JP2009098580A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加圧部材31に係合して加圧部材31及び定着部材を圧接状態にする加圧レバー40と、加圧レバー40を押動して加圧部材31及び定着部材の圧接状態を解除する解除レバー41と、を備える。解除レバー41は、圧接状態を解除するときに、加圧レバー40の変位が開始された後に加圧レバー40の被当接部40dに当接して加圧レバー40の解除位置を定める当接部41dを具備する。
【選択図】図4
Description
このような定着装置には、定着部材と加圧部材との圧接状態を解除する解除機構が設けられている。そして、ニップ部にて記録媒体のジャム(紙詰まり)が発生したとき等に、ユーザーが解除機構を操作してジャム処理を容易におこなえるようにしている。
また、特許文献2等には、定着部材と加圧部材との圧接状態を解除する動作を、画像形成装置本体のカバーの開動作に連動しておこなう技術が開示されている。
また、特許文献2等の定着装置は、定着部材と加圧部材との圧接状態を解除する動作を画像形成装置本体のカバーの開動作に連動しておこなっているために、画像形成装置本体から取出された状態では圧解除位置が定まらずに、定着装置単体としての操作性が不充分であった。したがって、定着装置を画像形成本体から取出しておこなうような作業(例えば、定着装置を取出しなければ処理できないようなジャム処理作業等である。)の作業性が悪かった。さらに、装置の構成が複雑で、装置が大型化、高コスト化してしまう可能性もあった。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、加圧部材としての加圧ローラ31、テンションローラ35、等で構成される。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20のフレームに固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向するサーモパイル(不図示である。)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、サーモパイルの検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
そして、加圧ローラ31は、加圧機構(後で図3等により詳しく説明する。)によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部(定着ニップ部)が形成される。ここで、加圧ローラ31は、不図示の駆動モータによって回転駆動されるが、その詳細については後で図9を用いて説明する。
なお、本実施の形態において、加圧ローラ31を直接的に加熱するヒータ等の加熱手段を設置することもできる。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、不図示の駆動モータによって加圧ローラ31が図2中の矢印方向の回転駆動が開始されて、それと同時に定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)が従動回転する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ニップの位置で記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
図3は定着ベルト21と加圧ローラ31とが圧接状態であるときの定着装置を示す側面図であり、図4はその圧接状態を解除したとき(解除状態)の定着装置を示す側面図である。また、図5は、加圧ローラ31が定着装置のフレーム38に設置された状態を示す斜視図である。図6は、フレーム38単体を示す図である。図7はフレーム38に設置された軸受55の圧接状態時の位置を示す図であり、図8は軸受55の解除状態時の位置を示す図である。また、図9は、フレーム38にギア列61〜65が設置された状態を示す斜視図である。図10は、解除レバー41が装置本体1のカバー110に係合した状態を示す図である。
定着装置20の加圧機構は、加圧レバー40、解除レバー41、付勢手段としてのスプリング50(引張スプリング)、等で構成されている。加圧レバー40は、スプリング50(付勢手段)に付勢されて加圧ローラ31に係合(軸受55を介した間接的な係合である。)して、加圧ローラ31及び定着ベルト21を圧接状態にするためのものである。解除レバー41は、加圧レバー40を押動して加圧レバー40を変位(回動)させて加圧ローラ31及び定着ベルト21の圧接状態を解除するためのものである。
また、加圧レバー40には、解除レバー41に係合する、平面部40c(曲げ加工により形成されている。)、被当接部40d(第1被当接部)、第2の被当接部40e(第2被当接部)、が設けられている。
また、解除レバー41には、加圧レバー40に係合する、当接部41d(第1当接部)、第2の被当接部41e(第2当接部)、も設けられている。なお、解除レバー41も、機械的強度を確保するために、金属材料で形成されている。
圧接状態を解除するとき(加圧位置から解除位置へ移動するときである。)には、把持部41bを把持して支軸41aを中心にして解除レバー41を図3の時計方向に回転させる。これにより、カム部41cによって平面部40cが押動されて、加圧レバー40がスプリング50の力に抗するように支軸40aを中心にして図3の時計方向に回転する。このとき、カム部41cは、曲げ加工にてカム部41cに対向するように形成された平面部40cを安定した摩擦抵抗によって摺動するために、解除レバー41を操作する操作者にとっての操作性が向上する。なお、カム部41cと平面部40cとの摺動抵抗をさらに低減するために、カム部41cと平面部40cとの間に、グリスを塗布したり低摩擦部材を設置したりすることができる。
具体的に、図10を参照して、定着装置20を画像形成装置本体1に設置した状態で、解除状態から圧接状態に戻すときには、操作者がカバー110を支軸110aを中心にして図10の矢印A´方向に閉鎖すると、カバー110に設置された突起部110bが解除レバー41の把持部41bを押動して、その後に解除レバー41及び加圧レバー40は上述した手動時と同様に動作することになる。
このような構成により、定着装置20の位置で記録媒体Pのジャムが発生して操作者が上述の解除操作をおこなってジャム処理をおこなう場合であって、操作者が上述の解除レバー41の戻し操作を忘れてしまった場合であっても、装置の稼動を再開する際にはカバー110の閉動作が必ずおこなわれるために、定着装置20が解除状態のまま稼動してしまう不具合を未然に防止することができる。
定着ベルト21(定着補助ローラ22)や加圧ローラ31は稼動時(定着可能状態時)には熱膨張していているため、冷えている状態のときに比べて、加圧レバー40が解除方向に押し戻されている。したがって、加圧レバー40の停止位置(加圧位置)を上述の範囲に設定することで、定着装置20を長時間稼動させないときに、加圧力によって定着ベルト21(定着補助ローラ22)や加圧ローラ31に永久歪が生じる不具合を防止することができる。また、定着装置20の稼動時(熱膨張時)には、加圧ローラ31と定着ベルト21との当接により加圧レバー40の移動が規制されるため(第2被当接部40eと第2当接部41eとの当接により加圧レバー40の移動が規制されないため)、加圧ローラ31と定着ベルト21との圧接不良によるニップ部におけるニップ幅の不足は生じない。なお、ニップ幅の不足(ニップ幅減少)が生じた場合には、出力画像上にコールドオフセット等の定着不良が生じてしまうことになる。
先に説明したように、本実施の形態では、加圧ローラ31は、その軸部31aに軸受55(止め輪53によって回転軸方向の位置が定められている。)が挿設されていて、軸受55を介してフレーム38に回転自在に支持されている(図5を参照できる。)。そして、加圧レバー40は、スプリング50に付勢されて軸受55を介して加圧ローラ31を定着ベルト21側に加圧している。
詳しくは、図6に示すように、フレーム38には、軸受55を加圧方向・解除方向に移動させるための異形穴38cが形成されている。この異形穴38cには、軸受55の回転軸方向(図6の紙面垂直方向である。)の移動を規制するための受け部38aが複数設けられている(他端は止め輪53によって規制される。)。さらに、異形穴38cには、軸受55の加圧方向・解除方向の移動を案内するガイド部38bが設けられている。
そして、このような構成により、フレーム38の異形穴38cに設置された軸受55は、加圧位置と解除位置との間を移動することになる。図7は軸受55が加圧位置にある状態(圧接状態時の状態である。)を示し、図8は軸受55が解除位置にある状態(解除状態時の状態である。)を示すものである。
図9を参照して、本実施の形態では、不図示の駆動モータによってギア61(駆動ギア)に駆動入力されて、ギア62(アイドラギア)を介して加圧ローラ31の従動ギア63(加圧ローラ31と一体的に回転する。)に駆動力が伝達される。さらに、駆動ギア61は、定着補助ローラ22の軸22aに設置されたギア64にも駆動伝達するとともに、ギア65を介して排紙部(図1の排紙ローラ対99等が設置されている。)へも駆動伝達している。
ここで、図示は省略するが、定着補助ローラ22の軸22aと、ギア64と、の間にはワンウェイクラッチが設置されている。これにより、加圧ローラ31の線速(外周面上の線速である。)に比べて、定着ベルト21の線速(ニップ部における線速である。)は僅かに小さくなる。したがって、定着ベルト21は、ワンウェイクラッチの効果により加圧ローラ31との接触により従動回転することになる。このような構成により、ニップ部において加圧ローラ31と記録媒体Pとの間に滑りが生じた場合に、ワンウェイクラッチがロック状態になって定着ベルト21によって記録媒体Pが補助的に搬送されることになる。
なお、本実施の形態では、加圧ローラ31を主たる駆動ローラとして機能させたが、定着補助ローラ22を主たる駆動ローラとして機能させることもできる。さらに、上述したワンウェイクラッチの構成をとらずに、単純に定着ベルト21を加圧ローラ31との接触力のみで従動させることもできる。
具体的に、図6を参照して、軸受55の加圧方向・解除方向の移動を案内するガイド部38bは、アイドラギア62の回転中心を中心にした円弧状の軌跡を描くように形成されている。
このような構成により、加圧ローラ31の位置にかかわりなく、従動ギア63とアイドラギア62との軸心ピッチが一定に維持されることになる。したがって、加圧ローラ31の変位によって回転ムラ等の不具合が生じるのを抑止することができる。
また、本実施の形態では、加熱手段としてヒータ25を用いた定着装置20に対して本発明を適用したが、加熱手段として励磁コイルを用いた電磁誘導加熱方式の定着装置や、転写工程と定着工程とを同時におこなう定着装置(転写定着装置)に対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態では、加圧レバー40が加圧部材31に係合して圧接状態を形成する構成としたが、加圧レバーが定着部材(例えば、定着ローラに加圧レバーが係合する構成である。)に係合して圧接状態を形成する構成とすることもできる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 定着補助ローラ、
23 加熱ローラ、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
38 フレーム、
40 加圧レバー、
40a 支軸、 40c 平面部、
40d 被当接部、 40e 第2の被当接部、
41 解除レバー、
41a 支軸、 41c カム部、
41d 当接部、 41e 第2の当接部、
50 スプリング(付勢手段)、 55 軸受、
61〜65 ギア、 110 カバー、 P 記録媒体。
Claims (10)
- トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着部材と、
前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
付勢手段に付勢されて前記加圧部材又は前記定着部材に直接的又は間接的に係合して前記加圧部材及び前記定着部材を圧接状態にする加圧レバーと、
前記加圧レバーを押動して当該加圧レバーを変位させて前記加圧部材及び前記定着部材の圧接状態を解除する解除レバーと、
を備え、
前記解除レバーは、前記加圧部材及び前記定着部材の圧接状態を解除するときに、前記加圧レバーの変位が開始された後に当該加圧レバーの被当接部に当接して当該加圧レバーの解除位置を定める当接部を具備したことを特徴とする定着装置。 - 前記解除レバーは、前記解除位置にある前記加圧レバーを変位させて前記加圧部材及び前記定着部材を圧接状態に戻すときに、前記加圧レバーの変位が開始された後に当該加圧レバーの第2の被当接部に当接して当該加圧レバーの停止位置を定める第2の当接部を具備したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記停止位置は、装置が稼動して前記定着部材及び前記加圧部材が熱膨張した状態で制限される前記加圧レバーの位置と、装置が停止して前記定着部材及び前記加圧部材の熱膨張がない状態で制限される前記加圧レバーの位置と、の間の位置に設定されたことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記解除レバーは、カム部を備えるとともに支軸を中心に回動可能に構成され、回動動作にともない前記カム部が前記加圧レバーの平面部上を摺動して当該加圧レバーを変位させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧レバー又は/及び前記解除レバーは、金属材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧レバーは、前記加圧部材又は前記定着部材を軸支する軸受に係合して前記加圧部材及び前記定着部材を圧接状態にすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記軸受は、前記加圧レバーの変位にともない装置のフレームに対して移動可能に保持されたことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
- 前記軸受は、前記加圧部材又は前記定着部材の軸上に設置された従動ギアに噛合して駆動力を伝達するギアの回転中心を中心にして前記フレーム上を移動することを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
- 前記解除レバーは、画像形成装置本体に開閉自在に設置されたカバーの閉動作に連動して前記解除位置にある前記加圧レバーの加圧位置に向けての変位を開始させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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