JPWO2013145767A1 - インフルエンザa型ウイルスの検出キット - Google Patents

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Abstract

本発明は、イムノクロマト法の原理を応用したインフルエンザの迅速診断のための検査キットであって、従来の検査キットよりインフルエンザA型ウイルスの検出感度が高く、インフルエンザ発症のより早い時期から、安定して且つ高い精度で「陽性」の判定が得られるインフルエンザA型ウイルスの検査キットを提供することを目的とする。本発明は、クロマトグラフ媒体に固相化された抗体が、未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応するが、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体である、インフルエンザA型ウイルスを検出するためのキットに関する。

Description

本発明は、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と特異的に抗原抗体反応をするが、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を用いた、インフルエンザA型ウイルスを検出するためのイムノクロマト法による検査キットに関する。
インフルエンザとはインフルエンザウイルスによる感染症で、その典型的な症状としては、発熱・頭痛・全身の倦怠感・筋関節痛などが突然現われ、咳・鼻汁などが相前後して続くことが知られており、これらの症状は約1週間で軽快するといわれている。その他のいわゆるかぜ症候群に比べて、インフルエンザの特徴は全身症状が強いことにあるが、正確な診断を行うためにはウイルス学的な裏付けが必要である。インフルエンザが流行している時期において、かぜ症状を有する患者に対してインフルエンザであるか否かの正確な診断を行うことは、治療のための抗インフルエンザウイルス剤の適切な選択に結びつくだけでなく、流行状況を的確に把握することやインフルエンザワクチンの効果を判定することといった疫学的な観点からも重要である。
インフルエンザの病原診断を正確に行うためには、咽頭拭い液やうがい液を材料にしてウイルス分離を行うことが標準的な手法であるが、診断までに長時間を要する。PCR(Polymerase chain reaction)法を用いてウイルスゲノムを検出すれば、短時間で精度の高い結果を得ることも可能であるが、PCR法には特別の装置が必要であり衛生研究所や限られた検査室でないと実施できない。
近年では、ベッドサイド又は外来診療などでインフルエンザ抗原を検出することが可能な迅速診断キットが市販されるようになり、ウイルス学的診断が日常の臨床の中で容易に行えるようになってきた。イムノクロマト法の原理を応用したインフルエンザの迅速診断キット(特許文献1〜11参照)は、容易に採取することができる鼻腔粘膜又は咽頭粘膜などの生体試料を用いて、簡便な操作で短時間に検査結果を得ることができるので、検査を受ける患者及び検査を実施する医療従事者双方の負担が軽いという利点がある。また、「陽性」の結果が得られた場合は、医師が正確な診断を下すための有益な情報を提供することが可能である。しかしながら、現在市販されている迅速診断キットは、インフルエンザウイルスの検出感度が十分ではなく、「陰性」の結果が得られたからといって必ずしもウイルスの感染を否定できるものではない。
インフルエンザ患者の鼻腔粘膜又は咽頭粘膜から検出されるインフルエンザウイルスの量は、発症後2〜3日で最高に達した後、急速に減少して、5〜7日で消失することが知られている。迅速診断キットで「陽性」と判定されるためには、感染後に生体内でインフルエンザウイルスが増殖し、生体試料中でのウイルス量が検出感度以上に達している必要がある。ウイルスの増殖が始まって間もない感染初期の患者や、ワクチンの接種によりウイルスの増殖速度が抑制される患者などでは、陽性と判定するのに十分な量のウイルスが生体試料中に存在しないことがあり、実際にはインフルエンザウイルスに感染しているにもかかわらず迅速診断キットの結果は「陰性」となるといった、偽陰性の判定の問題があった。臨床の現場では、迅速診断キットによる検査は、発症後24時間を経過すれば安定してウイルスが検出でき精度の高い結果が得られるものの、発症後12時間以内ではウイルスが検出できず正確な判定ができない場合があるといった実情から、「陰性」の結果となった患者に対しては、他の所見に応じて翌日以降に再検査が実施されており、患者は再度医療機関を受診しなければならず、時間及び費用の面で過度の負担を強いられていた。
さらに、治療のための抗インフルエンザウイルス剤の選択の観点からも、感染のできるだけ早い時期に正確なインフルエンザの診断がなされることが求められている。現在、インフルエンザの治療薬の代表的なものとして、リン酸オセルタミビル(商品名タミフル)やザナミビル(商品名リレンザ)などのノイラミニダーゼ阻害剤が広く用いられている。ノイラミニダーゼはインフルエンザウイルスが生体内で細胞から細胞へと感染・伝播していくときに重要な役割を担っており、ノイラミニダーゼ阻害剤はノイラミニダーゼの活性を阻害することで、細胞内で増殖したインフルエンザウイルスが細胞外へ出て行くことを阻害し、ウイルスの細胞間での伝播を抑制することで、治療効果を発揮する。このようなノイラミニダーゼ阻害剤からなる抗インフルエンザウイルス剤は、発症後できるだけ早い時期の服用が効果的であるとされている。インフルエンザの発症後12時間以内の服用が理想的であり、24時間以内の服用で十分な有効性が得られるものの、発症後48時間を超えると治療効果に乏しくなるといわれている。しかし、抗インフルエンザウイルス剤による治療が早期に開始されることが求められる一方で、ノイラミニダーゼ阻害剤には副作用も知られており、又インフルエンザの爆発的な流行に備えて抗インフルエンザウイルス剤の使用は適切になされるべきであるとの社会的要請も存在することなどから、抗インフルエンザウイルス剤の処方はインフルエンザウイルス感染の正確な診断の下になされることが求められている。したがって、臨床の現場で広く用いられているインフルエンザの迅速診断キットには、インフルエンザウイルスの検出感度をより向上させ、発症のできるだけ早い時期から、特に発症後24時間以内であっても、安定して且つ高い精度で「陽性」の判定が得られるような性能が強く求められている。
特開2011−069800号公報 特開2010−261912号公報 特開2007−093292号公報 特開2007−033293号公報 特開2006−194688号公報 特開2006−194687号公報 特開2006−189317号公報 特開2006−067979号公報 WO2009/148150号パンフレット WO2005/007697号パンフレット WO2005/007698号パンフレット
本発明は、イムノクロマト法の原理を応用したインフルエンザの迅速診断のための検査キットであって、従来の検査キットよりインフルエンザA型ウイルスの検出感度が高く、インフルエンザ発症のより早い時期から、安定して且つ高い精度で「陽性」の判定が得られるインフルエンザA型ウイルスの検査キットを提供する。
本発明者らは、イムノクロマト法の原理を応用したインフルエンザの迅速診断キットの検出感度を高めるために、クロマトグラフ媒体に固相化する抗体及び標識物質と結合する抗体に、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質に対して優れた親和性を有する抗体を使用すべく、鋭意研究を行ってきた。本発明者らは、検査キットが臨床で用いられることを考慮し、検査用の生体試料採取後にインフルエンザA型ウイルス核タンパク質の変性が起こる可能性が全くないとはいえないこと、及び、検査キットに使用される抗体の特徴を可能な限り明確にしたいとの要求があることなどから、検査キットに用いられる抗体として、未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質に対して優れた親和性を有するのみならず変性した、例えば、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、SDS−PAGEともいう。)によって分離されたインフルエンザA型ウイルス核タンパク質に対しても同様の高い親和性を有する抗体を探索し、検査キットへの使用を試みてきた。SDS−PAGEによって分離されたインフルエンザA型ウイルス核タンパク質にも高い親和性を示す抗体は、その結合能が核タンパク質の立体構造の変化に影響されることが少なく、又抗体が認識するエピトープ領域も明確にし易いという利点を有するからである。しかしながら、このような反応性を有する抗体を用いた場合であっても、従来の製品の検出感度を超えることは非常に困難であった。
そこで、本発明者らは、従来の製品の検出感度を超える優れた検査キットを開発するために、さらに鋭意研究したところ、驚くべきことに、クロマトグラフ媒体に固相化される抗体として、未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質に対しては優れた親和性を有するものの、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を用いると、インフルエンザA型ウイルス検査キットの検出感度を飛躍的に高めることができることを見出した。
すなわち、本発明は、イムノクロマト法の原理を応用した検出キットであって、クロマトグラフ媒体に固相化された抗体が、未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応するが、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体である、インフルエンザA型ウイルスを検出するためのキットに関する。
本発明をより詳細に説明すれば、以下のとおりとなる。
(1)インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第1抗体が固相化されたクロマトグラフ媒体、及びインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第2抗体と標識物質が結合した標識試薬を含有するイムノクロマト法による検出キットであって、
第1抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体であり、第2抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とウエスタンブロット法で抗原抗体反応する抗体である、
インフルエンザA型ウイルスを検出するためのキット。
(2)第1抗体が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である、前記(1)に記載の検出キット。
(3)第1抗体が、インフルエンザA型ウイルスH1N1亜型の全長の核タンパク質を免疫することで得られる抗体である、前記(1)又は(2)に記載の検出キット。
(4)インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第1抗体が固相化されたクロマトグラフ媒体、及びインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第2抗体と標識物質が結合した標識試薬を用いたイムノクロマト法による検出方法であって、
第1抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体であり、第2抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とウエスタンブロット法で抗原抗体反応する抗体である、
インフルエンザA型ウイルスの検出方法。
(5)第1抗体が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である、前記(4)に記載の検出方法。
(6)第1抗体が、インフルエンザA型ウイルスH1N1亜型の全長の核タンパク質を免疫することで得られる抗体である、前記(4)又は(5)に記載の検出方法。
(7)未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応するが、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を含有してなる、インフルエンザA型ウイルスの検出剤。
(8)インフルエンザA型ウイルス検出剤が、イムノクロマト法による検出キットに使用されるものである、前記(7)に記載の検出剤。
(9)インフルエンザA型ウイルス検出剤が、イムノクロマト法による検出キットのクロマトグラフ媒体に固相化して使用されるものである、前記(8)に記載の検出剤。
(10)インフルエンザA型ウイルス検出剤が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である、前記(7)〜(9)のいずれかに記載の検出剤。
(11)インフルエンザA型ウイルス検出剤が、インフルエンザA型ウイルスH1N1亜型の全長の核タンパク質を免疫することで得られる抗体である、前記(7)〜(10)のいずれかに記載の検出剤。
本発明のインフルエンザA型ウイルスの検査キットは、検出感度が高いため、従来の検査キットよりも少ないウイルス量で、「陽性」の判定を得ることができるので、偽陰性の判定が減少し、「陰性」の判定に対する信頼性が極めて高くなる。したがって、インフルエンザの発症初期であり生体内でウイルスの増殖が始まって間もない患者に対して、医師がインフルエンザウイルス感染の正確な診断を下すための有益な情報を提供でき、抗インフルエンザウイルス剤による治療を早期に開始することができる。また、ワクチンの接種によりウイルスの増殖速度が抑制される患者においても、インフルエンザウイルスの感染の有無が的確に診断できるようになるので、感染の拡大の注意を喚起することができ、また、インフルエンザワクチンの効果を判定するための疫学的に重要な情報も提供することもできる。
また、本発明はインフルエンザA型ウイルスの検出剤を提供するものであり、本発明のインフルエンザA型ウイルス検出剤を使用、特にイムノクロマト法による検出キットにおけるクロマトグラフ媒体に固相化された抗体として使用することにより、簡便でより的確な診断が可能となる。
図1は、抗体1C6、6F7又は10G5と、インフルエンザA型ウイルスのリコンビナント核タンパク質(56kDa)とのウエスタンブロット法による反応結果を示す。図中の上部のMは分子量マーカーを流したレーンを表わし、rNPはリコンビナント核タンパク質を流したレーンを表わす。(a)SDS−PAGEによって分離された全長のリコンビナント核タンパク質が転写された PVDF 膜と抗体7307とを反応させた結果を表わす。分子量50〜75kDaの範囲にバンドが検出された。抗体7307とリコンビナント核タンパク質との抗原抗体反応が確認できる条件下で、抗体1C6、6F7又は10G5とリコンビナント核タンパク質との反応性を試験した。(b)抗体1C6の結果を表わす。(c)抗体6F7の結果を表わす。(d)抗体10G5の結果を表わす。抗体7307の反応性が確認できる条件下で、抗体1C6、6F7又は10G5とリコンビナント核タンパク質との反応は検出できなかった。
本発明は、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第1抗体及び第2抗体を用いたイムノクロマト法によるインフルエンザA型ウイルスの検出キットであって、クロマトグラフ媒体に固相化される第1抗体に、未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とは抗原抗体反応するが、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を用いることを特徴とする、検出キットである。
本発明で用いられる第1抗体及び第2抗体は、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体である。インフルエンザウイルスは、核タンパク質の抗原性の違いによってA型、B型などに分類される。さらに、インフルエンザA型ウイルスは、ウイルス粒子の表面に、ヘムアグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)という糖タンパク質を有し、これらのHA及びNAの構造の相違により種々の亜型に分類される。本発明で用いられる第1抗体及び第2抗体は、インフルエンザウイルスの核タンパク質を認識するものであることから、インフルエンザA型ウイルスの各種亜型の核タンパク質と広く抗原抗体反応することができ、少なくともインフルエンザA型ウイルスのH1N1亜型、H3N2亜型、H5N1亜型、及びH7N7亜型などの核タンパク質と抗原抗体反応することができるが、インフルエンザB型ウイルスの核タンパク質とは抗原抗体反応しない抗体である。本発明の第1抗体及び第2抗体が抗原抗体反応するインフルエンザA型ウイルスの核タンパク質は、ウイルスから分離された天然のタンパク質でもよく、公知となっている核タンパク質遺伝子の塩基配列に基いて作製された組換えタンパク質でもよい。さらに、本発明の第1抗体及び第2抗体が抗原抗体反応する核タンパク質は、ウイルスの構成成分から分離・精製されたものでも未精製のものでもよいが、分離されていない場合には核タンパク質と抗体との接触が容易となるように界面活性剤で処理されたウイルスに由来する核タンパク質であってもよい。
本発明における「未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質」とは、天然に存在するインフルエンザA型ウイルス核タンパク質の立体構造の、少なくとも特定の抗体との抗原抗体反応を維持するのに十分な立体構造が残されているものであればよく、SDS−PAGEなどによって天然に存在する当該タンパク質の立体構造が破壊されて、当該抗体に対するインフルエンザA型ウイルス核タンパク質との実質的な抗原抗体反応を維持することができなくなったものは除かれる。
本発明で用いられる第1抗体及び第2抗体とインフルエンザウイルス核タンパク質とが抗原抗体反応するか否かの確認は、周知の免疫測定方法により行うことができる。すなわち、測定形式で分類すれば、サンドイッチ法、競合法、凝集法などの免疫測定方法があり、用いる標識で分類すれば、蛍光法、酵素法、放射法などの免疫測定方法があるが、これらのいずれの免疫測定方法によっても抗原抗体反応の確認を行うことができる。本発明において「実質的に抗原抗体反応しない」とは、前記の免疫測定方法では検出可能なレベルで抗原抗体反応をしないか、又は反応をしていてもその反応の程度がインフルエンザA型ウイルス核タンパク質との抗原抗体反応の程度に比べて明らかに弱く、インフルエンザウイルスを構成する他のタンパク質と同程度の反応であり、特異的な反応ではないことを意味する。
本発明の第1抗体としては、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応し、かつインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体であって、さらに、天然に存在するインフルエンザA型ウイルス核タンパク質の抗原抗体反応を行う部位の立体構造が破壊された当該タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体であればよく、このような抗体としては、例えば、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体であって、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体が好ましい。
本発明における「SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動」とは、本発明が属する技術分野で慣用されているタンパク質の分離・分析法であり、代表的にはLaemmli, U.K.の方法(Nature, 227 : 680-685 (1970))に従って行うことができるが、この方法に限定されるものではない。具体的には、例えば、以下の手順により実施することができる。先ず、ゲル板に10〜15%濃度のポリアクリルアミドからなる分離ゲル、その上に3〜5%ポリアクリルアミドからなる濃縮ゲルを重層し、作製したゲルをスラブ型電気泳動装置に取り付ける。インフルエンザA型ウイルス核タンパク質を含有する溶液に等量の2倍濃縮サンプルバッファー(125mM Tris−HCl、20% グリセロール、2% SDS、2% 2−メルカプトエタノール、0.001% ブロモフェノールブルー、pH6.8)を添加し、100℃で5〜10分間加熱処理し、泳動用試料とする。泳動用試料及び市販の分子量マーカーを濃縮ゲルに作製されたレーンにそれぞれ添加し、泳動用バッファー(192mM グリシン、0.1% SDS、24mM Tris、pH8.3)を用いて、20mAの定電流で30〜90分間泳動を行う。SDS−PAGEによって分離される全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質は、分離ゲル中の分子量約56kDaに相当するバンドとして得ることができる。
SDS−PAGEに用いられるインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を含有する溶液は、最終的に行うウエスタンブロット法において、抗体と抗原抗体反応をするのに十分な量、例えば1〜2mg、のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を含有していればいかなるものにも限定されず、核タンパク質に関して精製されていても精製されていなくてもよい。インフルエンザA型ウイルス核タンパク質を含有する溶液としては、例えば、インフルエンザA型ウイルス懸濁液、市販のインフルエンザHAワクチン及び組換えインフルエンザA型ウイルス核タンパク質溶液などが挙げられる。
SDS−PAGEに用いられる2倍濃縮サンプルバッファー中のSDSは、SDSの結合量がタンパク質1に対して1.2〜1.5程度であることを考慮して、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質の量に応じて0.5〜5重量%の濃度範囲で適宜変更して用いることができる。また、2倍濃縮サンプルバッファー中の2−メルカプトエタノールは、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質に存在するジスルフィド結合を切断する還元剤として作用し、1〜10重量%の濃度範囲で適宜変更して用いてもよく、ジチオスライトール(DTT)などの他の物質からなる還元剤を用いることもできる。
本発明における「ウエスタンブロット法」は、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を、例えばTowbin H.らの方法(Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A., 76 : 4350-4354 (1979))に従ってポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写することによって行うことができるが、この方法に限定されるものではない。具体的には、PVDF膜を100%メタノールに10秒間、さらに転写用電極バッファー(192mM グリシン、5% メタノール、25mM Tris−HCl、pH8.3)に30分間浸潤し、転写に用いる。転写装置の組み立ては、陽極電極板上に下から順にろ紙、PVDF膜、SDS−PAGEが終了したゲル、ろ紙を重層し、その上に陰極電極板を固定することにより行う。なお、ろ紙は予め転写用電極バッファーに2〜3分間浸しておく。転写は1.9mA/cmの定電流で60〜90分間で行う。転写終了後のPVDF膜は、ブロッキング溶液(0.5% BSA、10mM Tris−HCl、140mM NaCl、0.01% Tween20、pH7.5)中、室温で60分間インキュベートし、ブロッキング操作を行う。ブロッキング終了後、洗浄バッファー(10mM Tris−HCl、140mM NaCl、0.01% Tween20、pH7.5)で5分間、2回インキュベートして洗浄し、一次抗体として前記の抗インフルエンザA型ウイルス核タンパク質抗体を用いて、室温で90分間インキュベートして反応させる。一次抗体との反応終了後、洗浄バッファーで5分間、2回インキュベートして洗浄し、二次抗体として、例えば酵素、蛍光物質又は放射性同位元素などの標識物質で標識された、一次抗体に特異的に反応する抗体を用いて、室温で60分間インキュベートして反応させる。二次抗体との反応終了後、洗浄バッファーで5分間、2回インキュベートして洗浄した後、標識物質の性質を利用してPVDF膜に転写されたインフルエンザA型ウイルス核タンパク質に結合した一次抗体を可視化することにより、ウエスタンブロット法における検出を行う。
本発明の第1抗体は、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とは、ウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体である。ここで、ウエスタンブロット法で抗原抗体反応しないとは、標準的なウエスタンブロット法における抗体濃度、抗原濃度、基質濃度、又は反応時間などの条件下で、検出可能なレベルで抗原抗体反応をしないか、又はインフルエンザA型ウイルス核タンパク質以外のタンパク質へも結合しインフルエンザA型ウイルス核タンパク質のみに特異的に抗原抗体反応をしないことをいう。本発明の第1抗体が、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しないことの確認は、例えば、ウエスタンブロット法でインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応することが確認されている市販の抗体、例えば、抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体、品番7307(メディックスバイオケミカ社製)を陽性コントロールの抗体として用い、陽性コントロールの抗体がPVDF膜上のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応し、核タンパク質を検出できる条件下で、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質を検出できないことを1つの基準として行うことができる。本発明の第1抗体としては、ウエスタンブロット法において、陽性コントロールの抗体がインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を検出できる抗体濃度と同じ抗体濃度でインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しない抗体が好ましく、より好ましくは2倍の抗体濃度でインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と反応しない抗体、さらに好ましくは5倍又は10倍の抗体濃度でインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しない抗体である。また、本発明の第1抗体として好ましい抗体は、ウエスタンブロット法において、陽性コントロールの抗体が検出できるインフルエンザA型ウイルス核タンパク質の抗原濃度と同じ濃度のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しない抗体であり、より好ましくは2倍の抗原濃度で反応しない抗体、さらに好ましくは5倍又は10倍の濃度のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質抗原と抗原抗体反応しない抗体である。
本発明で用いられる第1抗体は、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質を免疫原として用い、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ及びウシなどの動物に投与することで作製することができる。免疫原として用いられるインフルエンザA型ウイルス核タンパク質としては、核タンパク質が多量に存在しその免疫原としての作用が発揮できれば特に限定されないが、例えば、インフルエンザA型ウイルス懸濁液、市販のインフルエンザHAワクチン、及び組換えインフルエンザA型ウイルス核タンパク質溶液などを用いることができる。抗原に含まれる免疫原性の高いHAやNAの作用を抑えるために、超遠心による核タンパク質精製(例えば、J. Biochem., 102 : 1241-1249 (1987)を参照)やプロテアーゼ処理(例えば、J. Immunol. Methods, 180 : 107-116 (1995)を参照)をした免疫原を使用することもできる。本発明の第1抗体は、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質とは特異的に抗原抗体反応するものの、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体であることから、免疫原としては、還元剤を含むSDS−PAGE用のサンプルバッファーで処理されていないインフルエンザA型ウイルス核タンパク質が好ましく、より好ましくは陰イオン性界面活性剤であるSDSで処理されていないインフルエンザA型ウイルス核タンパク質であり、さらに好ましくは未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質である。本発明の第1抗体の免疫原として好適なものは、インフルエンザA型ウイルスを陰イオン性界面活性剤を含まないバッファーに懸濁したもの、又は全長の組換えインフルエンザA型ウイルス核タンパク質などである。
本発明で用いられる第1抗体が、ポリクローナル抗体である場合には、例えば、以下のようにして調製することができる。上記のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質が免疫された動物から、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質を実質的に抗原抗体反応しない抗血清又は抗血清中のイムノグロブリン画分を、例えばインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を結合した担体を用いたアフィニティークロマトグラフィーによる精製などの方法により取得する。これらの抗血清又はイムノグロブリン画分を、PVDF膜上に転写されたSDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とともにインキュベートすることで、PVDF膜上にSDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応する抗体を結合させ、抗血清又はイムノグロブリン画分中からこれらの抗体を分離・除去することにより、本発明の第1抗体として用いることができるポリクローナル抗体を製造することができる。
本発明で用いられる第1抗体が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である場合には、例えば、上記のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質が免疫された動物から脾臓細胞などを採取し、公知の手法(例えば、Nature, 256 : 495-497 (1975)を参照)で、ミエローマ細胞などの腫瘍細胞と細胞融合させることにより、本発明で用いられる第1抗体を産生するハイブリドーマを得ることができる。
細胞融合により得られたハイブリドーマの中から、本発明で用いられる第1抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングする方法としては、例えば以下の手順により行うことができる。
一次スクリーニングとして、培養上清中にインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングする。
一次スクリーニングは、精製したインフルエンザA型ウイルス核タンパク質又は組換えインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を抗原とした固相ELISA法により行うことができる。固相としての担体には、マイクロタイタープレート、磁性粒子、又はニトロセルロース膜などを用い、抗原を吸着させる。固相に吸着した抗原とハイブリドーマの培養上清を接触させ、間接的に固相に結合することとなった培養上清中の抗体を、標識物質で標識された抗体などを用いて検出する。陰性コントロールとして、インフルエンザB型ウイルス核タンパク質を抗原に用いることで、目的の抗体をスクリーニングすることができる。
一次スクリーニングの別法としては、固相としての担体に、ハイブリドーマの培養上清中に存在する抗体を直接又は間接に不動化し、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質を抗原として接触させる。抗原を直接標識しておくか又は抗原に特異的な抗体などを用いて間接的に標識することにより、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応する抗体を検出することができる。
本発明の抗体を得るための一次スクリーニングは、固相に抗原又は抗体を不動化させた方法のいずれの方法でも行うこともでき、さらには、抗原を吸着させた固相を用いて大まかな選別を行った後で、抗体を不動化させた固相を用いてより厳密な選別を行うこともできる。
本発明の第1抗体はクロマトグラフ媒体に固相化して用いられる抗体であることから、一次スクリーニングの方法としては、ハイブリドーマの培養上清中に存在する抗体を直接又は間接に膜状の固相担体に不動化し、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質を接触させる方法が、第1抗体の使用時の態様と類似しており好ましい。
一次スクリーニングにより得られたインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体に対して、二次スクリーニングを行う。二次スクリーニングでは、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を産生するハイブリドーマを選択する。上記のとおり、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質を、PVDF膜に転写する。一次スクリーニングで選択されたハイブリドーマの培養上清と前記PVDF膜を接触させ、ウエスタンブロット法による検出を上記のとおり行うことで、目的とする抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングすることができる。
下記の実施例において詳述するように、一次スクリーニングで選択された、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と特に強く抗原抗体反応する6個のハイブリドーマのうち、二次スクリーニングとして、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を選択したところ、3個ハイブリドーマが選択された。これらのハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体をクロマトグラフ媒体に固相化して、インフルエンザA型ウイルスの検出を行ったところ、3個すべてのモノクローナル抗体で従来の製品を超える検出感度で陽性の判定を得ることが可能であった。すなわち、本発明の第1抗体として好ましいモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを複数選択することができた。
本発明の第1抗体は、上記の各ハイブリドーマを、通常、細胞培養に用いられる培地において培養し、培養上清から回収することによって調製できる。また、ハイブリドーマが由来する動物の腹腔内に投与することによって、腹水を貯留させ、この腹水から回収することによって調製することもできる。
本発明の第2抗体は、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体であってインフルエンザA型ウイルス核タンパク質への親和性が高い抗体であればよく、好ましい態様としては、第1抗体との組合せに応じて、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とウエスタンブロット法で抗原抗体反応する抗体が用いられる。
本発明の第2抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよく、モノクローナル抗体である場合には、単一種類の抗体であっても複数種類の抗体の混合物であってもよい。また、本発明の抗体としてモノクローナル抗体を用いる場合には、Fab又はF(ab’)2などの抗原との結合性のある断片として用いることもできる。
本発明で用いられる第2抗体は、上記の第1抗体を製造するための免疫原を用いて調製することができる。本発明の第2抗体が、ポリクローナル抗体である場合には、免疫された動物から血液を採取し、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質を実質的に抗原抗体反応しない抗血清又は抗血清中のイムノグロブリン画分を上記のとおり精製することで製造できる。本発明の第2抗体が、モノクローナル抗体である場合には、公知の方法でハイブリドーマを作製し、培養上清中にインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体を産生するハイブリドーマを上記のとおりスクリーニングすることで製造できる。本発明の第2抗体として、SDS−PAGEによって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とウエスタンブロット法で抗原抗体反応する抗体を用いる場合には、ウエスタンブロット法による二次スクリーニングを上記のとおりの手順で行い、抗原抗体反応が検出された抗体を選択することで、目的の抗体を選別できる。
本発明の検出キットは、上記第1抗体が固相化されたクロマトグラフ媒体を含有する。本発明では、クロマトグラフ媒体に固相化された第1抗体は判定部位を形成する。本発明で用いられるクロマトグラフ媒体は、毛管現象を示す微細多孔性物質からなる不活性のものであって、標識試薬及び生体試料中の成分などと反応しないものであれば、特にその素材が限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、ニトロセルロース又は酢酸セルロースなどのセルロース誘導体やナイロンの膜、濾紙、ガラス繊維濾紙などが挙げられる。
クロマトグラフ媒体の形態及び大きさは特に制限されるものではなく、実際の操作の点及び結果の観察の点において適切であればいかなるものでもよい。操作をより簡便にするために、クロマトグラフ媒体の裏面にプラスチックなどからなる支持体を設けることもできる。この支持体の性状は特に制限されるものではないが、目視判定によって検出結果の観察を行う場合には、支持体は、標識物質によりもたらされる色彩と類似しない色彩を有するものであることが好ましく、通常、無色又は白色であることが好ましい。
クロマトグラフ媒体には、任意で、生体試料を添加するための試料添加部位(サンプルパッド等)、試料中の固形成分を除去する部位(固形成分分離部位等)、展開液を添加するための展開液添加部位、判定部位に捕捉されなかった標識試薬や展開液を吸い取る吸収部位(吸収パッド等)、検出が正常に行われたことを示す対照部位などを組み入れてもよい。これらの部位の部材は、毛管現象により試料溶液や展開液が移動できれば特に限定されず、一般的には、ニトロセルロース膜、濾紙、ガラス繊維濾紙などの複数の多孔性物質からその目的に応じたものを選択して用い、第1抗体が固相化されたクロマトグラフ媒体と毛管で繋がるように配置する。
第1抗体をクロマトグラフ媒体に固相化する方法としては、第1抗体をクロマトグラフ媒体に物理的又は化学的手段により直接固定化する方法と、第1抗体をラテックス粒子などの微粒子に物理的又は化学的に結合し、この微粒子をクロマトグラフ媒体に捕捉して固定化する間接固定化方法があるが、感度調整の容易さの点から直接固定化の方が好ましい。直接的に固定化する方法としては、物理吸着を利用してもよいし、共有結合によってもよい。一般にクロマトグラフ媒体がニトロセルロース膜又は混合ニトロセルロースエステル膜の場合、物理吸着を行うことができる。共有結合させる場合にはクロマトグラフ媒体の活性化を臭化シアン、グルタルアルデヒド、カルボジイミドなどにより行う。クロマトグラフ媒体と第1抗体とは、例えば、マイクロシリンジ、調節ポンプ付きペン、インキ噴射印刷などの方法で吸着又は結合させることができる。判定部位の形態としては特に限定されないが、円形のスポット、クロマトグラフ媒体の展開方向に垂直に延びるライン、数字、文字や+、−などの記号などの形態で判定部位を形成することができる。
必要に応じて、第1抗体を固相化したクロマトグラフ媒体は、ブロッキング処理が行われる。ブロッキング処理に用いることのできるブロッキング剤としては、ウシ血清アルブミン、スキムミルク、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質の他、Blocking Peptide Fragment(TOYOBO社製)や親水性高分子ポリマー等の市販のブロッキング剤が挙げられる。
本発明の検出キットは、上記第2抗体と標識物質が結合した標識試薬を含有する。本発明で用いられる標識物質としては、酵素又は不溶性担体を用いることができる。酵素としては、アルカリフホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなどがあり、それぞれの酵素に対応する公知の発色基質と共に用いることができる。不溶性担体としては、金、銀、白金のようなコロイド状金属粒子、酸化鉄のようなコロイド状金属酸化物粒子、硫黄などのコロイド状非金属粒子及び合成高分子よりなるラテックス粒子、その他を用いることができる。コロイド状金属粒子及びコロイド状金属酸化物粒子には、例えば、コロイド状金粒子、コロイド状銀粒子、コロイド状白金粒子、コロイド状酸化鉄粒子、コロイド状水酸化アルミニウム粒子などが挙げられる。特に、コロイド状金粒子とコロイド状銀粒子が適当な粒径において、コロイド状金粒子は赤色、コロイド状銀粒子は黄色を示す点で好ましい。これらのコロイド状金属粒子の平均粒径は 1nm〜500nm、特に強い色調が得られる 10nm〜150nmであることが好ましく、より好ましくは 40nm〜100nmの範囲内である。本発明の標識試薬に用いられる標識物質としては、不溶性担体が好ましく、さらにコロイド状金属粒子が好ましく、特にコロイド状金粒子が好ましい。
コロイド状金属粒子として、例えばコロイド状金粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法によりコロイド状金粒子を調製することができる。
本発明で用いる第2抗体と標識物質とを結合させる方法としては、物理吸着や化学結合などの公知の方法により行うことができる。例えば、第2抗体をコロイド状金粒子で標識化する場合は、金粒子がコロイド状に分散した溶液に第2抗体を加えて物理吸着させた後、牛血清アルブミン溶液や前述の市販ブロッキング剤などを添加して抗体が未結合である粒子表面をブロッキングすることにより調製する。
本発明の標識試薬は、クロマトグラフ媒体とは別の試薬として本発明のキットに含めることもできるが、クロマトグラフ媒体上に標識試薬保持部を設け、そこに乾燥保持させることもできる。標識試薬保持部に標識試薬を保持させる場合、標識試薬が展開液に速やかに溶解して毛管作用によって自由に移動できるように標識試薬を保持させるのが好ましい。標識試薬保持部には、標識試薬の再溶解性を良好にするために、サッカロース、スクロース、トレハロース、マルトース、ラクトースなどの糖類、マンニトールなどの糖アルコールを標識試薬に添加して塗布したり、これらの物質を予めコーティングしたりしておくこともできる。標識試薬保持部の形成は、標識試薬をクロマトグラフ媒体に直接塗布し乾燥することにより行うこともできるし、クロマトグラフ媒体とは別の多孔性物質、例えばセルロース濾紙、ガラス繊維濾紙、ナイロン不織布に塗布、乾燥し標識試薬保持部材を形成した後、クロマトグラフ媒体と前記保持部材とが毛管で繋がるように配置することもできる。
本発明の検出キットに適用できる生体試料としては、インフルエンザA型ウイルスを含有することが疑われるものであれば特に制限されないが、好ましい試料としては、鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、咽喉拭い液などが挙げられる。本発明のキットには、これらの生体試料をそのまま適用することもできるが、通常は試料を展開液に懸濁又は希釈して適用する。
本発明の検出キットとともに用いられる展開液としては、通常、水を溶媒とし、リン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩、HEPES、グッド等の緩衝剤、塩化ナトリウムなどの無機塩を含有することが好ましい。さらに、必要に応じて、ウシ血清アルブミン(BSA)等のタンパク質成分、防腐剤などを含んでいてもよい。さらに本発明で用いられる展開液は、インフルエンザウイルスのウイルス粒子を破壊し、本発明の第1抗体及び第2抗体と核タンパク質との接触が容易となるように、非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。展開液に添加する非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名「Tween」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(商品名「Triton」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−ノニルフェニルエーテル(商品名「TritonN」シリーズ)などを挙げることができるが、これらに限定されない。これらの非イオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、展開液全体の重量に対して0.01〜10.0重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%、さらに好ましくは0.3〜1.0重量%の範囲で用いられる。
本発明の検出キットを用いて、例えば、以下のような操作で、インフルエンザA型ウイルスを検出することができる。
本発明の一態様としては、被検者から採取した生体試料を、展開液中で予め標識試薬と混合し、核タンパク質と標識試薬との複合体を形成した後、クロマトグラフ媒体と接触させる。核タンパク質−標識試薬複合体を含む展開液は、移動相としてクロマトグラフ媒体を移動する。核タンパク質−標識試薬複合体が、クロマトグラフ媒体の判定部位を移動する際に、固相化された第1抗体がこれを捕捉し、標識試薬が間接的に判定部位に結合することとなる。判定部位に存在する標識試薬を、標識物質が不溶性担体である場合には直接、標識物質が酵素である場合には基質を作用させ反応産物について、目視又はデンシトメーター等により、発色強度の確認を行うことでインフルエンザA型ウイルスの検出又は定量をすることができる。
本発明のさらなる態様では、標識試薬保持部を有するクロマトグラフ媒体を用いてインフルエンザA型ウイルスの検出を行う。生体試料及び展開液をクロマトグラフ媒体と接触させると、それらが移動相としてクロマトグラフ媒体を移動し、標識試薬保持部に保持される標識試薬を溶解する。移動相中に溶解された標識試薬は、試料中のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と複合体を形成し、クロマトグラフ媒体を移動する。クロマトグラフ媒体の判定部位に達した核タンパク質−標識試薬複合体は、判定部位に固相化されている第1抗体に捕捉され、標識試薬が間接的に判定部位に結合することとなる。判定部位に存在する標識試薬を、目視又はデンシトメーター等により測定することでインフルエンザA型ウイルスの検出又は定量をすることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1) 抗インフルエンザA型ウイルス核タンパク質抗体の作製
免疫原には、インフルエンザA型ウイルス A/Puerto Rico/8/34 (H1N1) 株由来の核タンパク質のアミノ酸配列 (DDBJ/GeneBank データベース Accession No.V01084) に基づいて作製したリコンビナント核タンパク質を使用した。免疫原に等量のフロイント完全アジュバントを加え完全に混合した後、BALB/c マウスに2週間間隔で計4回免疫した。最後の免疫から3日後に免疫したマウスから脾細胞を採取し、公知の標準的な手法を用いて、ミエローマ細胞 (P3U1) と融合しハイブリドーマを作製した。10〜15日後、ハイブリドーマの培養上清を用いてインフルエンザA型ウイルス核タンパク質に特異的な抗体のスクリーニングを行った。
一次スクリーニングとして、以下のスクリーニング操作を順次行うことにより、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体を選択した。
先ず、固相にマイクロタイタープレートを用い、抗原に免疫原で用いたものと同じリコンビナント核タンパク質を用いて、固相ELISA法によるスクリーニングを行った。すなわち、炭酸緩衝液中に 10.0μg/ml のリコンビナント核タンパク質を含む溶液を、96穴プレート(SUMILON)の各ウェルに 100μl ずつ加え、4℃で一晩インキュベートし抗原を固相化した。次に、0.1% の Tween20 (商品名)を含む PBS (以下、PBS-Tween という。)で各ウェルを洗浄後、PBS で希釈した 1% BSA を加え4℃で一晩ブロッキングを行った。PBS-Tween で洗浄後、培養上清を 100μl ずつ加え37℃で1時間反応させた。PBS-Tween で十分に洗浄した後、1000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgs抗体(フナコシ(株)社製)を各ウェルに加え37℃で1時間反応させた。PBS-Tween で十分に洗浄した後、基質としてパラニトロフェニルホスフェートを各ウェルに 100μl ずつ加え、室温で30分間反応させた。反応停止液を各ウェルに 100μl ずつ加え波長 405nm で発色レベルを測定した。高い発色を示したウェルに対応する培養上清を用いて、さらなるスクリーニング操作を行った。
次に、固相にニトロセルロース膜を用い、抗原にインフルエンザA型ウイルスを用いて、イムノクロマトグラフィーの測定系でスクリーニングを行った。すなわち、35mm×5mm のニトロセルロース膜に培養上清を塗布して37℃で1時間乾燥させることにより、抗体を固定化して判定ラインを形成した。また、50mM HEPES 緩衝液中で培養上清と金コロイド溶液とを混和することにより、抗体感作金コロイド溶液を作製した。インフルエンザA型ウイルス A/New Caledonia/20/99 (H1N1) 株又は陰性コントロールとしてのインフルエンザB型ウイルス B/Tokio/53/99 株を、試料希釈液(20mM リン酸緩衝液 (pH7.4)、0.3% スキムミルク、0.3% Tween20、0.15M 塩化ナトリウム)に懸濁して、96穴プレート(SUMILON)の各ウェルに加えた。さらに、上記抗体感作金コロイド溶液を各ウェルに加え、ウイルス懸濁液とよく混合した。各ウェルの混合液中に、ニトロセルロース膜の端部を挿入し、ウイルスを含む混合液を展開させた。展開を開始して10分後にニトロセルロース膜を混合液から取り出し、判定ライン上に捕捉された金コロイドの発色強度をイムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス(株)社製)で測定した。発色強度が 8.0mABS を超えた場合に、陽性と判定した。インフルエンザA型ウイルスを展開した場合に陽性となり、インフルエンザB型ウイルスを展開した場合に陰性となった測定系で用いられた抗体を、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない抗体として選択した。
一次スクリーニングで選択された抗体に対して、二次スクリーニングとして、上記のリコンビナント核タンパク質を用いてウエスタンブロット法を行うことにより、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応するものの、SDS−PAGEによって分離されたインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とは抗原抗体反応しない抗体を選択した。すなわち、0.01mg/ml の上記リコンビナント核タンパク質溶液を、10% の2−メルカプトエタノールを添加した2× Tris-Glycine SDS Sample Buffer(TEFCO社製)と等量で混合し、100℃で10分間加熱し、SDS−PAGEに供した。SDS−PAGEは、レディーゲル J5-20% 12well(BIO-RAD社製)を用いて、公知の標準的な方法に従った。泳動後のゲルからタンパク質をSequi-Blot PVDF Membrane(BIO-RAD社製)にブロッテイング装置(BIO-RAD社製)により転写した。転写後の PVDF 膜をイムノブロック(DSファーマラボラトリーズ)で室温にて1時間ブロッキングした。ブロッキング液を除き、PVDF 膜を 0.05% の Tween20(商品名)を含む PBS(以下、T-PBSという。)で10分間3回洗浄後、一次スクリーニングで選択された抗体を含む培養上清とともに室温で1時間インキュベートした。PVDF 膜を T-PBS で10分間3回洗浄後、T-PBS で5000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG(SIGMA社製)とともに室温で30分間インキュベートした。T-PBS で10分間3回洗浄後、発色基質である1-StepTM NBT/BCIP(PIERCE社製)とともに PVDF 膜をインキュベートして、PVDF 膜に結合した抗体を可視化した。陽性コントロールとして、培養上清に代えて市販の抗インフルエンザA型ウイルスモノクローナル抗体(品番7307、メディックスバイオケミカ社製)を用い、陽性コントロール抗体の PVDF 膜へ結合が目視で検出できる条件下で、培養上清に含まれる抗体の結合が検出できない場合に、その抗体をSDS−PAGEによって分離されたインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とは抗原抗体反応しない抗体として選択した。当該抗体を産生するハイブリドーマをクローニングして、3つの独立したクローンを選び、それぞれをハイブリドーマ1C6、6F7及び10G5と命名した。また、ハイブリドーマ1C6、6F7及び10G5がそれぞれ産生する抗体を、抗体1C6、6F7及び10G5と命名した。該ハイブリドーマ3株から得られたモノクローナル抗体のサブクラスは全てIgG1であった。
ウエスタンブロット法における抗体1C6、6F7及び10G5と、インフルエンザA型ウイルスのリコンビナント核タンパク質との反応を図1に示す。抗体の濃度をそれぞれ 10μg/ml に調製し、1レーン当たり 1.0μg のリコンビナント核タンパク質と反応させた。図1に示されるように、抗体7307によって、全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質に相当する56kDaのバンドが検出されたが、同じ条件で抗体1C6、6F7又は10G5を用いるとバンドを検出することはできなかった。さらに、1レーン当たりのリコンビナント核タンパク質の量を 5.0μg にまで増加させて再度同様の実験を行ったが、抗体1C6、6F7又は10G5を用いた場合にはウエスタンブロット法では検出可能なバンドは確認されなかった(データ示さず)。
(実施例2) イムノクロマト法による検査キットの作製
(1)捕捉抗体用希釈液の作製
イソプロピルアルコールを50mM リン酸緩衝液(pH7.4)で 5% となるように混和希釈し第1抗体用希釈液を作製した。
(2)クロマトグラフ媒体上の判定部の作製
抗体1C6、6F7及び10G5の中から1種又は2種の抗体を組合せて選択し、総抗体濃度が 1.0mg/ml となるように捕捉抗体用希釈液で希釈した。この抗体溶液を、塗布機(BioDot社製)を用いて、25×2.5cm のニトロセルロース膜(ミリポア社製)に塗布し、50℃で5分間乾燥させた後、さらに室温で1時間乾燥させてクロマトグラフ媒体上に判定部を作製した。
(3)標識抗体溶液の作製
標識物質として金コロイド懸濁液(田中貴金属工業(株)社製:平均粒子径 40nm、金濃度 0.36mM)を用いた。抗体7307のみ又は抗体7307と抗体1C6、6F7若しくは10G5のいずれか1つを組合せ、リン酸緩衝液(pH7.4)で総抗体濃度が 0.05mg/ml となるように希釈した。抗体溶液 0.1ml を、金コロイド懸濁液 0.5ml に加え、室温で10分間静置した。次いで、1% BSA を含むリン酸緩衝液(pH7.4)を 0.1ml 加え、さらに室温で10分間静置した。その後、十分撹拌し、8000×g で15分間遠心分離を行った。上清を除去した後、0.5% BSA 含むリン酸緩衝液(pH7.4)を 2ml 加えた。
(4)イムノクロマト法による検査キットの作製
上記(3)で作製した標識抗体溶液を 15mm×300mm のグラスファイバーパッド(ミリポア社製)に均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドを作製した。次に、バッキングシートから成る基材に、上記(2)で作製したクロマトグラフ媒体を貼り合わせ、さらに展開方向上流にコンジュゲーションパッドと試料添加部であるサンプルパッド(ミリポア社製:300mm×30mm)を順に貼り合わせ、展開方向下流に吸収パッドを貼り合わせた後、5mm幅に裁断してイムノクロマト法による検査キットを作製した。1キットあたりの吸収パッドの大きさは 26mm×5mm であり、使用した標識抗体溶液中の金含有量は 1μg であった。
(5)展開液の調製
超純水にそれぞれの試薬の濃度が、10% Tween20が1%、0.1M 硫酸マグネシウムが 5mM、ジメチルスルホキシドが 0.95%、20% デキストラン硫酸ナトリウム(重量平均分子量:50万)が 2%、及びCE510(JSR Corporation製)が 2% となるように加えて、混和した。さらに、防腐剤としてアジ化ナトリウムを 0.05% となるように加えて混和し、展開液を作製した。
(実施例3) インフルエンザA型ウイルスの測定
上記で作製した検査キットを用いて、以下の方法でインフルエンザA型ウイルスとの反応性試験を行い、本発明の検査キットの性能を試験した。
PCR法を用いた感染検査によりインフルエンザA型ウイルス(H3N2)の感染が陰性と判定された被験者から鼻汁を採取した。鼻汁の採取は、被験者の鼻腔の奥部まで吸引トラップの片方の管を挿入し、もう片方の管を吸引ポンプに接続して、吸引ポンプを陰圧にすることにより行った。鼻汁を展開液で20倍に希釈することによりインフルエンザA型ウイルス陰性検体を調製した。前記陰性検体に不活化したインフルエンザA型ウイルス A/Panama/2007/99 (H3N2) を添加し、インフルエンザA型ウイルス陽性検体とした。
陽性検体又は陰性検体をそれぞれ 150μl ずつ検査キットのサンプルパッド上に載せて展開させ、10分後に目視にて判定した。判定部に赤いラインを確認できる場合を「+」、赤いラインをより強く確認できる場合を「++」、赤いラインは確認できるが色が非常に薄い場合を「±」、赤い線を確認できない場合を「−」とした。表1に結果を示す。
(比較例1)
上記実施例2の検査キットの作製において、クロマトグラフ媒体上の判定部に塗布する抗体及び金コロイドと結合させる抗体を変更したことを除いて、実施例3と同様の操作により陽性検体及び陰性検体の測定を行った。
クロマトグラフ媒体上の判定部に塗布する抗体としては、抗体1C6、6F7及び10G5のいずれか又はそれらの組合せに代えて、抗体7307、抗体1C6又はそれらの組合せを用いた。
金コロイドと結合させる標識抗体としては、抗体7307に代えて、抗体6F7及び10G5を用いた。
表1に結果を示す。
(比較例2)
イムノクロマト法による市販のインフルエンザA型ウイルスの検査キット、イムノエースFlu(商品名)((株)タウンズ社製)を用いて、実施例3と同様の操作により陽性検体及び陰性検体の測定を行った。
表1に結果を示す。
イムノクロマト法による検査キットの固相化抗体として、インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応するものの、SDS−PAGEによって分離された核タンパク質とは抗原抗体反応をしない抗体(抗体1C6、6F7又は10G5)を用いた場合、従来市販されている検査キット(比較例2)と比べて、インフルエンザA型ウイルスに対して数倍高い検出感度を示した。
特に、標識抗体として、SDS−PAGEによって分離された核タンパク質とも抗原抗体反応をする抗体(抗体7307)を選択し、上記の固相化抗体と組み合わせて用いることにより、従来の検査キットより高い検出感度が得られた。
一方、固相化抗体として、SDS−PAGEによって分離された核タンパク質とも抗原抗体反応をする抗体(抗体7307)を用いた場合(比較例1)は、その検出感度は従来の市販品と同等であった。
(実施例4)
検体として、インフルエンザA型ウイルス A/Panama/2007/99 (H3N2) 株に代えて、不活化したインフルエンザA型ウイルス A/New Caledonia/20/99 (H1N1) 株、A/Brisbane/10/2007 (H3N2) 株、又は A/Solomon/03/2006 (H1N1) 株を用いたことを除いては、実施例3と同様の操作により検体の測定を行った。固相化抗体としては抗体6F7及び10G5を用い、標識抗体には抗体7307を用いた。
表2に結果を示す。
本発明の検査キットは、亜型の違いに関わらず、インフルエンザA型ウイルスを高い感度で検出することが可能であった。
本発明のインフルエンザA型ウイルスの検査キットは、従来の検査キットよりインフルエンザA型ウイルスの検出感度が高く、少ないウイルス量で「陽性」の判定が得られるので、「陰性」の判定に対する信頼性の極めて高い検査キットを提供することができるという、産業上の利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第1抗体が固相化されたクロマトグラフ媒体、及びインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第2抗体と標識物質が結合した標識試薬を含有するイムノクロマト法による検出キットであって、
    第1抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体であり、第2抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とウエスタンブロット法で抗原抗体反応する抗体である、
    インフルエンザA型ウイルスを検出するためのキット。
  2. 第1抗体が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である、請求項1に記載の検出キット。
  3. 第1抗体が、インフルエンザA型ウイルスH1N1亜型の全長の核タンパク質を免疫することで得られる抗体である、請求項1又は2に記載の検出キット。
  4. インフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第1抗体が固相化されたクロマトグラフ媒体、及びインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応しインフルエンザB型ウイルス核タンパク質とは実質的に抗原抗体反応しない第2抗体と標識物質が結合した標識試薬を用いたイムノクロマト法による検出方法であって、
    第1抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体であり、第2抗体が、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とウエスタンブロット法で抗原抗体反応する抗体である、
    インフルエンザA型ウイルスの検出方法。
  5. 第1抗体が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である、請求項4に記載の検出方法。
  6. 第1抗体が、インフルエンザA型ウイルスH1N1亜型の全長の核タンパク質を免疫することで得られる抗体である、請求項4又は5に記載の検出方法。
  7. 未変性のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質と抗原抗体反応するが、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された全長のインフルエンザA型ウイルス核タンパク質とはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しない抗体を含有してなる、インフルエンザA型ウイルスの検出剤。
  8. インフルエンザA型ウイルス検出剤が、イムノクロマト法による検出キットに使用されるものである、請求項7に記載の検出剤。
  9. インフルエンザA型ウイルス検出剤が、イムノクロマト法による検出キットのクロマトグラフ媒体に固相化して使用されるものである、請求項8に記載の検出剤。
  10. インフルエンザA型ウイルス検出剤が、1又はそれ以上のモノクローナル抗体である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の検出剤。
  11. インフルエンザA型ウイルス検出剤が、インフルエンザA型ウイルスH1N1亜型の全長の核タンパク質を免疫することで得られる抗体である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の検出剤。
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