(第1実施形態)
以下、本発明に係る光学ユニットとしての撮像装置に搭載されるレンズユニットの第1実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるレンズユニット1は、光学部材としての平面円形状の1枚のレンズ2を有しており、このレンズ2は、大別して、物体の像を撮像素子のセンサ面に結像させる機能を有する光学機能部3と、この光学機能部3を包囲するフランジ部6とによって構成されている。
光学機能部3には、物体側のレンズ面(以下、第1面3aと称する)と、この第1面3aに光軸5方向において対向する像面側のレンズ面(以下、第2面3bと称する)とが形成されている。なお、第1面3aは、物体側に凹のレンズ面とされ、第2面3bは、像面側に凸のレンズ面とされているが、本発明は、このような構成に限定されるものでなく、必要に応じて種々のレンズ面形状を採用してもよい。
このようなレンズ2は、シリコーン系またはエポキシ系等の耐熱性を有する熱硬化性樹脂を用いて一体的に形成される。
また、本実施形態におけるレンズユニット1は、レンズ2が収容された略円筒形状のホルダ7を有している。このホルダ7は、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性を有する樹脂を用いて一体的に形成される。
さらに、本実施形態において、ホルダ7は、その内周面が、光軸5方向に沿って、物体側の内周面7aと、この物体側の内周面7aに対して像面側において隣位する中央側の内周面7bと、この中央側の内周面7bに対して像面側において隣位する像面側の内周面7cとの3つの内周面7a、7b、7cに分割されている。これらの3つの内周面7a、7b、7cのうち、中央側の内周面7bは、内径が最も小さく形成されており、また、物体側の内周面7aは、内径が最も大きく形成されている。なお、中央側の内周面7bの内径は、レンズ2の外径よりも大きく形成されている。本発明は、このような構成に限定されるものではなく、内周面7a、7b7cを同一の径で形成するようにしてもよい。
そして、図1に示すように、ホルダ7の中央側の内周面7bにおける像面側の端部(図1における下端部)には、レンズ2を光軸5方向における像面側(図1における下方)から保持するための保持部9が、光軸5方向に直交する径方向における内側に向かって突出形成されている。
より具体的には、保持部9は、中央側の内周面7bにおける像面側の端部から径方向における内側に向かって光軸方向7に直交するように延出された円環状の保持部外側片部10と、この保持部外側片部10における径方向の内側端部から物体側に向かって斜めに延出された略中空円錐台形状の保持部内側片部11とによって形成されている。
保持部内側片部11における物体側の端面(図1における上端面)11aは、光軸5方向に直交する(すなわち、面法線が光軸5に平行な)円環状に形成されており、この端面11aは、レンズ2をホルダ7内に収容する際におけるレンズ2の位置決めの基準面(以下、本実施形態において、ホルダ側位置決め基準面11aと称する)とされている。なお、ホルダ側位置決め基準面11aの内径は、光学機能部3における第2面3bの外径よりもわずかに大きく形成されている。
さらに、このホルダ側位置決め基準面11aにおける径方向の外側端部に隣接する保持部内側片部11の外周面には、第1の当接部の一態様である傾斜部としてのホルダ側第1テーパ面11bが形成されている。このホルダ側第1テーパ面11bは、光軸5方向における物体側(後述する押え部材14側)に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた外周テーパ状に形成されている。
ここで、本発明の全ての実施形態におけるテーパ面とは、レンズ、ホルダ、および押え部材に形成された後述する各傾斜面におけるこれら各傾斜面に光軸方向において対向する他の傾斜面と当接している部位を指すものとする。したがって、各傾斜面には、テーパ面以外にも、テーパ面に同一面状に連接された余剰(延長)部分(換言すれば、光軸方向の応力回避用間隙部に面する部分)が含まれる場合があるものとする。この余剰部分は、後述する光軸方向の応力回避用間隙部の形成に関与するようになっている。また、テーパ面同士の当接は、面接触による当接に相当する概念とする。
例えば、前述したホルダ側第1テーパ面11bは、図1に示すホルダ側傾斜面11b0の一部を構成しており、このホルダ側傾斜面11b0は、ホルダ側第1テーパ面11b以外にも、このホルダ側第1テーパ面11bにおける径方向の外側端部に連接された余剰部分11b’を有している。そして、この余剰部分11b’によって、後述する光軸5方向の応力回避用間隔部dOA3が形成されるようになっている。なお、傾斜面および余剰部分については、本実施形態においてのみ詳述し、第2実施形態以降においては、説明を省略することとする。ただし、第2実施形態以降においても、図面(図3〜11)中のレンズ、ホルダおよび押え部材に形成された各テーパ面に連接された光軸方向の応力回避用間隙部の形成に関与する面は、符号が付されていなくても余剰部分として図示されているものとし、この余剰部分は、テーパ面とともに傾斜面を構成するものとする。
ホルダ側位置決め基準面11aにおける径方向の内側端部に隣接する保持部内側片部11の内周面には、ホルダ側第2テーパ面11cが形成されている。このホルダ側第2テーパ面11cは、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた内周テーパ状に形成されている。
そして、このような形状を有する保持部9に対して、本実施形態におけるレンズ2は、保持部9上にレンズ2を保持部9に対して光軸5方向において隣接するように載置した状態として保持することが可能な形状に形成されている。
すなわち、図1に示すように、フランジ部6の像面側の表面における光学機能部3の第2面3bに対して径方向における外側において隣接する位置には、光軸5方向に直交する円環状の面6aが形成されており、この面6aは、レンズ2をホルダ7内に収容する際におけるレンズ2の位置決めの基準面(以下、レンズ側位置決め基準面6aと称する)とされている。
さらに、フランジ部6の像面側の表面におけるレンズ側位置決め基準面6aに対して径方向における外側において隣接する位置には、第2の当接部の一態様である傾斜部としてのレンズ側第2テーパ面6bが形成されている。このレンズ側第2テーパ面6bは、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた内周テーパ状に形成されている。なお、このレンズ側第2テーパ面6bは、そのテーパ角が、ホルダ側第1テーパ面11bのテーパ角と同一とされていることが好ましい。
このような保持部9に対応する形状に形成されたレンズ2は、ホルダ7内における中央側の内周面7bに臨む位置において、そのレンズ側位置決め基準面6aが、この基準面6aに光軸5方向において対向するホルダ側位置決め基準面11a上に当接することによってレンズ2の光軸5方向における位置決めがなされ、かつ、そのレンズ側第2テーパ面6bが、このテーパ面6bに光軸5方向において対向するホルダ側第1テーパ面11bに当接することによって径方向における位置決めがなされた状態として保持部9上に載置されている。
このようにして、本実施形態におけるレンズ2は、保持部9によって像面側から保持されている。なお、このようにレンズ2が保持部9上に保持された状態において、フランジ部6の像面側の表面におけるレンズ側第2テーパ面6bに対して径方向の外側において隣接する円環状の面(以下、フランジ外周縁部下端面6cと称する)は、保持部外側片部10における物体側の表面(図1における上面)10aに対して、光軸5方向の応力回避用間隔部dOA3を隔てて臨んでいる。この応力回避用間隙部dOA3は、ホルダ7とレンズ2の線膨脹係数の差を考慮して設定されているため、レンズユニット1が高温(例えば、リフロー半田付けの際の環境温度)に晒されてレンズ2、ホルダ7および押え部材14が熱膨張する際に、レンズ2に対してこのレンズ2を光軸5方向に押圧するような保持部9からの外部応力(光軸5方向の外部応力)が作用することを回避する機能を有している。
さらに、本実施形態におけるレンズユニット1は、保持部9に対してレンズ2を挟んで光軸5方向において対向する位置、すなわち、ホルダ7における物体側の内周面7aに対する径方向の内側位置に、厚肉の円環状の押え部材14を有しており、この押え部材14は、その外径が、ホルダ7における物体側の内周面7aの内径よりもわずかに大きく、ホルダ7に圧入されるような大きさに形成されている。この押え部材14は、液晶ポリマー、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、熱硬化性樹脂等の耐熱性を有する樹脂を用いて形成される。
図1に示すように、押え部材14は、ホルダ7内において光軸5方向に直交するようにして内周面7aに内接するように位置される円環状の押え部材外側片部15と、この押え部材外側片部15における径方向の内側端部から像面側に向かって斜めに延出された略中空円錐台形状の押え部材内側片部16とによって形成されている。
押え部材内側片部16における像面側の端面(図1における下端面)16aと、押え部材外側片部15における像面側の表面(下面)15aとは、ともに、光軸5方向に直交する円環状に形成されている。なお、押え部材内側片部16における像面側の端面16aの内径は、光学機能部3における第1面3aの外径よりもわずかに小さく形成されている。
そして、これらの押え部材内側片部16における像面側の端面16aと押え部材外側片部15における像面側の表面15aとの間に位置された押え部材内側片部16における外周面には、第3の当接部の一態様である傾斜部としての押え部材側第1テーパ面16bが形成されている。この押え部材側第1テーパ面16bは、光軸5方向における像面側(保持部9側)に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた外周テーパ状に形成されている。
また、押え部材側第1テーパ面16bは、図1に示す押え部材側傾斜面16b0の一部を形成しており、この押え部材側傾斜面16b0は、押え部材側第1テーパ面16b以外にも、押え部材側第1テーパ面16bにおける径方向の外側端部に連接された余剰部分16b’を有している。この余剰部分16b’は、後述する光軸5方向の応力回避用間隔部dOA1を形成するようになっている。
さらに、押え部材内側片部16における内周面には、押え部材側第2テーパ面16cが形成されており、この押え部材側第2テーパ面16cは、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた内周テーパ状に形成されている。この押え部材側第2テーパ面16cは、物体側からレンズ2側に入射する光の範囲を規制する絞りとして機能するようになっている。
そして、このような形状を有する押え部材14に対して、本実施形態におけるレンズ2は、ホルダ7内において押え部材14によって物体側から押えられることが可能な形状に形成されている。
すなわち、図1に示すように、フランジ部6の物体側の表面における光学機能部3の第1面3aに対して径方向における外側において隣接する位置には、光軸5方向に直交する円環状の面6dが形成されている。この面6dは、押え部材14によってレンズ2を押える際に、押え部材内側片部16における像面側の端面16aに対向する面(以下、第1対向面6dと称する)とされている。
また、フランジ部6の物体側の表面における第1対向面6dに対して径方向における外側において隣接する位置には、第4の当接部の一態様である傾斜部としてのレンズ側第1テーパ面6eが形成されている。このレンズ側第1テーパ面6eは、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた内周テーパ状に形成されている。
また、レンズ側第1テーパ面6eは、図1に示すレンズ側傾斜面6e0の一部を形成しており、このレンズ側傾斜面6e0は、レンズ側第1テーパ面6e以外にも、レンズ側第1テーパ面6eにおける径方向の内側端部に連接された余剰部分6e’を有している。この余剰部分6e’は、後述する光軸5方向の応力回避用間隔部dOA2を形成するようになっている。
なお、このレンズ側第1テーパ面6eは、そのテーパ角が、押え部材側第1テーパ面16bのテーパ角と同一とされていることが好ましい。
さらに、フランジ部6の物体側の表面におけるレンズ側第1テーパ面6eに対して径方向の外側において隣接する位置には、光軸5方向に直交する円環状の面6fが形成されており、この面6fは、押え部材14によってレンズ2を押える際に、押え部材外側片部15における像面側の表面15aに対向する面(以下、第2対向面6fと称する)とされている。
このような押え部材14に対応する形状に形成されたレンズ2は、ホルダ7内において、そのレンズ側第1テーパ面6eに、このテーパ面6eに光軸5方向において対向する押え部材側第1テーパ面16bが当接された状態として押え部材14によって物体側から押えられている。
なお、押え部材14は、レンズ2を押圧した状態のまま物体側の内周面7aに熱硬化性樹脂等の接着剤を用いて固定されている。
そして、本実施形態において、レンズ2の外周面(より具体的には、フランジ部6の外周面)とホルダ7における物体側の内周面7aとの間、および、レンズの外周面とホルダ7における中央側の内周面7bとの間には、レンズユニット1が高温に晒されてレンズ2、ホルダ7および押え部材14が熱膨張する際に、レンズ2に対してホルダ7からの径方向の外部応力が作用することを回避するための径方向の応力回避用間隙部dR1、dR2が形成されている。なお、本実施形態においては、レンズ2の外周面とホルダ7における物体側の内周面7aとの間の応力回避用間隙部dR1の方が、レンズ2の外周面とホルダ7における中央側の内周面7bとの間の応力回避用間隙部dR2よりも大きく形成されている。この間隙部は、レンズ2に対するホルダ7からの径方向の外部応力の作用を回避するために十分な寸法が確保されていれば良く、dR1=dR2であってもよい。
また、本実施形態において、押え部材14およびレンズ2における光軸5方向において互いに対向する所定の面同士の間として、押え部材外側片部15における像面側の表面15aと第2対向面6fとの間には、熱膨脹の際に、レンズ2に対してこのレンズ2を光軸5方向に押圧するような外部応力(光軸5方向の外部応力)が作用することを回避するための光軸5方向の(光軸方向に間隙幅を有する)応力回避用間隙部dOA1が形成されている。
さらに、本実施形態において、押え部材14およびレンズ2における光軸5方向において互いに対向する所定の面同士の間として、押え部材内側片部16における像面側の端面16aと第1対向面6dとの間にも、熱膨脹の際に、レンズ2に対して外部応力が作用することを回避するための光軸5方向の応力回避用間隙部dOA2が形成されている。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、レンズ2は、このレンズ2に光軸5方向における像面側おいて隣接する保持部9を形成する材料すなわちホルダ7を形成する材料よりも、線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。また、レンズ2は、このレンズ2に光軸5方向における物体側において隣接する押え部材14を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
なお、ホルダ7および押え部材14は、例えば、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性を有する樹脂材料によって形成することが好ましい。なお、液晶ポリマーの線膨脹係数は、56×10−6程度である。また、レンズ2は、シリコーン系またはエポキシ系の耐熱性を有する熱硬化性樹脂によって形成することが好ましい。なお、シリコーン樹脂の線膨脹係数は、例えば、ガラス転移温度7℃以上で185×10−6程度の場合があり、ガラス転移温度以下で90×10−6程度の場合がある。
ホルダ7と押え部材14とは、互いに線膨脹係数が等しい材料によって形成してもよい。
さて、以上の構成を有する本実施形態におけるレンズユニット1は、撮像装置の製造工程におけるモジュール化の工程において、ホルダ7における像面側の端部に、図示しない撮像素子を熱硬化性樹脂等の接着剤を介して取り付け、さらに、この撮像素子を、組み込み先の回路基板にリフロー半田付けによって電気的に接続することによって、光学モジュールを形成することになる。
すなわち、本実施形態におけるレンズユニット1は、回路基板上への実装の際に、リフロー半田付けによる高温環境下に晒されることになり、このリフロー半田付けによる熱によってレンズ2、押え部材14およびホルダ7が、光軸方向および径方向に熱膨張することがある。
しかし、この場合であっても、レンズ2の外周面とホルダの内周面7a、7bとの間には、径方向の応力回避用間隙部dR1、dR2が形成されているため、レンズ2が熱膨張の過程においてホルダ7の内周面7a、7bに圧接することはなく、熱膨張の過程においてレンズ2にホルダ7からの径方向の外部応力が作用することを回避することができる。
また、このとき、押え部材14とレンズ2との間には、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA1、dOA2が形成されているため、レンズ2が熱膨張の過程において押え部材14に圧接(押え部材14によるレンズ2の押えとは異なる)することはなく、熱膨張の過程においてレンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することを回避することができる。
さらに、このとき、保持部9とレンズ2との間には、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が形成されているため、レンズ2が熱膨張の過程において保持部9に圧接することはなく、熱膨張の過程においてレンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することを回避することができる。
なお、応力回避用間隙部dOA3は、必ずしも形成されている必要はなく、応力回避用間隙部dOA3を形成しない構成を採用することも可能である。応力回避用間隙部dOA3を形成しない場合には、熱膨張の過程において、フランジ外周縁部下端面6cと保持部外側片部10における物体側の表面10aとが当接することによって、レンズ2全体が物体側に押し上げられることになる。この場合であっても、応力回避用間隙部dOA1、dOA2が十分な寸法(レンズ2におけるフランジ外周縁部下端面6cと第2対向面6fとの間の部位の光軸5方向への熱膨脹および保持部外側片部10の光軸5方向への熱膨脹を許容する寸法)となるように設計されていれば、熱膨張の際にレンズ2が保持部9に圧接することを回避することができるとともに、レンズ2が押え部材14に圧接することをも回避することができ、外部応力の問題が生じることはない。
ただし、応力回避用間隙部dOA3として、レンズ2におけるレンズ側位置決め基準面6aとフランジ外周縁部下端面6cとの間の部位の光軸5方向への熱膨張を許容する間隙を形成しておけば、応力回避用間隙部dOA1、dOA2の寸法を最小限に抑えることができるので、レンズユニット1の薄型化を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、レンズ2が、押え部材14を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、レンズ側第1テーパ面6eが、押え部材側第1テーパ面16bに対して径方向における外側において当接していることにより、レンズ側第1テーパ面6eが押え部材側第1テーパ面16bから径方向における外側に離間するようにしてレンズ2が熱膨脹することができる。なお、このレンズ2の熱膨張は、レンズ側第1テーパ面6eと押え部材側第1テーパ面16bとの摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、レンズ2に外部応力を作用させる要因とはならない。
このように、熱膨張による寸法変化量が相対的に大きいレンズ2のレンズ側第1テーパ面6eを、熱膨張による寸法変化量が相対的に小さい押え部材14の押え部材側第1テーパ面16bよりも径方向における外側に配置したことにより、熱膨張の過程においてレンズ2に押え部材14が圧接することをさらに確実に防止することができる。これにより、熱膨張の過程においてレンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することをより有効に回避することができる。
さらにまた、このとき、レンズ2が、ホルダ7(保持部9)を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、レンズ側第2テーパ面6bが、ホルダ側第1テーパ面11bに対して径方向における外側において当接していることにより、レンズ側第2テーパ面6bがホルダ側第1テーパ面11bから径方向における外側に離間するようにしてレンズ2が熱膨張することができる。なお、このレンズ2の熱膨張は、レンズ側第2テーパ面6bとホルダ側第1テーパ面11bとの摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、レンズ2に外部応力を作用させる要因とはならない。
このように、熱膨張による寸法変化量が相対的に大きいレンズ2のレンズ側第2テーパ面6bを、熱膨張による寸法変化量が相対的に小さいホルダ7のホルダ側第1テーパ面11bよりも径方向における外側に配置したことにより、熱膨張の過程においてレンズ2にホルダ7の保持部9が圧接することをさらに確実に防止することができる。これにより、熱膨張の過程においてレンズ2にホルダ7からの外部応力が作用することをより有効に回避することができる。
そして、このように、熱膨張の過程においてレンズ2に外部応力が作用することを回避しつつリフロー半田付けを完了した後に、レンズユニット1が通常の使用環境温度まで冷却される場合には、レンズ2が、リフロー半田付け前の当初の寸法と同一もしくはほぼ同一の寸法に戻る(収縮する)ことができ、当初の光学性能を維持することができる。
また、このとき、元の寸法に戻ったレンズ2は、レンズ側第1テーパ面6eに押え部材側第1テーパ面16bが当接され、レンズ側第2テーパ面6bにホルダ側第1テーパ面11bが当接された状態として、ホルダ7内に安定的に保持されるため、当初の光学性能を得ることの可能な元の位置に復帰することができる。
(第1実施形態における第1変形例)
次に、本実施形態の1枚レンズ構成のレンズユニットの第1の変形例について、図1に示したレンズユニット1に対する相違点を中心として図2を参照して説明する。
なお、図1に示したものと基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図2に示すように、本変形例におけるレンズユニット20についての図1に示したレンズユニット1との主たる相違点は、レンズ側第1テーパ面6e、レンズ側第2テーパ面6b、ホルダ側第1テーパ面11bおよび押え部材側第1テーパ面16bの各テーパ面の向きと、レンズ2、ホルダ7および押え部材14をそれぞれ形成する材料の線膨脹係数の大小関係とにある。
すなわち、本変形例におけるレンズ2は、押え部材14を形成する材料よりも線膨脹係数が小さい材料によって形成されており、このようなレンズ2におけるレンズ側第1テーパ面6e(外周テーパ)は、押え部材14における押え部材側第1テーパ面16b(内周テーパ)よりも径方向の内側に位置された状態として押え部材側第1テーパ面16bに当接している。また、本変形例におけるレンズ側第1テーパ面6eおよび押え部材側第1テーパ面16bは、ともに、光軸5方向における像面側(保持部9側)に向かうにしたがって径方向における外側に傾いた形状に形成されている。
本変形例において、レンズ側傾斜面6e0における余剰部分6e’は、レンズ側第1テーパ面6eにおける径方向の外側端部に連接されており、この余剰部分6e’は、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA1を形成するようになっている。また、押え部材側傾斜面16b0における余剰部分16b’は、押え部材側第1テーパ面16bにおける径方向の内側端部に連接されており、この余剰部分16b’は、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA2を形成するようになっている。
なお、このようなレンズ側第1テーパ面6eおよび押え部材側第1テーパ面16bの面形状にともなって、本変形例における第1対向面6dは、レンズ側第1テーパ面6eにおける物体側の端部(図2における上端面)に相当する位置において、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA2を隔てて押え部材14に対向している。また、第2対向面6fは、レンズ側傾斜面6e0に対する径方向の外側位置において、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA1を隔てて押え部材14に対向している。さらに、押え部材14における像面側の表面は、前述した押え部材側第1テーパ面16bの面形状も含めて、本変形例のレンズ2の面形状に適合した面形状、すなわち、レンズ2を適切に押えることが可能な面形状に形成されている。
また、本変形例におけるレンズ2は、保持部9を含めたホルダ7を形成する材料よりも線膨脹係数が小さい材料によって形成されており、このようなレンズ2におけるレンズ側第2テーパ面6b(外周テーパ)は、保持部9におけるホルダ側第1テーパ面11b(内周テーパ)よりも径方向の内側に位置された状態としてホルダ側第1テーパ面11bに当接している。また、本変形例におけるレンズ側第2テーパ面6bおよびホルダ側第1テーパ面11bは、ともに、光軸5方向における物体側(押え部材14側)に向かうにしたがって径方向における外側に傾いた形状に形成されている。
なお、このようなレンズ側第2テーパ面6bおよびホルダ側第1テーパ面11bの面形状にともなって、本変形例におけるレンズ側位置決め基準面6aは、レンズ側第2テーパ面6bにおける像面側の端部(下端部)に相当する位置において、ホルダ側位置決め基準面11a上に当接している。また、本変形例において、レンズ側第2テーパ面6bは、図2に示すように、前述したレンズ側傾斜面6e0に光軸5方向において対向する第2のレンズ側傾斜面6b0の一部を構成しており、この第2のレンズ側傾斜面6b0は、レンズ側第2テーパ面6b以外にも、レンズ側第2テーパ面6bにおける径方向の外側端部に連接された余剰部分6b’を有している。この余剰部分6b’は、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3を形成するようになっている。また、フランジ外周縁部下端面6cは、第2のレンズ側傾斜面6b0に対する径方向の外側位置において、保持部9に対して光軸5方向の間隙部dOA3を隔てて臨んでいる。さらに、保持部9における物体側の表面は、前述したホルダ側第1テーパ面11bの面形状も含めて、本変形例のレンズ2の面形状に適合した面形状、すなわち、レンズ2を適切に保持することが可能な面形状に形成されている。
さらに、本変形例におけるレンズ2は、押え部材14が固定されているホルダ7の内周面7aと同径の内周面7bの内側に保持されており、この内周面7bとレンズ2の外周面との間には、寸法が均一な径方向の応力回避用間隙部dRが形成されている。
このような変形例におけるレンズユニット20は、図1に示したものと同様に、レンズ2の外周面とホルダの内周面7bとの間に径方向の応力回避用間隙部dRが形成されていることにより、リフロー半田付けの際の熱膨張の過程において、レンズ2がホルダ7の内周面7bに圧接することを避けることができるため、レンズ2にホルダ7からの径方向の外部応力が作用することを回避することができる。
また、変形例においても、押え部材14とレンズ2との間に、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA1、dOA2が形成されているため、レンズ2が熱膨張の過程において押え部材14に圧接することはなく、レンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することを回避することができる。
さらに、変形例においても、保持部9とレンズ2との間に、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が形成されているため、レンズ2が熱膨張の過程において保持部9に圧接することはなく、レンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することを回避することができる。
さらに、変形例においては、レンズ2が、押え部材14を形成する材料よりも線膨脹係数が小さい材料によって形成されており、また、レンズ側第1テーパ面6eが、押え部材側第1テーパ面16bに対して径方向における内側において当接していることにより、押え部材側第1テーパ面16bがレンズ側第1テーパ面6eから径方向における外側に離間するようにして押え部材14が熱膨脹することができる。なお、この押え部材14の熱膨張は、押え部材側第1テーパ面16bとレンズ側第1テーパ面6eとの摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、レンズ2に外部応力を作用させる要因とはならない。
このように、熱膨張による寸法変化量が相対的に小さいレンズ2のレンズ側第1テーパ面6eを、熱膨張による寸法変化量が相対的に大きい押え部材14の押え部材側第1テーパ面16bよりも径方向における内側に配置したことにより、熱膨張の過程においてレンズ2に押え部材14が圧接することをさらに確実に防止することができる。これにより、熱膨張の過程においてレンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することをより有効に回避することができる。
さらにまた、変形例においては、レンズ2が、ホルダ7を形成する材料よりも線膨脹係数が小さい材料によって形成されており、また、レンズ側第2テーパ面6bが、ホルダ側第1テーパ面11bに対して径方向における内側において当接していることにより、ホルダ側第1テーパ面11bがレンズ側第2テーパ面6bから径方向における外側に離間するようにして保持部9が熱膨張することができる。なお、この保持部9の熱膨張は、ホルダ側第1テーパ面11bとレンズ側第2テーパ面6bとの摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、レンズ2に外部応力を作用させる要因とはならない。
このように、熱膨張による寸法変化量が相対的に小さいレンズ2のレンズ側第2テーパ面6bを、熱膨張による寸法変化量が相対的に大きいホルダ7のホルダ側第1テーパ面11bよりも径方向における内側に配置したことにより、熱膨張の過程においてレンズ2に保持部9が圧接することをさらに確実に防止することができる。これにより、熱膨張の過程においてレンズ2にホルダ7からの外部応力が作用することをより有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、図1に示したものとほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態における第2変形例)
次に、本実施形態の1枚レンズ構成のレンズユニットの第2の変形例について、図1に示したレンズユニット1に対する相違点を中心として図3を参照して説明する。
なお、図1に示したものと基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、本変形例におけるレンズユニット21についての図1に示したレンズユニット1との主たる相違点は、保持部9とレンズ2との間における光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3および位置決め基準面の形成位置にある。
すなわち、図3に示すように、本変形例における光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3は、保持部内側片部11における物体側の端面(図3における上端面)11aと、フランジ部6の像面側の表面における光学機能部3の第2面3bに対して径方向における外側において隣接する面6aとの間に形成されている。
なお、本変形例においては、レンズ側第2テーパ面6bに対して径方向における内側において隣接する位置に、応力回避用間隙部dOA3を形成するための余剰部分6b’が、レンズ側第2テーパ面6bと同一面状(外周テーパ状)に形成されており、この余剰部分6b’は、レンズ側第2テーパ面6bとともに第2のレンズ側傾斜面6b0を構成している。
また、図3に示すように、本変形例においては、保持部外側片部10の物体側の表面におけるホルダ側第1テーパ面11bに対して径方向における外側において隣接する部位10aが、ホルダ側位置決め基準面とされているとともに、フランジ部6の像面側の表面におけるレンズ側第2テーパ面6bに対して径方向における外側において隣接する部位6cが、レンズ側位置決め基準面とされている。そして、レンズ2は、そのレンズ側位置決め基準面6cをホルダ側位置決め基準面10a上に当接させて光軸5方向の位置決めがなされた状態として保持部9上に載置保持されている。
本変形例におけるレンズユニット21も、図1に示したものと同様に、保持部9とレンズ2との間に、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が形成されているため、レンズ2が熱膨張の過程において保持部9に圧接することはなく、レンズ2に光軸5方向の外部応力が作用することを回避することができる。
その他の構成および作用効果は、図1に示したものとほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態における第3変形例)
次に、本実施形態の1枚レンズ構成のレンズユニットの第3の変形例について図4および図5を参照して説明する。
なお、本変形例におけるレンズユニットは、レンズの構成が図3の第2変形例に示したものと同様であるため、本変形例におけるレンズユニットについては、第2変形例との相違点を中心として説明する。
また、図3に示したものと基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図4および図5に示すように、本変形例におけるレンズユニット65についての第2変形例との主たる相違点は、保持部9に形成された第1の当接部の具体的構成および押え部材14に形成された第3の当接部の具体的構成にある。
すなわち、図4および図5に示すように、本変形例におけるレンズユニット65は、保持部9のホルダ側傾斜面11b0上における第2のレンズ側傾斜面6b0と対向する位置に、第1の当接部の一態様としての互いに同一形状とされた3個のホルダ側突起部67を有しており、各ホルダ側突起部67は、周方向に等間隔に形成されている。各ホルダ側突起部67は、より具体的には、その上端面が、光軸5に直交する方向に沿って平坦に形成され、その平面形状が、径方向外側に向かって周方向の幅が狭くなるとともに、径方向外側端部において頂点を結ぶ略三角形状に形成されている。
そして、ホルダ側突起部67は、その上端面における径方向外側端部と、本変形例における傾斜部としての第2のレンズ側傾斜面6b0とが点接触によって当接するようになっている。なお、ホルダ側突起部67は、必要に応じて4個以上設けるようにしてもよい。
さらに、図4に示すように、本変形例におけるレンズユニット65は、押え部材14の押え部材側傾斜面16b0上におけるレンズ側傾斜面6e0と光軸5方向において対向する位置に、第3の当接部の一態様としての互いに同一形状の複数個(図示せず)の押え部材側突起部68を有しており、各押え部材側突起部68は、周方向に等間隔に形成されている。押え部材側突起部68は、より具体的には、その下端面が、光軸5に直交する方向に沿って平坦に形成され、その平面形状が、径方向外側に向かって周方向の幅が狭くなるとともに、径方向外側端部において頂点を結ぶ略三角形状に形成されており、ホルダ側突起部67と同様の形状を有している。
そして、押え部材側突起部68は、その下端面における径方向外側端部と本変形例における傾斜部としてのレンズ側傾斜面6e0とが点接触によって当接するようになっている。
このように形成された本変形例におけるレンズユニット65においても、熱膨張から元の寸法に戻ったレンズ2を、そのレンズ側傾斜面6e0に押え部材側突起部68を当接させ、その第2のレンズ側傾斜面6b0にホルダ側突起部67を当接させた状態としてホルダ7内に安定的に保持することができる。
その他の構成および作用効果は、図3に示したものとほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態における第4変形例)
次に、本実施形態の1枚レンズ構成のレンズユニットの第4の変形例について図6および図7を参照して説明する。
なお、第3変形例と同様に、本変形例におけるレンズユニットも、レンズの構成が図3の第2変形例に示したものと同様であるため、本変形例におけるレンズユニットについても、第2変形例との相違点を中心として説明する。
また、図3に示したものと基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図6および図7に示すように、本変形例におけるレンズユニット70についての第2変形例との主たる相違点も、保持部9に形成された第1の当接部の具体的構成および押え部材14に形成された第3の当接部の具体的構成にある。
すなわち、図6および図7に示すように、本変形例におけるレンズユニット70は、保持部9のホルダ側傾斜面11b0上における第2のレンズ側傾斜面6b0と対向する位置に、第1の当接部の一態様としての互いに同一形状とされた3個のホルダ側半球状凸部71を有している。各ホルダ側半球状凸部71は、周方向に等間隔に形成されているとともに、その表面が半球状の曲面に形成されている。
そして、ホルダ側半球状凸部71は、本変形例における傾斜部としての第2のレンズ側傾斜面6b0に点接触によって当接するようになっている。
さらに、図7に示すように、本変形例におけるレンズユニット70は、押え部材14の押え部材側傾斜面16b0上におけるレンズ側傾斜面6e0と対向する位置に、第3の当接部の一態様としての互いに同一形状とされた複数個(図示せず)の押え部材側半球状凸部72を有している。各押え部材側半球状凸部72は、周方向に等間隔に形成されているとともに、ホルダ側半球状凸部71と同様に、その表面が半球状の曲面に形成されている。
そして、押え部材側半球状凸部72は、本変形例における傾斜部としてのレンズ側傾斜面6e0に点接触によって当接するようになっている。
このように形成された本変形例におけるレンズユニット70においても、熱膨張から元の寸法に戻ったレンズ2を、そのレンズ側傾斜面6e0に押え部材側半球状凸部72を当接させ、その第2のレンズ側傾斜面6b0にホルダ側半球状凸部71を当接させた状態としてホルダ7内に安定的に保持することができる。
その他の構成および作用効果は、図3に示したものとほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態における第5変形例)
次に、本実施形態の1枚レンズ構成のレンズユニットの第5の変形例について図8および図9を参照して説明する。
なお、第3および第4変形例と同様に、本変形例におけるレンズユニットも、レンズの構成が図3の第2変形例に示したものと同様であるため、本変形例におけるレンズユニットについても、第2変形例との相違点を中心として説明する。
また、図3に示したものと基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図8および図9に示すように、本変形例におけるレンズユニット74についての第2変形例との主たる相違点も、保持部9に形成された第1の当接部の具体的構成および押え部材14に形成された第3の当接部の具体的構成にある。
すなわち、図8および図9に示すように、本変形例におけるレンズユニット74は、保持部9のホルダ側傾斜面11b0上における第2のレンズ側傾斜面6b0と対向する位置に、第1の当接部の一態様である傾斜部としての互いに同一形状とされた3個のホルダ側突起部75を有しており、各ホルダ側突起部75は、周方向に等間隔に形成されている。
各ホルダ側突起部75は、より具体的には、その上端面が、光軸5に直交する方向に沿って平坦に形成され、その上端面の平面形状が、径方向外側に向かって周方向の幅が狭くなるとともに、径方向外側端部において頂点を結ぶ略三角形状に形成されている。さらに、各ホルダ側突起部75の上端面における径方向外側端部から保持部外側片部10の物体側の表面10aに至るまで、光軸5に対してなす角度(傾斜角度)がホルダ側傾斜面11b0とほぼ同様とされた直線状の傾斜稜線部75aが形成されている。
そして、ホルダ側突起部75は、その傾斜稜線部75aと本変形例における傾斜部としての第2のレンズ側傾斜面6b0とが線接触により当接するようになっている。
さらに、図8に示すように、本変形例におけるレンズユニット74は、押え部材14の押え部材側傾斜面16b0上におけるレンズ側傾斜面6e0と対向する位置に、第3の当接部の一態様である傾斜部としての互いに同一形状とされた複数個(図8においては1個のみ図示)の押え部材側突起部76を有しており、各押え部材側突起部76は、周方向に等間隔に形成されている。
各押え部材側突起部76は、より具体的には、その下端面が、光軸5に直交する方向に沿って平坦に形成され、その下端面の平面形状が、径方向外側に向かって周方向の幅が狭くなるとともに、径方向外側端部において頂点を結ぶ略三角形状に形成されている。さらに、各押え部材側突起部76の下端面における径方向外側端部から押え部材外側片部15の像面側の表面15aに至るまで、光軸5に対してなす角度(傾斜角度)が押え部材側傾斜面16b0とほぼ同様とされた直線状の傾斜稜線部76aが形成されている。
そして、押え部材側突起部76は、その傾斜稜線部76aと本変形例における傾斜部としてのレンズ側傾斜面6e0とが線接触により当接するようになっている。
このように形成された本変形例におけるレンズユニット74においても、熱膨張から元の寸法に戻ったレンズ2を、そのレンズ側傾斜面6e0に押え部材側突起部76を当接させ、その第2のレンズ側傾斜面6b0にホルダ側突起部75を当接させた状態としてホルダ7内に安定的に保持することができる。
その他の構成および作用効果は、図3に示したものとほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態における第6変形例)
次に、本実施形態の1枚レンズ構成のレンズユニットの第6の変形例について図10〜図12を参照して説明する。
なお、便宜上、本変形例におけるレンズユニットについても、図3に示した第2変形例との相違点を中心として説明する。
また、図3に示したものと基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図10〜図12に示すように、本変形例におけるレンズユニット78についての第2変形例との主たる相違点は、第1〜第4の当接部の具体的構成にある。
すなわち、図10および図11に示すように、本変形例におけるレンズユニット78は、保持部9における径方向の内側端部に、第1の当接部の一態様としての所定の厚みに形成されたホルダ側環状凸部79を有している。このホルダ側環状凸部79は、その上端面が保持部外側片部10における物体側の表面10aよりも物体側(上方)に突出されているとともに、その上端面における外周端部79aが円形に形成されている。
一方、図12に示すように、フランジ部6の像面側の表面におけるホルダ側環状凸部79と対向する位置には、第2の当接部の一態様である傾斜部としての3個の第2突起部80が、周方向に等間隔に形成されている。
各第2突起部80は、その径方向の内側端部に、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって径方向における内側に傾斜する直線状の傾斜稜線部80aを有しており、この傾斜稜線部80aと、ホルダ側環状凸部79の外周端部79aとが点接触によって当接するようになっている。
また、本変形例におけるレンズユニット78は、押え部材14の像面側の表面における押え部材外側片部15と押え部材内側片部16との境界に相当する位置に、第3の当接部の一態様としての所定の厚みを有する押え部材側環状凸部82を有しており、この押え部材側環状凸部82は、その下端面における外周端部82aが円形に形成されている。
一方、フランジ部6の物体側の表面における押え部材側環状凸部82と対向する位置には、第4の当接部の一態様である傾斜部としての複数個(図10において1個のみ図示)の第1突起部84が、周方向に等間隔に形成されている。
各第1突起部84は、その径方向の内側端部に、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって径方向における外側に傾斜する直線状の傾斜稜線部84aを有しており、この傾斜稜線部84aと押え部材側環状凸部82の外周端部82aとが点接触によって当接するようになっている。
このように形成された本変形例におけるレンズユニット78においても、熱膨張から元の寸法に戻ったレンズ2を、その第1突起部84に押え部材側環状凸部82を当接させ、その第2突起部80にホルダ側環状凸部79を当接させた状態としてホルダ7内に安定的に保持することができる。
その他の構成および作用効果は、図3に示したものとほぼ同様であるため、説明を省略する。なお、第1実施形態の第3変形例から第6変形例における各突起部および凸部67、68、71、72、75、76、80、84は、レンズ2を安定して保持するために少なくとも3個形成することが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光学ユニットとしてのレンズユニットの第2実施形態について、第1実施形態に示したレンズユニット1に対する相違点を中心として図13〜図17を参照して説明する。
なお、第1実施形態におけるレンズユニット1と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図13に示すように、本実施形態におけるレンズユニット22についての第1実施形態のレンズユニット1との主たる相違点は、ホルダ7内に収容されているレンズの枚数にある。
すなわち、本実施形態においては、ホルダ7内に、2つの光学部材として、物体側のレンズ(以下、第1レンズ2Aと称する)および像面側のレンズ(以下、第2レンズ2Bと称する)からなる2枚のレンズ2A、2Bが、光軸5方向に重なり合う(隣接する)ようにして収容されている。なお、図13において、第1レンズ2Aは、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとされ、第2レンズは、像面側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとされているが、これ以外のレンズ形状を採用してもよいことは勿論である。
図13に示すように、本実施形態においては、保持部外側片部10における物体側の表面10a上に、光軸5方向に直交する第2レンズ2Bの位置決めの基準面(以下、ホルダ側位置決め基準面23と称する)が形成されている。これに対し、第2レンズ2Bは、そのフランジ部6Bの像面側の表面上におけるホルダ側位置決め基準面23に対して光軸5方向における物体側において対向する位置に、第2レンズ側第2位置決め基準面24を有している。そして、第2レンズ2Bは、その第2レンズ側第2位置決め基準面24をホルダ側位置決め基準面23上に当接させて位置決めがなされた状態として保持部9上に保持されている。
さらに、第2レンズ2Bは、そのフランジ部6Bの像面側の表面上におけるホルダ側第1テーパ面11bに対して光軸5方向における物体側において対向する位置であって、第2レンズ側第2位置決め基準面24に対して径方向における内側において隣接する位置に、傾斜部(第2の当接部の一態様)としての内周テーパ状の第2レンズ側第2テーパ面25を有している。この第2レンズ側第2テーパ面25の面形状は、ホルダ側第1テーパ面11bと同様に、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた形状とされている。そして、第2レンズ2Bは、保持部9上に保持された状態において、その第2レンズ側第2テーパ面25を、ホルダ側第1テーパ面11bに対して光軸5方向における物体側かつ径方向における外側から当接させている。
なお、本実施形態において、保持部内側片部11における物体側の端面11aは、第2レンズ2Bが保持部9上に保持された状態において、第2レンズ2Bのフランジ部における像面側の表面に対して光軸5方向に所定の間隔を有した状態として臨んでいる。なお、この間隔は、必要に応じて設けるようにすればよい。
一方、第1レンズ2Aは、そのフランジ部6Aの物体側の表面上における押え部材側第1テーパ面16bに対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、傾斜部(第4の当接部の一態様)としての外周テーパ状の第1レンズ側第1テーパ面26を有している。この第1レンズ側第1テーパ面26の面形状は、押え部材側第1テーパ面16bと同様に、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた形状とされている。そして、第1レンズ2Aは、その第1レンズ側第1テーパ面26に、押え部材側第1テーパ面16bが、光軸5方向における物体側かつ径方向における内側から当接された状態として、押え部材14によって押えられている。
また、第1レンズ2Aは、そのフランジ部6Aの物体側の表面上における第1レンズ側第1テーパ面26に対して径方向における外側において隣接する位置であって、押え部材外側片部15における像面側の表面15aに対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、光軸5方向に直交する環状の第2対向面6fを有している。この第2対向面6fは、第1レンズ2Aが押え部材14によって押えられた状態において、押え部材外側片部15における像面側の表面15aに対して、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA1を隔てて対向している。
さらに、第1レンズ2Aは、そのフランジ部6Aの物体側の表面上における第1レンズ側第1テーパ面26に対する径方向の内側近傍位置であって、押え部材内側片部16における像面側の端面16aに対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、光軸5方向に直交する環状の第1対向面6dを有している。この第1対向面6dは、第1レンズ2Aが押え部材14によって押えられた状態において、押え部材内側片部16における像面側の端面16aに対して、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA2を隔てて対向している。
さらに、本実施形態において、第1レンズ2Aは、そのフランジ部6Aの像面側の表面上における像面側のそのレンズ面3Aに対して径方向における外側において隣接する位置であって、第1対向面6dに対してフランジ厚みを隔てて対向する位置に、光軸5方向に直交する円環状の第1レンズ側位置決め基準面28を有している。これに対して、第2レンズ2Bは、その物体側のレンズ面3Bに対して径方向における外側において隣接する位置であって、そのフランジ部6Bの物体側の表面上における第1レンズ側位置決め基準面28に対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、第2レンズ側第1位置決め基準面29を有している。そして、第1レンズ2Aは、その第1レンズ側位置決め基準面28を第2レンズ側第1位置決め基準面29上に当接させて位置決めがなされた状態として、第2レンズ2B上に載置保持されている。
さらに、本実施形態において、第1レンズ2Aは、そのフランジ部6Aの像面側の表面上における第1レンズ側位置決め基準面28に対して径方向における外側において隣接する位置であって、第1レンズ側第1テーパ面26に対してフランジ厚みを隔てて対向する位置に、第5の当接部の一態様である傾斜部としての第1レンズ側第2テーパ面31を有している。この第1レンズ側第2テーパ面31は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾斜された外周テーパとされている。これに対して、第2レンズ2Bは、そのフランジ部6Bの物体側の表面上における第2レンズ側第1位置決め基準面29に対して径方向における外側において隣接する位置であって、第1レンズ側第2テーパ面31に対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、第6の当接部の一態様である傾斜部としての第2レンズ側第1テーパ面32を有している。この第2レンズ側第1テーパ面32は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾斜された内周テーパとされている。そして、第1レンズ2Aの第2レンズ2B上への保持状態において、第2レンズ側第1テーパ面32には、第1レンズ側第2テーパ面31が、光軸5方向における物体側かつ径方向における内側から当接している。
さらにまた、本実施形態において、第2レンズ2Bは、そのフランジ部6Bの物体側の表面上における第2レンズ側第1テーパ面32に対して径方向における外側において隣接する位置に、光軸5方向に直交する環状のフランジ外周縁部上端面33を有している。このフランジ外周縁部上端面33は、第1レンズ2Aのフランジ部6Aの像面側の表面における第1レンズ側第2テーパ面31に対して径方向における外側に位置する部位に対して、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3を隔てて対向している。
また、本実施形態において、第1レンズ2Aの外周面とホルダ7の物体側の内周面7aとの間、第1レンズ2Aの外周面とホルダ7の中央側の内周面7bとの間、および、第2レンズ2Bの外周面とホルダ7の中央側の内周面7bとの間には、互いに寸法が異なる径方向の応力回避用間隙部dR1、dR2、dR3がそれぞれ形成されている。
さらに、本実施形態において、第2レンズ2Bは、第1レンズ2Aよりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。また、第1レンズ2Aは、押え部材14およびホルダ7よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
このような構成を有する本実施形態のレンズユニット22は、第1実施形態と同様に、レンズ2A、2Bの外周面とホルダの内周面7a、7bとの間に径方向の応力回避用間隙部dR1、dR2、dR3が形成されていることにより、リフロー半田付けの際のレンズユニット22の熱膨張の過程において、レンズ2A、2Bがホルダ7の内周面7a、7bに圧接することを避けることができるため、レンズ2A、2Bにホルダ7からの径方向の外部応力が作用することを回避することができる。
また、本実施形態においては、押え部材14と第1レンズ2Aとの間に、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA1、dOA2が形成されているため、第1レンズ2Aが熱膨張の過程において押え部材14に圧接することはなく、第1レンズ2Aに光軸5方向の外部応力が作用することを回避することができる。
さらに、本実施形態においては、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間にも、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が形成されているため、第2レンズ2Bが熱膨張の過程において第1レンズ2Aに圧接することはなく、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間で互いに光軸5方向の外部応力が作用し合うことを回避することができる。
また、本実施形態においては、第2レンズ2Bが、第1レンズ2Aを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第2レンズ側第1テーパ面32が、第1レンズ側第2テーパ面31に対して径方向における外側から当接していることにより、第2レンズ側第1テーパ面32が第1レンズ側第2テーパ面31から径方向における外側に離間するようにして第2レンズ2Bが熱膨張することができる。なお、この第2レンズ2Bの熱膨張は、第2レンズ側第1テーパ面32と第1レンズ側第2テーパ面31との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間に外部応力が作用し合うことをより有効に回避することができる。
さらに、本実施形態においては、第1レンズ2Aが、押え部材14を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第1レンズ側第1テーパ面26が、押え部材側第1テーパ面16bに対して径方向における外側から当接していることにより、第1レンズ側第1テーパ面26が押え部材側第1テーパ面16bから径方向における外側に離間するようにして第1レンズ2Aが熱膨張することができる。なお、この第1レンズ2Aの熱膨張は、第1レンズ側第1テーパ面26と押え部材側第1テーパ面16bとの摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第1レンズ2Aに押え部材14からの外部応力が作用することをより有効に回避することができる。
さらにまた、本実施形態においては、第2レンズ2Bが、保持部9を含めたホルダ7を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第2レンズ側第2テーパ面25が、ホルダ側第1テーパ面11bに対して径方向における外側から当接していることにより、第2レンズ側第2テーパ面25がホルダ側第1テーパ面11bから径方向における外側に離間するようにして第2レンズ2Bが熱膨張することができる。なお、この第2レンズ2Bの熱膨張は、第2レンズ側第2テーパ面25とホルダ側第1テーパ面11bとの摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第2レンズ2Bに光軸5方向の外部応力が作用することをより有効に回避することができる。
(第2実施形態における第1変形例)
次に、図14は、図13に示した2枚レンズ構成のレンズユニット22に対する第1の変形例として、第1レンズ2Aを形成する材料と、第2レンズ2Bを形成する材料との線膨脹係数の大小関係が図13のレンズユニット22とは逆転した場合における好ましい構成を示すものである。
すなわち、本変形例におけるレンズユニット35は、第1レンズ2Aが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
これにともなって、本変形例においては、図14に示すように、第1レンズ側第2テーパ面31が、第2レンズ側第1テーパ面32に対して径方向における外側から当接している。より具体的には、本変形例における第1レンズ側第2テーパ面31は、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた内周テーパとされている。一方、本変形例における第2レンズ側第1テーパ面32は、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた外周テーパとされている。
なお、このようなテーパ形状にともなって、本変形例においては、第1レンズ側位置決め基準面28が、第1レンズ側第2テーパ面31に対して径方向における外側において隣接する位置に形成されている。また、本変形例においては、第1レンズ側位置決め基準面28に対して光軸5方向における像面側において対向する第2レンズ側第1位置決め基準面29が、第2レンズ側第1テーパ面32に対して径方向における外側において隣接する位置に形成されている。さらに、本変形例においては、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間の光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が、テーパ面31、32に対する径方向の内側位置であって、レンズ面3A、3Bに対する径方向の外側位置に形成されている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット35によれば、第1レンズ2Aが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第1レンズ側第2テーパ面31が、第2レンズ側第1テーパ面32に対して径方向における外側から当接していることにより、第1レンズ側第2テーパ面31が第2レンズ側第1テーパ面32から径方向における外側に離間するようにして第1レンズ2Aが熱膨張することができる。なお、この第1レンズ2Aの熱膨張は、第1レンズ側第2テーパ面31と第2レンズ側第1テーパ面32との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間で互いに外部応力が作用し合うことをより有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、図13に示したレンズユニット22とほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第2実施形態における第2変形例)
次に、図15は、図13に示した2枚レンズ構成のレンズユニット22に対する第2の変形例として、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間に、光学部材としての絞り36が介在された場合における好ましい構成の1つを示すものである。
なお、本変形例においては、図13に示したものと同様に、第2レンズ2Bが、第1レンズ2Aを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。また、第1レンズ2Aは、絞り36を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
図15に示すように、本変形例においては、第2レンズ側第1位置決め基準面29上に第1レンズ側位置決め基準面28が直接当接してはおらず、両基準面28,29の間に絞り36が挟まれている。しかし、図15に示すように、絞り36は、その物体側の表面および像面側の表面の双方がともに光軸5方向に直交するような形状に形成されているため、第1レンズ側位置決め基準面28は、絞り36を介して第2レンズ側第1位置決め基準面29に平行に保持されている。これにより、第1レンズ2Aは、適切な位置決めがなされた上で第2レンズ2B上に保持されている。
また、絞り36の外周面には、傾斜部としての絞り側テーパ面38が形成されており、この絞り側テーパ面38は、像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた形状に形成されている。
絞り側テーパ面38には、第2レンズ側第1テーパ面32が、径方向における外側かつ光軸5方向における像面側から当接している。これにより、絞り36が安定的に保持されている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット37によれば、第2レンズ2Bが、絞り36を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第2レンズ側第1テーパ面32が、絞り側テーパ面38に対して径方向における外側から当接していることにより、第2レンズ側第1テーパ面32が絞り側テーパ面38から径方向における外側に離間するようにして第2レンズ2Bが熱膨張することができる。なお、この第1レンズ2Bの熱膨張は、第2レンズ側第1テーパ面32と絞り側テーパ面38との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第2レンズ2Bと絞り36との間で互いに外部応力が作用し合うことを有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、図13に示したレンズユニット22とほぼ同様であるため、説明を省略する。
なお、本変形例においては、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間に絞り36が介在されているものの、両レンズ2A、2Bは、テーパ面31、32を介し光軸5方向において互いに隣接していることに代りはない。したがって、本実施形態における応力回避用間隙部dOA3は、光軸方向において互いに隣接する2つの光学部材2A、2Bの間に形成された光軸方向の間隙部であることを妨げない。
(第2実施形態における第3変形例)
次に、図16は、図13に示した2枚レンズ構成のレンズユニット22に対する第3の変形例を示すものである。
なお、本変形例のレンズユニット40は、図14に示した第1変形例のレンズユニット35に構成が類似しているため、以下の説明においては、便宜上、本変形例のレンズユニット40について、第1変形例のレンズユニット35との相違点を中心に述べる。
図16に示すように、第1変形例のレンズユニット35に対する本変形例のレンズユニット40の相違点は、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間に、絞り36が介在されているとともに、絞り36と第1レンズ2Aとの間に、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が形成されている点にある。
図16に示すように、絞り36の外周面には、傾斜部としての絞り側テーパ面38が形成されており、この絞り側テーパ面38は、像面側に向かうにしたがって径方向における外側に傾いた形状に形成されている。
絞り側テーパ面38には、第1レンズ側第2テーパ面31が、径方向における外側かつ光軸5方向における物体側から当接している。
また、第1レンズ2Aは、絞り36を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット40によれば、絞り36と第1レンズ2Aとの間に光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3が形成されているため、第1レンズ2Aが熱膨張の過程において絞り36に圧接することはなく、第1レンズ2Aと絞り36との間で互いに光軸5方向の外部応力が作用し合うことを回避することができる。
さらに、第1レンズ2Aが、絞り36を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第1レンズ側第2テーパ面31が、絞り側テーパ面38に対して径方向における外側から当接していることにより、第1レンズ側第2テーパ面31が絞り側テーパ面38から径方向における外側に離間するようにして第1レンズ2Aが熱膨張することができる。なお、この第1レンズ2Aの熱膨張は、第1レンズ側第2テーパ面31と絞り側テーパ面38との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第1レンズ2Aと絞り36との間で互いに外部応力が作用し合うことを有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、第1変形例とほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第2実施形態における第4変形例)
次に、図17は、図13に示した2枚レンズ構成のレンズユニット22に対する第4の変形例を示すものである。
図17に示すように、本変形例のレンズユニット43においても、第1〜第3変形例と同様に、第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間に、絞り42が介在されている。
ただし、第1〜第3変形例における絞り36とは異なり、本変形例における絞り42は、絞り側第1テーパ面45と、この絞り側第1テーパ面45に対して光軸5方向における像面側において対向する絞り側第2テーパ面46との2つのテーパ面45、46を有している。
図17に示すように、絞り側第1テーパ面45は、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた外周テーパとされている。一方、絞り側第2テーパ面46は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた外周テーパとされている。
図17に示すように、絞り側第1テーパ面45には、第1レンズ側第2テーパ面31が、径方向における外側かつ光軸5方向における物体側から当接している。なお、本変形例において、第1レンズ側第2テーパ面31は、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた内周テーパとされている。
また、図17に示すように、絞り側第2テーパ面46には、第2レンズ側第1テーパ面32が、径方向における外側かつ光軸5方向における像面側から当接している。なお、本変形例において、第2レンズ側第1テーパ面32は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって径方向における内側に傾いた内周テーパとされている。
さらに、絞り42における外周縁部42aは、物体側の表面および像面側の表面の双方が、光軸5方向に直交する形状を有している。そして、この外周縁部42aにおける像面側の表面には、第2レンズ側第1位置決め基準面29が当接している。また、外周縁部42aにおける物体側の表面には、第1レンズ側位置決め基準面28が当接している。
また、本変形例において、第1レンズ2Aは、絞り42を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。また、第2レンズ2Bも、絞り42を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット43によれば、第1レンズ2Aが、絞り42を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第1レンズ側第2テーパ面31が、絞り側第1テーパ面45に対して径方向における外側から当接していることにより、第1レンズ側第2テーパ面31が絞り側第1テーパ面45から径方向における外側に離間するようにして第1レンズ2Aが熱膨張することができる。なお、この第1レンズ2Aの熱膨張は、第1レンズ側第2テーパ面31と絞り側第1テーパ面45との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第1レンズ2Aと絞り42との間で外部応力が作用し合うことを有効に回避することができる。
また、本変形例によれば、第2レンズ2Bが、絞り42を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第2レンズ側第1テーパ面32が、絞り側第2テーパ面46に対して径方向における外側から当接していることにより、第2レンズ側第1テーパ面32が絞り側第2テーパ面46から径方向における外側に離間するようにして第2レンズ2Bが熱膨張することができる。なお、この第2レンズ2Bの熱膨張は、第2レンズ側第1テーパ面32と絞り側第2テーパ面46との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第2レンズ2Bと絞り42との間で外部応力が作用し合うことを有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、図13に示したレンズユニット22とほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る光学ユニットとしてのレンズユニットの第3実施形態について、第1および第2実施形態に示したレンズユニット1、22に対する相違点を中心として図18〜図21を参照して説明する。
なお、第1および第2実施形態におけるレンズユニット1、22と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、便宜上、同一の符号を用いて説明する。
図18に示すように、本実施形態におけるレンズユニット48についての第1、第2実施形態のレンズユニット1、22との主たる相違点は、ホルダ7内に収容されているレンズの枚数にある。
すなわち、本実施形態においては、ホルダ7内に、第1レンズ2Aおよび第2レンズ2Bに加えて、さらに、光学部材としての第3レンズ2Cが、第2レンズ2Bに対して光軸5方向における像面側において隣接するようにして収容されている。
図18に示すように、第3レンズ2Cは、そのフランジ部6Cの像面側の表面におけるホルダ側位置決め基準面23に対して光軸5方向における物体側において対向する位置に、第3レンズ側第2位置決め基準面51を有している。第3レンズ2Cは、この第3レンズ側第2位置決め基準面51をホルダ側位置決め基準面23上に当接させて位置決めがなされた状態として、保持部9上に載置保持されている。
また、第3レンズ2Cは、そのフランジ部6Cの像面側の表面上における第3レンズ側第2位置決め基準面51に対して径方向における内側において隣接する位置であって、ホルダ側第1テーパ面11bに対して光軸5方向における物体側において対向する位置に、傾斜部(第2の当接部の一態様)としての内周テーパ状の第3レンズ側第2テーパ面52を有している。この第3レンズ側第2テーパ面52の面形状は、ホルダ側第1テーパ面11bと同様に、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた形状とされている。そして、第3レンズ2Cは、保持部9上に保持された状態において、その第3レンズ側第2テーパ面52を、ホルダ側第1テーパ面11bに対して光軸5方向における物体側かつ径方向における外側から当接させている。
さらに、第3レンズ2Cは、そのフランジ部6Cの物体側の表面上における第2レンズ側第2位置決め基準面24に対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、光軸5方向に直交する第3レンズ側第1位置決め基準面54を有している。そして、第2レンズ2Bは、その第2レンズ側第2位置決め基準面24を第3レンズ側第1位置決め基準面54上に当接させて位置決めがなされた状態として、第3レンズ2C上に載置保持されている。
さらにまた、第3レンズ2Cは、そのフランジ部6Cの物体側の表面上における第3レンズ側第1位置決め基準面54に対して径方向における外側において隣接する位置であって、第2レンズ側第2テーパ面25に対して光軸5方向における像面側において対向する位置に、傾斜部としての外周テーパ状の第3レンズ側第1テーパ面55を有している。この第3レンズ側第1テーパ面55の面形状は、第2レンズ側第2テーパ面25と同様に、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた形状とされている。なお、これら第2レンズ側第2テーパ面25と第3レンズ側第1テーパ面55とは、互いに第5の当接部の一態様および第6の当接部の一態様としての関係を有している。そして、第2レンズ2Bは、第3レンズ2C上に保持された状態において、その第2レンズ側第2テーパ面25を、第3レンズ側第1テーパ面55に対して光軸5方向における物体側かつ径方向における外側から当接させている。
また、本実施形態において、第3レンズ2Cは、そのフランジ部6Cの物体側の表面上における第3レンズ側第1テーパ面55に対して径方向における外側において隣接する位置に、光軸5方向に直交する円環状のフランジ外周縁部上端面56を有している。このフランジ外周縁部上端面56は、第2レンズ2Bのフランジ部6Bの像面側の表面における第2レンズ側第2テーパ面25に対して径方向における外側において隣接する部位に対して、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA4を隔てて対向している。
さらに、本実施形態において、ホルダ7の内周面7Aは、内径が均一とされており、このホルダ7の内周面7Aと、各レンズ2A、2B、2Cのそれぞれの外周面との間には、径方向の応力回避用間隙部dr1、dr2、dr3がそれぞれ形成されている。
さらにまた、本実施形態において、第2レンズ2Bは、第3レンズ2Cよりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。なお、第3レンズ2Cは、ホルダ7および押え部材14を形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
このような構成を有する本実施形態のレンズユニット48によれば、レンズ2A、2B、2Cの外周面とホルダ7の内周面7Aとの間に径方向の応力回避用間隙部dr1、dr2、dr3が形成されていることにより、リフロー半田付けの際の熱膨張の過程において、レンズ2A、2B、2Cがホルダ7の内周面7Aに圧接することを避けることができるため、レンズ2A、2B、2Cにホルダ7からの径方向の外部応力が作用することを回避することができる。
また、本実施形態においては、第2レンズ2Bと第2レンズ2Cとの間に、光軸5方向の応力回避用間隙部dOA4が形成されているため、第2レンズ2Bが熱膨張の過程において第3レンズ2Cに圧接することはなく、第2レンズ2Bと第3レンズ2Cとの間で互いに光軸5方向の外部応力が作用し合うことを回避することができる。
さらに、本実施形態においては、第2レンズ2Bが、第3レンズ2Cを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第2レンズ側第2テーパ面25が、第3レンズ側第1テーパ面55に対して径方向における外側から当接していることにより、第2レンズ側第2テーパ面25が第3レンズ側第1テーパ面55から径方向における外側に離間するようにして第2レンズ2Bが熱膨張することができる。なお、この第2レンズ2Bの熱膨張は、第2レンズ側第2テーパ面25と第3レンズ側第1テーパ面55との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第2レンズ2Bと第3レンズ2Cとの間に外部応力が作用し合うことをより有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、第2実施形態におけるレンズユニット22とほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第3実施形態における第1変形例)
次に、図19は、図18に示した3枚レンズ構成のレンズユニット48に対する第1の変形例を示すものである。
本変形例におけるレンズユニット59は、第3レンズ2Cが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
これにともなって、本変形例においては、図19に示すように、第3レンズ側第1テーパ面55が、第2レンズ側第2テーパ面25に対して径方向における外側から当接している。より具体的には、本変形例における第3レンズ側第1テーパ面55は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた内周テーパとされている。一方、本変形例における第2レンズ側第2テーパ面25は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた外周テーパとされている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット59によれば、第3レンズ2Cが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第3レンズ側第1テーパ面55が、第2レンズ側第2テーパ面25に対して径方向における外側から当接していることにより、第3レンズ側第1テーパ面55が第2レンズ側第2テーパ面25から径方向における外側に離間するようにして第3レンズ2Cが熱膨張することができる。なお、この第3レンズ2Cの熱膨張は、第3レンズ側第1テーパ面55と第2レンズ側第2テーパ面25との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第2レンズ2Bと第3レンズ2Cとの間で互いに外部応力が作用し合うことをより有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、図18に示したレンズユニット48とほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第3実施形態における第2変形例)
次に、図20は、図18に示した3枚レンズ構成のレンズユニット48に対する第2の変形例を示すものである。
本変形例におけるレンズユニット60は、第1レンズ2Aが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第2レンズ2Bが、第3レンズ2Cを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。
これにともなって、本変形例においては、図20に示すように、第1レンズ側第2テーパ面31が、第2レンズ側第1テーパ面32に対して径方向における外側から当接している。より具体的には、本変形例における第1レンズ側第2テーパ面31は、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた内周テーパとされている。一方、本変形例における第2レンズ側第1テーパ面32は、光軸5方向における物体側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた外周テーパとされている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット60によれば、第1レンズ2Aが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第1レンズ側第2テーパ面31が、第2レンズ側第1テーパ面32に対して径方向における外側から当接していることにより、第1レンズ側第2テーパ面31が第2レンズ側第1テーパ面32から径方向における外側に離間するようにして第1レンズ2Aが熱膨張することができる。なお、この第1レンズ2Aの熱膨張は、第1レンズ側第2テーパ面31と第2レンズ側第1テーパ面32との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間で互いに外部応力が作用し合うことをより有効に回避することができる。
なお、本実施形態においては、図18に示した第1レンズ2Aと第2レンズ2Bとの間の光軸5方向の応力回避用間隙部dOA3、および、第2レンズ2Bと第3レンズ2Cとの間の光軸5方向の応力回避用間隙部dOA4をフランジ部とレンズ面の間に形成している。
その他の構成および作用効果は、図18に示したレンズユニット48とほぼ同様であるため、説明を省略する。
(第3実施形態における第3変形例)
次に、図21は、図18に示した3枚レンズ構成のレンズユニット48に対する第3の変形例を示すものである。
なお、本変形例のレンズユニット61は、図20によって本第3実施形態における第2変形例のレンズユニット60に構成が類似しているため、以下の説明においては、便宜上、本変形例のレンズユニット61について、第2変形例のレンズユニット60との相違点を中心に述べる。
図21に示すように、第2変形例のレンズユニット60に対する本変形例のレンズユニット61の相違点は、第2レンズ2Bを形成する材料と第3レンズ2Cを形成する材料との線膨脹係数の大小関係、および、第2レンズ側第2テーパ面25とこれに対向する第3レンズ側第1テーパ面55との向きにある。
すなわち、本変形例においては、第3レンズ2Cが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されている。なお、第1レンズ2Aを形成する材料は、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料であればよく、コストを削減する観点からは、第3レンズを形成する材料と同一のものを使用することが好ましい。
さらに、本変形例においては、図21に示すように、第3レンズ側第1テーパ面55が、第2レンズ側第2テーパ面25に対して径方向における外側から当接している。より具体的には、本変形例における第3レンズ側第1テーパ面55は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた内周テーパとされている。一方、本変形例における第2レンズ側第2テーパ面25は、光軸5方向における像面側に向かうにしたがって、径方向における内側に傾いた外周テーパとされている。
このような構成を有する本変形例のレンズユニット61によれば、第3レンズ2Cが、第2レンズ2Bを形成する材料よりも線膨脹係数が大きい材料によって形成されており、また、第3レンズ側第1テーパ面55が、第2レンズ側第2テーパ面25に対して径方向における外側から当接していることにより、第3レンズ側第1テーパ面55が第2レンズ側第2テーパ面25から径方向における外側に離間するようにして第3レンズ2Cが熱膨張することができる。なお、この第3レンズ2Cの熱膨張は、第3レンズ側第1テーパ面55と第2レンズ側第2テーパ面25との摺接をともなう場合があるが、この摺接は、圧接の場合とは異なり、外部応力の要因とはならない。これにより、熱膨張の過程において第2レンズ2Bと第3レンズ2Cとの間で互いに外部応力が作用し合うことをより有効に回避することができる。
その他の構成および作用効果は、第2変形例のレンズユニット60とほぼ同様であるため、説明を省略する。
ところで、本発明の実施形態のうち第1実施形態の第1変形例を除く全ての実施形態は、ホルダよりも線膨脹係数が大きいレンズをホルダ内に収容する場合について示している。すなわち、これらの実施形態では、線膨脹係数が相対的に小さい材料からなるホルダが、線膨脹係数が相対的に大きい材料からなるレンズに対して径方向における外側に配置される場合において、レンズとホルダとの間に、レンズの膨脹を許容するのに十分な間隙を形成して、外部応力が加わらないようにしている。そして、レンズをホルダ内において位置決めするための手段として、レンズの下側(像面側)に、ホルダを形成する材料と同一の線膨脹係数が相対的に小さい材料からなる保持部が形成され、この保持部とレンズとの当接部において前述した構成を有するテーパ面が形成されている。このように構成されていることにより、本実施形態においては、保持部をホルダと一体的に形成することができ、部品点数の削減が可能となる。このような効果は、仮に、保持部上にテーパ面を介してレンズ以外の光学部材を保持する場合においても同様に得ることができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、本願発明の光学ユニットには、線膨脹係数の異なる2つの部材をそれぞれの傾斜部において互いに当接させることによって、径方向における各部材の位置決めを行うことができ、その傾斜部の傾斜方向が、光軸方向における線膨脹係数の大きい部材が配置される側に向かうにしたがって光軸に近づくように形成され(換言すれば、径方向における内側に向かって傾き)、且つ、傾斜部を通り光軸方向に直交する断面において、線膨脹係数の大きい部材が外側、線膨脹係数の小さい部材が内側となるように配置されているものであって、前述した実施形態以外のものを適用するようにしてもよい。
具体的には、本発明は、円形以外の外周面を有する光学部材および円形以外の内周面を有するホルダを備えた光学ユニットにも適用可能なものである。
また、前述したレンズ側/ホルダ側位置決め基準面の配置や、応力回避用間隙部の配置および寸法は、前述した実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。ただし、応力回避用間隙部の寸法は、レンズ、押え部材、ホルダの線膨脹係数や応力回避用間隙部の配置位置に応じて、外部応力の作用を適切に回避し得る寸法とすることが必要である。
さらに、光軸5方向において互いに隣接する複数の光学部材同士の線膨脹係数が互いに等しい場合には、両光学部材の互いに当接するテーパ面のうち、いずれのテーパ面を他方のテーパ面に対する径方向の外側に配置するようにしてもよい。
さらにまた、傾斜部として、前述したテーパ面以外の傾斜面を用いるようにしてもよい。
また、本発明は、図22に示すように、レンズ2に対して物体側にホルダ7の保持部9が配置され、レンズ2に対して像面側に押え部材14が配置され、押え部材内側片部16の図22における上端面16aがレンズ2の位置決め基準面とされたレンズユニット86にも有効に適用可能なものである。なお、図22中のdOAは、光軸5方向の応力回避用間隙部を、dRは、径方向の応力回避用間隙部をそれぞれ示している。