JP2009108151A - 分散染料組成物及び染色/捺染方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は疎水性繊維材料を染色又は捺染するに際し、黄色成分として有用な分散染料組成物、及び該分散染料組成物の繊維材料への適用に関する。
下記式(I)で示される化合物類の1種は、C.I.Disperse Yellow 114として公知であり、それらの製法は日本特許公報(特許文献1、2を参照)に記載されている。
また、下記式(II)で示される化合物類は、C.I.Disperse Yellow 54及び C.I.Disperse Yellow 64として公知である(非特許文献1を参照)。
また、下記式(II)で示される化合物類は、C.I.Disperse Yellow 54及び C.I.Disperse Yellow 64として公知である(非特許文献1を参照)。
公知の染料である式(I)の化合物の単体を吸尽染色用の中〜濃色用三原色黄味成分として使用した場合、高いカラーバリューを有する一方、通常併用して使用される赤、青色の分散染料と染着速度が合わないという問題がある。そのため、該染料を用いて染色すると、被染物を均一に染色することが難しく、繰り返し再現性も劣るため、三原色として使用し難かった。
また、式(II)の化合物は熱による昇華堅牢度が劣る。従って、濃色の染色物においては繊維からの脱着による汚染の問題がある。
本発明の目的は、疎水性繊維材料を染色する際の三原色に、赤、青色の分散染料との染着速度が揃っており、得られた染色物(捺染物も含む)の各種堅牢度(特に耐光及び昇華堅牢度)のバランスが良好な三原色用の黄色分散染料組成物を提供することである。
特開昭49-26108号公報
特開昭47-50354号公報
染料便覧 丸善株式会社発行 750頁、751頁
また、式(II)の化合物は熱による昇華堅牢度が劣る。従って、濃色の染色物においては繊維からの脱着による汚染の問題がある。
本発明の目的は、疎水性繊維材料を染色する際の三原色に、赤、青色の分散染料との染着速度が揃っており、得られた染色物(捺染物も含む)の各種堅牢度(特に耐光及び昇華堅牢度)のバランスが良好な三原色用の黄色分散染料組成物を提供することである。
本発明の染料組成物は、赤色及び/又は青色分散染料と配合して三原色用の分散染料組成物とした際に、疎水性繊維材料に対する染着性が改良され、三原色染色において均染性が良く、また、繰り返し染色時の再現性が良好な染色物を与えるものである。
また、工業的染色において斑の無い染色物を、効率的に、再現性良く得ることが出来、得られる染色物の耐光及び昇華堅牢度のバランスが優れるものである。
また、工業的染色において斑の無い染色物を、効率的に、再現性良く得ることが出来、得られる染色物の耐光及び昇華堅牢度のバランスが優れるものである。
式(II)で示される化合物としては、これらを単独で使用しても良いし、配合して使用してもよい。配合して使用する場合の配合比率は特に制限されない。
本発明における組成物は、式(I)で示される化合物及び式(II)で示される化合物を含有し、式(I)で示される化合物の含有量が、10〜95重量%である場合が好ましい。
本発明の組成物は、上記の式(I)で示される化合物と、式(II)で示される化合物を所定の割合に混合することにより得られる。混合の方法としては特に限定されないが、後述する分散剤でそれぞれ個別に分散処理した後に、該分散化された分散染料を所定の割合に混合することにより得られる。
さらに、本発明の組成物は、上記分散化方法で得た分散染料を染色浴中で所定の割合に混合して調製してもよい。
さらに、本発明の組成物は、上記分散化方法で得た分散染料を染色浴中で所定の割合に混合して調製してもよい。
式(I)及び(II)で示される化合物の分散化は、例えば、サンドミルを使用し、水性媒体中で、分散剤としてのアニオン界面活性剤(ナフタリンスルホン酸のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、クレゾール・シェーファー酸ホルマリン縮合物等)の存在下に行うことができる。
分散化処理において、必要に応じて、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等のノニオン界面活性剤を上記のアニオン界面活性剤と併用してもよい。
得られた分散液は、液体のままで用いてもよいし、上記の分散液を噴霧乾燥等により乾燥して得た粉体又は顆粒状として用いてもよい。
また、本発明の分散染料組成物は、性能を損なわない範囲で、上記の式(I)及び(II)で示される化合物以外の分散染料化合物、例えば、アゾベンゼン系分散染料やアントラキノン系分散染料等の公知の分散染料と混合して、色相の調整を行ってもよい。
調色に好適な染料としては、特に制限されないが、C.I.ディスパース オレンジ29、オレンジ30、オレンジ32 、オレンジ61、オレンジ73、オレンジ118、レッド54、レッド60、レッド73、レッド91、レッド92、レッド135、レッド146、レッド184、レッド191、レッド205、レッド302、レッド360などが挙げられる。
更に、本発明の組成物は、色相調整用の上記分散染料化合物以外に、上記ノニオン界面活性剤等の分散剤、増量剤、pH調整剤、分散均染剤、ビルダー、染色助剤、沸点が100℃以上である有機溶剤、樹脂バインダー等を含有することができる。
更に、本発明の組成物は、色相調整用の上記分散染料化合物以外に、上記ノニオン界面活性剤等の分散剤、増量剤、pH調整剤、分散均染剤、ビルダー、染色助剤、沸点が100℃以上である有機溶剤、樹脂バインダー等を含有することができる。
本発明の組成物は、ポリエステル、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド等の疎水性繊維材料を、染色又は捺染する分散染料として有用である。
上記の疎水性繊維材料を染色するにあたっては、本発明の組成物を水性媒体中に分散させた染色浴に、必要に応じて、pH調整剤、分散均染剤等を加えた後、疎水性繊維材料をこの染色浴に浸漬して、例えば、ポリエステル繊維の場合は、加圧下で通常100℃以上、好ましくは105〜140℃で、15〜60分間染色する。この染色時間は、染着の状態により短縮又は延長することができる。
また、本発明の組成物を用いて前記の疎水性繊維材料を染色するにあたっては、o−フェニルフェノールやメチルナフタレン等のキャリアーの存在下で、例えば、水を沸騰させた状態で染色することもできる。
更に、本発明の組成物を用いて疎水性繊維材料をパディング染色する場合は、上述した方法で調製した染料分散液を布にパディングした後、100℃以上の温度で、スチーミングや乾熱処理をすることもできる。
更に、本発明の組成物を用いて疎水性繊維材料をパディング染色する場合は、上述した方法で調製した染料分散液を布にパディングした後、100℃以上の温度で、スチーミングや乾熱処理をすることもできる。
捺染の場合は、染料分散液を適当な糊剤と共に練り合わせ、これを布に印捺乾燥した後、スチーミング又は乾熱処理を行う。また、インクジェット方式によって捺染することもできる。
本発明の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、典型的には、エチレングリコールとテレフタル酸の重縮合により得られるポリエステル繊維が挙げられる。
また、本発明(ii)の染色方法に適用されるポリエステル繊維としては、エチレングリコール以外のポリオールとテレフタル酸の重縮合により得られるポリエステル繊維も挙げられる。
更に、本発明の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維やポリアミド繊維等が挙げられる。
また、本発明(ii)の染色方法に適用されるポリエステル繊維としては、エチレングリコール以外のポリオールとテレフタル酸の重縮合により得られるポリエステル繊維も挙げられる。
更に、本発明の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維やポリアミド繊維等が挙げられる。
本発明の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、上記例示の繊維の混紡品又は交織品も挙げられる。
この混紡品又は交織品としては、上記例示の繊維同士の混紡品や交織品、前記例示以外のセルロース繊維、羊毛又は絹との混紡品や交織品等が挙げられる。
本発明の染色方法(捺染方法も含む)に適用される疎水性繊維材料としては、特にポリエステル繊維材料が好ましい。
この混紡品又は交織品としては、上記例示の繊維同士の混紡品や交織品、前記例示以外のセルロース繊維、羊毛又は絹との混紡品や交織品等が挙げられる。
本発明の染色方法(捺染方法も含む)に適用される疎水性繊維材料としては、特にポリエステル繊維材料が好ましい。
本発明の染色方法に適用される疎水性繊維材料としては、新合繊材料も挙げられる。
上記新合繊材料の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタル酸と1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとの重縮合物等のポリエステル繊維類;ナイロン等のポリアミド系繊維と上記ポリエステル繊維類との混紡品や混織品;木綿、絹、羊毛等の天然繊維と上記ポリエステル繊維類との混紡品や混織品が挙げられる。
以上例示した素材の形態としては、糸、織物や編み物等が挙げられる。
上記新合繊材料の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタル酸と1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとの重縮合物等のポリエステル繊維類;ナイロン等のポリアミド系繊維と上記ポリエステル繊維類との混紡品や混織品;木綿、絹、羊毛等の天然繊維と上記ポリエステル繊維類との混紡品や混織品が挙げられる。
以上例示した素材の形態としては、糸、織物や編み物等が挙げられる。
上記の新合繊は、例えば糸の形態である場合、0.3デニールよりも大きく、且つ1デニール以下のファインデニールファイバー糸、0.3デニール以下のウルトラマイクロファイバー糸、異型断面糸、又は異収縮混紡糸等が挙げられる。これらの糸はフィラメント状であってもよく、また、二酸化チタン等を含む艶消し加工糸等のように、各種の加工や改質が施された糸であってもよい。
本発明の染色方法に併用される赤色及び/又は青色分散染料としては、特に制限されないが、好ましくはC.I.ディスパース レッド54、レッド60、レッド73、レッド91、レッド92、レッド135、レッド146、レッド152、レッド167:1、レッド184、レッド191、レッド205、レッド302、レッド360、バイオレット26、バイオレット28、バイオレット77、バイオレット93:1、ブルー54、ブルー56、ブルー60、ブルー73、ブルー77、ブルー79:1、ブルー183、ブルー165、ブルー291:1などの市販の染料群から選択することができる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。例中、部及び%は、それぞれ重量部及び重量%である。
1)黄色分散染料組成物の調整
式(I)で示される化合物及び式(II)で示される化合物の1gを、それぞれ個別に、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルマリンとの縮合物3gと共に6gの水中で微粒子化し、スプレー乾燥して黄色分散染料を各々得た。
上式(I)及び式(II)各々の分散染料を表1に記載の配合比率で配合し、黄色分散染料組成物を得た。
式(I)で示される化合物及び式(II)で示される化合物の1gを、それぞれ個別に、ナフタレンスルホン酸ソーダとホルマリンとの縮合物3gと共に6gの水中で微粒子化し、スプレー乾燥して黄色分散染料を各々得た。
上式(I)及び式(II)各々の分散染料を表1に記載の配合比率で配合し、黄色分散染料組成物を得た。
2)配合染色試験(三原色適性の確認)
処方i)
市販の赤色分散染料(Disperse Red 73)の0.05g、市販の青色分散染料(Disperse Blue 79:1)の0.05g、黄色分散染料組成物の調整の項1)で得た表1記載の黄色分散染料0.05g、及びイオネットRAP-1170(三洋化成(株)製)の0.27gとを水に均一に分散させた後、該分散液に酢酸0.045gと酢酸ソーダ0.18gを添加して180mLの染浴とした。
処方i)
市販の赤色分散染料(Disperse Red 73)の0.05g、市販の青色分散染料(Disperse Blue 79:1)の0.05g、黄色分散染料組成物の調整の項1)で得た表1記載の黄色分散染料0.05g、及びイオネットRAP-1170(三洋化成(株)製)の0.27gとを水に均一に分散させた後、該分散液に酢酸0.045gと酢酸ソーダ0.18gを添加して180mLの染浴とした。
処方ii)
市販の赤色分散染料(Disperse Red 92)の0.05g、市販の青色分散染料(Disperse Blue 73)の0.05g、黄色分散染料組成物の調整の項1)で得た表2記載の黄色分散染料0.05g、及びイオネットRAP-1170(三洋化成(株)製)の0.27gとを水に均一に分散させた後、該分散液に酢酸0.045gと酢酸ソーダ0.18gを添加して180mLの染浴とした。
市販の赤色分散染料(Disperse Red 92)の0.05g、市販の青色分散染料(Disperse Blue 73)の0.05g、黄色分散染料組成物の調整の項1)で得た表2記載の黄色分散染料0.05g、及びイオネットRAP-1170(三洋化成(株)製)の0.27gとを水に均一に分散させた後、該分散液に酢酸0.045gと酢酸ソーダ0.18gを添加して180mLの染浴とした。
染色方法)
上記の各染浴にテトロントロピカル(東レ(株)製ポリエステル繊維織物)5gを染浴に投入後、60℃から130℃まで毎分1℃の速度で昇温し、130℃で30分間保温して染色を行った。
上記の昇温工程において、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃及び130℃の各温度に到達した時に、これら6つの染浴からテトロントロピカルを抜き取り水洗した。
残り1つの染浴において、130℃に到達後、更に同温度で30分保温して得たテトロントロピカルを抜き取り、水洗した。
これらの7枚のテトロントロピカルを、それぞれ還元洗浄後、更に乾燥して、番号1〜7の染色布を得た。(130℃で30分保温後、洗浄及び乾燥して得られた染色布を番号7とする)
上記の各染浴にテトロントロピカル(東レ(株)製ポリエステル繊維織物)5gを染浴に投入後、60℃から130℃まで毎分1℃の速度で昇温し、130℃で30分間保温して染色を行った。
上記の昇温工程において、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃及び130℃の各温度に到達した時に、これら6つの染浴からテトロントロピカルを抜き取り水洗した。
残り1つの染浴において、130℃に到達後、更に同温度で30分保温して得たテトロントロピカルを抜き取り、水洗した。
これらの7枚のテトロントロピカルを、それぞれ還元洗浄後、更に乾燥して、番号1〜7の染色布を得た。(130℃で30分保温後、洗浄及び乾燥して得られた染色布を番号7とする)
3)相容性の評価
上述した番号1〜7の染色布を順に並べて、染色布表面の色相の変化を目視し(黄色、赤色、青色の各染料の吸着割合の変化を観察するものであり、色の変化を観察するものではない)、使用した黄色、赤色及び青色の各染料の染着速度の一致状態(相容性)を評価した。
○:番号7の染色布とほぼ同色相で、濃度のみが変化している
△:番号7の染色布と色相が多少異なるが、ほぼ同系統の色相で変化している
×:番号7の染色布と全く異なる色相の抜き取り布が存在する
上述した番号1〜7の染色布を順に並べて、染色布表面の色相の変化を目視し(黄色、赤色、青色の各染料の吸着割合の変化を観察するものであり、色の変化を観察するものではない)、使用した黄色、赤色及び青色の各染料の染着速度の一致状態(相容性)を評価した。
○:番号7の染色布とほぼ同色相で、濃度のみが変化している
△:番号7の染色布と色相が多少異なるが、ほぼ同系統の色相で変化している
×:番号7の染色布と全く異なる色相の抜き取り布が存在する
4)堅牢度の評価
表1及び表2に記載の黄色分散染料組成物を使用して、2)配合染色試験の項に記載した染色方法で得られた黄色の染色布を下記条件にて試験した。
昇華堅牢度;JIS L0879(180℃ 30秒)
ポリエステル汚染を汚染用グレースケールにて判定
判定基準は下記の通り。
5級;全く差はなし
4級;僅かに差がある
3級;やや差がある
2級;相当差がある
1級;著しく差がある
耐光堅牢度;JIS L0842(カーボンアーク 40−80時間照射)
変退色用ブルースケールにて判定。
表1及び表2に記載の黄色分散染料組成物を使用して、2)配合染色試験の項に記載した染色方法で得られた黄色の染色布を下記条件にて試験した。
昇華堅牢度;JIS L0879(180℃ 30秒)
ポリエステル汚染を汚染用グレースケールにて判定
判定基準は下記の通り。
5級;全く差はなし
4級;僅かに差がある
3級;やや差がある
2級;相当差がある
1級;著しく差がある
耐光堅牢度;JIS L0842(カーボンアーク 40−80時間照射)
変退色用ブルースケールにて判定。
表1及び表2に、上記の相容性、及び堅牢度試験結果をまとめた。表に示されるように実施例1〜7の本願組成物では、いずれの場合でも相容性が良好であり、得られた染色布の昇華及び耐光堅牢度のバランスが良好あった。
一方、比較例では、実用上問題が生じることが予見される結果を得た。
一方、比較例では、実用上問題が生じることが予見される結果を得た。
本発明(i)の黄色分散染料組成物は、ポリエステル等の疎水性繊維材料を染色する際に有用である。
また、本発明(ii)の染色法によれば、染色斑のない均染性に優れた染色物を得ることができる。さらに、染着再現性にも優れる。
また、本発明(ii)の染色法によれば、染色斑のない均染性に優れた染色物を得ることができる。さらに、染着再現性にも優れる。
Claims (3)
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JP2007280085A JP2009108151A (ja) | 2007-10-29 | 2007-10-29 | 分散染料組成物及び染色/捺染方法 |
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