウェル内を洗浄するための洗浄液、第二の抗体を標識した酵素に対する基質等を含ませることができる。上記の洗浄液としては、所定の塩濃度の緩衝液が挙げられる。
SARSウイルス測定用キットには、これら以外にも、例えば、マイクロプレートのウェル内を洗浄するための洗浄液、第二の抗体を標識した酵素に対する基質等を含ませることができる。上記の洗浄液としては、所定の塩濃度の緩衝液が挙げられる。
本実施形態の検体前処理液は、免疫測定法によって検体に含まれるSARSウイルスを測定するためのSARSウイルス検出方法に適用することができる。SARSウイルス検出方法は、タンパク質分解酵素阻害剤を含む検体前処理液を用いて前記検体を処理して試料とする工程、得られた試料中のSARSウイルスに、SARSウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及びSARSウイルスに特異的に結合する第二の抗体を作用させて、前記SARSウイルスと前記第一の抗体と前記第二の抗体とからなる複合体を形成させる工程、得られた複合体を検出する工程を含んでいる。
このSARSウイルス検出方法は、検体処理工程で検体前処理液を用いて検体を処理して試料を得て、複合体形成工程で試料中のSARSウイルスを、SARSウイルスに特異的に結合する第一及び第二の抗体と反応させて、SARSウイルスと第一の抗体と第二の抗体とからなる複合体を形成させる、いわゆるサンドイッチ法を測定原理とする免疫測定法である。
第一の抗体を固定化するための固相及び第二の抗体を標識する標識物質を用いる場合、複合体形成工程で形成される複合体の第一の抗体は固相に固定化されており、同じく複合体の第二の抗体は標識物質により標識されているので、検出工程でこの第二の抗体の標識物質を検出することにより複合体を検出することが可能となる。
第一の抗体を固定化するための固相及び第二の抗体を標識する標識物質を用いる場合、複合体形成工程で形成される複合体の第一の抗体は固相に固定化されており、同じく複合体の第二の抗体は標識物質により標識されているので、検出工程でこの第二の抗体の標識物質を検出することにより複合体を検出することが可能となる。
この検出方法において、第一の抗体を固定化する固相及び第二の抗体を標識する標識物質として、上記免疫測定法で説明した固相及び標識物質を用いることができ、例えば固相として、マイクロプレート、プラスチックチューブ、ガラスビーズ等を挙げることができ、標識物質として、ペルオキシダーゼ、ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ等の酵素を挙げることができる。この標識物質は、第二の抗体に直接結合させてもよいし、間接的に結合させてもよい。例えば、第二の抗体をビオチンで標識し、このビオチンと特異的に結合するアビジンを標識物質で標識して、ビオチンとアビジンとを結合させることで標識物質に第二の抗体を標識させることも可能である。
次に、上記の検出方法を適用した免疫測定法について説明する。
被検物質(SARSウイルス由来の抗原)に対する捕獲抗体(第一の抗体)を固相(ここではマイクロプレート)に吸着させる。そして、この第一の抗体を固定化したマイクロプレートに、検体を前処理液で処理して得られた試料を添加し、この試料中の被測定物質と前記固定化された第一の抗体との複合体を形成させる。続いて、ビオチンで標識された第二の抗体を添加し、マイクロプレート上で、固定化された第一の抗体、被測定物質及びビオチン標識された第二の抗体からなる複合体を形成させる。その後、標識物質(ここでは酵素)で標識されたアビジンを加えて第二の抗体のビオチンと結合させ、洗浄後にアビジンの標識物質である酵素の基質(化学発光基質)を加え、酵素反応の結果として生成される化学発光を測定して被測定物質の検出を行う。
被検物質(SARSウイルス由来の抗原)に対する捕獲抗体(第一の抗体)を固相(ここではマイクロプレート)に吸着させる。そして、この第一の抗体を固定化したマイクロプレートに、検体を前処理液で処理して得られた試料を添加し、この試料中の被測定物質と前記固定化された第一の抗体との複合体を形成させる。続いて、ビオチンで標識された第二の抗体を添加し、マイクロプレート上で、固定化された第一の抗体、被測定物質及びビオチン標識された第二の抗体からなる複合体を形成させる。その後、標識物質(ここでは酵素)で標識されたアビジンを加えて第二の抗体のビオチンと結合させ、洗浄後にアビジンの標識物質である酵素の基質(化学発光基質)を加え、酵素反応の結果として生成される化学発光を測定して被測定物質の検出を行う。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここでは検体として鼻汁を使用する場合について説明しているが、痰を用いることも勿論可能である。
なお、以下の実施例に使用する第一の抗体は、ハイブリドーマMouse−Mouse Hybridoma SARS−23により産生されるモノクローナル抗体(以下、「第一モノクローナル抗体」という)である。当該ハイブリドーマは、シスメックス株式会社により独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されたものであり、平成17年2月15日(国内受託日)に受託され、受託番号FERM BP−10680が付与されている。このハイブリドーマは、マウス脾細胞とマウス骨髄腫細胞との融合細胞であり、SARS-NPのアミノ酸配列のN末端側から283番目〜422番目までの領域に存在するエピトープを認識する抗体(第一モノクローナル抗体)を産生する。
同じく第二の抗体は、ハイブリドーマMouse−Mouse Hybridoma SARS−12により産生されるモノクローナル抗体(以下、「第二モノクローナル抗体」という)である。当該ハイブリドーマは、シスメックス株式会社により独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されたものであり、平成18年9月26日付で受領され、受託番号FERM BP−10687が付与されている。このハイブリドーマは、マウス脾細胞とマウス骨髄腫細胞との融合細胞であり、SARS-NPのアミノ酸配列のN末端側から1番目〜141番目までの領域に存在するエピトープを認識する抗体(第二モノクローナル抗体)を産生する。
第一及び第二モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマMouse−Mouse Hybridoma SARS−23を又はハイブリドーマMouse−Mouse Hybridoma SARS−12をマウスの腹腔内で増殖させ、その腹水から第一又は第二モノクローナル抗体を分離することにより、製造することができる。
第一及び第二モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマMouse−Mouse Hybridoma SARS−23を又はハイブリドーマMouse−Mouse Hybridoma SARS−12をマウスの腹腔内で増殖させ、その腹水から第一又は第二モノクローナル抗体を分離することにより、製造することができる。
(実施例1)
本実施例は、検体前処理液中のタンパク質分解酵素阻害剤がSARSウイルスの検出感度に及ぼす効果を確認することを目的として行った。
(1)検体前処理液の調製
0.3(v/v)% NP−40(ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル)、15mM EDTA・2Na・2H2O、60mM NaOH、6mM ACES(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸)、0.22M NaCl及び15mM NaN3を含む溶液(pH7.0)(以下、溶液Aという)に、20μlの0.1M PMSFエタノール溶液を加えたものを検体前処理液1とした。
また、溶液Aに、10μlの1% インヒビターカクテルを加えたものを検体前処理液2とした。ここで、1% インヒビターカクテルとは、プロテアーゼインヒビターカクテル(商品名)(製品番号P1860、Sigma-Aldrich社)をプロトコールに従って精製水で溶解したものである。当該プロテアーゼインヒビターカクテル(商品名)には、セリンプロテアーゼ阻害剤であるアプロチニン、システインプロテアーゼ阻害剤であるE−64、セリン及びセリンプロテアーゼ阻害剤であるロイペプチン、及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤であるペプスタチンAが含まれている。
本実施例は、検体前処理液中のタンパク質分解酵素阻害剤がSARSウイルスの検出感度に及ぼす効果を確認することを目的として行った。
(1)検体前処理液の調製
0.3(v/v)% NP−40(ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル)、15mM EDTA・2Na・2H2O、60mM NaOH、6mM ACES(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸)、0.22M NaCl及び15mM NaN3を含む溶液(pH7.0)(以下、溶液Aという)に、20μlの0.1M PMSFエタノール溶液を加えたものを検体前処理液1とした。
また、溶液Aに、10μlの1% インヒビターカクテルを加えたものを検体前処理液2とした。ここで、1% インヒビターカクテルとは、プロテアーゼインヒビターカクテル(商品名)(製品番号P1860、Sigma-Aldrich社)をプロトコールに従って精製水で溶解したものである。当該プロテアーゼインヒビターカクテル(商品名)には、セリンプロテアーゼ阻害剤であるアプロチニン、システインプロテアーゼ阻害剤であるE−64、セリン及びセリンプロテアーゼ阻害剤であるロイペプチン、及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤であるペプスタチンAが含まれている。
(2)検体及びその前処理
5名の健常人から採取した各鼻汁を略等量ずつ混ぜて得られた鼻汁混合液を検体として用いた。
この検体を上記検体前処理液1と混合し、得られた混合液を市販されているヒト用インフルエンザ検査キットであるポクテム インフルエンザA/B(シスメックス(株))用の濾過フィルターを装着した抽出用ボトルに入れて濾過した。この濾液を用いて、PCT/JP2006/320330に記載された方法に従って調製したHis−tag付加型組換えSARS−NP(以下、組換えSARS−NPという)を0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製し、これらを試料1とした。
検体を上記検体前処理液2と混合し、得られた混合液を上記抽出用ボトルに入れて濾過した。この濾液を用いて、組換えSARS−NPを0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製し、これらを試料2とした。
検体を上記溶液Aと混合し、得られた混合液を上記抽出用ボトルに入れて濾過した。この濾液を用いて、組換えSARS−NPを0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製し、これらを比較試料1とした。
また、鼻汁検体を用いず、上記溶液Aで組換えSARS−NPを0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製したものを比較試料2とした。
5名の健常人から採取した各鼻汁を略等量ずつ混ぜて得られた鼻汁混合液を検体として用いた。
この検体を上記検体前処理液1と混合し、得られた混合液を市販されているヒト用インフルエンザ検査キットであるポクテム インフルエンザA/B(シスメックス(株))用の濾過フィルターを装着した抽出用ボトルに入れて濾過した。この濾液を用いて、PCT/JP2006/320330に記載された方法に従って調製したHis−tag付加型組換えSARS−NP(以下、組換えSARS−NPという)を0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製し、これらを試料1とした。
検体を上記検体前処理液2と混合し、得られた混合液を上記抽出用ボトルに入れて濾過した。この濾液を用いて、組換えSARS−NPを0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製し、これらを試料2とした。
検体を上記溶液Aと混合し、得られた混合液を上記抽出用ボトルに入れて濾過した。この濾液を用いて、組換えSARS−NPを0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製し、これらを比較試料1とした。
また、鼻汁検体を用いず、上記溶液Aで組換えSARS−NPを0、3.125、6.25、12.5、25、50及び100pg/mlとなるように調製したものを比較試料2とした。
(3)測定方法
まず、第一モノクローナル抗体を、以下のようにして発光測定用ELISAプレートに固体化した。
第一モノクローナル抗体を終濃度(固定化濃度)が1μg/mlになるように0.1%アジ化ナトリウムを含む0.1M リン酸緩衝液(pH7.5)で希釈した感作バッファー0.1mlを発光測定用ELISAプレート(ヌンクインターナショナル社製)に添加した。4℃で一晩静置した後、150mM NaCl及び0.05% Tween20を含む10mM リン酸緩衝液(以下、プレート洗浄液という)で当該プレートを3回洗浄し、2.5mM EDTA、1% BSA、150mM NaCl及び5% カゼインを含む10mM リン酸緩衝液(pH7.0)(以下、ブロッキング液という)0.3mlを添加し、4℃で一晩静置した。
まず、第一モノクローナル抗体を、以下のようにして発光測定用ELISAプレートに固体化した。
第一モノクローナル抗体を終濃度(固定化濃度)が1μg/mlになるように0.1%アジ化ナトリウムを含む0.1M リン酸緩衝液(pH7.5)で希釈した感作バッファー0.1mlを発光測定用ELISAプレート(ヌンクインターナショナル社製)に添加した。4℃で一晩静置した後、150mM NaCl及び0.05% Tween20を含む10mM リン酸緩衝液(以下、プレート洗浄液という)で当該プレートを3回洗浄し、2.5mM EDTA、1% BSA、150mM NaCl及び5% カゼインを含む10mM リン酸緩衝液(pH7.0)(以下、ブロッキング液という)0.3mlを添加し、4℃で一晩静置した。
そして、この第一モノクローナル抗体を固定化した発光測定用ELISAプレートの各ウェルに2mM EDTA、1% BSA、150mM NaCl及び0.5%カゼインを含む10mM リン酸緩衝液(pH7.0)(以下、サンプル希釈液)50μlを添加し、そこに各試料50μlを添加して室温で1時間攪拌した。上記プレート洗浄液でプレートを3回洗浄した後、第二モノクローナル抗体をビオチンで標識し、サンプル希釈液を用いて1μg/mlに希釈した標識抗体液100μlをプレートの各ウェルに添加し、室温で30分間攪拌して反応させた。そして上記プレート洗浄液でプレートを3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ(POD)標識ストレプトアビジンを、サンプル希釈液を用いて0.02μg/mlに希釈したPOD標識ストレプトアビジン溶液100μlをプレートの各ウェルに添加し、室温で30分間攪拌した。上記プレート洗浄液でプレートを3回洗浄した後、発光プレートリーダー(FLUOstarOPTIMA(BMG,モリテックス))において発光基質(FEMTOGLOW(フナコシ(株)))を添加して攪拌し、測光した。その結果を図1に示す。
図1において、比較試料1は比較試料2よりも低い発光強度を示した。これにより、鼻汁検体に含まれる成分がSARS―NPの検出感度に影響を与えることが示された。
そして、試料1及び試料2は、比較試料1よりも高い発光強度を示した。特に、タンパク質分解酵素阻害剤としてPMSFを含む検体前処理液1を用いて得られた試料1は、比較試料2に近い発光強度を示した。これより、SARS―NPの検出感度に影響を与えていた成分が鼻汁検体に含まれるタンパク質分解酵素であることが推測された。そして、タンパク質分解酵素阻害剤を含む前処理液で鼻汁検体を処理することにより、SARS―NPに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害して、高感度で測定を行うことができることがわかった。
そして、試料1及び試料2は、比較試料1よりも高い発光強度を示した。特に、タンパク質分解酵素阻害剤としてPMSFを含む検体前処理液1を用いて得られた試料1は、比較試料2に近い発光強度を示した。これより、SARS―NPの検出感度に影響を与えていた成分が鼻汁検体に含まれるタンパク質分解酵素であることが推測された。そして、タンパク質分解酵素阻害剤を含む前処理液で鼻汁検体を処理することにより、SARS―NPに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害して、高感度で測定を行うことができることがわかった。
(実施例2)
本実施例は、タンパク質分解酵素阻害剤の効果について、鼻汁検体の個体差の有無を目的として行った。
11名の健常人から採取した各鼻汁(No.1〜No.11)、及び実施例1で用いた鼻汁混合液を検体とした。
鼻汁No.1〜No.11をそれぞれ上記検体前処理液1で処理し、実施例1と同様にして組換えSARS−NPを含まない場合(0pg/ml)と10pg/ml含む場合の試料(試料1〜11)を調製し、得られた各試料の発光強度を測定した。
また、鼻汁混合液を上記検体前処理液1で処理し、実施例1と同様にして組換えSARS−NPを含まない場合(0pg/ml)と10pg/ml含む場合の試料(試料12)を調製し、得られた各試料の発光強度を測定した。
また、検体前処理液1の代わりに溶液Aを用いて、上記と同様にして得られた各試料(比較試料)についても同様に発光強度を測定した。これらの結果を図2に示す。
本実施例は、タンパク質分解酵素阻害剤の効果について、鼻汁検体の個体差の有無を目的として行った。
11名の健常人から採取した各鼻汁(No.1〜No.11)、及び実施例1で用いた鼻汁混合液を検体とした。
鼻汁No.1〜No.11をそれぞれ上記検体前処理液1で処理し、実施例1と同様にして組換えSARS−NPを含まない場合(0pg/ml)と10pg/ml含む場合の試料(試料1〜11)を調製し、得られた各試料の発光強度を測定した。
また、鼻汁混合液を上記検体前処理液1で処理し、実施例1と同様にして組換えSARS−NPを含まない場合(0pg/ml)と10pg/ml含む場合の試料(試料12)を調製し、得られた各試料の発光強度を測定した。
また、検体前処理液1の代わりに溶液Aを用いて、上記と同様にして得られた各試料(比較試料)についても同様に発光強度を測定した。これらの結果を図2に示す。
図2から、試料1〜11において、鼻汁検体の個体差による測定値のバラツキは小さく、11例すべてについて、試料12及び比較試料と同様の効果が認められた。これより、鼻汁検体の個体差にかかわらず、前処理液に含まれるタンパク質分解酵素阻害剤の効果が得られることがわかった。
(実施例3)
本実施例は、SARS患者から採取した鼻汁を検体として用いたときに、前処理液を用いた検出方法でSARSウイルスを検出することができるかを検討することを目的として行った。
18名のSARS患者から採取した各鼻汁及び20名の健常人から採取した各鼻汁を検体として用いた。
検体を上記検体前処理液1と混合し、得られた混合液を実施例1に記載の抽出用ボトルに入れて濾過した。これにより得られた濾液を試料として、POD標識ストレプトアビジン溶液の濃度を0.1μg/mlとする以外は実施例1に記載の測定方法と同様の方法で発光強度を測定した。
本実施例は、SARS患者から採取した鼻汁を検体として用いたときに、前処理液を用いた検出方法でSARSウイルスを検出することができるかを検討することを目的として行った。
18名のSARS患者から採取した各鼻汁及び20名の健常人から採取した各鼻汁を検体として用いた。
検体を上記検体前処理液1と混合し、得られた混合液を実施例1に記載の抽出用ボトルに入れて濾過した。これにより得られた濾液を試料として、POD標識ストレプトアビジン溶液の濃度を0.1μg/mlとする以外は実施例1に記載の測定方法と同様の方法で発光強度を測定した。
また、比較のため、上記検体についてRT−PCR法を用いてSARSウイルスのRNA量を測定した。なお、検体からのRNA抽出及びPCR用のcDNAの合成については、Poon LL, et al. "Early diagnosis of SARS Coronavirus infection by real time RT-PCR", J Clin Virol 2003;28:233-8に記載された方法に従って行い、合成されたcDNAを用いたPCRについては、Poon LL, et al. "Detection of SARS Coronavirus in Patients with Severe Acute Respiratory Syndrome by Conventional and Real-Time Quantitative Reverse Transcription-PCR Assays", Clin Chem. 2004 Jan;50(1):67-72に記載された方法に従って行った。
これらの結果を図3に示す。図3において、縦軸は前処理液を用いた免疫測定法により得られた発光強度を示し、横軸はRT−PCR法により得られたSARSウイルスのRNA量を示している。また、図3中の破線は、カットオフ値(718RLU)を示している。
図3から、発光強度について図中の破線で示したカットオフ値(718RLU)を設定した場合、健常人の鼻汁から調製された全ての試料では発光強度がカットオフ値より低くなり、SARS患者の鼻汁から調製された全ての試料では発光強度がカットオフ値より高くなった。さらに、SARS患者の鼻汁から調製された全ての試料について、RT−PCR法によって得られたSARSウイルスのRNA量と、前処理液を用いた免疫測定法により得られた発光強度の値との間に相関が見られた。以上のことから、検体前処理液を用いた検出方法により、正確にSARSウイルスを検出することができることがわかった。
Claims (19)
- ウイルスに特異的に結合する抗体を用いた免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するための検体の前処理液であって、前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含むことを特徴とする検体前処理液。
- 前記ウイルスがSARSウイルスである請求項1に記載の検体前処理液。
- 前記免疫測定法が酵素免疫測定法である請求項1又は2に記載の検体前処理液。
- 前記酵素免疫測定法が、化学発光基質を利用するものである請求項3に記載の検体前処理液。
- 前記タンパク質分解酵素阻害剤が、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の検体前処理液。
- 前記セリンプロテアーゼ阻害剤が、フェニルメチルスルホニルフルオライドである請求項5に記載の検体前処理液。
- さらにキレート剤を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の検体前処理液。
- さらに界面活性剤を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の検体前処理液。
- 前記抗体が、ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質に特異的に結合する抗体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の検体前処理液。
- 免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを測定するためのキットであって、
前記検体に含まれるウイルスに対するタンパク質分解酵素の影響を阻害するためのタンパク質分解酵素阻害剤を含む検体前処理液、
前記検体に含まれるウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及び
前記検体に含まれるウイルスに特異的に結合する第二の抗体
を含むことを特徴とするウイルス測定用キット。 - 前記免疫測定法が酵素免疫測定法である請求項10に記載のウイルス測定用キット。
- 前記酵素免疫測定法が、化学発光基質を利用するものである請求項11に記載のウイルス測定用キット。
- 前記タンパク質分解酵素阻害剤が、セリンプロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤及びアスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種である請求項10〜12のいずれか一項に記載のウイルス測定用キット。
- 前記第一及び第二の抗体が、それぞれウイルスのヌクレオカプシドタンパク質の異なる認識部位に特異的に結合する抗体である請求項10〜13のいずれか一項に記載のウイルス測定用キット。
- さらに前記第一の抗体を固定化するための固相を含む請求項10〜14のいずれか一項に記載のウイルス測定用キット。
- 前記第一の抗体が第一の試薬に含まれ、前記第二の抗体が第二の試薬に含まれる請求項10〜15のいずれか一項に記載のウイルス測定用キット。
- 前記第一の抗体が前記固相に固定化されている請求項15に記載のウイルス測定用キット。
- 免疫測定法によって、鼻汁及び痰の少なくとも一方を含む検体に含まれるウイルスを検出するための方法であって、
タンパク質分解酵素阻害剤を含む検体前処理液を用いて前記検体を処理する工程、
前記検体処理工程で得られた処理検体中のウイルスに、ウイルスに特異的に結合する第一の抗体、及びウイルスに特異的に結合する第二の抗体を作用させて、前記ウイルスと前記第一の抗体と前記第二の抗体とからなる複合体を形成させる工程、及び
前記複合体形成工程で得られた複合体を検出する工程、
を含むことを特徴とするウイルス検出方法。 - 前記複合体形成工程で得られた複合体の前記第一の抗体が固相に固定化されているとともに前記第二の抗体が標識物質により標識されており、前記検出工程において、前記第二の抗体の標識物質を検出することにより前記複合体を検出する請求項18に記載のウイルス検出方法。
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