JP2009105344A - 板状部品内蔵配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】収容穴部と板状部品との隙間に樹脂充填剤を適切に介在させることにより、信頼性に優れた板状部品内蔵配線基板を提供すること。
【解決手段】セラミックコンデンサ内蔵配線基板10は、コア基板11と、そのコア基板11に形成された収容穴部91内に収容されるセラミックコンデンサ101と、コア基板11及びセラミックコンデンサ101の上面及び下面に形成されるビルドアップ層31,32とを備える。セラミックコンデンサ内蔵配線基板10において、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間を樹脂充填剤92で埋めることでセラミックコンデンサ101がコア基板11に固定される。収容穴部91の断面形状は、コア主面12側からコア裏面13側に行くに従って徐々に広くなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コア基板の内部に板状部品が収容される板状部品内蔵配線基板及びその製造方法に関するものである。
コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体集積回路素子(ICチップ)は、近年ますます高速化、高機能化しており、これに付随して端子数が増え、端子間ピッチも狭くなる傾向にある。一般的にICチップの底面には多数の端子が密集してアレイ状に配置されており、このような端子群はマザーボード側の端子群に対してフリップチップの形態で接続される。ただし、ICチップ側の端子群とマザーボード側の端子群とでは端子間ピッチに大きな差があることから、ICチップをマザーボード上に直接的に接続することは困難である。そのため、通常はICチップをICチップ搭載用配線基板上に搭載し、そのICチップ搭載用配線基板をマザーボード上に搭載するという手法が採用される。この種のICチップ搭載用配線基板においては、ICチップのスイッチングノイズの低減や電源電圧の安定化を図るために、コンデンサ(「キャパシタ」とも言う)を設けることが提案されている。その一例として、高分子材料製のコア基板内にセラミックコンデンサを埋め込み、そのコア基板の表面及び裏面にビルドアップ層を形成した配線基板が従来提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
図12は、従来のICチップ搭載用配線基板200を示している。ICチップ搭載用配線基板200は、ガラスエポキシからなる平板状のコア基板201と、コア基板201の上面の上に形成されるビルドアップ層202と、コア基板201の下面の上に形成されるビルドアップ層203とからなる。コア基板201は、上面及び下面にて開口する収容穴部205を有し、その収容穴部205にセラミックチップ206が収容されている。このICチップ搭載用配線基板200では、収容穴部205の内面とセラミックチップ206の側面との隙間を樹脂充填剤207で埋めることでセラミックチップ206が固定されている。この配線基板200において、ICチップ208を実装する際には、はんだ接合後の温度変化によってセラミックチップ206と収容穴部205との間に応力が発生するが、セラミックチップ206と収容穴部205との間に樹脂充填剤207を介在させることにより、その応力が吸収される。
ところで、収容穴部205は、配線基板200の厚さ方向に貫通する貫通穴であり、セラミックチップ206と収容穴部205との間隔が上面側及び下面側で同じ幅を有するように設けられている。
特開2006−253668号公報 特開2000−261124号公報
ところが、上記配線基板200において、収容穴部205を大きくしてセラミックチップ206との隙間を拡げると、配線パターンを設けるためのスペースが減少してしまう。このため、収容穴部205とセラミックチップ206との隙間は極力狭くしたいが、隙間を狭くすると樹脂充填剤207の充填が困難となり、その隙間の下方まで樹脂充填剤207を確実に充填することができなくなる。この場合、セラミックチップ206と収容穴部205との間に働く応力の吸収が不十分となり、配線基板200の信頼性が低下してしまう。また、上記隙間を拡げた場合には、樹脂充填剤207の充填量不足によって樹脂充填剤207にボイドが発生しやすくなるが、このことも信頼性低下の原因となる。
因みに、特許文献2の配線基板では、コンデンサを収納する収容穴部に段差が設けられ、樹脂充填剤を充填する側の開口面積が大きくなっている。しかし、この段差は、コンデンサに当接してそのコンデンサの上下方向の位置決めをするために形成されたコンデンサ受け部として機能するものであり、樹脂充填剤の充填を容易にするための構成ではない。つまり、この収容穴部における段差の部分では、充填剤が介在することなくコンデンサが直接接触しているため、この部分で発生する応力を十分に吸収することができない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、収容穴部と板状部品との隙間に樹脂充填剤を適切に介在させることにより、信頼性に優れた板状部品内蔵配線基板を提供することにある。また、別の目的は、板状部品内蔵配線基板において収容穴部と板状部品との隙間に樹脂充填剤を確実に充填することができる板状部品内蔵配線基板の製造方法を提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、コア主面及びコア裏面を有し、前記コア主面及び前記コア裏面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品第1主面及び部品第2主面を有し、前記部品第1主面を前記コア主面側に向けかつ前記部品第2主面を前記コア裏面側に向けた状態で前記収容穴部内に収容された板状部品と、コア主面側層間絶縁層とコア主面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア主面及び前記部品第1主面の上に配置され、その表層に半導体集積回路素子がフリップチップ接続されうる複数の第1端子部が形成された第1ビルドアップ層と、コア裏面側層間絶縁層とコア裏面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア裏面及び前記部品第2主面の上に配置され、その表層に他基板に接続されうる複数の第2端子部が形成された第2ビルドアップ層と、前記収容穴部の内面と前記板状部品の側面との隙間を埋めることで前記板状部品を前記コア基板に固定させている樹脂充填剤とを備え、前記コア基板をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる前記収容穴部の断面形状が、前記コア主面側から前記コア裏面側に行くに従って徐々に広くなっていることを特徴とする板状部品内蔵配線基板がある。
従って、手段1の板状部品内蔵配線基板によると、収容穴部の断面形状がコア主面側からコア裏面側に行くに従って徐々に広くなっているので、断面形状が広いコア裏面側から収容穴部と板状部品との隙間に樹脂充填剤を供給することにより、収容穴部の内面と板状部品の側面との隙間にボイドが生じることなく樹脂充填剤を確実に充填することができる。その結果、コア基板における収容穴部と板状部品との間に働く応力を樹脂充填剤で確実に吸収することができ、クラック等の発生を防止することができる。また、コア基板においてコア主面側の表面積が広くなるため、そのコア主面側にて配線パターンを設けるためのスペースを十分に確保することができる。さらに、配線基板に半導体集積回路素子をフリップチップ接続する場合、はんだ接合後の冷却時には、コア裏面側に位置する第2ビルドアップ層は収縮するが、コア主面側に位置する第1ビルドアップ層は半導体集積回路素子があるため殆ど収縮しない。従って、コア基板はコア裏面側に反りやすく、その反りに対して板状部品が追従できないと、コア裏面側ほど応力が集中してしまう。その点に関して、本発明では、収容穴部と板状部品と間に介在される樹脂充填剤はコア裏面側ほど厚くなっているので、その応力集中を確実に吸収することができ、配線基板の信頼性を高めることができる。
前記隙間の大きさは、前記コア主面側にて0.3mm以上0.5mm以下であり、前記コア裏面側にて0.8mm以上1mm以下であることが好ましい。この場合、コア裏面側の隙間は、従来の製品における間隔とほぼ等しいため、そのコア裏面側から樹脂充填剤を容易に充填することができる。また、コア主面側の隙間としては、0.3mm以上の適度な隙間が確保されているため、樹脂充填剤が詰って入り込まなくなることが回避される。さらに、コア主面側の隙間は0.5mm以下であり従来の製品よりも狭くなるため、コア基板におけるコア主面側の表面積を拡げることができ、配線スペースを確保することができる。
前記コア基板をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる前記収容穴部の内面は、凹状に湾曲していることが好ましい。このように収容穴部を形成すれば、樹脂充填剤をよりスムーズに充填することができる。
前記部品第1主面と前記コア主面との段差は、前記部品第2主面と前記コア裏面との段差よりも小さいことが好ましい。この場合、第1ビルドアップ層を段差なく正確に形成することができ、第1ビルドアップ層の第1端子部に半導体集積回路素子を確実にフリップチップ接続することができる。
前記コア裏面側層間絶縁層が前記樹脂充填剤を兼ねていることが好ましい。この場合、樹脂充填剤の形成に際して、コア裏面側層間絶縁層とは別の材料を準備しなくても済むため、配線基板の製造コストを抑えることができる。
前記コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好ましいコア基板は有機材料を主体として形成される。コア基板を形成する有機材料の具体例としては、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。
前記板状部品としては、セラミック製板状部品、金属製板状部品、ガラス製板状部品などの無機材料製板状部品を挙げることができる。セラミック製板状部品を構成するセラミック材料としては、例えばアルミナ、ガラスセラミック、結晶化ガラス等の低温焼成材料、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素などがある。また、金属製板状部品を構成する金属材料としては、鉄、金、銀、銅、銅合金、鉄ニッケル合金、珪素、ガリウム砒素などがある。なお、金属製板状部品としては、半導体集積回路チップ(ICチップ)や、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。ここで、「半導体集積回路チップ」とは、主としてコンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される素子をいう。
一方、好適なセラミック製板状部品の例としては、チップコンデンサや、複数のコンデンサ内ビア導体を有するビアアレイタイプのセラミックコンデンサなどを挙げることができる。なお、セラミックコンデンサは、複数のコンデンサ内ビア導体が全体としてアレイ状に配置されていることが好ましい。このような構造であれば、セラミックコンデンサのインダクタンスの低減化が図られ、ノイズ吸収や電源変動平滑化のための高速電源供給が可能となる。また、セラミックコンデンサ全体の小型化が図りやすくなり、ひいては配線基板全体の小型化も図りやすくなる。しかも、小さい割りに高静電容量が達成しやすく、より安定した電源供給が可能となる。
セラミックコンデンサを構成するセラミック誘電体層としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素などといった高温焼成セラミックの焼結体が好適に使用されるほか、ホウケイ酸系ガラスやホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機セラミックフィラーを添加したガラスセラミックのような低温焼成セラミックの焼結体が好適に使用される。この場合、用途に応じて、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの誘電体セラミックの焼結体を使用することも好ましい。誘電体セラミックの焼結体を使用した場合、静電容量の大きなセラミックコンデンサを実現しやすくなる。
前記樹脂充填剤は、板状部品を固定するためのものであり、応力緩和特性、絶縁性、耐熱性などを考慮して適宜選択することができる。樹脂充填剤を形成するための樹脂材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、この樹脂充填剤の形成材料としては、前記熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂にガラスフィラーを添加した材料等を使用してもよい。
前記第1ビルドアップ層を構成するコア主面側層間絶縁層、及び、前記第2ビルドアップ層を構成するコア裏面側層間絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。コア主面側層間絶縁層及びコア裏面側層間絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
また、本発明の課題を解決するための別の手段(手段2)としては、コア主面及びコア裏面を有し、前記コア主面及び前記コア裏面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品第1主面及び部品第2主面を有し、前記収容穴部内に収容固定された板状部品とを備えた配線基板の製造方法であって、前記コア基板をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる前記収容穴部の断面形状が、前記コア主面側から前記コア裏面側に行くに従って徐々に広くなるような収容穴部を前記コア基板に加工形成する穴加工工程と、前記収容穴部における前記コア主面側の開口を封止し、かつ、部品第1主面を前記コア主面側に向けかつ部品第2主面を前記コア裏面側に向けた状態で、前記収容穴部内に前記板状部品を収容配置する部品収容工程と、前記収容穴部における前記コア裏面側の開口から樹脂充填剤を供給することにより、その樹脂充填剤で前記収容穴部の内面と前記板状部品の側面との隙間を埋めて、前記板状部品を前記コア基板に固定する部品固定工程とを含むことを特徴とする板状部品内蔵配線基板の製造方法がある。
従って、手段2の板状部品内蔵配線基板の製造方法によると、穴加工工程を行うことによって、断面形状がコア主面側からコア裏面側に行くに従って徐々に広くなるような収容穴部がコア基板に加工形成される。そして、部品固定工程において、断面形状が広いコア裏面側の開口から樹脂充填剤を供給することにより、収容穴部の内面と板状部品の側面との隙間にボイドが生じることなく樹脂充填剤を確実に充填することができる。その結果、コア基板における収容穴部と板状部品との間に働く応力を樹脂充填剤で確実に吸収することができ、クラック等の発生を防止することができる。また、コア基板においてコア主面側の表面積が広くなるため、そのコア主面側にて配線パターンを設けるためのスペースを十分に確保することができる。
以下、手段2のコンデンサ内蔵配線基板の製造方法について説明する。
前記穴加工工程では、ルータ加工によって前記収容穴部が加工形成される。このルータ加工によれば、コア主面側からコア裏面側に行くに従って断面形状が徐々に広くなるような収容穴部を正確に形成することができる。
また、前記部品収容工程では、前記収容穴部における前記コア主面側の開口を粘着テープで封止した後、収容穴部内に前記板状部品を収容配置する。このようにすると、前記部品第1主面と前記コア主面との位置を合わせることができるため、その部品第1主面とコア主面との段差を前記部品第2主面と前記コア裏面との段差よりも小さくすることができる。
そして、前記部品収容工程後に第1ビルドアップ層形成工程を実施し、コア主面側層間絶縁層とコア主面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア主面及び前記部品第1主面の上に配置され、その表層に半導体集積回路素子がフリップチップ接続されうる複数の第1端子部が形成される第1ビルドアップ層を形成する。この場合、第1ビルドアップ層を段差なく正確に形成することができるため、第1ビルドアップ層の第1端子部に半導体集積回路素子を確実にフリップチップ接続することができる。
また、前記部品収容工程後に第2ビルドアップ層形成工程を実施して、コア裏面側層間絶縁層とコア裏面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア裏面及び前記部品第2主面の上に配置され、その表層に他基板に接続されうる複数の第2端子部が形成される第2ビルドアップ層を形成する。この第2ビルドアップ層形成工程では、最下層に位置する前記コア主面側層間絶縁層の一部を前記隙間内に落とし込んで前記隙間を埋めることにより、前記板状部品を前記コア基板に固定することが好ましい。このようにすれば、樹脂充填剤の形成に際して、コア裏面側層間絶縁層とは別の材料を準備しなくても済むため、配線基板の製造コストを抑えることができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10(板状部品内蔵配線基板)は、ICチップ搭載用の配線基板であって、ガラスエポキシからなる略矩形板状のコア基板11と、コア基板11のコア主面12(図1では上面)の上に形成される第1ビルドアップ層31と、コア基板11のコア裏面13(図1では下面)の上に形成される第2ビルドアップ層32とからなる。コア基板11における複数箇所には厚さ方向に貫通するスルーホール用孔15が形成されており、そのスルーホール用孔15の内面に、銅めっきを施すことによって外径が300μm、厚さが20μmのスルーホール導体16が形成されている。かかるスルーホール導体16は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通している。なお、スルーホール導体16の内部は、絶縁材料(例えば、シリカフィラーを含むエポキシ樹脂など)からなる閉塞体17で埋められている。また、コア基板11のコア主面12及びコア裏面13には、銅からなる導体層41がパターン形成されており、各導体層41は、スルーホール導体16に電気的に接続されている。
コア基板11のコア主面12上に形成された第1ビルドアップ層31は、エポキシ樹脂からなる2層の樹脂絶縁層33,35(コア主面側層間絶縁層)と、銅からなる導体層42(コア主面側導体層)とを交互に積層した構造を有している。樹脂絶縁層35の表面上における複数箇所には、端子パッド44(第1端子部)がアレイ状に形成されている。また、樹脂絶縁層35の表面は、ソルダーレジスト37によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト37の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44は、複数のはんだバンプ45を介してICチップ21の面接続端子22にフリップチップ接続される。なお、ICチップ21は、例えば、MPUとしての機能を有する半導体集積回路素子であり、縦14.0mm×横14.0mm×厚さ0.7mmの矩形平板状に形成されている。
各端子パッド44及び各はんだバンプ45が位置する領域は、ICチップ21を搭載可能な部品搭載領域23である。部品搭載領域23は、ビルドアップ層31の表面39に設定されており、縦14.0mm×横14.0mmの平面視正方形状の領域である。即ち、部品搭載領域23は、ICチップ21の下面の直下に配置された領域であって、厚さ方向から見た場合、ICチップ21の下面と同じ外形及び面積を有している。また、樹脂絶縁層33,35内には、それぞれビア導体43,47が設けられている。これらのビア導体43,47は、導体層42及び端子パッド44を相互に電気的に接続している。
コア基板11のコア裏面13上に形成されたビルドアップ層32は、上述したビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、ビルドアップ層32は、エポキシ樹脂からなる2層の樹脂絶縁層34,36(コア裏面側層間絶縁層)と、導体層50(コア裏面側導体層)とを交互に積層した構造を有している。樹脂絶縁層36の下面上における複数箇所には、ビア導体47を介して導体層50に電気的に接続されるBGA用パッド48(第2端子部)が格子状に形成されている。また、樹脂絶縁層36の下面は、ソルダーレジスト38によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト38の所定箇所には、BGA用パッド48を露出させる開口部40が形成されている。BGA用パッド48の表面上には、マザーボード60(他基板)との電気的な接続を図るための複数のはんだバンプ49が配設されている。そして、各はんだバンプ49により、配線基板10はマザーボード60上に実装される。
前記コア基板11は、コア主面12の中央部及びコア裏面13の中央部にて開口する平面視で略矩形状の収容穴部91を1つ有している。即ち、収容穴部91は貫通穴部である。本実施の形態の収容穴部91は、下側ほど開口面積が広くなるよう側面が傾斜したテーパ面となっている。つまり、コア基板11をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる収容穴部91の断面形状が、コア主面12側からコア裏面13側に行くに従って徐々に広くなっている。具体的には、収容穴部91の外形寸法は、コア主面12側で縦10.6mm×横10.6mmであり、コア裏面13側で縦12.0mm×横12.0mmである。
収容穴部91内には、図2,図3に示すセラミックコンデンサ101が、埋め込んだ状態で収容されている。なお、セラミックコンデンサ101は、部品第1主面102(図1,2では上面)をコア基板11のコア主面12と同じ側に向け、かつ部品第2主面103(図1,2では下面)をコア基板11のコア裏面13と同じ側に向けた状態で収容されている。本実施形態のセラミックコンデンサ101は、縦10.0mm×横10.0mm×厚さ0.80mmの矩形平板状である。
また、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間は、高分子材料(本実施形態では熱硬化性樹脂)からなる樹脂充填剤92によって埋められている。樹脂充填剤92は、セラミックコンデンサ101をコア基板11に固定するとともに、セラミックコンデンサ101及びコア基板11の面方向や厚さ方向への変形を自身の弾性変形により吸収する機能を有している。この隙間に充填される樹脂充填剤92の厚さは、コア基板11のコア主面12側で0.3mm程度であり、コア基板11のコア裏面13側で1.0mm程度である。
図1〜図3に示されるように、本実施形態のセラミックコンデンサ101は、いわゆるビアアレイタイプのセラミックコンデンサである。セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104は、部品第1主面102(上面)及び部品第2主面103(下面)を有する板状部品である。セラミック焼結体104は、セラミック誘電体層105を介して第1内部電極層141と第2内部電極層142とを交互に積層配置した構造を有している。セラミック誘電体層105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、第1内部電極層141及び第2内部電極層142間の誘電体として機能する。第1内部電極層141及び第2内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体104の内部において一層おきに配置されている。
セラミック焼結体104には多数のビアホール130が形成されている。これらのビアホール130は、セラミック焼結体104をその厚さ方向に貫通するとともに、全面にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。各ビアホール130内には、セラミック焼結体104の上面102及び下面103間を貫通する複数のビア導体131,132(コンデンサ内ビア導体)が、ニッケルを主材料として形成されている。各第1ビア導体131は、各第1内部電極層141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各第2ビア導体132は、各第2内部電極層142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。
セラミック焼結体104の上面102上には、複数の第1外部端子電極111,112が突設されている。また、セラミック焼結体104の下面103上には、複数の第2外部端子電極121,122が突設されている。上面102側にある第1外部端子電極111,112は、前記ICチップ21が有する面接続端子22に対して、ビア導体43、導体層42、ビア導体47、端子パッド44及びはんだバンプ45を介して電気的に接続される。一方、下面103側にある第2外部端子電極121,122は、マザーボード60が有する電極(接触子)に対して、ビア導体43、導体層50、ビア導体47、BGA用パッド48及びはんだバンプ49を介して電気的に接続される。また、第1外部端子電極111,112の底面略中央部は、ビア導体131,132の上面102側の端面に対して直接接続されており、第2外部端子電極121,122の底面略中央部は、ビア導体131,132の下面103側の端面に対して直接接続されている。よって、外部端子電極111,121はビア導体131及び第1内部電極層141に導通しており、外部端子電極112,122はビア導体132及び第2内部電極層142に導通している。
外部端子電極111,112,121,122は、ニッケルを主材料とするメタライズ層上に銅めっき層を形成した層構造を有している。銅めっき層は、メタライズ層を構成する金属よりも軟かい金属からなり、その表面は粗化されている。このため、第1外部端子電極111,112の表面は、セラミック焼結体104の上面102よりも粗くなっている。同様に、第2外部端子電極121,122の表面も、セラミック焼結体104の下面103よりも粗くなっている。また、上面102に垂直な方向(部品厚さ方向)から見たときの外部端子電極111,112,121,122は略円形状をなしている(図3参照)。
上記構成のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10において、マザーボード60側から第2外部端子電極121,122を介して通電を行い、第1内部電極層141−第2内部電極層142間に電圧を加えると、第1内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、第2内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、セラミックコンデンサ101がキャパシタとして機能する。また、このセラミックコンデンサ101では、第1ビア導体131及び第2ビア導体132がそれぞれ交互に隣接して配置され、かつ、第1ビア導体131及び第2ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。これにより、インダクタンス成分の低減化が図られている。また、各ビア導体131,132を介してICチップ21に電流が供給されるとともに、スルーホール導体16を介してICチップ21に電流が供給されることで、ICチップ21が動作する。
次に、本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10の製造方法について述べる。
基板準備工程ではコア基板11を従来周知の手法により作製し、セラミックチップ準備工程では、セラミックコンデンサ101を従来周知の手法により作製し、コア基板11とセラミックコンデンサ101とをあらかじめ準備しておく。
基板準備工程において、コア基板11は以下のように作製される。まず、縦400mm×横400mm×厚み0.80mmの基材の両面に、厚み35μmの銅箔が貼付された銅張積層板を準備する。次に、銅張積層板に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行い、スルーホール導体16を形成するための貫通孔を所定位置にあらかじめ形成しておく。そして、従来公知の手法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことでスルーホール導体16を形成する。次に、スルーホール導体16の空洞部にエポキシ樹脂を主成分とするペーストを印刷した後、硬化することにより閉塞体17を形成する。さらに、銅張積層板の両面の銅箔のエッチングを行って導体層41を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする(図4参照)。具体的には、無電解銅めっきの後、この無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施す。さらにドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要な電解銅めっき層、無電解銅めっき層及び銅箔をエッチングで除去した後、ドライフィルムを剥離する。
次いで、コア基板11に対してルータを用いて穴加工工程を行い、収容穴部91を所定位置に形成する(図5参照)。この穴加工工程では、断面形状がコア主面12側(図5では下面側)からコア裏面13側(図5では上面側)に行くに従って徐々に広くなるような収容穴部91を形成する。
セラミックチップ準備工程において、セラミックコンデンサ101は以下のように作製される。即ち、セラミックのグリーンシートを形成し、このグリーンシートに内部電極層用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。これにより、後に第1内部電極層141となる第1内部電極部と、第2内部電極層142となる第2内部電極部とが形成される。次に、第1内部電極部が形成されたグリーンシートと第2内部電極部が形成されたグリーンシートとを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシートを一体化してグリーンシート積層体を形成する。
さらに、レーザー加工機を用いてグリーンシート積層体にビアホール130を多数個貫通形成し、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ビア導体用ニッケルペーストを各ビアホール130内に充填する。次に、グリーンシート積層体の上面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の上面側にて各導体部の上端面を覆うように第1外部端子電極111,112のメタライズ層を形成する。また、グリーンシート積層体の下面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の下面側にて各導体部の下端面を覆うように第2外部端子電極121,122のメタライズ層を形成する。
この後、グリーンシート積層体の乾燥を行い、表面端子部をある程度固化させる。次に、グリーンシート積層体を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体104となる。そして、得られたセラミック焼結体104が有する各外部端子電極111,112,121,122に対して電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各外部端子電極111,112,121,122の上に銅めっき層が形成され、セラミックコンデンサ101が完成する。
その後、部品収納工程において、収容穴部91のコア主面12側の開口96に、マスキング材としての剥離可能な粘着テープ152を密着するよう配置して、その開口96を封止する(図6参照)。なお、この粘着テープ152は、図示しない支持台によって支持されている。次に、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、収容穴部91内にセラミックコンデンサ101を収容配置する(図7参照)。このとき、粘着テープ152には、セラミックコンデンサ101が貼り付けられて仮固定される。なおここでは、チップ搭載時(図1に示す状態)において上面となる部品第1主面102を下方に向けた状態(上面と下面とを反転させた状態)で粘着テープ152に密着させている。同様に、コア基板11もチップ搭載時に上面となるコア主面12を下方に向けた状態となっている。
そして、部品固定工程において、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間に、ディスペンサ装置(Asymtek社製)を用いて、コア裏面13側の開口97から熱硬化性樹脂製の樹脂充填剤92(株式会社ナミックス製)を充填する(図8参照)。その後、加熱処理を行うと、樹脂充填剤92が硬化してセラミックコンデンサ101が収容穴部91内に固定される。このとき、粘着テープ152と接する側となるコア主面12、部品第1主面102、及び樹脂充填剤92の表面の位置が揃いフラット(面一)に形成される。従って、部品第1主面102とコア主面12との段差は殆どなく、部品第2主面103とコア裏面13との段差よりも小さくなる。
そして、セラミックコンデンサ101の固定後において、粘着テープ152を剥離する。その後、コア基板11のコア主面12及びセラミックコンデンサ101の部品第1主面102を酸性脱脂で溶剤洗浄をしてから研磨することで、コア主面12及び部品第1主面102に張り付いて残っている粘着材を除去する。
さらに、外部端子電極111,112,121,122の上にある銅めっき層の表面の粗化(CZ処理)を行う。同時に、コア主面12及びコア裏面13に形成された導体層41の表面の粗化も行う。その後、洗浄工程を実施し、必要に応じて、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製)を用いて、コア主面12及びコア裏面13に対してカップリング処理を行ってもよい。
次に、第1ビルドアップ層形成工程において、従来周知の手法に基づいてコア主面12の上に第1ビルドアップ層31を形成する(図9参照)。またこのとき、第2ビルドアップ層形成工程を同様に行い、コア裏面13の上に第2ビルドアップ層32を形成する(図9参照)。さらに、端子パッド44上のはんだバンプ45やBGA用パッド48上のはんだバンプ49等を形成することで、セラミックコンデンサ内蔵配線基板10が完成する。なお、図9においては、図8のコア基板11及びセラミックコンデンサ101の上下面を反転させた状態(チップ搭載時の状態)で示している。ここで、部品第1主面102とコア主面12との段差は殆どなく、部品第2主面103とコア裏面13との段差よりも小さくなっているので、第1ビルドアップ層31の表面は、凹凸がなく平坦に形成される。その結果、第1ビルドアップ層31に形成された複数の端子パッド44に対し、ICチップ21を確実にフリップチップ接続することが可能となる。
また、セラミックコンデンサ内蔵配線基板10にICチップ21を搭載する際には、端子パッド44上のはんだバンプ45をリフローすることで、端子パッド44とICチップ21の面接続端子22とを電気的に接続する。このはんだ接合後の冷却時には、コア裏面13側に位置する第2ビルドアップ層32は収縮するが、コア主面12側に位置する第1ビルドアップ層31はICチップ21があるため殆ど収縮しない。この結果、コア基板11はコア裏面13側に反る。セラミックコンデンサ101はコア基板11やビルドアップ層31,32よりも可塑性が小さいため、その反りに対してセラミックコンデンサ101は追従できない。そのため、コア裏面13側ほど応力が集中してしまうが、収容穴部91とセラミックコンデンサ101と間に介在される樹脂充填剤92は、コア裏面13側ほど厚く形成されているので、その応力集中が確実に吸収される。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10では、収容穴部91の断面形状がコア主面12側からコア裏面13側に行くに従って徐々に広くなっている。従って、断面形状が広いコア裏面13側から収容穴部91とセラミックコンデンサ101との隙間に樹脂充填剤92を供給することにより、その隙間にボイドが生じることなく樹脂充填剤92を充填することができ、セラミックコンデンサ101を確実に固定することができる。その結果、コア基板11における収容穴部91とセラミックコンデンサ101との間に働く応力を樹脂充填剤92で確実に吸収することができ、クラックの発生を防止することができる。また、コア基板11においてコア主面12側の表面積が広くなるため、そのコア主面12側にて配線パターンを設けるためのスペースを十分に確保することができる。
(2)本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10において、セラミックコンデンサ101はセラミック製の板状部品であり、コア基板11は樹脂材料製の基板であるため、ICチップ21をフリップチップ接続する場合、はんだ接合後の冷却時に、セラミックコンデンサ101とコア基板11との間には熱膨張の差が存在して応力が発生する。具体的には、コア基板11はコア裏面13側に反り、セラミックコンデンサ101はその反りに追従できないため、コア裏面13側ほど応力が集中する。本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10では、収容穴部91とセラミックコンデンサ101と間に介在される樹脂充填剤92はコア裏面13側ほど平面方向の厚さが厚くなっているので、その応力集中を確実に吸収することができ、配線基板10の信頼性を高めることができる。
(3)本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10の場合、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間は、コア裏面13側で1mm程度であり、従来の配線基板200(図12参照)における間隔と等しいため、そのコア裏面13側から樹脂充填剤92を確実に充填することができる。また、コア主面12側の隙間は0.3mm程度であり、適度な隙間が確保されているため、樹脂充填剤92が詰って入り込まなくなることが回避され、ボイドの発生を防止することができる。
(4)本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10の場合、部品第1主面102とコア主面12との段差は、部品第2主面103とコア裏面13との段差よりも小さいので、第1ビルドアップ層31を段差なく正確に形成することができる。このようにすれば、第1ビルドアップ層31の各端子パッド44にICチップ21を確実にフリップチップ接続することができる。
(5)本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10の場合、板状部品としてビアアレイタイプのセラミックコンデンサ101が収容穴部91に収納されている。このセラミックコンデンサ101では、複数のビア導体131,132が全体としてアレイ状に配置されているので、セラミックコンデンサ101のインダクタンスの低減化が図られ、ノイズ吸収や電源変動平滑化のための高速電源供給が可能となる。また、セラミックコンデンサ101全体の小型化が図りやすくなり、ひいては配線基板全体の小型化も図りやすくなる。しかも、小さい割りに高静電容量が達成しやすく、ICチップ21に対してより安定した電源供給が可能となる。
(6)本実施の形態では、ルータ加工を行うことにより、コア主面12側からコア裏面13側に行くに従って断面形状が徐々に広くなるような収容穴部91を正確に形成することができる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図10には、本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10Aを示している。
本実施の形態では、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間に充填される樹脂充填剤92の形成方法が上記第1の実施の形態と異なる。すなわち、上記第1の実施の形態では、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間にディスペンサ装置を用いて樹脂充填剤92を充填していたが、本実施の形態では、第2ビルドアップ層32の最下層に位置する樹脂絶縁層34の一部を前記隙間に落とし込んでその隙間を埋めることによりセラミックコンデンサ101をコア基板11に固定している。つまり、本実施の形態では樹脂絶縁層34が樹脂充填剤92を兼ねている。
なお、本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10Aでは、樹脂充填剤92以外の構成は上記第1の実施の形態と同じであり同一符号を付している。
本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10Aを製造する場合、基板準備工程、セラミックチップ準備工程、穴加工工程、部品収納工程の各工程を上記第1の実施の形態と同様に実施する。そして、部品収納工程の後、ビルドアップ層形成工程を実施する。
詳しくは、第2ビルドアップ層形成工程において、コア裏面13及び部品第2主面103にエポキシ樹脂を主成分とするフィルム状絶縁樹脂材料を重ね合わせるようにして配置する。そして、真空圧着熱プレス機(図示しない)を用いて真空下にて加圧加熱することにより、フィルム状絶縁樹脂材料を硬化させて、樹脂絶縁層34を形成する。このとき、収容穴部91の内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間に樹脂絶縁層34の一部を落とし込んでその隙間を埋める。その結果、セラミックコンデンサ101がコア基板11に固定される。その後、周知の手法によって、樹脂絶縁層34上に導体層50と樹脂絶縁層36とを積層して第2ビルドアップ層32を形成する。また同様に、第1ビルドアップ層形成工程を行い、コア主面12及び部品第1主面102上に樹脂絶縁層33,35と導体層42とを積層配置した第1ビルドアップ層31を形成する。これにより、セラミックコンデンサ内蔵配線基板10Aが完成する。
このように、本実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10Aでは、樹脂絶縁層34が樹脂充填剤92を兼ねているので、樹脂充填剤92の形成に際して、樹脂絶縁層34とは別の材料を準備しなくても済むため、製造コストを抑えることができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態において、コア基板11をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる収容穴部91の内面は、直線的に傾斜するよう形成していたがこれに限定されるものではない。例えば、図11に示す収容穴部91Aのように、その内面が凹状に湾曲するよう形成してもよい。このように収容穴部91Aを形成すれば、収容穴部91Aの内面とセラミックコンデンサ101の側面との隙間に樹脂充填剤92を容易に充填することができる。
・上記各実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板10では、コア基板11の収容穴部91に1つのセラミックコンデンサ101を収納していたが、収容穴部91に複数の板状部品(例えば、チップコンデンサ)を埋め込むように構成してもよい。
・上記各実施の形態では、セラミックコンデンサ内蔵配線基板10のパッケージ形態はBGA(ボールグリッドアレイ)であるが、BGAのみに限定されず、例えばPGA(ピングリッドアレイ)やLGA(ランドグリッドアレイ)等であってもよい。
本発明を具体化した第1の実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板を示す概略断面図。 同じく、セラミックコンデンサを示す概略断面図。 同じく、セラミックコンデンサを示す平面図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 本発明を具体化した第2の実施の形態のセラミックコンデンサ内蔵配線基板を示す概略断面図。 他の実施の形態のコア基板における収容穴部を示す説明図。 従来技術の配線基板を示す概略断面図。
符号の説明
10,10A…板状部品内蔵配線基板としてのセラミックコンデンサ内蔵配線基板
11…コア基板
12…コア主面
13…コア裏面
21…半導体集積回路素子としてのICチップ
31…第1ビルドアップ層
32…第2ビルドアップ層
33,35…コア主面側層間絶縁層としての樹脂絶縁層
34,36…コア裏面側層間絶縁層としての樹脂絶縁層
42…コア主面側導体層としての導体層
44…第1端子部としての端子パッド
48…第2端子部としてのBGA用パッド
50…コア裏面側導体層としての導体層
60…他基板としてのマザーボード
91,91A…収容穴部
92…樹脂充填剤
96…コア主面側の開口
97…コア裏面側の開口
101…板状部品としてのセラミックコンデンサ
102…部品第1主面
103…部品第2主面
131,132…コンデンサ内ビア導体としてのビア導体

Claims (10)

  1. コア主面及びコア裏面を有し、前記コア主面及び前記コア裏面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、
    部品第1主面及び部品第2主面を有し、前記部品第1主面を前記コア主面側に向けかつ前記部品第2主面を前記コア裏面側に向けた状態で前記収容穴部内に収容された板状部品と、
    コア主面側層間絶縁層とコア主面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア主面及び前記部品第1主面の上に配置され、その表層に半導体集積回路素子がフリップチップ接続されうる複数の第1端子部が形成された第1ビルドアップ層と、
    コア裏面側層間絶縁層とコア裏面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア裏面及び前記部品第2主面の上に配置され、その表層に他基板に接続されうる複数の第2端子部が形成された第2ビルドアップ層と、
    前記収容穴部の内面と前記板状部品の側面との隙間を埋めることで前記板状部品を前記コア基板に固定させている樹脂充填剤と
    を備え、
    前記コア基板をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる前記収容穴部の断面形状が、前記コア主面側から前記コア裏面側に行くに従って徐々に広くなっていることを特徴とする板状部品内蔵配線基板。
  2. 前記隙間の大きさは、前記コア主面側にて0.3mm以上0.5mm以下であり、前記コア裏面側にて0.8mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の板状部品内蔵配線基板。
  3. 前記コア基板をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる前記収容穴部の内面は、凹状に湾曲していることを特徴とする請求項1または2に記載の板状部品内蔵配線基板。
  4. 前記部品第1主面と前記コア主面との段差は、前記部品第2主面と前記コア裏面との段差よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の板状部品内蔵配線基板。
  5. 前記コア裏面側層間絶縁層が前記樹脂充填剤を兼ねていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の板状部品内蔵配線基板。
  6. 前記板状部品が、複数のコンデンサ内ビア導体を有するビアアレイタイプのセラミックコンデンサであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の板状部品内蔵配線基板。
  7. コア主面及びコア裏面を有し、前記コア主面及び前記コア裏面にて開口する収容穴部を有するコア基板と、部品第1主面及び部品第2主面を有し、前記収容穴部内に収容固定された板状部品とを備えた配線基板の製造方法であって、
    前記コア基板をその厚さ方向に沿って切断したときに現れる前記収容穴部の断面形状が、前記コア主面側から前記コア裏面側に行くに従って徐々に広くなるような収容穴部を前記コア基板に加工形成する穴加工工程と、
    前記収容穴部における前記コア主面側の開口を封止し、かつ、部品第1主面を前記コア主面側に向けかつ部品第2主面を前記コア裏面側に向けた状態で、前記収容穴部内に前記板状部品を収容配置する部品収容工程と、
    前記収容穴部における前記コア裏面側の開口から樹脂充填剤を供給することにより、その樹脂充填剤で前記収容穴部の内面と前記板状部品の側面との隙間を埋めて、前記板状部品を前記コア基板に固定する部品固定工程と
    を含むことを特徴とする板状部品内蔵配線基板の製造方法。
  8. 前記穴加工工程では、ルータ加工によって前記収容穴部を加工形成することを特徴とする請求項7に記載の板状部品内蔵配線基板の製造方法。
  9. コア主面側層間絶縁層とコア主面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア主面及び前記部品第1主面の上に配置され、その表層に半導体集積回路素子がフリップチップ接続されうる複数の第1端子部が形成される第1ビルドアップ層を形成する第1ビルドアップ層形成工程を、前記部品収容工程後に実施する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の板状部品内蔵配線基板の製造方法。
  10. コア裏面側層間絶縁層とコア裏面側導体層とを積層配置した構造を有し、前記コア裏面及び前記部品第2主面の上に配置され、その表層に他基板に接続されうる複数の第2端子部が形成される第2ビルドアップ層を形成する第2ビルドアップ層形成工程を、前記部品収容工程後に実施するとともに、最下層に位置する前記コア主面側層間絶縁層の一部を前記隙間内に落とし込んで前記隙間を埋めることにより、前記板状部品を前記コア基板に固定することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の板状部品内蔵配線基板の製造方法。
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