JP2009103836A - 光コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバの導通確認が可能な光コネクタを提供する。
【解決手段】フェルール1に内挿固定された内蔵光ファイバ6が光ファイバ13に突き合わせ接続されるコネクタ本体10と、光ファイバ13をたわませた状態でコネクタ本体10に引き留める引留部品20とを備えた光コネクタ60。引留部品20は、光ファイバ13のたわみ部15が挿通するたわみ挿通部21と、光ファイバ13を保持する保持部22とを有し、コネクタ本体10に対し方向を変えられるように連結されている。引留部品20は、コネクタ本体10に対して傾斜させることによって、たわみ部15の曲げを大きくして曲げ損失を発生させることができ、これにより発生する漏れ光を外部に放出可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光コネクタに関し、特に、接続現場等で光ファイバの先端部に組み立てることが可能な光コネクタに関する。
近年では、光ドロップケーブルなどの光ファイバケーブルの先端部に組み立てることができる光コネクタが提案されている。この光コネクタは、フェルールを有するコネクタ本体と、コネクタ本体に前記光ファイバケーブルの外被を引き留める引留め具とを有する(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開2005−265973号公報 特開2005−208220号公報
光線路における導通確認法としては、光ファイバに曲げを加えて漏れ光を発生させ、この漏れ光を検出する方法がある。
しかしながら、上記従来の光コネクタでは、光ファイバケーブルから引き出された光ファイバ素線が外部に露出していないため、導通確認が困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、導通確認が可能な光コネクタを提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる光コネクタは、フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバが、別の光ファイバに突き合わせ接続されるコネクタ本体と、前記別の光ファイバをたわませた状態で前記コネクタ本体に引き留める引留部品と、を備え、前記引留部品が、前記別の光ファイバのたわみ部の少なくとも一部が挿通するたわみ挿通部と、前記別の光ファイバを保持する保持部とを有し、かつ前記コネクタ本体に対し方向を変えられるように連結され、前記引留部品を、前記コネクタ本体に対して傾斜させることによって、前記たわみ部の曲げを大きくして曲げ損失を発生させることができ、これにより発生する漏れ光を外部に放出可能であることを特徴とする。
本発明の請求項2にかかる光コネクタは、請求項1において、フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバが、別の光ファイバに突き合わせ接続されるコネクタ本体と、前記別の光ファイバをたわませた状態で前記コネクタ本体に引き留める引留部品と、を備え、前記引留部品が、前記別の光ファイバのたわみ部の少なくとも一部が挿通するたわみ挿通部と、前記別の光ファイバを保持する保持部とを有し、かつ前記コネクタ本体に対し方向を変えられるように連結され、前記引留部品は、前記コネクタ本体に対して傾斜させた状態で、前記コネクタ本体に対しスライド移動でき、このスライド移動によって、前記たわみ部分の曲げを大きくして曲げ損失を発生させることができ、これにより発生する漏れ光を外部に放出可能であることを特徴とする。
本発明の請求項3にかかる光コネクタは、請求項1または2において、前記引留部品が、連結部において前記コネクタ本体に回動自在に連結されており、この連結部を支点とする回動によってコネクタ本体に対して傾斜させることができることを特徴とする。
本発明の請求項4にかかる光コネクタは、請求項3において、前記たわみ挿通部が、前記たわみ部が挿通する挿通空間を隔てて配置された一対の側壁部を有し、前記連結部が、前記側壁部と前記コネクタ本体を回動自在に連結することを特徴とする。
本発明の請求項5にかかる光コネクタは、請求項1〜4のうちいずれか1項において、前記たわみ挿通部の先端側が、先端側開放部とされ、この先端側開放部が、前記漏れ光を外部に放出させることができることを特徴とする。
本発明の請求項6にかかる光コネクタは、請求項4において、前記たわみ挿通部が、前記一対の側壁部の一方の側縁の間に設けられた底壁部を有し、前記引留部品を、前記底壁部側に傾斜させることによって、前記漏れ光を発生させることができる。
本発明の請求項7にかかる光コネクタは、請求項2において、前記引留部品が、連結部において前記コネクタ本体に回動自在に連結されており、この連結部を支点とする回動によってコネクタ本体に対して傾斜させることができ、前記連結部は、前記側壁部と前記コネクタ本体のうち一方に形成された軸部と、他方に形成された軸受け長穴とからなり、前記引留部品は、前記軸部が前記軸受け長穴に嵌合した状態で、この長穴に沿って移動することによって、前記コネクタ本体に対しスライド移動することを特徴とする。
本発明の請求項8にかかる光コネクタは、請求項1〜7のうちいずれか1項において、前記引留部品に、前記漏れ光によって発光する蛍光材料が使用されていることを特徴とする。
本発明の光コネクタによれば、引留部品をコネクタ本体に対して傾斜させることによって、たわみ部の曲げを大きくして曲げ損失を発生させることができ、これにより発生する漏れ光を外部から観察可能である。
このため、光ドロップケーブルのような、曲げても漏れ光が放出されず、漏れ光の確認による導通確認、対照(回線識別)を行えない光ファイバであっても、導通状態(通信光等の伝送光を伝送している状態)のまま曲げ状態とすることで、前記光ファイバについての導通確認、対照を非破壊で実現できる。また、引留部品を傾斜させて漏れ光を発生させる操作が容易であることも本発明の利点である。
光ファイバの曲げ状態は、曲げ損失を発生(漏れ光を放出)することのみならず、現用回線に影響を与えない程度の伝送損失を維持するものとする。したがって、光ファイバを現用回線として運用している場合でも、この光ファイバを活線状態のまま曲げ状態として、現用回線の通信に影響を与えることなく、導通確認、対照を行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態である光コネクタ60を示す側面図である。図2は、引留部品20を示す斜視図である。図3は、引留部品20を示す平面図である。図4は、引留部品20を示す側断面図である。図5は、接続機構2の分解斜視図である。図6は、接続機構2の分解図である。図7は、接続機構2の断面図である。
以下の説明において、図1における左方を前方といい、右方を後方ということがある。
図1に示すように、光コネクタ60は、コネクタ本体10と、光ファイバ13をコネクタ本体10に引き留める引留部品20とを備えている。
コネクタ本体10は、接続機構付きフェルール3と、接続機構付きフェルール3を収容するハウジング4と、ハウジング4内に設けられた付勢手段5とを備えている。なお、符号8は、ハウジング4の外側に装着可能なつまみである。
ハウジング4は、接続機構付きフェルール3を収容するスリーブ状に形成されている。
ハウジング4は、ハウジング本体4aと、ハウジング本体4aの後端から後方に延出する一対の接続部9、9とを備えている。
接続部9、9は、板状に形成され、互いにほぼ平行に、間隔をおいて対向配置されている。接続部9、9には、後述する引留部品20の軸部42、42が嵌合する円形の軸受け穴9a、9aが形成されている。
付勢手段5は、ハウジング4に反力をとって接続機構2を前方に押圧することで、接続機構付きフェルール3を前方に付勢するものであり、この光コネクタ60を他の光コネクタに接続するとき、フェルール1に、相手側の光コネクタとの間の突き合わせ力を与える。付勢手段5としては、例えばコイルスプリングが使用できる。
図1、図5〜図7に示すように、接続機構付きフェルール3は、フェルール1と、フェルール1の後端側に設けられた接続機構2とを備えている。
フェルール1には、中心軸線に沿って光ファイバ導入孔1b(微細孔)が形成され、この光ファイバ導入孔1b内には、内蔵光ファイバ6(光ファイバ裸線など)が挿入され固定されている。内蔵光ファイバ6の先端は、フェルール1の先端面1aに露出され、後端はフェルール1の後端から突出し、接続機構2内に挿入されている。
フェルール1は、例えば、ジルコニア等のセラミックや、ガラスで形成されている。
図5〜図7に示すように、接続機構2は、内蔵光ファイバ6の後端部6aを、光ファイバ13の先端部13aに突き合わせ接続するものであり、素子ユニット7と、素子ユニット7を保持するクランプバネ11とを備えたクランプ部である。
素子ユニット7は、フェルール1の後端部に固定されたフランジ部7dと、フランジ部7dから後方に延出された基部7a(基部側素子)と、基部7a上に配置された2つの蓋体7b、7c(蓋側素子)とからなり、クランプバネ11の弾性により基部7aと蓋体7b、7cとの間に光ファイバを挟み込むことができる。
フランジ部7dは、フェルール1の後端部が嵌合する嵌合凹部7fを有する。
基部7aは、断面略半円状、断面略三角形状などとされ、フランジ部7dと一体に形成されており、金属、プラスチックなどで構成することができる。
蓋体7bと蓋体7cは、断面略半円状、断面略三角形状などとされ、基部7a上に前後に並んで配置される。蓋体7b、7cは、プラスチック、金属などで構成することができる。第1蓋体7bは、第2蓋体7cの前方、すなわちフェルール1側に配置される。
素子ユニット7には、調心機構12が形成されている。調心機構12は、基部7aの内面と蓋体7b、7cの内面に形成された溝であり、基部7aの後端部と蓋体7cの後部に形成されたガイド部12aと、ガイド部12aのフェルール1側に形成された調心部12bとを有する。
調心部12bは、ガイド部12aより幅が狭くされており、基部7aと第1蓋体7bとの間において、内蔵光ファイバ6と、光ファイバ13の先端部13aとを位置決めして調心し、これらを突き合わせ接続するようになっている。
調心機構12は、基部7aと蓋体7b、7cの両方に形成することもできるし、いずれか一方にのみ形成することもできる。
クランプバネ11は、素子ユニット7にクランプ力を加える手段であり、図示例では、断面C字形の板材である。
図1および図7における符号17は、内蔵光ファイバ6と光ファイバ13との接続点である。
光ファイバ13は、光ドロップファイバケーブルや光ファイバコードなどの被覆付き光ファイバ14から口出しされた光ファイバであり、例えば光ファイバ心線、光ファイバ素線である。先端部13aは、例えば、光ファイバ13から口出しされた光ファイバ裸線である。
図8は、被覆付き光ファイバ14の一例を示すものである。この被覆付き光ファイバ14は、光ファイバ心線13と抗張力体18が被覆14aで一括被覆されている。図示例の被覆付き光ファイバ14は、光ドロップファイバケーブルの光エレメント部に相当する。被覆付き光ファイバ14の側面14bには、引き裂き用のノッチ14cが形成されている。
次に、引留部品20を説明する。
図2〜図4に示すように、引留部品20は、光ファイバ13をたわませた状態でコネクタ本体10に引き留めるものであって、光ファイバ13のたわんだ部分(以下、たわみ部15)の少なくとも一部が挿通するたわみ挿通部21と、被覆付き光ファイバ14を保持する保持部22とを有する。
たわみ挿通部21は、対向配置された一対の側壁部23、24と、側壁部23、24の一方の側縁である下縁部23a、24aの間に設けられた底壁部25とを有し、断面コ字形となっている。
側壁部23、24は、たわみ部15が挿通される挿通空間26を隔てて互いにほぼ平行に対向配置されている。
図2に示すように、たわみ挿通部21の先端側(前端側)は開放となっており、この先端側開放部26aを通って、光ファイバ13をコネクタ本体10に導入できる。
側壁部23、24の前端部23b、24bと底壁部25の前端部25aの前後方向位置を比較すると、底壁部25の前端部25aはやや後方に位置するため、後述するように、引留部品20を傾斜させた状態では、光ファイバ13は、底壁部25がない部分の側壁部23、24間を経てコネクタ本体10に導入できる。側壁部23、24の他方の側縁側(図1における上部側)は開放されており、この部分を上部開放部26bという。
側壁部23、24は、接続部9、9の内面側に配置されている。
図1に示すように、底壁部25の前端部25aの前後方向位置は、たわみ部15の中央部15aの前後方向位置より前であることが好ましい。これによって、光ファイバ13が下方にたわむと中央部15aが底壁部25に当接して曲がりにくくなるため、たわみ挿通部21内の光ファイバ13が下方にたわむのを防止できる。
図2〜図4に示すように、保持部22は、側壁部31、32と、その下縁部31a、32aの間に設けられた底壁部33とを有する断面コ字形の保持部本体34と、一方の側壁部31に回動自在に接続されたカバー部35とを有する。
側壁部31、32間の空間は、被覆付き光ファイバ14の被覆14aの先端部が嵌め込まれる嵌め込み溝36となっている。
側壁部31、32の前部の内面には、被覆付き光ファイバ14の被覆14aの前端が突き当てられるストッパ用突起31b、32bが形成されている。
側壁部31、32の内面には、被覆付き光ファイバ14を挟み込む固定用爪31c、32cが形成されている。固定用爪31c、32cは、前後方向に対しほぼ垂直に延在する突条とされ、被覆付き光ファイバ14を挟み込んで固定できるようになっている。図示例では、被覆付き光ファイバ14は前後方向に沿って保持部22に固定されている。
カバー部35は、ヒンジ部35aを介して側壁部31に接続されており、ヒンジ部35aを中心として回動させることで、嵌め込み溝36の上部開放部36aを開閉できる。
引留部品20は、プラスチック製の一体成形品とすることができる。
引留部品20には、蛍光材料を使用してもよい。この蛍光材料は、光ファイバ13から放出される漏れ光(例えば波長1.55μm)によって発光するものが選択される。
例えば、蛍光材料を含む樹脂材料で引留部品20を形成してもよいし、蛍光材料を引留部品20の外面に塗布してもよい。
蛍光材料の使用によって、漏れ光の検出が容易になる。
引留部品20は、連結部41において、コネクタ本体10に回動自在に連結されている。
連結部41は、側壁部23、24の外面に突出して形成された軸部42、42を有する。軸部42、42は、円筒状に形成され、コネクタ本体10の接続部9、9の軸受け穴9a、9aに回動自在となるように嵌合している。
この構造を採用することによって、引留部品20を傾斜させるための機構の構造を簡略にすることができる。
なお、逆に、接続部9に軸部を形成し、側壁部23、24に軸受け穴を形成してもよい。
図1に示すように、光ファイバ13は、たわみ挿通部21の挿通空間26を通ってコネクタ本体10内に導入される。
たわみ挿通部21においては、光ファイバ13は底壁部25から離れるようにたわんでいる。具体的には、光ファイバ13は、保持部22から前方に向かうに従って高くなり、たわみ挿通部21内で高さ(底壁部25からの距離)が最大となり、そこからさらに前方に向かうと徐々に低くなり、コネクタ本体10に至る。
たわんだ部分の光ファイバ13(たわみ部15)は、たわみ挿通部21内では略円弧状に湾曲している。符号15aは、たわみ部15の中央部であり、図中、最も高い位置にある。
次に、被覆付き光ファイバ14の先端に、光コネクタ60を組み立てる方法の一例を説明する。
図2〜図4に示すように、被覆付き光ファイバ14の先端の被覆14aを除去して光ファイバ13を露出させる。
光ファイバ13の長さは、光ファイバ13がたわんだ状態で内蔵光ファイバ6に突き合わせ接続されるように調整される。
被覆14aの先端部を保持部22の嵌め込み溝36に嵌め込み、固定用爪31c、32cによって挟み込んで固定し、カバー部35を閉じる。
光ファイバ13を、内蔵光ファイバ6に接続するには、次のようにする。
図9に示すように、楔16を、素子ユニット7の基部7aと蓋体7b、7cとの間に挿入してこれらを押し開いた状態で、光ファイバ13を、ハウジング4内に導入し、光ファイバ13の先端部13aをガイド部12aから挿入し、調心部12bへ導く。
光ファイバ13の先端部13aは、調心部12b内にて、内蔵光ファイバ6の後端部6aと突き合わせ接続する。
前記たわみによる付勢力によって、光ファイバ13は、十分な突き当て力で内蔵光ファイバ6に接続される。
図10に示すように、楔16を引き抜くと、クランプバネ11のクランプ力によって、光ファイバ6、13は蓋体7b、7cと基部7aとの間に挟み込まれ、光ファイバ6、13の接続が維持される。
なお、本発明の光コネクタは、あらかじめ基部と蓋体との間に楔を挿入して光コネクタに組み付けた状態(工具付き光コネクタ)で接続作業現場に搬入すれば、接続作業を効率よく行うことができる。
次に、光コネクタ60において光ファイバ6、13の導通を確認する方法について説明する。
図11および図12に示すように、コネクタ本体10に沿う方向(前後方向)に向いた状態の引留部品20を、連結部41を支点とする回動により傾斜させる。傾斜角度は、光ファイバ13に漏れ光が生じるように設定される。
図12に示す例では、引留部品20は、コネクタ本体10に対しほぼ垂直となるように傾斜している。なお、引留部品20の傾斜角度は、漏れ光を確認できる角度であればよく、図示例には限定されない。
引留部品20を傾斜させることによって、たわみ部15の曲げは大きくなる。すなわち、たわみ挿通部21において略円弧状に湾曲したたわみ部15は、曲げ方向は変わらずに曲率が大きくなる。
引留部品20の傾斜によってたわみ部15の曲げが大きくなることによって、光ファイバ13には曲げ損失が発生し、漏れ光が発生する。
発生した漏れ光は、たわみ部15の外周側に放出される。たわみ挿通部21は、挿通空間26が外部に開放された構造を有するため、漏れ光は開放部26a、26bを通して外部に放出される。
例えば、光検出器(図示略)を引留部品20の先端側に配置し、先端側開放部26aを通して外部に放出される漏れ光を検出することによって、漏れ光の発生を確認できる。漏れ光の発生の有無に基づいて、光ファイバ6、13の導通を確認できる。
また、引留部品20に蛍光材料を用いた場合には、漏れ光による蛍光材料の発光に基づいて、光ファイバ6、13の導通を確認できる。
このように、光コネクタ60では、引留部品20を傾斜させることによって、たわみ部15の曲げを大きくして漏れ光を発生させ、この漏れ光を外部から観察可能である。
このため、光ドロップケーブルのような、曲げても漏れ光が放出されず、漏れ光の確認による導通確認、対照(回線識別)を行えない被覆付き光ファイバ14であっても、導通状態(通信光等の伝送光を伝送している状態)のまま曲げ状態とすることで、導通確認、対照を、非破壊で実現できる。また、引留部品20を傾斜させて漏れ光を発生させる操作が容易である。
光ファイバ13の曲げ状態は、曲げ損失を発生(漏れ光を放出)することのみならず、現用回線に影響を与えない程度の伝送損失を維持するものとする。したがって、光ファイバ13を現用回線として運用している場合でも、光ファイバ13を活線状態のまま曲げ状態として、現用回線の通信に影響を与えることなく、導通確認、対照を行うことができる。
次に、本発明の光コネクタの第2の実施形態である光コネクタ80について説明する。
図13は、引留部品70を示す斜視図である。図14は、引留部品70を示す平面図である。図15は、引留部品70を示す側断面図である。
以下の説明において、光コネクタ60との共通の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図13〜図15に示すように、ハウジング本体4aの後端から後方に延出する接続部19の外面には、引留部品70の軸受け長穴82に嵌合する軸部83が形成されている。
以下、引留部品70を説明する。
図13〜図15に示すように、引留部品70は、たわみ挿通部71と、被覆付き光ファイバ14を保持する保持部22とを有する。
たわみ挿通部71は、対向配置された一対の側壁部73、74と、底壁部75とを有し、側壁部73、74間の挿通空間76には、光ファイバ13のたわみ部15が挿通できる。
側壁部73、74には、接続部19の軸部83が嵌合する軸受け長穴82が形成されている。軸受け長穴82は、前後方向に沿う一定幅の直線状に形成されている。側壁部73、74は、接続部19、19の外面側に配置されている。
たわみ挿通部71の先端側(前端側)は開放となっている。この部分を先端側開放部76aという。また、図13における上部側も開放となっている。この部分を上部開放部76bという。
引留部品70は、連結部81において、軸部83が軸受け長穴82に嵌合することで、回動自在に接続部19に連結される。
軸受け長穴82には、軸部83が移動可能となるように嵌合しており、後述するように、引留部品70は、傾斜させた状態で、コネクタ本体10に対する連結状態を維持したまま、軸受け長穴82の延在方向にスライド移動させることができる。
次に、光コネクタ80において光ファイバ6、13の導通を確認する方法について説明する。
図16および図17に示すように、コネクタ本体10に沿う方向(前後方向)に向いた状態の引留部品70を、連結部81を支点とする回動により傾斜させる。図17に示す例では、引留部品70は、コネクタ本体10に対しほぼ垂直となる。この状態では、軸受け長穴82の延在方向もコネクタ本体10に垂直となる。この時点では、漏れ光が発生してもよいし、発生しなくてもよい。
次いで、図18に示すように、引留部品70を上方(先端方向)にスライド移動させる。この際、引留部品70は、軸部83と軸受け長穴82との嵌合を維持しつつ、軸受け長穴82の延在方向に沿ってスライド移動する。
これによって、たわみ部15の曲げは大きくなり、光ファイバ13には曲げ損失が発生し、漏れ光が発生する。発生した漏れ光は、たわみ部15の外周側に放出される。漏れ光は開放部76a、76bを通して外部に放出される。
例えば、光検出器(図示略)を引留部品70の先端側に配置し、先端側開放部76aを通して外部に放出される漏れ光を検出することによって、漏れ光の発生を確認できる。漏れ光の発生の有無に基づいて、光ファイバ6、13の導通を確認できる。
光コネクタ80では、引留部品70のスライド移動によってたわみ部15の曲げを大きくすることができ、確実に漏れ光を発生させることができる。従って、精度の高い導通確認が可能となる。
本発明の第1の実施形態である光コネクタを模式的に示す側面図である。 引留部品を示す斜視図である。 引留部品を示す平面図である。 引留部品を示す側断面図である。 接続機構の分解斜視図である。 接続機構の分解図である。 接続機構の断面図である。 被覆付き光ファイバの一例を示す斜視図である。 接続機構の動作を説明する断面図である。 接続機構の動作を説明する断面図である。 引留部品の動作を説明する側面図である。 引留部品の動作を説明する側面図である。 本発明の第2の実施形態である光コネクタの引留部品を示す斜視図である。 引留部品を示す平面図である。 引留部品を示す側断面図である。 引留部品の動作を説明する側面図である。 引留部品の動作を説明する側面図である。 引留部品の動作を説明する側面図である。
符号の説明
1・・・フェルール、6・・・内蔵光ファイバ、10・・・光コネクタ本体、13・・・別の光ファイバ、15・・・たわみ部、20・・・引留部品、21、71・・・たわみ挿通部、22・・・保持部、23、24・・・側壁部、23a、24a・・・下縁部(一方の側縁)、25・・・底壁部、26、76・・・挿通空間、26a、76a・・・先端側開放部、41、81・・・連結部、60・・・光コネクタ、82・・・軸受け長穴、83・・・軸部。

Claims (8)

  1. フェルール(1)に内挿固定された内蔵光ファイバ(6)が、別の光ファイバ(13)に突き合わせ接続されるコネクタ本体(10)と、前記別の光ファイバをたわませた状態で前記コネクタ本体に引き留める引留部品(20)と、を備え、
    前記引留部品が、前記別の光ファイバのたわみ部(15)の少なくとも一部が挿通するたわみ挿通部(21)と、前記別の光ファイバを保持する保持部(22)とを有し、かつ前記コネクタ本体に対し方向を変えられるように連結され、
    前記引留部品を、前記コネクタ本体に対して傾斜させることによって、前記たわみ部の曲げを大きくして曲げ損失を発生させることができ、これにより発生する漏れ光を外部に放出可能であることを特徴とする光コネクタ(60)。
  2. フェルール(1)に内挿固定された内蔵光ファイバ(6)が、別の光ファイバ(13)に突き合わせ接続されるコネクタ本体(10)と、前記別の光ファイバをたわませた状態で前記コネクタ本体に引き留める引留部品(70)と、を備え、
    前記引留部品が、前記別の光ファイバのたわみ部の少なくとも一部が挿通するたわみ挿通部(71)と、前記別の光ファイバを保持する保持部(22)とを有し、かつ前記コネクタ本体に対し方向を変えられるように連結され、
    前記引留部品は、前記コネクタ本体に対して傾斜させた状態で、前記コネクタ本体に対しスライド移動でき、
    このスライド移動によって、前記たわみ部分の曲げを大きくして曲げ損失を発生させることができ、これにより発生する漏れ光を外部に放出可能であることを特徴とする光コネクタ(80)。
  3. 前記引留部品は、連結部(41)において前記コネクタ本体に回動自在に連結されており、この連結部を支点とする回動によってコネクタ本体に対して傾斜させることができることを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ。
  4. 前記たわみ挿通部が、前記たわみ部が挿通する挿通空間(26)を隔てて配置された一対の側壁部(23、24)を有し、
    前記連結部は、前記側壁部と前記コネクタ本体を回動自在に連結することを特徴とする請求項3に記載の光コネクタ。
  5. 前記たわみ挿通部の先端側が、先端側開放部(26a)とされ、この先端側開放部は、前記漏れ光を外部に放出させることができることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
  6. 前記たわみ挿通部は、前記一対の側壁部の一方の側縁(23a、24a)の間に設けられた底壁部(25)を有し、
    前記引留部品を、前記底壁部側に傾斜させることによって、前記漏れ光を発生させることができることを特徴とする請求項4に記載の光コネクタ。
  7. 前記引留部品は、連結部(81)において前記コネクタ本体に回動自在に連結されており、この連結部を支点とする回動によってコネクタ本体に対して傾斜させることができ、
    前記連結部は、前記側壁部と前記コネクタ本体のうち一方に形成された軸部(83)と、他方に形成された軸受け長穴(82)とからなり、
    前記引留部品は、前記軸部が前記軸受け長穴に嵌合した状態で、この長穴に沿って移動することによって、前記コネクタ本体に対しスライド移動することを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ。
  8. 前記引留部品に、前記漏れ光によって発光する蛍光材料が使用されていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
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