JP2009105575A - Ebg材料を用いたコモンモード電流抑制フィルタ - Google Patents

Ebg材料を用いたコモンモード電流抑制フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 プリント回路基板の内部で発生した高周波ノイズ電流がコネクタを経由してケーブルへ伝播するのを抑制する、小型化容易なコモンモード電流抑制フィルタを提供する。
【解決手段】 厚みが所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上である導体ヒダ123を持つヒダ付き導体柱103により、周期配列されている第1層導体小片102の各々とグランドプレーン5を電気的に接続して、並列インダクタンスが増大したHIS101を構成する。HIS101をプリント回路基板100のコネクタ108周辺に設ける。ヒダ付き導体柱103は、内層ヒダ導体小片123と貫通ビア107により形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コモンモード電流抑制フィルタに関し、さらに言えば、プリント回路基板の内部で発生した高周波ノイズ電流が、当該プリント回路基板上に設置されたコネクタを経由して当該コネクタに接続されたケーブルに伝播するのを、電磁バンドギャップ(Electromagnetic Band Gap、以下、「EBG」という。)材料を用いて抑制するコモンモード電流抑制フィルタに関する。
近年、技術の発展に伴ってEBG材料が開発され、例えば、高周波回路から放射される不要な電磁波に起因する回路間の電磁干渉を防ぐ手段として用いることが提案されている。ここで、「EBG材料」とは、広義には、誘電体または導体が2次元的あるいは3次元的に周期的に配置された構造を持ち、特定周波数帯の電磁波の2次元方向あるいは3次元方向の伝播を抑制し、あるいは大きく減衰させる機能を持つ材料または構造をいう。
EBG材料の利用の一形態として、高インピーダンス面(High-Impedance Surface、以下、「HIS」という)が特許文献1(米国特許第6,262,495B1号)、特許文献2(米国特許第6,483,481B1号)等に開示されている。
図17〜図19は従来のHISの構造を示しており、図17は特許文献1のFIG.2aに記載されている従来のHISの断面図を、図18は特許文献1のFIG.2bに開示されている従来のHISの上面図を、図19は特許文献2のFIG.3aに記載されている従来のHISの上面図をそれぞれ示す。
図17に示した従来のHIS1は次のような構造を持つ。すなわち、HIS1は、画鋲状の形状を持つ導体要素4を複数個、グランドプレーン5の上方に周期的に配置して構成されている。導体要素4の各々は、導体小片2と、その導体小片2に上端が接続された導体柱3とにより構成されている。導体要素4の各々は、その下端(すなわち導体柱3の他端)においてグランドプレーン5に対して電気的に接続されている。各導体小片2は、誘電体板6の上面に配置されている。グランドプレーン5は、誘電体板6の下面に配置されている。各導体柱3は、誘電体板6をその厚さ方向に貫通してグランドプレーン5に達している。導体小片2の平面形状としては、例えば、図18に示す正六角形や、図19に示す正方形等がある。
図17に示した従来のHIS1は、図20に示すように、隣接する二つの画鋲状の導体要素4間に生成される直列容量Cと、各導体要素4とグランドプレーン5から生成される並列インダクタンスLとが、2次元的に分布した分布定数回路と考えることができる。HIS1では、インダクタンスLと容量Cからなる共振回路の共振周波数付近において、インピーダンスが高くなって表面電流の伝播が抑制されること、また、表面電流の伝播が抑制される帯域幅(バンドギャップ帯域幅)は容量Cの逆数に比例することが、特許文献1等に開示されている。
HIS1によりフィルタを構成する場合、直列容量Cと並列インダクタンスLの積の値を保持しながら各導体小片2の大きさを小さく設定することにより、HIS1の占有面積を小さくすることが可能である。また、HIS1の並列インダクタンスLを大きく設定することにより、当該フィルタのバンドギャップ帯域幅を広くすることが可能である。
HIS1の並列インダクタンスLを大きくする方法は、すでに公開されている。例えば、特許文献3(米国特許第6,933,895B2号)のFIG.13や特許文献4(特開2006−253929号公報)の図1に開示された方法では、図21に示したHIS1aのように、導体小片2とグランドプレーン5の間に2層構造の誘電体板、すなわち第1誘電体板16および第2誘電体板26が配置され、上位の第1誘電体板16上に複数の導体小片2が周期的に配置され、下位の第2誘電体板26上に複数のインダクタンス要素8が周期的に配置される。したがって、インダクタンス要素8は、第1誘電体板16と第2誘電体板26の間に位置することになる。なお、グランドプレーン5は、第2誘電体板26の下面に形成される。
複数の導体小片2と複数のインダクタンス要素8とは、第1誘電体板16を貫通する複数の第1導体柱7によって一対一で電気的に相互接続される。複数のインダクタンス要素8とグランドプレーン5とは、第2誘電体板26を貫通する複数の第2導体柱17によって電気的に接続される。
図21に示した従来のHIS1aの等価回路図を図22に示す。従来のHIS1aでは、このように複数の導体小片2とグランドプレーン5の間に複数のインダクタンス要素8を挿入・配置することにより、図17に示した従来のHIS1に比べて並列インダクタンスLを大きくすることができる。
従来のHIS1aで使用されたインダクタンス要素8としては、例えば、図23に示したスパイラルコイル18や、図24に示したミアンダコイル28が使用できる。しかし、これら以外であってもよく、例えば、弾性表面波共振器やバルク弾性波共振器等もインダクタンス要素8として使用可能である。
上記EBG材料を電磁干渉問題の対策として適用した例は、例えば、特許文献3や特許文献5に開示されている。
特許文献3に開示された技術では、表面電流を介した2つのアンテナ間の干渉を防ぐために、グランドプレーンにEBG材料が用いられている。
特許文献5に開示された技術では、筐体の内壁の一部にEBG材料を用いている。そもそも、筐体内部の高周波回路に様々な機能が集積化された場合、筐体内に不要な電磁放射が発生して各々の機能間の信号が互いに電磁干渉し、高周波回路全体の特性に悪影響を及ぼすという問題がある。EBG材料を高周波回路に対向する側の筐体内壁に用いることにより、筐体内の不要な電磁放射を防ぐことができるので、筐体の内壁を高周波回路に近接させても高周波回路の特性が変化せず、筐体の小形化が可能となる。
近年問題となっている電磁干渉の原因のひとつとして、プリント回路基板の内部で発生した高周波ノイズ電流が、当該プリント回路基板上に設置されたコネクタを経由して当該コネクタに接続されたケーブルに伝播することにより発生する、ケーブルからの不要な電磁放射が挙げられる。従来、このようなケーブルに対するコモンモード・ノイズ対策としては、例えば、ケーブルが接続されたプリント回路基板をシールドボックスで覆う、もしくは、ケーブルの一端にシールド用金属カバー付きコネクタを装着する等のシールド技術が採用されている。
米国特許第6,262,495B1号(FIG.1、2a、2b) 米国特許第6,483,481B1号(FIG.2a、3a) 米国特許第6,933,895B2号(FIG.13) 特開2006−253929号公報(図1) 特開2004-22587号公報(図1)
上述した、プリント回路基板におけるケーブルからの不要な電磁放射を抑制する手法として用いられている上記従来のシールド技術には、製造コストが高いという問題がある。また、このような電磁放射シールドは、高周波ノイズの発生源であるプリント回路基板内で実行するのが望ましい。そこで、プリント回路基板内で実現可能な電磁放射シールド法について検討すると、プリント回路基板上に設けられたコネクタの周辺部に図17に示した従来のHIS1を配置すれば、所望の電磁放射シールド機能を持つコモンモード電流抑制フィルタを実現できそうである。
例えば、2層以上の導体層を有するプリント回路基板において、ある導体層に複数の導体小片2を2次元的に周期的に配置すると共に、誘電体板6によって当該導体層とは分離されている別の導体層をグランドプレーン5として使用し、さらに、各導体小片2とグランドプレーン5の間を電気的に相互接続する複数の導体柱3を、内周面が導電膜で覆われた貫通ビア(貫通ビアホール)を用いて形成すれば、所望のコモンモード電流抑制フィルタを実現できる可能性がある。
この場合、従来のHIS1における直列容量Cと並列インダクタンスLの積の値を保ちつつ、各導体小片2を小さく形成すれば、コモンモード電流抑制フィルタとして機能するHIS1の占有面積を小さくすることできる。
また、従来のHIS1の並列インダクタンスLを増大させることにより、コモンモード電流抑制フィルタのバンドギャップ帯域幅を広くすることも可能である。しかしながら、HIS1を用いて所望のバンドギャップ帯域幅を持つ広帯域コモンモード電流抑制フィルタを実現しようとすると、並列インダクタンスLを大きくするためにHIS1の導体柱3を長くする必要があるため、並列インダクタンスLの増大に伴ってHIS1の厚さが増加してしまい、フィルタの小型化という要請に反する。
よって、HIS1を用いて小型で広帯域のコモンモード電流抑制フィルタを実現するには、各導体小片2の面積と、各導体小片2からグランドプレーン5までの距離の双方を保持しながら、並列インダクタンスLを増大させる必要がある。
ここで、並列インダクタンスLを増大させる方法として、図21に示した従来のHIS1aの構造を採用することは可能である。しかし、その場合には、各インダクタンス要素8とそれに対応する第1導体柱7との接続点15と、当該インダクタンス要素8とそれに対応する第2導体柱17との接続点25とを、電気的に分離させる必要がある。その理由は、貫通ビアを用いて第1導体柱7と第2導体柱17とを一体的に形成すると、接続点15と接続点25とが電気的に短絡してしまい、インダクタンス要素8による並列インダクタンスLの増加がもたらされないからである。よって、第1導体柱7と第2導体柱17を貫通ビアを利用して形成することはできないことになる。
電気的に分離した状態の第1導体柱7と第2導体柱17が得られるプリント回路基板の製造方法としては、公知のビルドアップ・プロセスが使用可能である。しかし、ビルドアップ・プロセスを使用すると、プリント回路基板それ自体の製造コストが上昇するという問題が生じる。
このように、並列インダクタンスLを増大してバンドギャップ帯域幅の拡大するために、図21に示した従来のHIS1aの構造を採用することは好ましくない。他の方法で並列インダクタンスLを増大する必要がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、その目的とするところは、プリント回路基板の内部で発生した高周波ノイズ電流が、当該プリント回路基板上に設置されたコネクタを経由して当該コネクタに接続されたケーブルに伝播することにより、当該ケーブルから放出される不要な電磁放射を抑制することができると共に、前記ケーブルから前記プリント回路基板への高周波ノイズ電流の伝播をも抑制することができ、しかも実用上問題のない大きさに小形化が可能な、EBG材料を用いたコモンモード電流抑制フィルタを提供することにある。
本発明の他の目的は、広帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能を得ることができる、EBG材料を用いたコモンモード電流抑制フィルタを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、安価な多層プリント回路基板を使用して実装することができる、EBG材料を用いたコモンモード電流抑制フィルタを提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
(1) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタは、
表面にコネクタを有するプリント回路基板上に設けられるコモンモード電流抑制フィルタであって、
前記プリント回路基板の表面の前記コネクタの周辺部に形成された、所定の周波数帯で電磁波の伝播を阻止するバンドギャップを持つ電磁バンドギャップ材料(EBG材料)よりなる高インピーダンス面(HIS)を備えており、
前記高インピーダンス面(HIS)は、
前記プリント回路基板の第1導体層に周期的に配置された複数の第1導体小片と、
前記プリント回路基板の第2導体層に形成されたグランドプレーンと、
前記第1導体小片の各々と前記グランドプレーンとを電気的に接続する複数の第1ヒダ付き導体柱とを備えており、
前記第1ヒダ付き導体柱の各々は、前記プリント回路基板の前記第1導体層と前記第2導体層との間に延在する第1柱状導体(例えば導電膜付きの貫通ビア)と、その第1柱状導体に装着された第1ヒダ導体(例えば内層ヒダ導体小片)とを有しており、
前記第1ヒダ導体の厚さは、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上とされていることを特徴とするものである。
本発明のコモンモード電流抑制フィルタでは、上述したように、前記プリント回路基板の表面の前記コネクタの周辺部に、電磁バンドギャップ材料(EBG材料)よりなる高インピーダンス面(HIS)が配置されているので、前記プリント回路基板の内部で発生して前記グランドプレーンを流れる高周波ノイズ電流の前記コネクタへの伝播が抑制される。このため、前記高周波ノイズ電流が前記コネクタを経由して当該コネクタに接続されたケーブルに伝播することによって、当該ケーブルから放出される不要な電磁放射を抑制することができる。
また、それと同時に、外部の不要な電磁波により前記ケーブルに伝達された高周波ノイズ電流の前記コネクタから前記グランドプレーンへの伝播が抑制されるため、前記ケーブルから前記プリント回路基板への高周波ノイズ電流の伝播をも抑制することができる。
よって、前記プリント回路基板の内部回路の動作特性が、前記グランドプレーンを流れる高周波ノイズ電流の影響を受けるのを防止することが可能である。
さらに、前記高インピーダンス面は、前記プリント回路基板の第1導体層に周期的に配置された複数の第1導体小片と、前記プリント回路基板の第2導体層に形成されたグランドプレーンと、前記第1導体小片の各々と前記グランドプレーンとを電気的に接続する複数の第1ヒダ付き導体柱とを備えている。そして、前記第1ヒダ付き導体柱の各々は、前記プリント回路基板の第1導体層と第2導体層との間に延在する第1柱状導体と、その第1柱状導体に装着された第1内層ヒダ導体小片とを有しており、前記第1内層ヒダ導体小片の厚さは、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上とされている。このため、前記プリント回路基板の第2導体層に形成された前記グランドプレーンを流れる高周波ノイズ電流は、前記第1内層ヒダ導体小片の各々の表面を迂回して、前記プリント回路基板の第1導体層にある前記第1導体小片まで流れる。したがって、前記高周波ノイズ電流によってその電流経路内に発生する磁束は、前記第1内層ヒダ導体小片がない従来の高インピーダンス面の場合に比べて増大する。一般に、高インピーダンス面の並列インダクタンスはその内部に発生する磁束に比例するから、これは並列インダクタンスが増大することを意味している。
本発明のコモンモード電流抑制フィルタでは、以上のような理由により、前記プリント回路基板の貫通ビア(前記ヒダ付き導体柱)を長くすることなく並列インダクタンスを増やすことができるので、それだけ前記プリント回路基板を薄くすることが可能である。また、並列インダクタンスの増大に応じて前記第1導体小片を小型化すれば、前記第1導体小片が前記プリント回路基板の表面を占有する面積が縮小する。よって、当該コモンモード電流抑制フィルタを実用上問題のない大きさに小形化することが容易である。
バンドギャップ帯域幅を狭めてもよい場合は、並列インダクタンスと同時に直列容量を増やすことにより、前記第1導体小片のサイズをさらに小型化できるので、当該コモンモード電流抑制フィルタをいっそう小型にすることも可能である。他方、並列インダクタンスの増加に応じて直列容量を減少させると、それだけ前記バンドギャップ帯域幅を広げることができるので、広帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能が得られる。
さらに、前記第1ヒダ付導体柱は、前記プリント回路基板の貫通ビアと前記第1内層ヒダ導体小片を用いて形成することができるため、高コストのビルドアップ・プロセスを用いる必要がない。したがって、安価な多層プリント回路基板を使用して当該コモンモード電流抑制フィルタを実装することが可能である。
(2) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタの好ましい例では、前記第1導体小片が前記プリント回路基板の表面もしくは内層に配置され、前記グランドプレーンが前記プリント回路基板の裏面もしくは前記第1導体小片とは異なる内層に配置され、前記第1柱状導体が前記プリント回路基板の裏面からその表面まで延在する貫通ビアを用いて形成される。
(3) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタの他の好ましい例では、前記プリント回路基板の前記第1導体層と前記第2導体層の間にある前記プリント回路基板の第3導体層に、複数の第2導体小片が周期的に配置され、
前記第2導体小片の各々と前記グランドプレーンとは、複数の第2ヒダ付き導体柱によって電気的に相互接続され、
前記第2ヒダ付き導体柱の各々は、前記プリント回路基板の前記第3導体層と前記第2導体層との間に延在する第2柱状導体(例えば導電膜付きの貫通ビア)と、その第2柱状導体に装着された第2ヒダ導体(例えば内層ヒダ導体小片)とを有し、
前記第2ヒダ導体の厚さは、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上とされ、
上面から見たときに前記第1層導体小片と前記第2層導体小片は部分的に重なるように配置される。
(4) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタのさらに他の好ましい例では、前記第1ヒダ付き導体柱の前記第1ヒダ導体が、対応する前記第1柱状導体(例えば貫通ビア)を中心とする且つ所定の半径を持つ円を包含するような平面形状を有すると共に、隣接する他の前記第1ヒダ導体とは重ならないように配置される。
(5) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタのさらに他の好ましい例では、互いに隣接する前記第1導体小片が、互いに噛み合った形態で配置される。
(6) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタのさらに他の好ましい例では、前記第1導体小片と前記第1ヒダ付き導体柱が、前記コネクタまたはその近傍に中心を置く複数の同心円上または同心円弧上に、それら同心円または同心円弧の動径に沿って周期的に配置される。
(7) (6)の例では、好ましくは、前記第2導体小片と前記第2ヒダ付き導体柱も、前記コネクタまたはその近傍に中心を置く複数の同心円上または同心円弧上に、それら同心円または同心円弧の動径に沿って周期的に配置される。
(8) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタのさらに他の好ましい例では、前記第1導体小片の各々は、隣接する他の前記第1導体小片と接する辺の長さが略等しくされる。
(9) 本発明のコモンモード電流抑制フィルタのさらに他の好ましい例では、前記プリント回路基板の誘電体板が、絶縁性の磁性材料を用いて形成される。
本発明のコモンモード電流抑制フィルタによれば、(a)プリント回路基板の内部で発生した高周波ノイズ電流が、当該プリント回路基板上に設置されたコネクタを経由して当該コネクタに接続されたケーブルに伝播することにより、当該ケーブルから放出される不要な電磁放射を抑制することができると共に、前記ケーブルから前記プリント回路基板への高周波ノイズ電流の伝播をも抑制することができ、しかも実用上問題のない大きさに小形化が可能である、(b)広帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能を得ることができる、(c)安価な多層プリント回路基板を使用して実装することができる、という効果が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1〜図5は、プリント回路基板上に形成された本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを示す。このコモンモード電流抑制フィルタは、HIS101を用いて構成したものである。
図1は、プリント回路基板上に形成(実装)された本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタ(HIS)を示す上面図、図2はその部分断面図、図3はその部分拡大上面図、図4は当該フィルタに使用された導体要素の斜視図、図5は当該フィルタにおける高周波ノイズ電流の経路を示す部分断面説明図である。
図1〜図5に示した第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタは、プリント回路基板100上に形成されたHIS101から構成されている。このHIS101は、誘電体または導体が2次元的あるいは3次元的に周期的に配置された構造を持つEBG材料の一形態である。HIS(EBG材料)は、特定周波数帯の電磁波の2次元方向あるいは3次元方向の伝播を抑制し、または大きく減衰させる機能を持つ。
第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHIS101は、プリント回路基板100の表面において、その一つの端部の近傍に設けられたコネクタ108の周囲に、そのコネクタ108の三方向を囲むように形成されている。
HIS101は、図1〜図3に示すように、プリント回路基板100上に周期的に配置された複数の導体要素104を備えており、それら導体要素104(つまり後述の第1層導体小片102)のレイアウトは、図1に示すように略U字状の二次元周期的配置である。導体要素104は、コネクタ108に接続されたケーブル109が延在する方向には存在していない。導体要素104(すなわちHIS101)とコネクタ108との間には、所定の間隔が設けられており、したがって導体要素104(HIS101)はコネクタ108から離隔している。各導体要素104(第1層導体小片102)の平面形状は、図3に明瞭に示すように、正方形である。
HIS101は、図2に示すような断面構造を持っており、プリント回路基板100の導体層と誘電体板を利用して形成されている。
プリント回路基板100は、第1〜第5の導体層と第1〜第4の誘電体板106を交互に配置して構成されている。プリント回路基板100の表面の第1導体層(最上位導体層)には、周期的に配置された複数の第1層導体小片102が形成されており、その裏面の第5導体層(最下位導体層)は、その全体がグランドプレーン5になっている。第1層導体小片102とグランドプレーン5との間に配置された第2〜第4の導体層には、それぞれ導体小片が形成されているが、これら三つの導体小片はそれぞれ内層ヒダ導体小片123を構成しており、「ヒダ導体」に対応する。
プリント回路基板100には、さらに、プリント回路基板100をその厚さ方向に貫通する複数の貫通ビア107が形成されている。各貫通ビア107は、第1〜第5の導体層と第1〜第4の誘電体板106を貫通していて、プリント回路基板100の表面から裏面まで延在している。プリント回路基板100の第1導体層と第5導体層には、それぞれ開口が形成されている。各貫通ビア107の内周面は導電膜で覆われているので、各貫通ビア107は導電膜付き貫通ビアと言うことができる。導電膜付きの各貫通ビア107は、「柱状導体」に対応する。
図2および図4に示すように、第2〜第4の導体層に形成された三層の内層ヒダ導体小片123は、対応する貫通ビア107の周囲に鍔状に配置されていると共に、当該貫通ビア107の内周面の導体膜に機械的・電気的に接続されている。こうして接続・一体化された貫通ビア107と三層の内層ヒダ導体小片123は、ヒダ付き導体柱103を構成している。このような構成を持つヒダ付き導体柱103は、プリント回路基板100に貫通ビア107を形成した後、その内周面に導電膜をメッキすることにより、容易に形成することができる。ヒダ付き導体柱103(貫通ビア107)の上端は、対応する第1層導体小片102に機械的・電気的に接続されていて、画鋲状の導体要素104を構成している。ヒダ付き導体柱103(貫通ビア107)の下端は、グランドプレーン5(第5導体層)に機械的・電気的に接続されている。
本第1実施形態のHIS101では、プリント回路基板100は、最上位にある第1導体層に第1層導体小片102を、第2〜第4の導体層に内層ヒダ導体小片123を、最下位にある第5導体層にグランドプレーン5を設けており、5層の導体層を持つ多層構造を有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、導体層が3層以上の多層プリント回路基板であればプリント回路基板100として使用可能である。
導体要素104の第1層導体小片102および内層ヒダ導体小片123の厚みは、いずれも、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上に設定している。例えば、プリント回路基板100の導体層として銅板を用いた場合、30MHzにおける表皮深さが約12μmであるため、通常のプリント回路基板の製造プロセスで用いられる銅板の厚さが35μmであれば、少なくとも30MHz以上では銅板の板厚が表皮深さの2倍以上という条件が満たされる。また、銅板として厚さ15μmのものを用いた場合でも、100MHz以上では銅板の板厚が表皮深さの2倍以上という条件が満たされる。
プリント回路基板100上に設けられたコネクタ108が、グランドプレーン5と電気的に接続されていると、コネクタ108にケーブル109を接続した時には、ケーブル109のグランド部はグランドプレーン5に電気的に接続されることになる。ここで、もしHIS101が存在しないとすると、プリント回路基板100の内部で発生した高周波ノイズ電流Iはグランドプレーン5を流れ、コネクタ108を経由してケーブル109へ伝播する。しかし、プリント回路基板100上には、コネクタ108の周辺部において、所望の周波数帯域でバンドギャップが現れるHIS101が設けられているので、グランドプレーン5を流れる高周波ノイズ電流Iのコネクタ108への伝播が抑制される。このため、高周波ノイズ電流Iのケーブル109への伝播も抑制され、その結果、ケーブル109からの不要電磁波の発生を抑制することが可能となる。
また、外部の不要電磁波によってケーブル109のグランド部に高周波ノイズ電流Iが流れた場合、上記と同様にして、コネクタ108を経由してケーブル109からグランドプレーン5への高周波ノイズ電流Iの伝播がHIS101によって抑制される。
よって、プリント回路基板100の内部の回路動作特性が、グランドプレーン5を流れる高周波ノイズ電流Iにより影響を受けるといった状況を防ぐことが可能である。
HIS101は、上述したように、各導体要素104が、所望の周波数帯における表皮深さの2倍以上の厚みを有する内層ヒダ導体小片123を有しているため、高周波ノイズ電流Iは、図5に示すように、各内層ヒダ導体小片123の表面をミアンダ状に迂回して流れる。このような迂回電流の流れる電流経路を110とすると、電流経路110を流れる高周波ノイズ電流Iによって電流経路110内に発生する磁束は、内層ヒダ導体小片123がない場合に比べて増大する。一般に、HISの並列インダクタンスはそれを通過する磁束Φに比例するから、本第1実施形態のHIS101では、内層ヒダ導体小片123がない場合に比べて並列インダクタンスが増大している。
本第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタでは、上述したような構成のHIS101を使用しているため、プリント回路基板100の貫通ビア107(ヒダ付き導体柱)を長くすることなく並列インダクタンスを増やすことができ、したがって、それだけプリント回路基板100を薄くすることが可能である。また、並列インダクタンスの増大に応じて直列容量を小さくすることが可能になるため、第1導体小片102の辺の長さを短くすることが可能となり、第1導体小片102の小型化が可能となる。その結果、第1層導体小片102がプリント回路基板100の表面を占有する面積が縮小する。よって、当該コモンモード電流抑制フィルタを実用上問題のない大きさに小形化することが容易である。
バンドギャップ帯域幅を狭めてもよい代わりにバンドギャップ周波数を低くしたい場合は、並列インダクタンスと同時に直列容量を増やすことにより実現可能である。また、同じ第1層導体小片102のサイズ当たりの直列容量が増加する構造にすることにより、第1層導体小片102をさらに小型化しても直列容量を稼ぐことができるため、第1層導体小片102の小型化が可能となり、結果として、当該コモンモード電流抑制フィルタをいっそう小型にすることも可能である。他方、並列インダクタンスの増加に応じて直列容量を減少させると、それだけバンドギャップ帯域幅を広げることができるので、広帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能が得られる。
さらに、各ヒダ付導体柱103は、プリント回路基板100の貫通ビア107と内層ヒダ導体小片123を用いて形成されているため、高コストのビルドアップ・プロセスを用いる必要がない。したがって、安価な多層プリント回路基板を使用して当該コモンモード電流抑制フィルタを実装することが可能である。
なお、第1〜第4の誘電体板106の一部もしくは全てを、絶縁性の高透磁率材料で形成してもよい。この場合、並列インダクタンスがいっそう増加するという利点が得られる。
(第1実施形態の変形例)
図6及び図7は、上記第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタのHIS101で使用された内層ヒダ導体小片123の平面形状の例を示す図である。図8は、図3に示した第1層導体小片102の平面形状の変形例を示す図、図9は図8に示した第1層導体小片102のレイアウト(周期的配置)の例を示す図である。
HIS101では、高周波ノイズ電流Iが迂回する電流経路は、内層ヒダ導体小片123のレイアウト(周期的配置)に依存し、また、高周波ノイズ電流Iは最短の電流経路に集中しやすい。このため、高周波ノイズ電流Iは、貫通ビア107から最短距離の箇所に集中して流れやすい。よって、導体ヒダに相当する内層ヒダ導体小片123のレイアウトを、図6に示すように、内層ヒダ導体小片123の端部に貫通ビア107からの距離が短い部分と長い部分が生じるようにした場合、貫通ビア107との距離が短い導体小片123の端部に電流が集中し、電流集中部120が生じる。その結果、高周波ノイズ電流Iの電流経路は、貫通ビア107から最短距離の箇所に形成されてしまう。
これに対し、内層ヒダ導体小片123のレイアウトを、図7に示すようにすると、すなわち、貫通ビア107から内層ヒダ導体小片123の端部までの最短距離が、図6に示すレイアウトの場合よりも長くなるようにすると、高周波ノイズ電流Iの迂回する経路が長くなる。従って、図6と図7に示すレイアウトを比較すると、図6のレイアウトよりも図7のレイアウトの方が並列インダクタンスは大きい。
このため、高周波ノイズ電流Iをある特定の距離以上、迂回させるためには、貫通ビア107(柱状導体)を中心としてそれからある特定の距離以上の半径を持つ円111を想定し、その円111が内層ヒダ導体小片123の内部に完全に含まれ、且つ隣接する内層ヒダ導体小片123とは重ならないように、内層ヒダ導体小片123のレイアウトを設定すればよい。
なお、本第1実施形態のHIS101を構成する導体小片102のレイアウトは、図1の上面図に示した正方形に限定されないことは言うまでもない。例えば、図18に示した正六角形の三角格子配列などでもよい。また、内層ヒダ導体小片123の平面形状も任意であり、図3に示したような円形でもよいし、図7に示したような多角形でもよい。
バンドギャップ帯域幅を狭めてもよいが、第1層導体小片102をさらに小型化したい場合や、図1に示した正方形の場合よりもバンドギャップ帯域を低くしたい場合には、並列インダクタンスと同時に直列容量Cを増やすことも可能である。
例えば、図8や図9に示すような隣接する第1層導体小片102aが互いに噛み合う形態(インタディジタル構造)を採用することにより、隙間領域131において隣接する二つの第1層導体小片102aの対向する辺を長くすることができ、それによって直列容量Cを増加させることができる。こうすると、ヒダ付き導体柱103による並列インダクタンスの増加とともに、直列容量Cの増加が可能である。
(第2実施形態)
図10〜図12は、本発明の第2実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを示す。図10はそのコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの上面図、図11は図10のA−A’線に沿った部分断面図、図12は図11に示したHISを構成要素ごとに分解して示した断面説明図である。
本第2実施形態は、図8と図9に示したように、隣接する第1層導体小片102を互いに噛み合う構造(インタディジタル構造)にすることなく、並列インダクタンスLと同時に直列容量Cをも増大させたものである。
本第2実施形態のHIS201は、図10および図11に示すように、プリント回路基板上に周期的に配置された複数の第1導体要素204と、同基板上に周期的に配置された複数の第2導体要素214とを備えている。導体要素204および214(つまり後述の第1層導体小片202および212)のレイアウトは、例えば図1に示した二次元周期的配置とすることができる。図10に明瞭に示すように、導体要素204および214(つまり後述の第1層導体小片202および212)の平面形状は、いずれも正方形である。
第1導体要素204と第2導体要素214の配置周期は同一である。隣接する第1層導体小片202と第2層導体小片212は、部分的に重なっており、両者の間には重なり領域251が形成されている。重なり領域251は、第2導体要素214の周期的配置に対して第1導体要素204の周期的配置を上下方向および左右方向にそれぞれ半周期ずらして配置することにより、容易に形成できる。
HIS201は、図11に示すような断面構造を持っており、プリント回路基板の導体層と誘電体板を利用して形成されている。
プリント回路基板は、第1実施形態と同様に、第1〜第5の導体層と第1〜第4の誘電体板206を交互に配置して構成されている。プリント回路基板の表面の第1導体層(最上位導体層)には、周期的に配置された複数の第1層導体小片202が形成されている。第1誘電体板206を挟んで前記第1導体層に隣接する同プリント回路基板の第2導体層には、周期的に配置された複数の第2層導体小片212が形成されている。同プリント回路基板の裏面の第5導体層(最下位導体層)は、その全体がグランドプレーン5になっている。
第2層導体小片202とグランドプレーン5との間に配置された第3〜第4の導体層には、それぞれ導体小片が形成されているが、これら二つの導体小片はそれぞれ内層ヒダ導体小片223を構成しており、「ヒダ導体」に対応する。
同プリント回路基板には、さらに、同プリント回路基板をその厚さ方向に貫通する複数の貫通ビア207が形成されている。各貫通ビア207は、第1〜第5の導体層と第1〜第4の誘電体板206を貫通していて、同プリント回路基板の表面から裏面まで延在している。同プリント回路基板の第1導体層と第5導体層には、それぞれ開口が形成されている。各貫通ビア207は、その内周面が導電膜で覆われた導電膜付き貫通ビアである。導電膜付きの各貫通ビア207は、「柱状導体」に対応する。
図11および図12に示すように、第3〜第4の導体層に形成された二層の内層ヒダ導体小片223は、対応する貫通ビア207の周囲に鍔状に配置されていると共に、当該貫通ビア207の内周面の導体膜に機械的・電気的に接続されている。こうして接続・一体化された貫通ビア207と二層の内層ヒダ導体小片223は、第1ヒダ付き導体柱203または第2ヒダ付き導体柱213を構成している。第1層導体小片202の直下にある貫通ビア207と二層の内層ヒダ導体小片223は、第1ヒダ付き導体柱203を構成し、第2層導体小片212の直下にある貫通ビア207と二層の内層ヒダ導体小片223は第2ヒダ付き導体柱213を構成している。
第1ヒダ付き導体柱203では、貫通ビア207の上端が対応する第1層導体小片202に機械的・電気的に接続されていて、画鋲状の第1導体要素204を構成している。第1ヒダ付き導体柱203の第2導体層に対応する箇所には、導体は存在していない。第1ヒダ付き導体柱203(貫通ビア207)の下端は、グランドプレーン5(第5導体層)に機械的・電気的に接続されている。
第2ヒダ付き導体柱213では、貫通ビア207の第2導体層に対応する箇所が対応する第2層導体小片212に機械的・電気的に接続されていると共に、貫通ビア207の上端が第2層導体小片212を貫通して同プリント回路基板の表面まで達していて、独楽状の第2導体要素214を構成している。第2ヒダ付き導体柱213の第1導体層に対応する箇所には、導体は存在していない。第2ヒダ付き導体柱213(貫通ビア207)の下端は、グランドプレーン5(第5導体層)に機械的・電気的に接続されている。
このような構成を持つ第1および第2のヒダ付き導体柱203および213は、同プリント回路基板に貫通ビア207を形成した後、その内周面に導電膜をメッキすることにより、容易に形成することができる。
第1導体要素204の第1層導体小片202と、第2導体要素214の第2層導体小片212と、内層ヒダ導体小片223の厚みは、いずれも、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上に設定している。例えば、プリント回路基板100の導体層として銅板を用いた場合、30MHzにおける表皮深さが約12μmであるため、通常のプリント回路基板の製造プロセスで用いられる銅板の厚さが35μmであれば、少なくとも30MHz以上では銅板の板厚が表皮深さの2倍以上という条件が満たされる。また、銅板として厚さ15μmのものを用いた場合でも、100MHz以上では銅板の板厚が表皮深さの2倍以上という条件が満たされる。
本第2実施形態のコモンモード電流抑制フィルタでは、以上の構成を持つHIS201を備えているので、上記第1実施形態で述べたのと同じ理由により、上記プリント回路基板の内部の回路動作特性が、グランドプレーン5を流れる高周波ノイズ電流Iにより影響を受けるといった状況を防ぐことが可能であり、実用上問題のない大きさに小形化することが容易であり、安価な多層プリント回路基板を使用して実装することが可能である、といった効果が得られる。
また、本第2実施形態のHIS201では、上記第1実施形態のHIS101と同様の構成を有しているので、内層ヒダ導体小片223がない場合に比べて並列インダクタンスが増大している。しかも、第1導体要素204と第2導体要素214の重なり領域251において、第1層導体小片202と第2層導体小片212とが誘電体板206を介して対向する構造となっているため、重なり領域251において隣接する第1導体要素204と第2導体要素214とが容量結合する。従って、図1から図9までに示した上記第1実施形態とその変形例のHIS101に比べて、直列容量が増大しており、しかもその直列容量は、重なり領域251の面積を変えることにより容易に調整することが可能である。
さらに、直列容量の増大によって、より低い帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能を得ることができる。他方、バンドギャップ帯域幅を狭めてもよい場合は、当該コモンモード電流抑制フィルタをいっそう小型化することが可能である。
なお、HIS201を構成する第1層導体小片202および第2層導体小片212の平面形状は、図10に示した正方形の四角格子配置に限定されない。例えば、正六角形の三角格子配置等でもよい。
また、第1〜第4の誘電体板206の一部もしくは全てを、絶縁性の高透磁率材料で形成してもよい。この場合、並列インダクタンスがいっそう増加するという利点が得られる。
(第3実施形態)
図13は、本発明の第3実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの上面図である。
本第3実施形態は、導体要素を、上記第1および第2実施形態のように正方格子状、もしくは三角格子状に周期的配置することによってではなく、コネクタ108付近のある点315を中心として導体要素を同心円弧状に配置することにより、HIS301を構成したものである。
本第3実施形態で用いられるHIS301は、図13に示すように、プリント回路基板100の表面に設けられたコネクタ108の周囲に、そのコネクタ108の三方向を囲むように形成されている。
HIS301は、プリント回路基板100上に周期的に配置された複数の導体要素を備えており、それら導体要素(つまり後述の第1層導体小片302)のレイアウトは、図13に示すように、コネクタ108を中心とした扇形領域内での二次元周期的配置である。導体要素は、コネクタ108に接続されたケーブル109が延在する方向には存在していない。導体要素(すなわちHIS301)とコネクタ108との間には、所定の間隔が設けられており、したがって導体要素104(HIS301)はコネクタ108から離隔している。各導体要素(第1層導体小片302)の平面形状は、図13に明瞭に示すように、扇形である。
HIS301の各導体要素を構成する第1導体層小片302は、コネクタ108付近の点315を中心とした三つの同心円弧上に周期的に配置されていると共に、それら同心円弧の共通の動径方向に放射状に周期的に配置されている。図13では、動径方法に等間隔に並んでいる三つの円弧の各々に沿って、等角度間隔で扇形の第1導体層小片302が配置されている。同一円弧上の第1導体層小片302は、同じ平面形状を持つ。三つの円弧上に配置された第1導体層小片302の大きさは、点315からの距離に応じて徐々に増加している。なお、符号307は貫通ビアを、符号323は内層ヒダ導体小片を、それぞれ示す。
HIS301の各導体要素の他の構成は、上述した第1実施形態のHIS101の導体要素104と同じである。
HIS301がない場合には、プリント回路基板100から高周波ノイズ電流がコネクタ108に集中する経路をとり、またケーブル109から伝わる高周波ノイズ電流がコネクタ108からプリント回路基板100のグランドプレーンへ放射状に伝播することが想定される。しかし、本第3実施形態のHIS301を図13のようなレイアウトでコネクタ108の近傍に配置すると、高周波ノイズ電流が効率的に抑制され、それと同時に外部の不要電磁波によりケーブル109に伝わった高周波ノイズ電流のプリント回路基板100への伝播も効率的に抑制される。よって、プリント回路基板100の内部の回路動作特性が、グランドプレーンを流れる高周波ノイズ電流により影響を受けるといった状況を防ぐことが可能である。
また、本第3実施形態のコモンモード電流抑制フィルタでは、上述したような構成のHIS301を使用しているため、プリント回路基板100の貫通ビア307(ヒダ付き導体柱)を長くすることなく並列インダクタンスを増やすことができ、したがって、それだけプリント回路基板100を薄くすることが可能である。また、並列インダクタンスの増大に応じて直列容量を小さくすることが可能になるため、第1導体小片302の辺の長さを短くすることが可能となり、第1導体小片302の小型化が可能となる。その結果、第1層導体小片302がプリント回路基板100の表面を占有する面積が縮小する。よって、当該コモンモード電流抑制フィルタを実用上問題のない大きさに小形化することが容易である。
バンドギャップ帯域幅を狭めてもよい代わりにバンドギャップ周波数を低くしたい場合は、並列インダクタンスと同時に直列容量を増やすことにより実現可能である。また、同じ第1層導体小片302のサイズ当たりの直列容量が増加する構造にすることにより、第1層導体小片302をさらに小型化しても直列容量を稼ぐことができるため、第1層導体小片302の小型化が可能となり、結果として、当該コモンモード電流抑制フィルタをいっそう小型にすることも可能である。他方、並列インダクタンスの増加に応じて直列容量を減少させると、それだけバンドギャップ帯域幅を広げることができるので、広帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能が得られる。
さらに、各ヒダ付導体柱303は、プリント回路基板100の貫通ビア307と内層ヒダ導体小片323を用いて形成されているため、高コストのビルドアップ・プロセスを用いる必要がない。したがって、安価な多層プリント回路基板を使用して当該コモンモード電流抑制フィルタを実装することが可能である。
なお、プリント回路基板100の誘電体板の一部もしくは全てを、絶縁性の高透磁率材料で形成してもよい。この場合、並列インダクタンスがいっそう増加するという利点が得られる。
(第3実施形態の変形例)
図14は本第3実施形態のHIS301の第1層導体小片302の変形例を示す上面図、図15は図14に示した第1層導体小片302aを用いた場合のHIS301aの上面図である。
本第3実施形態で使用されたHIS301の第1層導体小片302の平面形状は、図13に示すように、隣接する二つの第1導体層小片302の対向する辺の長さが異なっている。このため、直列容量の値が異なってしまうという難点がある。これに対し、図14の第1層導体小片302aでは、四つの角の両側を斜めに切除して8角形とされており、これによって第1層導体小片302aの四つの辺L1、L2、L3、L4の長さが互いにほぼ等しくなっている。
図14のような平面形状を持つ第1導体層小片302aを図13と同様のレイアウトで配置して、HIS301aを構成すると、図14に示すようになり、隣接する第1層導体小片302aの対向する辺の長さが互いにほぼ等しくなる。その結果、HIS301aの直列容量を略等しい値にすることが可能となるという効果が得られる。
(第4実施形態)
図16は、本発明の第4実施形態のコモンモード電流抑制フィルタのHISを示す上面図である。
本第4実施形態は、上記第3実施形態(図13を参照)のように、上記第1実施形態(図1および図2を参照)における導体要素104を、コネクタ108付近のある点315を中心として同心円弧状に配列してHIS301を構成するのではなく、上記第2実施形態における第1導体要素204と第2導体要素214をコネクタ108付近のある点415を中心として同心円弧状に配列することにより、HIS401を構成したものである。
本第4実施形態で用いられるHIS401は、図16に示すように、プリント回路基板の表面に設けられたコネクタ108の周囲に、そのコネクタ108の三方向を囲むように形成されている。
HIS401は、プリント回路基板上に周期的に配置された複数の第1導体要素404と複数の第2導体要素414を備えており、それら導体要素404および414(つまり後述の第1層導体小片402と第2層導体小片412)のレイアウトは、図16に示すように、コネクタ108を中心とした扇形領域内での二次元周期的配置である。導体要素404および414は、コネクタ108に接続されたケーブルが延在する方向には存在していない。導体要素404および414(すなわちHIS401)とコネクタ108との間には、所定の間隔が設けられており、したがって導体要素404および414(HIS401)はコネクタ108から離隔している。
第1導体要素404および第2導体要素414の各々(第1層導体小片402と第2層導体小片412)の平面形状は、図16に明瞭に示すように、扇形の四つの角を斜めに落としてなる八角形である。これは、図14および図15に示した第1層導体小片302aのように、隣接する第1層導体小片402の対向する辺の長さを互いにほぼ等しくすると共に、隣接する第2層導体小片412の対向する辺の長さを互いにほぼ等しくし、HIS401の直列容量を略等しい値にするためである。
HIS401の第1導体要素404を構成する第1導体層小片402は、コネクタ108付近の点415を中心とした複数の同心円弧上に周期的に配置されていると共に、それら同心円弧の共通の動径方向に放射状に周期的に配置されている。図16では、動径方法に等間隔に並んでいる複数の円弧の各々に沿って、等角度間隔で扇形の第1導体層小片402が配置されている。同一円弧上の第1導体層小片402は、同じ平面形状を持つ。複数の円弧上に配置された第1導体層小片402の大きさは、点415からの距離に応じて徐々に増加している。なお、符号407は貫通ビアを、符号423は内層ヒダ導体小片を、それぞれ示す。
第2導体要素414のレイアウトは、第1導体要素404のそれと同一であるが、第1導体要素404に対して所定距離ずれている。このため、隣接する第1層導体小片402と第2層導体小片412は、部分的に重なっており、両者の間には重なり領域451が形成されている。重なり領域451は、第2導体要素414の周期的配置に対して第1導体要素404の周期的配置を円周方向および動径方向にそれぞれ半周期ずらして配置することにより、形成されている。
第1導体要素404と第2導体要素414の他の構成は、それぞれ、上述した第2実施形態のHIS201の第1導体要素204および第2導体要素214と同じである。
本第4実施形態のHIS401を図16のようなレイアウトでコネクタ108の近傍に配置すると、高周波ノイズ電流が効率的に抑制され、それと同時に外部の不要電磁波によりケーブル109に伝わった高周波ノイズ電流のプリント回路基板への伝播も効率的に抑制される。よって、プリント回路基板の内部の回路動作特性が、グランドプレーンを流れる高周波ノイズ電流により影響を受けるといった状況を防ぐことが可能である。
また、本第4実施形態のコモンモード電流抑制フィルタでは、上述したような構成のHIS401を使用しているため、プリント回路基板の貫通ビア407(ヒダ付き導体柱)を長くすることなく並列インダクタンスを増やすことができ、したがって、それだけプリント回路基板を薄くすることが可能である。また、並列インダクタンスの増大に応じて直列容量を小さくすることが可能となるため、重なり領域451の小型化が可能となり、第1層導体小片402および第2層導体小片412の小型化が可能となる。その結果、第1層導体小片402および第2層導体小片412がプリント回路基板の表面を占有する面積が縮小する。よって、当該コモンモード電流抑制フィルタを実用上問題のない大きさに小形化することが容易である。
バンドギャップ帯域幅を狭めてもよい代わりにバンドギャップ周波数を低くしたい場合は、並列インダクタンスと同時に直列容量を増やすことにより実現可能である。また、同じ第1層導体小片402のサイズ当たりの直列容量が増加する構造にすることにより、第1層導体小片402および第2層導体小片412をさらに小型化しても直列容量を稼ぐことができるため、第1層導体小片402および第2層導体小片412の小型化が可能となり、結果として、当該コモンモード電流抑制フィルタをいっそう小型にすることも可能である。他方、並列インダクタンスの増加に応じて直列容量を減少させると、それだけバンドギャップ帯域幅を広げることができるので、広帯域にわたって上述した電磁放射抑制機能が得られる。
さらに、各ヒダ付導体柱は、プリント回路基板の貫通ビア407と内層ヒダ導体小片423を用いて形成されているため、高コストのビルドアップ・プロセスを用いる必要がない。したがって、安価な多層プリント回路基板を使用して当該コモンモード電流抑制フィルタを実装することが可能である。
なお、プリント回路基板の誘電体板の一部もしくは全てを、絶縁性の高透磁率材料で形成してもよい。この場合、並列インダクタンスがいっそう増加するという利点が得られる。
(変形例)
上記第1〜4の実施形態は本発明の好適な例を示すものである。したがって、本発明はこれら実施形態に限定されず、種々の変形が可能なことは言うまでもない。 例えば、上記第1〜4の実施形態では、プリント基板上において、複数の第1層導体小片がコネクタを取り囲むように略U字状または円弧状の領域を占有しているが、本発明はこれには限定されない。複数の第1層導体小片の占有領域の形状は、必要に応じて任意に変更が可能である。
本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの上面図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの断面図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの部分拡大上面図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタのHISを構成する導体要素の斜視図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタのHISにおける高周波ノイズ電流の電流経路を示す断面説明図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタの内層ヒダ導体小片における電流集中を説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタの内層ヒダ導体小片の変形例を示す上面図である。 本発明の第1実施形態のコモンモード電流抑制フィルタの第1層導体小片の変形例を示す上面図である。 図8に示した第1層導体小片により構成されるHISの一例を示す上面図である。 本発明の第2実施形態であるコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの上面図である。 図10のA−A´線に沿った部分断面図である。 図11に示したHISを構成要素ごとに分解して示した部分断面説明図である。 本発明の第3実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの上面図である。 本発明の第3実施形態のコモンモード電流抑制フィルタのHISで使用された第1層導体小片の変形例を示す上面図である。 図14に示した第1層導体小片により構成されるHISの一例を示す上面図である。 本発明の第4実施形態のコモンモード電流抑制フィルタを構成するHISの上面図である。 従来のHISの一例を示す断面図である。 図17に示した従来のHISの導体小片のレイアウトの一例を示す上面図である。 図17に示した従来のHISの導体小片のレイアウトの他の例を示す上面図である。 図17に示した従来のHISの等価回路図である。 従来のHISの他の例を示す断面図である。 図21に示した従来のHISの等価回路図である。 図21に示した従来のHISにおいてインダクタンス要素としてスパイラルコイルを用いた場合の上面図である。 図21に示した従来のHISにおいてインダクタンス要素としてミアンダコイルを用いた場合の上面図である。
符号の説明
1、1a 従来のHIS
2 導体小片
3 導体柱
4 導体要素
5 グランドプレーン
6 誘電体板
7 第1導体柱
8 インダクタンス要素
15 インダクタンス要素と第1導体柱との接続点
16 第1誘電体板
17 第2導体柱
18 スパイラルコイル
25 インダクタンス要素と第2導体柱との接続点
26 第2誘電体板
28 ミアンダコイル
100 プリント回路基板
101、201、301、301a、401 本発明のHIS
102、102a、202、302、302a、402 第1層導体小片
103 ヒダ付き導体柱
104 導体要素
106、206 誘電体板
107、207、307、407 貫通ビア
106 誘電体板
108 コネクタ
109 ケーブル
110 電流経路
111 円
120 電流集中部
123、223、323、423 内層ヒダ導体小片
131 隙間領域
203、403 第1ヒダ付き導体柱
204、404 第1導体要素
212、412 第2層導体小片
213、413 第2ヒダ付き導体柱
214、414 第2導体要素
251、451 重なり領域
315、415 円弧の中心

Claims (9)

  1. 表面にコネクタを有するプリント回路基板上に設けられるコモンモード電流抑制フィルタであって、
    前記プリント回路基板の表面の前記コネクタの周辺部には、所定の周波数帯で電磁波の伝播を阻止するバンドギャップを持つ電磁バンドギャップ材料よりなる高インピーダンス面が形成されており、
    前記高インピーダンス面は、
    前記プリント回路基板の第1導体層に周期的に配置された複数の第1導体小片と、
    前記プリント回路基板の第2導体層に形成されたグランドプレーンと、
    前記第1導体小片の各々と前記グランドプレーンとを電気的に接続する複数の第1ヒダ付き導体柱とを備えており、
    前記第1ヒダ付き導体柱の各々は、前記プリント回路基板の前記第1導体層と前記第2導体層との間に延在する第1柱状導体と、その第1柱状導体に装着された第1ヒダ導体とを有しており、
    前記第1ヒダ導体の厚さは、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上とされていることを特徴とするコモンモード電流抑制フィルタ。
  2. 前記第1導体小片が前記プリント回路基板の表面もしくは内層に配置され、前記グランドプレーンが前記プリント回路基板の裏面もしくは前記第1導体小片とは異なる内層に配置され、前記第1柱状導体が前記プリント回路基板の裏面からその表面まで延在する貫通ビアを用いて形成されている請求項1に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  3. 前記プリント回路基板の前記第1導体層と前記第2導体層の間にある前記プリント回路基板の第3導体層に、複数の第2導体小片が周期的に配置され、
    前記第2導体小片の各々と前記グランドプレーンとは、複数の第2ヒダ付き導体柱によって電気的に相互接続され、
    前記第2ヒダ付き導体柱の各々は、前記プリント回路基板の前記第3導体層と前記第2導体層との間に延在する第2柱状導体と、その第2柱状導体に装着された第2ヒダ導体とを有し、
    前記第2ヒダ導体の厚さは、所望のバンドギャップ周波数帯における表皮深さの2倍以上とされ、
    上面から見たときに前記第1層導体小片と前記第2層導体小片は部分的に重なるように配置されている請求項1または2に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  4. 前記第1ヒダ付き導体柱の前記第1ヒダ導体が、対応する前記第1柱状導体を中心とする且つ所定の半径を持つ円を包含するような平面形状を有していると共に、隣接する他の前記第1ヒダ導体とは重ならないように配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  5. 互いに隣接する前記第1導体小片が、互いに噛み合った形態で配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  6. 前記第1導体小片と前記第1ヒダ付き導体柱が、前記コネクタまたはその近傍に中心を置く複数の同心円上または同心円弧上に、それら同心円または同心円弧の動径に沿って周期的に配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  7. 前記第2導体小片と前記第2ヒダ付き導体柱も、前記コネクタまたはその近傍に中心を置く複数の同心円上または同心円弧上に、それら同心円または同心円弧の動径に沿って周期的に配置されている請求項6に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  8. 前記第1導体小片の各々が、隣接する他の前記第1導体小片と接する辺の長さが略等しくされている請求項1〜7のいずれか1項に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
  9. 前記プリント回路基板の誘電体板が、絶縁性の磁性材料を用いて形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載のコモンモード電流抑制フィルタ。
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