JP2007228222A - Ebgマテリアル - Google Patents
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Abstract
【課題】低い周波数帯で動作するEBGマテリアルであっても、小形でスルーホールを必要としないEBGマテリアルを得る。
【解決手段】特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルにおいて、基板3表面上に圧電共振子1を一次元的あるいは二次元的に配列し、隣接する前記圧電共振子同士を容量性リアクタンス要素により電気的に接続する。また、前記容量性リアクタンス要素として、インターディジタルキャパシタ、メアンダライン、チップコンデンサのいずれかを用いる。または、基板3表面上に圧電共振子1を一次元的あるいは二次元的に配列し、圧電共振子1を、各端部間の距離が互いに等間隔となるように配置する。
【選択図】図1
【解決手段】特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルにおいて、基板3表面上に圧電共振子1を一次元的あるいは二次元的に配列し、隣接する前記圧電共振子同士を容量性リアクタンス要素により電気的に接続する。また、前記容量性リアクタンス要素として、インターディジタルキャパシタ、メアンダライン、チップコンデンサのいずれかを用いる。または、基板3表面上に圧電共振子1を一次元的あるいは二次元的に配列し、圧電共振子1を、各端部間の距離が互いに等間隔となるように配置する。
【選択図】図1
Description
この発明は、特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルに関するものである。
モノポールアンテナの地板の大きさが有限の場合、地板表面に流れる電流が地板端部で回折し、その回折波の影響により、地板裏面への放射が生ずる。そして、この放射により、アンテナ利得の低下及び指向性の乱れが生ずるという問題がある。このような問題を解消するために、フォトニックバンドギャップ(PBG)マテリアルまたはエレクトロマグネティックバンドギャップ(EBG)マテリアルの一形態である高インピーダンスグランド板を用いたアンテナ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、PBGマテリアルまたはEBGマテリアルは、誘電体または金属等の物質を波長オーダの周期で二次元または三次元に周期的に配置した構造をとることにより、その内部または平面上で特定周波数帯の電磁波の伝搬、すなわち表面電流の伝搬が禁止されるバンドギャップと呼ばれる周波数領域を形成する構造である。バンドギャップは、マイクロ波帯の電波から光波まで、それぞれ特有の構造によって形成される。
特許文献1に記載のアンテナ装置は、特定周波数帯の電磁波が伝搬する第一の基板と、第一の基板の周辺に設けられ、特定周波数の電磁波の伝搬を阻止するバンドギャップを有する第二の基板からなり、第二の基板は、等間隔に二次元配列された正六角形の金属小板と、第一の基板である金属板がスルーホールで電気的に接続されている。これにより、第一の基板の中心部に設置されたモノポールアンテナが励振する特定周波数の電磁波の裏面反射を抑圧するものである。
従来の高インピーダンスグランド板は、誘電体の表面に六角形の金属小板を周期的に二次元配置し、誘電体の裏面の金属板と金属棒であるスルーホールで電気的に接続することにより、隣接する六角形の金属小板間のギャップが静電容量成分Cを形成する。さらに、六角形の金属小板の端部→スルーホール→金属板→スルーホール→金属小板端部の電流経路により、インダクタンス成分Lを形成するようにしたものである。
これら静電容量成分Cおよびインダクタンス成分Lからなるユニットが隣接することにより、LC並列共振回路が形成される。このLC並列共振回路が金属板上に多数形成されたものがLC共振周波数において高いインピーダンス特性を有すことにより、バンドギャップを形成する。
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。従来の高インピーダンスグランド板は、LC並列共振を利用しており、バンドギャップを形成する周波数である共振周波数は、インダクタンス成分Lを形成するスルーホールの長さおよび静電容量成分Cを形成する金属小板間の距離に依存する。共振周波数を低い周波数に設定する場合、インダクタンス成分Lおよび静電容量成分Cは大きな値が必要となる。インダクタンス成分Lを増大させるためには、スルーホールを長くすることで対応できるが、これに伴い高インピーダンスグランド板の厚さが大きくなるという課題がある。また、スルーホールは機械加工が必要であり、その加工精度に所望の素子値を得ることができない課題や製造コスト面に課題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、低い周波数帯で動作するEBGマテリアルであっても、小形でスルーホールを必要としないEBGマテリアルを得ることを目的とするものである。
この発明に係るEBGマテリアルは、特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルにおいて、基板の表面上に圧電共振子を一次元的あるいは二次元的に配列し、隣接する前記圧電共振子同士を容量性リアクタンス要素により電気的に接続する構造を有することを特徴とする。
また、他の発明に係るEBGマテリアルは、特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルにおいて、基板の表面上に圧電共振子を一次元的あるいは二次元的に配列し、前記圧電共振子は、各端部間の距離が互いに等間隔となるように配置されることを特徴とする。
この発明によれば、低い周波数帯で動作するEBGマテリアルであっても、小形でスルーホールを必要としないEBGマテリアルを得ることができる。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るEBGマテリアルについて図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るEBGマテリアルを示す断面図であり、図2は上面図である。さらに、図3は、圧電薄膜共振子の構造を示す断面図であり、図4は、圧電薄膜共振子の電気的等価回路を示す図であり、図5は圧電薄膜共振子のアドミタンス特性を示す図であり、図6はこの発明の実施の形態1におけるEBGマテリアルの電気的な機能の説明図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
この発明の実施の形態1に係るEBGマテリアルについて図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るEBGマテリアルを示す断面図であり、図2は上面図である。さらに、図3は、圧電薄膜共振子の構造を示す断面図であり、図4は、圧電薄膜共振子の電気的等価回路を示す図であり、図5は圧電薄膜共振子のアドミタンス特性を示す図であり、図6はこの発明の実施の形態1におけるEBGマテリアルの電気的な機能の説明図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
この発明のEBGマテリアルは、圧電薄膜共振子1、容量性リアクタンス要素2で構成される。圧電薄膜共振子1は、基板3、第一の電極4、圧電体5、第二の電極6で形成されている。
実施の形態1におけるEBGマテリアルの構造について、図1、図2を用いて説明する。実施の形態1におけるEBGマテリアルは、圧電薄膜共振子1が一次元的あるいは二次元的に配列されており、隣接する前記圧電薄膜共振子1の第一の電極4同士が、容量性リアクタンス要素2により電気的に接続されている。
ここで、圧電薄膜共振子1について、図3を用いて説明する。図3のように、圧電薄膜共振子1は、Siなどの基板の上にZnOやAlN等の圧電体と電極を薄く形成して共振子とするものである。図3における圧電薄膜共振子は、基板3、第一の電極4、圧電体5、および第二の電極6で構成される。なお、圧電体5は圧電体に限るものではなく、圧電性を有するものを利用した場合も同様の効果を得ることができる。
圧電薄膜共振子1は、バルク波振動を用いた共振子であり、厚み縦振動を利用するものが多い。圧電薄膜共振子1は、基板上に形成されるため、基板に束縛されない自由な振動を得る必要がある。これには、次の2通りの方法がある。一つは、基板を共振子の下部のみエッチングすることで空気との境界を得る方法であり、もう一つは、共振子の下部に音響多層膜を形成してバルク波のブラッグ反射を利用して共振を得るものである。ここでは、図3に示したエッチングを利用した圧電薄膜共振子1について説明するが、ブラッグ反射を利用した圧電薄膜共振子1を利用した場合も、同様の効果を得ることができる。
図4は、圧電薄膜共振子1の電気的等価回路を示す図である。圧電薄膜共振子1の電気的等価回路は、インダクタL、コンデンサC、抵抗Rの直列回路と、これに並列接続されたコンデンサC0によって表すことができる。また、各素子値は、圧電体5の厚さによって決定することができる。
図5は、圧電薄膜共振子1のアドミタンス特性を模式的に示す図である。図5の縦軸は圧電薄膜共振子1のアドミタンスの虚部を示している。圧電薄膜共振子1は、共振周波数frよりも低周波数側や、反共振周波数faよりも高周波数側では、虚部が正のアドミタンスを示し、それ以外では、負のアドミタンスを示す。すなわち、共振周波数frよりも低周波数側や、反共振周波数faよりも高周波数側では、容量性を示し、それ以外では、誘導性を示す。また、一般に、圧電薄膜共振子1の共振周波数、反共振周波数は数百MHz〜数GHzとなる。共振周波数および反共振周波数は、圧電体5の厚さによって調整することができる。よって、この発明の実施の形態1において、圧電薄膜共振子1は、バンドギャップを形成したい周波数範囲で誘導性を示すように構成することで、バンドギャップの周波数範囲で、インダクタンス要素として用いることができる。
次に、この発明の実施の形態1におけるEBGマテリアルの動作について説明する。実施の形態1によるEBGマテリアルは、隣接する圧電薄膜共振子1同士が容量性リアクタンス要素2により電気的に接続されている。したがって、実施の形態1によるEBGマテリアルを等価回路で示すと、図6(a)のようになる(図では抵抗成分は省略している)。しかし、上述したとおり、圧電薄膜共振子1は共振周波数より高く、反共振周波数よりも低い周波数では容量性を示すため、前記周波数における等価回路は、図6(b)とおくことができる。したがって、各セルは、容量性リアクタンス要素とインダクタ要素とからなるため、LC並列共振回路と考えることができる。
上述のようなLC並列共振回路が多数形成されたものが、LC共振周波数において高いインピーダンス特性を有するようになる。よって、LC共振周波数において、インピーダンスが高くなるバンドギャップを形成する。バンドギャップは、特定周波数の電磁波の伝搬を抑制し、バンドギャップの範囲外の周波数帯では、金属板としてふるまう。
実施の形態1におけるEBGマテリアルは、LC共振周波数において、次の二つの特徴を有する。
1)EBGマテリアルに入射した電磁波は、同相で反射される(通常の金属板では、逆相で反射される)。
2)EBGマテリアルには、LC共振周波数およびその近傍の周波数成分を有する表面電流が流れない。
1)EBGマテリアルに入射した電磁波は、同相で反射される(通常の金属板では、逆相で反射される)。
2)EBGマテリアルには、LC共振周波数およびその近傍の周波数成分を有する表面電流が流れない。
また、LC共振周波数は、インダクタ要素のインダクタンスと容量性リアクタンス要素の静電容量で決定することができる。上記インダクタンスは、圧電薄膜共振子1の圧電体5の厚さで調整することができるため、所望のインダクタンスを容易に得ることができる。
さらに、低周波数でバンドギャップを形成させるためには、上記インダクタンスを大きくしなければならない。したがって、従来の構造では、電流経路であるスルーホールを長くしなくてはならず、素子のサイズが大きくなってしまう問題がある。
これに対して、この発明の実施の形態1のEBGマテリアルは、圧電薄膜共振子1の圧電体5の厚さを調整することでインダクタンスを大きくすることができる。一般に、圧電体5は、数μm程度であるため、スルーホールを用いる従来の構造より、小形化することができる。
また、スルーホールは機械加工を必要とするため、加工精度により所望のインダクタンスを得られない問題や、製造コストが高くなる問題があるが、実施の形態1のEBGマテリアルはスルーホールを必要としないため、上記の問題も克服できる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2では、容量性リアクタンス要素2の具体例として、インターディジタルキャパシタ7を用いる場合について説明する。図7は、この発明の実施の形態2におけるEBGマテリアルを示す図である。実施の形態1の構成図である図2と比較すると、図7は、圧電体5上に容量性リアクタンス要素2としてインターディジタルキャパシタ7が形成されている。EBGマテリアルの動作原理については実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
この発明の実施の形態2では、容量性リアクタンス要素2の具体例として、インターディジタルキャパシタ7を用いる場合について説明する。図7は、この発明の実施の形態2におけるEBGマテリアルを示す図である。実施の形態1の構成図である図2と比較すると、図7は、圧電体5上に容量性リアクタンス要素2としてインターディジタルキャパシタ7が形成されている。EBGマテリアルの動作原理については実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
次に、容量性リアクタンス要素2として用いるインターディジタルキャパシタ7について、図面を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態2における容量性リアクタンス要素2に相当するインターディジタルキャパシタ7の構成を示す図である。図8におけるインターディジタルキャパシタ7は、少なくとも2本以上の電極指8により構成されている。少なくとも2本以上の電極指8を互いに交差するように配置することにより、コンデンサとして動作する。インターディジタルキャパシタ7の静電容量は、電極指8の本数、幅、長さ、あるいは隣接する電極指8の間隔により決定することができる。したがって、これらを調整することで所望の静電容量を容易に得ることができる。
図7では、インターディジタルキャパシタ7を圧電体5の上に形成しているが、これに限るものではなく、誘電体等の別の基板上にインターディジタルキャパシタを形成し、圧電薄膜共振子1に接続しても同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、容量性リアクタンス要素2の具体例として、メアンダライン9を用いる場合について説明する。図9は、この発明の実施の形態3におけるEBGマテリアルを示す図である。実施の形態1の構成図である図2と比較すると、図9は圧電体5上に容量性リアクタンス要素2としてメアンダライン9が形成されている。EBGマテリアルの動作原理については実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
本実施の形態3では、容量性リアクタンス要素2の具体例として、メアンダライン9を用いる場合について説明する。図9は、この発明の実施の形態3におけるEBGマテリアルを示す図である。実施の形態1の構成図である図2と比較すると、図9は圧電体5上に容量性リアクタンス要素2としてメアンダライン9が形成されている。EBGマテリアルの動作原理については実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
メアンダライン9は、線路パターンとして形成することができるので、所望の静電容量を容易に得ることが可能となる。
図9では、メアンダライン9を圧電体5の上に形成しているが、これに限るものではなく、誘電体等の別の基板上にメアンダライン9を形成し、薄膜圧電共振子1に接続しても同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、容量性リアクタンス要素2の具体例として、チップコンデンサ10を用いる場合について説明する。図10は、この発明の実施の形態3におけるEBGマテリアルを示す図である。実施の形態1の構成図である図2と比較すると、図10は容量性リアクタンス要素2として、チップコンデンサ10を備えている。EBGマテリアルの動作原理については実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
本実施の形態4では、容量性リアクタンス要素2の具体例として、チップコンデンサ10を用いる場合について説明する。図10は、この発明の実施の形態3におけるEBGマテリアルを示す図である。実施の形態1の構成図である図2と比較すると、図10は容量性リアクタンス要素2として、チップコンデンサ10を備えている。EBGマテリアルの動作原理については実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
実施の形態2および3と比較すると、本実施の形態4のEBGマテリアルは、容量性リアクタンス要素2としてチップコンデンサ10を用いており、より簡単な構造により、同様の効果を得ることができる。
チップコンデンサは一般に小形で高いQ値を得ることができる。したがって、チップコンデンサを用いることで、低損失な特性が得られ、かつ小形化なEBGマテリアルを得ることができる。
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5におけるEBGマテリアルの断面図である。また、図12は、この発明の実施の形態5におけるEBGマテリアルの上面図である。
図11は、この発明の実施の形態5におけるEBGマテリアルの断面図である。また、図12は、この発明の実施の形態5におけるEBGマテリアルの上面図である。
この発明の実施の形態5におけるEBGマテリアルは、隣接する圧電薄膜共振子1の各端部の距離が互いに等間隔となるよう配置されて構成される。圧電薄膜共振子1は、基板3、第一の電極4、圧電体5、第二の電極6で形成されている。
実施の形態5におけるEBGマテリアルの構造について、図11、図12を用いて説明する。実施の形態5におけるEBGマテリアルは、圧電薄膜共振子1が一次元的あるいは二次元的に周期配列されている。また、隣接する前記圧電薄膜共振子1は、互いに近づけて配置され、前記圧電薄膜共振子が結合するようになっている。
図11に示すように、圧電薄膜共振子1の第一の電極4は、隣接する圧電薄膜共振子1の第一の電極4と結合し、容量性リアクタンス要素を形成する。一方、上述したとおり、圧電薄膜共振子1は、共振周波数frよりも低周波数側や、反共振周波数faよりも高周波数側では、容量性を示し、それ以外では、誘導性を示すため、共振周波数frよりも高周波数側かつ反共振周波数faよりも低周波数側では、インダクタンス要素となる。したがって、実施の形態5によるEBGマテリアルは、容量性リアクタンス要素とインダクタンス要素とが一次元的あるいは二次元的に配列されたLC共振回路と考えることができる。
上述のようなLC並列共振回路が多数形成されたものが、LC共振周波数において高いインピーダンス特性を有するようになる。よって、LC共振周波数において、インピーダンスが高くなるバンドギャップを形成する。バンドギャップは、電磁波の表面伝搬を抑制し、バンドギャップの範囲外の周波数帯では、金属板としてふるまう。
LC共振周波数は、インダクタンス要素のインダクタンスと容量性リアクタンス要素の静電容量で決定することができる。上記インダクタンスは、圧電薄膜共振子1の圧電体5の厚さで調整することができるため、所望のインダクタンスを容易に得ることができる。また、上記静電容量は、隣接する圧電薄膜共振子1の第一の電極4間の距離で調整することができるため、所望の静電容量を容易に得ることができる。
さらに、低周波数でバンドギャップを形成させるためには、上記インダクタンスを大きくしなければならない。しかし、従来の構造では、電流経路であるスルーホールを長くしなくてはならず、素子のサイズが大きくなってしまう問題がある。
これに対して、この発明の実施の形態5のEBGマテリアルは、薄膜圧電共振子1の圧電体5の厚さを大きくすることでインダクタンスを大きくすることができる。一般に圧電体5の厚さは、数μm程度であるため、小形化を実現することができる。
また、スルーホールは機械加工を必要とし、加工精度により所望のインダクタンスを得られない問題や、製造コストが高くなる問題があるが、実施の形態1のEBGマテリアルはスルーホールを必要としないため、上記の問題も克服できる。
また、容量性リアクタンス要素を別途備える必要がないため、小形化、および製造コストのさらなる低減が可能となる。
実施の形態6.
図13は、この発明の実施の形態6におけるEBGマテリアルの断面図である。実施の形態6のEBGマテリアルは、隣接する圧電薄膜共振子1の各端部の距離が互いに等間隔となるよう配置されて構成される。圧電薄膜共振子1は、基板3、第一の電極4、圧電体5、第二の電極6で形成されている。
図13は、この発明の実施の形態6におけるEBGマテリアルの断面図である。実施の形態6のEBGマテリアルは、隣接する圧電薄膜共振子1の各端部の距離が互いに等間隔となるよう配置されて構成される。圧電薄膜共振子1は、基板3、第一の電極4、圧電体5、第二の電極6で形成されている。
実施の形態6におけるEBGマテリアルの構造について、図13を用いて説明する。実施の形態6におけるEBGマテリアルは、圧電薄膜共振子1が一次元的あるいは二次元的に周期配列されている。また、隣接する前記圧電薄膜共振子1は、互いに近づけて配置され、前記圧電薄膜共振子が結合するようになっている。
図13に示すように、圧電薄膜共振子1の圧電体5は、第一の電極4の下部は分極されており、第一の電極4の無い部分は未分極である。圧電体5を上記のように構成することにより、圧電薄膜共振子1の第一の電極4は隣接する圧電薄膜共振子1の第一の電極4と強い結合をすることとなる。EBGの動作原理については、上述と同様なのでここでは省略する。
以上説明したように、この発明によれば、低い周波数領域において、電磁波の伝搬、すなわち表面電流の伝搬が禁止されるバンドギャップと呼ばれる周波数領域を形成するEBGマテリアルを小形に実現することが可能となる。また、製造コストを低減することが可能となる。
なお、この発明の実施の形態1〜6の構造を、左手系伝送線路として用いることも可能である。左手系伝送線路は、ある周波数帯で、負の透磁率と負の誘電率を満たすものであり、その結果位相速度と群速度の位相が逆相となる後退波が伝搬する線路である。
この発明の好ましい適用例は、衛星通信機器、移動体通信機器、無線通信機器、高周波通信機器、あるいは、上記の基地局等に用いられる回路要素であって、回路基板、共振器、発振器、方向性結合器、分岐路、フィルタ、デュプレクサ、またはそれらの複合回路等である。
1 圧電薄膜共振子、2 容量性リアクタンス要素、3 基板、4 第一の電極、5 圧電体、6 第二の電極、7 インターディジタルキャパシタ、8 電極指、9 メアンダライン、10 チップコンデンサ。
Claims (5)
- 特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルにおいて、
基板の表面上に圧電共振子を一次元的あるいは二次元的に配列し、隣接する前記圧電共振子同士を容量性リアクタンス要素により電気的に接続する構造を有する
ことを特徴とするEBGマテリアル。 - 請求項1に記載のEBGマテリアルにおいて、
前記容量性リアクタンス要素として、インターディジタルキャパシタを用いた
ことを特徴とするEBGマテリアル。 - 請求項1に記載のEBGマテリアルにおいて、
前記容量性リアクタンス要素として、メアンダラインを用いた
ことを特徴とするEBGマテリアル。 - 請求項1に記載のEBGマテリアルにおいて、
前記容量性リアクタンス要素として、チップコンデンサを用いた
ことを特徴とするEBGマテリアル。 - 特定周波数帯にバンドギャップを有するEBGマテリアルにおいて、
基板の表面上に圧電共振子を一次元的あるいは二次元的に配列し、前記圧電共振子は、各端部間の距離が互いに等間隔となるように配置される
ことを特徴とするEBGマテリアル。
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