JP2015141953A - 部品内蔵配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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大輔 山下
真宏 井上
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真宏 井上
拓弥 鳥居
Takuya Torii
拓弥 鳥居
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Abstract

【課題】コア基板と配線積層部との密着力の低下を防止することにより、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を提供すること。【解決手段】部品内蔵配線基板は、コア基板11、部品100,101、樹脂充填材93及び配線積層部を備える。部品100,101は、コア主面と部品主面とを同じ側に向けた状態で複数の収容穴部90,91にそれぞれ収容される。樹脂充填材93は、収容穴部90,91の内壁面92と部品側面104との隙間に充填される。また、コア基板11は、隣接する収容穴部90,91間に位置するブリッジ部61と、裏面側導体層81が形成された外周部62とを有する。ブリッジ部61のコア裏面13には、裏面側導体層81から独立し、かつ裏面側導体層81の表面と同じ高さに突出する島状層241が形成される。裏面側導体層81と島状層241との隙間S2は、樹脂充填材93の一部で埋められる。【選択図】図2

Description

本発明は、内部にコンデンサなどの部品が収容されている部品内蔵配線基板及びその製造方法に関するものである。
コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体集積回路素子(ICチップ)は、近年ますます高速化、高機能化しており、これに付随して端子数が増え、端子間ピッチも狭くなる傾向にある。一般的にICチップの底面には多数の端子が密集してアレイ状に配置されており、このような端子群はマザーボード側の端子群に対してフリップチップの形態で接続される。但し、ICチップ側の端子群とマザーボード側の端子群とでは端子間ピッチに大きな差があることから、ICチップをマザーボード上に直接的に接続することは困難である。そのため、通常は、ICチップをICチップ搭載用配線基板上に搭載してなるパッケージを作製し、そのパッケージをマザーボード上に搭載するという手法が採用される。また、この種のパッケージを構成するICチップ搭載用配線基板においては、ICチップのスイッチングノイズの低減や電源電圧の安定化を図るために、コンデンサを設けることが提案されている。その一例として、コア基板内にコンデンサを埋め込むとともに、コア基板のコア主面及びコア裏面に層間絶縁層及び導体層を積層してなるビルドアップ層を形成した配線基板が従来提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
また、上記したICチップ搭載用配線基板として、コア基板内に複数のコンデンサを埋め込んだ配線基板が提案されている。上記の配線基板の製造方法の一例を以下に説明する。まず、コア主面201及びコア裏面202の両方にて開口する収容穴部203を複数有する樹脂材料製のコア基板204を準備する(図29参照)。なお、コア主面201の略全体には主面側導体層205が形成され、コア裏面202の略全体には裏面側導体層206が形成されている。併せて、コンデンサ主面207及びコンデンサ裏面208を有するコンデンサ209(図29,図30参照)を準備する。次に、コア裏面202側に粘着テープ210を貼り付けるテーピング工程を行い、収容穴部203のコア裏面202側の開口をあらかじめシールする。そして、複数の収容穴部203内にそれぞれコンデンサ209を収容する収容工程を行い、各コンデンサ209のコンデンサ裏面208を粘着テープ210の粘着面に貼り付けて仮固定する(図29参照)。次に、収容穴部203の内壁面とコンデンサ209の側面との隙間A1に樹脂充填材211を充填する充填工程を行った後、樹脂充填材211を硬化収縮させることにより、コンデンサ209を固定する(図30参照)。そして、粘着テープ210を剥離した後、コア主面201側に対して、層間絶縁層及び導体層を交互に積層して主面側ビルドアップ層を形成するとともに、コア裏面202側に対して、層間絶縁層及び導体層を交互に積層して裏面側ビルドアップ層を形成する。その結果、所望の配線基板が得られる。
特開2011−216740号公報(図1等) 特開2013−183029号公報(図1等)
ところが、コア基板204内に埋め込まれるコンデンサ209の数が多くなると、これに伴って、隣接する収容穴部203間に存在するコア基板204のブリッジ部212の幅が小さくなり、ブリッジ部212のコア裏面202に形成された裏面側導体層206の幅も小さくなる。その結果、裏面側導体層206と粘着テープ210との間の密着力が低下するため、上記の樹脂充填材211を隙間A1に充填する際に、樹脂充填材211の一部が裏面側導体層206と粘着テープ210との間(図31の隙間A2参照)に潜り込む可能性がある。この場合、ブリッジ部212に形成された裏面側導体層206が樹脂充填材211に覆われてしまい、裏面側導体層206の表面全体の粗化ができなくなる。また、ブリッジ部212のコア裏面202側に樹脂充填材211の盛り上がり部分が形成されてしまう。その結果、コア裏面202側に層間絶縁層を形成したとしても、層間絶縁層を裏面側導体層206の表面に対して確実に密着させることができなくなる。ゆえに、層間絶縁層と裏面側導体層206との密着性に問題が生じ、層間絶縁層のデラミネーションが発生しやすくなるため、製造される配線基板が不良品となり、配線基板の信頼性が低下するおそれがある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コア基板と配線積層部との密着力の低下を防止することにより、信頼性に優れた部品内蔵配線基板及びその製造方法を提供することにある。
そして、上記課題を解決するための手段(手段1)としては、コア主面及びコア裏面を有し、前記コア主面側及び前記コア裏面側の両方にて開口する収容穴部を複数有するコア基板と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で複数の前記収容穴部にそれぞれ収容された複数の部品と、前記コア基板に形成された前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に充填された樹脂充填材と、層間絶縁層及び導体層を前記コア裏面上及び前記部品裏面上にて積層した構造を有する配線積層部とを備える部品内蔵配線基板であって、前記コア基板は、隣接する前記収容穴部間に位置するブリッジ部と、複数の前記収容穴部及び前記ブリッジ部を取り囲む裏面側導体層が前記コア裏面に形成された外周部とを有し、前記ブリッジ部の前記コア裏面に、前記裏面側導体層から独立し、かつ裏面側導体層の表面と同じ高さに突出する島状層が形成され、前記裏面側導体層と前記島状層との隙間が、前記樹脂充填材の一部で埋められていることを特徴とする部品内蔵配線基板がある。
コア基板のコア裏面全体に裏面側導体層が形成されている場合、樹脂充填材を用いて部品を固定する際に、ブリッジ部に形成された裏面側導体層と配線積層部との間に樹脂充填材が潜り込んでしまい、配線積層部と裏面側導体層との密着性に問題が生じるおそれがある。そこで、上記手段1の部品内蔵配線基板では、ブリッジ部を取り囲むように裏面側導体層を形成するとともに、ブリッジ部に、裏面側導体層から独立し、かつ裏面側導体層の表面と同じ高さに突出する島状層を形成している。この場合、収容穴部の内壁面と部品の部品側面との隙間に充填された樹脂充填材の一部が、裏面側導体層と島状層との隙間に流れ込む(逃げ込む)ようになるため、上記した潜り込みが発生しにくくなる。ゆえに、コア基板と配線積層部とが確実に密着するようになるため、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。
また、上記した樹脂充填材の潜り込みが防止されることから、ブリッジ部のコア裏面側に樹脂充填材の盛り上がり部分が形成されにくくなる。よって、コア裏面に接する配線積層部の表面を平坦にすることができ、配線積層部の寸法精度が向上する。さらに、上記手段1の部品内蔵配線基板では、コア基板に複数の収容穴部が形成され、1つの収容穴部に1つの部品が収容されるようになっているため、それぞれの収容穴部の開口面積を大きくしなくても済む。よって、部品の搭載数を増やしつつ、コア基板の強度を確保することができる。仮に、1つの収容穴部に複数の部品を収容すると、収容穴部の開口面積が大きくなるため、コア基板の強度が低下してしまう。
上記部品内蔵配線基板を構成するコア基板は、コア主面及びその反対側に位置するコア裏面を有する板状に形成されており、部品を収容するための収容穴部を複数有している。コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好適なコア基板は高分子材料を主体として形成される。コア基板を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などがある。その他、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。
複数の部品は、部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、コア主面と部品主面とを同じ側に向けた状態で複数の収容穴部にそれぞれ収容されている。部品の平面視での形状は、任意に設定することが可能であるが、特には、複数の辺を有する平面視多角形状であることがよい。平面視多角形状としては、例えば、平面視略矩形状、平面視略三角形状、平面視略六角形状などを挙げることができるが、特には、一般的な形状である平面視略矩形状であることがよい。ここで、「平面視略矩形状」とは、平面視で完全な形状のみをいうのではなく、角部が面取りされた形状や、辺の一部が曲線となっている形状も含むものとする。
なお、好適な部品としては、コンデンサ、半導体集積回路素子(ICチップ)、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。
また、好適なコンデンサの例としては、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有するチップコンデンサや、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有し、複数の内部電極層に接続される複数のビア導体を備え、複数のビア導体が全体としてアレイ状に配置されたビアアレイタイプのコンデンサなどを挙げることができる。
コンデンサを構成する誘電体層としては、セラミック誘電体層、樹脂誘電体層、セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層などが挙げられる。内部電極層及びビア導体としては特に限定されないが、例えば誘電体層がセラミック誘電体層である場合にはメタライズ導体であってもよい。なお、メタライズ導体は、金属粉末を含む導体ペーストを従来周知の手法、例えばメタライズ印刷法で塗布した後に焼成することにより、形成される。
なお、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間には、樹脂充填材が充填される。なお、樹脂充填材は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。樹脂充填材を形成する高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
上記部品内蔵配線基板を構成する配線積層部は、高分子材料を主体とする層間絶縁層及び導体層をコア裏面上及び部品裏面上にて積層した構造を有している。配線積層部(裏面側配線積層部)はコア裏面上及び部品裏面上にのみ形成されるが、層間絶縁層及び導体層をコア主面上及び部品主面上にて積層した構造を有する配線積層部(主面側配線積層部)がさらに形成されていてもよい。このように構成すれば、裏面側配線積層部のみではなく、主面側配線積層部にも電気回路を形成できるため、部品内蔵配線基板のよりいっそうの高機能化を図ることができる。
層間絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。層間絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。
なお、導体層は、導電性を有する金属材料などによって形成することが可能である。導体層を構成する金属材料としては、例えば銅、銀、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられる。特に、導体層は、導電性が高く安価な銅からなることがよい。また、導体層は、めっきによって形成されることがよい。このようにすれば、導体層を簡単かつ低コストで形成することができる。しかし、導体層は、金属ペーストを印刷することによって形成されていてもよい。
また、上記したコア基板は、隣接する収容穴部間に位置するブリッジ部と、複数の収容穴部及びブリッジ部を取り囲む裏面側導体層がコア基板に形成された外周部とを有している。なお、裏面側導体層は、導電性を有する金属材料などによって形成することが可能である。裏面側導体層を構成する金属材料としては、例えば銅、銀、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられるが、特には、導電性が高く安価な銅からなることがよい。また、裏面側導体層は、めっきによって形成されることがよい。このようにすれば、裏面側導体層を簡単かつ低コストで形成することができる。しかし、裏面側導体層は、金属ペーストを印刷することによって形成されていてもよい。
さらに、ブリッジ部のコア裏面には、裏面側導体層から独立し、かつ裏面側導体層の表面と同じ高さに突出する島状層が形成される。ここで、島状層の平面視での形状は、任意に設定することが可能であるが、例えば、平面視矩形状、平面視三角形状、平面視円形状、平面視楕円形状、平面視十字状などを挙げることができる。また、島状層は、樹脂材料、セラミック材料及び金属材料などによって形成することが可能であるが、特には金属材料であることがよい。金属材料を用いる場合には、裏面側導体層を構成する材料と同じ材料(導電性を有する材料)を用いることができるため、部品内蔵配線基板の製造コストを抑えることができる。かかる金属材料の好適例を挙げると、例えば、銅、銀、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられるが、特には、導電性が高く安価な銅からなることがよい。また、樹脂材料の好適例としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。セラミック材料の好適例としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、べリリア、ムライト、ガラスセラミックなどが挙げられる。
なお、ブリッジ部のコア裏面に複数の島状層が形成され、隣接する島状層間の領域がスリット状をなしていてもよい。このようにすれば、各島状層の先端面に接する配線積層部の表面と、裏面側導体層の表面に接する配線積層部の表面とを平坦にすることができるため、配線積層部の寸法精度がよりいっそう向上する。
さらに、複数の島状層は、隣接する収容穴部の中心同士を結ぶ仮想線と直交する方向に配置されていてもよいし、仮想線と平行に延びる細長い形状をなしていてもよい。また、島状層は、平面視で曲線状をなしていてもよい。以上のようにすれば、樹脂充填材の一部が、裏面側導体層と島状層との隙間にスムーズに流れ込むようになるため、上記した潜り込みがよりいっそう発生しにくくなる。また、樹脂充填材に熱応力が加わったとしても、島状層の外周部への応力集中が、曲面状の外表面によって緩和される。よって、樹脂充填材へのクラックの発生を防止することができる。
なお、ブリッジ部に、コア主面及びコア裏面を貫通するスルーホール導体が形成され、島状層は、スルーホール導体のコア裏面側端部に電気的に接続されるパッドであってもよい。このようにすれば、ブリッジ部に電気回路を形成できるため、部品内蔵配線基板の高機能化を図ることができる。さらに、ブリッジ部のコア裏面において島状層が存在しない非形成領域に、コア裏面において開口するとともに隣接する収容穴部間を連通する凹部が設けられていてもよい。このようにすれば、樹脂充填材が、裏面側導体層と島状層との隙間に加えて、凹部内にも流れ込む(逃げ込む)ようになるため、上記した潜り込みがよりいっそう発生しにくくなる。
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、上記手段1に記載の部品内蔵配線基板の製造方法であって、前記コア基板を準備するコア基板準備工程と、前記コア基板準備工程後、前記収容穴部を複数形成することにより、前記外周部と前記ブリッジ部とを有する前記コア基板を得る収容穴部形成工程と、前記収容穴部形成工程後、前記外周部の前記コア裏面に前記裏面側導体層を形成する導体層形成工程と、前記収容穴部形成工程後、前記ブリッジ部の前記コア裏面に前記島状層を形成する島状層形成工程と、前記複数の部品を準備する部品準備工程と、前記導体層形成工程、前記島状層形成工程及び前記部品準備工程の終了後、複数の前記収容穴部内にそれぞれ前記部品を収容する収容工程と、前記収容工程後、前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に前記樹脂充填材を充填するとともに、前記裏面側導体層と前記島状層との隙間に前記樹脂充填材の一部を充填する充填工程と、前記充填工程後、前記裏面側導体層と前記島状層との隙間に充填された前記樹脂充填材の表面上及び前記部品裏面上に前記配線積層部を形成する配線積層部形成工程とを含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法がある。
コア基板のコア裏面全体に裏面側導体層が形成されている場合、樹脂充填材を用いて部品を固定する際に、ブリッジ部に形成された裏面側導体層と配線積層部との間に樹脂充填材が潜り込んでしまい、配線積層部と裏面側導体層との密着性に問題が生じるおそれがある。そこで、上記手段2の部品内蔵配線基板の製造方法では、ブリッジ部を取り囲むように裏面側導体層を形成する導体層形成工程を行うとともに、ブリッジ部に、裏面側導体層から独立し、かつ裏面側導体層の表面と同じ高さに突出する島状層を形成する島状層形成工程を行っている。この場合、充填工程を行う際に、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に充填された樹脂充填材の一部が、裏面側導体層と島状層との隙間に流れ込む(逃げ込む)ようになるため、上記した潜り込みが発生しにくくなる。ゆえに、配線積層部形成工程を行う際に、コア基板と配線積層部とが確実に密着するようになるため、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。
また、充填工程を行う際に、上記した樹脂充填材の潜り込みが防止されることから、ブリッジ部のコア裏面側に樹脂充填材の盛り上がり部分が形成されにくくなる。よって、コア裏面側に形成された配線積層部の表面を平坦にすることができ、配線積層部の寸法精度が向上する。さらに、上記手段2の部品内蔵配線基板の製造方法では、収容穴部形成工程においてコア基板に複数の収容穴部が形成され、収容工程において1つの収容穴部に1つの部品が収容されるため、それぞれの収容穴部の開口面積を大きくしなくても済む。よって、部品の搭載数を増やしつつ、コア基板の強度を確保することができる。仮に、1つの収容穴部に複数の部品を収容すると、収容穴部の開口面積が大きくなるため、コア基板の強度が低下してしまう。
以下、部品内蔵配線基板の製造方法について説明する。
コア基板準備工程では、上記部品内蔵配線基板を構成するコア基板を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。なお、コア基板準備工程では、コア裏面に裏面側導体層及び島状層となる金属箔が貼付された積層板を準備し、導体層形成工程及び島状層形成工程では、複数の収容穴部及びブリッジ部を露出させる開口部と、ブリッジ部のコア裏面上において島状層となる部位を被覆する被覆部とを有するめっきレジストを、金属箔の表面上に形成するレジスト形成工程と、金属箔における開口部からの露出部分であって被覆部の外周側となる部分をエッチングすることにより、金属箔を部分的に除去する金属箔除去工程と、金属箔除去工程後、めっきレジストを除去するレジスト除去工程とを行ってもよい。このようにすれば、裏面側導体層及び島状層を形成するにあたり、裏面側導体層及び島状層を形成するための材料を新たに準備しなくても済むため、裏面側導体層及び島状層を容易に形成することができる。
続く収容穴部形成工程では、収容穴部を複数形成することにより、外周部とブリッジ部とを有するコア基板を得る。収容穴部形成工程後の導体層形成工程では、外周部のコア裏面に裏面側導体層を形成する。また、収容穴部形成工程後の島状層形成工程では、ブリッジ部のコア裏面に島状層を形成する。なお、島状層形成工程では、ブリッジ部のコア裏面に複数の島状層が形成され、複数の島状層は、充填工程において裏面側導体層と島状層との隙間に樹脂充填材が流れ込む方向に沿って延びていてもよい。このようにすれば、樹脂充填材の一部が、裏面側導体層と島状層との隙間にスムーズに流れ込むようになるため、上記した潜り込みがよりいっそう発生しにくくなる。
また、部品準備工程では、上記部品内蔵配線基板を構成する複数の部品を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。そして、導体層形成工程、島状層形成工程及び部品準備工程後の収容工程では、複数の収容穴部内にそれぞれ部品を収容する。続く充填工程では、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に樹脂充填材を充填するとともに、裏面側導体層と島状層との隙間に樹脂充填材の一部を充填する。
なお、充填工程が終了した時点で、部品の部品裏面側がブリッジ部のコア裏面を覆う樹脂充填材(裏面側導体層と島状層との隙間に充填された樹脂充填材)の表面と面一になっていないと、配線積層部形成工程において配線積層部を形成する際に、部品裏面側とコア裏面を覆う樹脂充填材の表面とに接する配線積層部の表面を平坦にすることができず、部品内蔵配線基板の寸法精度が低下してしまう。そこで、収容工程及び充填工程は、複数の収容穴部のコア裏面側開口を粘着面を有する粘着テープで塞ぎ、外周部のコア裏面に形成された裏面側導体層とブリッジ部のコア裏面に形成された島状層とに粘着面を密着させた状態で行われ、充填工程後に粘着テープを除去するようにしてもよい。このようにすれば、収容工程において、部品の部品裏面側が粘着テープの粘着面に貼り付けられて仮固定され、それぞれの部品の部品裏面側がコア裏面に形成された裏面側導体層の表面と面一になる。しかも、粘着テープが島状層によって支持された状態となることから、粘着テープの撓みが防止されるため、粘着テープの粘着面に貼り付けられた部品の位置精度の低下が防止される。よって、部品裏面側及び裏面側導体層の表面に接する配線積層部の表面を平坦にすることができるため、部品内蔵配線基板の寸法精度が向上する。
続く配線積層部形成工程では、裏面側導体層と島状層との隙間に充填された樹脂充填材の表面上及び部品裏面上に配線積層部を形成する。以上のプロセスを経て、部品内蔵配線基板が製造される。
本発明を具体化した一実施形態の配線基板を示す概略断面図。 コア基板及びチップコンデンサを示す概略裏面図。 図2のA−A線断面図。 図2のB−B線断面図。 チップコンデンサを示す概略平面図。 図5のC−C線断面図。 図5のD−D線断面図。 コア基板準備工程を示す説明図。 スルーホール導体及び充填樹脂を形成する工程と、収容穴部形成工程とを示す説明図。 収容穴部形成工程におけるコア基板を示す概略裏面図。 レジスト形成工程(導体層形成工程、島状層形成工程)を示す説明図。 レジスト形成工程(導体層形成工程、島状層形成工程)におけるコア基板及びめっきレジストを示す概略裏面図。 金属箔除去工程及びレジスト除去工程を示す説明図。 金属箔除去工程及びレジスト除去工程におけるコア基板を示す概略裏面図。 粘着テープを貼付する工程を示す説明図。 収容工程を示す説明図。 収容工程におけるコア基板及びチップコンデンサを示す概略平面図。 充填工程を示す説明図。 層間絶縁層及びビア孔を形成する工程を示す説明図。 導体層及びビア導体を形成する工程を示す説明図。 他の実施形態におけるコア基板及びチップコンデンサを示す概略裏面図。 他の実施形態におけるコア基板を示す概略裏面図。 他の実施形態におけるコア基板を示す概略裏面図。 他の実施形態におけるコア基板を示す概略裏面図。 他の実施形態におけるコア基板を示す要部断面図。 他の実施形態におけるコア基板を示す要部断面図。 他の実施形態におけるセラミックコンデンサを示す概略断面図。 他の実施形態における配線基板を示す概略断面図。 従来技術における配線基板の製造方法を示す説明図。 同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。 従来技術の問題点を示す説明図。
以下、本発明の部品内蔵配線基板を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の部品内蔵配線基板10(以下「配線基板10」という)は、ICチップ搭載用の配線基板である。配線基板10は、略矩形板状のコア基板11と、コア基板11のコア主面12(図1では上面)上に形成される主面側ビルドアップ層31と、コア基板11のコア裏面13(図1では下面)上に形成される裏面側ビルドアップ層32(配線積層部)とからなる。
主面側ビルドアップ層31は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の層間絶縁層33,35と、銅からなる導体層41とを交互に積層した構造を有している。本実施形態において、主面側ビルドアップ層31の熱膨張係数は、10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)となっている。なお、主面側ビルドアップ層31の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、層間絶縁層33,35内には、それぞれ銅めっきによって形成された主面側ビア導体43が複数存在している。
図1に示されるように、第2層の層間絶縁層35の表面上には、主面側ビア導体43を介して導体層41に電気的に接続される端子パッド44がアレイ状に形成されている。本実施形態の端子パッド44は、いわゆるC4パッド(Controlled Collapsed Chip Connectionパッド)である。さらに、層間絶縁層35の表面は、ソルダーレジスト層50によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト層50の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44の表面上には、複数のはんだバンプ45が配設されている。
そして、各はんだバンプ45は、ICチップ21(半導体集積回路素子)の面接続端子22に電気的に接続されている。本実施形態のICチップ21は、縦12.0mm×横12.0mm×厚さ0.9mmの平面視矩形状をなす板状物であって、熱膨張係数が3〜4ppm/℃程度(具体的には3.5ppm/℃程度)のシリコンからなる。なお、各端子パッド44及び各はんだバンプ45は、主面側ビルドアップ層31においてチップコンデンサ100,101の上方の領域に位置しており、この領域がICチップ搭載領域23となる。ICチップ搭載領域23は、ソルダーレジスト層50の表面38に設定されている。
図1に示されるように、裏面側ビルドアップ層32は、上述した主面側ビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、裏面側ビルドアップ層32は、熱膨張係数が10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)であり、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の層間絶縁層34,36と、銅からなる導体層42とを交互に積層した構造を有している。なお、裏面側ビルドアップ層32の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、層間絶縁層34,36内には、それぞれ銅めっきによって形成された裏面側ビア導体47が複数存在している。
さらに、第2層の層間絶縁層36の下面上における複数箇所には、裏面側ビア導体47を介して導体層42に電気的に接続されるパッド48が格子状に形成されている。また、層間絶縁層36の下面は、ソルダーレジスト層51によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト層51の所定箇所には、パッド48を露出させる開口部40が形成されている。パッド48の表面上には、図示しないマザーボードとの電気的な接続を図るための複数のはんだバンプ49が配設されている。そして、各はんだバンプ49により、図1に示される配線基板10は図示しないマザーボード上に実装される。
図1〜図4に示されるように、本実施形態のコア基板11は、縦25mm×横25mm×厚さ0.8mmの平面視略矩形状である。コア基板11は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなり、平面方向(XY方向)における熱膨張係数が10〜30ppm/℃程度(具体的には18ppm/℃)となっている。なお、コア基板11の熱膨張係数は、0℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。
また、コア基板11には、複数のスルーホール導体16がコア主面12及びコア裏面13を貫通するように形成されている。かかるスルーホール導体16は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通している。なお、スルーホール導体16の内部は、例えばエポキシ樹脂などの充填樹脂17で埋められている。
図1〜図3に示されるように、コア基板11は、コア主面12側及びコア裏面13側の両方にて開口する2つの収容穴部90,91を有している。即ち、各収容穴部90,91は貫通穴である。また、各収容穴部90,91は、長辺10mm×短辺8mmの平面視略楕円形状をなしている。なお、コア基板11は、隣接する収容穴部90,91間に位置するブリッジ部61と、各収容穴部90,91及びブリッジ部61を取り囲む外周部62とを有している。
さらに、外周部62のコア主面12には、銅からなる主面側導体層71が形成され、外周部62のコア裏面13には、銅からなる裏面側導体層81が形成されている。なお、主面側導体層71は、スルーホール導体16の上端に電気的に接続され、裏面側導体層81は、スルーホール導体16の下端に電気的に接続されている。即ち、スルーホール導体16は、主面側ビルドアップ層31と裏面側ビルドアップ層32とを導通させる機能を有している。
図1〜図4に示されるように、裏面側導体層81は、各収容穴部90,91のコア裏面13側開口を露出させるとともにブリッジ部61のコア裏面13側を露出させる1つの貫通孔82を有している。裏面側導体層81は、外周部62のコア裏面13のみに形成される厚さ35μmのプレーン状導体であり、ブリッジ部61のコア裏面13には形成されないようになっている。また、貫通孔82の開口端は、収容穴部90,91の開口端よりも外周側に位置している。さらに、裏面側導体層81は、貫通孔82の開口端からブリッジ部61に向けて張り出してなる一対の張出部83を備えている。両張出部83は、貫通孔82の開口端において互いに反対側に位置しており、互いに接近する方向に張り出している。そして、両張出部83の先端部は、平面視で曲線状を有している。
一方、主面側導体層71は、上述した裏面側導体層81とほぼ同じ構造を有している。即ち、図1,図3,図4,図17に示されるように、主面側導体層71は、各収容穴部90,91のコア主面12側開口を露出させるとともにブリッジ部61のコア主面12側を露出させる1つの貫通孔72を有している。主面側導体層71は、外周部62のコア主面12のみに形成される厚さ35μmのプレーン状導体であり、ブリッジ部61のコア主面12には形成されないようになっている。また、貫通孔72の開口端は、収容穴部90,91の開口端よりも外周側に位置している。さらに、主面側導体層71は、貫通孔72の開口端からブリッジ部61に向けて張り出してなる一対の張出部73を備えている。両張出部73は、貫通孔72の開口端において互いに反対側に位置しており、互いに接近する方向に張り出している。そして、両張出部73の先端部は、平面視で曲線状を有している。
図1〜図4に示されるように、ブリッジ部61のコア裏面13には、銅からなる複数(本実施形態では3個)の裏面側島状層241が形成されている。各裏面側島状層241は、長径0.6mm×短径0.1mm×厚さ35μmの平面視楕円形状をなしている。各裏面側島状層241は、隣接する収容穴部90,91の中心C1,C2(図2参照)同士を結ぶ仮想線L1(図2参照)と平行に延びる細長い形状をなすとともに、平面視で曲線状(丸みを有する形状)をなしている。また、各裏面側島状層241は、裏面側導体層81から独立し、かつ裏面側導体層81の表面と同じ高さ(厚さ)に突出している。そして、各裏面側島状層241の先端面は、裏面側ビルドアップ層32を構成する層間絶縁層34に当接している。さらに、各裏面側島状層241は、仮想線L1と直交する方向において互いに等間隔に配置されている。隣接する裏面側島状層241間の領域、及び、隣接する張出部83と裏面側島状層241との間の領域は、スリット状をなしている。なお、隣接する裏面側島状層241間の隙間S1(図2,図4参照)の大きさの最小値、及び、張出部83(裏面側導体層81)と裏面側島状層241との隙間S2(図2,図4参照)の大きさの最小値は、それぞれ35μmである。
図1,図3,図4,図17に示されるように、ブリッジ部61のコア主面12には、銅からなる複数(本実施形態では3個)の主面側島状層231が形成されている。主面側島状層231は、上述した裏面側島状層241とほぼ同じ構造を有している。即ち、各主面側島状層231は、長径0.6mm×短径0.1mm×厚さ35μmの平面視楕円形状をなしている。各主面側島状層231は、上述した仮想線L1と平行に延びる細長い形状をなすとともに、平面視で曲線状(丸みを有する形状)をなしている。また、各主面側島状層231は、主面側導体層71から独立し、かつ主面側導体層71の表面と同じ高さ(厚さ)に突出している。そして、各主面側島状層231の先端面は、主面側ビルドアップ層31を構成する層間絶縁層33に当接している。さらに、各主面側島状層231は、仮想線L1と直交する方向において互いに等間隔に配置されている。隣接する主面側島状層231間の領域、及び、隣接する張出部73と主面側島状層231との間の領域は、スリット状をなしている。なお、隣接する主面側島状層231間の隙間の大きさの最小値、及び、張出部73(主面側導体層71)と主面側島状層231との隙間の大きさの最小値は、それぞれ35μmである。
図1〜図4に示されるように、収容穴部90内には、チップコンデンサ100(部品)が埋め込まれた状態で収容され、収容穴部91内には、同じくチップコンデンサ101(部品)が埋め込まれた状態で収容されている。なお、各チップコンデンサ100,101は、コア基板11のコア主面12とコンデンサ主面102とを同じ側に向け、かつ、コア基板11のコア裏面13とコンデンサ裏面103とを同じ側に向けた状態で収容されている。また、チップコンデンサ100,101は、コア基板11においてICチップ搭載領域23の真下の領域に配置されている。
図1,図2,図5〜図7に示されるように、チップコンデンサ100,101は、部品主面である1つのコンデンサ主面102(図1では上面)、部品裏面である1つのコンデンサ裏面103(図1では下面)、及び、部品側面である4つのコンデンサ側面104を有している。なお、コンデンサ主面102の上には、主面側ビルドアップ層31を構成する層間絶縁層33が形成され、コンデンサ裏面103の上には、裏面側ビルドアップ層32を構成する層間絶縁層34が形成されている。また、チップコンデンサ100,101は、セラミック誘電体層105(誘電体層)を介して電源用内部電極層141(内部電極層)とグランド用内部電極層142(内部電極層)とが交互に積層配置されたセラミック焼結体106を備えている。本実施形態のセラミック焼結体106は、縦6.0mm×横4.0mm×厚さ0.8mmの平面視略矩形状をなす板状物である。即ち、セラミック焼結体106の厚さは、コア基板11の厚さ(0.8mm)と等しくなっている。また、セラミック焼結体106の熱膨張係数は、8〜12ppm/℃程度であり、具体的には9.5ppm/℃程度となっている。なお、セラミック焼結体106の熱膨張係数は、30℃〜250℃間の測定値の平均値をいう。また、セラミック誘電体層105は、高誘電体セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142間の誘電体(絶縁体)として機能する。電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体106の内部において一層おきに配置されている。
図1,図2,図5〜図7に示されるように、セラミック焼結体106において互いに対向する一対のコンデンサ側面104には、電源用電極111及びグランド用電極121がそれぞれ設けられている。電源用電極111のコンデンサ主面側端部112及びコンデンサ裏面側端部113は、それぞれコンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に位置している。同様に、グランド用電極121のコンデンサ主面側端部122及びコンデンサ裏面側端部123も、それぞれコンデンサ主面102上及びコンデンサ裏面103上に位置している。さらに、電源用電極111は複数の電源用内部電極層141に接続され、グランド用電極121は複数のグランド用内部電極層142に接続されている。また、電極111,121は、ニッケルを主材料として形成され、表面が図示しない銅めっき層によって被覆されている。
例えば、電極111,121側から通電を行い、電源用内部電極層141−グランド用内部電極層142間に電圧を加えると、電源用内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、チップコンデンサ100,101がコンデンサとして機能する。
また、チップコンデンサ100,101の電源用電極111は、主面側ビア導体43、導体層41、端子パッド44及びはんだバンプ45からなる電源導通経路を介して、ICチップ21の面接続端子22に電気的に接続されている。そして、チップコンデンサ100,101のグランド用電極121は、主面側ビア導体43、導体層41、端子パッド44及びはんだバンプ45からなるグランド導通経路を介して、ICチップ21の面接続端子22に電気的に接続されている。その結果、チップコンデンサ100,101からICチップ21への電源供給が可能となる。
図1,図2に示されるように、収容穴部90の内壁面92とチップコンデンサ100のコンデンサ側面104との隙間、及び、収容穴部91の内壁面92とチップコンデンサ101のコンデンサ側面104との隙間には、高分子材料(本実施形態では、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂)からなる樹脂充填材93が充填されている。この樹脂充填材93は、各チップコンデンサ100,101をコア基板11に固定する機能を有している。さらに、ブリッジ部61のコア主面12(表面)と主面側ビルドアップ層31を構成する層間絶縁層33との隙間、及び、ブリッジ部61のコア裏面13(表面)と裏面側ビルドアップ層32を構成する層間絶縁層34との隙間は、樹脂充填材93の一部で埋められている。換言すると、主面側導体層71と主面側島状層231との隙間、及び、裏面側導体層81と裏面側島状層241との隙間S2が、樹脂充填材93の一部で埋められている。なお、本実施形態では、収容穴部90,91の内壁面92とチップコンデンサ100,101のコンデンサ側面104との隙間の大きさが約1mmに設定されている。そして、樹脂充填材93においてブリッジ部61のコア主面12の上に貼付される部分の厚さ、及び、樹脂充填材93においてブリッジ部61のコア裏面13の上に貼付される部分の厚さは、それぞれ35μmに設定されている。
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法を説明する。
まず、コア基板準備工程では、コア基板11の中間製品を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。具体的に言うと、基材151のコア主面12に主面側導体層71及び主面側島状層231となる銅箔152が貼付されるとともに、基材151のコア裏面13に裏面側導体層81及び裏面側島状層241となる銅箔152(金属箔)が貼付された銅張積層板150(図8参照)を準備し、これをコア基板11の中間製品とする。なお、本実施形態の基材151は、縦400mm×横400mm×厚さ0.8mmの平面視矩形状をなす板状物である。また、コア基板11の中間製品とは、コア基板11となるべき領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した構造の多数個取り用コア基板である。
次に、コア基板11(銅張積層板150)に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行い、スルーホール導体16を形成するための貫通孔を所定位置にあらかじめ形成しておく。次に、貫通孔の内壁面、コア主面12及びコア裏面13を含むコア基板11の表面全体に対して無電解銅めっきを行った後に電解銅めっきを行う。その結果、貫通孔の内壁面に、スルーホール導体16となるめっき層161が形成される(図9参照)。さらに、コア主面12に主面側導体層71及び主面側島状層231となるめっき層162が形成されるとともに、コア裏面13に裏面側導体層81及び裏面側島状層241となるめっき層163が形成される(図9参照)。その後、スルーホール導体16となるめっき層161の空洞部を絶縁樹脂材料(エポキシ樹脂)で穴埋めし、充填樹脂17を形成する(図9参照)。次に、従来公知の手段に従って無電解銅めっきを行うことにより、めっき層162,163の表面にめっき層164(図9参照)を形成する。
コア基板準備工程後の収容穴部形成工程では、コア基板11に対してルータを用いて孔あけ加工を行い、収容穴部90,91を複数形成する(図9,図10参照)。この時点で、外周部62とブリッジ部61とを有するコア基板11が得られる。
収容穴部形成工程後の導体層形成工程では、外周部62のコア主面12に主面側導体層71を形成するとともに、外周部62のコア裏面13に裏面側導体層81を形成する。また、収容穴部形成工程後の島状層形成工程では、ブリッジ部61のコア主面12に複数の主面側島状層231を形成するとともに、ブリッジ部61のコア裏面13に複数の裏面側島状層241を形成する。具体的には、めっき層162〜164のエッチングを行って、めっき層162〜164を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする。
詳述すると、導体層形成工程及び島状層形成工程では、まず、レジスト形成工程を行い、コア主面12側のめっき層164の表面上、及び、コア裏面13側のめっき層164の表面上に対して、それぞれドライフィルムをラミネートする。次に、各ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、開口部171と被覆部172とを有するめっきレジスト170を形成する(図11,図12参照)。なお、コア主面12側に形成されためっきレジスト170の開口部171からは、各収容穴部90,91と、ブリッジ部61と、外周部62のコア主面12上に形成されためっき層164の一部とが露出する。また、コア主面12側に形成されためっきレジスト170の被覆部172は、ブリッジ部61のコア主面12上において主面側島状層231となる部位を被覆する。一方、コア裏面13側に形成されためっきレジスト170の開口部171からは、各収容穴部90,91と、ブリッジ部61と、外周部62のコア裏面13上に形成されためっき層164の一部とが露出する。また、コア裏面13側に形成されためっきレジスト170の被覆部172は、ブリッジ部61のコア裏面13上において裏面側島状層241となる部位を被覆する。
次に、金属箔除去工程を行い、めっき層162〜164における開口部171からの露出部分であって被覆部172の外周側となる部分をエッチングすることにより、銅箔152とめっき層162〜164とを部分的に除去する(図13,図14参照)。その後、レジスト除去工程を行い、めっきレジスト170を剥離(除去)する。その結果、コア主面12上に主面側導体層71及び主面側島状層231が形成されるとともに、コア裏面13上に裏面側導体層81及び裏面側島状層241が形成される(図13,図14参照)。このとき、コア主面12側のめっき層164の一部が、スルーホール導体16のコア主面12側の端面を覆う蓋めっき層となり、コア裏面13側のめっき層164の一部が、スルーホール導体16のコア裏面13側の端面を覆う蓋めっき層となる。
また、部品準備工程(コンデンサ準備工程)では、2つのチップコンデンサ100,101を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
チップコンデンサ100,101は以下のように作製される。即ち、セラミックのグリーンシートを形成し、このグリーンシートに内部電極用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。その結果、後に電源用内部電極層141となる電源用内部電極部と、グランド用内部電極層142となるグランド用内部電極部とが形成される。次に、電源用内部電極部が形成されたグリーンシートとグランド用内部電極部が形成されたグリーンシートとを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシートを一体化してグリーンシート積層体を形成する。
さらに、グリーンシート積層体の上面上、下面上及び側面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の側面側にて各電極部の側端面を覆うように電源用電極111及びグランド用電極121を形成する。この後、グリーンシート積層体の乾燥を行い、各電極111,121をある程度固化させる。次に、グリーンシート積層体を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体106となる。次に、得られたセラミック焼結体106が有する各電極111,121に対して無電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各電極111,121の上に銅めっき層が形成され、チップコンデンサ100,101が完成する。
導体層形成工程、島状層形成工程及び部品準備工程後の収容工程では、まず、各収容穴部90,91のコア裏面13側開口を、剥離可能な粘着テープ181でシールする(図15参照)。このとき、外周部62のコア裏面13に形成された裏面側導体層81、及び、ブリッジ部61のコア裏面13に形成された裏面側島状層241には、粘着テープ181の粘着面が密着した状態になる。なお、粘着テープ181は、支持テーブル(図示略)によって支持されている。次に、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、コア主面12とコンデンサ主面102とを同じ側に向け、かつ、コア裏面13とコンデンサ裏面103とを同じ側に向けた状態で、各収容穴部90,91内にそれぞれチップコンデンサ100,101を収容する(図16,図17参照)。このとき、チップコンデンサ100,101は、コンデンサ裏面103側が粘着テープ181の粘着面に貼り付けられることにより仮固定される。
続く充填工程では、収容穴部90の内壁面92とチップコンデンサ100のコンデンサ側面104との隙間、及び、収容穴部91の内壁面92とチップコンデンサ101のコンデンサ側面104との隙間に、ディスペンサ装置(Asymtek社製)を用いて、熱硬化樹脂製の樹脂充填材93(株式会社ナミックス製)を充填する(図2,図18参照)。このとき、主面側導体層71と主面側島状層231との隙間に樹脂充填材93の一部が充填されるとともに、裏面側導体層81と裏面側島状層241との隙間S2(図2,図4参照)に樹脂充填材93の一部が充填されるようになる。なお、各主面側島状層231は、充填工程において主面側導体層71と主面側島状層231との隙間に樹脂充填材93が流れ込む方向に沿って延びているため、樹脂充填材93は、主面側導体層71と主面側島状層231との隙間にスムーズに流れ込む。また、各裏面側島状層241は、充填工程において裏面側導体層81と裏面側島状層241との隙間S2に樹脂充填材93が流れ込む方向に沿って延びているため、樹脂充填材93は、裏面側導体層81と裏面側島状層241との隙間S2にスムーズに流れ込む。
充填工程後の固定工程では、樹脂充填材93を硬化させることにより、チップコンデンサ100,101を収容穴部90,91内に固定する。そして、固定工程後、粘着テープ181を剥離(除去)する。その後、導体層71,81の表面、島状層231,241の表面、主面側導体層71と主面側島状層231との隙間に充填された樹脂充填材93の表面94、及び、裏面側導体層81と裏面側島状層241との隙間S2に充填された樹脂充填材93の表面95などの粗化を行う。
固定工程後の配線積層部形成工程では、従来周知の手法に基づいて、コア主面12の上に主面側ビルドアップ層31を形成するとともに、コア裏面13の上に裏面側ビルドアップ層32を形成する。具体的に言うと、まず、樹脂充填材93の表面94上及びコンデンサ主面102の上に熱硬化性エポキシ樹脂を被着することにより、層間絶縁層33を形成する(図19参照)。また、樹脂充填材93の表面95上及びコンデンサ裏面103の上に熱硬化性エポキシ樹脂を被着することにより、層間絶縁層34を形成する(図19参照)。
さらに、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー孔あけ加工を行い、層間絶縁層33の主面側ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔191を形成するとともに、層間絶縁層34の裏面側ビア導体47が形成されるべき位置にビア孔192を形成する(図19参照)。具体的には、層間絶縁層33を貫通するビア孔191を形成し、チップコンデンサ100,101を構成する電極111,121の表面(コンデンサ主面102側の面)を露出させる。また、層間絶縁層34を貫通するビア孔192を形成し、チップコンデンサ100,101を構成する電極111,121の表面(コンデンサ裏面103側の面)を露出させる。そして、層間絶縁層33,34の表面上、及び、ビア孔191,192の内面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。その結果、層間絶縁層33上に導体層41がパターン形成されるとともに、層間絶縁層34上に導体層42がパターン形成される(図20参照)。これと同時に、各ビア孔191,192の内部にビア導体43,47が形成される。
次に、層間絶縁層33上に熱硬化性エポキシ樹脂を被着し、レーザー孔あけ加工を行うことにより、主面側ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔(図示略)を有する層間絶縁層35を形成する。また、層間絶縁層34上に熱硬化性エポキシ樹脂を被着し、レーザー孔あけ加工を行うことにより、裏面側ビア導体47が形成されるべき位置にビア孔(図示略)を有する層間絶縁層36を形成する。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、ビア孔の内部にビア導体43,47を形成する。これと同時に、層間絶縁層35上に端子パッド44を形成するとともに、層間絶縁層36上にパッド48を形成する。
次に、層間絶縁層35,36上に感光性エポキシ樹脂を塗布することにより、ソルダーレジスト層50,51を形成する。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト層50,51に開口部40,46を形成する。さらに、端子パッド44上にはんだバンプ45を形成し、かつ、パッド48上にはんだバンプ49を形成する。なお、この状態のものは、配線基板10となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した多数個取り用配線基板であると把握することができる。さらに、多数個取り用配線基板を分割すると、個々の製品である配線基板10が多数個同時に得られる。
次に、配線基板10を構成する主面側ビルドアップ層31のICチップ搭載領域23にICチップ21を載置する。このとき、ICチップ21側の面接続端子22と、各はんだバンプ45とを位置合わせするようにする。そして、220℃〜240℃程度の温度に加熱して各はんだバンプ45をリフローすることにより、各はんだバンプ45と面接続端子22とを接合し、配線基板10側とICチップ21側とを電気的に接続する。その結果、ICチップ搭載領域23にICチップ21が搭載される(図1参照)。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)例えば、図29〜図31に示されるように、コア基板204のコア裏面202全体に裏面側導体層206が形成されていると、裏面側導体層206と粘着テープ210との間に樹脂充填材211が潜り込んでしまい、コア裏面202側に形成される裏面側ビルドアップ層と裏面側導体層206との密着性に問題が生じるおそれがある。そこで、本実施形態の配線基板10では、ブリッジ部61を取り囲むように裏面側導体層81を形成するとともに、ブリッジ部61に、裏面側導体層81から独立した裏面側島状層241を形成している。この場合、収容穴部90,91の内壁面92とチップコンデンサ100,101のコンデンサ側面104との隙間に充填された樹脂充填材93の一部が、隣接する裏面側島状層241間の隙間S1(図2,図4参照)や、裏面側導体層81と裏面側島状層241との隙間S2(図2,図4参照)に流れ込む(逃げ込む)ようになるため、上記した潜り込みが発生しにくくなる。ゆえに、コア基板11と裏面側ビルドアップ層32とが確実に密着するようになるため、信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。換言すると、樹脂充填材93の一部が隙間に流れ込む構造となっていれば、ブリッジ部61に配線パターン(島状層)を設置することができるため、配線の自由度が大きくなる。
(2)本実施形態では、上記した樹脂充填材93の潜り込みが防止されることから、ブリッジ部61のコア裏面13側に樹脂充填材93の盛り上がり部分が形成されにくくなる。よって、コア裏面13に接する裏面側ビルドアップ層32において、層間絶縁層34,36の厚さのバラツキが軽減されるため、裏面側ビルドアップ層32(ソルダーレジスト層51)の表面39を平坦にすることができ、裏面側ビルドアップ層32の寸法精度が向上する。
(3)本実施形態の収容工程及び充填工程は、収容穴部90のコア裏面13側開口を粘着テープ181で塞ぎ、外周部62のコア裏面13に形成された裏面側導体層81とブリッジ部61のコア裏面13に形成された裏面側島状層241とに粘着面を密着させた状態で行っている。このため、収容工程では、チップコンデンサ100,101のコンデンサ裏面103側が粘着テープ181の粘着面に貼り付けられて仮固定され、それぞれのチップコンデンサ100,101が備える電極111,121のコンデンサ裏面側端部113,123の表面がコア裏面13に形成された裏面側導体層81の表面と面一になる。しかも、粘着テープ181が裏面側島状層241によって支持された状態となることから、粘着テープ181の撓みが防止されるため、粘着テープ181の粘着面に貼り付けられたチップコンデンサ100,101の位置精度の低下が防止される。よって、コンデンサ裏面103側及び裏面側導体層81の表面に接する裏面側ビルドアップ層32の表面39を平坦にすることができるため、配線基板10の寸法精度が向上する。
(4)本実施形態では、ブリッジ部61のコア裏面13に配線パターン(裏面側島状層241)が形成されているため、配線パターン(裏面側導体層81、裏面側島状層241)と裏面側ビルドアップ層32を構成する層間絶縁層34との接触面積が確保されて両者の密着強度が高くなる。その結果、コア基板11と裏面側ビルドアップ層32とが確実に密着するようになる。しかも、本実施形態では、ブリッジ部61のコア主面12にも配線パターン(主面側島状層231)が形成されているため、配線パターン(主面側導体層71、主面側島状層231)と主面側ビルドアップ層31を構成する層間絶縁層33との接触面積が確保されて両者の密着強度が高くなる。その結果、コア基板11と主面側ビルドアップ層31とが確実に密着するようになる。ゆえに、デラミネーション等の発生を防止することができるため、よりいっそう信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。また、ブリッジ部61の表面(コア主面12及びコア裏面13)に配線パターンを設けた分だけ、ブリッジ部61の表面とビルドアップ層31,32との隙間に流れ込む樹脂充填材93の量を減らすことができるため、配線基板10の製造コストを抑えることができる。
(5)本実施形態では、2つのチップコンデンサ100,101がICチップ搭載領域23に搭載されたICチップ21の直下に配置されている。このため、各チップコンデンサ100,101とICチップ21とをつなぐ配線が短くなり、配線のインダクタンス成分の増加が防止される。従って、各チップコンデンサ100,101によるICチップ21のスイッチングノイズを確実に低減できるとともに、電源電圧の確実な安定化を図ることができる。また、ICチップ21とチップコンデンサ100,101との間で侵入するノイズを極めて小さく抑えることができるため、誤動作等の不具合を生じることもなく高い信頼性を得ることができる。
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の収容穴部90,91は平面視略楕円形状の孔であった。しかし、図21のコア基板221に示されるように、収容穴部222,223は、四隅が平面視で曲線形状をなす平面視略正方形状の孔であってもよい。
・上記実施形態の裏面側島状層241は平面視楕円形状をなしていた。しかし、図22,図23のコア基板251,252に示されるように、島状層は、例えば、平面視矩形状の裏面側島状層253であってもよいし、平面視円形状の裏面側島状層254であってもよい。また、図24のコア基板261に示されるように、ブリッジ部262のコア裏面263には、複数種類の島状層(ここでは、平面視矩形状の裏面側島状層264及び平面視十字状の裏面側島状層265)が形成されていてもよい。
・図25のコア基板271に示されるように、ブリッジ部272に、コア主面273及びコア裏面274を貫通するスルーホール導体275が形成されていてもよい。この場合、主面側島状層276は、スルーホール導体275のコア主面273側端部に電気的に接続されるパッドとなり、裏面側島状層277は、スルーホール導体275のコア裏面274側端部に電気的に接続されるパッドとなる。このようにすれば、ブリッジ部272に電気回路を形成できるため、配線基板の高機能化を図ることができる。
・図26のコア基板281に示されるように、ブリッジ部282のコア裏面283において裏面側島状層284が存在しない非形成領域に、コア裏面283において開口するとともに隣接する収容穴部間を連通する凹部285が設けられていてもよい。このようにすれば、樹脂充填材286が、隣接する裏面側島状層284間の隙間や、裏面側導体層と裏面側島状層284との隙間に加えて、凹部285内にも流れ込む(逃げ込む)ようになるため、上記した潜り込みがよりいっそう発生しにくくなる。
・上記実施形態では、ブリッジ部61のコア裏面13に裏面側島状層241が形成され、ブリッジ部61のコア主面12に主面側島状層231が形成されていた。しかし、主面側島状層231は形成されていなくてもよい(図28参照)。また、この場合、主面側導体層71が、外周部62のコア主面12に加えて、ブリッジ部61のコア主面12に形成されていてもよい。
・上記実施形態では、2つの収容穴部90,91にそれぞれチップコンデンサ100,101が収容されていたが、コア基板11に3つ以上の収容穴部を設け、各収容穴部にそれぞれチップコンデンサを収容してもよい(図24参照)。
・上記実施形態では、収容穴部90,91に収容される部品として、チップコンデンサ100,101が用いられていた。しかし、図27に示されるように、ビアアレイタイプのセラミックコンデンサ301を収容穴部90,91に収容される部品として用いてもよい。なお、セラミックコンデンサ301は、セラミック誘電体層302を介して電源用内部電極層303とグランド用内部電極層304とが交互に積層配置された構造を有している。また、セラミックコンデンサ301には、コンデンサ主面305(部品主面)及びコンデンサ裏面306(部品裏面)間を連通するビア導体307,308が形成されている。電源用ビア導体307は、各電源用内部電極層303を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。グランド用ビア導体308は、各グランド用内部電極層304を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。ビア導体307,308は、全体としてアレイ状に配置されている。そして、コンデンサ主面305上には、主面側電源用電極309と主面側グランド用電極310とが突設されている。主面側電源用電極309は、電源用ビア導体307のコンデンサ主面305側の端部に接続されており、主面側グランド用電極310は、グランド用ビア導体308のコンデンサ主面305側の端部に接続されている。また、コンデンサ裏面306には、裏面側電源用電極311と裏面側グランド用電極312とが突設されている。裏面側電源用電極311は、電源用ビア導体307のコンデンサ裏面306側の端部に接続されており、裏面側グランド用電極312は、グランド用ビア導体308のコンデンサ裏面306側の端部に接続されている。なお、ICチップ、DRAM、SRAM、レジスターなどを、収容穴部90,91に収容される部品として用いてもよい。
・上記実施形態では、収容穴部90,91の内壁面92とチップコンデンサ100,101のコンデンサ側面104との隙間が、樹脂充填材93によって埋められていた。しかし、図28の配線基板320に示されるように、収容穴部321,322の内壁面323とチップコンデンサ324,325(部品)のコンデンサ側面326(部品側面)との隙間を、主面側ビルドアップ層327を構成する層間絶縁層328の一部で埋めるようにしてもよい。即ち、層間絶縁層328は、樹脂充填材としての機能を有していてもよい。
・上記実施形態では、1つのICチップ21に対して2つのチップコンデンサ100,101が電気的に接続されていた。しかし、主面側ビルドアップ層31に設定されたICチップ搭載領域23に2つのICチップを搭載し、各ICチップに2つのチップコンデンサ100,101をそれぞれ電気的に接続してもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記島状層の先端面が前記配線積層部に当接していることを特徴とする部品内蔵配線基板。
(2)上記手段2において、前記充填工程後かつ前記配線積層部形成工程前に、前記樹脂充填材を硬化させて前記部品を固定する固定工程を行うことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
10,320…部品内蔵配線基板(配線基板)
11,221,251,252,261,271,281…コア基板
12,273…コア主面
13,263,274,283…コア裏面
32…配線積層部としての裏面側ビルドアップ層
34,36…層間絶縁層
42…導体層
61,262,272,282…ブリッジ部
62…外周部
81…裏面側導体層
90,91,222,223,321,322…収容穴部
92,323…収容穴部の内壁面
93,286…樹脂充填材
95…樹脂充填材の表面
100,101,324,325…部品としてのチップコンデンサ
102,305…部品主面としてのコンデンサ主面
103,306…部品裏面としてのコンデンサ裏面
104,326…部品側面としてのコンデンサ側面
150…積層板としての銅張積層板
152…金属箔としての銅箔
170…めっきレジスト
171…開口部
172…被覆部
181…粘着テープ
241,253,254,264,265,277,284…島状層としての裏面側島状層
275…スルーホール導体
285…凹部
301…部品としてのセラミックコンデンサ
328…樹脂充填材としての層間絶縁層
C1,C2…収容穴部の中心
L1…仮想線
S2…裏面側導体層と島状層との隙間

Claims (11)

  1. コア主面及びコア裏面を有し、前記コア主面側及び前記コア裏面側の両方にて開口する収容穴部を複数有するコア基板と、
    部品主面、部品裏面及び部品側面を有し、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で複数の前記収容穴部にそれぞれ収容された複数の部品と、
    前記コア基板に形成された前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に充填された樹脂充填材と、
    層間絶縁層及び導体層を前記コア裏面上及び前記部品裏面上にて積層した構造を有する配線積層部と
    を備える部品内蔵配線基板であって、
    前記コア基板は、隣接する前記収容穴部間に位置するブリッジ部と、複数の前記収容穴部及び前記ブリッジ部を取り囲む裏面側導体層が前記コア裏面に形成された外周部とを有し、
    前記ブリッジ部の前記コア裏面に、前記裏面側導体層から独立し、かつ裏面側導体層の表面と同じ高さに突出する島状層が形成され、
    前記裏面側導体層と前記島状層との隙間が、前記樹脂充填材の一部で埋められている
    ことを特徴とする部品内蔵配線基板。
  2. 前記ブリッジ部の前記コア裏面に複数の前記島状層が形成され、隣接する前記島状層間の領域がスリット状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の部品内蔵配線基板。
  3. 複数の前記島状層は、隣接する前記収容穴部の中心同士を結ぶ仮想線と直交する方向に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の部品内蔵配線基板。
  4. 複数の前記島状層は、前記仮想線と平行に延びる細長い形状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の部品内蔵配線基板。
  5. 前記島状層は、平面視で曲線状をなしていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板。
  6. 前記ブリッジ部に、前記コア主面及び前記コア裏面を貫通するスルーホール導体が形成され、
    前記島状層は、前記スルーホール導体の前記コア裏面側端部に電気的に接続されるパッドである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板。
  7. 前記ブリッジ部の前記コア裏面において前記島状層が存在しない非形成領域に、前記コア裏面において開口するとともに隣接する前記収容穴部間を連通する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板の製造方法であって、
    前記コア基板を準備するコア基板準備工程と、
    前記コア基板準備工程後、前記収容穴部を複数形成することにより、前記外周部と前記ブリッジ部とを有する前記コア基板を得る収容穴部形成工程と、
    前記収容穴部形成工程後、前記外周部の前記コア裏面に前記裏面側導体層を形成する導体層形成工程と、
    前記収容穴部形成工程後、前記ブリッジ部の前記コア裏面に前記島状層を形成する島状層形成工程と、
    前記複数の部品を準備する部品準備工程と、
    前記導体層形成工程、前記島状層形成工程及び前記部品準備工程の終了後、複数の前記収容穴部内にそれぞれ前記部品を収容する収容工程と、
    前記収容工程後、前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に前記樹脂充填材を充填するとともに、前記裏面側導体層と前記島状層との隙間に前記樹脂充填材の一部を充填する充填工程と、
    前記充填工程後、前記裏面側導体層と前記島状層との隙間に充填された前記樹脂充填材の表面上及び前記部品裏面上に前記配線積層部を形成する配線積層部形成工程と
    を含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
  9. 前記コア基板準備工程では、前記コア裏面に前記裏面側導体層及び前記島状層となる金属箔が貼付された積層板を準備し、
    前記導体層形成工程及び前記島状層形成工程では、
    複数の前記収容穴部及び前記ブリッジ部を露出させる開口部と、前記ブリッジ部の前記コア裏面上において前記島状層となる部位を被覆する被覆部とを有するめっきレジストを、前記金属箔の表面上に形成するレジスト形成工程と、
    前記金属箔における前記開口部からの露出部分であって前記被覆部の外周側となる部分をエッチングすることにより、前記金属箔を部分的に除去する金属箔除去工程と、
    前記金属箔除去工程後、前記めっきレジストを除去するレジスト除去工程と
    を行うことを特徴とする請求項8に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
  10. 前記収容工程及び前記充填工程は、複数の前記収容穴部の前記コア裏面側開口を粘着面を有する粘着テープで塞ぎ、前記裏面側導体層と前記島状層とに前記粘着面を密着させた状態で行われ、
    前記充填工程後に前記粘着テープを除去する
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
  11. 前記島状層形成工程では、前記ブリッジ部の前記コア裏面に複数の前記島状層が形成され、
    複数の前記島状層は、前記充填工程において前記裏面側導体層と前記島状層との隙間に前記樹脂充填材が流れ込む方向に沿って延びている
    ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
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