JP2009099973A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量かつ高熱伝導性で、割れにくく可撓性を有し、絶縁性に優れ、好適な耐電圧特性を有する太陽電池を提供する。
【解決手段】絶縁性の陽極酸化膜を有するアルミニウム基板上に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層を含む光電変換層を有する、太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜太陽電池に関するものであり、更に詳しく言えば、陽極酸化アルミニウム基板を用いた、軽量でフレキシビリティに優れた薄膜太陽電池に関するものである。
薄膜太陽電池用基板としてはガラス基板が主に使用されている。但し、ガラス基板は割れやすく取り扱いに十分な注意が必要であると共に、フレキシブル性に欠けることから適用範囲が限定されていた。最近では、住宅等の建造物用の電力供給源として太陽電池が注目を集めており、十分な供給電力を確保する上で太陽電池の大型化が不可欠であり、太陽電池の大面積化を図る上で基板の軽量化が望まれている。
しかしながら、軽量化を目的として、ガラス基板を薄くすると一層割れやすくなってしまうことから、割れにくくフレキシブルであり、しかもガラス基板よりも軽量化を図ることのできる基板材料の開発が要望されている。
また、薄膜系太陽電池においては、ガラス基板のコストは太陽電池の製造コストの約半分を占めていることから、太陽電池の普及を促すために安価な基板材料が望まれている。そのような基板材料として金属を使った場合には、その上に構成する太陽電池材料との間を絶縁するのが困難であり、また、樹脂を用いた場合には、太陽電池を形成するために必要な400℃を超えるような高温に耐えられない問題があった。
さらに、金属基板を用いた場合には、金属基板と光電変換層を形成する半導体層との熱膨張係数が異なるために、半導体層が剥がれやすいという問題があった。これに対応するために、特許文献1では金属基板上に、SiO2:40〜60wt%、B23:15〜30wt%、Na2O:2〜10wt%、TiO2:8〜20%を含有するガラス層を設けている。また、特許文献2では金属上にゾルゲル法で第一の絶縁層を形成し、さらに別の絶縁材料で第二の絶縁層を形成することで、残ったピンホール部分も絶縁している。しかし、十分な耐電圧が得られないという問題があった。また、特許文献3では陽極酸化膜の厚さ0.5μm以上で絶縁膜を形成しているが、絶縁層を片側にのみ付けると、金属と絶縁層との熱膨張係数の違いから太陽電池製膜中に形状が曲がってしまうという問題があった。
特開2006−80370号公報 特開2006−295035号公報 特開2000−349320号公報
本発明は上記事情に着目してなされたものであって、軽量かつ高熱伝導性で、割れにくく可撓性を有し、絶縁性に優れ、好適な耐電圧特性を有する太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記の手段によって解決された。
(1)絶縁性の陽極酸化膜を有するアルミニウム基板上に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層を含む光電変換層を有することを特徴とする太陽電池。
(2)前記半導体層が、銅(Cu)、銀(Ag)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、イオウ(S)、セレン(Se)及びテルル(Te)からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有してなる層である、(1)項に記載の太陽電池。
(3)前記陽極酸化膜が、前記アルミニウム基板の両面に等しい厚さで形成されている、(1)又は(2)項に記載の太陽電池。
(4)一方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みと、他方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みとの膜厚差が0.001〜5μmである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の太陽電池。
(5)前記陽極酸化膜の厚さが0.1〜100μmである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の太陽電池。
(6)前記陽極酸化膜表面の算術平均粗さRaが0.5〜50nmである、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の太陽電池。
本発明の太陽電池は、安価で軽量な陽極酸化アルミニウム基板を用いており、軽量かつ高熱伝導性で、割れにくく可撓性を有し、絶縁性に優れ、好適な耐電圧特性を有する。
また、両面に陽極酸化膜を設けた基板を用いることにより、表裏の熱応力が均衡し、基板のカールや丸まりなどの変形を防ぐことができる。
また、基板表面に形成された凹凸構造により、基板と金属電極との密着性を向上させ、膜剥がれを防ぐことができる。
本発明によれば、陽極酸化を用いて金属基板表面に絶縁性の酸化膜を形成することで、絶縁性を持ったフレキシブル基板が得られ、これを用いることで安価な太陽電池を提供することができる。
金属基板としては、陽極酸化により金属基板表面上に生成する金属酸化膜が絶縁体である材料を利用することができる。通常、金属酸化膜は、金属と比べると熱膨張係数が小さく、半導体のそれと近い。したがって、基本的には、金属基板表面に形成する酸化膜が、光電変換層を形成する材料と近い熱膨張係数を持つのが好ましい。成分が銅(Cu)、銀(Ag)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、イオウ(S)、セレン(Se)及びテルル(Te)などのI−III−VI族半導体を用いて銅−インジウム−ガリウム−セレン系(CIGS系)の太陽電池を構成することを考えた場合は、好ましい金属基板としては、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)及びタンタル(Ta)等、並びにそれらの合金が挙げられる。その中で、コストや太陽電池に要求される特性の観点から、アルミニウムが最も好ましい。
また、上記に加え、裏面電極層に接する基板の表面層と裏面電極層の熱膨張係数を近い値にしておくことが重要である。CIGS系の太陽電池においては、光電変換層と裏面電極層との仕事関数の関係を最適化する必要から、裏面電極層の材料には通常Moが使用される。ところが、Moの熱膨張係数は5×10−6/Kであり、ソーダライムガラス基板の熱膨張係数、CIGSの熱膨張係数9×10−6/Kよりも更に小さい。また、ステンレス基板の熱膨張係数は10×10−6/Kであり、ソーダライムガラス基板よりもMoとの熱膨張係数の差異が大きい。これに対し、陽極酸化アルミニウム基板では、陽極酸化膜(アルミナ)の熱膨張係数は7.5×10−6/Kであり、ステンレス基板やソーダライムガラス基板よりもMoに近い。したがって、CIGS系の太陽電池の基板として陽極酸化アルミニウム基板を用いた場合、ステンレス基板やソーダライムガラス基板よりも成膜中の熱膨張によりMo裏面電極層にかかるストレスが小さい。
アルミニウムの熱膨張係数は22×10-6/Kであり、アルミナである陽極酸化膜とアルミニウムの熱膨張の差があるため、陽極酸化膜は、アルミニウム基板の両面にほぼ等しい厚さで形成されていることがより好ましい。一方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みと、他方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みとの膜厚差が小さいことが、両面の熱応力の大きさを等しくし、反りや丸まりや、膜剥がれが発生するのを防ぐことができる。片側に、太陽電池が形成されることを考慮すると、太陽電池が形成されない側のアルミナは熱応力のバランスのために厚めにするのがより好ましい。光電変換層の厚さが3μmぐらいあることを考慮し、背面側の厚さを光電変換層の形成される側の絶縁膜より厚くするのが良い。一方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みと、他方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みとの膜厚差が、およそ0.001〜5μmであることが好ましい。
両面の陽極酸化方法としては例えば、片面に絶縁材料を塗布して、片面ずつ両面を陽極酸化する方法、両面を同時に陽極酸化する方法を用いる。陽極酸化はポーラス状に酸化膜を形成するので、一度、酸化膜を形成した後、穴の部分に絶縁材料を埋めることにより、より金属板の絶縁層を向上する。基材金属がマイグレーションを起こし、絶縁が破壊されたり、他層の構成元素と化合したりするのを防ぐ。
また、金属表面を粗面化することにより、酸化アルミナ層の表面にも凹凸ができ、アルミナ上に形成する導電性層(金属・半導体)との密着を良くし、特に、熱膨張係数の異なる(大きい)金属層の膜剥がれを防止する。凹凸を作る方法としては、陽極酸化処理をする前の金属表面を機械研磨、化学研磨、電気研磨およびそれらの組合せによって実現することができる。鏡面状態に研磨してから陽極酸化し、表面の算術平均粗さRaを0.01〜200μm(好ましくは0.5〜50nm)の粗さにするのが好ましい。
このようにして、本発明の太陽電池は、絶縁性の陽極酸化膜を有するアルミニウム基板上に、成分が銅(Cu)、銀(Ag)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、イオウ(S)、セレン(Se)及びテルル(Te)などのIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層(I−III−VI族半導体)を含む光電変換層を形成することで得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<アルミニウム基板(圧延アルミニウム板)>
本発明の太陽電池に用いられるアルミニウム板は、高純度で、かつ、表面が研磨されたものが好ましい。アルミニウム材の純度が高いほど陽極酸化後の細孔(ポア)の規則性が向上し、規則性を有する領域の大きさ(平均ポア周期)も広がる為、電磁気的デバイスへ応用する際には、できる限り高純度のアルミニウム材料を使用することが好ましい。好ましくは99.9質量%以上、より好ましくは99.99質量%以上、さらに好ましくは99.999質量%以上である。
本発明に用いられるアルミニウム板の厚さは例えば、0.1〜0.6mmとし、太陽電池の大きさ、蒸着装置の大きさおよびユーザーの希望により、適宜変更することができる。
一般に、金属の表面処理方法は機械的処理,化学的処理,電気化学的処理に分けられる。機械的処理とは金属表面を機械的に削り取る処理である。一般には、硬度の高い研摩剤を被研磨体である対象物と研摩体の間に介在させ、被研磨体と研摩体とを相対的に移動させることで機械的に研磨する。研磨剤の種類,粒径,研摩体によって得られる金属表面が異なる。化学的処理とは酸またはアルカリ水溶液によって金属表面の酸化皮膜や素地を平滑化する処理である。
(算術平均粗さRa)
一般には金属表面の算術平均粗さRaは、圧延方向に垂直な方向を横方向として、横方向に複数箇所でそれぞれ圧延方向に基準長さ測定して平均する。本発明における表面粗さは、対象表面に垂直な断面に現れる輪郭を求める断面曲線法であり、Ra、1μm以上では触針式表面粗さ測定器を用い、Ra、1μm未満では原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、原子間力を検出して、断面曲線を得る方法を用いることが好ましい。JIS−B601−1994では、粗さ曲線から複数個(例えば5)の基準長さLだけ連続して抜き取った評価長さについて粗さを評価する。基準長さはカットオフ値と同一長さとする。それぞれの基準長さの範囲内で、各種粗さパラメータを求め、それを基準長さ全数について平均し、測定値とする。本発明における平均表面粗さは、圧延方向と、圧延方向に垂直な方向での測定値の平均値である。
マイクロポアを形成する方法として、自己規則化法がある。マイクロポアが規則的にできると陽極酸化膜の平坦性、均一性が増し、太陽電池の支持体として好ましい。自己規則化法は、陽極酸化皮膜のマイクロポアが規則的に配列する性質を利用し、規則的な配列をかく乱する要因を取り除くことで、規則性を向上させる方法である。具体的には、高純度のアルミニウムを使用し、電解液の種類に応じた電圧で、長時間(例えば、数時間から十数時間)かけて、低速で陽極酸化皮膜を形成させ、その後、脱膜処理を行う。
この方法においては、ポア径は電圧に依存するので、電圧を制御することにより、ある程度所望のポア径を得ることができる。
自己規則化法の代表例としては、J.Electrochem.Soc.Vol.144,No.5,May 1997,p.L128(非特許文献A)、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)Pt.2,No.1B,L126(非特許文献B)、Appl.Phys.Lett,Vol.71,No.19,10 Nov 1997,p.2771(非特許文献C)が知られている。
これらの公知文献に記載されている方法は、高純度の材料を用い、電解液に応じた特定の電圧で、比較的低温で長時間処理を施しているところに技術的特徴がある。具体的には、いずれもアルミニウム純度99.99質量%以上の材料を用いており、以下に示される条件で、自己規則化法を行っている。
0.3mol/L硫酸、0℃、27V、450分(非特許文献A)
0.3mol/L硫酸、10℃、25V、750分(非特許文献A)
0.3mol/Lシュウ酸、17℃、40〜60V、600分(非特許文献B)
0.04mol/Lシュウ酸、3℃、80V、膜厚3μm(非特許文献C)
0.3mol/Lリン酸、0℃、195V、960分(非特許文献C)
また、これらの公知文献に記載されている方法では、陽極酸化皮膜を溶解させて除去する脱膜処理に、50℃程度のクロム酸とリン酸の混合水溶液を用いて、12時間以上をかけている。なお、沸騰した水溶液を用いて処理すると、規則化の起点が破壊され、乱れるので、沸騰させないで用いる。
その結果、これらの公知文献に記載されている方法では、マイクロポアのポア径は種々異なるが、ポア径のばらつき(変動係数)は3%以下となっている。
自己規則化法により、陽極酸化皮膜を形成させた後、これを溶解させて除去し、再度、同一の条件で本陽極酸化処理を行うと、ほぼ真っ直ぐなマイクロポアが、膜面に対してほぼ垂直に形成される。
陽極酸化に使用する電解槽としては、アルミニウム基板の両側に金属電極を配置したものが好ましい(例えば特開2001-140100号公報、特開2000-17499号公報を参照。)。このとき、基板の片側に絶縁層を塗布するなどして片面ずつ陽極酸化するか、あるいは両面同時に陽極酸化を行う。
前述の陽極酸化処理の電解電圧の好ましい範囲は10V〜240V、さらに好ましくは10V〜60Vである。
上記の方法で作成された陽極酸化膜は、いずれの面の陽極酸化皮膜の厚みが0.1〜100μmであることが好ましい。膜厚が厚すぎるとアルミニウムから陽極酸化膜が剥離するため、100μm以下が適当であり、70μm以下が好ましい。アルミニウムの熱伸縮抑制および絶縁性の観点から15μm以上であることが好ましい。
陽極酸化皮膜には、その表面にマイクロポアと呼ばれる微細な凹部が一様に分布して形成されている。マイクロポアの孔径および存在周期は、処理条件を適宜選択することによって調整することができる。ポアの孔径は8〜200nmの範囲で、存在周期は20〜600nmの範囲で調整可能である。
ポア径のばらつきを所定の範囲にするためには、本陽極酸化処理を低温で行うとよい。一般には、処理温度を低温にするほどマイクロポアの配列が規則的になり、また、ポア径が均一になる。
<光電変換層の形成>
本発明の太陽電池は、上記の太陽電池用基板上に光電変換層を形成することで作製することができる。
まず、上記のアルミニウム板の両面を処理して太陽電池用基板を作製した後、当該太陽電池用基板を乾燥させる。乾燥することによって、光電変換層を成膜するときに水が混入するのを防ぐ。水の混入により光電変換層の寿命が短くなるのを防ぐ。
乾燥した太陽電池用基板上に、好ましくはIb族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体(I−III−VI族半導体)の層である光電変換層を形成することで、太陽電池セルを得る。さらに、特開2007−123725号公報に記載のように、エチレンビニルアセテート等の接着剤を使って強化ガラスに貼り付け、太陽電池モジュールとする。光電変換層は、銅(Cu)、銀(Ag)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、イオウ(S)、セレン(Se)及びテルル(Te)からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有してなる半導体層であることが好ましい。また、光電変換層としては、セレン化法、セレン化流化法、3段開法などを用いたCIGS系半導体が好ましいが、Si等のIVb族元素からなる半導体(IV族半導体)、GaAs等のIIIb族元素とVb族元素とからなる半導体(III−V族半導体)、CdTe等のIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体(II−VI族半導体)やそれらを組み合わせたものでもよい。なお、本明細書における元素の族の記載は、短周期型周期表に基づくものである。
以下に、一例としてCIGS系の光電変換層を示す。
Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる、カルコパイライト構造の半導体薄膜であるCuInSe2(CIS系薄膜)、あるいは、これにGaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS系薄膜)を光吸収層に用いた薄膜太陽電池は、高いエネルギー変換効率を示し、光照射等による効率の劣化が少ないという利点を有している。図1(a)乃至(d)は、CIGS系薄膜太陽電池のセルの一般的な製造方法を説明するためのデバイスの断面図である。
図1(a)に示すように、まず、陽極酸化アルミニウム基板100上にプラス側の下部電極となるMo(モリブデン)電極層200が形成される。次に、図1(b)に示すように、Mo電極層200上に、組成制御により、p-型を示す、CIGS系薄膜からなる光吸収層300が形成される。次に、図1(c)に示すように、その光吸収層300上に、CdSなどのバッファ層400を形成し、そのバッファ層400上に、不純物がドーピングされてn+型を示す、マイナス側の上部電極となるZnO(酸化亜鉛)からなる透光性電極層500を形成する。次に、図1(d)に示すように、メカニカルスクライブ装置によって、ZnOからなる透光性電極層500からMo電極層200までを、一括してスクライブ加工する。これによって、薄膜太陽電池の各セルが電気的に分離(すなわち、各セルが個別化)される。本実施態様の製造装置で好適に成膜することのできる物質を以下に示す。
(1)常温で液相または加熱により液相となる元素、化合物または合金を含む物質
(2)カルコゲン化合物(S、Se、Teを含む化合物)
II−VI化合物:ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTeなど
I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2
Cu(In,Ga)(S,Se)2など
I−III3−VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5など
(3)カルコパイライト型構造の化合物および欠陥スタナイト型構造の化合物
I−III−VI2族化合物:CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuInS2、CuGaSe2
Cu(In,Ga)(S,Se)2など
I−III3−VI5族化合物:CuIn3Se5、CuGa3Se5、Cu(In,Ga)3Se5など
ただし、上の記載において、(In,Ga)、(S,Se)は、それぞれ、(In1-xGax)、(S1-ySey)(ただし、x=0〜1、y=0〜1)を示す。
以下に、代表的なCIGS層の形成方法を示すが、これに限定されるものではない。
1)多源同時蒸着法
多源同時蒸着法の代表的な方法としては、米国のNREL(National Renewable Energy Laboratory)が開発した3段階法とECグループの同時蒸着法がある。3段階法は、例えば、J.R.Tuttle,J.S.Ward,A.Duda,T.A.Berens,M.A.Contreras,K.R.Ramanathan,A.L.Tennant,J.Keane,E.D.Cole,K.Emery and R.Noufi:Mat.Res.Soc.Symp.Proc.,Vol.426(1996)p.143.に記載されている。また、同時蒸着法は、例えば、L.Stolt et al.:Proc.13th ECPVSEC(1995,Nice)1451.に記載されている。
3段階法は、高真空中で最初にIn、Ga、Seを基板温度300℃で同時蒸着し、次に500〜560℃に昇温してCu、Seを同時蒸着後、In、Ga、Seをさらに同時蒸着する方法で、禁制帯幅が傾斜したグレーデッドバンドギャップCIGS膜が得られる。ECグループの方法は、蒸着初期にCu過剰CIGS、後半でIn過剰CIGSを蒸着するBoeing社の開発したバイレーヤー法をインラインプロセスに適用できるように改良したものである。バイレーヤー法は、W.E.Devaney,W.S.Chen,J.M.Stewart,and R.A.Mickelsen:IEEE Trans.Electron.Devices 37(1990)428.に記載されている。
3段階法およびECグループの同時蒸着法は共に、膜成長過程でCu過剰なCIGS膜組成とし、相分離した液相Cu2-xSe(x=0〜1)による液相焼結を利用するため、大粒径化が起こり、結晶性に優れたCIGS膜が形成されるという利点がある。
さらに、近年CIGS膜の結晶性を向上させるため、この方法に加えた種々の方法に関する検討が行われており、これらを用いても良い。
(a)イオン化したGaを使用する方法
蒸発したGaをフィラメントによって発生した熱電子イオンが存在するグリッドを通過させ、Gaと熱電子が衝突することでGaをイオン化する方法である。イオン化したGaは引き出し電圧により加速され基板に供給される。詳細は、H.Miyazaki,T.Miyake,Y.Chiba,A.Yamada,M.Konagai,phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p.2603.に記載されている。
(b)クラッキングしたSeを使用する方法
蒸発したSeは通常クラスターとなっているが、更に高温ヒーターにより熱的にSeクラスターを分解することでSeクラスターを低分子化する方法である(第68回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007秋 北海道工業大学)7P−L−6)。
(c)ラジカル化したSeを用いる方法
バルブトラッキング装置により発生したSeラジカルを用いる方法である(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−10)。
(d)光励起プロセスを利用した方法
3段階蒸着中にKrFエキシマレーザー(波長248nm、100Hz)、またはYAGレーザー(例えば、波長266nm、10Hz)を基板表面に照射する方法である(第54回応用物理学会学術講演会 講演予稿集(2007春 青山学院大学)29P−ZW−14)。
2)セレン化法
セレン化法は2段階法とも呼ばれ、最初にCu層/In層や(Cu−Ga)層/In層等の積層膜の金属プレカーサをスパッタ法、蒸着法、電着法などで製膜し、これをセレン蒸気またはセレン化水素中で450〜550℃程度に加熱することにより、熱拡散反応によってCu(In1-xGax)Se2等のセレン化合物を作製する方法である。この方法を気相セレン化法と呼ぶが、このほか、金属プリカーサ膜の上に固相セレンを堆積し、この固相セレンをセレン源とした固相拡散反応によりセレン化させる固相セレン化法がある。現在、唯一、大面積量産化に成功しているのは、金属プリカーサ膜を大面積化に適したスパッタ法で製膜し、これをセレン化水素中でセレン化する方法である。
しかしながら、この方法ではセレン化の際に膜が約2倍に体積膨張するため、内部歪みが生じ、また、生成膜内に数μm程度のボイドが発生し、これらが膜の基板に対する密着性や太陽電池特性に悪影響を及ぼし、光電変換効率の制限要因になっているという問題がある(B.M.Basol,V.K.Kapur,C.R.Leidholm,R.Roe,A.Halani,and G.Norsworthy:NREL/SNL Photovoltaics Prog.Rev.Proc.14th Conf.-A Joint Meeting(1996)AIP Conf.Proc.394.)。
このようなセレン化の際に生ずる急激な体積膨張を回避するために、金属プリカーサ膜に予めセレンをある割合で混合しておく方法(T.Nakada,R.Ohnishi,and A.kunioka:"CuInSe2-Based Solar Cells by Se-Vapor Selenization from Se-Containing Precursors" Solar Energy Materials and Solar Cells 35(1994)204-214.)や、金属薄層間にセレンを挟み(例えばCu層/In層/Se層…Cu層/In層/Se層と積層する)多層化プリカーサ膜の使用が提案されている(T.Nakada,K.Yuda,and A.Kunioka:"Thin Films of CuInSe2 Produced by Thermal Annealing of Multilayers with Ultra-Thin stacked Elemental Layers" Proc.of 10th European Photovoltaic Solar Energy Conference(1991)887-890.)。これらにより、上述の堆積膨張の問題はある程度回避されている。
しかしながら、このような手法を含めて、すべてのセレン化法に当てはまる問題点がある。それは、最初にある決まった組成の金属積層膜を用い、これをセレン化するため、膜組成制御の自由度が極めて低いという点である。たとえば現在、高効率CIGS系太陽電池では、Ga濃度が膜厚方向で傾斜したグレーデッドバンドギャップCIGS薄膜を使用するが、このような薄膜をセレン化法で作製するには、最初にCu−Ga合金膜を堆積し、その上にIn膜を堆積し、これをセレン化する際に、自然熱拡散を利用してGa濃度を膜厚方向で傾斜させる方法がある(K.Kushiya,I.Sugiyama,M.Tachiyuki,T.Kase,Y.Nagoya,O.Okumura,M.Sato,O.Yamase and H.Takeshita:Tech.Digest 9th Photovoltaic Science and Engineering Conf.Miyazaki,1996(Intn.PVSEC-9,Tokyo,1996)p.149.)。
3)スパッタ法
スパッタ法は大面積化に適するため、これまでCuInSe2薄膜形成法として多くの手法が試みられてきた。たとえば、CuInSe2多結晶をターゲットとした方法や、Cu2SeとIn2Se3をターゲットとし、スパッタガスにH2SeとAr混合ガスを用いる2源スパッタ法(J.H.Ermer,R.B.Love,A.K.Khanna,S.C.Lewis and F.Cohen:"CdS/CuInSe2 Junctions Fabricated by DC Magnetron Sputtering of Cu2Se and In2Se3" Proc.18th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.(1985)1655-1658.)が開示されている。また、Cuターゲット,Inターゲット,SeまたはCuSeターゲットをArガス中でスパッタする3源スパッタ法などが報告されている(T.Nakada,K.Migita,A.Kunioka:"Polycrystalline CuInSe2 Thin Films for Solar Cells by Three-Source Magnetron Sputtering" Jpn.J.Appl.Phys.32(1993)L1169-L1172.ならびに、T.Nakada,M.Nishioka,and A.Kunioka:"CuInSe2 Films for Solar Cells by Multi-Source Sputtering of Cu,In,and Se-Cu Binary Alloy" Proc.4th Photovoltaic Science and Engineering Conf.(1989)371-375.)。
4)ハイブリッドスパッタ法
前述したスパッタ法の問題点が、Se負イオンまたは高エネルギーSe粒子による膜表面損傷であるとするなら、Seのみを熱蒸発に変えることで、これを回避できるはずである。中田らは、CuとIn金属は直流スパッタで、Seのみは蒸着とするハイブリッドスパッタ法で、欠陥の少ないCIS薄膜を形成し、変換効率10%を超すCIS太陽電池を作製した(T.Nakada,K.Migita,S.Niki,and A.Kunioka:"Microstructural Characterization for Sputter-Deposited CuInSe2 Films and Photovoltaic Devices" Jpn.Appl.Phys.34(1995)4715-4721.)。また、Rockettらは、これに先立ち、有毒のH2Seガスの代わりにSe蒸気を用いることを目的としたハイブリッドスパッタ法を報告している(A.Rockett,T.C.Lommasson,L.C.Yang,H.Talieh,P.Campos and J.A.Thornton:Proc.20th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.(1988)1505.)。さらに古くは膜中のSe不足を補うためSe蒸気中でスパッタする方法も報告されている(S.Isomura,H.Kaneko,S.Tomioka,I.Nakatani,and K.Masumoto:Jpn.J.Appl.Phys.19(Suppl.19-3)(1980)23.)。
5)メカノケミカルプロセス法
CIGSの各組成の原料を遊星ボールミルの容器に入れ、機械的なエネルギーによって原料を混合してCIGS粉末を得る。その後、スクリーン印刷によって基板上に塗布し、アニールを施しCIGSの膜を得る方法である(T.Wada,Y.Matsuo,S.Nomura,Y.Nakamura,A.Miyamura,Y.Chia,A.Yamada,M.Konagai,Phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p2593)。
6)その他の方法
その他のCIGS製膜法としてはスクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、スプレー法などが挙げられる。
(光電変換層以外の構成)
I−III−VI族化合物半導体と接合を形成するn形半導体には、たとえば、CdSやZnO、ZnS、Zn(O,S,OH)などのII−VI族の化合物を用いることができる。これらの化合物は、光電変換層とキャリアの再結合のない接合界面を形成することができ、好ましい。例えば、特開2002−343987号公報を参照。
裏面電極としてはモリブデン、クロム、タングステンなどの金属を用いることができる。これらの金属材料は熱処理を行っても他の層と混じりにくく好ましい。I−III−VI族化合物半導体からなる半導体層(光吸収層)を含む光起電力層を用いる場合、モリブデン層を用いることが好ましい。
透明電極にはITO、ZnO:Ga、ZnO:Al、ZnO:B、SnO2などの公知の材料を用いることができる。これらの材料は、光透過性が高く、低抵抗であり、キャリアの移動度が高いため、電極材料として好ましい。例えば、特開平11−284211号公報を参照。
層構造としては、スーパーストレート型、サブストレート型が挙げられる。I−III−VI族化合物半導体からなる半導体層(光吸収層)を含む光起電力層を用いる場合、サブストレート型構造を用いるほうが、変換効率が高く好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例で行った処理及び測定の条件・方法について説明する。
1.アルミニウム板の研磨
日本軽金属(株)製 5N材 特注品、面積5cm角、分析結果(質量%、成分Al:99.999%以上、Cu:0.0002%未満、Si:0.0002%未満、Fe:0.0002%未満)のアルミ材を使用した。以下に説明する機械的研磨法を用いて研磨した。
A1)機械研磨法
使用研磨盤 丸本ストルアス(株)製 商品名:ラボポール‐5
5cm角サンプルを両面テープ(住友3M社製 再剥離テープ9455)にて鏡面仕上げ済みの金属ブロックに貼った。#80→#240→#500→#1000→#1200→#1500と順次、研磨紙の番手を上げ、凹凸部分が目視確認できなくなるまで、研磨した。
研磨紙:商品名 丸本ストルアス(株)製 耐水研磨紙を用いた。
A2)機械研磨法
使用研磨盤 丸本ストルアス(株)製 商品名:ラボポール‐5
5cm角サンプルを両面テープ(住友3M社製 再剥離テープ9455)にて鏡面仕上げ済みの金属ブロックに貼った。順次、以下のように研磨剤、研磨布を換え、凹凸部分が目視確認できなくなるまで、研磨した。
研磨剤:商品名 丸本ストルアス(株)製 ダイヤモンド研磨剤 DP-スプレーP
SPRIR(粒径45μm)→SPRAM(粒径25μm)→SPRUF(粒径15μm)→SPRAC(粒径9μm)→SPRIX(粒径6μm)→SPRRET(粒径3μm)→SPRON(粒径1μm)→SPRYT(粒径0.25μm)
バフに上記ダイヤモンドスラリーを粗いものから順次使用し、鏡面状態に仕上げた。バフは研磨剤交換時に交換した。
バフ:丸本ストルアス(株)製 琢磨布 No773(粒径10μm以上)、No751(粒径10μm未満)を用いた。
2.研磨面の評価
<表面粗さの評価>
まずは、触針式粗さ計で計測後、Raが0.1μm以下になった場合に、AFMにてRaを計測した。Ra0.1μm以上の場合は、先端径10μmのサファイヤ針で測定し、それ以外はAFMで測定した。
(1)粗さ計によるRaの測定:JIS−B601−1994記載
粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を長さLで割った値をマイクロメートル(μm)で表す。
機種:(株)東京精密製 サーフコム 575A
測定条件:カットオフ 0.8mm、傾斜補正 FLAT-ML、測定長 2.5mm、T-speed 0.3mm/s、Polarity positive:
測定針:先端径10μmのサファイヤ針
(2)AFMによるRaの測定
Raが0.1μm以下の場合、AFM(DFMサイクリックコンタクトモード)にて粗さを計測した。
走査エリア 3000nm
走査周波数 0.5Hz
振幅減衰率 -0.16
Iゲイン 0.0749/Pゲイン 0.0488
Qカーブゲイン 2.00
加振電圧 0.044V
共振周波数 318.5kHz
測定周波数 318.2kHz
振動振幅 0.995V
Q値 460付近
測定針:先端径10nmのSi針(セイコーインスツルメンツ製 商品名:カンチレバー SI DF40P)
Figure 2009099973
3.陽極酸化膜の作製
裏周り防止処置として、裏面(陽極酸化しない面)にPETテープを貼りつけ、以下の処理を行った。
<自己規則化工程>
Figure 2009099973
<脱膜工程>
下記処方で燐酸、無水クロム酸、水を混合して用いた。
85%リン酸118g、無水クロム酸30g、水1500g、温度50℃、浸漬時間10時間
<本陽極酸化工程>
下記表3に示す条件で本陽極酸化処理を行い、その表面性状を以下のように測定した。結果を表3に示す。本陽極酸化条件A,B,Cで得られた皮膜をそれぞれ、本陽極酸化皮膜A,B,Cとした。
<マイクロポアの評価>
上記で得られた陽極酸化皮膜について、マイクロポアの平均ポア径、平均ポア周期を、SEM表面写真を画像解析することにより測定した。
ポア径に応じてFE-SEMにて10万倍に調整して撮影したSEM写真(傾斜0度)より、隣接したポアの中心間隔を30箇所測定し、その平均値を平均ポア周期とした。
ポアの輪郭を透明なOHPシートに概ね100個、写し取った後、市販画像解析ソフト(商品名:Image Factory Asahi-Hi-Tech co.Ltd製)にて等価円直径に近似して、得られた値をポア径とした。
Figure 2009099973
実施例1
機械研磨法A1で研磨処理したアルミニウム基板を用いて、表2記載の自己規則化条件Bで基板上に陽極酸化膜を形成し、陽極酸化アルミニウム基板を作製した。この基板を用いて太陽電池を作製した。
この実施例では、CIS薄膜として、カルコパイライト型構造のCuInSe2薄膜の成膜を実施した。本実施の形態では、高純度銅のディスク状ターゲットとインジウム(純度99.9999%)、高純度Se(純度99.999%)のディスク状ターゲットを用いる。基板の大きさは、5cm×4cmである。
基板温度モニターとして、クロメル−アルメル熱電対を用いた。まず、陽極酸化アルミニウム基板上に、モリブデン膜をスパッタ法で膜厚0.8μm堆積させた。次いで、主真空チャンバーを10-6Torrまで真空排気した後、高純度アルゴンガス(99.999%)をスパッタ室に導入し、バリアブルリークバルブで3×10-2Torrとなるように調整した。そして、CIS膜堆積の前に、Inをスパッタして室温で膜厚約50nmのIn層を、Mo膜付き陽極酸化アルミニウム基板上に形成し、CIS膜の密着性の向上を図った。つぎに、CIS膜を堆積した。CIS膜堆積中は、基板の温度は、450℃と一定とした。
つぎに、これらのCIS薄膜を光吸収層として太陽電池を作製した。電池構造は、光入射側から、ZnO:Al膜/CdS膜/CIS膜/Mo膜/基板である。下部電極の上にCIS薄膜を2μm厚さ程度成膜する。次にバッファ層として、CdS薄膜を90nm程度溶液成長法で堆積し、その上に、透明導電膜のZnO:Al膜をRFスパッタ法で厚さ0.6μmつけた。最後に上部電極として、Alグリッド電極を蒸着法で作製した。
得られた太陽電池の10cm□当たりの重さは4gと軽量であった。また、この太陽電池に、AM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射して太陽電池特性を測定した。その結果、変換効率7%であった。
比較例1
特開2004−158511号公報の記載を参照して、ステンレス基板にゾルゲル法で酸化ケイ素膜を形成した。この基板を用いて、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、太陽電池特性を測定した。その結果、変換効率6%であった。
比較例2
厚さ0.5mm、10cm□のガラス基板を用いて、実施例1と同様にして太陽電池を作製した。得られた太陽電池の重さは13gであった。
このように、アルミニウム基板を用いた本発明の太陽電池によれば、太陽電池の軽量化を達成することができる。
図1(a)乃至(d)は、CIGS系薄膜太陽電池のセルの一般的な製造方法を説明するためのデバイスの断面図である。
符号の説明
100 陽極酸化アルミニウム基板
200 Mo電極層
300 光吸収層(CIGS)
400 バッファ層(CdS)
500 透光性電極層

Claims (6)

  1. 絶縁性の陽極酸化膜を有するアルミニウム基板上に、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる半導体層を含む光電変換層を有することを特徴とする太陽電池。
  2. 前記半導体層が、銅(Cu)、銀(Ag)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、イオウ(S)、セレン(Se)及びテルル(Te)からなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有してなる層である、請求項1記載の太陽電池。
  3. 前記陽極酸化膜が、前記アルミニウム基板の両面に等しい厚さで形成されている、請求項1又は2に記載の太陽電池。
  4. 一方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みと、他方の面上に形成された陽極酸化皮膜の厚みとの膜厚差が0.001〜5μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池。
  5. 前記陽極酸化膜の厚さが0.1〜100μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池。
  6. 前記陽極酸化膜表面の算術平均粗さRaが0.5〜50nmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池。
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