JP2009099592A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】poly−Si層およびa−Si層が積層されたボトムゲートのTFTにおいて、固定電荷の影響によるリーク電流の増大を防止する。
【解決手段】ゲート電極103を覆ってゲート絶縁膜104が形成され、ゲート絶縁膜104上にpoly−Si層107が形成され、その上にa−Si層108が形成され、さらにその上に、n+Si層109、ソース/ドレイン電極113が形成され、TFT全体はパッシベーション膜116によって覆われている。チャネル部からはチャネルエッチングによってa−Si層108が除去されている。したがって、チャネル部に誘起される電荷はゲート電極103による影響が支配的となり、チャネル付近のパッシベーション膜116に固定電荷200が形成されても、固定電荷200の影響によるリーク電流の増大は抑止される。
【選択図】図1
【解決手段】ゲート電極103を覆ってゲート絶縁膜104が形成され、ゲート絶縁膜104上にpoly−Si層107が形成され、その上にa−Si層108が形成され、さらにその上に、n+Si層109、ソース/ドレイン電極113が形成され、TFT全体はパッシベーション膜116によって覆われている。チャネル部からはチャネルエッチングによってa−Si層108が除去されている。したがって、チャネル部に誘起される電荷はゲート電極103による影響が支配的となり、チャネル付近のパッシベーション膜116に固定電荷200が形成されても、固定電荷200の影響によるリーク電流の増大は抑止される。
【選択図】図1
Description
本発明は表示装置に係り、特に表示領域の周辺にpoly−SiチャネルのTFTを用いた駆動回路を形成した表示装置に関する。
表示装置のうち、液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板に画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成されたカラーフィルタ基板が対向し、TFT基板とカラーフィルタ基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
TFT基板には、縦方向に延在し、横方向に配列したデータ線と、横方向に延在して縦方向に配列した走査線とが存在し、データ線と走査線とで囲まれた領域に画素が形成される。画素は主として画素電極とスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が構成される。このようにマトリクス状に形成された多くの画素によって表示領域が形成される。
表示領域の外側には走査線を駆動する走査線駆動回路、データ線を駆動するデータ線駆動回路が設置される。従来は走査線駆動回路、データ線駆動回路はICドライバが外付けされていた。このICドライバはテープキャリア等によってTFT基板に接続される場合もあるし、ICドライバが直接TFT基板にチップオンされる場合もある。
一方、表示領域を確保したまま、表示装置全体を小さくしたいという要求等から、表示領域周辺にTFTによって駆動回路を形成する技術が開発されている。このような表示装置では、表示領域に形成されるTFTはa−Siをチャンネル部に使用し、駆動回路部に形成されるTFTはpoly−Siをチャンネル部に使用する。すなわち、表示領域ではリーク電流が小さいa−Siを使用し、駆動回路部では電子の移動度が大きいpoly−Siを使用している。
一般にはa−Siを用いたTFTではボトムゲートの構造が用いられ、poly−Siを用いたTFTではトップゲートの構造が用いられている。したがって、1枚の基板に構造の異なるTFTを形成することになって、製造プロセスが複雑になる。
「特許文献1」には、プロセスが複雑になるのを防止するために、poly−Siを用いたTFTにおいてもボトムゲートを用いる構成が記載されている。この構成はゲート電極の上に形成されたゲート絶縁膜の上に、先ず、チャンネルとなるpoly−Si層を形成し、その上にa−Si層を形成する。a−Si層の上にはn+Siのコンタクト層が形成され、その上にソース/ドレイン電極(SD電極)が形成される。poly−Siをチャンネルに用いたTFTをこのような構成とすることによって、a−Siをチャンネルに用いたTFTとで共通のプロセスが多くなり、プロセスが単純化する。
「特許文献1」には、プロセスが複雑になるのを防止するために、poly−Siを用いたTFTにおいてもボトムゲートを用いる構成が記載されている。この構成はゲート電極の上に形成されたゲート絶縁膜の上に、先ず、チャンネルとなるpoly−Si層を形成し、その上にa−Si層を形成する。a−Si層の上にはn+Siのコンタクト層が形成され、その上にソース/ドレイン電極(SD電極)が形成される。poly−Siをチャンネルに用いたTFTをこのような構成とすることによって、a−Siをチャンネルに用いたTFTとで共通のプロセスが多くなり、プロセスが単純化する。
「特許文献1」に記載の技術では、2つの問題点が存在する。第1の問題点は、poly−Si層107とSD電極113の導通の問題である。すなわち、ゲート電極103上に形成されたゲート絶縁層の上にpoly−Si層107を形成し、その上にa−Siを形成し、その上にn+Si層109を形成してコンタクトを取っている。この構成はトランジスタがONしている時はON電流は移動度の大きいpoly−Si層107を問題なく流れる。しかし、トランジスタをOFFする時はリーク電流の問題が生ずる。
図8は「特許文献1」記載されたと同様なpoly−Siのチャネルを有するTFTの構成である。図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のA−A断面図である。図8(a)において、ゲート電極103の上にはゲート絶縁膜104を挟んでpoly−Si層107、続いてa−Si層108が積層されている。a−Si層108の上にはn+Si層109を介してSD電極113が形成されている。
図8(b)は図8(a)の詳細断面図である。図8(b)において、下地膜102の上にはゲート電極103が形成され、ゲート電極103を覆ってゲート絶縁膜104が形成されている。ゲート絶縁膜104の上にはpoly−Si層107が形成され、その上にはa−Si層108が形成されている。a−Si層108の上にはn+Si層109が形成されている。a−Si層108とn+Si層109とは同じマスクを用いてフォトリソグラフィがおこなわれるので、平面は同じ形状となっている。n+Si層109の上にはSD電極113が形成されている、SD電極113はMoからなるバリアメタル110層、Al層111、Moからなるキャップメタル112層で形成されている。
図8のような構成において、ゲート電極103にプラス電圧を印加してTFTにON電流を流す場合は特に問題は生じない。ところが、ゲート電極103にゼロ電圧あるいはマイナス電圧を印加して、TFTをOFFにする場合に問題が生ずる。図9はTFTのゲート電圧とドレイン電流の関係を示す。TFTの特性としては、ゲート電極103にプラス電圧を印加した場合にドレイン電流が流れ、ゲート電極103にゼロ電圧あるいはマイナス電圧を印加した場合にドレイン電流がOFFするすなわち、電流が流れないようにする必要がある。図9の点線は一般のa−Siを用いたTFTのゲート電圧とドレイン電流の関係である。ゲート電圧がある値になるとドレイン電流は飽和し、ゲート電位はゼロあるいはマイナスななった場合はわずかなリーク電流が流れるだけである。
ところが、図8に示すような、poly−Si膜とa−Si膜の積層構造ではゲート電極103をゼロ電位あるいはマイナス電位にしてもドレイン電流がOFFしないという現象が観測された。これは次のような原因によるものと考えられる。
図10は図8(b)と同様の断面図である。図10において、ゲート電極103にマイナス電圧を印加するとpoly−Si層107に正孔が誘起される。poly−Si層107とSD電極113のバリアメタル110との間には電位障壁はない。したがって、正孔による電流はそのままSD電極113に流れこむことになる。したがって、TFTがOFFしないことになる。
本発明では、図11に示すように、a−Si層108およびpoly−Si層107とSD電極113の間にn+Si層109を形成することによって空乏層を形成し、ホールが通過することを防止している。ところが、このような構成をとってもリーク電流が減少しない場合があることがわかった。この現象は次のように考えられる。
図11において、ゲート電極103の上にはゲート絶縁膜104をはさんでpoly−Si層107とa−Si層108が形成されている。a−Si層108はチャネルエッチング部114が形成されて膜厚が小さくなっている。チャネルエッチング部114およびTFT全体を覆ってSiNによるパッシベーション膜116が形成されている。
液晶表示パネル製造工程においては、静電気が発生する機会が多い。特にTFTや画素電極が形成されるTFT基板101やカラーフィルタ基板に液晶を配向させるための配向膜のラビング工程においては静電気が発生する。このようにして発生した静電気は図11に示すように、チャネルエッチング部114のパッシベーション膜116に固定電荷200として存在することになる。図11の例では固定電荷200によってパッシベーション膜116がプラスにチャージした例である。
図11において、ゲート電極103に負の電位を印加してTFTをOFFしようとした場合、poly−Si層107のチャネル部には正の電荷であるホールが誘起されるために、電流はOFFする。ところが、チャネルエッチング部114の固定電荷200のためにa−Si層108には電子が誘起される。この電子はp−n接合層を通過するために、ソース―ドレイン間に電流が流れ、TFTがOFFしないことになる。この様子を図12に示す。図12において、横軸はゲート電圧、縦軸はドレイン電流である。図13に示すように、ゲート電圧が負になっても、ドレイン電流はゼロにならず、TFTがOFFしない。
本発明の課題は、以上のように、ゲート電極103にOFF電圧を印加してもTFTがOFFしない現象を解決することである。
本発明は上記課題を克服するものであり、poly−Si層およびa−Si層を積層したボトムゲート型TFTにおいて、チャネル部をpoly−Si層のみにしたことを特徴とする。また、SD電極とpoly−Si層の側部の間にはn+Si層を形成することによってTFTのOFF特性を改良するものである。具体的な構成は下記のとおりである。
(1)画素電極と画素用TFTがマトリクス状に形成された表示領域と、前記表示領域の周辺に駆動回路用TFTを含む駆動回路が形成された表示装置であって、前記駆動回路用TFTはゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にはpoly−Si層が形成され、前記poly−Si層の上にはa−Si層が形成され、前記a−Si層の上にはn+Si層が形成され、前記n+Si層の上にはソース/ドレイン電極が形成れている構成であり、前記駆動回路用TFTのチャネル部はpoly−Siで形成され、a−Siは存在していないことを特徴とする表示装置。
(2)前記poly−Si層はa−Si層をレーザアニールすることによって形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(3)前記駆動回路用TFTのゲート電極はMoまたはW、または、Mo―W合金で形成されていることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(4)前記ソース/ドレイン電極に下にはn+Si層、a−Si層が存在していることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(5)前記チャネル部のpoly−Si層は前記チャネル層以外のpoly−Si層よりも厚さが小さいことを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(6)前記駆動回路用TFTと前記画素用TFTは同一構成であることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(7)前記poly−Si層のチャネル部の厚さは30nm〜50nmであることを特徴とする(1)に記載の表示装置。
(8)画素電極と画素用TFTがマトリクス状に形成された表示領域と、前記表示領域の周辺に駆動回路用TFTを含む駆動回路が形成された表示装置であって、前記駆動回路用TFTはゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にはpoly−Si層が形成され、前記poly−Si層の上にはa−Si層が形成され、前記a−Si層の上にはn+Si層が形成され、前記n+Si層の上にはソース/ドレイン電極が形成れている構成であり、前記駆動回路用TFTのチャネル部においては、n+Si層、前記a−Si層は前記SD層をマスクとしたドライエッチングによって除去されており、前記チャネル部はpoly−Si層で形成され、a−Si層は存在していないことを特徴とする表示装置。
(9)前記poly−Si層の一部はドライエッチングされていることを特徴とする(8)に記載の表示装置。
(10)画素電極と画素用TFTがマトリクス状に形成された表示領域と、前記表示領域の周辺に駆動回路用TFTを含む駆動回路が形成された表示装置であって、前記駆動回路用TFTはゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にはpoly−Si層が形成され、前記poly−Si層の上にはa−Si層が形成され、前記a−Si層の上にはn+Si層が形成され、前記n+Si層の上にはソース/ドレイン電極が形成れている構成であり、前記poly−Si層の側部と前記SD層との間には前記a−Si層と前記n+Si層が存在していることを特徴とする表示装置。
(11)前記poly−Si層はa−Si層をレーザアニールすることによって形成されていることを特徴とする(10)に記載の表示装置。
(12)前記駆動回路用TFTのゲート電極はMoまたはW、または、Mo―W合金で形成されていることを特徴とする(10)に記載の表示装置。
(13)前記ソース/ドレイン電極に下にはn+Si層、a−Si層が存在していることを特徴とする(10)に記載の表示装置。
(14)前記チャネル部のpoly−Si層は前記チャネル層以外のpoly−Si層よりも厚さが小さいことを特徴とする(10)に記載の表示装置。
(15)前記駆動回路用TFTと前記画素用TFTは同一構成であることを特徴とする(10)に記載の表示装置
本発明では、active層としてpoly−Siとa−Siを用いるボトムゲートタイプのTFTにおいて、チャネル部にはpoly−Si層のみとし、a−Siが存在しないようにしたので、パッシベーション膜に形成される固定電荷によって、TFTのOFF電流が多くなる現象を抑止できる。
さらに、SD層とa−Siおよびpoly−Siの間にn+Si層を形成しているので、この構成からもTFTのOFF電流が大きくなることを抑止することが出来る。したがって、TFTがONのときはキャリアの移動度が高く、TFTがOFFのときはリーク電流が小さいボトムゲートタイプのTFTを実現することが出来る。
本発明を用いれば、a−SiをチャネルとするボトムゲートタイプのTFTを表示領域に形成し、poly−SiをチャネルとするボトムゲートタイプのTFTを駆動回路部に、プロセスの整合性良く形成することが出来る。さらに本発明のTFTはONの時のキャリア移動度が高く、OFFの時はリーク電流が小さいので、同じ構成のTFTを表示領域と駆動回路部に形成することが出来る。
実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
図1は本発明のTFTの構成を示す断面模式図である。図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。図1(a)において、ゲート電極103の上にはゲート絶縁膜104を介してpoly−Si層107が存在している。poly−Si層107の両側にはa−Si層108が存在している。a−Si層108の上にはn+Si層109を介してSD電極113が存在している。n+Si層109はSD電極113と同層でエッチングされているので、図1(a)ではSD電極113の下に隠れている。
図1(b)は図1(a)の断面図である。図1において、TFT基板101の上にはSiNによる下地膜102が150nm程度の厚さで形成されている。下地膜102の役割はガラスからの不純物がpoly−Si層107を汚染することを防止することである。下地膜102の上にはゲート電極103が形成されている。ゲート電極103はMo−W合金等、高融点金属で形成されている。後にa−Siをレーザアニールによってpoly−Siに変換するさいの熱に耐えるためである。
ゲート電極103を覆ってSiO2によるゲート絶縁膜104がCVDによって形成される。ゲート絶縁膜104の厚さは200nm〜300nm程度である。SiNによる下地膜102とSiO2によるゲート絶縁膜104とが共同して、ガラスからの不純物が半導体層を汚染することを防止している。ゲート絶縁膜104をはさんでゲート電極103の上方にはpoly−Si層107によるチャネル層が形成されている。poly−Si層107は、当初はa−Siとして被着され、その後レーザアニールによってpoly−Siに変換している。エキシマレーザによるアニールを可能とするためにはpoly−Siに変換する前のa−Si層108の厚さは50nm程度である。
poly−Si層107の上にはa−Si層108が形成されている。このときのa−Si層108の厚さは150nm程度である。a−Si層108は当初はpoly−Si層107を覆って形成されるが、チャネルエッチング時にpoly−Siのチャネルに対応する部分からはa−Siを除去している。したがって、poly−Si層107のチャネル部にはa−Siは存在していない。この点が公知例と大きく異なるところである。
a−Si層108の上にはn+Si層109が20nm〜50nmの厚さでプラズマCVDによって形成されている。n+Si層109はa−Si層108とSD電極113を形成する金属とでオーミックコンタクトをとるためである。n+Si層109は当初はa−Si層108を覆って被着されるが、チャネルエッチング時にa−Si層108とともに、チャネル層からは除去される。n+Si層109を覆ってSD電極113が形成される。
SD電極113層はバリアメタル層110、Al層111、キャップメタル層112の3層から成っている。バリアメタル層110およびキャップメタル層112はMoによって形成されている。SD電極113の電気的な導通は主としてAlが担うが、MoはAlのヒロック防止、および、AlがITO119と接触した場合に、Alが酸化されることによる接触不良の防止等のために用いられる。本明細書では以後単にSD電極113という場合は、バリアメタル層110、Al層111、キャップメタル層112を含む層をいうものとする。
SD電極113を含むTFT全体は厚さ200nm程度のSiNによる無機パッシベーション膜116で覆われている。TFTが形成された後、平坦化膜117が形成され、その上に画素電極が形成され、さらに配向膜が形成される。その後、配向膜をラビングする際、静電気が発生する。この静電気が固定電荷200として図1に示すように、チャネルエッチング部114のパッシベーション膜116にチャージしたと仮定する。図1においては、このチャージした固定電荷200は正電荷である。
従来例ではチャネルエッチング部114にa−Si層108が存在しており、このa−Si層108に固定電荷200によって負電荷が誘起された。しかし、本発明においてはチャネルエッチング部114の下にはa−Si層108は存在していない。ここで、TFTをOFFするために、ゲート電極103に負電位を印加したとする。そうするとpoly−Si層107には正電荷が誘起される。poly−Si層107はチャネル部においては、厚さが薄く、30nm〜50nm程度である。
したがって、チャネル部におけるpoly−Si層107は固定電荷200よりはゲート電圧の影響を強く受ける。こうして、チャネル層には固定電荷200による負電荷である電子ではなく、正電荷である正孔が誘起される。正孔はp−n接合部分でブロックされるために、SD電極113には電流は流れず、TFTはOFFする。一方、チャネルエッチング部114の両側に存在するa−Si層108には固定電荷200によって負電荷である電子が誘起されるが、この誘起された電子はSiNであるパッシベーション膜116によってブロックされて流れることが出来ない。
図2は本発明によるTFTでのゲート電圧とドレイン電流の関係である。図2において、横軸はゲート電圧で、縦軸はドレイン電流である。図2において、ゲート電極103にわずかに負の電圧を印加することによってTFTは完全にOFFする。ゲート電圧をさらに負の方向に電圧を上昇させてもドレインにはわずかなリーク電流が流れるのみである。このように、TFTはゲート電圧によって正常にコントロールされる。
図3および図4は図1に示すTFTを製造するためのプロセスを説明するものである。図4(a)において、ガラス基板上に150nm程度の厚さで下地膜102を形成し、その上にゲート電極103を形成する。ゲート電極103はMoをスパッタリングによって下地膜102上に被着し、フォトリソグラフィによってパターニングして形成する。本実施例のゲート電極103はMoを使用しているが、ゲート電極103は、WまたはMo−W合金等の融点の高い金属であればよい。後にa−Siをレーザアニールしてpoly−Siに変換するときの高温に耐えるためである。その後TEOS(テトラエトキシシラン)を用いたCVDによってSiO2膜によるゲート絶縁膜104を200nm〜300nmの厚さに形成する。ゲート絶縁膜104上にa−Si膜1091を被着する。
図3(b)において、a−Si膜1091にエキシマレーザを照射することによってa−Siをpoly−Siに変換する。エキシマレーザによるa−Siのアニールは50nm程度が限度であるので、このようにして出来たpoly−Si層107は50nm程度である。ただし、本発明では、後に述べるように、チャネルエッチング時に、poly−Siの一部もエッチングされるために、チャネル層のpoly−Si層107はできるだけ厚いほうが良い。チャネルエッチングの精度との兼ね合いでより厚膜のアニールが可能なレーザを使用する場合もある。その後、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィによってpoly−Si層107をパンターニングしてpoly−Siによるチャネル層を形成する。
次に、図3(d)に示すように、poly−Si層107を覆ってa−Si層108をCVDによって150nm程度の厚さに被着する。このときのa−Si層108は150nm程度である。その後a−Si層108をフォトリソグラフィによってパンターニングし、poly−Si層107の上部に残す。その後リンをドープしたn+Si層109をpoly−Si層107及びa−Si層108を覆って20nm〜50nm程度被着する。n+Si層109はa−Si層108とSD電極113とのオーミックコンタクトを形成するためである。
n+Si層109の上にはSD電極113を被着する。SD電極113は3層構造となっており、スパッタリングによって被着される。SD電極113層は30nm〜100nmのバリアメタル層110、300nm〜500nmのAl層111、30nm〜100nmキャップメタル層112の3層から成っている。バリアメタル層110およびキャップメタル層112はMoによって形成されている。SD電極113の電気的な導通は主としてAlが担うが、MoはAlのヒロック防止、および、AlがITO119と接触した場合に、Alが酸化されることによる接触不良の防止等のために用いられる。さらに、バリアメタルおよびキャップメタルはAlが他の層に拡散することを防止する。
その後、図4(g)に示すように、SD電極113層をフォトリソグラフィによってパターニングし、必要な部分だけにSD電極113を残す。さらに、図4(h)に示すように、このSD電極113をレジストとしてn+Si層109のドライエッチングを行いチャネル層からn+Si層109を除去する。このn+Si層109を完全に除去するために、従来構造ではa−Si層108の上部も同時に除去していたが、一部はpoly−Si上に残されていた。
そうすると先に述べたように、製造プロセスにおいて、パッシベーション膜116に固定電荷200が蓄積されるとチャンネルに固定電荷200による電荷が誘起され、TFTがOFFしないという現象を生ずる。本発明ではこの現象を対策するために、図4(i)に示すように、ドライエッチングによってa−Si層108をチャネル部から完全に除去している。このとき、a−Siを完全に除去するためには、poly−Si層107までエッチングする必要がある。したがって、poly−Si層107の厚さは30nm〜50nm程度となる。このときのエッチング量はエッチング時間によって制御される。
その後図4(j)に示すように、TFT全体を樹脂である平坦化膜117によって覆う。平坦化膜117の厚さは2μm程度であり、画素電極が被着される面を平坦にする。平坦化膜117は感光性の樹脂を用いており、コンタクトホールの形成にはレジストを必要としない。コンタクトホールを形成後、ITO119をスパッタリングによって50nm〜150nmの厚さに成膜する。その後フォトリソグラフィによって画素電極を形成する。
その後図示しない配向膜を画素電極および平坦化膜117の上にコーティングし、液晶の配向方向を決めるために配向膜をラビングする。このラビング時に静電気が発生して、樹脂である平坦化膜117に固定電荷200が蓄積される場合がある。しかし、平坦化膜117に固定電荷200が蓄積されたとしても本実施例ではa−Si層108はチャンネル部には存在していないので、a−Si層108に電荷が誘起されることは無い。また、poly−Si層107は30nm〜50nmと薄いために、poly−Si層107に誘起される電荷はゲート電極103による影響が支配的となる。このため、TFTの動作はゲート電圧によって正常に制御されることになる。
本実施例のTFTは駆動回路に使用して表示領域はa−SiをチャネルとしたTFTを用いることも出来る。しかし、本実施例によるpoly−SiをチャネルとしたTFTはON状態ではキャリアの移動度が高く、OFFしている時はリーク電流を非常に小さく出来るので、表示領域、駆動回路を問わず使用することも出来る。
従来技術の問題点としてpoly−Si層107とSD電極113が直接接するとTFTがOFFしなくなる現象がある。この問題点を解決するために、実施例1では、n+Si層109をa−Si層108とSD電極113の間のみでなく、サイドにおいてもpoly−Si層107とSD電極113の間に配置している。本実施例では、ゲート電圧に負の電圧を印加したときに、TFTがOFFしなくなる現象をより確実に防止するために、poly−Siのサイドにもa−Si層108を形成している。この構成を図5に示す。
図5において、poly−Si層107のサイドにおいて、n+Si層109とpoly−Si層107の間にはa−Si層108が形成されている。ここで、ゲート電極103に負の電圧を印加するとpoly−Si層107のチャネル部には正電荷であるホールが誘起される。このホールが横方向に移動してSD電極113に流れようとした場合、a−Si層108を通らなければならない。しかし、a−Si層108にはホールはほとんど存在することが出来ないために、ホールはa−Si層108を通ってn+Si層109あるいはSD電極113に到達することができない。したがって、TFTのOFF時に電流が流れる現象を防止することが出来る。本実施例では、TFTがOFFしたときのリーク電流を、a−Si層108で防止すると同時に、n+Si層109とa−Si層108との間の空乏層によって防止している。
このような構成であっても、本発明の要点である、チャネル部からa−Si層108を除去することによって固定電荷200によるTFTのリーク電流を防止できることは実施例1と同様である。すなわち、図5に示すように、チャネル部にはa−Si層108は存在していない。poly−Si層107によるチャネル部に対する影響はゲート電圧の影響が支配的となるので、固定電荷200によるチャネル層への影響は抑止され、TFTはゲート電極103によって正常に制御される。また、チャネル層のサイドに位置するa−Si層108に誘起される電荷はSiNであるパッシベーション膜116によってブロックされてリーク電流に寄与しないことは実施例1と同様である。
図6および図7は本実施例の構成を与える製造フローである。図6(a)から図6(d)までは実施例1と同様なプロセスである。図6(e)において、a−Si層108はpoly−Si層107全体を覆うように、poly−Si層107よりも大きく形成される。すなわち、poly−Siのサイドまで、a−Si層108によって覆われている。その後、図6(f)に示すように、a−Si層108を覆ってn+Si層109を形成し、SD電極113を形成する。n+Si層109およびSD電極113の形成方法は実施例1と同様である。
フォトリソグラフィによってSD電極113を形成したあと、図7(g)、図7(h)、図7(i)に示すように、SD電極113をマスクとしてドライエッチングによってチャネルエッチングを行なう。チャネルエッチングはn+Si層109、a−Si層108を全てエッチングによって除去する。a−Si層108を完全に除去するために、poly−Si層107の一部もエッチングされる。poly−Si層107のエッチング量はエッチング時間の制御によってコントロールする。
以上述べたように、本実施例によれば、固定電荷200によって、チャネル層に誘起される制御不能な電荷を抑制できるとともに、poly−Si層107のサイドにおいてSD電極113とpoly−Si層107が導通することを確実に防止することが出来る。本実施例のTFTは駆動回路に使用して、表示領域にはa−SiをチャネルとしたTFTを用いることも出来る。しかし、本実施例によるpoly−SiをチャネルとしたTFTはON状態ではキャリアの移動度が高く、OFFしている時はリーク電流を非常に小さく出来るので、表示領域、駆動回路を問わず使用することも出来る。
以上は液晶表示装置を例にとって説明した。しかし、表示領域の画素用TFTと表示領域の周辺に形成された駆動回路用のTFTをボトムゲートで製作することによってプロセスを簡略化して、駆動回路を内蔵した表示装置を実現したいという要求は液晶表示装置に限らない。例えば、有機EL表示装置でも画素部のTFTと周辺回路部のTFTをボトムゲートで製造することによってTFTの製造プロセスを簡略化することが出来る。そして、駆動回路用TFTに対して本発明を適用することが出来ることは言うまでもない。
ここで、有機EL表示装置では液晶表示装置の場合の画素電極に対応するものとして、複数層から成る有機EL層が対応し、有機EL層を駆動するためのTFTは画素部に複数形成されている。この画素部のTFTをa−Si層108をチャネルとしたTFTによって形成することが出来る。一方、表示領域の周辺に形成された駆動回路用のTFTに対しては、実施例1から実施例2に説明したような、チャネル部にpoly−Si層107を用いるボトムゲート型のTFTを用いることが出来る。
さらに、本発明によるpoly−SiをチャネルとしたボトムゲートタイプのTFTはON状態ではキャリアの移動度が高く、OFFしている時はリーク電流を非常に小さく出来るので、有機EL表示装置の場合においても、表示領域、駆動回路を問わず使用することが出来る。
101…TFT基板、 102…下地膜、 103…ゲート電極、 104…ゲート絶縁膜、 106…固体レーザ、 107…poly−Si層、 108…a−Si層、 109…n+Si層、 110…バリアメタル層、 111…Al層、 112…キャップメタル層、 113…SD電極、 114…チャネルエッチング部、 116…パッシベーション膜、 117…平坦化膜、 119…ITO、 200…固定電荷。
Claims (15)
- 画素電極と画素用TFTがマトリクス状に形成された表示領域と、前記表示領域の周辺に駆動回路用TFTを含む駆動回路が形成された表示装置であって、
前記駆動回路用TFTはゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にはpoly−Si層が形成され、前記poly−Si層の上にはa−Si層が形成され、前記a−Si層の上にはn+Si層が形成され、前記n+Si層の上にはソース/ドレイン電極が形成れている構成であり、
前記駆動回路用TFTのチャネル部はpoly−Siで形成され、a−Siは存在していないことを特徴とする表示装置。 - 前記poly−Si層はa−Si層をレーザアニールすることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記駆動回路用TFTのゲート電極はMoまたはW、または、Mo―W合金で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記ソース/ドレイン電極に下にはn+Si層、a−Si層が存在していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記チャネル部のpoly−Si層は前記チャネル層以外のpoly−Si層よりも厚さが小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記駆動回路用TFTと前記画素用TFTは同一構成であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記poly−Si層のチャネル部の厚さは30nm〜50nmであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 画素電極と画素用TFTがマトリクス状に形成された表示領域と、前記表示領域の周辺に駆動回路用TFTを含む駆動回路が形成された表示装置であって、
前記駆動回路用TFTはゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にはpoly−Si層が形成され、前記poly−Si層の上にはa−Si層が形成され、前記a−Si層の上にはn+Si層が形成され、前記n+Si層の上にはソース/ドレイン電極が形成れている構成であり、
前記駆動回路用TFTのチャネル部においては、n+Si層、前記a−Si層は前記SD層をマスクとしたドライエッチングによって除去されており、前記チャネル部はpoly−Si層で形成され、a−Si層は存在していないことを特徴とする表示装置。 - 前記poly−Si層の一部はドライエッチングされていることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
- 画素電極と画素用TFTがマトリクス状に形成された表示領域と、前記表示領域の周辺に駆動回路用TFTを含む駆動回路が形成された表示装置であって、
前記駆動回路用TFTはゲート電極を覆ってゲート絶縁膜が形成され、前記ゲート絶縁膜の上にはpoly−Si層が形成され、前記poly−Si層の上にはa−Si層が形成され、前記a−Si層の上にはn+Si層が形成され、前記n+Si層の上にはソース/ドレイン電極が形成れている構成であり、
前記poly−Si層の側部と前記SD層との間には前記a−Si層と前記n+Si層が存在していることを特徴とする表示装置。 - 前記poly−Si層はa−Si層をレーザアニールすることによって形成されていることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 前記駆動回路用TFTのゲート電極はMoまたはW、または、Mo―W合金で形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
- 前記ソース/ドレイン電極に下にはn+Si層、a−Si層が存在していることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 前記チャネル部のpoly−Si層は前記チャネル層以外のpoly−Si層よりも厚さが小さいことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 前記駆動回路用TFTと前記画素用TFTは同一構成であることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
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